■『電磁戦隊メガレンジャー』感想まとめ4■


“サーフィンしようぜ 光るネットの波をくぐって”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『電磁戦隊メガレンジャー』感想の、 まとめ4(31〜40話)です。登場人物など紹介を付記。また文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
 執筆中にコメントをいただきましたkanataさん、やり取りが感想に反映されている所もあります。改めて、ありがとうございました。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕  ・ 〔まとめ3〕 ・  〔まとめ5〕 ・ 〔総括〕


◆第31話「止めるぜ! ギレールの暴走」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 ユガンテを盾に身を守って帰還したギレールのために、雰囲気最悪のネジレジア本拠。 ……その場に捨ててこなかっただけマシ、という気もしますが。
 シボレナはギレールを裏切り者となじるが、「どんな手を使ってでも、というジャビウス皇帝の命に従っただけ」と、 ギレールは意にも介さない。そのギレールにヒネラーは、ユガンテのパワーアップの為に開発していたネジレゲンカプセルを手渡す。 己の潜在能力を全て解き放つという強力なドーピングアイテムを手に、再出撃するギレール。
 そのころメガレンジャー達は、地上へやってきた省吾(ギャラクシーメカのエンジニア)と再会していた。 スーパーギャラクシーメガの新必殺技の話をしたり、ギャラクシーメガについてのろけたりする省吾と旧交を暖めていると、 ギレール出現の報が入る。
 ネジレゲンカプセルを飲み込んだギレールは圧倒的な力でメガレンジャーを蹴散らし、 大事なプログラム入りの鞄を手にしたまま何故か物陰から見守っていた省吾を負傷させるがレッドにとどめを刺そうとした時、 肉体に異変が起こり、身を引く。
 体中から粘液をぼたぼた垂らして苦しむギレールの前に姿を見せるヒネラー。
 「いやごめん、そのカプセルまだ未完成で副作用があってさ、パワーアップするのはいいけど、肉体が変化して、 最終的にはそれに合わせて人格とか消滅しちゃうんだよね。でもいいよね? 君は犠牲になるけど、メガレンジャー倒せるし。 どんな手を使ってでもメガレンジャーを倒すのが目的だもんね?」
 しっかり言質を取っているヒネラー(笑)
 身内にだだ甘のヒネラーに謀られた事を悟ったギレールだが、時既に遅し。暴走するエネルギーの影響で巨大化し、 理性も知性も失った怪物、マッドギレールと化してしまう。
 月面基地に負傷した省吾を運び込んでいたメガレンジャーは、それぞれが傷を負いながらも、巨大ギレール出撃の報に、 ギャラクシーメガでの出撃を決意する。
 久保田「苦しい、戦いになるぞ」
 赤「やるしかないだろ。……へっへ、心配すんなって。俺達は、連戦連勝のメガレンジャーだぜ」
 久保田「……うん。……そうだったな」
 黒「みんな、行こう」
 久保田「頼むぞ、みんな」
 そう言う博士も100%他人事ではない所が、やはりギャラクシーメガの熱い所。
 そして、ここぞという時の音楽シリーズで、ここでかかる主題歌の金管アレンジが格好いい。
 勇躍、マッドギレールとの戦いに臨むスーパーギャラクシーメガであったが、スーパーギャラクシーナックルすらあっさり弾き返すマッドギレールの前に、 あっという間に追い込まれる。事態を打開するには、省吾の話していた新必殺技を使うしかないが、しかし、 ダメージの大きいギャラクシーメガがそれを使うと二度と戦えなくなってしまう事を聞いて、それを嫌がるレッド。
 またロボット可愛がりで本末転倒もいい所のレッドですが、ベッドから起き上がってやってきた省吾が一喝。 発動した新必殺技「ビッグバンアタック」が炸裂し、倒れるマッドギレール……と思ったがしかし、 再び立ち上がるマッドギレール。更に暴走の続くマッドギレールの細胞の一部が巨大なネジレ獣と化して分裂し、 スーパーギャラクシーメガ、絶体絶命!!
 ……というわけで、いつもメガレンジャーのメンバーが行う次回予告の前振りは、ヒネラーファミリーが担当。
 凄く、楽しそう。
 しかしこう流れで一気に見ると、メガレンのパワーインフレは、ジャンプマンガもビックリです(笑) 先週まで、 あらゆるネジレ獣を登場と共にほぼ瞬殺していたスーパーギャラクシーメガが手も足も出ないとは、どれだけ強いのかマッドギレール。
 あと正気を失っているマッドギレールが仮にメガレンジャーを殲滅したとして、その後、ネジレジア最大の敵になりそうな気が(笑)  ヒネラーの事だから、時限装置とか仕掛けているのかもしれませんが。

◆第32話「終わりか!? 絶体絶命ギャラクシーメガ」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 マッドギレールと、その細胞から誕生したギギレの攻撃を受け、敗北寸前のスーパーギャラクシーメガ。
 その時、アイネット月面基地の早川から久保田の元へ通信が入る。早川が長く開発に関わっていたスペースメガプロジェクト (メガシルバー登場時から伏線を引いている話)が遂に完成したのだ。
 「デルタメガを分離させて、月へ行け!」
 久保田の司令を受け、月へと向かうメガレンジャー。
 地球では、ギャラクシーメガが残って防御モードで時間を稼ぐという(勿論スタッフ乗せたまま!)熱い展開。
 しかし久保田博士は窮地だと、叫んでいるだけで割と役に立ちません。
 月面基地で、早川が主任として開発していたのは、5台のボイジャーメカ!!
 出撃したメガレンジャーは、宇宙空間へと追いかけてきたギギレを撃破し、地球へと向かう。
 前回ラストで出てきたギギレは、イカ+カニみたいな見た目で、青を基調とした色合いもネジレ獣とは一線を画す番組的に異風のデザインだったのですが、 どうしてかと思ったら、今回の事を考えて、宇宙映えするデザインだった模様、納得。
 地球上ではとうとうシールドエネルギーが尽き、倒れ伏すギャラクシーメガ。マッドギレールが迫るその時、5台のボイジャーメカが合体、 メガレンジャーの新ロボ・メガボイジャーが地上に降り立つ!

