- ◆CaseFile.1「時の逃亡者」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子)
- 西暦3000年――人類がタイムマシンの開発に成功してから10年。歴史への干渉が「現在」の消滅を招きかねない事から、それを 防ぐ為の時間保護局と、レンジャー部隊が設立されていた。その新規隊員のブリーフィング中、保護局に警報が鳴り響く。大物犯罪者 ドン・ドルネロが多くの犯罪者を圧縮冷凍の形で収容しているロンダー刑務所ごと、西暦2000年へ時間移動による逃亡を企てようとして いるのだ!
大ナマズ的な見た目のドン・ドルネロは、声が『電磁戦隊メガレンジャー』では怒っているか苦しんでいるかだったジャビウス陛下こと 大友龍三郎さんで、ファンとしては嬉しい。非常にいい味出しています。
あと、ドルネロの部下、ロボット的な見た目のギエンさんのギミックが素敵。
時間保護局レンジャー隊隊長のリュウヤは、上層部の制止を振り切り、急遽新人隊員4人を編成してドルネロ一味を追跡する為に タイムシップを出発させる。だが、このリュウヤはドルネロ一味のリラの変装であり、一味は時間保護局のタイムシップの移動を利用する 形で、共に西暦2000年の日本への逃亡に成功するのであった!
2000年到着後、リラによってタイムシップを破壊された4人は、リュウヤに瓜二つの青年・浅見竜也(あさみたつや)と出会う。 最初はリラの変装かと思い攻撃した4人だが(よく考えなくても、相手にそんな事をする必要性は全く無いのですが)、未来の事も 知らない、全くの一般人だと判明。その頃、「いつの時代も、金がなきゃ始まらねぇ!」と、ドルネロ一味が街を襲撃。
サポートメカ・タックにより、クロノチェンジャーを用いて戦うよう指示を受ける4人だったが、初回起動時には時間保護局の1チーム 規定人数である5人が居なければ起動できない。そこでもともとは警察の捜査官で、ドルネロ捜査の為に時間保護局に潜入していた紅一点 ・ユウリは、ドルネロ逮捕の為に何としてでもと、竜也にクロノチェンジャーの装着を要請する。
今、西暦3000年と2000年、時空を越えて、時間保護局の緊急戦闘モード・タイムレンジャーが立ち上がる!
砂浜で気を失っていたので大丈夫ですかと声をかけたらいきなり複数人に殴りかかられ、更に拘束。一切の説明も説得も無いままに協力 するよう要請(というか脅迫)され、嫌がったら「知らんぷりするの、ふーーーん」「(空手の腕は)宝の持ち腐れってわけ」 と嫌味を言われ、小さな親切の為に命がけの戦いに巻き込まれる事になる竜也(タイムレッド)は、かなり悲惨。
というか、ユウリさん(タイムピンク)、酷すぎ。
ミニスカートの綺麗なお姉さんだからって、何をしても許されると思わないで下さいよ?!
でも結局、タイムレッドになってしまうのは、男の子だから仕方ない。
永井大(当時はマサル)は、デビュー作にして、実質3役(浅見竜也・いっけん変装だとわからないリュウヤ・変装したリラの本性が 見える悪リュウヤ)という、やけにハードルの高い芝居を要求されています。
毎年恒例、(前作で)1年やって演技が上達!→(新作で)学芸会に逆戻り! は、配信でもかなり強烈(^^; 特にユウリさんが、 き・つ・い。……まあこれは仕方がない事なのです。慣れてはいます。でも、言いたい(笑)
アクションでの『マトリックス』ネタが、時代を感じさせます。東映&ジャパンアクションクラブの特撮アクションは、やはり着ぐるみ で地味に凄い事をやっていたりするのが最大の武器で、この手のCGによるはったりは今ひとつ盛り上がらないよなぁとか改めて。
- ◆CaseFile.2「見えない未来」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子)
- ようやく、説明してもらえる主役。ただし、20世紀の人間に持たせていられない、とクロノチェンジャー(変身ブレス)はしっかり 回収されてしまいます。というかユウリさん、説明する時も微妙に嫌そうです。一歩間違えたら、戦闘終了後に眠り薬とか嗅がされて、 道ばたに捨てられていたっぱい。
その頃、ドン・ドルネロ一味はロンダーズ・ファミリーと名前を改めて(刑務所の名前より)、20世紀で大暴れするべく、刑務所に圧縮冷凍 されている犯罪者を解凍していた。解凍された爆弾魔怪人は、爆破テロによって色々な企業に「ビル一つにつき1億円」を要求。
ロンダース一味の陽気な下品さが、とてもいいです(笑) 大友龍三郎の、内海賢二よりちょっと弱そうな悪の大ボス声が、キャラクター に絶妙。
30世紀が存在している、つまり、基本的な未来が決まっている、という事を聞いた主人公。
「そっか……未来ってもう、決まってるのか」
レールを外れないようにな、とタックに言われるが、
「悪いけど俺、未来を変えたい口なんだ。決まってるって聞いたら、余計ね」
と走り去る。
脳筋系かと思われた主人公ですが、大企業グループの社長を父に持ついい家のボンボンで、後継者である事を要求する高圧的な父親に レールを敷かれる人生に対して悩み、そこから逃れようとしていた事が発覚。父親の会社も爆弾テロの脅迫を受け、1億円を持っていく 事になったのを知り、彼は父親に一つの賭けを要求する。
――爆破を止め、1億円を使わないで済んだら、父の薦める会社への就職を強制しない事。
父親はこの賭けを受け、1億円入りのカバンを持って、笑顔で走り去る主役。
なんかそのまま、帰ってこなさそう(おぃ)
竜也は爆破テロの脅迫相手は未来から来た怪人だと見て、タイムレンジャー達4人との協力を考えていた。彼等の潜む廃ビルを訪れた 竜也は、4人が時間保護局との通信の結果、「ドン・ドルネロ一味を全て捕らえるまで帰ってくるな」と言われたという事を聞いてしまう。 ドルネロ一味が20世紀に存在するのに対し、4人もまた20世紀に存在する事で歴史の修正力が働き、バランスが保たれているという のだ!
30世紀への帰還もかなわず、増援も派遣されない状況に落ち込む4人の前に姿を見せる竜也。
「あんたたちも、レールから外れるな、って言われたわけだ、未来を変えない為に。……けど未来は変えられなく たって、自分たちの明日ぐらい変えようぜ」
クロノチェンジャーを再び手にした竜也を加えた5人のタイムレンジャーは、2000年の守護と3000年への帰還を目指し、 ドン・ドルネロ一味と戦う事を決意する!
この構成は絶妙。
「レール」という単語をキーワードに、大きな歴史の流れと、(本来それを構成している筈の)個人の人生の流れをシンクロさせ、 大きな戦いと等身大の個人の悩みを繋げて、戦士の動機とする。
巧い。
後半戦では、ロボット戦が展開。
空中戦やロングでのジオラマシーンなど、かなり意欲的。
ただ、戦闘シーンとそれによる破壊を派手に描きすぎて、爆弾テロを防ぐのには成功したものの、結果的には爆弾テロより 被害が大きかったような(笑)
父との賭けに勝った竜也は、4人を「いつか独立する日の為に用意していた俺の城」に案内する。……表現が古いな、主役(笑) こうして、小さなビルの一室(訳あり物件か何かか?)を拠点に、2000年を舞台にした5人の戦いが始まるのであった。
- ◆CaseFile.3「夢の加速度」◆ (監督:松井昇 脚本:小林靖子)
- タツヤと4人の未来人達は、前回ラストで入居した部屋のレイアウト中。
冷凍した怪人はロッカーの中なのか……!(笑)
家賃などを稼ぐ為にも、おのおの得意分野でお金を稼ごう、と提案するタツヤ。
ユウリは探偵、シオンは機械修理、ドモンは格闘技を教え、アヤセは……? という所で、彼の過去に触れかけ、干渉を嫌うアヤセに 嫌がられる。
しかし、いきなり全員呼び捨てなのですねタツヤ。まあ、番組展開する上で、いつまでも他人行儀だとやりにくくて仕方がないですが、 ユウリさんは年上のイメージあったので、ちょっとビックリ。設定知らないので、実際の年齢差は知りませんが。何となくこう、ユウリ さんにはお姉さんポジションで居てほしいんですが。タツヤとユウリには変な距離感でもにょもにょしてほしかった(おぃ)
戦隊物でそこまで求めないように。
一方、ロンダーズファミリーは、圧縮冷凍されていた囚人の中から、現金強奪犯キースを解凍。キースはコンピューターや車などと 融合できる能力を用い、信用金庫の現金輸送ルートに網を張ると、現金を強奪する。この情報を得たタイムレンジャーは、キースが 輸送情報を得る事を逆手に取って、囮の現金輸送車に乗り込んで罠を張る。
……何故かいきなり、信用金庫に協力を取り付けて、職員に成り済まして現金輸送車に同乗するタイムレンジャーが凄く謎。
……
…………
………………は?!
