■『ジャッカー電撃隊』感想まとめ6■


“四つのパワー サイボーグ 核に電気に重力磁力
オゥオゥオゥわれら ジャッカー電撃隊
われら四人のジャッカー ジャッカー電撃隊”



ダイヤジャック    スペードエース    クローバーキング    ハートクイン


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『ジャッカー電撃隊』 感想の、まとめ6(31〜最終話話+おまけ)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

戻る

〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・  〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕 ・  〔まとめ5〕


◆第31話「赤い衝撃! スパイは小学4年生」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三)
 クライムの基地で、侵略ロボット・シャチラ汗が起動。
 「隠れスパイになれ、シャチラ汗」
 「はっ。隠れスパイとは?」
 「隠れスパイとは、その土地の住人になりきり、戦略を画策する、スパイの事なり」
 侵略ロボットに、凄い、無茶言い出しましたよ!
 人生どん詰まり気味のアイアンクローの指令を受けたシャチは、港で釣りを楽しんでいた少年と玉三郎に、 何故かはっぴ姿で釣り上げられる。
 場面はいきなり切り替わり、
 「隠れスパイ心得その1!」
 本部でぐるりと回って両手を広げ、高らかに叫ぶアイアンクロー……ずるいけど、力技が頭おかしくて面白いと言わざるを得ません(笑)
 「その土地に潜り込むためには、まず、同情を引くようにする事が肝要なりぃ!」
 シャチは、戦闘ロボ試験に不合格になってしまいクライムに処分されそうになって逃げてきたと供述。更に少年が釣った魚を逃がして命に優しいアピール。
 「隠れスパイ心得その2、子供を友にする事は、100万の味方を得たも同然なり。子供の心をうるには、あ、善なる行為を行うべしぃ!」
 これまで、作戦発案能力に大いに疑問のあったアイアンクローですが、今回非常にいい所を突いています(笑)
 玉三郎から連絡を受けて港へやってくるジャッカーだが、少年はシャチを自宅である町工場へ連れて行き、 逃亡時に負ったという損傷をその父親が修理していた。
 「すぐこっから出てってくれ」
 「シャチラ汗は、いいロボットなんだよ!」
 「なに言ってんだい。クライムなんかと関わり合いになりたかないよ」
 「そうだ、出てってくれ」
 息子の頼みで修理まではするけど、なぁなぁでほだされないという不審なならず者への対応で、 妙な所で世界のバランスが保たれました(笑) まあ、クライムのロボを修理する時点で、前半の世界からは改めて崩壊しておりますが(^^;
 ところがそこへ故障した車が持ち込まれ、手を怪我している父親に代わり、機械いじりの得意な所を見せたシャチは、 家族の信頼を得て住み込みで就職する事に成功。
 「隠れスパイ心得その3。隠れスパイは、まず、身辺の者の信用をうるべし」
 シャチが順調に潜入任務を進行しているとは知らず、クライム抹殺すべし、とやたら軽快なBGMと共に現れたジャッカーは、 今日も問答無用で跳び蹴りを浴びせてシャチを袋だたきにするが、少年がそこへ割って入る。いきり立つジャッカーだが、 少年の両親もシャチの味方に回り、一旦引き下がる事に。
 「このところ宇宙怪物で攻めてきたと思ったら、なるほど、今度は侵略ロボットってわけですか」
 クライム側の自称がいつの間にかジャッカーとの共通認識になっているという、よくありがちな褒められない展開なのですが、 今回は生ものではくロボット、というのがそんなに重要な点なのか、というのがそもそもよくわかりません(笑)
 一見善良に見えても、クライムはクライムだから悪に違いない、とデビル野球回のトラウマを胸に、 24時間の監視体制を取るジャッカーは、ごく自然に一般家庭を盗聴。
 「ロボットらしい台詞がどこにもないな……こいつは相当なヤツだ、気をつけろ!」
 シャチが最初からクライム側にスパイだと断言されている所が違いますが、無害を自称する怪ロボットが現れ、 それに振り回されるジャッカーという基本の流れはまるっきりデビルバッター回。今作都合3回目ぐらいの、 「この展開は前にもやったような……」で、例の如く例のように大先生が書きすぎなのでは疑惑なのですが、 一方で大先生以外が脚本書いて面白かったのは曽田博久の第10話ぐらい、というのが如何ともしがたい(^^;
 「サイボーグにならんか?」に始まり、『ジャッカー』世界はごく普通に何かが狂っているのですが、その、 ごく普通に何かが狂っているという部分において、上原正三の色がかなり強い作品なのかもしれません。そう考えると、 そんな空気と親和性が高かったのが後に80年代戦隊の要となる曽田博久であった、というのは何か納得するものがあります。 戦隊で更にその後を引き継ぐ杉村升も、まさにこの、ごく普通に何かが狂っているラインですし(笑)
 で、曽田戦隊と杉村戦隊の狭間であり、戦隊史におけるターニングポイントである『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)が、 主人公を狂気に落とす所から物語を始めていたのは、戦隊史を見つめて戦隊を組み立て直す、という作品の意識において、 必然であったのだと、改めて思う所(上述の3人と比べると、井上敏樹は正気と狂気の境界線がある人ですし)。