 銀河合体!

 はもう全開で、早川の趣味に違いない
 合体したメガボイジャーは、凄まじい勢いで、マッドギレールを蹂躙
 ネジレジアが本気で可哀想になるレベルの圧倒的戦闘力でマッドギレールを撃滅。
 こうしてメガレンジャーに新たな戦力が加わり、敗れはしたものの、本国から来た邪魔者の排除に成功したDr.ヒネラーは独りほくそ笑むのであった。
 ボイジャーメカは、1:人型(赤)・2:スペースシャトル(黒)・3:多段式ロケット(青)、4:円盤(黄)、5:台形メカ(桃)、 という構成なのですが、3号機がかなり酷いです。メガボイジャーの合体に使われるのはコックピットと脛部分 (全体の40%ぐらい)だけで、前半分以上は、
 武器扱い
 必殺技・ボイジャースパルタンは、右腕に装備したロケットという名の3号機を飛ばします
 つまり、3号機の前半分以上には、 夢と希望 火薬だか未知のエネルギーだかとにかくぶつかると大爆発を起こす何かが詰まっている。

 絶対に乗りたくない

 ここに来て、勝ち組(イケメン・秀才・モテ)のメガブルーに、早川さんから強烈なプレゼントだ!
 3話連続のギレール退場編でしたが、田崎監督はこの時期はどうもまだ、上手とは言い難い印象(^^;  『アギト』後半ぐらいまで行くと割と見られるようになるのですが、その辺り、ちょっと勿体なかった。

◆第33話「ウキウキ! 月から来た恋人」◆ (監督:長石多可男 脚本:荒川稔久)
 今回からOPが大幅リニューアル、歌詞も2番に(EDは盆踊り終了後に一足早く変更)。もともと戦隊ものは、 新ロボ登場などに合わせて細かく変更しますが、メインキャラの紹介シーンなども刷新して、2クール分を踏まえて色分けがはっきりしたものとなりました。
 ギレールを追い落としたネジレジアでは、Dr.ヒネラーが、高い知性と戦闘力を併せ持った新型ネジレ獣・サイコネジラー の開発に成功。何となくそのネーミングセンスには不吉なものを感じますが(ダ○ラーとか)、ユガンテも強化復活し、 地上界制圧の為の新たな作戦を立案。
 その頃、健太は通学途中に駅(スケボー通学じゃなかったか?)で謎の美女(という事にしておこう)に熱烈に呼び止められるが、 乗り込んだ電車が発車してしまい、行き違ってしまう。閉じたドアの向こうから呼びかけてくる彼女の台詞を勝手にアテレコし、

 「あなたが好きです」に脳内変換してしまう健太。

 ………………うんまあ、高校生男子だから、仕方がない。
 ひとり盛り上がり、デジ研で妄想を語って4人に引かれる健太であったが、そこへ当の女性が現れる。
 彼女の名は、高野恵美。バトルライザーフェチの、アイネット隊員であった。
 視聴者にはオチが解った上で……という展開ですが、恵美の「いつも見てます」「(バトルライザーが)素敵」発言や、 「半年かけたプレゼント」宣言で、健太の妄想はますますヒートアップ。ちなみにこういう時にブルーの食いつきが意外といいのは、 自分以外のモテが何となく許せないから、多分。
 彼女が手荷物から取り出したビスケットを、その“プレゼント”と勘違いした健太は更に盛り上がり、そこへネジレ反応発生の連絡が入った為、 そのまま出撃してしまう。ところが“本当のプレゼント”は、彼女の荷物の中から失われていた…… 健太を追いかけて駅で転んだ時に落としたのだと推測した恵美は、駅へ。
 強化復活したユガンテは、新武器ダーククライシスを振り回して大暴れ。
 …………毎度の事ながら、個人の戦闘能力でいえば、強い事は強いユガンテ。
 〔知力:3/武力:97〕ぐらいのピーキーなステータス割り振りは、使う側のセンスが出るよなぁ……その点ヒネラーは、 科学者としては有能でも戦略家としては無能に近いので、 ネジレジアの地上侵攻はその戦力もさる事ながら、ジャビウス一世麾下の人材不足による所も大きく、かの帝国に必要だったのは、 ヒネラーを使いこなす将軍タイプの指揮官であったのだ、と検証されるわけであります。
 ダークユガンテ(仮名)の攻撃を受け、東京湾に落とされるメガレンジャー。プレゼント(フロッピーディスク) を渡そうとメガレッドの元に駆けつけた恵美も巻き込まれ、負傷して気を失ってしまう。ユガンテさん、満足して退場。
 そしてこれは、ネジレジアの二面作戦であった。ユガンテがメガレンジャーを引きつけている間に、ライオンネジラーが、 ダムやコンビナートに特殊な爆弾を設置。ネジレ反応からその動きを察知したアイネットは、 次に首都圏の重要施設であるエネルギー研究所へ出現すると推測し、メガレンジャーはその警備へ向かう。
 病院のベッドで気を失ったままの恵美の手を握りしめ、ひとり盛り上がるレッド。この辺りの、自覚的な滑り演技は素晴らしい(笑)
 エネルギー研究所へ向かったメガレンジャーだったが、そこは既にライオンネジラーの手に落ちていた!
 メガレンジャーを前に、「生みたもうた」とか「諸君」とか、やや難しい言い回しで、知性をアピールするライオンネジラー。  「俺のここを撃ってみろ!」と挑発されたレッドが射撃すると、そのダメージに反応して、ダムに仕掛けた爆弾が爆発。 なんとライオンネジラーは、「自分の体に仕掛けた起爆装置と、連動する爆弾を各地に仕掛けた」のであった!