もしかしてこれはあれか、“特殊な交渉術”というやつか?!
『タイムスクープハンター』(NHK)で沢嶋雄一が使う事で有名になった未来の交渉術、ユウリさんなら使えそうな気がします。
当時の人々にとって、私は時空を超えた存在です。彼らにとって私は宇宙人のような存在です。彼らに接触する際には細心の注意が 必要です。私自身の介在によって、この歴史が変わることも有り得るからです。彼らに取材を許してもらうためには、特殊な交渉術を 用います。それについては極秘事項のためお見せすることは出来ませんが、今回も無事密着取材することに成功しました。それで描写されなかったんですね! 特殊な交渉術なら、仕方ない。
囮の現金輸送車に乗りこむユウリ・ドモン・シオン。
トランクを積み込んだ乗用車で発進するタツヤ・アヤセ。
だが、キースはコンピューターからこの囮作戦の情報を得ていた! 車と融合し、タツヤの運転する乗用車に襲いかかるキース。 ゼニット(雑魚兵士)の攻撃を受けてタツヤが負傷し、咄嗟にハンドルを操ったアヤセは素晴らしい運転テクニックで、キースの追撃 をかわしてみせる。アヤセはかつてレースドライバーを目指していたが断念、時間保護局に入局したのだが、そのドライビングテクニック は折り紙付きだった!
しかし、しつこく追いすがるキースに追い詰められ、車から投げ出される二人。タツヤを逃がす為にトラックへ突撃しようとする アヤセを、殴り飛ばして止めるタツヤ。そこへ残りの3人が変身して駆けつける。
実は、タツヤとアヤセの運転していた乗用車こそ、本命と見せかけた囮であり、実際の現金は既に、現金輸送車で運ばれていたのだった!
……二重の囮作戦というのはわからないでもないですが、タツヤとアヤセが変身せずにキースを引っ張っていた理由は、いまいち不明。 そもそもタイムレンジャーの目的は、囮に引っかけて現金を無事に輸送する事よりも、キースの逮捕の筈なのですが、ちょっと練りすぎて 本末転倒気味になった感じ。
5人が揃い、タツヤとアヤセもクロノチェンジ。
「時間保護法により、逮捕する!」
とユウリさんの台詞を奪うタツヤ……多分、練習していたに違いない。
タイムレンジャーの戦闘は、二刀流と槍タイプ?に2モードで使える剣が格好良くて好きです。
ところで未来のあの人は、3Dフォーメーションシステム発動依頼が来るのをじっと待っているのかと思うと切ない。
趣味はきっと、手芸。
キースの撃破、圧縮冷凍に成功したタイムレンジャー。そしていよいよ、トゥモローリサーチ社、開業。
……ビルの一室どころか、ビルそのものなのか。
メンバーのお仕事を列挙する所で、「ユウリの探偵!」と言いながら、ちゃっかり肩に手を置いて嫌な顔されるタツヤは、割と 油断なりません。アヤセも1エピソードで攻略したし……今回のレッドは、総攻め系か。
運転代行をする事になったアヤセ(何だろうこの飲み屋の匂い)、
ユウリ「でも、アヤセの運転免許は?」
タック「こういう際だ。取得に必要な書類は僕とシオンで揃える」
フクロウがしれっと、非合法活動を承認した!!
最後は、お小遣いでユニフォームを揃えたという主人公が揃いの青い上着を取り出すのですが、この主人公の、父親に反発してはいる けど割と無自覚に金持ちずぶずぶ、というのは今のところよくあるパターンなのですが、これはドラマ的な伏線として回収されるのかなぁ。 回収されると、面白いのですが。
- ◆CaseFile.4「人質は異星人」◆ (監督:松井昇 脚本:小林靖子)
- 手元不如意になってきたロンダーズファミリーは、今度は誘拐殺人で圧縮冷凍200年の怪人を解凍。
「金は必ずつええもんのところに集まるからなぁ、たっぷり貯め込んだら、地球のてっぺんに城でも ぶっ建てて、生涯豪勢に暮らそうぜ。貧乏人の泣きっ面拝みながらなぁ」
ドルネロ様、素敵。
リラさんの演技はともかく、ドルネロ様とギエンさんが声はまりまくりでで、ロンダーズファミリーは非常にいい味出しています。
その頃、トゥモローリサーチ社では、テンション高くて構ってほしい子犬状態のシオンが、他のメンバーに若干、鬱陶しがられていた (というか、ナチュラルにスルー。あと、今、交通標識を覚えようとしているアヤセさんが怖い)。事務所に畳とコタツを持ち込んで 書道をしているタツヤに邪険にされ、ビラ配りもといナンパ中のドモンの元へ行ったシオンだが、色々なボタンのかけ違いから、路上で 「愛してます!」と叫んで、周囲の人々を引かせ、ドモンに逃げられる。
その帰り道、怪しい男を親切で助けたところ、そのまま、誘拐されるシオン。
トゥモローリサーチ社にかかってきた初めての電話は、誘拐犯からの身代金の要求でした。
電話の声紋から、誘拐犯がロンダーズファミリーの怪人と判明。ブレスレットを使って通信してきたシオンについ、「天然通り越して 大迷惑だ!」と怒鳴りつけてしまうドモンだったが、これによりシオンが囚われている場所が確定される。
シオンが、消滅したハバード星の確認されている唯一の生き残りであり、その希少価値と種族的に発達した頭脳の為に、幼い頃から 研究施設で大人に囲まれて暮らしていた事、同世代の仲間が今まで存在しなかった事、をタックに教えられる4人。
シオンの人なつっこすぎる性格の裏にあったものを知りそれぞれ行動を振り返って反省する4人だが……タックさん、 そういう事は先に説明してください。
トゥモローリサーチ社とタイムレンジャーの関係がバレてはまずいと、変身しないまま一緒に誘拐されていた子供達を何とか助けた シオンだが、怪人に叩きのめされる。危機一髪のその時、元格闘家ドモンの強烈なパンチが、怪人を吹き飛ばす!
