■『ジャッカー電撃隊』感想まとめ4■
“ビィッグ・ボンバーー!”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『ジャッカー電撃隊』
感想の、まとめ4(19〜24話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・
〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ5〕 ・
〔まとめ6〕
- ◆第19話「真っ赤な大冒険!! 底なし魔境の鬼退治」◆ (監督:平山公夫 脚本:上原正三)
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見所は、秘境探検もの風かと思ったら、大人げなくジャックタンクでジャングルに乗り込むジャッカー。
鬼山のジャングル地帯で行方不明者が続出し、捜査に向かうジャッカー。実は付近にはクライムの資金源となっている隠し金鉱があり、
クライムは地磁気を混乱させて飛行機などが周辺に近づけないようにした上で、入り込んだハイカーを鉱山の労働力として誘拐していたのであった。
ジャングル探索組(桜井・大地)、ベースキャンプ組(東・カレン・女性隊員8号&9号)、双方の状況を混乱させるゲスト少年、
で展開するのですが、分割進行が今ひとつ面白くならず。これといって面白みのないまま、淡々とタイトル倒れになってしまいました。
クライムボスが登場せず、デビル鬼(仮名)が指揮を執っている、というのが回の特色。
- ◆第20話「暗黒の使者!! 透明怪物が闇を走る」◆ (監督:平山公夫 脚本:押川国秋)
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シガール王国に伝わる巨大サファイア・ブルータイガーが日本で展示される事になり、その警備を行う事になるジャッカー。
王家の秘宝が日本に持ち込まれる事に関して、「それだけ日本は、安全な国というわけだ」とジョーカーがのたまうのですが、
ど こ が。
……それとも、諸外国はもっと無法者が跋扈して無政府状態なのか。
同時期にシガール王国の第三王女が来日し、サファイアと王女、両方の警備を担当するジャッカーだが、案の定襲い来るクライム。
更に身内に裏切り者が居て、サファイアは奪われてしまうが、それは真っ赤な偽物であった。
「たわけめ! またわしに恥をかかせおったなぁ」
以前にも黄金のマスクを鑑定していましたが、アイアンクローの鑑定眼、恐るべし(笑)
実は本物のサファイアは王女が大切にしている玩具の中に隠してあったのだが、東京見物に出た王女が、
遊園地で仲良くなった少年に玩具を渡してしまう。王女、そして少年、両方を追ってぶつかり合う、ジャッカーとクライム。
秘宝を巡る欺し合いと、王女の来日ネタを混ぜ合わせているのですが、双方の関わりが強引で巧く連動せず、互いに散漫に。
王女パートで女性隊員と子供ゲストの出番を確保しているのですが、縛りを利用しようとしたけどあまり面白くならなかった、
と前回と似たような形に。また、分割展開を狙ってやるほど、誰かが最後にスカイエースを現場に持ってこなければならない、
という今作の構造上の問題点が悪目立ちしてしまいます(^^;
王女と少年を守り、機会怪物デビルベムの前に立ちはだかるジャッカー電撃隊。
「「「「我ら、ジャッカー電撃隊!」」」」
「こしゃくなぁ!」
「正義の力を受けてみろ!」
……あ、口上が面倒くさくなった(笑)
デビルベムはサブタイトル通りに透明化するのですが、ちょっとビックリ程度で、今ひとつ話の中では活用されず。
チェーン攻撃で赤を苦しめると、何故か、「そいつは俺にやらせろぉ!」とボスが自ら赤に突撃を敢行し、
ダイヤがチェーンを切り裂いた際に飛んできた凶器が直撃して死亡(?)。終始謎だったデビルベムは、逃げ出した所を弓で射られ、
弱った所にコバックで爆死。
あっちこっち錯綜する展開をやりたかったのかと思われるのですが、あまり巧くいきませんでした。そろそろ、
例の人の登場まで秒読みという事情もあるのかもしれませんが、路線変更後の縛り要素が、軒並み空回り。
それにしても、すっかり8号と9号しか出てこないけど、女性隊員7号はどこへ行ってしまったのか……。
- ◆第21話「バラ色の野球時代!! クライムの強打者」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三)
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野球回、再び。そして女性隊員8号がリストラされ、10号登場。『ジャッカー』世界の事なので、
回と回の間の任務中に殉職している可能性も考えられ、こっそりと殺伐。
そんなハードな行間はさておき、本編は、河川敷で草野球を楽しむ少年少女達、というほのぼのシーンからスタート。
だがそんな彼らに、「ホームランの打ち方教えます」という幟を立てた自転車を漕ぎ漕ぎ、
真っ黒なユニフォームに身を包んだ怪しい影が近づいていた。
「私も混ぜてくれんかの。ふははははっは。私はクライムのデビルバッターじゃー」
「クライム?」
「そうじゃー」
「クライムは人類の敵だ!」
「おぅ〜、心配せんでもよかよ。私は野球が大好きでな。野球一筋に生きとるよ。血と、汗を流してな」
どこかのほほんとしたデビルバッターは、そのままなし崩し的に野球に参加。…………大先生、大先生、
世界が『ゴレンジャー』になってますよ!
