■『快傑ズバット』感想まとめ5■


“なにがあるのか しらないが
男はひとりで ゆくものさ”


 拙ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『快傑ズバット』 感想の、まとめ5(25〜30話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆第25話「荒神山 涙の別れ」◆ (監督:広田茂穂 脚本:長坂秀佳)
 山奥で、新型爆薬・ウルトラマイトを研究する青年科学者・吉良崎直也。その爆薬を狙い、血起党の鬼大尉がその身辺に迫る。
 血起党の用心棒は、二刀流フェンシングの名手・ダルタニアン。
 ……なんか、メキシコ。
 鬼大尉にしろダルタニアンにしろ、カツラや付け髭が露骨すぎて、今回は不思議コスプレ祭り。
 危ない所を早川に救われ、用心棒との対決中に白いギターと一緒に取り残された吉良崎は、血起党の視線を感じ、 恋人・希久子に辛くあたり、絶縁宣言。ショックのあまり投身自殺を試みる希久子を止める早川。
 「自殺なんかするのは、卑怯者のすることだ!!」
 早川はどうして時々、熱血教師が入るのでしょうか。
 翌日、それでもまた吉良崎のもとを訪れる希久子だが、すげなく追い返される。 しかし本心では彼女を愛してやまない吉良崎は早川に希久子を麓まで送り届けてくれるように頼み、早川は麓の駅で東条達に遭遇。 東条もまた、怪しい動きを見せる血起党の動向を探っていた。
 その頃、早川が身辺を離れた隙に、案の定、捕まっている吉良崎博士。
 半裸の男が拷問されるという、新パターン。
 ウルトラマイトの製法を聞かれても頑として口を割らない博士だが、希久子の名前を出されて露骨に動揺。 ダルタニアンらが人質として希久子をさらいに向かっている間に早川が事務所に殴り込みをかけて助けられるが、 追っ手のマシンガンを浴びて(というか明らかに自分から浴びに行って)、早川、ダムから転落。

 趣味です。気にしないでください。
 なお、血起党の本部のネームプレートの両脇に「D」の文字が張ってあって、
   血起党  
 となっているのに、出来れば早川、気づいてほしかった(笑)
 邪魔な早川を始末した鬼大尉は、首領Lにウルトラマイトの威力を見せる。大喜びの首領、
 「これで気にいらんやつは、何人でも殺せるぞ!」
 首領はどうして時々、フィーリングだけで物を言うのでしょうか。
 そして結局、ウルトラマイトは小屋から盗んだのか(笑)
 これで吉良崎は用済みと、希久子を囮に、逃げた博士の始末をはかる鬼大尉。……製造法、聞き出すのではなかったのか(^^;  捕まえた希久子を縛り付け、その周りにわざわざウルトラマイトを撒き散らす。助けに来た吉良崎が踏み込んだ途端にドカン!  という罠である。そして案の定、希久子を助けに姿を見せる吉良崎。希久子は吉良崎に絶縁を叫び、助けに来ないように訴える。
 ここで前半の吉良崎の別離の言葉と、希久子の言葉を対比して絡ませる辺りは、長坂脚本らしい格好良さ。
 強い衝撃を与えなければ大丈夫な筈……と意を決してウルトラマイトの上に足を踏み出そうとする吉良崎。その時!  ズバッカーが登場し、吉良崎を鞭で回収(笑) 続けて希久子も鞭で回収(笑)
 二人を助けたズバットは、血起党に襲いかかり、ダルタニアンと激突。
 ダルタニアン戦は、相手の腰のサーベルを奪い取り、サーベルvsサーベル、で鞭以外で戦うズバット、という珍しい立ち回り。 しかしダルタニアンは二刀流フェンシングの使い手だった筈なのに、前半も普通に早川とフェンシングで立ち回りした為、 最後まで真の力を見せられず、可哀想(^^;
 ズバットの華麗なサーベル捌きで目を潰されたダルタニアンは、そのまま放り投げられ、ウルトラマイトの罠の上に落ちて、 爆死。
 他の用心棒と比べて特別に悪事を働いたというわけでもなく、あまりに不意打ちで、爆笑してしまいました(笑)
 時間の都合で鬼大尉はあっさりとしばき倒し、ズバットはカードを残して去って行く……
 「このもの、極悪殺人犯人」