「お前が死ぬ方が迷惑だ! 俺達は仲間だ!」と3枚目路線だったドモンが格好いい所を見せ、ここからはドモンのターン。格闘家時代 のドモンを知り憧れているシオンの前で、「格闘技講座その1だ」と、ひとり怪人の前に立つドモン。最初は相手の攻撃を受けてよろめき 倒れるが、敵の空中回転殺法を受け止めると、ジャイアントスイングから反撃、連続パンチでダウンさせる。
……ドモン、
プロレスすぎ。
折角の講座ですが、その格闘技は素人には修得不能だと思います。
後はざくっと、合体攻撃。タイムレンジャーは、合体武器が大きいのも良いです。
圧縮冷凍が完了する前に、怪人が自分で巨大化してしまうので、基本、役に立ちませんが。
タイムロボベータは、3話に続き、既に前座もいいところ状態。軽く攻撃した後、タイムロボアルファに変形し、ざくっと冷凍。
タイムロボは格好いいかどうかはともかく、5体分離・合体・2モード、と玩具としてはかなり意欲的な感じ。
3・4話の監督は初めて見る名前でしたが、可もなく不可もなく。
次回、ユウリさん回、予告のナレーションががががががが。
作品面白いので、早くユウリさんはアフレコに慣れてほしい。切に。
- ◆CaseFile.5「第3の合体」◆ (監督:小中肇 脚本:小林靖子)
- 作中で特に語られないけれど、ギエンさんが怪人を一度にたくさん解凍しないのは、誰もがドルネロファミリーの一員というわけでは ないので、一度に複数解凍すると統制できなくなる可能性を危惧しているからなのかな、と勝手に補完してみる。
しかし解凍後の怪人(少なくとも今回)は事情をある程度把握しているようなので(圧縮冷凍されても意識は残っているという設定)、 外の会話を聞きながら、「俺! 俺を解凍して! 俺を!」とか必死に考えているのかと思うと、なんだか 涙ぐましい。
ドルネロもリラも居ない所でギエンが密かに今回解凍したのは、殺し屋マッドブラスト。どういうわけか、金儲けは気にしなくていい から好きなだけ殺しを楽しんでこい、と怪人を現代社会へ送り出す。
翌朝のトゥモローリサーチ社、男衆が起床すると、既にユウリさんは初仕事に出発済み。ユウリさんの初仕事は探偵業……ではなくて、 ビルの掃除代行。
ユウリさんがモップがけしているだけで、なんか笑えます。
依頼先が大きなビルのロビーだという事で、手伝いに駆けつける4人。当の本人は、「何しに来たの?」的な感じで4人を出迎える。
その態度が「可愛くない」と愚痴るドモン、話を振られて曖昧に誤魔化すタツヤ、「全ての女がおまえ好みなわけがない」とくさす アヤセ(掃除には全くやる気なさそう)、ひたすらはしゃいで走り回るシオン、と5話にして、掃除シーンだけでキャラクターの 書き分けが出来ているのは、お見事。
あとシオンは前回ラストの、「髪は染めていた」というネタを拾う形でか、今回は青髪。
シオンの事をタツヤがつい「宇宙人」と言う度に、異星人の存在が当たり前の3000年から来ているドモンが「ハバード星人」と訂正 (いわく「地球人だって宇宙人だろ」)という、1000年の時代差によるジェネレーションギャップというべきかカルチャーギャップと いうべきかのネタも引っ張るなど、小ネタの挟み方も巧い。
ちなみに、「地球人だって同じ宇宙人じゃないか」と言えば、名作『ウルトラセブン』の傑作回「ダークゾーン」を思い出します。
その頃、ロンダーズファミリーのリラさんは現代人に扮装(?)して、ウィンドウショッピングの最中。前回、誘拐が何件か成功 しているので、どうやら無事にお金が手に入った模様(笑) ところが街を歩くリラは、解き放たれたマッドブラストの襲撃現場に遭遇。 せっかく買い物した服を穴だらけにされてしまう、とお笑いが入りつつ、そこへ駆けつけるタイムレンジャー。
マッドブラストと戦闘になるが、マッドブラストが首からぶら下げる幾つもの装身具の一つと、彼が鳴らす拍車の音を聞いたユウリが 突如、激昂。凄まじい勢いでマッドブラストを切り倒すと、エネルギー最大威力で銃を向ける。そのまま捜査官の権限を越えてマッド ブラストを射殺しそうになるが、4人に必死で止められて射撃は逸れる。その隙に逃げ出すマッドブラスト。
実はマッドブラストは、ユウリの両親と妹の仇であった。
2988年――現在のユウリと同じくマフィア担当の捜査官だったユウリの父は、その存在を邪魔に思ったドン・ドルネロの依頼を 受けたマッドブラストの襲撃を受け、家族ともども射殺された。3人の家族を失い、唯一、生き残ったのがユウリだった。
だが、証拠はない。
マッドブラストの収監理由は、あくまで暴力事件。タックに諫められるユウリ。
しかし彼女には、幼い日に聞いた特徴的な拍車の音と、マッドブラストがコレクションとして殺した相手から装身具を奪う事――彼が 父の身につけていたブレスレットをぶら下げていた事――から、マッドブラストによる犯行を確信していた。
捜査官としての立場と、理性を失い復讐を果たしたいという思いの間で揺れるユウリは、気丈な態度を見せながらも自室に引きこもる。
2988年時点で、10歳。
ユウリさんはタツヤと同い年設定か……ッ!(何故か悔しそうに拳で壁を叩きながら)
翌朝、シオンが傍受した警察無線で、マッドブラストによる襲撃事件が発生している事を知り、叩き起こされる男衆(相部屋)。だが いち早く、タイムピンクに変身したユウリがタイムフライヤーで単身出撃してしまう。
トゥモローリサーチはアオリのカットばかりだったのでビルっぽいイメージだったのですが、今回初めて俯瞰気味の遠景に映った結果、 1階がガレージタイプの2階か3階建てっぽい。微妙に変な形の建物ですし、まあこれなら、タツヤがお小遣いを相場に突っ込んで購入 (だと勝手に思っています))したとしても、ギリギリ、納得できなくもない範囲か。
襲われていた人々を逃がし、マッドブラストを追い詰めたユウリ(暗殺専門なのか、マッドブラスト、弱い)は、最大威力の銃を頭に ポイントしたまま、12年前の事件の真相の告白を迫る。
追いついた男衆の説得にも耳を貸さず、ユウリさん殺意全開。
というか、男衆、説得スキル低すぎ
最初は誤魔化していたマッドブラストだが、とうとう、ドルネロからの依頼映像が残された証拠品を取り出す。それを手に入れ、 あっさり「してやったり」に切り替えるユウリ。彼女には最初からマッドブラストを射殺するつもりはなく、全ては自白を引き出そう という演技であった!
一晩、体育座りしていた甲斐もあり、一人で乗り越えてしまいました。
……まあ、男衆が、後ろでわたわたしているだけなのがイケナイ。
これは逆に、女性一人戦隊だから出来る展開、ではありますが。
だが、一瞬気が逸れたユウリの隙をついて反撃に転じたマッドブラストは、再び圧縮冷凍されるよりはと、自らリバウンドを起こして 巨大化。銃撃戦でタイムロボベータを圧倒するが、スリーディーフォーメーションの第3形態、遠距離戦に向いた戦闘機モード・ タイムジェットガンマによる攻撃を受け、弱った所を時空剣で倒される。
戦闘後、マッドブラストを封印するユウリの姿を見ながら、「俺達、いらないんじゃない?」とぼやくドモン。
そんな微妙に遠巻きな男衆に向けて、「明日もビルの掃除があるので、手伝ってほしい」と告げ、「心配してくれて、ありがとう」と、 少しばかり距離を近づけるユウリさん。そういう時に、シオンがすぐに声をかけにいくなど、子犬系のキャラで、立ち位置を確立している あたり、キャラクターのバランスは序盤にして秀逸。
個人的な復讐と捜査官としての葛藤、という割とベタなテーマで、ユウリさんが弱さとブレを見せる回かと思いきや、そういう要素も あったものの、意外とさくっとユウリさんが一人で乗り越えてしまい、むしろ
男衆の役に立たなさ
がクローズアップされる展開になってしまいました(笑)
君らはあれだ、来週から、「ダメンズレッド・ブルー・イエロー・グリーン!」と名乗りなさい。
映像的には、特に面白くはないが不可もなく。
タイムレンジャーはインナースーツ的なものの上に更に戦闘スーツを纏うという設定になっているので、各監督、一回、インナースーツ 姿を見せる部分を意識的に入れて、それを格好良く見せようとしているのは、それぞれ面白いですが。
あと誰か、既に出オチ担当状態のタイムロボベータさんに見せ場を! もっと見せ場を!!
- ◆CaseFile.6「偽りの招待客」◆ (監督:小中肇 脚本:小林靖子)
- アヤセさん(公称176cm)(※Wikipedia調べ、以下同じ)はイケメン枠なのに、タツヤ(公称185cm/永井大の体格が良いので それより大きく見える)、ドモン(公称185cm)が大きすぎて、何故か小さく見えるのが不憫だ。
ロンダーズファミリーのリラが、宝石窃盗犯ルージェを解凍。ルージェは人間の容姿や持ち物までコピーする能力を使って、宝石店の 店長に変装すると、見事に世界有数のダイヤモンドを盗み出す。そして次なる標的を、それと対になるダイヤの首飾りと定めるのであった。
宝石盗難事件をニュースで知ったタイムレンジャーは、ルージェの次の標的が、それと対になる首飾りであろう事を推理。折良く、 首飾りを手に入れた社長夫人がそのお披露目を兼ねた船上パーティを行うという情報を入手し、そこでルージェを待ち伏せするという 作戦をたてる。
船上パーティ参加の為に、「仕事だから、父親のコネを使え」」と強要するメンバー。
浅見の名前から独り立ちしたいタツヤは渋るが、結局押し切られて、父親の名前を出してパーティに参加する事になる。潜入したパーティ で、タツヤのあまりのVIP扱いにちょっと引く4人。
パーティという事で全員おめかしするのですが、ユウリさん、折角シックな黒のスーツなのに、なんで中、ピンク……(笑)
あとアヤセさんは案の定、似合うけどホストみたいになりました。
パーティの客に囲まれるタツヤを放置プレイして、ルージェ(の化けた人間)を探す4人。
というかタツヤ、渋い顔でおたおたしているだけで、全く社交スキル育ってないのですが、ちゃんと最低限の躾はしたのですか お父様?!