勿論、軽々とホームランをかっ飛ばすデビルバッター……機械怪物だからな!
「どーじゃい。バッティングは力じゃない。タイミングじゃ」
そのまま打撃指導を始めたデビル打者は、塾に行くから帰る、という子供2人を気持ち良く送り出すが、
警察に通報されてしまう。
「なにー?! 少年4人を人質にしているというのか?!」
「はいそうです! 早く助けないと、皆殺しになる恐れがあります。至急出動願います」
警官がジョーカーに連絡し、事態は急展開でエキサイト。
…………ええとなんか、前回の感想でだれてきたなぁとか書いた途端に、今回凄く面白いのですが(笑)
緊急出動したジャッカーは、用意周到に変身してから河川敷に向かうが、
そこではデビルバッターが子供達と和気藹々とホームラン教室の真っ最中だった。そんなデビルバッターに、
いつにない勢いで猛然と襲いかかる4人のサイボーグだが、倒れたデビル打者をかばう子供達。
「いや、悪い奴こそ、いいふりしてみせるもんなんだ」
「そう、クライムは悪いに決まってるんだ」
子供達に向け、大人の一方的な正義を振りかざすジャッカー(笑) ギャグかと思って油断していると、
微妙にメタ風刺が入ってくる辺り、上原正三、恐るべし。
クイーンが気絶したバッターの体を検査するが、火薬反応は無し。武器かと思われたバットもごく普通の金属バットであり、
目を覚ましたデビルバッターは、役立たずでクライムを追放されたと自称する。普段の機械怪物とはあまりに違うその様子に、
ジョーカーの判断を仰ぐべく連絡を取るエース。
「将来ジャイアンツに入りたいと言っている?!」
「はい、なんでも王選手と巨人のクリーンナップを打ちたいと言っています」
1977年当時は、9月3日に王貞治が通算756本塁打を記録した日本プロ野球界のメモリアルイヤー。
このエピソードが放映されたのは9月10日で、制作自体は数ヶ月前でしょうが、割とタイムリー。一週間前の放映だったら、
恐ろしいほどドンピシャでした。
「あぁ〜、まったく、妙ちくりんな奴が現れたもんだ」
「どう処分しますか?」
「クライムの事だ。何か企んでいるに決まってるさ。しばらく泳がせてみろ。きっと尻尾を出す」
後年の戦隊シリーズならこの辺りで早くもほだされそうなものですが、生粋のプロ集団であるジャッカー電撃隊に、
容赦の2文字は無かった(笑)
デビルバッターを監視するジャッカーだが、バッターはいたって善良に野球に打ち込み、
自ら投げたボールを自ら打って自ら捕球するという、超一人野球を子供達に披露。
この辺りで間延びしてきそうなものですが、映像的にも面白く、引き続きテンポ良く展開。
「よーし、尻尾を出さんのなら、出させてやる」
日本の治安を担う組織の幹部としてあくまでも冷徹なジョーカーは、監視及び保護の名目でデビルバッターを関東第一支部に軟禁。
敢えて基地内部では自由に行動させ、野球を愛するバッターは、科学特捜隊の野球部(何故ある)に参加する事に。
(プロの選手も顔負けの練習量だ……)
監視している筈が、その真摯な姿に共感してしまう東(笑) 一方ジョーカーもそれとなくバッターに接触し、
いっけん和やかな会話でジョーカーまでほだされた? と思いきや、背中を見せるなり鋭い視線を向けるのが格好いい。
「相当の大物と見た。第一級のスパイだ」
デビルバッターの声をあてた永井一郎さんのとぼけた演技と、あくまでシリアスに対応するジョーカーの対比が、
ギャグとシリアスの狭間で揺れる作風そのものとも重なって、綱渡りの振り子のバランスがどちらに傾くのかが、妙にサスペンス。
作品の置かれた状況そのものが、物語を盛り上げるスパイスになるという、凄いメタ構造です(笑)
K「単なる、野球好きに見えますが」
Q「私にもそう見えます。礼儀正しくて、優しくて、働き者で、野球一途です」
J「頭が下がるぐらいだな」
「ふふふふふふふ……甘いぞ」
警戒を緩める部下達に、上司の経験値をアピールするジョーカー。
もう、今回、面白すぎる。
ジャッカーはデビルバッターを24時間徹底的に監視するが、怪しい動きはゼロ。更に精密検査で、
身体能力も普通の人間と変わらない事が判明する。……という事は、超一人野球は、
純粋な修練の結果による歩法とかを駆使していたのか。身体能力に関係なく、危険な気もしてきました(笑)
「よし、次の手だ」
そろそろ立場の悪くなってきたジョーカーは、クライムを脱けたのなら組織の情報を渡せる筈だと迫って揺さぶりをかけ、
最初はアイアンクローによる死刑執行を恐れていたバッターも、遂にそれを承諾。武器取引の情報を聞き出したジャッカーは、
まずは先行して女性隊員が現場を偵察し、一般戦闘員ぐらいは倒せる事が判明……まあ、
クライム戦闘員は市井の空手家とかより弱いのですが。
