■『高速戦隊ターボレンジャー』感想まとめ4■


“若さにターボ! 未来にターボ!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『高速戦隊ターボレンジャー』 感想の、まとめ4(20話〜25話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆第20話「暴魔族 はるな」◆ (監督:東條昭平 脚本:井上敏樹)
 蜘蛛とカニを合わせたような(コメント欄の指摘で気付きましたが、素直にサソリですね……) デザインのモウドクボーマの強襲を受けたターボレンジャーは、桃をかばった青が猛毒を注入されてしまい、なにかとおいしい役回り。
 「……駄目だ。洋平の体内の毒は、我々には全く未知のものだ。どうしようもない」
 太宰博士にはもう少し、未成年の命の危機に諦めずに抗う姿勢を見せていただきたい。
 解毒剤を知っているのは暴魔百族だけ? とシーロンの話を聞いたはるなは飛び出していき、 車両基地を襲っていたズルテンの後頭部に凄い飛び蹴り。
 「ズルテン! 解毒剤はどこなの? 今すぐ渡しなさい!」
 はるなは貨物車輌の上に仁王立ちして啖呵を切り、ところどころで片鱗は見せていましたが段々と男前路線になってきて、 後の『ビーファイター』の初代レッドル(羽山麗)なども思い出します。
 だが、単身立ち向かったはるなはズルパッチンを受けて吹き飛ばされ、凄い勢いで頭部から電信柱に激突……し、死んだ?!
 そこに駆け付けた野郎衆がはるなを助け起こすが……なんとはるなは、記憶を失い、男達を拒絶。
 「どうしたんだはるな? 俺たちだよ。忘れたのか?!」
 「わからない! いったい私は誰なの?! あなた達は誰なの?!」
 真っ赤なTシャツに黒い指無しグローブ合わせてる奴とか、これ見よがしな黒のピチピチタンクトップの奴とか、 吊りズボンに黄色いシャツで少年ぽさをアピールしてくる奴とか……ついでに青の縞々シャツの奴とか、 私の男友達がそんなファッションセンスの筈がない!
 色合わせは飲み込んだ上でもなお(バリエーションとしてボーダーも投入されがち)、 夏服の壊滅的なセンスが5人の間に深刻な亀裂を生み、これに付け込む事を思いついたズルテンはバイクモードになると、 仲間を名乗ってはるなを拉致。
 一方、洋平は物凄いメイクで藻掻き苦しんでおり、前作『ライブマン』に比べると陽性でふわっとした雰囲気ながら、 前回の俊介弟の事故死など、割とハードめの表現もちらほらと顔を出します。
 記憶喪失のはるなを探し回る男衆に、漆黒のライダー@フルフェイスがいきなり銃をぶっぱなして襲いかかり、 日常を破壊する理不尽な暴力の表現方法が、凄く、井上敏樹(笑)
 走行中のバイクから、走行中のバイクへの飛び蹴りは仮面ライダーばりの格好いいアクションで、 蹴り飛ばした力に対してヌンチャクで襲いかかる謎のライダーの正体は、さすらい転校生・流星光……ではなく、はるな。
 素顔をさらしたライダーは怯まず手榴弾を投擲して大地と俊介を吹き飛ばし、地球の治安が今、電撃戦隊!!
  「やっぱりアースフォースはあったのだ!」
 「ターボレンジャー、お前達に死を!」
 狼狽する男衆にはるなが猛然と飛び蹴りや回し蹴りを放つ生身バトルに突入し、花の戦士枠はるな、物凄い勢いで、 メンバー随一の武闘派に(笑)
 「私は誇り高き、暴魔百族の戦士!」
 「なに?!」
 「いひひひ!」
 狂戦士化などではないので特に身体能力を引き上げられたりはしていないと思うののですが、 記憶喪失設定をいい事に好き放題が、突き抜けた面白さに突入(笑) (※物語構造上の理屈としては、 『チェンジマン』第37話「消えたドラゴン!」の変奏曲ともいえるかも)
 「ズルテン! 貴様はるなに何を吹き込んだ!」
 「はるなは生まれた時から暴魔百族。お前たちを地獄に送る使者なのだ」
 幾ら記憶喪失とはいえ、人間より暴魔百族を信用する時点でだいぶ不自然なのですが、 それに気付かずコロッと騙されても格が落ちないのはズルテンの便利なところで、どんどん出番が増えていくのも頷けます(個人的には、 声を務める梅津秀行さんが割と好きで、ズルテン独特の笑い方に味を感じます)。
 「ズルテン様、そんな攻撃では甘い!」
 再び手榴弾が炸裂し……そういえば東條監督はこの翌年、手榴弾の携帯は紳士淑女の嗜みな世紀末TOKYOを描いた 『特警ウインスペクター』でパイロット版を担当するのでありました。
 洋平は猛毒で瀕死、はなるは記憶喪失で敵に回り、かつてない苦境に追い詰められるターボレンジャーは太宰邸に一時退却するが、 決闘を求めるはるなから通信が入り、モアイの丘……本当に、モアイの丘だ……モアイは、暴魔百族の遺産だったんだ!