なお今回、はっきりと設定と存在が明言された「浅見グループ」は、日本トップクラスの企業グループで、会長(タツヤ父)は政財界の 大物、との事。
ルージェが人間に化けた時の印である、“首もとの鳥に似た痣”が無いか女性客をチェックする4人だが、見つからない。一旦合流した 5人の前に、タツヤの父母が姿を見せる。
「家を出たのに浅見の名前を使ってパーティか」と父に詰問されるタツヤを全くフォローせず、唯一チェックできなかった襟元を スカーフで隠した女性のチェックに動く4人。
今回タツヤは、言いようにコネを利用された上に、放置プレイ三昧です。
シオンがスカーフに飲み物をぶっかける、という荒技で鳥の痣を確認した4人は、そのままルージェが化けた女性客を拉致。しかし隙を 突いて逃げられ、追いかけた船外の埠頭で戦闘になる。
その頃タツヤは、父と話し合っていた。なぜか操舵室で。
状況的にはお父さんの方が正論で、それは説教の一つもしたくなります(笑)
「まさか、あれだけ嫌がっていた浅見の名前を使ったんじゃないだろうな」
「使ったよ……ちょっと事情があって。でも、好きで使ったわけじゃない」
「そうだ。好きであろうが無かろうが、浅見の名前はついてまわる。おまえにその気がなくとも、みんな浅見の名前に寄ってくるんだ! おまえ自身ではなく! 竜也、分かったろう、人には決められた道があるんだ。そこから出るのは、そう簡単な事じゃない。それに 気付かず、呑気に浅見を名乗っているようじゃ、おまえには無理だな。……竜也、戻るなら今の内だ。私も目をつぶろう」
「……そんな事、俺が気付いてないと思っているのか! そんなの子供の頃からわかりきってたことだ。だから変えるんじゃないか! 自分の意志で変えられないことなんかない。絶対にね」
タツヤもちゃんと説明できないしなぁ……まあここは一つ改めて、タツヤが決意表明するという方がウェイトのあるシーンなのですが。
父と別れ、デッキに出たタツヤに途端に群がる人々。タツヤはスーツの上着を脱いでタイを外すと、何故かそれを社長夫人に手渡し、 自分はもう浅見の家とは関係がないと告げると、トゥモローリサーチの名刺を渡して船を駆け下りていく。
そんなタツヤの姿を、船から見つめる父・渡。
「昔、私もああやって船を下りたつもりで走った事があったが、結局は浅見という巨大な船から一歩も出ていなかった 事に気付かされた。……あいつ、本気で降りるつもりじゃ」
お父さんなりの思いがある、という部分もちゃんと入って、良し。
しかし父は、何故あんな悪役ぽいスーツと杖なのか。
それと、タツヤのスーツは貸衣装ではないのか……?
戦闘中の4人は、意外と強い宝石窃盗犯に苦戦中。そこに駆けつけたタツヤの射撃でダメージを受けたルージェをドモンが追い詰めるが、 攻撃のはずみでシールが剥がれ、リバウンドで巨大化してしまう。
そしてロボ戦……なのですか、怪人、巨大化のリバウンドが嫌で自ら冷凍されるという 超展開(笑)
ギャグで終わってしまいました。
ベータ、出番すら無かったよ……(涙)
後半、父との対話後、
「さーて、仕事だ仕事!」
「みんなー、お・またせぇー!」
「ここに来ないで、他にどこ行くんだってぇ」
「これからもタイムレンジャー、頑張ろうな!」
「おーい、おまえそりゃないでしょー」
とか、タツヤがちょっとテンション高めで陽気に滑り気味なのは、いつもの事のような気もしますが、父との会話と改めての決意の後で 若干のハイ状態と空元気が混ざっている、という演技指導でいいのかな……?
よくある事ですが、大体、レッドの個性が決まるのが一番遅いので、タツヤはまだ、テンション高いのが素なのかわざとなのかが、 区別つかず、どこまでこちらで読み取って言いのかは、微妙な演出と芝居。
……あ、上着、ツッコまれた(笑)
- ◆CaseFile.7「ドモン入院中」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子)
今回の見所は、病院で妙に甲斐甲斐しいタツヤ。
さすが総攻め系主人公(おぃ)
タイムワープ時に、行き先の時代に関する情報を促成学習する副作用で、過去と未来の記憶がごちゃごちゃに混ざる“データ酔い”に かかってしまったドモンは、深夜、「試合に遅れちまう!」と会社を飛び出した挙げ句に、道の真ん中で気絶。救急車に運ばれて入院する 事になる。
各メンバーのパジャマ姿、という珍しいシーン。
年に数時間しか眠らなくていいというハバード星人のシオンも、一応、パジャマに着替えている事が発覚。
そして、ロボットなのにむしろ熟睡しているタック。
最近ゴーカイジャーの鳥が永久機関で動いている事が発覚したので、タックが未来的な何かで動いているのか、動力源がちょっと 気になります。20世紀規格のコンセントで充電できるのか、それとも節電してスリープモードなのか。
最悪、シオンがちょちょいと改造できそうですけど。
……とか考え出すと、メカニックが善人、なのは良い事だ。
悪人は悪人で面白いですけど(笑)
一足遅れで出てきたユウリさんは、化粧完璧でブランケット全身巻き付けという、女力の高さ。以前も早朝に化粧完璧で飛び出し ていきましたが、きっと未来には瞬間化粧セットがあるに違いない。……この辺りはまあ、本来はツッコミ所では無いのですが、今作は 明らかに、故意に生活感を出そうとしているので、ちょっと気にしてみる。
まずは一晩安静にして翌日に精密検査を受ける事になったドモンだったが……その夜、たまたまロンダーズファミリーの怪人が、医者や 看護士を洗脳し、密かに病院を乗っ取ってしまう。
翌朝の病院は、出鱈目な治療費を請求された患者達で阿鼻叫喚。
タツヤも、ドモンの治療費として100万円を請求される。
……でも、保険入って無さそうだしなぁ(タックとシオンが悪さしていなければ)。
病院を乗っ取っていたのは、何人もの患者を手術室でバラバラに切り刻み、懲役500年の刑で圧縮冷凍されていた悪徳殺人医・ドク。 一方、記憶の混同が治りきらないドモンは、診察室で姿を見せたドク(ロボットぽい外見)を見て、「やっぱり3000年だったのか ……」と、むしろ安心してしまう(笑)
ドモンの回想シーンでは、1話から単語は出ているものの謎の競技だった未来の格闘技・グラップが、一種のバーチャル空間で戦うもの だった事が判明。そしてドモンはやっぱり、プロレス。
手術室であわや脳をチェーンソーで刻まれる寸前、仲間達が駆けつけて九死に一生を得るドモンだが、今度は一気に幼児退行を引き 起こしてしまう。更に逃げたドクを追いかけている途中に、タツヤをリュウヤ(タツヤと瓜二つの時間保護局の偉い人。1話時点では、 リラの変装)と混同し、「おまえさえ居なければ、この時代に来る事も無かったのに」と殴りかかる。
ドクの追跡を3人に任せ、川原でドモンと殴り合うタツヤは、最近妙なテンションだったドモンが、本来居るべき30世紀への郷愁に 心を痛めていた事を知る。
そのタツヤを散々殴り飛ばしてスッキリしたのか、急に正気を取り戻すドモン。
ビルの谷間に沈みゆく夕陽に自分の住んでいた未来の風景を重ね合わせ、一つの思いを振り切ると、タツヤと共に仲間の救援に向かい、 ドクを撃破。
出来ればどこかでやっておきたかった、“30世紀へのホームシック”ネタ、一番それらしいキャラクターにスポットを当て(アヤセ: 割とどうでも良さそう、シオン:割とどこでも楽しそう、ユウリ:そんな弱みは見せない)、巧くまとまりました。
タツヤとドモンの、川原で殴り合うイベントも消化し、フラグがまた一つ進行。
「未来の格闘技選手」「大事な試合をすっぽかして追放処分」「ファイティングスタイルはプロレス」と、ここまで設定が小出しだった ドモンですが、単独メイン回で過去(未来だけど)シーンも入り、それらの線が繋がりました。
それにしても、22歳、ドモンも22歳……!