 そ れ は 自 分 の 事 だ


◆第26話「許せ我が子よ!」◆ (監督:広田茂穂 脚本:長坂秀佳)
 チンピラを叩きのめす白衣の男、そこへ駆けつけるパトカー。
 「ごくろうさん、暴行傷害の現行犯です」
 ……あなたが?
 男の名は、小山内勇治。
 医者であると同事に、街の悪漢どもを力尽くで叩きのめす、ちょっとした街のヒーローであった。
 この小山内の活躍に手を焼く悪の組織ブラック連合は、小山内の息子きよしに狙いをつける。いつもの構成員に囲まれ、 はたかれたりこづかれたりするきよし。
 しかし本当に、70年代の悪の組織は小学生相手でも容赦ない。
 そこへ現れた早川健は、用心棒のドクウッディ(メス使いの名人である闇医者)も打ち破り少年を助け出すが、 ウッディはいつの間にやらきよしの飼い犬・カクをさらっていた。街に大混乱を起こす為、 特別開発の毒性の強い急性狂犬病のウィルスをカクに打ち込むウッディ。 通りすがりにそれを目撃したみどりとオサムは構成員に消されそうになるが、小山内医師によって助けられ、 ブラック連合の企みが警察にも伝わる。しかしそれは、ブラック連合の恐るべき罠の始まりに過ぎなかった……!
 みどりとオサムから、ウィルスを打ち込まれた犬の特徴を聞き、息子の愛犬カクではないかと危ぶむ小山内医師。そして街に響き渡る、 「発見次第、ただちに射殺せよ」という命令と、警察のサイレン。
 ……いや、一応、捕獲して保菌しているか確認しましょうよ。暴れているならともかく、大人しいなら。
 具合の悪そうなカクを抱えて、家に戻ろうとしたきよし少年を見つける警察。
 犬を抱えている子供に向けて、

 いきなり銃を抜く東条。

 やはりこの人は、単純に無能なのだと思われます。

 見た目は格好いいんだけどなぁ(笑)
 カクの殺害を拒否し、廃工場の2階に立てこもる少年。
 子供一人丸め込めない大人達。
 だが、裏手から回り込んだ早川が少年の説得に成功。「カクがもとで、町中の人達が狂犬病にかかったらどうするんだ!」という言葉に、 自慢の父に恥じない男になる為にも、愛犬との別れを覚悟した少年は「やだ、ぼく、自分でやる!」と自らカクを抱えて工場の端に立つと…… 「カク、ごめんよカク!」

 投 げ 殺 し た

 だがここで、さらなる凶事が小山内親子を襲う。
 きよしは2階にたてこもっている内に、カクに手を咬まれていたのだ。このままでは、きよしもドクウッディ特製の狂犬病を発症してしまう。 姿を消したきよしは、カクとの思い出の場所に居るに違いない……ロッカーから猟銃を取り出す先生。
 「どうせ殺さなければならないなら、私の手で」

