■『電磁戦隊メガレンジャー』感想まとめ3■


“Bomとくりゃ Dancing メガ!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『電磁戦隊メガレンジャー』感想の、 まとめ3(21〜30話)です。登場人物など紹介を付記。また文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
 執筆中にコメントをいただきましたkanataさん、やり取りが感想に反映されている所もあります。改めて、ありがとうございました。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕  ・ 〔まとめ4〕 ・  〔まとめ5〕 ・ 〔総括〕


◆第21話「いまこそ! 命をかけた超(スーパー)合体」◆ (監督:長石多可男 脚本:武上純希)
 新ロボ・デルタメガが通信制御である事を利用し、そのコントロールを奪おうと目論むギレール。
 ムカデネジレの操る再生ネジレ獣軍団にメガレンジャーが足止めを受けている間に、ムカデネジレが巨大化。 メガレンジャー不在で起動できないギャラクシーメガに代わってデルタメガが出撃した所を、強力な電波を放つ事でコントロールを奪う事に成功する。
 こういう展開だと、どーしても『バビル2世』を思い出してしまいます(笑) “3つのしもべ”の奪い合い。横浜光輝は偉大。
 コントロールを奪ったデルタメガを操り、大空襲をかけるネジレジア。

 ううーんこれは、賠償が大変そうだ。

 自分の声で操れる、というのがそんなにツボだったのか、前回の今回でデルタメガにやたら愛着たっぷりの健太はこの状況に激しく落ち込み、 「俺の声がもっと強くあいつの心に届けば……!」と、ちょっと暴走気味。 「ロボットに心はない」と久保田博士に諭されるが収まりがつかず、街を蹂躙するデルタメガの元へ近づき必死に呼びかけるが、 デルタメガの攻撃は止まらない。
 遂に、被害の拡大を防ぐべく、デルタメガの破壊を決断したアイネット。ギャラクシーメガが出撃するが、健太はあくまで、 デルタメガの破壊を拒み、デルタメガに語りかけ続ける。そしてギャラクシーメガのスタッフもまた、自分たちの命を賭けてでも、 デルタメガを取り替えす為の最後の手段を支持。心を動かされた久保田の決断、それは、ギャラクシーメガとデルタメガの合体であった。
 デルタメガのコントロールを奪い返すか、或いはギャラクシーメガごとコントロールを持って行かれるか、二つに一つ。
 ……なんだか、もの凄くベットの高い賭けの気がするのですが。
 商品展開の都合などもあったのでしょうが、なにしろ前回の今回というのが話としては厳しすぎます。 本来ならせめてあと2、3回はデルタメガを普通に活躍させて、視聴者にもデルタメガへの思い入れを持たせた後でやるべきエピソードであり、 健太のデルタメガへの想いに共感の持ちようがなかったのが、非常に残念。
 まあ玩具の都合なのでしょうが、もう少し後にやっていたら、もっと面白く料理できただろうになぁ。
 電波合戦の末、コントロールを取り戻す事に成功。ギャラクシーメガとデルタメガは、わざわざ一回、大気圏離脱して、 宇宙で超電磁合体! というわけで、ただでさえ強いギャラクシーメガが、負けたわけでもないのにスーパー化。
 地球に降下して、ムカデネジレと再生ネジレ獣軍団をさくっと片付けるのでありました。
 しかしまあ、かつてここまで、防衛組織が命を共に賭けて戦う戦隊も無いと思われます……多分。『ゴレンジャー』のイーグルは、 よく黒十字軍に虐殺されるけど。

◆第22話「ぬけ出せ! 悪魔のラビリンス」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久)
 くぐったものを別の場所へと飛ばしてしまう、“ネジレの扉”。アリジゴクネジレが首都圏に作り出した数千のネジレの扉により生活は混乱、 その力を更に強化するネジレクリスタルを巡る戦闘のさ中、ブルーとピンクも飛ばされてしまう。通信電波が届かず、 変身不能となった瞬とみく。みくが奪ったネジレクリスタルを追いかけ、姿を現したアリジゴクネジレから逃走する二人だが、 ネジレの扉で次々と様々な所へと飛ばされてしまう。