25以上だと思っていたのですが、ドモン、ふ(以下略)
なんとなくドモンは兄貴系ポジションかと思っていたので、勝手に幾つか上だと思い込んでいたのですが、シオン以外は、皆同い年設定 なのかな……まだ、アヤセさんは不明ですが、敢えて明言する必要も無い年齢をわざわざ台詞で言わせているので、意識しているならその 内、アヤセの年齢もハッキリしそうな気はします。
ちなみに私の妄想では、2話時点で各人のポジションから大体、〔タツヤ22,ユウリ24,アヤセ25,ドモン27,シオン15〕 ぐらいのつもりで見ていました。ドモンなんかは、一つの競技で王座を極めた男が転職だからなぁと思っていたのですが、テニスとか フィギュアスケート寄りなのか、グラップ。
ユウリさんもドモンも時間保護局以前の職歴があるわけで(ユウリはむしろ現在進行形の本職ですが)、3000年の未来世界は、 今で言う所の高等教育後に就職するのが一般的なのかもしれない。
あとドモンの「大事な試合をすっぽかした理由」はまだ語られず。今回、どうやら試合遅刻の常習犯であったらしい事が発覚したので、 単なる寝坊かもしれないし、今はまだ後で拾えそうなら拾おうというネタ振りの模様。
こういった“拾えそうなら拾おう”というネタに、当面の理由付けになりそうなもの(今回なら、遅刻の常習犯)を一応用意しておく、 というのはテクニックを感じる所であります。
演出面では、ホラーとスラップスティックを巧く合わせた、凝った演出。諸田監督は『超光戦士シャンゼリオン』が監督デビューだった と思いましたが、その辺り、蓄積が出ているか。
ラストでは、久々に怪人保管ロッカーが登場。何か札が貼ってあったなぁと思って確認したかったのですが、
非常持出
でした。
誰だろう、貼ったのは……。
- ◆CaseFile.8「芸術に爆発を」◆ (監督:諸田敏 脚本:山口亮太)
- ユウリさん、絵が下手な事、発覚。
しかも自覚なし。
探偵業で犬探しをする事になったトゥモローリサーチだが、その最中にロンダーズファミリーの怪人が空を飛んでいるのを目撃、後を 追跡する。怪人は、元ハイジャック犯・ナボコフ。解凍後にリラに骨抜きにされ、その命令で一人の青年を攫おうと襲撃するが、 タイムレンジャーに阻まれる。
タイムレンジャーが助けた冴えない青年の名は、鳥羽賢治。現在は食事にも事欠く全く売れない貧乏画家だが、3000年の未来では 世紀の巨匠と謳われる、21世紀の伝説的画家であった。
リラの目的はなんと、この伝説の画家に自分の肖像画を描かせる事。
ドルネロとギエンさんは呆れていましたが、タイムワープを利用したSFネタとしては、これは面白い。
その頃、眼鏡にぼさぼさ頭、三日間飲まず食わずだったりでトゥモローリサーチの事務所でラーメンをご馳走になる昭和な雰囲気の 貧乏絵描きは、ユウリさんにときめいていた。
ロンダーズファミリーに狙われる鳥羽をそれとなくガードしようと、鳥羽の家を訪れる5人。未来の話に配慮しつつ、絵描きを辞めて 田舎へ帰ろうかと思うとこぼす鳥羽に、成り行きで「描きたいものはないのか?」と尋ねると、「ユウリさん」と即答される。
「あいつ……モデルなんてやるかな」
「無理だろ」
「やるわ」
こうしてユウリさん、鳥羽のモデルになる事に。
アパートの外へ出た4人の男衆。
赤「それにしてもどうしたんだ、ユウリのやつ」
黄「あいつ……ああいう男が趣味なのか。……俺の方が数段上だよな」
青「そんなわけねえだろ」
赤&緑「「あはは」」
黄「おい、なんだよ!」
怒るドモン、笑いながら逃げる3人。
……ユウリさんは早く、このダメンズ4人衆と手を切るべきだと思います。
しばらく外で無駄に時間を潰していた4人だが、中の事が気になり、誰が覗きに行くかをじゃんけんで選ぶ。
……
…………
なんかこう、男衆は、本気で駄目だな……。
結局タツヤが見に行く事になるが、外の事を気にしてばかりのユウリに、鳥羽は筆を進められず、とうとう「ユウリさんの心は、僕の 方を向いてない」と逆ギレ。確かに承諾したのはユウリさんですが、もともと彼の方から頼んできたわけで、凄くどっちもどっちというか、 これだから歴史に名を残すような芸術家は、みたいな感じに受け止めてしまえば良いのか(笑)
ゲストキャラの鳥羽はいっけん人が良さそうですが、終始割とマイペース。
そしてそんなこんなで揉めている隙にナボコフの奇襲を受け、鳥羽を攫われてしまう。
最初からロンダーズの襲撃を待ち受ける為だけにモデル役を受けたのにと悔しがるユウリに、捜査の為なら人の心を踏みにじっても いいのか、とタツヤ説教。
一方、攫われた鳥羽は立派なアトリエと豪華な食事を与えられ、リラに自分の肖像画を描くよう依頼されていた。
……なんだろう、リラの方が誠実な気はします(笑)
筆を取る鳥羽だったが、やはりそれは進まず、「本当に心の底から描きたいと思ったものしか描けません」と曰い、リラさん激怒。
今回は、どちらを向いても駄目人間ばっかりだ!
まあ、もともと拉致されているといえば、拉致されているのですけど。
金も無いのに仕事選ぶなというか、リラさん、普通に正面から頼めば良かった気はするのですが、それはそれで鳥羽は断りそうで、 やっぱり今回は、どっちを向いても駄目人間パレード!
絵を描かない画家など殺してしまえと鳥羽はナボコフに始末されそうになるが、間一髪、駆けつけるタイムレンジャー。ユウリさん、 鳥羽に謝る。変身した5人を見て創作意欲をかきたてられたのか、外で始まった戦闘を気にする事なく、猛然とスケッチを始める鳥羽。
タイムピンクとリラが一騎打ちで微妙に因縁を作りつつ、リラを男らしくかばったナボコフを5人の攻撃で撃破。ロボ戦では、 祝・ベータ活躍。空中射撃からのスピンキックは格好良かったです。
騒動終わって、田舎へ帰る事にした鳥羽を見送るユウリ。若干遅れてホームに着いた男4人は、二人の姿を見て物陰に隠れる。 「タイムレンジャーの事は、みんなには秘密で」……って、そんな軽くていいのか(笑)
鳥羽は最後に、ユウリを描いたスケッチブックを彼女に渡し、勢いで告白しようとするが、タイムアップ。
電車はホームを離れ、後に歴史的な画家になる(かもしれない)男は、田舎へと帰っていくのであった……画家の場合、生前に評価 された、とは限りませんが、さてどうなりましたのやら。
スケッチブックを抱え、駅を出たユウリを外で待ち受けていた、ダメンズ4人衆。
黄「嬉しそうじゃん」
桃「いたの?」
赤「これで2度目だな」
桃「なにが?」
赤「あいつの気持ちを踏みにじったの」
桃「2度目ってなんのことよ」
青「鈍感……だな」
というかね、ユウリさんの場合、眼中にないんじゃないかなー。
あるスペック以下の男は、守備範囲に入っていないっぽい。
それでも、鳥羽から貰った自分の絵は「これは私の宝物だもの」と微笑み、ダメンズ4人衆には見せずに大事にする……と、 またちょっと円くなるユウリさんでありました。
《女性に体の前で物を抱えさせると可愛さ3割増しになる法則》(提唱者:私)を使いつつ、 演じる勝村美香さんがだいぶ柔らかい表情を作れるようになってきた&アフレコに多少は慣れてきた&そんなユウリさんに視聴者も慣れて きた事もあり、最終的にユウリさん可愛い回に着地成功した感じ。
ダメンズ達は……その内、圧縮れ(以下略)。
また、過去の人に見せるのはどこまでOKなのか、というパラドックスネタにちょっと踏み込んだ1本。鳥羽のその後への影響など、 視聴者の解釈次第として、まあこのぐらいなら良いだろう、と設定面を含めてバランスを探っている感じです。
まあ、2話あたりの理屈だと、細かい個人の人生は多少変わっても、(歴史の修正力の存在も含めて)あまり大きな歴史の流れに影響 しないからOK、ぐらいの設定みたいですが。
そして次回予告が全編ドルネロ様のナレーションでやたらに格好良かったのですが、次回、まさかのドルネロ回?!