 どうしてこんなハードなのですか、この親子

 実は闇の暗殺武術を継承する一族とかで、覚悟耐性が一般人では理解不能なレベルなのか?!
 とりあえず、ドクウッディの作った新薬だから無理! とか最初から諦めないで、診察ぐらいしてください、父(笑)
 早川を小山内流打撃術で気絶させた医師は、息子が居るであろう河原へとむき出しの猟銃を抱えて向かう……その姿を、 物陰から見つめる、ブラック連合のボス、ムッシュ神。
 実はブラック連合の真の目的は、街の英雄である小山内の評判を落とす事により、市民達から反抗の気力を奪う事にあった。その為に、 「小山内に、愛する我が子を殺させる事」こそが、真の狙い。きよしの愛犬カクをウィルスに感染させた事に始まり、 全てはムッシュ神の計画通りに進んでいたのである。
 狂犬病の発症によって暴れ出さないように、自分の足を自分で縛って河原で待機中のきよし。 そんな息子に銃口を向ける父。だが引き金を引いた瞬間、ぎりぎり間に合った早川が銃身を逸らし、弾丸は大きく外れる。
 「死ぬとか殺すとか考える前に、もっと打つべき手が、ある筈です」
 珍しく、早川がド正論。
 というか今回、全編通して早川の発言が一番まともという、極めて珍しい回。
 東条もすっかり脳をやられている感じでしたし、この街、もしかして狂犬病以前に、 「狂人病」とか何かそんな名前の恐ろしいウィルスが蔓延しているのではないでしょうか(早川は基本的に狂っている為、 免疫があって無事だった)。
 事の成り行きを見ていたムッシュは面倒くさくなって3人まとめて皆殺しにしようと銃を乱射。少年を抱えた早川は川に沈み、 気力を失った父は遺書を書かされて自殺を偽装されそうになった所で、ズバッと参上!
 資材置き場での大立ち回りで、構成員、用心棒、ムッシュ神と叩きのめし、満足して去って行くズバット。今回、 珍しくシナリオの中心に関わった用心棒ドクウッディは、念入りに鞭でなぶられ、 足にメスを突き刺されて更にとどめの一撃という念入りに悲惨な感じで倒されました。まあ、爆死するよりはマシでしょう。
 戦闘後のラストシーンは、小山内父は出番なし、息子が「早川さーん」と叫ぶだけで、一切フォローなし。
 父、目が虚ろだったけど、ヒーロー気質の反動で、あのまま廃人になってしまったのでは(^^;
 後、ろくに診察もせずに血走って息子を猟銃で撃とうとするとか、明るみに出たら市民の評判ガタ落ちな気がするので、 結果的にブラック連合の計画は成功したような。そのブラック連合が壊滅してしまいましたが。
 息子に関してはまあ、これだけ時間がたっても発症した様子がないので、なんか多分、大丈夫だったのでしょう(^^;  一応、脳内補完としては、逮捕したドクウッディが血清を持っていたとか、そんな所か。事故を考えて、原則、用意している筈ですし。
 褒めていいシナリオでは無かったですが、最初から最後までパーフェクトに狂っていて、 70年代特撮の醍醐味を感じさせる1本。
 で、次回予告を見ると、やっぱり東条はダッカーと繋がっているような気がして仕方ない。
◆第27話「意外!飛鳥殺しの犯人?!」◆ (監督:広田茂穂 脚本:長坂秀佳)