 つまり、魔空空間(笑)

 こういうのは映像さえ面白ければスラップスティック的に成立するのですが、いかんせん、 最近『ギャバン』の見すぎでマヒしてしまったネタの為、心がぴくりとも動かない(笑)
 いや、出来が悪いわけではないのですが、個人的な配信のタイミングが悪すぎました。
 (※注:同時期に、同じ東映公式YouTube配信で、『宇宙刑事ギャバン』を視聴していた)
 まあただ、異空間へ飛ばされたわけでもなく、通常空間から通常空間へとネジレの扉経由で飛ばされているだけなのに、 変身できないのはおかしくないか? とかあるのですが。あと、逃走中に海に落ちているのに、 手にしていたノートパソコンが無事に動いたり。大きさの割にやたら高性能っぽいので、 アイネットからのリース品で凄く強力な防水機構がついていたのかもしれませんが。
 しかしホント、せめてこの回だけでも、前回と入れ替えられなかったのかなぁ……今週のロボット戦は、 浴びせ倒し→マウントポジションでたこ殴り→叩きつけとギャラクシーメガが圧倒しつつも、 ネジレの扉を使って逃げ出したアリジゴクネジレを追いかけた所で罠にはまり、動きが取れなくなった所をデルタメガが助けに来る、 という展開で、ギャラクシーメガを無理に弱体化する事無く第2ロボを出す、という点ではスムーズだっただけに、こういう、 ロボ戦でデルタメガが最後に軽く助ける、を2回か3回ぐらい挟んで、敵に奪われたデルタメガを取り返して超電磁合体!  の展開に出来ればもう少し盛り上がった筈なのになぁ、と惜しまずにはいられません。

◆第23話「なんでだ! オレのたまごはネジレ獣」◆ (監督:辻野正人 脚本:柳川茂)


 自室で一人焼肉をする男、健太

 夏休み、バイトしている焼肉屋に向かっている途中で、一抱えもある巨大な奇妙な卵を拾った健太。 図書館で調べてそれが恐竜の卵ではないかと考えた健太が炬燵で卵を温めると、中から水棲原人みたいな生物が誕生する。 健太はその生物に「ユッケ……ビビンバ……」と考えて、「コムタン」と名付けて可愛がる。
 その頃ネジレジアでは、ビビデビが石化光線を放つアンコウネジレを作り出していた。 ネジレ獣としての能力を持たなかった弟は捨てたというビビデビの話を聞き、アンコウネジレをより強力にする為に、 弟を吸収させるべきだと進言するギレール。
 ……というわけでこの「弟」が健太の拾った卵の中身で、後は120%皆さんの思った通りの展開に進みます!
 敢えて面白いところを上げると、卵から生まれた生物が可愛くもなんともなく、人間大に成長してからは更に不細工なデザインのところ。 で、不細工でも愛情の注ぎ方の全く変わらない健太は器が大きいなぁ……というかこのエピソードもっと序盤にしておけば、 健太のデルタメガへの唐突かつ強烈な愛情表現も、そういう性質なのね、で多少受け入れやすかった気がします。

◆第24話「独走! 銀色のニューフェイス」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 街を襲うバッファローネジレを撃退したメガレンジャー。手応えの薄さに首を捻っていると、その翌日、 戦闘を見ていたらしい謎の男が姿を見せて思わせぶりな事を言っては去っていく。健太と耕一郎がメガレッドとメガブラックである事を知る男…… 5人が集まって対策を相談している所にも平然とその姿を見せるが、正体は語らない。
 ネジレ獣出現の報に出撃したメガレンジャーの前に、倒したバッファローネジレとそっくりのネジレ獣が現れる。 実は前日のバッファローネジレはメガレンジャーの攻撃データを取る為のダミーであり、そのデータを読み込んだ真バッファローネジレは、 メガレンジャーのあらゆる攻撃を跳ね返す! 攻撃の一切通じない敵にメガレンジャーが危機に陥ったその時、 謎の男がバイクで駆けつけると、なんと銀色の戦士に変身する――その名は、メガシルバー!
 というわけで、6人目の戦士登場編。
 目立ちたがりの早川さんが、ふらふらして掻き回す話。
 とりあえずメガシルバーを目立たせるのが目的の為、話作りは少々、雑。メガレンジャーの苦戦の仕方が雑、というか。 助っ人現れるの前提の苦戦の時は、もっと絶望的でもいいと思うのですが、話の都合で諦めが早い気がするのが気になりました。
 メガシルバー自身はこの後、小林靖子がメイン回をほぼ専任で担当する事で愛情持って育てた結果、面白いキャラにはなっていくのですが。