情報通りに武器取引が確認され、地下の兵器工場を爆破するジャッカー。
バッターの裏切りを本物だと確信した東はバッターに更なる情報提供を求めるが、その時、クライムが報復攻撃を行い、
割と派手に吹き飛ぶ関東第一支部のビル。地下へ襲撃してきたクライム戦闘員に対して、野球で結ばれた東とバッターが共闘する、
という面白い展開。
だがそのどさくさに紛れ、デビルバッターは手持ちの金属バットと、戦闘員が持ち込んだバットをこっそり交換する。
そうとは知らず、遂にジョーカーもバッターの身の安全を優先し、第二支部へと身柄を移送されるバッター。
(これが、ジャッカー基地を地下で繋ぐシークレットロードか)
遂に本性を現したバッターが胸の中でシリアスで呟くのがやたら格好良くて、今回は緩急の付け方と雰囲気の見せ方が実に良く出来ています。
第二支部へ運ばれたバッターはとりあえず鉄格子の部屋に閉じ込められ、
「いい部屋だろ」
と笑う、東の裏社会ジョーク。
東が立ち去り、いよいよ計画を実行に移す時、とデビルバッターは交換したバットに隠して持ち込んだ高性能爆弾と、
馬力増幅装置を装着。しつこく繰り返していたバットも本体も無害、というのがしっかり伏線となり、
凶器を手にしたバッターは増幅された力で牢を破ると、東を気絶させてダイヤジャック号を奪い、第一支部の地下にある動力室へと走る。
熱烈な野球好きとは仮の姿、動力室の原子炉を爆弾で破壊し、周囲数kmを吹き飛ばす事こそが、デビルバッターの真の目的だったのだ!
必死の東からの連絡を受けて動力室へ急ぐエース、キング、クイーンだが、一足遅く、動力室を占拠されて立ち往生。もはや、
ジャッカー関東支部の大爆破まで後わずか。
「むぅははは、はーははは! むぅはははははははは……!!」
今回出番ここだけのアイアンクロー、凄い笑い声で大喜び。
「ジョーカー! 早く何とかしないと」
「……ジャァック!!」
ジョーカーの声に目を覚まし、立ち上がる東。
「なんですって……? 動力室に閉じこもった」
「急げぇ!!」
相変わらずよくわからなく魂レベルで繋がっている二人ですが、ジョーカーの腹の底から唸るような声が無駄に格好いい(笑)
東はジャックタンクで外部から動力室に突入するとマジックハンドでバッターの動きを封じ、その間にクイーンが爆弾の停止に成功。
外へ吹き飛ばしたバッターを追い、船の上に並ぶジャッカー。
「天に代わってジャッカーが成敗してやる!」
口上は……やはり面倒くさくなってきたようです。今回は展開として面白い台詞になりそうだったので、ちょっと勿体ない。
船と倉庫街を使っての立体的なバトルが展開し、特に、画面手前に置いたコンテナをカットの切り替え代わりに使いながら、
カメラを右に振る度に、キング→クイーン→ジャック→エースのアクションが連続する、というのをワンカットで見せたシーンは、
凄まじく格好いい。その後、コンテナの隙間から4人が次々と現れ、バッターを取り囲むというのも決まっています。
バッターはジャンプでその囲みを突破すると、戦闘員を次々と爆弾代わりに打ち込んでくる、恐怖のデビルバッター殺人ノックで攻撃。
トドメとばかりに巨大ボールを打ち込むがジャッカーコバックで弾き返され、打ち返そうとするもバットが折れてあえなく爆死。
かくして恐怖のスパイ大作戦は阻止され、河川敷で大地が超一人野球を習得しようとしていた……とほのぼのオチ。
途中まではデビルバッターの偽装工作に完全に欺されていた大地、カレン、東の3人(桜井はノーコメントを貫く)が、
そんな事に全く頓着せず、正体を見せた敵をドライに抹殺するのが実にジャッカー。
今作だと9割方“いい怪人”ネタは無いだろうと思わせつつ、コメディ色の強いAパートの展開に、
最近の作風だと油断できないという危うさが加わって、ギリギリまでデビルバッターの正体を引っ張る事に成功。
視聴者にはわかりきった芝居に劇中人物がコロリと欺されて白ける、というのを回避した上で、Bパートでは、
ギャグ怪人どころか自爆をいとわないクールなスパイだったデビルバッター、男の魂で通じ合うジョーカーとジャック、
など初期を思わせる要素が加わってシリアスに展開し、路線変更を逆手に取ったともいえるメタトリックの秀作。
どこまで狙ったものなのか判断しかねますが、くしくもあの人の登場を前に、
前半と中盤の『ジャッカー電撃隊』融合の到達点とでもいうようなエピソード。
どうせ自爆するならすぐにスイッチを押しても問題ないのでは……というのはありましたが、真相の判明後もテンポ良く進み、
クライマックスのアクションも見応え十分と、ここまででも屈指の出来でした。路線変更の影響で崩れて溶け去るかと思いきや、
突然こんなボールが飛んでくるのが、今作の侮れない所。