 なんでそんな回りくどい

 自分を倒せば、エネルギー研究所が吹っ飛び、首都圏は壊滅だ、と自分を人質に戦いを挑んでくるライオンネジラー。
 ……なんかもう、3周ぐらい回りすぎて、有効なのかそうでないのかわからなくなってきました。
 爆発を阻止する為には、ライオンネジラーがダメージを受けてから爆弾が起爆するまでのわずかなタイムラグの間に、 起爆命令の発信そのものを阻止――すなわちライオンネジラー本体の完全なる破壊をするしかない。 強化したバトルライザー03ならそれが可能だと久保田からの通信を受けて攻撃するレッドだったが、ライオンネジラーにあっさり弾き返されてしまう。
 久保田「メガレッド、おまえ、高野隊員からのプレゼントは?」(←FDの事)
 赤「プレゼント? 食っちまったけど」(←ビスケットの事)
 久保田「なに? 食べたぁ?!」

 のやり取りは巧い。
 本当にメガレンは、久保田博士(斎藤暁)の存在感が絶妙です。
 その頃、意識を取り戻した恵美は、“本当のプレゼント”であるバトルライザー強化プログラムの入ったディスクを手に、 メガレンジャーの元へ向かっていた。バイクへ乗ったシルバーが現れ、彼女を送り届ける。
 そして無事にパワーアップしたバトルライザー03によって、ライオンネジラーは瞬時に灰と化し、爆弾の起爆は防がれるのであった。
 なお巨大化したライオンネジラーは、もはや言うまでも無いレベルで、メガボイジャーに瞬殺喰らいます。合掌。

 L O V E

 ためらわないことさ。
 前年、『超光戦士シャンゼリオン』で衝撃的な演出に使われたオブジェ、再び。
 戦い終わって、自分に惚れていると思いこんでいる恵美をデートに誘う健太だが、恵美の反応が非常に微妙。そこに省吾から通信が入り、 なんと、二人が付き合っている事が判明する。早川あたりならまだしも、同じ猿顔グループだと思っていた省吾に彼女が!  よりによって! 世界は、ザンコクだ! みんな、○になってしまえ……!
 健太の慟哭を飲み込みながら、戦いは続く。

◆第34話「見せるぜ! 兄貴のミラクルシュート」◆ (監督:長石多可男 脚本:柳川茂)
 耕一郎の弟が所属するサッカーチームのコーチが、いつの間にやらヤマアラシネジラーに。ヤマアラシネジラーは、 チームの子供達を洗脳して、サッカーボール爆弾を武器にした人間兵器部隊を作り出そうという古式ゆかしい作戦を計画する。
 地区大会決勝、キックオフの笛と共に、観客席に向かって蹴り込まれるボール爆弾。
 意外と華麗に交わす観客達。
 悲鳴と怒号に包まれるスタジアム。
 逃げ出そうとする相手サッカーチームの少年の
 「こんなのサッカーじゃねえ」
 という台詞が、『イナズマイレブン』時代に聞くと妙に笑えます(笑)
 遠藤兄弟の交流と、王道の洗脳ものを組み合わせたベタな一本。前回に続き、ギレール退場編が終わった所で、 終盤戦の前にベーシックな話を、といったところで、出来は良くも悪くもなし。
 ……あ、今回も、ボイジャーさん瞬殺でした。はい。触れる必要が無いレベルで。

◆第35話「のりきれ! メガシルバー最大の危機」◆ (監督:辻野正人 脚本:小林靖子)
 月のアイネット基地で、定期検診を受けるメガレンジャー。
 その最中に、基地内部で早川と医者の話を立ち聞きしてしまった健太とみくは、裕作が重病に冒されながらも戦っていると勘違いする。
 地球に出現したカマキリネジラーとの戦いでも精細を欠くメガシルバーの姿に確信を深め、 「残り少ない余生の友人に何をすればいいのか」のアンケートを取りだす始末。
 複眼によって複数の動きを同時に捉える事でメガレンジャーを寄せ付けないカマキリネジラーは、 一度はメガシルバーに撃退されたものの、過去の戦闘データからシルバーが2分30秒しか変身していられない事を発見、 シルバー打倒の為の鎌を研ぎすます。
 一方、更に空回りするとんちきコンビは、思いあまって裕作を研究室に閉じこめてしまう。
 再び現れたカマキリネジラーと戦うメガレンジャーだが、やはり大苦戦。そこになんとか脱出したシルバーが駆けつけるが、 カマキリネジラーの罠にはまり、変身解除と同時に爆発する時限爆弾鎌に捕らえられてしまう。クネクネに妨害されてメガレンジャーの助けも間に合わず、 変身解除のリミット2:30と共に、空中で、大・爆・発!
 哀れシルバー木っ端微塵、怒りに震えるメガレンジャーだが、カマキリネジラーの前に手も足も出ない。あわやというその時、 粉々に吹き飛んだ筈のメガシルバーがオートスライダーで駆けつける!
 なんとメガシルバーはスーツ着用のリミット時間の制限解除に成功、前回の戦いで精細を欠いたのは病気ではなく、 調整の為にスーツのパワーを押さえていた為であった。復活したシルバーと、赤・桃の連携攻撃により、カマキリネジラーは爆死。 メガレンジャー相手にはやたら強かったものの、巨大化後はメガボイジャーに鎌攻撃で2回ほどダメージを与えたのみで、さくっと一蹴、粉微塵。
 以前から非常にいい加減であったシルバーのスーツ着用タイムですが、遂に設定ごと台無しになりました(笑) なお余談として、 月で研究ばかりしている為か、早川はだいぶ前に、彼女にふられていた事が発覚。