 その後、そんな狂気が時代と合わなくなっていき、『激走戦隊カーレンジャー』(1996)において、 北極星まで走り抜けて一度ビッグバン。
 こう見ていくとメインライターに武上純希を抜擢し、中盤から小林靖子を投入した『電磁戦隊メガレンジャー』(1997)は、 歴史的には“新世代の戦隊”という指向性を持っていたのかと思われ、恐らくそれが一つのゴールに到達したのが、 『未来戦隊タイムレンジャー』(2000)だったのではないか、と……勢いで繋げてみましたが、話半分ぐらいで。
 町工場に放置されていたラリー用の車に目を止めたシャチは、ラリーに出場する方向で少年と盛り上がり、 その整備を始めるが…………その格好で、出場、出来るのか(笑)
 ところが、深夜熱心に車の整備を行うシャチは、体内からこっそりと怪しげなマイクロフィルムを取り出すのであった……。
 「隠れスパイ心得その4! 隠れスパイは、戦略を臨機応変に駆使する為に、生活環境を隅々まで、熟知すべし!」
 その後もシャチは完全な偽装工作を続け、小学校で少年と一緒に授業を受けていた所へジャッカーが乗り込むと、 ジャッカーが小学生から総スカンという図には、なんだか、メタな悲しみも感じます(笑) すっかり下町に馴染み、 銭湯で気持ち良く歌い、帰りにおでん屋台でちょいと一杯に付き合うシャチを、暗がりに連れ込んで警告する桜井。
 「人々はこんなに平和に、楽しそうに暮らしてる……それを破壊する事は、許さんぞ!」
 最近は物価高で困るわねーと愚痴りながらも一家団欒、というシーンがあったのも効き、軽いギャグシーンであったものが、 映像として“ジャッカーが何を守っているのか”を見せる効果を発揮した事で、ここで話に変な深みが。…………まあ、 残念ながらこの要素は特に活かされずに終わってしまうのですが(^^;
 そしてこれらのシーンから見える、この世界が凄く普通にネジが狂っているのは、「クライムは悪」として一般大衆にも認識されており、 「変なロボットはだいたいクライム関係だから悪」という所までは共通だが、そこからクライムという要素が切り離されると、 「変なロボット」そのものは、全く差別の対象では無い事。
 ここに来て、ジャッカー達が、サイボーグなので生き辛い……といった描写が無いのは、 世界そのものが大らかににネジが狂っているから、といった真相が明らかに(笑)
 その頃、アイアンクローの元にシャインが現れ、アイアンクローの口から語られる「下町要塞計画」という言霊が、 凄まじい破壊力。
 シャインにせっつかれたアイアンクローは構成員を町工場に送り込んで計画を早めるように連絡し、 構成員に「シャイン様が痺れを切らせているとの事です」扱いされるシャイン(笑) その光景を目にした少年は構成員に捕まってしまい、 シャチは体内の装置を入れ替えてパワーアップ。
 「シャチさん、悪いロボットだったの……?」
 「隠れスパイ心得その5! 隠れスパイは、目的の為に手段を選ぶべからず。鬼となるべし……!」
 翌日、町工場へ異変ありと連絡を受けて向かった桜井とカレンは、そこで待ち構えるシャチと構成員、 そして囚われた一家の姿を目にする。
 「下町要塞へようこそ」
 「下町要塞?」
 「難攻不落の要塞だ」
 「街の中ではうかつに攻撃できないからな!」
 確かに港・島・山中だと、桜井が容赦なくミサイルをぶっ放すからな……!
 「だから下町を選んだのね」
 「見よ! あれがカーミサイルだ!」
 シャチがラリーカーを改造して密かに作り上げたのは、車の先端に小型水爆を搭載し、中に人質を乗せたまま目標(ジャッカー基地) にマッハで突っ込んでいく迎撃不能のカーミサイル!
 一家を助けようと生身でバトルする桜井とカレンだが、人質を盾にされて捕まり、 まとめてトランクの中に詰め込まれてしまうという悲惨な扱い(笑) いよいよカーミサイル発射のその時、突如現れる女神輿。 神輿を先導する男に乗せられ、任務を忘れて喜んでそれに加わってしまうシャチと構成員、という、まあ、 こんな事になるのではないかと覚悟はしていましたが、ドラマもサスペンスもビッグ・ボンバー!
 前回と同じく、ひとしきり大騒ぎの後、正気の残っていた構成員が止めに入って任務を思い出すというパターンでしたが、 そんなもの、パターン化されても嬉しくありません……(笑)
 この大騒ぎの間に人質(桜井&カレン含む)は解放され、完全にデウス・エクス・マキナと化した番場は、 さらし姿のちらりズムから早着替え。基本デビルバッター回をまるまる踏襲しながらも、最初に「スパイだ」と断言しておく事で、 逆に侵略ロボの葛藤が描かれるのかもしれない……と期待させるという、プロット被りを逆手に取った裏技に、 アイアンクローの一人芝居のインパクトという力技をミックスして割と面白かったのですが、 クライマックスで何もかも木っ端微塵に粉砕されました。
 敵も、味方も、物語さえも、あらゆる時空で全てを粉砕するビィッグ・ワン!!
 クイーンがピンクレディーをBGMにセクシー光線を放ったりしつつ、シャチのかみつき攻撃に苦戦するジャッカーだったが、 問答無用に例のやつが発動。前回のエース救済は、気の迷いだったようです。シャチはトウモロコシに喜んで噛みついて大爆死し、 悪は滅びた。ラストは、ラリーに向かう一家を見送って大団円……てその車は、シャチが宇宙由来の科学で改造した車ではないのか(^^;
 ナレーション「シャチラ汗の下町要塞は滅びた」
 という言霊が、最後まで凄い(笑)
 最後は番場が吹き飛ばしてしまうの前提なので、盛り込んだ要素に収拾つけるつもりが無いという点で酷い話なのですが、 桜井の台詞は格好良かったし、途中までは面白かったので、最後まで真面目に書いてほしいエピソードでした。残念。