 「やめろはるな! おまえには聞こえないのか! 洋平の苦しみの叫びが!」
 どちらかというと清楚系ヒロインの立ち位置だったはるなですが、力の呼びかけに対する悪い笑顔がやたらなはまり方で、 薄々思っていましたが悪役が似合います(笑)
 「くだらん! 虫けらども!」
 はるなは容赦なくアサルトライフルの引き金を引き、更に猛毒ボーマとウーラー軍団も登場して、 前回今回と割と物量的にも力の入った映像が続き、前作の導入のような派手さはないものの、 幹部や怪人の造形を始め映像面では細かくお金のかかっている印象。
 乱戦の中で力に猛毒噛みつきが迫ったその時、力に襲いかかったはるなが間に入る形になって噛みつかれ、 慌てたズルテンが解毒剤を提供。それを飲んで自分の毒を治したはるなは何故かそのままバイクで走り去り…… 流れとしてはここで種明かしをした方が美しかったとは思うのですが、「太宰邸に戻って洋平に薬を飲ませる」 プロセスがどうしても必要なので、一度分断せざるを得なかったのは、テンポ面からは惜しまれます。
 解毒剤を持ち去られ、絶望的な状況で変身した赤黒黄はズルテンらに追い詰められ、いよいよ壊滅が迫ったその時、 戻ってきたはるなが猛毒ボーマにバイクでアタック!(ヒーローのイニシエーション)
 「何をするはるな?!」
 「ピンクターボ参上! なーんちゃって」
 ヘルメットを外したはるなは驚愕する男衆にウインクを飛ばし、更に洋平が復活。
 「初めから全部芝居だったのよ」
 サブマシンガンが火を噴いていたのも、手榴弾を投げつけていたのも、蹴り技に次ぐ蹴り技も、 全ては解毒剤を入手する為にズルテンを騙す芝居であったと明らかにされ、挿入歌(はるなテーマソング?) に合わせて変身した青桃のコンビ攻撃から、Vターボバズーカ。
 二丁拳銃の連射で巨大猛毒ボーマを片付けたターボレンジャーは、冒頭で行われていたバレーボールに再び興じ、 はるなの放つ殺人サーブを受け、次々と地面に這いつくばる男たち。
 「だらしがないぞ男ども!」
 ……あくまで冗談交じり、苦難を乗り越えてほのぼの大団円シーン……の筈……なのですが、どういうわけか、 下が草地ではなくアスファルトの地面なので、はるな軍曹は本気かもしれません。
 「俺にはなにも、言えませーん」
 散々、近代兵器の脅威にさらされた力たちは、はるなは将来とんでもない悪女になるに違いないとからかい、 命を助けられた洋平はかしこまり、一喝されてアスファルトに正座する男たちに殺人アタックが炸裂して、つづく。
 前作のめぐみさん(&コロンさん)が強烈すぎたのもありますが、ここまで良く言えば穏当、悪く言えばパンチに欠け、 油断していると男子4人に囲まれて控え目な位置に落ち着いてしまいそうだったはるなに、 「記憶喪失の偽装ギミック」をいい事にメンバー随一の武闘派の顔を与える空中殺法。
 井上脚本×身内バトルというと、前々作『マスクマン』第13話「アイドルを追え!」(監督:東條昭平)で、 「怪しいアイドルの正体を暴く為に仲間割れを演じる」展開があったのですが、そちらが示し合わせているにしても茶番感が出過ぎていたのと比べると、 生死の淵を彷徨う洋平の深刻な描写・銃器を投入しての激しいアクション・力たちは真相を知らない、事で茶番感を薄くしていたのが、 良かった点。
 女性メンバーがはっちゃけた大暴れを見せるのは井上敏樹の好みだと思うのですが、「アサルトライフルや手榴弾を持ち出しても、 そこまで悪印象にならない」のも上手い組み合わせとして機能し、ここまでの描写を台無しにしない範囲で大きなインパクトを作ってはるなの存在感が跳ね、 振り幅の多い芝居を演じる女優さんも楽しそうで、良い女性戦士回でした。