- ◆第22話「赤い大逆転!! 自爆軍団を攻撃せよ」◆ (監督:竹本弘一 脚本:新井光)
-
いきなりのバトルシーンからスタート、と思ったらクライムの模擬戦だった……て以前にもやったような。
ジャッカーを倒す為にデビルスクラップによって養成された、武術の達人スクラップ軍団は、切り札として自爆装置を内蔵され、
打倒ジャッカーの為の作戦に投入される。
それぞれトンファーやサイなどを振り回すスクラップ軍団は、中華風2人+ペギー松山(モモレンジャー)コスプレ+工藤俊作
(『探偵物語』)コスプレ、という謎の組み合わせ。
特に、ペギー松山コスプレ(男)は、誰がどうしてOK出したのか(笑)
デビルスクラップは、剣玉少年を誘拐すると解放の条件としてジャッカーを呼び出し、「変身せずに来い」という条件に、
凄く弱気になるジャッカー(笑)
確かに戦力大幅減なのですが、物凄くヒーローらしくない事になってしまい、どうしてこんな事になってしまったのか。
せめてクライム側が、国会議事堂大爆破、みたいな大規模作戦を予告していて、
巨大戦力が結集している所に変身無しで突撃するというような状況設定だったら覚悟を固めるまでの葛藤もわかるのですが、
少年一人の誘拐の為、非常に物語としてバランスが悪い事に(^^;
また、大人げなく剣玉大会で子供と張り合っていた大地が、少年を助ける為に単身クライムを追いかけた所、
少年は助けられなかったけどたまたま追いかけていた武器の輸出現場を押さえました、というシーンが入るのですが、
この後の展開に何も関係せず、全くの脇道。
なおここで大地が華麗に剣玉で戦うのですが……あれ、剣玉探偵ヒカリ(『烈車戦隊トッキュウジャー』)、
ってこのネタだったのでしょうかもしかして?(笑)
……緑だし。
そして少年を救う為、スクラップ基地で始まる戦い。直後、女性隊員10号がスカイエースで強行突入して強化カプセルを運び込もうとするが、
当然発見され、強力な電磁バリアーに阻まれてしまう……て、既に人質そっちのけになっており、
理解に苦しむ展開が続きます(^^;
ジャックタンクで地下から突入しようとした9号も失敗し、立ち上がるジョーカー。
「思った通りだ……こうなったら最後の手段だ」
その頃、スクラップ基地では東が電気スパークでスクラップ軍団の一人を撃破し、大地が少年の救出に成功。
生身の格闘シーンで見せる回かと思ったら基地内部での戦闘もさして盛り上がらず、ますますぼやけていく焦点。
一方、クライム戦闘員に変装し、食料を積んだ輸送トラックで基地への侵入を試みるジョーカー。
酔っ払ったフリをして追求を誤魔化すのですが、酔っ払ってトラック運転している時点で、何か凄く駄目なような。
……いやまあ、悪の組織ではあるのですが。
???「なんというヤツだ……国家権力を敵に回して平気なのかクライム……! 信じられん……ぬぅ!!」
何とか潜り込んだジョーカーは、自爆攻撃をかわしたジャッカーとの接触に成功し、満載した食料の下に隠した強化カプセルへと誘導。
自身はダイナマイトで戦闘員を吹き飛ばして時間を稼ぎ、その間にジャッカーは念願の変身。4人は戦闘員を蹴散らすと、
電撃キックからジャッカーコバックでデビルスクラップを粉砕するのであった。
大きな危機を乗り越えたジャッカーは揃って剣玉大会に出場。私服姿のジョーカーもそれを見つめ、
科学特捜隊はひとときの平和を噛みしめる……――次回、主役、剥奪。
という事で、前回今回と、ビッグ1登場前にジョーカー回という意図があったようなのですが、生身戦闘が盛り上がるわけでもなく、
自爆装置は敵が無駄死にするだけに終わり、ジョーカーの潜入法も今ひとつ冴えない、と、どこを切り取っても盛り上がらず(^^;
加えて、子供ゲスト+女性隊員のノルマの為と思われる挿話が揃って意味不明になり、
最初から最後まで中心のハッキリしないエピソードになってしまいました。一応ジョーカーは科学者設定なので、
あまり大暴れさせてもまずいと思ったのかもしれませんが、全体的に、大雑把すぎる出来。
- ◆第23話「白い鳥人! ビッグワン」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三)
-
突然のOP演出変更――
いきなり飛んでくる、見た事のない白くて変な奴がジャッカー4人のセンターに陣取り、
「ビッグ・ワン!」
「「「「ジャッカー!」」」」
と前回までのヒーロー4人を背後に従えるという、衝撃のシーンからタイトルイン。
脚本などのクレジット時は、従来ままのオフロードで4人が車を転がす映像で、
先ほどのは何か心の迷いが見せた幻に違いないと心を落ち着けようとしたその時、
純白のスーツと帽子に虹色のスカーフというキチガイそのものの格好で爽やかに微笑む宮内洋!