- ◆CaseFile.9「ドンの憂鬱」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子)
- ロンダーズファミリー、雑誌に特集される。
一緒にタイムレンジャーも掲載される。
と、強烈に意欲的な展開。
只でさえ時間SF要素を取り込んでいる所に、マスコミを絡める、という実に挑戦的なボール。
事務所で自分たちの特集された雑誌を見てはしゃぐタツヤ、ドモン、シオン。難しい顔のユウリと、我関せずのアヤセ……から、 5人のそれぞれの仕事と日常の風景に。タツヤは空手道場、シオンは時計の修理、ユウリさんの所にも探偵仕事の依頼が来て……ドモンは ほぼナンパの護身術教室ビラくばりを続け、アヤセは、まだ教習所に通っていた。
金を稼いでないのは、アヤセとドモン。
アヤセはむしろ、金がかかっています。
もうさ、アヤセさんはホストクラ(以下検閲)。
一方ロンダーズファミリーでは、ドルネロ様が「毎週一つずつパーツが付いて、100号集めて江戸城が完成!」みたいな模型を 作っていた。何かと思ったら、以前にリラに言っていた“地球のてっぺんにぶっ建てる俺の城”の模型でした。自分でパーツ造形から したのだとすると、ドルネロ様、割と職人的趣味人。
のんびりしているドルネロに、金の集まりが悪いとリラが眉を逆立てる中、ギエンが床に落ちていた囚人を解凍する。そこから現れた のは、悪徳警官・アーノルドK。なんと、ドルネロの昔なじみであり、以前のファミリーの協力者であった。
ドルネロと“ガキの頃からの付き合い”だというアーノルドKはドルネロを「兄弟」と呼び、やたらにフランク。いっぽうギエンと リラには横柄な態度を取って、二人を怒らせる、と解凍されで数秒でファミリーの幹部気取りという、嫌な感じの昔馴染み全開。
ドルネロ様いわく、「悪いやつじゃねえよ、悪いやつじゃな」。
まあ、“ガキの頃からの付き合い”の兄弟分なのに、20世紀への脱出後に真っ先に解凍されたわけでもない、という点でドルネロ様の 胸の内は推して知るべし、といった所でしょうか。この辺りのファミリー間のやり取りは如何にもなギャング映画の雰囲気で、 アーノルドKの小物臭も含めて脚本家ノリノリ。
街に出たアーノルドKは道行く車を無理矢理に停め、「道路交通法違反で罰金だ」と滅茶苦茶な調子で金を巻き上げようとするが、 路上教習でたまたま通りがかったアヤセに見つかり(凄く、やる気なさそうに変身)、駆けつけたタイムレンジャーに撃退される。 そんな戦いを物陰から激写するカメラマン達の姿に、慌てて退散するタイムレンジャー。
アジトへ退散したアーノルドKは、壊れた銃を直せとギエンさんを「金ぴか」呼ばわりして怒らせるなど、引き続き、我が物顔。
挙げ句の果てに、一言。
「なぁ兄弟、持つべき者は古い友達だぜ。欲得づくで繋がってる奴は、すぐに裏切る」
リラ「それって、あたしの事かしら」
ギエン「私の事のようにも聞こえたが」
怒る二人。
……あれ、二人とも、“欲得”オンリー?(笑) 1話の過去にワープする計画の時にドン自らけっこう危ない橋を渡っているので、 もう少し、情のある関係かと思っていましたが、思った以上に揃ってビジネスライクなのでしょうか。
仲間内のいざこざは嫌いだ、と仲裁に入るドルネロ。
「思い出すよなぁ、二人で盗んだ食いもん、半分ずつわけあってた頃をよぉ。あれが仲間だ、なぁ兄弟」
アーノルドKうざい、素晴らしくうざい(笑)
ファミリーに険悪な空気が募り、このままではアーノルドKがファミリーで幅を利かすのではと危惧したギエンとリラはどこかへ姿を 消す。一方、何事か思いを巡らせたドルネロは、兄弟分に対タイムレンジャー用の強力な銃のアタッチメントを渡す。それを持って再び 街へ繰り出したアーノルドKはタイムレンジャーと戦闘に。そのアーノルドKを暗殺しようと、物陰から銃で狙うギエン、そしてリラ。 だがギエンが引き金を引くよりも早く、ドルネロから渡されたアタッチメントを使おうとしたアーノルドKの銃が暴発する。
ダメージを受けたアーノルドKは合体武器で圧縮冷凍されるよりはと、自ら巨大化。しかしさくっとタイムロボアルファに敗れるので あった。
アジトへ戻ったギエンとリラに、銃の暴発は自分の仕掛けだと説明するドルネロ。
「言ったろう。仲間内のいざこざは、嫌いなんだ。どっちか選ばな きゃならねぇとしたら、昔なじみより金と欲で繋がった仲間だ。そっちの絆の方がつええからなぁ」
ドルネロ様、超格好いい。
ギエンとリラが笑いながら満足して去って行った後、模型を作りながら呟くドルネロ。
「それに……、殺されちまうよりはマシだろう、アーノルド」
部下の心理を読み、人材の使いでを考えた上で、タイムレンジャーに倒される分には圧縮冷凍で済むという計算の元に事前に手を打った ドルネロ様の見事な手筈。
作品の特性(敵は圧縮冷凍)を物語に活かすと同時に、ここまでそれ程カリスマ的な部分の無かったドン・ドルネロの、ファミリーの ボスとしての人心掌握術その他の器の大きさを描く事で、ロンダーズ・ファミリーにも一段と深みの出た、名シナリオ。
潰れたクジラみたいなほとんど動けない着ぐるみで、巧く雰囲気を出す中の人と、微妙な抑揚で声に表情をつける大友龍三郎さんの 演技もお見事。
一方世間では、「タイムレンジャーは警視庁の秘密部隊」であるという報道が一人歩きしていた。マスコミ各社からの取材に対して 「ノーコメント」を貫く警視庁ではあったが、
「我々も各方面に協力を要請して、動き始めているんだ」
と、意味深な台詞。
そして、アヤセさん、免許取得。
やっと、金食い虫から卒業です。
ちょっとした祝杯があげられるが、突然、そのグラスを取り落とすアヤセ。なんでもない、と独りその場を離れるアヤセだが、建物の 外へ出た所で心臓を抑えてうずくまる……。
Bパート早々に怪人を倒してロボット戦長め(出撃シーン、変形シーンのバンクなど完全使用)、そして最後に二つの伏線シーンを 入れるという、変則的な構成。
冒頭の雑誌の特集に始まり、ロンダーズ・ファミリーを深めながら、マスコミの記者登場、動き出す現代の警視庁など、タイムレンジャー を取り巻く環境に変化が……と、盛りだくさんで意欲的な内容。この先どの要素がどれだけ活かされて物語がどう転がっていくかはわかり ませんが、一つだけハッキリしているのは、
現時点でのヒロインはアヤセ。
- ◆CaseFile.10「明日への脱出」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子)
- 前回ラストの続きから、そのまま。外に出たまま戻ってこないアヤセを心配して様子を見に行くタツヤだが、既に平静を取り戻した アヤセにつれなくあしらわれる。以後、様子が気になるタツヤだが、話を聞こうとしても避けられてしまう。
というかタツヤは、なぜ、アヤセの肩に手を置いて耳元で囁きますか。
アヤセがヒロインだからですか、そうですか……なら仕方ない(待て)。
そんなある日、タックが強い時空パルスを感知する。自然現象の可能性もあるが、人為的だとしたら、ロンダーズファミリーが関係 しているに違いない。確認をしに向かうタツヤとアヤセだったが、それはロンダーズファミリーが解凍し、タイムレンジャーの首に賞金 をかける事で雇った、傭兵オーグの罠だった!