 なお『マスクマン』第13話の感想を読み返していたら「怪人の溶解ガスを示す為の溶けオブジェが、どうしてモアイなのか(笑)」 という一文があり、モアイ繋がりでもあったようなのですが、この頃、美術倉庫にモアイの置物がうずたかく積み重なっていたりしたのでしょうか。
 前作『ライブマン』では意外とはまらなかった井上敏樹ですが(曽田−藤井体制が盤石すぎたというか)、 今作は曽田先生がそこまで突っ走っていない事もあって持ち味が活き、面白かったです。
 次回――なんの因果か配信『ウルトラマン80』と被るタイミングで相撲!  一回目と二回目のキャラ回の間がだいぶ空いた大地が今度は間を空けずに回ってきて、 そうこうしている内に力の存在感が薄くなりつつあり、この辺りのバランスはちょっと悪い。

◆第21話「ドスコイ勝負」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 ジンバとズルテンにより、とある寺の奉納土俵に封じられていたスモウボーマが大復活し、 逃げ惑うサッカー部員を強制的にまわし姿にする久々のトンデモ路線で、千切っては投げ千切っては投げの大暴れ。
 駆け付けたターボレンジャーも、バイクアタックを弾き返された上に必殺まわし飛ばしにより相撲時空に飲み込まれると次々と投げ飛ばされていき、 ターボレンジャー、相撲に完敗(笑)
 ところが相撲ボーマは相撲をする事しか頭になく、せっかく甦らせた暴魔獣をコントールし損ねたジンバとズルテンは、 大帝様から3ヶ月減俸を言い渡されて大ダメージ。
 相撲ボーマの暴走は、二万年前には付けていなかった化粧まわしが原因に違いない、とジンバが見定める一方、 一連の事件を目撃した山口先生は、相撲には相撲で立ち向かえ、と流星の肉体に目を付けていた。
 「こう見えても私、相撲にはうるさいのよ。コーチしてあげます。さあ、脱いで」
 「やめてください! 女性の前で肌をさらすなんて、僕の美学に反します」
 流星剣は破られ、リンゴは食べられず、どういう顔で出てくるのかと思われた流星はキザ路線は堅守して半裸を回避し、 肉体美を自慢げに見せつける方向に行かずにホッとしたような残念だったような……とりあえず、学校には割と普通に来ているようです(笑)
 「なに言ってるの。相撲は、男と男が、裸でぶつかり合う、最も男らしいスポーツよ!」
 「裸ん坊ならお似合いの奴が居ますよ。ここにね」
 流星は盗み聞きしていた力たちを巻き込むと、大地をふん捕まえて秒でまわしを履かせ……いったい画面の外で何があったのか……。
 高笑いしながら立ち去る事で流星がなんとか格を保っていた頃、ただ一心に相撲を取りたいだけの相撲ボーマは、 海を見つめて涙を流していた。
 「この世にはもう相撲を取る奴は居ないのか……相撲を取る奴は」
 行こう、両国!
 山口先生から逃げ回っていた大地はそんな相撲ボーマと遭遇して奇襲の足取りで勝利するが、 相撲ボーマはおもむろに地面に土俵を描くと改めて仕切り直し。投げ飛ばされるごとに相撲本能に火が付いていく大地と暴魔獣の間には、 いつしか相撲を通じた奇妙な友情が芽生え、二万年前、持ち前の怪力にものを言わせて暴れ回っていた相撲ボーマが、 ラキア親方に敗れて化粧まわしを与えられ、真の相撲道に目覚めていてた過去が明かされる。
 地元の力自慢をスカウトして角界に入らせるのが妙なリアリティですが、ラキアの立ち位置はどんどん、偉大な聖獣というか、 伝説の大親分になっていきます。
 ラブ&スモウ&ピース!
 2万年の時を超えた相撲への愛が、人間と暴魔百族の垣根を越えて世界を真の平和へ導こうとしたその時、 不意を打ってジンバが化粧まわしを破壊するや、相撲ボーマを即座に爆殺。すかさずズルテンが巨大化すると、 愛を忘れた哀しい暴魔は形相を変えて暴れ出し、コンビナートを襲撃し始めてしまう!