 綾子/かみなりの左近というOPのキャスト表記と前回の次回予告で、 話の内容がほぼわかってしまう、という衝撃の回(笑)
 「飛鳥! おまえを殺した犯人! この街から探しだす!」
 とやたらに気合いの入った早川健、次々と敵の襲撃を受ける。
 ぼろぼろになって向かった水飲み場は爆発、ホテルに泊まろうとしたところ、殺されているフロント。 奇襲をかけてくる犯罪者を反撃で刺殺。
 疲労でブレーキが効かなくなっているのか、完全に殺りました。用心棒はたびたび勢いで殺しますが、 雑魚構成員を明確に仕留めたのは、おそらく初。
 そこへ駆け込んでくる警官達。
 東条「またおまえか……」
 早川「東条、俺をぶちこんでくれ」
 連続凶悪殺人犯・早川健、ついに自首。
 ……と思ったら、街に入って五日間、次々と襲撃を受けて一睡もしていなかった為に、寝床が欲しかっただけらしい。
 しかし、刺客は留置所の中にまで入り込み、早川はそれを迎撃すると、外の土管で一時の休息を得る。翌朝そこに聞こえる、女の悲鳴。 一晩寝たらすっかり回復した早川は、オロチ党の構成員を蹴散らし女を救うが、そこに姿を見せるのは、弓の名手・風の右近。
 用心棒対決は、女の人の頭にリンゴを乗せて、ウィリアム・テル的な。
 見事な連射を見せる右近に対し、早川はギターの弦で円を描くような一射を放ち、対決に勝利。
 飛鳥ぁぁぁ、遂に形見は、飛び道具になったぞぉぉぉ!
 助けた女・綾子に食事をごちそうになって体力を回復した早川は、彼女が追われていた理由を聞き出す。元カメラマンだった綾子は、 2月2日、あの病院爆破事件の現場を撮影していた……! 理由はわからないが、その時のフィルムが元で狙われている…… という綾子からフィルムを受け取った早川は、それを現像する。そこに写っていた飛鳥殺しの真犯人、それは……
 「とぼけるなよ東条! 貴様が飛鳥殺しの犯人だという事は、もうわかっているんだ!!」
 人気のないダムに東条進吾を呼び出す、早川健。
 「罠だ、おまえは操られている!」
 そんな東条に、一本背負い。
 「早川、冷静になれ!」
 さすが、たぶんこの世界で早川の次に強い男・東条進吾。コンクリートに思い切り叩きつけられても、早川の誤解を解こうと冷静です。
 「貴様というやつだけは!」
 そんな東条に向けて早川、マウントポジションから、パンチ、パンチ!
 「立て! この半年間、俺が、どれだけ苦しんだか……! きさまを飛鳥と同じ親友と思っていたのに!」
 いや今、現在進行形で、「親友と思っていた人間」にするとは思えない行為をしていますが(笑)
 ダムの壁に押しつけ、ぎゅうぎゅうと東条を締め上げる早川。
 まあ、「ズバッと参上! ズバッと解決! 人呼んで、さすらいの、ヒーロー!」とかやらなかっただけ マシかもしれませんが、友情、儚いぜ。
 しかしその時、東条にトドメを刺さんとする早川へ向けて放たれる矢。更に背後から早川に絡みつく、大量のフィルム。
 「しまったぁ……」
 綾子の正体は、右近の妹であり殺し屋コンビの、かみなりの左近。全ては、早川と東条をまとめて始末しようとするオロチ党のボス 蛇丸の手の込んだ策謀だったのだ!
 あまりに見え透いているので実は敵組織への陽動なのではないかと、10%ぐらい考えていたのですが、ほんとーーーーーーに、 ころっと欺されていた早川、そのままダムから落下。今回最大の被害者である東条はオロチ党に捕まって弓矢の的にされるが、 あわや風然の灯火というところで、ズバット参上。
 右近の日本刀と左近のカメラ忍法のコンビネーション攻撃に苦戦するズバットだったが、挟み撃ちを逆に利用し、 右近の一撃は左近を切り裂く。左近を切り伏せて迫る右近の攻撃を回避し、背後からのひと突きで右近を抹殺。 ボス蛇丸は飛鳥殺害の真犯人ではなく、あくまで事件を利用しただけであり、2月2日にはバグダッドに居たと自白するのであった。
 「どうだ早川……犯人捜しはそろそろ俺たちに任せたらどうだ?」
 「今度はもっとうまくやるさ」
 にこやかに握手をして和解する二人。
 それでいいのか、東条進吾。
 いっけん官憲に仕える常識人ぽい東条も、無能以上にたいがいイカれているので恐ろしい。
 多分この二人、大学時代からこんな感じで、
 〔早川が何かにヒートアップして暴走→東条、巻き込まれる→早川の超パワーか東条のコネで、物事が解決→ 互いにかけた迷惑についてはすっぱり忘れる→はっはっは〕
 みたいな人生を送ってきたのだろうなぁ……。
 篤い友情の仮面を被っているけど、互いに互いを利用しあってきた仲なキガスル。
 東条は、早川とズバットの事件の尻ぬぐいする代わりに、各地で悪の組織のボスを逮捕した件、全てまるまる自分の手柄に しているのだろうし、つまりどっちもどっちなのか。