◆第36話「はばたけ! 宇宙に舞う希望の翼」◆ (監督:辻野正人 脚本:小林靖子)
 アイネットの副長官に呼び出しをくらう久保田と早川。
 これ以上、組織の承認を受けていない戦力を勝手に使う事は許されないと、ケイタイザーの提出と、メガシルバーの凍結を命令される。 ひたすら平身低頭な久保田と、不満たらたらの早川。そこに早川を追いかけてきたメガレンジャーも加わり、 シルバーが大事な戦力であるとする5人+1と、バックアップする組織がきちんと管理するべきだという副長官の間で揉めた末、 5人が自分達もメガレンジャーを辞めると言い出すに至って、早川が自らケイタイザーを提出する事になる。
 アイネットの頭の固い上層部の図、は序盤のギャラクシーメガ回にも見られたように実にテンプレートなのですが、 最前線の現場は、柔軟すぎるという説はあり。この板挟みで更迭もされずに現場指揮を任され続ける久保田博士が、 如何に余人に代え難い存在なのかが暗によくわかります(笑)
 一方、ネジレジアではコンドルネジラーが地上に潜伏し、アイネット幹部の所在を一人掴んだ事をヒネラーに報告していた。
 幹部の所在を一人掴んだ……って、アイネットの幹部は身分を隠しているのだろうか。
 もしかしてアイネットの上層部は、それぞれ別に社会的立場があって、 陰でボランティアで世界を防衛する組織を運営していたりするのでしょーか……? そうだとすると、 その気になって、判断がテンプレートになるのもやむを得ない気はしてきます(笑)
 「俺達の金で勝手にスーツ造りやがって!」
 という怒りなら理解できる(笑)
 ケイタイザーを素直に渡したかに見えた早川だったが、ホテルを出た所で久保田&5人と別れ、 ケイタイザーを取り戻そうと副長官の下へと引き返す(どうやって取り戻すつもりだったのかは不明)。そこで、 コンドルネジラーに襲われた副長官を助けるが、副長官の代わりにさらわれてしまう。
 そういえば早川一人だけ、あまりに堂々とメガシルバーに変身するので、ネジレジアに顔バレしているのでありました。
 厳密には、久保田辺りも隠している気配無いですが。
 まあ久保田は滅多に地球に降りて来ないから問題は無いのでしょう。
 早川を人質に、メガボイジャーの引き渡しを要求するコンドルネジラー。メガボイジャーはネジレジアと戦う為の欠かせない戦力だ、 とそれを拒否する副長官だが、メガレンジャーはシルバーを助けようと副長官の制止を振り切り、ボイジャーメカで出撃する。 そして何時の間にか、久保田とケイタイザーも姿を消していた……。
 地上へ降り立ったメガボイジャーは、巨大化したコンドルネジラーに一方的になぶり者に。このままでは単なる“頭の悪い正義の味方” になってしまう所ですが、突然、反撃。どうするのかと思うとコンドルネジラーを羽交い締めにし、「メガボイジャーの自爆装置を入れたので、 少しでも動くと、まとめてドカンだ」と逆に脅迫
 身動き取れなくなってしまったコンドルネジラーをそのままに、一旦メガボイジャーを降りて早川を助けに赴くが、 その前にユガンテとシボレナが立ちふさがる。シボレナの剣が早川に迫るその時、サイレンと共に駆けつけたのはデジタンクin久保田!  デジタンクの攻撃を受け、大きく吹き飛ぶシボレナ。シボレナさんは多分、今までで最大のダメージを、久保田博士から受けました(笑)
 デジタンクで特攻かけてきた久保田からケイタイザーを受け取り、早川はメガシルバーに変身。先日パワーアップしたばかりのダークユガンテ(仮名)、 いきなり、シルバーに叩きのめされる(笑)
 早川を救出したメガレンジャー、メガボイジャーの自爆装置は“はったり”で、怒りのコンドルネジラーとロボ戦に。 空中を素早く飛び回るコンドルネジラーに決定打を与えられずに苦慮するが、そこへ早川が秘密裏に開発していた (しかし久保田にはバレていた)新型ロボが姿を見せる。
 その名を、メガシルバー専用メカ・メガウィンガー!
 単体でも充分な戦闘能力を持つメガウィンガーだが、その真価は、メガボイジャーの更なるパワーアップにあった。 メガウィンガーのウィング部分が分離して、メガボイジャーと合体! これによりメガボイジャーは大気圏内でも飛行による高速機動が可能になる!!
 高速で飛翔するコンドルネジラーだったが、更なる機動力を得たメガボイジャーの、空中攻撃・ウィンガースパルタンにより、爆散。