 「待ってくれ! 俺にはあいつを殺すなんて出来ない! あいつは相撲を取りたかっただけなんだ! 相撲が好きなだけじゃないか!」
 「でもあんなになってしまったらもうどうする事もできないよ!」
 苦悩する大地はスモウパワーで妙案を閃き、まわしを締めたターボロボで巨大な土俵を描く事で相撲ボーマの相撲本能を刺激 (黒がコックピットのセンターなのがおいしい)。山口先生(変身時はちょうど気絶)の行司により巨大相撲対決がスタートし、 壮絶な死闘の末、遂にターボロボの上手投げが炸裂する。
 「横綱ターボロボ! ばんざーーーい!」
 全力で相撲を取った末の敗北により、かつてラキアに教えられた相撲への愛を取り戻した相撲ボーマは、 此の世への無念を抱える事なくターボロボを讃え、土俵に倒れて大爆死。
 「さらばだ、相撲ボーマ」
 結末は相撲ボーマの爆死なのですが、ターボロボで斬り(撃ち)殺すのではなく、真っ正面から相撲で勝負する事で、 たとえ着地点は同じでも「爆殺」ではなく「鎮魂」に巧みにスライド。予告映像で相撲をするターボロボを見た時はどうなる事かと思いましたが、 神事をもって悪鬼の怨念を鎮め、「愛を知らない哀しい暴魔にはるかな眠りの旅を捧げる」 『ターボレンジャー』の文脈で処理してみせたのは、お見事。
 別会社の公式配信『ウルトラマン80』と相撲ネタが被る(解決法も重なる)というまさかの事態でしたが、曽田脚本としては、 「さあ! 野球やろうぜ!!」(『電撃戦隊チェンジマン』第38話)の変奏曲ともいえ、やはり今作、 根っこの意識は妖怪退治ものなのでは。
 ちなみに、『80』相撲回の予告で連呼されていた千代の富士は、1980年に幕内上位に定着すると関脇まで昇進、 翌81年には幕内初優勝を果たすと横綱に上り詰め、ウルフフィーバー到来。1988年には53連勝を達成すると、 今作放映の1989年には国民栄誉賞を受賞して、1991年に引退する事となり、くしくも『80』と『ターボレンジャー』で、 角界における「千代の富士時代」の幕開けから現役晩年までと重なる奇縁の相撲回でありました。
 次回――EDテーマになぞらえたサブタイトルで、力vsヤミマル! これは期待。

◆第22話「青春ロード!」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 「どいつもこいつも腰抜けばかり。もう少しマシな奴は居ないのか」
 「おまえいったい、何者?!」
 「――街道の流れ星。その名も流星光」
 いつの間にか職業を変えていた流星はバイク乗りにバトルをふっかけて憂さ晴らしをしており、 学生帽のままバイクにまたがっていたら面白かったですが、さすがにヘルメット着用していました。
 ターボレンジャーへの挑発に違いないと流星に立ち向かおうとする力だが、タイミング悪く太宰邸に乗り込んできた山口先生(多分、 学校の近くに住んでいる不審な妖精おじさんについて父兄から問い合わせが入った)が、 力を焚き付けていた太宰博士につかつかと近寄るや、全力の平手打ち。
 「何をするんですか?!」
 「貴方こそなんですか! まともな大人なら止めるのが本当でしょ?!」
 ごもっともです!
 「そもそも貴方がいけないんですよ。いい歳をして、カーマニアだなんて。あなた達、これ以上、こんな人と付き合っちゃいけませんからね」
 否定し辛い!
 室内でバイクを磨く太宰博士のカーマニア趣味が台詞で明言され、博士を一方的にやりこめた山口先生は、 力からバイクのキーを取り上げると、流星は自分が補導すると宣言。
 他人の家に乗り込んできて家主に暴力を振るい人格を否定し生徒から私物を奪い取るという横暴極まりない素っ頓狂ぶりですが、 相手が太宰博士なので並べると正気寄りに見えてしまう戦隊マジック(笑)
 仮にこの二人が親しくお付き合いを始めた場合、中間に落としどころが生まれるのか、山口先生がより狂気に引きずられてしまうのかが、 不安になってきます。
 その頃、街道の流れ星はバイクで徒歩の学生を追い回し、脳細胞のハカイダー化が深刻になっていた。
 俺は! 正統派のライバルポジション! と間違った方法で自分を納得させようとする流星の前に、 身を挺して立ちはだかったのは山口先生。
 「……俺はもう都立武蔵野学園高校の生徒じゃないんですよ」
 ……あ、れ。
 やはり敗北後も学校に居座るのは気まずかったのか、流星は既に転校済みである事が明らかになり、前回が最後の出席だったのか、 前回は高速戦隊をストーキングしていたところを山口先生に捕まっただけだったのか(笑)
 「たとえ一日でも、私のクラスに入った子は、私の教え子よ」
 「ふん、泣かせる台詞だな」
 流星の行為を、あくまで無軌道な若者の暴走だと捉えている山口先生は、かつて教師として新人だった頃、 教え子の一人をバイク事故で亡くしていた事を語り、懇々と流星の説得を試みる。
 「流星くん、命を粗末にしないで」
 「……はははははは、ははははは」
 「何がおかしいの?」
 「あんた、いい先生になるぜ」
 ヘルメットのフェイスガードを下ろしたその表情はハッキリせず、前輪で先生を払いのけた流星@2万と18歳は走り去るが、 山口先生の決意は揺るがない。
 「ふははははは! 教師ごときに止められるものか」
 そしてレーダは、なんか変なところがツボに入っていた(笑)
 ヤミマルとターボレンジャーをぶつけようと目論む暴魔博士は、古びた絵の中から戦車戦の勇士・レーサーボーマ(イメージとしては、 骸骨のベン・ハーといったところでしょうか)を復活させ、封印になっていた絵がなかなか格好いい。
 レーサーボーマは地獄ロード作戦でバイク乗りを襲撃すると流星の仕業に見せかけ、 怒りのレッドターボとヤミマルはバイクファイトに突入。だがそこにレーサーボーマが横槍を入れて両者を電撃ネットに閉じ込めると、 ローマ戦車どころか暴魔バギーに乗り込んで二人をまとめて砲撃し、造形も格好良くてかなり凝った暴魔獣です。
 力が変身してターボバイクに乗ってしまえると、山口先生がキーを取り上げた意味が限りなく薄くなるのですが、 それはそれとして生身(変身前)と生身(変身前)でぶつからないと青春ドラマにならないよね! という文脈で首の皮一枚残し、 その導線として生徒(流星)に体当たりでぶつかっていく教師(山口先生)を配置して方向性を示しているのが、パワー&テクニック。
 「なんでそんなにツッパるの、流星くん?! バイクばかりが青春じゃないでしょ! その大切な命、 若さを懸けるものは他にもある筈だわ!」
 「……先生、青春の全てを懸けるもの、それは昔からただ一つしかないんだ。それは戦いさ」
 2万年間レベルを上げ続けていた男は、“青春”と接続される事で「2万年間青春している男」に落とし込まれ、18歳。 人生で一番美しい時。そのパワーは、最高の力を発揮するんだ!