◆第28話「そして、誰も居なくなる」◆ (監督:田中秀夫 脚本:長坂秀佳)>
 ミステリ回、再び。
 早川健は、探偵です。
 早川健は、探偵です。
 吉村教授率いる海底地質調査団がウラン鉱脈を発見するが、その横取りを企む邪悪党に狙われる。襲われる教授、壊された無線機、 パンクした車……。更に邪悪党の構成員に囲まれた所で、やってきたのは早川健。早川は瞬く間に構成員達を叩きのめすと、 黒薔薇マークの手裏剣使い・ブラックローズを手裏剣投げ対決であっさり退け、早川と調査団の5人はモーターボートで脱出をはかる。 船上で、誰が邪悪党にウラン鉱の情報を流したのか、疑心暗鬼になる面々……その時、海上でボートに仕掛けられた時限爆弾の タイマー音に気付く早川。間一髪、6人はボートを脱出して陸地に泳ぎ着くが、手裏剣が胸に刺さった状態で、 メンバーの一人が死亡していた……。
 いくらブラックローズといえども、水中で手裏剣で人が殺せるとは思えない……
 つまり犯人は早川健
 ……じゃなかった、
 「つまりこの手裏剣は、投げたのでなく、刺した。岸に向かって泳いでいる内に、このうちの、誰かが」
 と、ちゃんとミステリっぽい台詞が(笑)
 今回のみどりさんとオサムくん:
 行川アイランドでモーターボートの爆発音を聞く。
 ……て、房総かここ(笑)
 ウラン鉱脈があったりキャプテン・クックの財宝があったり、盛りだくさんだなぁ、房総の海。
 車と船を失い、徒歩で市街地を目指す一行……
 「もうすぐ行川アイランドです」
 まるで人里離れた孤島のような扱いだったので架空の行川かと思っていたのですが、とんだ秘境です、房総。
 だが、単独行動を取っていたメンバーの一人、阿久根の死体が発見される。川奈助教授の恋人であるケイが疑われ、 走り去った彼女を早川が追っている内に、どこからか飛んできた手裏剣に倒れ、海へ落ちていく吉村教授。 川奈は激昂してケイを問い詰めるが、彼女が意味ありげにいじっていたロケットの中身は川奈の写真であり、 決して小型無線機などではなかった。真犯人はいったい誰なのか……? その名を口にしようとした時、手裏剣の一撃を受けて、 早川までもが崖から転落してしまう!
 一方、手裏剣を受けて転落死したと思われた吉村教授は、トリックの手裏剣を取り外すと、邪悪党のボス・悪天坊と接触していた。 金に目がくらみ、自分の部下達を次々と消していたのは教授だったのだ! ウラン鉱の場所を示す海図を悪天坊に渡す教授だが、 手付け金にマシンガンの鉛玉を受けて死亡する。
 「ばーかめ」
 ……うんまあ、「月給五千万」を信じる時点で、うなずく他ありません。
 なお、最初に謎の犯人に襲われた(フリをしていた)のは教授であり、そういう点でも、セオリー通り(笑)
 なんとか行川アイランドまで逃げ込んだ川奈とケイに、襲いかかる邪悪党。その時――後に山地闘破がカラス天狗を追いかける トンネルを走り抜けるズバッカー!
 そして、なんか、凄い所に立った!
 山の上から突きだしている謎のオブジェの上にズバッと参上するのですが、あれは何? そしてあそこは地上何m?(^^;
 ズバットはばったばったと構成員達をなぎたおし、ブラックローズを手裏剣返しで刺殺。
 中盤、用心棒を殺さない回が増えていたのですが、ここに来てまた、用心棒はさっくり殺すようになってきました。多分、 イライラしているに違いありません、早川が。
 悪天坊を鞭でお仕置きするズバット。
 「2月2日、飛鳥五郎という男を殺したのは貴様か?!」
 「わしはその頃、インドで修行をしておった!」
 ズバットアタックを受けて悪天坊は倒れ、ズバットカードを残し早川は去って行く……最近、みんな「極悪殺人犯人」な気がするけど、 早川、面倒くさくなってきた……?
 どうせもう、東条にはバレバレですしね……。
 なお、行川アイランドについてちょっと調べてみたところ、2001年に閉園との事。
 〔行川アイランド/Wikipedia〕
 ロケの使用歴を見ると、ちょっとした聖地。