◆第32話「どっちが本もの?! 危うしビッグワン」◆ (監督:竹本弘一 脚本:長坂秀佳)
 ここでまさかの、長坂秀佳。
 いきなりの、
 「番場だーっ!」「ビッグワンが忍びこんだぞ!」
 という騒ぎから、クライム構成員を軽々と蹴散らしていく番場壮吉。と思ったら、
 「馬鹿者ー! この儂に何をするかぁ!」
 と何故かアイアンクローの姿に。ところがそこに現れる、もう一人のアイアンクロー。実は番場とアイアンクローの姿をしていたのは、 8つの顔を持つカメレアン大隊長であった、というサービス満点の入り。
 その頃、本物の番場は珍しくゲスト少年と絡んでいた。父はアメリカで研究中の高名な博士で、 父親と離ればなれに暮らして寂しい少年に、博士の知人である番場が気を遣っているという事なのですが、母親が病死した後も、 帰国するわけでも息子をアメリカに呼ぶでもなく、日本に置いたままの父親が随分と鬼畜な感じに。
 ……いやまあ、実家に預けているとか、そういう事かとは思われるのですが、番場の知人だし、カレンが警護につくしで、 アメリカで何の研究をしているのかも不安になってきます。
 場面変わって、ジャージ姿の桜井・東と、レオタード姿の9号・10号が戦闘訓練をしている所に番場が現れ、緊急出動の命令を下す。 だがそれはカメレオンの変装で、スカイエースごとクライムに捕まってしまう桜井と東。続けてカレンもクライムの襲撃を受け、 カメレオンの化けた少年に騙され、囚われの身となってしまうのだった。
 大地は道で困っていた老婆を助けていた所にクライムの襲撃を受け、駆けつけた10号に助けられるが、その10号がカメレオンの変装。 正体を現したカメレオンは老婆を人質に取るが、突然、老婆から激しい打撃の連打を浴びる。
 「ええっ?! おばあちゃん、あなたはいったい?!」
 「貴様が8つの顔を持つ化け物なら、さしづめこの俺は、88の顔を持つ白い鳥人てわけだ。ふふふはははははは」
 「ぬぅ、来い!」
 カメレオン、口から火を噴くマシンガン!
 「うわぁぁ! ぐぁぁっ!!」
 派手なモーションで、歩道橋から落下していく番場。
 …………長坂先生、そのまんますぎます……(笑)
 大地もあっさり捕まり、5話ぶり4回目の4人まとめて磔にされるジャッカーだが、処刑寸前、「ははははははは、ズバッとかいけ」 じゃなかった、構成員に変装した番場によってスカイエースごと救出されて事なきを得る。 すっかり無抵抗で磔が板に付いてきたジャッカーは、もはや処刑されたがっているようにさえ見えてきます(^^;
 矛先を変えたカメレオンは番場に変装して少年を連れ去ろうとするが、今度は警官に扮装した番場がその前に現れる。
 「私も、番場壮吉なんだがね」
 と、カメレオンを食い止める番場は洒落ていて格好良いのですが、どうして3話前にやったネタと、別の脚本家なのに類似しているのか、 色々と末期症状の雰囲気(^^; 矢継ぎ早の展開に、一人二役の妙味を加え、楽しいといえば楽しいのですが作品としては悪い意味で開き直っている感じに。
 ジャッカーはカメレアン大隊長を捕虜にする事に成功し、カレンは少年を警護。
 「男の子はね、もっと強くならなくちゃ駄目よ。うんと強くなって、お父さんが帰りになったらビックリさせてあげなくちゃ」
 つまり、
 「いよいよピンチの時は……相手の目を狙うのよ」
 て事ですねカレンさん!
 珍しくカレンが綺麗なお姉さんモードを発動するのですが、父を殺害されているカレンが、 父親と離ればなれで寂しい少年を励ますという繋ぎ方は、長坂さんの色でしょうか。
 ところが尋問しようとしていたカメレアン大隊長が玉三郎に化けて脱走に成功し、少年は今度こそ人質としてさらわれてしまう。 初めは眼中になかった少年が物凄いキーパーソンのような扱いになっていますが、段々、誰が人質でも良くなってきています(笑)  ……まあ、玉三郎だとさらっても見捨てられそうだけど。
 大量の構成員で待ち伏せするクライムに対し、ジャッカーは無線操縦のスカイエースを囮に使って、殴り込み。人 質そっちのけのバトルが始まり、今までも多少はありましたが、バトル中のギャグ要素が大幅に増量。 カメレオンの口からマシンガン乱射をかわすのがカメレアン踊り扱いを受け、 祭り囃子をバックにジャッカーがえらいこっちゃえらいこっちゃでしばらく続き(これも何か、時事ネタなのでしょうか……)、 そこで発動する救世主ビッグ・ボンバー!
 初めて、ビッグ・ボンバーがあって良かったと思いました(笑)
 しかしボンバー炸裂寸前、カメレオンはまさかの逃亡。ジャッカーが逃げるカメレオンを追って砲台を転がしていくと、 そこには二人の少年がという、ビッグ・ボンバーが途中で止められる、人質の存在は忘れたわけではなかった、と二重に衝撃の展開。
 瓜二つの少年の姿にどちらをボンバーすればいいか迷うジャッカーだが、 ビッグワンが父親が帰ってくる日を知っているのが偽物だと閃いてかまをかけ、 正体を現したカメレオンを嘘つき退治のペンチでボンバー抹殺。
 「これじゃ宇宙に帰れあーん!」
 て、今回は宇宙怪物だったのか……。
 宮内洋に続き、『快傑ズバット』打ち切りでリビドーを持て余す長坂秀佳が参戦し、番場壮吉大盛り。 番場を少年ゲストと繋げるというオーソドックスな手法で物語の中に取り込み、当然ビッグ・ワンの唐突感は減じているのですが、 そうすると今度はジャッカーの存在が不要になるというこの必然的帰結。今作の置かれた、 絶望と限界を見ます(^^;
 次回――サブタイトルが凄い。