 「先生! いくら言っても無理ですよ。あいつには通じやしないんです!」
 「……炎くん」
 流星はバイクで走り去り、それを見送って吐き捨てる力に対して、山口先生の喋りのトーンが変わるのは大変良かった。
 「え?」
 「あなたからそんな言葉を聞くなんて思わなかったわ」
 「えぇ?!」
 「あなたたち、どうして信じようとしないの? どうして決めつけてしまうの? 同じ人間なら、同じ赤い血を持った人間なら、 必ずわかりあえる筈だわ。真心を持って接すれば、必ず心は通じ合うはずでしょ?」
 流星光=流れ暴魔ヤミマル、と知る力たちと、知らない山口先生の間には当然の認識差があるが、力は逆に、 そんな山口先生の言葉に考えを改める。
 「いや、先生の言う通りだよ」
 自分の言動を省みた力の表情を見た山口先生はバイクのキーを返し、バラード調のボーカル曲(「哀しみの彼方へ」(矢沢永吉)) が挿入されてバイクで流星を追う力の姿が青春ロードとして描かれる、《戦隊》の枠を飛び越えにかかるぶっ飛んだ演出。
 前作『ライブマン』などでも、デートシーンのポップさを表現する為などで劇伴用とは別の楽曲を使用する例はありましたが、 劇中のイメージを表現する為に他の作品世界を枠外から持ち込む用法には、当時のシリーズにおける“産みの苦しみ”も感じつつ、 印象的なシーンとなりました(直接の影響があったかはともかく、後の『仮面ライダーW』の、エクストリーム誕生回を思い出してもみたり)。
 「先生はな! 先生は……同じ赤い血を持った人間なら、きっと心が通じると信じているんだぞ! 今のパンチ、 山口先生のパンチだと思え!」
 流星に追いついた力は顔面に高速青春パンチを叩き込み、流星(ヤミマル)の正体にまつわるミステリー要素だった「赤い血」を、 「心が通じ合えるかもしれない可能性の象徴」として別の角度からも拾ってくるのは、 曽田先生がさすがの筆力。
 山口先生の動機として、悲しい過去が無から生えてきた時はどうなる事かと思いましたが(井上脚本回ですが、 つい最近も同じ事をやりましたし)「先生の想い」から「人間の可能性」への飛躍が綺麗に決まる逆転タイムリー。
 「……たまらんぜ」
 呟く流星を後に残し、ターボバギーにのりかえた赤は単身レーサーボーマへと挑み、 華麗なドライビングテクニックでシールドの障害物と吹き付けられる火炎放射を回避すると、
 「ターボレーザー!」
 ……あ、撃つんだ。
 ダメージを負ったレーサーボーマも暴魔バギーに乗り込んで改めてバギー対決となり……
 「アタッカーバルカン!」
 ……あ、撃つんだ(笑)
 愛を知らない哀しい暴魔を正義の砲火で遙かな眠りの旅に送ろうとする赤だが、レーダ自らがウーラー軍団と共に戦場に降り立ち、 5人揃ったターボレンジャーと激突開始。
 赤とボーマは再びバギーに乗り込むと互いの武器を構えて交錯し、すれ違いざまのGTソードが一閃!
 最後の最後でカーアクション回らしい決着となってホッとしましたが、そういえば自動車戦隊でもあった今作(正直、 妖精パワーを振るう妖怪退治物として認識)、途中消滅する事には定評のあるバギーに、この先の見せ場は果たしてあるのか?!