何故か、一人だけ真っ赤な文字でクレジットされる、番場壮吉/ビッグ・ワン
↓
港を走るジャッカー(従来まま)
↓
まるで走ってきた4人を出迎えるかのように姿を見せ、平然とセンターに陣取るビッグワン
そのフォーメーションのまま、変身を解いて並ぶ5人
↓
雑踏を走る4人・強化カプセルによる変身シーン(従来まま)
↓
画面方向に向かって飛ぶと変身するビッグワン
↓
トランプのシャッフル・スカイエース・歩いてくる4人の顔カット(従来まま)
↓
激しく回転するビッグワンから、番場壮吉のアップでスマイル
……宮内洋がキチガイみたいな服装でスマイル浮かべているだけで破壊力が高すぎる上に、
最初から最後まで全部持って行くという好き放題。
何が凄いって本編登場した次の回でOPが変更されたというわけではなく、本編に登場する前からの
OP乗っ取り。
この時点で番場壮吉なる人物がいかなる存在か誰にもわからないにも関わらず、何かとんでもない存在がやってきてしまった、
というのが全力で伝わってきます(笑)
そしてとんでもない何かは、アイアンクローの元にも訪れていた!
轟く雷鳴、うごめく暗雲、不吉な赤い輝き――
「軍資金の調達は終わった。いよいよ、クライムが、世界征服に、乗り出す時が来たぁぁ!!」
アイアンクローの上に立つ存在がその片鱗を見せ、新たなフェイズへ移行するクライム。
アイアンクローはその障害となる科学特捜隊及びジャッカー電撃隊を葬り去るべく、刺客を放つ。
「遅い……何をしてるんだ、アトミック魔女め」
急展開は更に続き、何の脈絡もなく、変更になる怪人の名前パターン(笑)
ジャッカーに挑戦状を叩きつけてきた怪人・アトミック魔女はバイオリンを弾きながら登場し、突然のコバック無効化。
必殺技を破られたジャッカーは完敗し、十字架に磔にされて処刑寸前……全てがいきなりすぎてまた模擬戦か? と思われたその時、
突如乱入した白い影が疾風のようなスピードで4人を救出し、慎重な性格のアトミック魔女は一時撤退。
前回まで無敵を誇った必殺技が何の説明もなく無効化され、ヒーローがこれ以上ないぐらい完敗しているのですが、
全く衝撃的に描かれないでハイスピードに流されていくというのが、白い鳥人の乱入よりビックリです(^^;
ジャックとキングは魔女を追跡するも見失ってしまうが、通りすがりの少年が魔女がとある研究所へ入っていくのを目撃。
しかし魔女に追われて飛び出してきた少年をジャックが轢いてしまい、少年は病院へ運び込まれる事に。
一度本部へ戻る4人だが、思いっきり魔女に尾行されて潜入を許す……と一気に色々とずさんに(^^;
そして、司令室の机には、謎の男がでかい態度で足を乗せていた。
「ここは俺の席さ……ふふはははは」
「何者だ」
「ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉。よろしく」
あまりよろしくしたくない服装の男は疑いの視線を向ける4人に、ジョーカーからのビデオメッセージを再生してみせる。
「私はニューヨーク本部、科学技術庁長官になった」
ジョーカー、ビデオメッセージで栄転を報告。
恐らく日本支部でのサイボーグ部隊の成果が認められて本部で量産計画を進める事になったのでしょうが、
これまで貴重な研究データを提供してくれた元部下達へのぞんざいな扱いが、真性のキチガイぶりを際立たせます。
正義の味方業界では身内のキチガイ博士は珍しい事ではありませんが、ジョーカーの、
「心を通じ合わせる」のと「素材扱い」が何の仮借もなく同居できる感覚は、かなりレベル高い。
なおも疑う東だが、ジョーカーが残していった新たな秘密兵器・ビッグボンバーのパーツをそれぞれが取り出す事で、
番場が間違いなくジャッカーの一員、新たなサイボーグであると判明する。
新兵器のパーツと新メンバーの合流を繋げるという持って行きかた自体は格好いいのですが、
旧必殺技の破られ方があまりにあまりだった為、どうも盛り上がりには欠けます(^^;
新戦力、というか、新主人公の加入で盛り上がるジャッカーだが、進入したアトミック魔女に兵器基地の地図を盗まれてしまう。
アトミック魔女は壁脱け能力を用いると各地の基地に発信器を取り付けてクライムの戦闘機部隊に攻撃を仕掛けさせ、
次々と破壊されていく科学特捜隊の基地……と、こつこつ貯めてきた資金で大規模攻勢を仕掛けるクライム。
そして、就任した途端に大ピンチに直面してしまう行動隊長。
残るはジャッカー本部のみ……だがその前に確実に目撃者の口封じをしようと考えたアトミック魔女は、
看護婦に変装して少年を消そうとするが、注射の嫌いな少年にごく普通に蹴り飛ばされて変装が解けてしまう……と幾ら何でもな展開(^^;
そして密かに占拠していた研究所に戻った魔女を待ち受けていたのは、番場壮吉!