◆第33話「電撃隊全滅か?! クライムのお料理教室」◆ (監督:山田稔 脚本:押川国秋)
 冒頭から死刑執行されそうになっているジャッカー……だがそれは、バッファロー提督による自爆攻撃部隊の実験であった。 実験で構成員を無駄死にさせるバッファローは無能なのではと疑ったら、 本当に無能だったというエピソード。
 珍しく(初?)桜井のナレーションにより状況が説明され、科学特捜隊のキャンプ地で起きた隊員同士の乱闘事件を止めに向かうジャッカー。 だがそれは牛の罠で、そこにクライムの自爆部隊の突撃が次々と迫る!
 小型爆弾を握りしめてジャッカーへ特攻しては消し飛んでいくクライム構成員、という絵はなかなか刺激的なので、 むしろ冒頭の「これから自爆攻撃をやりますよ」という合図が不要だった気がします(^^;
 ……まあ終わってみるとサブタイトル前半の「電撃隊全滅か?!」はこの冒頭のシチュエーション以外なかったという事になるのですが、 色々な末期症状に、アベレージの低い押川脚本が加わって、非常に底辺を這いずる出来。
 「玉三郎の話のオチのように、クライムの次の手がわかるといいんですがね」
 は面白かったですが(笑)
 続いて、カレンの誕生祝いにと変な犬が持ってきたワインに幻覚症状をもたらす毒物が混入されていたという事件が発生するが、 味見した玉三郎が錯乱した事で、ジャッカーの4人は事なきを得る。
 「変な犬」(実際に劇中でこう発言)が持ってきたワインを普通に受け取ったり、 桜井が思いっきり蹴り飛ばした犬が天高く吹き飛んで爆発したり(ロボット犬でした)、悪い意味で見所が連発。
 アイアンクローから、こいつ駄目なんじゃ……という視線を向けられた牛は、 玉三郎を倉伊武クッキングスクールに招いて毒薬スパイスを持たせようとするが、それは敵の次の手を読んだ番場の変装で、 何故か台所でコントアクションが展開。面倒くさくなって正体を現す牛(なお、変装したスクール講師役は、中村正)だが、 番場に好き放題されて毒薬を台無しにされてしまう。
 正直、宮内洋の、変なおじさん的変装演技が、全く面白くないというのが、どうにも困った所。
 この失策によりアイアンクローから解雇通告を受けた牛は、見事な番場の声真似を用いて9号と10号を誘拐すると、 ジャッカー本部に通信を送る。
 「どうしてバッファローがこちらの無線を?!」
 あ、そこツッコむんだ桜井(笑)
 一騎打ちの申し出を受けた番場は、アキラルックに身を包むと指定された牧場へと向かい、 待ち伏せていた構成員を次々と撃破しいくという、なんかもう、映像的に色々と駄目すぎる展開(笑)
 せこい作戦で番場を殺ったとほくそ笑み、バーで一杯としゃれ込んでいた牛は、そこへ入ってきた番場を見て、
 「こいつ……誰だ貴様。見た事の無いやつだ」
 …………え、これも、変装の一種なのですか。
 どう見ても番場なのが番場だとわからない点についてはマンガ的表現とするにしても、そうすると今度は、 番場は一騎打ちを受けた上で正面から堂々と別人のフリをして乗り込んできた事になり、 物語としても劇の効果としても意味不明にすぎます(^^;
 思えば玉三郎の顔もわかっていなかったし、頭悪すぎるのでは牛。
 その頃、ジャッカーは処刑寸前の9号と10号を助けて、活躍の場があったよ!
 そして、番場に翻弄され、逃げてきた牛の前に立ちはだかるジャッカー。
 「待て!」
 「出たなジャッカー!」
 ……なんでしょうこの、横山『三国志』的展開で伏兵扱いされる主人公達。
 クライマックスでは牛の鞭攻撃に苦戦し、次々と角で吹き飛ばされるジャッカーだが、赤い布を閃かせて闘牛作戦で反撃。 牛が転んだ所にビッグボンバーが発動し、ボンバーそしてアローで、凄く普通に矢が突き刺さって牛は爆死。そろそろ、 考えるのも面倒くさくなってきたのか……。
 前回に続いて番場壮吉盛りで進んだ結果、全編ジャッカーが、別働のお助けキャラのような扱いで、 もはや流れる涙もありません。