 今作恒例、もう今ので倒した事にしてもいいのでは……?! という決めポーズと爆発の後、 弱ったところにVターボバズーカを叩き込み、5色の妖精エネルギーを吸い込んだり、脈動するエンジンが派手に赤熱したり、 全体的にエフェクトが強化されたような。
 5人はビクトリーを決め暴魔博士は一体何をしに……と思ったのですが、暴魔百族の巨大化システム上、 現地に出張ってこないと巨大化できないのか(笑) レーダは全然働かないなと思っていたのですが、 誰が途中退場しても大丈夫というスリリングなシステムである一方、気軽に動かしにくいキャラの作戦指揮回数が減らざるを得ない、 のは思わぬ落とし穴……。
 ターボロボは、薙刀振り回すレーサーに連続パンチを叩き込むと、シールド防御からの銃撃、そして高速剣ターボクラッシュで大勝利。
 「ながれぼしくーーーん! 信じてますからねーーー!」
 「……たまらんぜ」
 さすらいバイク乗りはニヒルな仕草で色々と誤魔化す事を覚え、果たして、流星光と心の通い合う日は来るのか……とりあえず、 山口先生と太宰博士の心はもう少し通い合ってほしい。
 …………山口先生→太宰博士はやはり藤井脚本の暴投だったのか、曽田脚本の方で拾う気配が全く無いのですが、 こちらはこちらで一体どうなってしまうのか(笑)
 時代遅れのバンカラ転校生だった流星は、バイクを手に入れて正攻法の不良ロードをひた走り、いわゆる、 体当たりで他人からぶつかられた経験が無い、といった様子をちらつかせる事で、 気がつくと劇中で一番青春している2万と18歳に。
 出自の謎を引っ張りつつ、その「人間」の部分と心を通わせられるのではないか? と打ち出してきたのは物語の良い燃料となり、 若いターボレンジャーの面々だからこそ、流星光とどう向き合おうとしていくのかは、楽しみな要素です。
 ヤンキー系第三勢力(風味)というと、前々作『マスクマン』の盗賊キロスを思い出すところですが、 キロスが“ひたすら自分の欲望に忠実な男”と設定したものの“欲望”の範囲が広すぎて「愛の狩人」なのか「バトルジャンキー」 なのかフワフワしてしまったのに対し、“2万年間レベルを上げ続けていた男”に、「レベル上げ以外にやる事があるんじゃないのか?!」 と突きつけてきたのはネガポジ関係がハッキリしていい傾向で、巧いことジャンプアップを期待したい。

◆第23話「幽霊いっぱい」◆ (監督:長石多可男 脚本:藤井邦夫)
 青春は、合宿だ!
 夏休みに入り、体操部の俊介は臨時教官もといマネージャーを請け負ったはるなと共に合宿所のある野辺山へ向かっていたが、 その地は今、封印から復活した幽霊ボーマの脅威にさらされようとしていた!
 白装束で長い髪を前に垂らしたオーソドックスな幽霊スタイルを、 垂らした髪にあたる部分の中に光る眼を置く事でドジョウ系のモンスターの顔に見立て、背中には翼のように卒塔婆を展開する事で、 幽霊の要素を抑えつつ独立した怪人として成立しているのがなかなか秀逸なデザインの幽霊ボーマが何をするかというと、 襲った人間を次々と白装束の幽霊人間に変えていくとんちきぶりが、凄く暴魔百族です。
 俊介の寝坊により、部のメンバーから遅れて野辺山に到着した俊介とはるなは、 封印の要であった妖精の羽を拾った事からズルテンに襲われていた少女を助けるが、既に村中に広がった幽霊人間に囲まれ、はるな軍曹、 まさかの気絶。
 「なに? 幽霊がいっぱい?」
 はるなからの通信は謎のメッセージとして太宰邸に伝わり、夏休みは太宰博士の家でじっと座っているのもまた、青春だ!
 孤軍奮闘する黄は幽霊ボーマの卒塔婆ミサイルを受けながらも、なんとか軍曹と少女を抱えて逃走に成功し、 夏の怪談風味の演出をメインに据えつつ、幽霊人間にされてしまった父を心配する少女の想いと、 それを励ますヒーローの姿が織り込まれていく事に。
 「2人を血祭りに上げ、日本中を幽霊でいっぱいにするのだ!」
 こんな作戦(?)で、めっちゃメラメラテンションMAXのレーダですが、暴魔百族では通常運行です。
 「ユウレイボーマ! お父さんを返せ!」
 幽霊軍団に追い詰められる俊介たちだが、少女が突撃を敢行すると妖精の羽が発動して幽霊ボーマが激しく吹っ飛び、 一時的に幽霊軍団がかき消えたところに、便利なシーロン知識により俊介&はるなの危機を知った赤黒青が到着。 卒塔婆爆弾を受けて再び逃走を余儀なくされるものの、妖精の羽が暴魔獣の弱点だと知ったターボレンジャーは反撃作戦をスタートし、 洋平の発案により白装束を着込んで幽霊たちに紛れ込む事に。
 そういえば特に参謀ポジションの明確でなかった高速戦隊ですが、怪談から一転、コミカルな描写でうらめしや作戦が成功し、 村内をフラフラしていた幽霊ボーマを発見すると高速チェンジ。
 妖精の羽を矢の先に取り付けてボウガンで打ち込む割と酷い攻撃で幽霊ボーマは大爆発し、 苦しむボーマにVターボバズーカをぶち込んでビクトリー!