強烈な時空パルスの発信機によってクロノチェンジャーが故障。変身できなくなった二人は倉庫に閉じこめられ、タツヤが携帯電話で トゥモローリサーチに連絡を取ろうとするが、通じない。……料金未払いで。そして発信機と共に仕掛け られていた爆弾が爆発し、アヤセがタツヤをかばうが、二人ともに負傷してしまう。
倉庫内部がぼろぼろになる程の派手な爆発だった割には、二人とも意外と大丈夫(笑)
未来の犯罪者なので、現代の火薬の使用量を見誤ったか。
一方、クロノチェンジャーからの通信が途絶えるなど異常を感じたトゥモローリサーチでは、携帯電話も通じないのを確認したユウリが シオンに電話代の振り込みを頼み、ドモンと共に現場へと向かう。
その頃、姿を見せた傭兵オーグから逃げ回る二人は、変身できないまま、生身でボコられていた。ここ2回ほど動きにくそうな寸胴 デザインが続いていたロンダーズ怪人ですが、今回は動きやすそうなスマートなデザインで、なかなか強力。タツヤとアヤセの二人が 本格的なピンチなのが、緊迫感が出ていて良いです。
倉庫街を逃げ回る二人は一つの部屋へ逃げ込むが、何とそこは使われていない業務用冷凍庫だった。オーグによって外から鍵をかけられ、 冷凍庫のスイッチを入れられ、大ピンチに。
密室の冷凍庫に閉じこめられて二人きり
何かを邪推してほしいとしか思えない展開(おぃ)
……えー、あれー、ここは普通、ユウリさんと閉じこめられて、タツヤがユウリさんに上着をかけるとかじゃないかという気はするの ですが…………まあ、ユウリさんは、精神力で耐えそうな気はしないでもない。
(真面目な話としては、ユウリさんはそういう方向性は目指していないのでしょうが)。
二人を捜して近くまで来ていたユウリとドモンも、二人に気付かないまま、オーグとの戦闘にもつれこんでしまう。
鍛えている割に寒さに弱いのか、速攻で辛そうなタツヤに、自分の上着をかけるアヤセ。
「よせよ、なんですぐそういう事するんだよ」
爆発から身を挺して自分をかばった事といい、3話での出来事といい、アヤセが自分の身を犠牲にしがちな事を批判するタツヤ (上着は返しました)。意識を失わない為に何か会話をという事もあり、アヤセはそんなタツヤに自分の秘密を語る。
オシリス症候群……それは発症から数年の内に、心臓が突然停止するという原因不明の奇病。アヤセは3000年の未来でも 治療法の発見されていない不治の病で、余命1年か2年と診断されていた。レーサーになる際に受けた健康診断で病気が発見され、夢を 絶たれてしばらくは荒れた生活を送っていたアヤセだが、限られた時間でもどうしようもなく生きたい自分を自覚するに至る。
絶体絶命の二人(それも現代人の科学力で)だったが、その時、タツヤの携帯電話にシオンからの着信が! 電話代を振り込んだシオン が、二人の閉じこめられた冷凍庫に駆けつける。
「俺が、誰かのために、危険を冒したとしたら、それは、犠牲とかそんなんじゃない。多分、ちょっとは死ぬって事の重さが、わかるから かな。見てられないんだ。
……おまえが、明日を変えるられって言った時は、本当にそう出来るような気がしたよ。タイムレンジャーやってれば、本当に」
「俺……もっと軽いノリで言ったんだっ。明日を変えるって」
「ああ」
「死ぬかもしれないってのが、こんなに怖いって事も知らなかった」
「ああ」
「おまえ、ずっとこんな……」
「しっかりしろ。絶対に生きて、ここを出ようぜ」
ユウリさん、地味なファインプレイ
「ぼく、電話代振り込んでおきましたから、もう大丈夫ですよ」と天然ボケで場をなごませつつ、シオンがクロノチェンジャーを修理。
オーグに苦戦するユウリとドモンの元に3人が駆けつけ、5人揃ったタイムレンジャーはオーグを撃破。イベントが進行してフラグが 立ったので、赤×青で合体技も使えるようになりました。
「5人揃えて2500万」と賞金の為に自ら巨大化するオーグだったが、タイムロボアルファのすれ違い様の一撃で試合終了。合体時間 の方が長かった(笑)
戦い終わって事務所。今回の陰のMVPであるシオンが立て替えた携帯電話の通話料が23,864円というのを 見て、仲間に分担をせびるタツヤ。明らかに、たまに使ったというドモンが、悪い事をしている値段ですが、ユウリさんの 「甘やかさないように」というお達しにより、皆の反応は冷たい(除くシオン)。
そもそも、まだ働いていないアヤセさんには、たぶん金がない。
こうしてまた一つフラグを立てた赤と青新たな絆を得たタイムレンジャーだったが、その財政事情は辛く厳しく 世知辛いのであった。
ドモンは前回冒頭で、素の食パンかじってたし。
やや変則的な展開で敵サイドに焦点を合わせつつ複数の伏線を引いた9話、仲間の重要な伏線を中心に据えた10話、と毛色は違います が連続して脚本家の力が入った面白いエピソードでした。
初登板の坂本監督も、ベテランらしいソツのない演出。
- ◆CaseFile.11「死闘の街」◆ (監督:小中肇 脚本:小林靖子)
- ドルネロ&リラ、街の高級レストランで食事中。
店長は、警察を呼んで暴れられて店を壊されるよりは、おとなしく食事を終えて帰ってもらおう、と選択。
まあ確かに、ドルネロ様達は“貯めた金を使うのが好き”なタイプっぽいので、代金ちゃんと払ってくれそうですが。
そんなロンダーズ・ファミリーを物陰から激写するカメラマン・森山ホナミ。馴染みの雑誌の編集長にその写真を採用してもらった ホナミは、次の狙いはタイムレンジャーの素顔だと宣言する。
その頃、ひとりアジトに残っていたギエンは、愉快犯ゴウガンを解凍。
ゴウガンは催眠誘導装置を設置すると、一つの街の住人を丸ごと錯乱状態に陥らせ、傷つけ合わせる。彼はかつて2975年に同様の 装置を用い、ある街において3日間で住人の80%が死傷するという大殺戮を行っていた。
32人の住人が錯乱状態になった人々によって負傷したという報道に、ロンダーズの気配を感じたタイムレンジャーは、警察が検問中の 街へと侵入。一方、ロンダーズ絡みの特ダネを狙うホナミも街へと忍び込んでいた。
ゴウガンの装置は、夜になると住人同士で殺し合うという設定らしいのですが、昼の間は武器の準備と部外者の排除、という事になって いるらしく、手分けして催眠誘導装置を探すタイムレンジャーに、次々と襲いかかってくる住人達。
タツヤに投げつけられた人形が爆発したのは謎ですが(笑)
なんか危ない発明おじさんが居るのか、この街。
住人に襲われていたホナミを助けたユウリは街を出るように言うが、特ダネに夢中な彼女は聞く耳を持たない。それどころか、催眠誘導 装置を破壊しようとしたタイムレンジャーを結果的に邪魔する形になってしまい、ゴウガンは装置とともに逃亡。とうとう日が暮れて、 街の人々によるバトルロワイヤルが始まってしまう。
ここの映像は、けっこうな人数のエキストラを用意した事で、なかなか雰囲気が出ました。途中途中で切りつけられて倒れる人が出たり するのもグッド。
マジ切れタイムピンクの平手打ちを受け、事件の真相と自分の落ち度を聞かされて落ち込むホナミ。そんな彼女をなぐさめ、バトル ロワイヤルの阻止の為、戦いに赴くイエロー。
ドモンの女好きスキルがやっと活きた……!(?)
バトルロワイヤルの激突寸前、ゴウガンを見つけだしたタイムレンジャーは催眠装置の破壊に成功。街の人々は正気を取り戻し、 ゴウガンの撃破にも成功するのであった。そしてその戦闘の光景を見ていたホナミは、酷い過ちを犯した自分を励ましてくれた タイムイエローに、憧れを持つ事になる。
戦い終わって、帰路をゆく5人。反省はしたけど懲りていないホナミは、街で出会ったユウリこそタイムレンジャーの正体 なのではないかと見定め、物陰から彼等を激写する。いったいその中の誰がタイムイエローなのだろうか、と思いながら……。
圧縮冷凍した怪人を小脇に挟んでいたり、ユウリさん、色々迂闊。
というかいつも事務所まで、剥き出しで持ち帰っていたのか……(笑)
誰かポケットに、エコバッグぐらい畳んで持ち歩いているといいと思います!
色々とアクションの障害になるから難しいのでしょうが、そういえばさすがのユウリさんも、ハンドバッグ常備とかはしてないの だよなぁ……ユウリさんのビジュアルだと、あれでハンドバッグ持たせたら絵的にはかなりリアリティでるし女力が上がるとは思う のですが。
その頃ロンダーズのアジトでは、ギエンさんが大満足していた。
「破壊と、殺戮ほど、高級な趣味はない」
今回冒頭のレストランシーンで、
リラ「「ギエンって、ちょっとイカれちゃった所があるのに、、んふ、気になるのよねぇ」
ドルネロ「誰でもどこかはイカれてるもんだ。度が過ぎなきゃ、それはそれで面しれぇってもんよ。わはははは。度が過ぎなきゃなぁ」 という会話があるのですが、そーいえばギエンさんは前も殺人犯(ユウリさんの家族の仇)を解凍していたし、放っておくとそういう 意味でクレージーなのか。
数日後、ドルネロ様の食事風景の写真が載った雑誌を見て、ロンダーズ絡みの特ダネ写真を追う森山ホナミへの警戒レベルを引き上げる ユウリさん。戦闘後、自分(タイムイエロー)にエールを送ってくれたホナミの好感度UP! とにやけるドモンは「向こうから絡んで きたらしょうがねえよなぁ」と春の陽気にあてられていた……が、帰路に着く素顔の5人の写真を現像したホナミは、その中のアヤセの アップを見ながら、「タイムイエロー……」と呟くのであった(笑)
アヤセさんのイケメンスキルがやっと活きた……!(?)