◆第25話「ギリギリ! タイムリミット2分半」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 謎の戦士、メガシルバー。その正体は、アイネット特別開発班チーフ、早川裕作であった。
 進行中の重要プロジェクトを抜け、プロトタイプのスーツを持ち出して勝手に前線に出た早川に怒り心頭の久保田博士は、 地球へ降りると早川に休暇の取り消しとプロジェクトへの即刻復帰を命じる。嫌々ながらもそれに従う早川だったが、 すぐに基地には帰らずデジタル研究会の部室に顔を出すなど、フリーダム。
 メガシルバー・早川裕作に対して、不信感剥きだしのメガレンジャー達。
 喧嘩っ早い健太はともかく、職業戦士としてのプライド、 とかそういったものが有るわけではないメガレンジャー達にとってシルバーに敵愾心を見せる理由は特にないのですが、この辺り、 キャラクターよりも話の都合優先になってしまった感じ。
 まあ、フレンドリーのつもりが胡散臭い、になってしまった早川さんのせいだという説もありますが(笑)
 それならそれで、もっと胡散臭くても良かった気はします。
 おじさんが高校生とコミュニケーションを取るのは難しいという事か。
 割と老け顔の早川ですが、この回に25歳と自己申告。……30がらみぐらいかと思っていました。まあでも、高校生と7歳差のギャップは、なかなか大きい。
 作中でも基本おっさん扱いですし。
 一方ネジレジアでは、新たな戦士の登場に苛立ちを募らせるヒネラーからウツボネジレを与えられたギレールが、海中に毒を撒く作戦を決行。 地球全ての海を毒の海にしましょう……と言って、「気の長い作戦だこと」と、シボレナさんに突っ込まれる。
 貴 女 が 言 う な
 プチバラネジレ作戦とか行っていたの忘れましたか。
 そもそも、海に毒を撒く能力のウツボネジレを渡したのは、ヒネラーなんですが(笑)
 だがそんな嫌味に動じないギレールには、恐ろしい計略があった。彼はウツボネジレのクローン量産に成功していたのである。 ウツボネジレBは既に誕生し、あと数時間の内に数百の卵からクローンウツボネジレの大軍団が誕生しようというのであった!
 ネジレ反応を感知して出撃するメガレンジャー達、久々登場のメガスライダー(サーフボードをモチーフにしたメガレンジャーの専用乗り物。 バイクの代わり。メガレンジャーを乗せたまま、単独で大気圏脱出・同突入が可能)でウツボネジレAをやりすごして敵アジトに突撃したところ、 奥に隠れていたウツボネジレBの放ったトラップで全員捕らえられてしまう。
 唐突にウツボネジレBが口から網を噴く為、周到なトラップ感が全く無いのが実に残念。こういうディテールをちゃんとやってくれないと、 これならいつでも捕まえられたような……と、なってしまい、どうしても盛り上がりに欠けてしまいます。
 ちなみにここでネットにくるまって吊られるメガレンジャー達、重量の都合か、空間の都合か、シーンによって動きをともなった演技をするメンバー以外、 明らかに等身大の人形なのですが、それはいいとして、微妙に変な感じにくたっとしているのが凄く気になります(笑) 死んでる、 なんかそこで、ブラックが死んでる、というか魂抜けてる?!
 2週連続のメガレンジャーの大ピンチに、居ても立っても居られなくなった久保田、
 「デジタンクで助けに行く!」
 つい少し前に、「お前がふらふらしているせいで大事なプロジェクトが遅れたらどーするんだこのバカ、 スーツ着て戦闘なんて許さんからとっとと基地帰れ」と部下に説教していた人と同一人物とは思えません(笑)