 巨大戦は卒塔婆ソードを振り回すボーマとのチャンバラとなり、前蹴りを叩き込んでからのサーベルストレート、 そして高速剣バッテン斬りで勝利を収め、パースを効かせた伸びるソードによる突き攻撃の画は非常に格好良く、 ロボ戦のワンパターン化を避けようという工夫は、今作の光るポイントです (後の高校生戦隊である『メガレンジャー』の巨大ロボも伸縮ソード攻撃を行うのですが、今作のオマージュだったのかも)。
 村は無事に元の平穏を取り戻し、俊介はようやく合宿に合流して、めでたしめでたし。
 ヒーロー物の要点をシンプルに押さえ、特別跳ねるわけでもないが、酷く破綻する事もない、 良くも悪くも『ターボレンジャー』らしいスタイルの一篇でしたが、怪人デザインの秀逸さは見ていて楽しく、プラスポイントでした。
 次回――これは、行川アイランド?!

◆第24話「怖い! 夏の海」◆ (監督:新井清 脚本:曽田博久)
 「おおあれだ! 遂に見つけたぞ!」
 房総の海に勢揃いした暴魔幹部陣が、キャプテン・クックの財宝もとい、2万年もの間、海を漂い続けていた南の国からの使い―― 見た目はただの椰子の実――を発見していた頃、くしくも力たち5人も房総を訪れていた。
 「お〜〜っと、やってきました、行川アイランド!」
 『快傑ズバット』や『世界忍者戦ジライヤ』にも登場した、お馴染み行川アイランド協賛回で、大地は猿の真似を披露し、 はるなはそれに笑い転げ、洋平はポリネシアンショーに情熱を燃やし、俊介は土産屋の仮面でおどけ、力は……
 「俺たちの夏休みは今日だけだ!」
 UGMみたいな事を言い出していた。
 ……まあ君たち多分、本来は受験生だものな……。
 暴魔幹部陣が勢揃いしているところを見ると、メタ的には折り返し地点での慰労会なども兼ねていた可能性がありそうですが、 メインの役者陣は本当に、夏休みが一日しか無かったのかもしれません。
 5人の若者が焼き肉に青春を燃やしている頃、暴魔幹部陣が拾い上げた椰子の実から、椰子の実ボーマが大復活。 その放つトーテムポール光線を受けた人々は次々と仮面にされ、椰子の木トーテムポールに貼り付けられてしまう!
 「ヤシノミボーマ、今こそ2万年前の約束を、果たすのだ」
 人間トーテムポールで集めた魔力を使い、南の島に未だ眠る大量の椰子の実ボーマ軍団を目覚めさせて戦力大幅アップを目論む暴魔百族だが、 お互い運の悪い事に房総の地でターボレンジャーとご対面。
 「暴魔百族め! どうしても俺たちには夏休みをくれないってんだな!」
 夏休みだと思って油断していたら全面抗争が勃発し、色々な意味で大事なトーテムポールを、 武器として振り回す暴魔獣。
 両親を仮面にされてしまったカナヅチ少年の言葉でトーテムポールの秘密を知るターボレンジャーだが、暴魔百族の計画は順調に進行し、 いよいよ溜まった魔力とポリネシアンショーの組み合わせにより、椰子の実ボーマ軍団大復活の儀式が開始!
 行川アイランド回に限らず、70〜80年代頃の観光タイアップ回ではしばしば現地ホテルのハワイアンショーなどが挿入されますが、 それがここまで本編に組み込まれるのは、割と珍しい例なのでは(笑)
 冒頭のショーのシーンで、南の島の音楽が椰子の実ボーマの魂を震わせるのだ! としっかり伏線は設置されており、 踊り子をさらった暴魔百族は儀式の為のダンスを強要……結果として、大量の人間を生け贄に使った戦力大増強作戦において幹部勢揃いで行われるのが、 ポリネシアンショーの見物という、戦隊史上でもかなり上位に来ると思われる酷いシチュエーションが誕生(笑)
 大帝様、このノリを許容しているから、離反者続出で2万年前の人類妖精連合との戦いにも敗北したのでは……。
 儀式の阻止に向かう高速戦隊だがジンバ部隊の足止めを受けてしまい、行川アイランドから人類絶滅の幕が開きかけたその時、 おまえ達はお呼びでない、と捨て置かれていたマッチョな男性ダンサーズの踊るハカが5人の若者達の闘志を甦らせ、 ターボレンジャー……光は絆だ!(なお、この前振りもちゃんとありました)。
 ジンバ部隊を突破したターボレンジャーは間一髪で儀式を妨害し、 南の国から椰子の実大作戦が失敗に終わった暴魔百族は嫌がらせでトーテムポールを攻撃。ターボレンジャーは身を挺してこれを守るが、 その余波で両親のトーテムポールが海に落ちてしまうとカナヅチ少年は勇気を出して海へ飛び込み、 それをは見た5人は久々の主題歌バトルで暴魔の軍団と激突。
 椰子の実ニードルの突き刺さる赤だが、コンビネーションアタック二刀流で反撃を決め、話数的に折り返し地点という事があってか、 意識して初期のターボレンジャーらしいアクションを用いてきたようにも見えます。
 Vターボバズーカでビクトリーから、巨大戦では椰子の実の手持ち武器を奪い取ると、 力強いスイングで椰子の実爆弾をピッチャー返しし、ターボガンで一撃必殺。
 行川アイランドは平穏を取り戻すのであった。
 次回――色々ギリギリな感じの予告(笑) そして、暴魔百族からまた離反者が出そうな予感。

◆第25話「戦う子犬」◆ (監督:新井清 脚本:曽田博久)
 土手で男達に騎馬戦のトレーニングを行っていたはるな軍曹は怪我した子犬を助けるが、人間を犬に変える力を持った犬神ボーマが、 その子犬と接触。はるなに恩返しをしたい、という子犬の純粋な気持ちを利用する事を思いつき、迫る恐怖のはるな犬計画!