 なんという、過剰戦力

 劇中でも突っ込まれますが、まあ、勝手にこんなメカを開発してしまうような人は、何か鈴をつけなければ組織としては確かに怖くて雇えません(笑)  というわけで最後に、一周回って上層部が正しかった事が証明された気がしないでもない。
 終盤へ向けて、メガレンジャー5人−久保田−早川、の関係性がまとまった、という点では重要な回。この後の展開を考えると、ラスト、 2台のロボを背景に、5人とシルバーがやんやしていて、デジタンクの横で久保田が電話でどこかに謝っている、というシーン及びカットは非常にいい絵。

◆第37話「どうして!? 千里がオヤジ声」◆ (監督:田崎竜太 脚本:荒川稔久)
 とうとう、夏の間にEDで無駄に伏線?を張っていた文化祭。
 クラス対抗バンドコンクールのボーカルを務める千里は、風邪対策に甚平を着込むなど、無駄本気。学園内では歌が上手い事で有名らしく、 出場すれば優勝間違いなしと言われながら、一昨年は盲腸、昨年は高熱で出場できなかった為に、必要以上に意気込んでいるのであった。
 どちらかというと、バックでドラムやっている健太とか、ベース弾いている耕一郎とかが気になります。
 あと、照明担当のクラスメイトが何故か無駄に目立ちたがるのはどうして。
 その頃ネジレジアでは、ビビデビ以外が「みんなおでかけ」……っておい、地球侵略を放り出してヒネラーファミリー不在中に、 ビビデビが勝手に作った(?)カナリアネジラー(CV:大塚明夫)に作戦を与えて出撃させていた。
 いよいよ文化祭当日、千里のバックバンドを務めるデジ研の4人は意気軒昂、
 黒「千里のためにも頑張ろう」
 青「ためだけに……だろうがおまえは」
 とか、こっそりやり取りあったり、荒川稔久が一人でラブ展開しようと頑張っているのはなんだか涙ぐましい。 改めて見ると荒川脚本以外だと、青×桃すら、ほとんど無いし。
 ところがクリーニングに出していた衣装を取りにいっていた千里に、カナリアネジラー(CV:大塚明夫)と出会うというトラブル発生。  4人も駆けつけ撃退はするが、撤退間際にカナリアネジラー(CV:大塚明夫)の特殊能力であるトリカエッコビームにより、千里 とネジラーの声が交換されてしまう。
 変身を解除し、耕一郎に手を借りて立ち上がった千里の喉から洩れる、野太い声(CV:大塚明夫)
 桃「今の声……オヤジ?」

 黄「やっだぁーーー」(CV:大塚明夫)

 まあ、ある意味、いい声ですが(笑)
 というわけで、女子高生を大塚明夫がアテるという、それだけで笑いを取れるズルい回。
 傍目にはギャグですが、このままではバンドコンテストで唄えない千里にとっては一大事。久保田の調査により、 声を取り戻すにはカナリアネジラー(声:城ヶ崎千里)を倒さないといけない事が判明し、街で暴れ出したカナリアネジラー (声:城ヶ崎千里)の元へ向かおうとするが、デジタイザーには悪用されない為の声紋判定機能がついており、 大塚明夫声では変身できない、と地味にピンチ。更にイエロー抜きで戦いに赴いた4人は、カナリアネジラー(声:城ヶ崎千里) のトリカエッコビームにより、それぞれの武器を奪われてしまう。
 一時撤退した5人に、カナリアネジラー(声:城ヶ崎千里)を破るには、イエローのメガスリングが必要、その為には 「「インストール! メガレンジャー!」とカナリアネジラーに言わせるんだ」と割と投げやりな作戦を呈示する久保田。 カナリアネジラー(声:城ヶ崎千里)を騙し、作戦は成功。メガシルバーも駆けつけ、今日もウィンガースパルタンで瞬殺。
 バンドコンクールにも間に合うかもしれない……と思ったが、千里の声はまだ大塚明夫のままだった
 「軽い後遺症だろう。遅くても、2,3日で治ると思うが」と今回の久保田博士は、終始、割と他人事で酷い(笑)
 ショックを受けながら学校へと戻る5人。戦いの間に既に文化祭は終了し、結局、今年も千里はバンドコンクールで唄う事は出来なかった ……とぼとぼと、何となくコンクール会場へ向かうと、照明の光が5人を照らす。なんとクラスメイト達が、5人を待っていたのだった。 「どんな声でもいいから唄ってほしい」とクラスメイトに励まされ、千里が歌い出すとその声は元に戻っていき、3−Aだけの、 ささやかなコンサートが開かれるのであった。
 ズルいネタ回が、最後はちょっといい話に。
 毎度学校が出てくる割に、クラスメイトのトラブルを解決する、などという展開があまり無いメガレン。 学園を主要な舞台にするとキャスティングが大変とか、やりすぎるとさすがにそれで正体バレないのはおかしくないかという問題が出るとか、 毎度高校生が巻き込まれるレベルの事件ではネジレジアがせせこましくなりすぎる、とか色々と要因はあったかと思うのですが、 遅まきながらもクラスメイトとの交流話が描かれたのは良かったと思います。出来ればもう何話か適度に織り込んでおけば、 学園青春ものっぽい雰囲気も強く出せたと思うのですがまあ、その看板自体が後付けっぽくて、 作っている最中はあんまり意識していた節は無いのですけど。30話で「青春」て単語を急に強く押し出しますが、逆にそのぐらいになって急に決めたっぽい感じ。