 この辺り実は、久保田と早川はメンタルが一緒

 その久保田の元へ、帰還を引き延ばして地球でだらだらしていた早川から通信が入る。
 「スーツが戦いたいと言っていた」「誰かが戦わなければならない」「だったら俺が戦いたい」という早川の言葉に、最後の一回、 と久保田は出撃を許可する。意気揚々と出撃した早川、強力な為に2分半しか着ていられない、など設定を解説しつつ、大暴れ。
 最後は、スーパーギャラクシーメガvsウツボネジレAとメガシルバーvsウツボネジレB、 の2局戦闘でとどめの一撃をラスト10秒のタイムリミットと合わせるという演出なのですが、 シルバーが変身タイムリミットぎりぎりで逆転するというよりは、 明らかに早川がカッコつける為だけにタイムリミットぎりぎりでネジレ獣に必殺技を当ててポーズを決めているので、 盛り上がりは微妙(笑)
 色々、困った人です。
 戦い終わって、「楽できるし」「なんか憎めない」など、メガレンジャー達に何となく受け入れられるメガシルバー。……というか、 メガレンジャーのスタンスって一部除いて基本こうなので、平常営業に戻ったというか。
 そして次回はその一部、「個人が役割を守らなければ組織は戦えない」とシルバーに批判的なブラックと、シルバーの話の模様。

◆第26話「ホントか!? ネジレジアの最期」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子)
 今回登場する、やたらに中のカラフルな宇宙通信センターのロケ地は、多摩六都科学館。
 相変わらず、長石多可男監督はよく変な建物を見つけてきます(他のスタッフかもしれませんが)。
 〔多摩六都科学館〕
 (平成6年の開館となっているので、撮影に使われたのは開館間もない頃か……13年にリニューアルオープンしているという事なので、 撮影当時と現在は色々と変わっているものと思われます)
 ネジレジアに追われていた南波博士を助けたメガレンジャー。行方不明になっていた博士は1ヶ月の間ネジレジアに囚われており、 その間にこっそりとネジレエネルギー中和装置を開発していた。ギレールすら退けるその装置を使えば、 ネジレジアを倒す事が出来る! こうして脱出に成功した博士を迎えたアイネットは、 ネジレエネルギーを中和する超振動波を宇宙通信センターのパラボラから広範囲に放射するという計画に、南波博士の主導で着手する。 久保田からセンター周辺の警備を頼まれたメガレンジャーだが、健太とみくのお気楽コンビはキャンプ気分。
 周辺をパトロールしていた耕一郎は、南波博士の妻と赤ん坊が門前払いを受けている所に出くわす。一月ぶりの再会の筈にも関わらず、 博士自らが会う事を拒否していると聞いた耕一郎は不審を抱き、奥さんとともにセンターの中へ。そこで出会ったのは、 負傷して倒れた沢山の職員達と、潜入捜査していた早川裕作! 更に南波博士を操っていたセミネジレが正体を現す。
 全てはアイネットを騙すギレールの策略であった。通信センターの巨大なパラボラからは、ネジレエネルギーの中和どころか、 人間の脳を破壊する高周波が放たれる。慌ててセンターのコントロールシステムを制御しようとする久保田達であったが、 センターはバリアに包まれ、外部からのアクセスを受け付けない。外に居たメガレンジャー達もバリアとギレールに阻まれ、 このままではあと10分足らずで、多くの人々が犠牲になってしまう……アンテナ壊せと、 つい突っ込まざるを得ません。
 明らかにアンテナがバリアーの外なので、ギャラクシーメガかデルタメガでアンテナ爆撃すれば万事解決した気がしないでもなく、 その提案とそれが出来ない理由は作って欲しかったところ。
 センター内部(バリアー内部)に居た事で、超振動波の影響を免れた耕一郎と早川は、変身できないながらも(メガスーツは、 通信システムを用いて転送されているという設定)コントロールシステムを取り戻す為に動き出す。何かと突っかかってくる耕一郎に対し、 泣いている赤ん坊を即席の風車であやすなど早川が大人の余裕を見せつけ、態度を改める耕一郎。
 二人の活躍によってバリアは解除され、ギレールとセミネジレの作戦は失敗に終わるのでありました。
 ラスト、全員で花火を楽しむシーンで、やたらに早川にくっついていく耕一郎がちょっと気持ち悪い(笑) 早川も、若干、引き気味。
 そして次回、夏×長石多可男=怪談
 ホント好きだなぁ監督。