「いい加減、お芝居はおやめになったらいかがですか。アトミック魔女さん」
番場は床に仕掛けた体重計を用いて魔女の正体を暴き、自棄になった魔女はジャッカー本部を直接攻撃しようとするが、
その前に立ちはだかるジャッカー。
戦闘シーンでは、
「真っ赤に燃える正義の血潮、悪を切り裂けアトム撃ち!」
「娘18涙を捨てて、戦場(いくさば)に立つ桃の花!」
「重いパンチが唸りをあげりゃ、緑の風が渦を巻く!」
と、新たな口上が追加されるのですが、何故かジャックだけ無し。
ジャッカーは戦闘員を蹴散らすも、魔女の放つサイボーグノイズに苦しめられ、ジャッカーコバック時間差攻撃もやはり無効化されてしまうが、
その時、高らかに響く声。
「ビィッグ・ボンバーー!」
4人は突然、ポーズを取ると砲台を組み立て始め、最後に飛んできたビッグワンが弾丸を込めて放つと、
一切の抵抗を許されずに吹き飛ぶアトミック魔女(^^;
こうして、何もかも問答無用の男の参入により問答無用でアトミック魔女は倒され、問答無用でクライムの作戦は阻止されるのであった!
「番場壮吉、またの名をビッグワン。ジャッカーにとってこれほど頼もしい男はない。ビッグワンは、
ジャッカーと手を握り、世界制覇を企むクライムに立ち向かうのだ」
……もうすでに、主体が変わっている!!
そして勿論、さっそくEDでバラを投げまくる番場壮吉であった!
というわけで、集団ヒーローの所に個人ヒーローがやってきて番組を乗っ取るという、歴史的な惨劇が展開。
作品の構造を解体する新キャラ登場という事でか竹本弘一監督が3連投しているのですが、演出面で特に面白みはなし。
むしろ宮内洋の外連味を強調する方向に進めた結果、今作独自の硬質な雰囲気が無くなってしまい、少々残念。
シナリオの方もかなり雑で、とにかくビッグワンというか番場壮吉というか宮内洋を目立たせる為のエピソード。
ジャッカーの方も強化カプセルの段取りがすっ飛ばされ、これまでなら変身解除するような場面でも変身したまま引っ張ったり、
と描き方がやや変化。番場壮吉の破壊力は満点なのですが、良くも悪くも、一気に全体の空気が緩くなってしまいました。
また今回から、松山支部から来た炊事当番として、姫玉三郎というコメディリリーフが追加。司令室に入り込んで落語を始めるなど、
空気を読まずにボケぬくキャラクターを加える、という禁断の手法ですが、果たして、蛇行運転の果てに、
「解体」という道を選んだ今作の行き着く先はどこなのか。男は一人で行くものさ。
- ◆第24話「悪魔か?天使か?! 笛吹き男」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三)
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デビルバッターに似たノリの怪人・地獄天使が遊園地に現れてメリーゴーランドで遊び始め、どう反応すればいいのかわかりません!
「逃げなくてもよか。わしゃな、みんな、クライムの地獄天使じゃよ。やー、こんな顔でも心は優しいんだぞ」
逃げ出した子供達を懸命に追いかけた地獄天使が角笛を吹くと、子供達が一緒になって楽しそうに踊り出し、
その件は即座にジャッカー本部へと報告される。
「クライムの地獄天使が、子供達と踊っている」 (番場、超シリアスに)
くっ……突き抜けすぎて面白いぞ!