◆第29話「父母なき子 涙の復讐」◆ (監督:田中秀夫 脚本:長坂秀佳)
 赤永会が捕まえていた科学者、湯川夫妻が脱走。組織のボスである闇の黒兵衛は、夫妻を見つける為に息子のタケルを 人質にしようとするが、そこに現れる早川健。構成員をなぎ倒し子供を助ける早川に向かって飛んでくるピンクのボール。
 その一撃の主は赤永会の用心棒、墨染めの着物姿にして、テニスの名人・陣太郎。
 手にするラケットが100円ショップのプラスチック玩具のコーナーによくあるやつに見えて仕方ありません。
 早川の「だが日本じゃあ、二番目だ」
 に対し、
 「馬鹿も日曜祭日に休み休み言いたまえ」
 とおもしろ台詞で返す陣太郎だったが、テニス対決は早川が勝利。早川は目くらましを使って、タケル少年らを連れて、 その場を脱出する。
 「早川ー! 隠れるのも日本一か、早川ー!」
 と、いちいち面白い陣太郎。
 タケル少年が家に帰ると、祖父の元に逃亡中の母親から電話が来ていた。両親が隠れる別荘へ向かう早川・タケル少年・祖父だったが、 駆けつけた時には既に遅く、赤永会の追っ手の銃弾を受けた父は死亡。母親もまた、一通の封筒を託して、絶命する。その封筒の中身こそ、 湯川夫妻が赤永会の命令で作らされていた秘密兵器の設計図であった。
 「タケル、泣いている場合じゃない。これだ、これで親の仇をとってやるんじゃ!」
 両親の死を目の前にした直後の孫を、封筒を手に男らしく励ます祖父。
 別荘を囲まれて逃亡を図る3人は、工事現場の事務所に潜り込む。そこでダイナマイトを発見し、
 「儂はこれでも火薬取り扱いのライセンスを持ってるんですよ。これさえあれば、やつらなんて怖くないぞー」
 どこまでも前のめりな祖父。
 恐るべし、戦中派。
 さすがに祖父にやらせるのはどうかと思ったのか、ダイナマイト無双で雑魚を散らす早川(ヒーローのダイナマイト無双は、 珍しい気がする)。しかし赤永会がタケルの近所の人達を人質に取り、「人質の命が欲しければ書類を持って1時間以内に本部へ来い」 と脅迫を受けてしまう。
 ダイナマイトを両手に用心棒へと突撃し、人質を逃がす事に成功した早川だったが、陣太郎のスマッシュ爆弾を受けて、退却。 その爆発を遠目に見たタケルは早川が死んでしまったのだと思い込み、銃撃で負傷した祖父に頼み込んで、書類の代わりに 30本のダイナマイトを身につけ赤永会の本部へと向かう!
 いくら孫に必死に頼まれたからって
 「奴らがタケルの体に触れると、大爆発するしかけにしておいた」
 って、一度断ったぐらいでは何の免罪符にもなりません(笑)
 しかし、自爆覚悟で赤永会本部に乗り込んだタケルに迫るのは、狙撃の銃弾……そこへ飛び込んでくるのは、ズバッカー!  陣太郎の連続スマッシュ攻撃を受けるズバットだったが、鞭でラケットを奪い取って爆弾ボールごと投げ返し、陣太郎、爆死。 扇子を振るって健闘した黒兵衛もしばき倒され、秘密兵器は秘密のまま、ここに赤永会は壊滅するのであった。
 もしかして:東条出番ないの、初?
 そういえば:首領Lも出なかった。