◆第27話「けちらせ! 死を呼ぶ魔のサンゴ」◆ (監督:長石多可男 脚本:武上純希)
 夏休み、大岩先生と共に、先生の知人が経営しているというリゾートホテルに遊びに行くメガレンジャー達。 しかし招待された島にあったのはリゾートホテルどころか昔ながらの民宿で、しかも人の気配が無い。 宿で昼寝をするという大岩先生を置いて、話を聞こうと手分けして住人の姿を探す5人であったが、誰の姿も見つからない。 いったいこの静かな漁村に何があったのか……そして健太の悲鳴が、海に響き渡る……!
 訪れた島の漁村が無人化、という不気味な雰囲気はなかなか出ていて面白かったです。まあ割とすぐに、 ネジレ獣出てきて台無しになるのですが(笑)
 村が無人になっていたのは、Dr.ヒネラーの「人間サンゴ」実験の為。サンゴネジレの吐き出す泡を浴びた人間は生きながらサンゴになってしまい、 世界中の人類をサンゴ化する手始めとして、村人は洞穴でサンゴにされていたのであった。
 サンゴネジレの奇襲を受け、次々とサンゴ化して洞穴に運ばれるメガレンジャー達。
 唯一逃げ延びた瞬は、村の少年の手助けを借りてクネクネを倒し、顔に銃をつきつけて脅迫し、洞穴まで案内させる(笑)  ……クネクネに、自分の命を守るという観念があった事にビックリ。

 洞穴に辿り着いたメガブルーは、いきなり人間サンゴを射撃。

 何故かそれでサンゴ化から助かるのですが、それはどうなのでしょう(笑)
 まあ、メガレンジャー4人も半ばサンゴ化していたので、即復活してくれないと困るとか色々事情もあったのでしょうが、 ここでもう一ひねりあったら良かった。
 バトルでは、どうやら久保田とメガレンジャー達の通信を盗聴しているメガシルバーが助っ人参戦。 ユガンテを引き受けますが、意外にもちょっと苦戦。ユガンテ、バカでへたれだけど、戦闘力は割と高いという一線は守られています。
 全体としてはホラー展開に、生き残りの少年との交流を絡めて、そつなくまとめたシナリオ。

◆第28話「おてあげ! 爆烈ばあちゃん旋風」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久)
 改めて見ると、ラブネタ回はだいたい、荒川稔久だなぁ。桃×青も、黄×黒も、荒川さんが一人で推奨しているというか(笑)
 荒川さんは『ゴーカイジャー』の『アバレンジャー』編でも、 とあるキャラととあるキャラが結婚しているというネタを入れてもともとアバレ本編でもそのつもりだったのに、 スタッフからキャストにまで「??」という反応されたらしいですが(笑)
 名古屋からやってきた千里のおばあちゃんは、千里にお見合いを勧める。
 お見合い相手のお薦め理由に、「中日の今中似」とか時代を感じずにはいられない。
 決まった相手をこの目で見ない限り、心配で名古屋に帰れないという祖母を説得する為、耕一郎に恋人のふりを頼む千里。 好奇心旺盛で食らいついたら離れない祖母が東京に居てはおちおちネジレジアとも戦えないと、渋々ながらも二人は恋人のふりをする事に。
 祖母の指示で、ペアルックや同じグラスからストローでジュースを飲むなど、 恋人のふりというよりは羞恥プレイを要求される二人。
 外野が激しく盛り上がるその時、ネジレ獣が出現。
 それは何でも瞬間的に消化してしまう、シロアリネジレの分身体であった。街灯や自動車、果ては高層ビルまでもがシロアリに食われ、 街はパニックに。祖母を逃がす千里を除き、4人で戦うメガレンジャーだが、なんと武器をシロアリに消化されてしまう。
 「いい機会なのでメガレンジャーを先に始末しましょう」と、合体を指示するギレール。
 ……いやーそこは、「東京を先に破壊する」が正解です!
 策士、策に溺れた感じ。
 合体したシロアリネジレに大苦戦の4人、祖母を警官に預けて駆けつける千里。