ここは、お約束が素晴らしい(笑)
今回からシオンがまた髪の色を変えたのですが、緑とか青とか、明らかに変な色ではないので、ちょっと、もっさり感が増し過ぎた ような。
- ◆CaseFile.12「星に願いを」◆ (監督:小中肇 脚本:山口亮太)
- ある日トゥモローリサーチに「宇宙人を見つけてください」とハヤトという少年がやってくる。仲間の視線を浴び、ハヤトに連れられた シオンは、小学生達に手品のようなものを見せている中年の男に引き合わされる。「おじさんは宇宙人と友達なんだ」という男の為に、 本物の宇宙人を見つけてほしいと言うハヤト。
一方その頃、世間を謎の連続盗難事件が賑わせていた。衆人環視の中の美術品や、銀行の金庫の中の現金が、煙のように消え失せて しまったのだ。タックのデータバンクにも情報の無いその事件は、恐喝犯ゲーマルクが一人の男を脅して行わせている犯罪だった。
その男の名は、アルゴ。ハヤト少年が慕っていた男であった。彼の正体は、アルクトゥース星の脱走兵。母星を逃げ出したものの宇宙船 の故障で地球に不時着した彼は怪我を負った所をハヤト少年に助けられ、以後、親しくしていた。だがある日、自分を慕うハヤトを交通 事故から救う為に、衝突寸前だった自動車をその能力で瞬間移動させたアルゴは、それを目撃していたゲーマルクに正体をネタに強請られ 連続盗難事件の片棒を担がされていたのだった。
少年と謎めいた中年男(宇宙人)の友情を軸に、情報を小出しにする事でややプロットを複雑化させたエピソード。
オールドファンには、少しばかり「怪獣使いと少年」(『帰ってきたウルトラマン』)の雰囲気というか……あんな突き抜けたえぐい 内容ではないですが。
ハヤト少年がアルゴの為に宇宙人を捜そうと思う辺りとか、ゲーマルクの脅迫とか、節々の理由付けが弱いのが難ですが(なんとなく 納得も理解も出来るのだけど、30分1話の物語の中で、劇的ではない)、本筋でぐいぐい引っ張っていくタイプの構造をしたシリーズ なので、サブライターの単発エピソードでこの水準キープしてくれれば有り難い、とはいう出来。
犯罪の片棒担ぎを嫌がるアルゴに対してゲーマルクが
「なあ、こうしよう。これが最後の仕事だ」
とか、後半、超時代劇展開になりますが(笑)
引退した鍵開け名人が、島抜けして帰ってきたかつての盗賊仲間に脅される、というアレ。
ハヤト少年を人質にされたアルゴは仕事に向かうが、シオンに「ロンダーズが約束を守る筈がない」と繰り返し説得を受け、最後は ゲーマルクを罠にかけるのに協力。少年を無事に救出し、ゲーマルクも撃破。アルゴは自分の盗んだ物を全て元に戻すと、いずこへとも なく去っていく……。そしてハヤトの元にはアルゴがいつも手にしていたレンズ(?)が一枚、どこからともなく現れて、残されるので あった……。
最後のUFOが何だったかハッキリ明かされない(シオンがアルゴのUFOを直したのか、それとも少年の夢を叶えるために大がかりな ホログラム装置でも作ったのか、など)、アルゴも最終的にどうなったのか微妙に解釈の余地を残すなど、ちょっと余韻を残したオチ。
ただ最後に盗んだ物を元に戻したのがアルゴの能力だったとすると、アルクトゥース星人の物質移動能力が凄すぎるというか、その場に 居なくても移動させられるとなると、使いようによってはロンダーズファミリーに壊滅的な打撃を与えられそうな気がするのですが(笑) 最後の仕事で観音像を盗みに行った時に現場の美術館に向かっていたので、何らかの視覚的マーキングを施す事で発動させる力なのかも しれませんが、そうすると金庫の中の札束が不可解になるし、解釈に困るので、ラストの盗品が元に戻るシーンは無くて良かった気は します。
ところで、シオンに「この時代に宇宙人ってばれたらどうなるんでしょう?」と聞かれて、「この時代には存在が認められていないから 危険な目に遭うのでは」と応えるユウリさんは、もう少し空気を読む技術を身につけた方がいいと思います。
あと久々に、塩屋浩三の悪役(ゲーマルク)を聞いたけど、実に下品でいいなぁ(笑)
こういう、小物全開の下品さ(そして微妙なおかしみ)を出せる声優というのは、素敵。
- ◆CaseFile.13「バトルカジノ」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子)
- 今回から、OPに、歌詞と配役名が表示されるように。
歌詞はともかくとして、役名はこれまでどうして表示していなかったのかは謎(いただいたコメントによると、凄いスピードで、一応 画面上には表示されていたらしい)。さすがにもう、覚えましたが。そして歌詞表示の都合でテロップが全体的に上にずれた為、若干、 違和感。
妻からの依頼で、闇カジノに入り浸って帰ってこなくなった夫を捜し出す事になったトゥモローリサーチ。格闘家達を戦わせ、その勝敗 に金を賭けるというカジノにまずはドモンが入り込むが、失敗。ついでタツヤが選手として売り込みをかけ、中から男を捜す事になる。 ただ男を連れ出してくるだけの簡単な仕事だと思われたが、実はそのカジノは、ロンダーズファミリーの一員、賭博師・ベリトに運営 されていた!
イカサマを用いて都合のいいように勝敗を操作するベリトを引きずり出す為、ユウリが客として潜入。オーナーであるベリトと賭けで 直接対決し、一方、タツヤはベリトのイカサマ(ボディ部分が審判に変装し、自分の賭けていない選手に妨害攻撃を仕掛ける)を見事に 打ち破り、タイムレンジャーは正体を現したベリトを逮捕。バトルカジノは閉鎖に追い込まれ、細木夫妻も絆を取り戻すのであった。
カジノの退廃的な雰囲気は演出で上手く出していたのですが、話の方は、色々と杜撰。
博打のシステムがあまりに杜撰。
イカサマのやり方もあまりに杜撰。
タイムレンジャーの潜入もあまりに杜撰。
子供向け番組で賭博のディテールを書かなくてもいい、といえばそれまでなのですが、賭博らしさを出す為に勝利選手の配当を アナウンスさせるなら、試合後ではなくて、試合前に選手紹介とともに言わせないと、博打の盛り上がりが表現されません(もちろん、 物語上は前にも言っているのだと思いますが、そこは演出で補完しなくてはならない)。
例えば細木が選手としてタツヤと戦う事になる所で、「タツヤ1.5倍」「細木36.0倍」とか言わせておけば、博打のディテールも 出るし、彼我の戦闘能力の差の雰囲気も出る。その後も、ちょっと絡みのあるムキムキの人がタツヤよりオッズが低ければ、バトルカジノ の実力者だという表現も出来ますし、どうせなら、そこは凝って欲しかった所。
それから肝心のイカサマが、明らかに相手が攻撃していないタイミングで対戦相手が吹き飛ぶという、誰がどう見ても怪しすぎる展開で、 あんな試合で金を賭ける人は居ないと思います(笑) それこそ、提供されている飲み物に興奮剤とか入っていたのかもしれませんが。
脚本家の個人的な好悪なのかはわかりかねますが、どうにも書いている側が、「博打」という要素に対して適当すぎ。
更に、ロンダーズ云々抜きにして、背後関係を想像したら闇カジノへ乗り込むなど相当リスキーな仕事だと思うのですが、タツヤが 「簡単な仕事だと思ったのに」など、タイムレンジャーのノリが少々軽すぎ。まあ、普段ロンダーズ相手にしているので感覚がマヒして いるのかもしれませんが、下手に裏社会などと絡んだら、ロンダーズより面倒くさい可能性もあるかと思うのですが、その辺りの リアリティが(キャラクターのリアクションとして)全く無かったのは残念。
これは事がロンダーズ絡みだとわかった後半部分にも言えて、あまりにあっさりカジノへの潜入と店員へのすり替わりに成功しすぎる ので、話としての緊迫感が全く出ませんでした。
まあ言ってしまえば今回はあくまで、永井マサル空手アクション回なので、本題ではないディテールは 最初から捨ててかかっていたのかもしれませんが、出来ればもう少しきっちりと書いて欲しかった所。
作品の平均的な質が高いからこその、高い要求として。
細部にもうちょっとずつ凝ったら、もう少し面白くなったと思うので、惜しい。
まあロンダーズ側は2000年代の犯罪に慣れていないし舐めてかかっているので結構杜撰ではあり、多少隙がある方がむしろリアル とは言えるのですが、そういう抜けた部分と、闇カジノという題材が合わなかった感あり。或いは、その“抜けた”部分をタイムレンジャー 側が突く、という描写を入れてほしかった。
他、特筆すべき点としては、賭博師・ベリトは人間の頭部にあたる部分が本体で、ボディ部分はメカニックスーツ。本体が圧縮冷凍 される寸前、ボディ部分だけを巨大化した為、メカニックスーツだから破壊しちゃって構わない、という事で、極めて珍しく タイムロボベータがトドメを刺しました。
(2012年6月19日)
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