 「どんな犬になるか、早く見たいものだな」
 配下の不甲斐なさに意気消沈しているのか、大帝様も、だいぶ満足のハードルが下がってきましたね……。
 犬神ボーマにより、子犬から変身した少年がはるなに接触し、 便利モニターの都合で暴魔百族がはるなをストーキングしているみたいになっている一方、太宰邸に集う男達もまた、 はるなをストーキングしているみたいになっていた。
 両陣営が女子高生をカメラで追いかけ回すという軽くない事故が発生する中、 シーロンが妖精パワーで少年の気配の不自然さに気付き、太宰博士の指示ではるなの元へ向かう男衆だが、 ジンバと犬神ボーマの強襲を受ける事に。
 「ジンバ! いったい何を企んでいるんだ!」
 「俺の考えている事は常に一つ。貴様等を地獄へ送り込む事だ!」
 活躍に恵まれないながら、言い回しも立ち回りも格好いい事は格好いいのですが……今や赤の正ライバルの座にはヤミマルがついてしまった為、 これといったポジションも無いのが困ったところ。
 男衆がまとめて吹き飛ばされていた頃、少年と浜辺できゃっきゃうふふしていたはるな軍曹は犬神ボーマの罠にはまり、 檻に閉じ込められてしまう。
 「はるなを犬にしてやるのだ」
 抵抗する少年は犬神ボーマによって子犬の姿に戻され、はるなに迫る犬化の危機。ボーマによって蹴り飛ばされた子犬は、 必死にはるなを探す男たちの元に辿り着き、全員ロマンの欠片も無かったらどうしようかと思いましたが、力と大地が、 犬が何かを訴えかけてきている気がする! と思えるタイプで本当に良かった!(洋平と俊介が、意外やクール)
 子犬の案内でアジトへ乗り込み、軍曹の解放に成功した5人は、揃ってターボレンジャー!
 センターに入っての「みんな! 行くわよ!」が今となっては、はまり過ぎです(笑)
 絶好調の桃はバトン攻撃でウーラー隊長を蹴散らすも犬神ボーマの攻撃に苦しめられるが、 突撃してくるボーマに咄嗟に「おすわり!」と命令すると、本能が服従を命じてボーマの動きが止まったところにVターボバズーカでビクトリー!
 強敵描写だった犬神ボーマの撃破手段としては若干のそれでいいのか感がありましたが(一応、伏線はある)、 今となってはボーマさえ忠実に従わせる桃軍曹が、妙なはまり方を(笑)
 ちなみに予告の映像から、犬に変身する力を持った暴魔獣がはるなに接触するもほだされる……みたいな展開を予想していたのですがそんな事はなく、 暴魔百族から新たな離反者が出なくてホッとしました。
 久々にテーマ曲でターボロボがチャージアップし、勇気にターボ! 怒りにターボ!(割と好き)
 ターボロボはダッシュ一番、相撲の心でけたぐりを決めるもチェーン攻撃に転ばされるが、情け無用の銃撃から回転パンチ、 そして高速剣バッテン斬り。
 浜辺で子犬を愛でる5人の姿でつづき、若干のマッチポンプではあるものの結果として命の恩人となった野良子犬は、 はるなの家で飼う事になったのだろうぐらいの脳内補完はしても良さそうな感じでしょうか(そうしないと、 ラストシーンがだいぶ無責任になってしまうので)。
 まあ、裕福な独身貴族である太宰博士に、情操教育を兼ねて引き取って貰っても良いような気はしますが、その場合、 「そしてこれがターボドッグ。君達の新たな力だ」されてしまう可能性が20%ほどあるので各員は警戒を怠らないように。
 次回――あいつは懲りない流れ星。

→〔その5へ続く〕

(2023年3月18日)

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