◆第30話「悲しき生と死の間に」◆ (監督:田中秀夫 脚本:長坂秀佳)
 珍しく冒頭から登場したオサムくん、苦しむ老人を助けて医者へ連れて行くが、その診療所は病人で溢れかえっていた!  街は悪の組織グレン団によって、BRGペスト散布の実験場とされていたのだ。東京の病院からワクチンが届けられるまで、 なんとか患者達の熱を下げてやるしかない……乙部医師とオサムくん、それに診療所を手伝っていたみどりさんは患者達の看護に 奔走する……。
 ところが、東京からワクチンを運んでいた車は、グレン団の変装した偽警官隊の襲撃を受け、医者は死亡。 車を運転していた助手の乙部美樹(乙部医師の娘)はワクチンを手に逃げ出すが、行く手をグレン団の構成員に阻まれ危機に陥る…… そこに現れたのは、早川健。
 グレン団のボス・キングボーは、白タイツの変態。
 用心棒は、槍の名人・ガラバー。老婆の用心棒という新機軸でしたが、「あいにくだが、あちらのお嬢さんの手当が先だ」 と早川健、珍しく対決を拒否。結局は、槍の穂先を打ち出すガラバーの攻撃を受けるものの、穂先を投げ返し、 更にガソリンに火をつけてバイクで逃亡。しかし追っ手の攻撃を受け、早川と美樹は負傷してしまう。
 一方、乙部診療所では、不幸属性のみどりさんがウィルスに感染して倒れていた。
 案の定、余計な患者が増えました(^^;
 美樹を説き伏せた早川は、ワクチンを手に街へと急ぐ。次々とグレン団の襲撃を受けながらも、なんとか街へたどり着く早川だったが、 待ち構えていたガラバーの攻撃を受け、疲労困憊。そんな早川の前に美樹が姿を見せ、早川の代わりに自分がワクチンを 届けにいこうとするが、敵はまだ居る筈だ、と美樹を強引に気絶させる早川。その前にまたも立ちはだかるガラバーの爆弾槍! (穂先が飛ぶと爆発)
 続けざまの爆発攻撃に追い詰められる早川健、爆発に飲み込まれ、その姿が消える……だがその時、 いつの間にやらガラバーの背後のビルに早川健! 高い所で余裕綽々でギターを奏でる早川へ向けて炸裂するガラバーの爆弾槍。 あわれ早川はその直撃を受け、ビルから落下する……。
 しかし、早川は実は倉庫の物陰に隠れていた。今の出来事に嫌な予感を覚えながらも診療所へ向かった早川は、 途中で出会った通りすがりの東条にワクチンを託すと、慌てて現場へと駆け戻る。ビルの下の草むらに倒れていたのは…… 早川そっくりの衣装を着た、乙部美樹! 彼女は命を賭けて敵の目を欺く囮となり、その結果、息を引き取る。
 ここで、ゲストキャラを殺してしまうのは、凄い。
 凄いのですが、そもそもこれ、美樹に届けさせて早川が囮になれば互いの生存確率が上がった可能性が高く、どうにも早川の判断ミス。 まあ実際のところ早川は、巻き込まれ体質と同じぐらい巻き込み体質な上に、 判断ミスが多いのも今に始まった事ではないですが。
 基本、圧倒的な個人能力で全てを押し切っていくタイプだからなぁ。
 怒りを燃やす早川は、ズバッカーでグレン団本部に殴り込み。槍爆弾による、大火薬祭り。ズバットはガラバーをしめあげ、 その髪の毛に手をかけると、なんとガラバーは老婆に変装した男……という、つまるところ変態だった!
 「美樹さんの仇だ、立て!」
 カツラと皮膚の特殊メイクをはぎとったズバット、ガラバーにキック→腹パンチ→顔パンチ→投げ→キック→ 腹パンチ→顔パンチお仕置きフルコースを執行、トドメは鞭の握り部分で、刺突。
 残ったキングボーは盛大なコケ芸を披露し、成敗。
 かくてグレン団は壊滅するのであった。
 事件は無事に解決し……美樹の遺影に言葉をかける乙部医師。
 「美樹……ご苦労だった……」
 医師はやおら屋敷を飛び出すと、いずこともなく叫ぶ。
 「早川さーーーーーん! 患者は、患者は、治りましたぞーーー!!」
 で幕。
 この最後の叫びは無しで、遺影に語りかけるシーンで終わっても良かったよーな。広田演出っぽくなりますが。
 まあ、久々にヒロインらしく苦しんでみたみどりさんを全く拾わないのもどうかと思ったのでしょうけど。みどりさん、 高熱で苦しんで譫言で早川の名前とか呼んでみたけど、回復シーン全く描かれないとか、相変わらず安定した存在感です。
 次回、
 「対決! 真犯人は首領L?」
 が
 ナレーションだと
 「解決! 真犯人は首領L」
 に聞こえて、まさかの予告で快傑?!と思ったら、さすがに違った。

→〔その6へ続く〕

(2013年3月11日,2013年3月17日)
(2017年3月27日 改訂)
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