◆第34話「潜入! クライム要塞島」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三)
 「アイアンクロー様、いったいどういう計画なんですか。この要塞島に、巨大なロケット装置を取り付けるなんて」
 「儂にもわからん。儂はシャインの命令通り計画を進めておるのだ」
 おーい……。
 そんな人生崖っぷちのアイアンクローは、シャインから派遣されたイカルス大王により、遂にクライム司令官の座から降格されてしまう。
 額に<王>マークの輝くイカルス大王の伝えたシャインの目的――それは、 強力なロケットエンジンにより地球を第二銀河系・シャイン星の近くへと運んで植民地にしてしまおうという、スターダスト計画!
 クライムによる世界征服が白い異次元の妨害でにっちもさっちも進まない為に、シャインが強硬手段に出るという急展開。一方、 偵察中のスカイエースでも大地の煽りを受けて桜井とカレンが妙にいい雰囲気になっていちゃいちゃするという急展開をしていたが (一応、「黄金のマスク」回で振りあり)、イカルス大王がそこへ戦闘機部隊で奇襲を仕掛けた事で、 ジャッカーはクライムの秘密基地の存在を察知する。
 ポイントにあった無人島に潜入する桜井とカレンだが、罠にはまったカレンが負傷。単身クライムの基地へ乗り込んだ桜井は、 スターダスト計画の存在を掴むも、イカルス大王によって麻酔ガスを浴びてしまう。 増援に現れたビッグワンもアイアンクローの足止めを受け、エースを助ける為、カレンは決死の覚悟で独り基地へと向かう……。
 「我が宿敵、ビッグ・ワン!」とジャッカーを完全に無視したアイアンクローが、重いローブとアフロを脱ぎ捨て、 顔を銀色に塗りたくったバトルモードにフォームチェンジし、ビッグワンも初の立ち回り。
 元々キャラクター造形の不安定だったアイアンクローは、シャインの計画を知らなかったり、 ビッグワンとの一騎打ちにこだわりイカルス大王と対立したり、現地の使いっ走り感がいよいよ増してきましたが、 ここに来て己の誇りを優先するような動きを見せており、最終局面でどんな影響をもたらすのか。
 イカルス大王の輪投げ攻撃を受けた隊長は青たん作って本部に帰還し、取り残される形になったカレンは、 「エースを助けなければ……」と単身基地への潜入を目論む。再び、1話で命がけで助けられた恩を返さなくてはならない、 と回想シーンが入って強調され、基地内部へ潜り込んだカレンは、手術台に横たわる桜井を発見。
 「エースを助けなければ、解体されてしまうわ」
 という台詞がいきなり飛び出してくるのは、本当に凄いと思います(笑)
 桜井の救出に成功するカレンだが、逃亡中に手榴弾で吹き飛ばされ、二人まとめて川に転落。これにより桜井は目を覚ますが、 負傷による流血の激しいカレンは、更に追っ手の銃撃をその身に受けてしまう。
 「逃げて……私は足手まといよ」
 「余計な心配するな」
 画面に収める都合なのでしょうが、二人の顔がいちいちやたら近くて、ちょっとドキドキします。
 息も絶え絶えのカレンに桜井が肩を貸しての逃避行はかなり尺を割いて描かれ、なかなか迫真。前回、お料理教室だったとは思えません。
 「行きたかったわ……あなたと……」
 「口を聞くな。傷に障る」
 「エーゲ海の島巡り……」
 「カレン」
 「青い海……白い、ヨット」
 「行けるさ。今にきっと行けるさ。しっかりしろ、カレン!」
 「楽しい、夢……美しい、希望……」
 「――カレン!? 死ぬな! カレン! 死ぬんじゃない、カレン!!」
 前半のいちゃいちゃが思わぬ伏線となり、意識を失うカレン。更に悪い事にそこをイカルス大王と部下に見つかってしまい、 追い詰められる二人。「危うし、桜井とカレン……」とナレーションが入って、まさかのジャッカー戦闘無しのまま、次回へ続く。
 途中でビッグワンの戦闘シーンが入った理由に納得しつつ、東と大地がスカイエース故障中なので変身したまま殴り込みがかけられないと焦れる一方、 ビッグワンが単独で島に乗り込んで戻ってきている辺りが、どうにも台無しですが(^^;
 果たして二人の、そして地球の運命や如何に?! 次回、最終回――。