◆第38話「戦慄! ネジレジアの凶悪戦隊」◆ (監督:田崎竜太 脚本:武上純希)
 ネジレ反応を受けて出動したメガレンジャーは、工場を襲撃する自分たちそっくりの偽物と出会う。
 同じ姿を取りながら、圧倒的な力で5人を蹴散らす偽メガレンジャー。
 その正体は、ネジレジア最強の刺客、邪電戦隊・ネジレンジャー!
 「あれは、あの強化スーツは……」
 5人のネジレンジャーの姿を見て、呻く久保田。
 ネジレンジャーはメガレンジャーのスーツから何らかの情報を入手すると、駆けつけたメガシルバーには取り合わず、一旦身を引く。
 ネジレンジャー……その姿は、かつてネジレジアの存在を立証しようとして行方を絶った久保田の旧友・鮫島の研究していた特殊スーツに酷似していた。 ネジレジアに辿り着いた鮫島が、地球侵略に協力をしているのではないか、という事を久保田は考えだす。
 クライマックスへ向け、久保田−鮫島−メガレンジャースーツ、という糸が繋がり、最強の敵が登場、という盛り上がる展開。
 メガレンジャーのスーツから、デジタイザーによる通信パターンを入手したネジレンジャーは、その電波を追ってメガレンジャー狩りを開始。 しかし最新型のPDAの通信パターンがメガレンジャーとアイネットの用いているものと酷似していた為、 あちらこちらで誤爆しまくる。
 ……この辺りが所詮、ヒネラーの創作物の限界か。
 メガスーツの調査と、続発するネジレジアの襲撃事件から、ネジレジアが通信パターンを取得し、 変身前のメガレンジャーを狙っている事を察知した久保田は、デジタイザーの使用禁止とメガスーツ変身プログラムのロックを宣言。 自らは、かつての友、鮫島の屋敷へと向かう。
 これまで散々無茶させておいて今更といえば今更ですが、無理にでも戦いを続けようとする5人を一喝する久保田の姿が熱い。
 そして鮫島の屋敷で、久保田は遂に鮫島(立体映像)と邂逅する。
 「やはり来たか久保田」
 「……鮫島、鮫島なのか」
 「残念だがここにはネジレンジャーに関する手がかりは残っていない」
 「鮫島……目を醒ませ。ネジレジアに協力する事の意味が、わかっているのか?!」
 「はははははははっ、わかってるさ。わかっていないのは久保田、おまえの方だ。 私はネジレジアの偉大なる科学者、Dr.ヒネラー。まもなくネジレジアは全て私に支配される事になる。そして地球も。 おまえの愛するメガレンジャーには特に、私の恐ろしさを知ってもらわねばならない」
 「なぜだ」
 「おまえに十分苦しんでもらうためだ」
 「なんだと?!」
 「フフッ、もっとも、しょせん人間などという不完全なものを使っている以上、そう長くはもたんだろうがな」
 「いいや、人間は不完全だが、心を持っている。正義の心を持ったメガレンジャーは、そう簡単に負けはしない!」
 「ハハハッ、愚かな」
 ぶつかり合う中年二人の変な情念
 当時ライブで見ていた時にこの凄まじい展開に呆気にとられましたが、ここからが『メガレンジャー』真章です(笑)
 久保田を追いかけて鮫島の屋敷の前まで辿り着いた5人は、屋敷にバリアーが張られている事と強力なネジレ反応が発生した事から、 久保田を助けようと変身を決意。早川に変身プログラムのロック解除を頼むとともに、ネジレンジャーの追跡を誤魔化す為、 デジタイザーと同じパターンの通信電波を放つ装置を積んだデジタンクを、囮として出動させてもらう。
 デジタンクは当初のコンセプト(災害救助メカ)では全く役に立っていませんが、地味に劇中で便利に使われており、良いのか悪いのか。
 ネジレンジャーへの目くらましに成功し、メガレンジャーに変身してバリアーを破壊したメガレンジャーは久保田の元へ向かおうとするが、 一足遅れで現れたネジレンジャーが立ちはだかる。ネジレンジャーに手も足も出ないメガレンジャーは、 更に必殺の邪電エネルギーアタックを食らい、大ダメージを受けて遂に倒れる。
 一方その頃、ネジレジアでは皇帝ジャビウス1世が突然の体の異変に苦しんでいた。 再度の邪電エネルギーアタックを放とうとしていたネジレンジャーも、その後を追うように苦しみだし、 メガレンジャーにとどめを刺す事なく、その場から引き下がる。
 ぼろぼろのスーツで倒れるメガレンジャーに駆け寄る久保田。
 赤「すまねぇ、おっさん。約束を、破っちまた上に、俺達の、ぼろ負けだ」
 久「謝るのは私の方だ! とんでもない戦いに、君たちを巻き込んでしまった!」

 うんそれは、久保田贔屓の私でも本当にそう思います。

 黒「今更……何を言っているんですか」
 赤「そうだ。ネジレジアのヤツにはこれで、でっかい借りをつくっちまった これはもう、俺達の、戦いだぜ」

 メガレッドの手を取る久保田。
 そしてネジレジアでは、Dr.ヒネラーが危険な笑みを浮かべていた。
 「久保田……これは復讐の序曲に過ぎぬぞ」
 これまで、アイネット及びメガレンジャーしいては久保田博士の前に、後手後手に回ってきたDr.ヒネラー(鮫島)が、 遂に天才の真価を発揮(?)。
 傷つき倒れたメガレンジャーは、ネジレンジャーを打ち破る事が出来るのか?!
 そして久保田は、失踪していた友人が、いい年して変なコスプレ姿で現れたショックから立ち直る事が出来るのか?!
 最強の敵の出現と共にネジレジアにも不穏な気配が漂い、盛り上がりながらいよいよ最終クールに突入です。
 新登場のネジレンジャーは、ネジイエローが非常に良い感じ。なにしろ、CV:勝生真沙子!  勝生さんの悪い女演技は、日本屈指だと思います。