「クライム」「天使」「踊っている」という言霊のコンボが得体の知れない破壊力。
番場は胸のバラをキザに投げつけて報告のあった遊園地の場所を示し、今回も事前に変身してから現場へと向かうジャッカー。
前回に続いてこの辺りは、明確に作劇の変化を感じます。
問題の遊園地では、地獄天使が、ジェットコースターを楽しんでいた。
頭部大きめの被り物+大きめのシルクハットでジェットコースター搭乗は、よく考えると地味に凄いのではないでしょうか。
さすがに安全性もろもろが考慮されたのか、他の乗客はゼロですが。
「おい、貴様なにしにここに来た」
「あんたらに、会いたい思うてな」
「用件を聞こう」
「無条件降伏をしてもらいたいんじゃ。この儂に」
先日、子供達に野球を教えていた怪人に問答無用で躍りかかったジャッカーが、怪人と面と向かって話し合うという、
どうにも間抜けな間合いに(^^; 同じコメディ寄りの怪人でも、リアクションの変化で作品世界の空気が変わるというのが、
よくわかります……。
勿論ジャッカーに無条件降伏を断られた地獄天使は、4人を嘲弄して一時撤退すると、その角笛の音で子供達を集め始める。
果たして地獄天使は何をしようとしているのか……? ジャッカーは調査を開始し、桜井はアスレチック場で大量の子供達を発見する。
潜んでいたクライム構成員を凄い効果音のパンチで沈めていく桜井は子供達に逃げるように促すが、
「どうして?」
「どうしてって、地獄天使は恐ろしい殺人鬼なんだ!」
まだ何もしていないのに適当に断言した!(笑)
官憲の一方的な思い込み、怖い。
桜井の言葉に全く耳を貸さないどころか、地獄天使を「優しいおじちゃん」と呼んで慕う子供達は、
角笛の音によって集団催眠を受けていた。地獄天使はジャッカーを撃破する為の太陽熱線砲のチャージ中に襲撃を防ぐ為、
無垢な子供達を人間の盾にしていたのだ!
角笛を破壊した桜井は、洗脳が解けた子供達を連れて逃げようとするが、スカイエースに乗り込ませる寸前、
子供達が胸につけている奇妙なバッジに気付く。それはなんと爆弾で、地獄天使は無垢な子供達を人間爆弾にしようとしていたのだ!
と、あわよくばスカイエースの爆破(=強化カプセルの爆破)を目論む、恐るべき二段構えの罠!
地獄天使は肥大した脳のような頭部を持ち、口元から常に赤い舌を出しているという、コミカルでグロテスクな道化、
とでもいうデザインなのですが、隙の無い卑劣な作戦とのギャップが、ここに来て非常に良い味。
スペアの角笛で再び子供達が洗脳されてしまい、捕まる桜井。地獄天使はスカイエースを爆破しようとするが、
桜井は靴底に隠した小型通信機を用いてスカイエースを遠隔操作で緊急発進させてこれを防ぐ……と、
ここはスパイ物テイストが入って良かった。
捜査中に爆破音に気付いた残り3人もアスレチック場へと向かうが、子供達を盾にされて桜井ともども捕まってしまう。
「隊長は……?」
「パチンコだってよ」
「パチンコ?!」
「なっちゃいないよあの隊長は」
「まったく」
盛大に毒づく4人だが、今回も、処刑寸前です。
太陽熱線砲の試し撃ちによるジャッカー溶解の危機(なおこの際、桜井の体内の小型原子炉が爆発して、
周囲数kmが核の炎に包まれて地獄天使も巻き添えになると思われ、恐るべし、ジャッカー電撃隊!)が迫るその時、
そこへ現れるさすらいのヒー……じゃなかった、謎の奇術師・番場之忠太郎。
「クライムの機械怪物・地獄天使。日本じゃあ……二番目の角笛使い」
……じゃなかった、謎の奇術師・番場之忠太郎は奇術で子供達の注目を集めると、
鉄の鎖すら切断するトランプの投擲で鮮やかにジャッカー4人を自由にし、更に神速の手さばきで、
子供達の爆弾を全て取り外すという妙技を見せつける。
「何者だ貴様?!」
「はははははは。ジャッカー電撃隊行動隊長――番場壮吉。よろしく」
怪人とのお約束のやり取りまで奪い取り、THE・好き放題。
バニー姿ではべらかされていた9号と10号に助けられた哀しきサイボーグ達は気を取り直して変身し、
揃い踏みの名乗りがスキップされなくて、心の底からホッとしました(笑)
「怒りのエレキで鍔鳴りさせて、守ってみせるぜ、青い地球!」
前回連絡網が回ってこなかったジャックが今回は新口上を披露し、ジャッカーは構成員達を撃破。だが、
地獄天使の地獄笛による振動攻撃に苦しみ、身動きが取れなくなってしまう。
しかしその時――
「ビィッグ・ボンバー!!」
「ビッグボンバー!」
高らかに響き渡る掛け声に立ち上がると、てきぱきと大砲を組み立て、ビッグボンバー。
ビッグワンが叫ぶと、“ジャッカーが苦戦していた”という事実そのものが抹消されて、自動的に必殺技のシークエンスが発動するので、
ビッグボンバー自体が、時空を捻じ曲げる一種のスタンド攻撃なのかもしれません。発動条件は「ジャッカー4人が苦戦する事」(笑)
つまり、Mパワーーーーー!!