 一方祖母は、警官を投げ飛ばし、パトカーを強奪

 何が酷いって、投げ飛ばされて気を失ったまま路上に放置された警官が哀れ(笑)

 そして祖母、シロアリネジレをパトカーで跳ね飛ばす
 「名古屋のお婆ちゃんを、なめたら、いかんよぉ!」
 ……そういえば、一条さん(『仮面ライダークウガ』)も名古屋の人だったけど、荒川稔久は、 名古屋に何か屈折した思い入れでもあるのでしょうか。
 実は祖母が、母親から「娘の様子が最近おかしい」という手紙を受け取り、心配で様子を見に来たのだと知らされたメガイエロー。
 まあ、
  • 変なブレスレットを常につけているようになった
  • 知らないおじさんの声がそこから聞こえる
  • 学校の部室に入り浸る時間が増えた
  • 受験生なのに男友達と遊び歩いている
  • 明らかに何か隠し事をしている
 それはお母さんも心配します。
 祖母の真意を知り、決意を新たに立ち上がったメガイエローは、シロアリネジレを瞬殺。以前にも一人でネジレ獣を倒していた事があり、 メガレンジャーの中では多分、キレると最強。

◆第29話「やせたい! みくの怪しいダイエット」◆ (監督:辻野正人 脚本:柳川茂)
 夏休みが終わり、食欲の秋、到来! 食べ過ぎで最近太ったと指摘されたみくはダイエットを決意するが、放課後に丼ものが気になる (女子高生の食欲では、ない)など、なかなかうまく行かない。そんな時、「食べても太らない」というダイエットクレープの屋台を見つけるのだが……。
 クレープ屋の店長(ブタネジレ人間態)役で、森野熊八シェフがゲスト出演。
 この頃から、歌う料理人だった模様。
 歌と踊りを披露する他、vs早川で、かるーいアクションもあり。変身後の声も、声優あてないで熊さんでも良かった気はします。
 ネジレ反応に出撃したのに途中で勝手に離脱して鯛焼きをほおばり、ブラックにマジ説教を受けるピンク。 更に、公園の鳩にまで「おいしそう……」と反応し、他のメンバーを軽く引かせる。 実はダイエットクレープはネジレジアの作戦であり、食べた人間は、食欲に歯止めが利かなくなってしまうのであった。 健太の母は店の売り物である野菜を食い尽くして生大根にかぶりつき、 みくは学食に潜入して生肉を喰らい、街は食べ物を求める暴徒と化した人々で溢れかえる。
 TVニュースになったり、珍しく意外と作戦が成功しています。
 ナップザックをステーキと思いこんで噛みつくという、食欲暴走中のみくを部室に置いて出撃するメガレンジャーだったが、 メガシルバーすら翻弄する、やたらに強いブタネジレに大苦戦。しかし、20分の断食(偶然)により、 ダイエットクレープの効果から解き放たれたピンクが駆けつけ、ブタネジレを撃破。暴徒と化した人々もそれぞれ、 20分断食により元に戻るのでありました。
 今回の見所は、熊さんと、肥った醜いブタ+シェフというデザインなのに、やたらに強いブタネジレ。
 この強さで、もっとまともなネジレ獣は造れなかったのかヒネラー(笑)
 それにしてもここ数回、玩具の都合により急速に弱体化したギャラクシーメガですが、それでも話の都合以上に負けている感じはしないのですが、 そのギャラクシーメガを圧倒したブタネジレを、登場10秒で粉砕するスーパーギャラクシーメガはホント鬼畜

◆第30話「サク裂! 友情のコンビネーション」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久)