◆第39話「バレたぜ! メガレッドの正体!」◆ (監督:長石多可男 脚本:武上純希)
 前回ラストから体調不良に苦しむ、ネジレジアのジャビウス1世陛下。
 「おそらく、地上侵攻のためのご心労が重なったのでしょう」

 誰 の せ い だ

 私が上司ならその場で即刻左遷するレベルですが、そんな元気も無いのか、ヒネラーに薬を処方してもらう陛下。
 しかしジャビウス陛下は全体像がさっぱりわからないのですが、ヒネラーは何を処方したのか気になります。飲み薬なのか、 塗り薬なのか、もしかしたら、湿布みたいなものなのか。
 そのころ健太はゲーセンで『メガレンジャー』のゲーム中。ゲーム内のネジレッドに散々にやられていた。
 さっそくゲームのバージョンアップしているアイネット、仕事早い(笑)
 そこへネジレ反応発生の連絡を受け(ネジレンジャー対策として、通信パターンは変更済み)、咄嗟にプリクラの機械に隠れて変身。 ところが、そのプリクラは機械の故障でシャッターが遅れていたもので、変身の瞬間をバッチリ撮影された上、 その写真をゲーセンで出会った少女・あゆみに拾われてしまう。
 ネジレ反応の主は、トカゲネジラー。透視カメラでメガレンジャースーツの中身を写そうとするが久保田の仕掛けていたセキュリティに阻まれて失敗。 「メガレンジャーの正体を暴くまで帰ってくるな!」とヒネラーに怒られる羽目になり、ちょっと可哀想。 基地ではネジレンジャーが、なぜ自分たちを出撃させないのか、と猛るが、ヒネラーに制され、リーダーのネジレッドも、 Dr.ヒネラーの命令は絶対だ、と彼等をいさめる。
 戦いを終えてデジ研に帰った健太は謎の呼び出しメールを受ける。呼び出された場所に向かった健太は、 あゆみから変身シーンの写ったプリクラ写真をネタに脅迫され、彼女の言う事を聞く羽目に。散々振り回され、 後楽園ゆうえんちで次々と遊具を梯子する事になる健太。意外や絶叫系マシンなどが苦手だった模様で、へとへとになった所に、 「メガレッドは何でもできるんでしょう?」と、月に連れて行って月の石をお土産に欲しいと言われ、遂に大爆発。 「命がけで戦っているんだ!」と彼女を置いて帰宅する。
 ところが翌日、あゆみの顔に見覚えのあった千里と、千里があゆみを見た病院を訪れた健太は、 彼女と仲の良かった兄が自分たちと同じ学園の生徒で、宇宙飛行士を目指していたがそれを果たせずに若くして病死してしまった事を知ると、 ころっと軟化。メガレッドに変身し、あゆみの為に月へと向かう。
 実に安易な背景が出た途端に、前段の怒りがするっと収まってしまう、非常に良くない脚本。 もちろん設定は安くても人の死は重いわけですが、それ故にこそ、1話限りの名無しのお兄さんでも、 単なる理由付けの為に簡単にキャラクターを殺すべきではありません。こういう脚本を書いてはいけない。 しかもこれで前段での健太の怒り、というのが全く無意味なものになる上に、 こういった背景を持っている人間にはメガレンジャーは逆らえなくなってしまう (例えばそこを学生戦士のメンタルの弱さと絡めて主要なテーマとするなら話は別ですが、そういうわけでもなく、 単なる話の展開に都合のいい理由付けに過ぎないのが大問題)。
 以前に、オオカミ少年の小学生の為にメガピンクが変身して姿を見せる、というのがありましたが、あれがギリギリの線。
 そして、あゆみに迫るトカゲネジラーの影。
 「おまえか、メガレッドの正体を知っているというのは」
 ……………………………………トカゲネジラーがあゆみについて知りうる可能性を検討すると、邪魔な少女を始末する為に健太が情報をリークした、 以外に考えられないのですが。
 お兄さんのくだりを考えると脚本段階で色々と問題があったと思われるのですが、どうも今作、 長石監督と武上脚本は相性の悪さを感じるところ。これが笑って許せるのは80年代までです(^^; 
 80年代も別に許せるわけではなくて、そのレベルでツッコんでいるとキリが無いだけですが!
 駆けつけたメガレンジャーはトカゲネジラーを撃破。……トカゲネジラー、冒頭に透視カメラでメガレンジャーの正体を暴こうとして失敗した後は、 自分の能力が役に立たないので少女に襲いかかっただけという、ほぼ出オチ。
 だが、勝利の余韻にひたる間もなく、ネジレッドが急襲する!
 ……おい、ヒネラーの命令は絶対、ではなかったのか?
 と視聴者の総ツッコミを受けながら大暴れするネジレッドは一人でメガレンジャーを次々打ち倒すが、 メガレッドにとどめを刺そうとした所に、「ぬけがけすんな」とネジブラックが割って入り、ヒネラーの再度の命令により撤退する。
 なぜネジレンジャーに一気にメガレンジャーを倒させないのか、と訝るシボレナとユガンテに向け、ヒネラーは恐るべき目的を語る。
 ――ネジレンジャーのエネルギー源は、ジャビウス1世。
 ゆえに、ネジレンジャーが戦えば戦うほど、ジャビウスは力を失っていく。
 メガレンジャーを追い詰めるとともに、ジャビウス1世のエネルギーを奪い尽くす。
 そして弱体化したジャビウス1世を追い落とし、ネジレジアを支配するのだと――。