戦闘中にいきなり砲台を組み立て始める、という必殺技の準備行動はあんまりだと思ったのか、4人が無駄に回転とかするのですが、
砲台そのものが絶妙に地味なデザインの為、どうにも盛り上がりには欠けます(^^;
射撃シーンは実際に火薬を詰めて撃っているようなので、その辺りにデザイン上の制約があったのかとは思われますが。
お陰で後ろに仁王立ちしているビッグワンはいいけど、サイドの4人が顔を伏せてしまって(多分、音がうるさい)卑屈さが増し、
何か他の方法は無かったのだろうか、と悩ましい(^^;
個人武器を合体させての必殺武器のルーツではあるのでしょうが、個人的にはジャッカーコバックが非常にお気に入りの必殺技だったので、
必殺技のパワーアップ自体は納得できるとしても、落差が激しくて残念です(^^;
以前も書きましたが、ジャッカーコバックは敵の動きを封じてから確実に仕留める、
という流れが必殺技そのものの中に組み込まれているという、優良必殺技だと思います。
「むぅぅ、おのれ、おのれビッグワンめぇ!」
基地で呻くアイアンクローの、宿敵もあっさり変わってしまいました(笑)
そこへ謎の赤い輝きシャインが現れ、お仕置きをうけるアイアンクロー。
「今一度、チャンスを、下さいぃ、チャンスぉぉぉ」
数多のボスをあっさりと処刑してきたアイアンクローですが、本人は、潔くなかった!(笑)
「邪魔者は、消せぇぇ」
「……アリーーーンガム将軍ーーー来たーれぇぇぇ!!」
真面目に犯罪活動をしてこつこつ貯めてきた活動資金でいよいよ世界征服に乗り出そうとしたら、
世界観の違うキチガイが現れて今までの常識とスケジュールを木っ端みじんに砕かれたストレスでテンションがおかしくなってしまったアイアンクローの呼び出しに応え、
無敵・アリンガム将軍登場!
次回、
ナレーション「クライムの新しい将軍、その名も、アリンガム。彼の、ジャッカー分断作戦は、ジャッカーの機能を、麻痺させる。
その時、疾風のごとく現れる、白い鳥人・ビッグワン!」
また捕まるのかジャッカー。
……ズバッと解体され再編された今作ですが、番場壮吉自体は、正直格好いい。特に短めのステッキを振り回すアクションは、
独特かつお洒落で素敵。……それにしてもあまりにもあの男を彷彿とさせる番場ですが、
前回、
「そうでしたか、あなたもサイボーグ」
「……(にやり)ジョーカーの置き土産さ。ふふふふ」
と、明確に「イエス」と答えておらず、今のところサイボーグであるというハッキリした証拠も無い事から、
東条が失脚して警察に追われる身となった為、戸籍を偽造して国際機関に転職したのではないか、という疑惑が募ります。
そんなヒーロー乗っ取り事件ですが、前回さすがにやり過ぎたと思ったのか、今回後半は、
スパイ小道具やアスレチック場への侵入シーンなど、多少『ジャッカー』らしい間合いと雰囲気に。
前半の遊園地での問答はぐにゃぐにゃでしたが(^^;
また、主役の座から蹴落とされた上に、衣装の色まで被ってしまった桜井に、生身戦闘での見せ場を与え、
多少なりとも存在感をフォロー。で、薄々感じていたけどハッキリしてしまったのは、
桜井五郎が一番キャラクターが薄いという事実。
正義感の強いスポーツマンの桜井、アウトロー属性の東、紅一点で格闘担当のカレン、コメディリリーフ&開発能力持ちの大地、
という基本設定の中、2クールやって桜井についた個性って「テニスのコーチをしていた」ぐらいで、
これは広げようがありません(^^; もう少し物事への好き嫌いをハッキリするとか、子供に特別優しいとか、
現場で作戦を立案するとかあれば良かったと思うのですが、極端な色を付けない王道設定が仇になった感じ。
これを見ると、80年代レッドの出来過ぎなぐらい文武両道でリーダシップが強いとか、
90−00年代レッドに熱血バカ属性が付いていくという流れも、むべなるかな。
玉三郎(後のスプリンガー)は、番場にラーメンを作ったり、司令室で留守番をして番場がパチンコに出かけている事にしたり、
で登場。コメディ要素になりつつ、番場の細かい事に頓着しないキャラクターや、
ジャッカーからまだ完全な信頼を得ていない状況を補強する役割を担っているのですが、面白い面白くない以前に、
アフレコがやたらに合っていないのが困った所(^^;
芸名から落語家だとは思われるのですが、役者の演技力の問題なのか、落語の発声法?と録音の相性が悪いのか、
どの台詞もほぼ同じ声の大きさに聞こえて表情や仕草と噛み合わない上に、聞き取りにくい箇所多数。
披露する小咄がそもそも何を喋っているかわからないので、面白いのか面白くないのかもわかりません(^^; 改善されてほしい。
というわけで次回、「新しい将軍」というかそもそもクライムに将軍居たっけ?!
ナレーションまで『ゴレンジャー』世界との混信を始めたジャッカー電撃隊の明日はどっちだ?!
→〔その5へ続く〕
(2016年2月1日)
(2017年3月19日 改訂)
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