◆第35話「大勝利! さらばジャッカー」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三)
 桜井とカレンが追い詰められたその時、突然現れたシャインが「怪我人2人は無視して本部を防衛しろ」と告げるが、 それは番場の物真似だった。ビッグワンがイカルス大王を引きつけている間に、キング、ジャック、 女性隊員がやってきて桜井とカレンは脱出に成功。
 前回あれこれ困っていましたが、結局、凄く普通にボートで乗り込んできました!
 ビッグワン、ジャック、キングの攻撃を受けたイカルス大王は基地に逃げ込むが、そこで仲の悪かったアイアンクローにあっさり 「死刑!」にされ、あえなくリタイア。鉄の爪は、シャインから太陽系のエンペラーに任命される。
 「ジャッカー! 目に物見せてやるぞ。この、太陽系のエンペラーがなぁ」
 なんとなくラスボスっぽい雰囲気を与えられるアイアンクローですが、道着風衣装に灰色に塗りたくった顔、 というデザインはもう少しどうにかならなかったのか(^^; そもそもアイアンクローの言動が不安定な事もあって、 どう頑張っても中ボスぐらいにしか見えません。……同時期に放映して同じく打ち切りの憂き目にあった某作品も、 ラスボスが全員金色で奇声をあげる謎の男でしたが、予算か、予算がなかったのか。
 ジャッカーは要塞島から一時退却し、一刻も早く手術が必要なカレンの為にジョーカーが緊急帰国するが、 その妻子がアイアンエンペラーにさらわれてしまう。
 「そんな脅迫には乗らんぞ。直行しろ」
 「しかし!」
 「カレンの手術が先だ! 急げ」
 「鉄の爪は冷血な男です。虫けらのように人間を殺す男です。第三埠頭へ向かいます」
 職務の為に妻子の命を後回しにしようとするジョーカーと、敢えてその命令を無視する東、 とここはこの2人の渋い男同士の関係が出て良かったです。
 言われた通りに埠頭に向かった東とジョーカーは、鉄の爪によってトラックの荷台に詰め込まれてしまい、 ジャッカー本部に自分たちが捕まった事を連絡する羽目に。ジョーカーが居なくてはカレンの命を助ける事が出来ないと苦悶する桜井達…… ここに至って、実に地味な作戦で、最終回らしいハッタリの一つもありません(^^;
 瀕死のカレンを前にして、
 「早く手術をしないと、回路自体が爆発してしまいますよ!」
 は、とても『ジャッカー』で良かったですが(笑)
 「キング……君は科学者の卵だった……手術をしてくれ」
 「カレンの手術を。僕が!?」
 「そうだ」
 「……冗談じゃない」
 「俺は本気だ。――頼む」
 また無茶ぶり来たーーー。
 おまえ、手先が器用だから人形ぐらい直せるだろう、と同じレベルでサイボーグの修理なんて出来ないんですよ桜井さーーーん。
 番場と桜井にすごまれ、覚悟を決めてメスを握る大地だが、結局施術に踏み切る事が出来ない。
 「失敗したら、カレンは死ぬ。……死なせたくないんだ。死なせたくないんだ!」
 そこへ玉三郎がやってきてカレンの為のスープを置いていく、というのはいいシーンにしようとしたのでしょうが、 玉三郎の存在自体がノイズのようなもので、どうにもいいシーンになりません(^^;
 このままではアイアンクローの思惑通り、カレンが爆発するのをただ見ているしか出来ない、というかその場合、 この基地は大丈夫なのか、爆発する前に地下に隔離するなり海に沈めるなりしなくてはいけないのではないか、 とタイムリミットが刻一刻と迫っていくその時、番場がジョーカー救出の方法を閃く。
 所変わって第三埠頭、アイアンクローは何故か人質達と一緒にトラックの荷台に座り込み、カレン爆発の時を今か今かと待ち構えていた。 だがそこへジャックタンクでやってきた番場達は、タンクをトラックの荷台に横付けすると、中に冷凍ガスを吹き込む事で、 人質ごと爆弾を凍らせる! …………「爆弾」?
 恐らく尺の都合なり何なりで台詞がカットされたのかと思うのですが、Aパートで全く言及のない爆弾が突然ここで存在している事になり、 非常に困惑する展開。成り行きから察するに、「人質を閉じ込めたトラックに爆弾が仕掛けてあり救出しようと扉を開けただけで大爆発してしまうのだふはははは」 という事なのでしょうが、一緒に乗り込んでいるアイアンクロー含め、最終回クライム最後の作戦が、 物凄く意味不明な事になりました。