 陛下はお怒りです

 それはそうだ。
 ジャビウス皇帝より、「地球征服いつまでかかってんの? やる気あんの? おまえらいい加減にしろよ?」と叱られたヒネラー一味。 余裕かまして後から現れたギレールも、一緒に怒られる。
 腐ったミカンと一緒の箱に居たら、同じ腐ったミカン扱いを受けてしまいました。
 友達は選ぼう。
 職場も選ぼう。
 焦りを覚えたギレールは、ユガンテを呼び出し、メガレンジャー相手の共同戦線を提案。採掘場で暴れてメガレンジャーをおびき寄せると、 戦闘中にユガンテを背後から攻撃、その体を奪い取り、“優秀な頭脳とユガンテのエネルギーを併せ持つ”ギガギレールへと変貌する。
 …………なんか、そんなコンセプトでパワーアップして、宇宙刑事にフルボッコにされている宇宙的犯罪組織がどこかの時空にあったような気が。
 別の時空の事はさておき、二刀を操り凄まじい力を誇るギガギレールは、イエロー、ピンクを次々と氷漬けにし、 更にレッドをかばったブルーも大ダメージを受ける。ブラックが時間を稼いでいる間に重傷を負ったブルーと共に一時撤退するレッドだったが、 意識を取り戻した瞬は、衝撃で記憶を失っていた!
 瞬の記憶を取り戻そうと奔走する健太だが、記憶はなかなか戻らない。そうこうしている内に、氷漬けの3人の映像と共に、 ギレールが挑戦状を叩きつけてくる。
 この洞穴で、ユガンテと合体したギレールに対して、「ユガンテを犠牲にした言い訳にならない」とか、シボレナさんが大怒りで 「裏切り者」扱いなのですが、ユガンテ一人の犠牲で地球征服できるなら物凄くお買い得だと思います。

 バカだし
 ヘタレだし
 役に立たないし
 役に立たないし
 役に立たないし

 裏切っているどころかむしろ積極的にネジレジアに貢献していると思うのですが、この辺りのズレは、ヒネラー一味の特徴。
 健太は瞬の前でメガレッドに変身すると、「記憶を取り戻したら来てくれ」と、ひとりギレールの元へと向かう。学校に残った瞬は、 大岩先生にかけられた言葉や、部室にあった写真から、記憶を取り戻さないまでも、“仲間”の元へと向かう事を決意する。
 クール系キャラの瞬が、部室のロッカーを開けると、5人で写した写真が貼ってあるのはなかなか恥ずかしくて良い。
 後ここで、大岩先生が防災頭巾を被って見回りしながら瞬に早く帰宅するよう促すなど、ネジレジアが暴れているという情報が出ると、 皆が家に帰っているというネタが仕込まれていたりします。脚本がどこまで考えてやったのかはわかりませんが。
 ギガギレールに一方的に押されるレッド。記憶を取り戻さないまま駆けつけ変身したブルーもまたギガギレールの攻撃を受け、 トドメの一撃の寸前、今度はレッドがブルーをかばう。
 吹き飛ばされたブルーの脳裏に、仲間達の影と声がちらつく。ぼんやりとした輝きの中、呼びかける4人の姿――。
 このシチュエーションで呼びかけられると、彼等の足下に花畑が広がっていそう
 むしろ、そちらに行ってはいけないような
 なにしろ4人中3人は氷漬けで、もう一人はギガギレールにトドメを刺される寸前です。
 渡ってはいけない川を渡りそうになったブルーだったが、これが最後の一押しとなって“仲間”との記憶と取り戻すと、 レッドとのコンビネーション攻撃でギガギレールを撃破。巨大化したギガギレールであったが、 最初から合体して登場した鬼畜ロボスーパーギャラクシーメガにかなうべくもなく、文字通りに瞬殺される。
 スーパーギャラクシーナックルを喰らう寸前、分離したユガンテを盾にして直撃を避けたギレールは、 体力とエネルギーだけは有り余っている為に、物凄く苦しんではいるものの、しぶとく生きているユガンテを連れて撤退。
 「組む相手を間違えたようだ」

 全くだ

 その頃、本拠地デスネジロではこれを見ていたヒネラー激怒。
 次回、ギレールねじれる。

→〔まとめ4へ続く〕

(2012年1月16日,2012年1月29日)
(2017年8月27日 改訂)
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