◆第40話「コワいぜ! バッドな女たち」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子)
 卒業アルバム制作の手伝いを千里に頼まれて待ち合わせをしていたみくだが、千里が急用でドタキャン。 友人とショッピングに行ったみくは、自分との約束をキャンセルした千里と瞬がカフェテラスで歓談している所を見て、 いらぬ誤解を抱いてしまう。
 珍しく、クラスメイトも登場で、女子高生ライフ演出。
 翌日、瞬に締め切りぎりぎりのCG制作の手伝いを頼まれたと説明する千里だが、沸騰したみくは聞く耳を持たない。 「あたしの気持ち知ってる癖に」「みく、あたしのことそういうやつだと思っていたわけ?」と、こじれる二人。
 その頃、長石階段で射撃訓練中のネジピンクに、どちらが先にメガレンジャーの正体を明かすか、 とネジイエローが勝負を持ちかける。
 勝生イエローの、高笑いが最高です。
 不穏な影が迫る中、放課後、掃除中の部室に、欠席していたみくを引きずって現れる耕一郎。千里を隣りに座らせ、「おまえたち、 喧嘩したそうだな」と、超説教モード。
 女子の喧嘩にさえ口を挟む、スイッチ入った時の耕一郎の、あらゆるものを恐れない状態はまさに無双。 ネジレンジャーが現れ、戦いが苦しい局面に仲間同士で喧嘩している場合か、と滾々とお説教に入る耕一郎、「原因はなんなんだよ?」 と茶化す瞬。

 (一応) お ま え だ

 その後の千里の「つまらない事よ」という台詞は、よく考えると、瞬などつまらない問題という風に聞こえない事もなく、 割と残酷です。……うんまあ、そうかもしれないけど。
 そこへネジレ反応の一報が入り、メガレンジャー出撃。
 遠藤耕一郎、女子の襟首を掴んで引きずり立たせる男
 現れたのはネジピンク。メガピンクを集中的に狙うピンクだが、イエローとブルーが割って入り、戦況はややこしい事に (メガレンジャーの中の人達的に)。そこに様子を窺っていたネジイエローが少女の幻像(2カット程度ですが演じるは、 今をときめくAKB48大島優子・子役時代)を用いて乱入、スーパーリング(!)をはめられて、メガイエローは攫われてしまう。
 千里が攫われ、自分を責めて落ち込むみく、励ます瞬、必死に行方を追うアイネット。一方、囚われのイエローの方では様子がおかしい事になっていた。 ネジイエローにスーツを破壊されそうになった所へ(まあもうここまで来たら正体云々どうでもよくメガレンジャー倒してしまえば良い気はするのですが、 この辺り、命令に対する柔軟性の無さがヒネラー印の限界か)、ネジピンクが出現。先の戦いでのネジイエローの乱入を快く思っていないネジピンクが、 メガイエローを人質に使う為に奪い去ろうとして、内輪もめ勃発
 本格的な殴り合いを始める。
 その隙を付き、メガイエローは脱出。逃げ込んだ廃工場でネジピンクを挑発し、薬品入りのドラム缶ごと攻撃させる事で大爆発を引き起こす。 これによりネジイエローが一時撤退すると共に、スーパーリングの発していた妨害電波が停止し、駆けつける4人の仲間。
 友情を取り戻した千里とみくは連携でネジピンクを攻撃、ネジイエローの攻撃により傷ついていたゴーグル部分を集中攻撃する事で、 ネジピンクの撃破に成功する。
 思いの外、気持ち悪いデザインでネジジェラスとして巨大化したネジピンクは、ここまで敵なしであったメガボイジャー&メガウィンガーを苦しめるが、 パワー溜めボイジャースパルタンの一撃を受け、塵となる。
 「まさか……私の作ったネジレンジャーが敗れるとは……」

 ――後世に伝わる、ヒネラーの三週天下であった。

 圧倒的な強さとインパクトで登場したネジレンジャーでしたが、仲間割れを発端に早くも一人リタイア。一応、 ネジイエローの攻撃がきっかけになっているので、理由付けとしてはギリギリOKという所でしょうか。 戦闘見ていると性能にばらつきあるのか、微妙にピンクは弱い感じですし(Aパートでも、ライザーチョップで撃退されている)。 後まあ、ネジピンクの声優(山崎依里奈)が微妙な感じなのも、早期リタイア予定だったからなのなぁ……挙げ句に絡む相手が勝生さんだと、 声の時点で位負けしすぎなわけですが、確認したら当時20歳ぐらいだったので、デビュー間もない新人とかそんな感じだったぽい。 所属事務所が同じなので、起用はその辺りの繋がりか。なおWikipediaによると、その後、 『仮面ライダーキバ』で「モスファンガイア」の声をあてたという事なのですが、 見ていたら勝生さんが「シルクモスファンガイア」の声をあてており、これは何か、意図的に絡めたネタなのか、はたまた単なる偶然か。 東映のスタッフは縦の繋がりが長いので、変な遊びを仕込んでいる事はたまに有りますが。

→〔まとめ5へ続く〕

(2012年1月29日,2012年1月30日)
(2017年8月27日 改訂)
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