 氷漬けの状態で救出された人質達はさっそく基地で解凍され、アイアンクローはそのまま鉛の箱に閉じ込められると、 番場の指示で地下深くに埋められる事に。回復したジョーカーがカレンを手術し、結局、 大地も大地の葛藤もまったく意味が無かったという事に(^^;
 こうして前回のメロドラマなど忘れる勢いで再起動したカレンが復帰したジャッカーは、最後の戦いとばかり、 スカイエースで要塞島へと突撃。だが同じ頃、棺の中のアイアンクローが自力で蘇生すると逆にジャッカー本部を強襲する!
 要塞島へと突撃したジャッカーの前にはシャインが姿を見せ、ジャッカー本部では番場とアイアンクローが最後の対決を迎える、 と今作の抱える格差を上手く利用した分割展開そのものは良いアイデアなのですが、 最後だからと強化カプセルでの変身シーンを入れるわけでもなく、至極あっさり要塞島へ突入してしまうなど話の緩急が弱く、 今ひとつ盛り上がりません(^^;
 シャインの正体を突き止めたジャッカーは要塞島を壊滅させると本部へ舞い戻り、ビッグワンとアイアンクローの最終決戦に参加。
 「「「「「我ら、ジャッカー電撃隊!」」」」」
 ここで、初めてのビッグワンを加えた5人での名乗り。
 「シャインの正体はこれだ! よく見ろアイアンクロー」
 エースは要塞島で手にした、機械部品の固まったボールのような物体をアイアンクローに投げつけ、 それはアイアンクローに向けて「おまえは太陽系のエンペラーだ……」発言を繰り返す。
 「貴様は操り人形だったのさ」
 「……そうだったのか、くそぉ!」
 と言われても、アイアンクローは元々現地の小間使いであり、シャインの操り人形だったのは既にわかっている事で、 ここを強調したのと、シャインの正体が“壊れた機械”として描かれているのは、シャイン−クライムという構図を隠れ蓑にし、 宇宙生命体シャインという仮の姿をメッセンジャー代わりに使っていた真の黒幕が存在しているという解釈で良いのでしょうか。
 つまり、宇宙人なんて本当は居なかったんだ! 的な。
 ……まあそう考えると、スターダスト計画が凄く謎なのですが、これ、実は「スターダスト計画、実行!(ぽちっ)」とやると ロケットエンジンが火を噴いてクライムの基地が消し飛ぶというトカゲの尻尾切りで、 ジャッカーとビッグワンが手を下すまでもなく、役立たずで用済みの組織として破滅していたのでは、クライム。
 「正義の怒りを、受けてみろ!」
 「儂の怒りも受けてみよ!」
 いよいよ最後の戦い、ジャッカーは戦闘員を蹴散らしてアイアンクローを取り囲むも特殊攻撃を次々と弾かれるが、 アトム撃ちを皮切りに少しずつ装甲を削り、連続攻撃ジャッカークロスを炸裂させる。
 更に追い打ちのジャッカーアタック時間差攻撃を放つが、かわされる。
 電光キックも、跳ね返される。
 嫌な予感がしてきたその時、
 「ビィッッグ・ワァン!」
 勝手に飛び出た白い鳥人が戦いの主導権を奪うも、そのビッグワンとも互角以上の戦いを見せる鉄の爪だが、 遂に情け容赦なく例のヤツが発動。
 「ジャッカー必殺武器――ドブネズミ! ビッッグ・ボンバー!」でネズミの作り物に噛まれたアイアンクローは、 太陽系のエンペラーになるという野望を果たす事なく、大爆死するのであった。
 ……ラスボスの散り様としては、史上に残るがっくり具合ではないでしょうか。
 最後はなんとなく、みんなで夕陽の中を歩いてエンド。なお特にジョーカーは出てこず、手術だけして後は家で妻子と団欒しているのか、 ジョーカー。
 うーん……テコ入れ虚しく打ち切りだったと思われるにしても、泥船が泥の海に沈んでいったような、冴えない最終回でした。 前回あおった「スターダスト計画」もどこかに消えてしまいましたし、最終回らしいハッタリが全くないまま、惰性で終了を迎えた感じ。 カレンが死にかけたり、大地の迫真の葛藤などあるのですが、結局番場の見せ場にすり替えられ、 大地はへたれのまま終わってしまいますし(^^;
 道中ところどころ面白かった作品ではあるので最後の意地を見たかったのですが、むしろ眠るように終わりを迎えてしまい、残念。 前半の地味すぎる造りから、路線変更やむなしだったとは思うのですが、あまりにも世界の壁を突き抜けすぎてしまいました。 ただ、
 「サイボーグにならんか?」
 は本当に名台詞。
 以上、『ジャッカー電撃隊』感想でした。詳しい反省会は、総括に回したいと思います。

おまけ:◆劇場版『ジャッカー電撃隊vsゴレンジャー』◆ (監督:田口勝彦 脚本:上原正三)
 ※20011年に初期の東映Youtube(古い映画が何本か上げられていた)で視聴した感想です。 この当時は配信中の『ゴレンジャー』を少し見ており、『ジャッカー』に関しては基礎知識のみ。 本編のボスだった筈のアイアンクローが劇場版でも死んでいるけど本編ではどうなったのかと思ったら、本編でも爆死していました。 細かい事は覚えていないのですが、こちらのアイアンクローは復活アイアンクローという事のようです。 しかし、アイアンクローはどう転んでも酷い最期だ……(^^;

 1978年の春休み東映まんがまつりにて上映。
 映画、とはいっても25分弱でTVシリーズの1話とほぼ変わらない為に、鬼のように駆け足でストーリーはあってなきがごとし、 のヒーロー共演お祭り映画です。
 カレンの買い物の荷物持ちをさせられていたジャッカー電撃隊の面々は、突如現れたUFOを目撃する。 スカイエースでUFOを追うジャッカーだったが、これは彼等をおびき寄せる為のクライムの囮だった。ジャッカーがUFOを追う間に、 国際科学特捜隊の基地が次々と襲われ、大量のウランが強奪される。
 現場に残された武器から、敵の素性が世界各地でヒーロー達と戦う悪の勢力だとわかるのですが、

 「サハラ砂漠を根城にするサハラ軍団のサブマシンガン」

 ってなんだ(笑)
 ここで、サハラ砂漠ではゴレンジャー、南米ではアマゾン、など、世界各地でヒーロー達が今も戦っている、とのネタ。
 そしてクライムは、手に入れたウランを使って水爆を製造し、世界7ヶ国の都市を爆撃するという計画を立てていた。
 会議室での、石橋雅史、安藤三男、潮建志、天本英世、金田治の豪華共演は、 全員が変な被り物というのもあって壮観で、この映画、最大の見せ場(笑)
 モモレンジャー/ペギー松山のゲスト出演などもありつつ、スパイの情報からクライムのアジトに潜入するジャッカー。 そして始まる最終決戦。四天王率いる四大軍団と戦うジャッカーの元に、ゴレンジャーが駆けつける!
 ただ、ゴレンジャー5人に対し、ジャッカー4人の為、うまくタッグマッチできず、 戦闘シーンのバランスは正直ちょっと悪いです(^^; 雑魚を蹴散らし、クライム四天王との戦い。
 しばらく鍔迫り合いの後、なんとここで、合体・四天王ロボ登場。
 いや凄い、安藤三男と潮建志と天本英世と金田治が合体して、声が飯塚昭三になるという、 まさに東映スペシャル。
 ……このロボットが実にまた、格好悪いのですが。
 投げやりな名前と見た目の格好悪さとは裏腹に、ゴレンジャーハリケーンもジャッカーコバックも通用しない四天王ロボ。
 二大戦隊が危機に陥ったその時、謎の釣り客が闖入……アイアンクローが「死刑!」と鉄の爪を投げつけるとひらりとかわしたその男は………… そう、ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉!
 というわけでここからは、皆さんお待ちかね(?)の、ビッグワンのターン!
 出て来るやいなや場の主導権を握り、「ゴレンジャーとジャッカーの力を合わせるんだ!」と指揮。ゴレンジャーハリケーンを受け取り、 ビッグボンバーとの合わせ技で、四天王ロボを撃破。絵面的には、力を合わせているというより、 ビッグワンが好き勝手しているだけにしか見えませんが平常運転です、問題ありません。
 四天王ロボは、映画だから、という感じで派手に爆発しているのですが、何が爆発したのかわからないぐらいカメラが遠くて、 火薬仕掛けすぎてカメラ近寄れなかった疑惑。
 四天王ロボは倒したものの、アイアンクローは円盤で脱出、「このままでは水爆を投下されてしまう」と心配するが、 実は番場壮吉が登場時に、投げつけられた爪をすり替えていた! ビッグワンの操作により、円盤内部で爪が暴走、 円盤は空中で大爆発し、今度こそクライムはその息の根を止められるのであった……うん、なんか、日本史上、 宮内洋だけに許される暴挙だなぁ。
 基本的に、凄く酷い映画(笑) お祭りにしても、酷すぎます(笑)
 ちなみに当時の併映作品は、『世界名作童話 おやゆび姫』『惑星ロボ ダンガードA 宇宙大海戦』 『キャンディ・キャンディ 春の呼び声』『一休さんとやんちゃ姫』。……カオスすぎるぞ、東映まんがまつり。
 なおWikipediaの記述によると、当初の企画は『ジャッカー電撃隊』vs『大鉄人17』だったそうなのですが、 阿鼻叫喚の大惨事しか見えません……(^^; まあ剣持は、単独で犯罪ロボと戦えそうですが!

(2016年2月21日)
(2017年3月19日 改訂)
戻る