■『超新星フラッシュマン』感想まとめ5■


“超新星 フラッシュマン!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『超新星フラッシュマン』感想の、 まとめ5(40〜最終話)です。登場人物など紹介を付記。また文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
 執筆中にコメントをいただきましたkanataさん、Beniさん、やり取りが感想に反映されている所もあります。改めて、 ありがとうございました。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕  ・ 〔まとめ4〕 ・ 〔総括〕


◆第41話「子供にされたダイ」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 りんかい地区をパトロールしていたフラッシュマンは、ザ・ブクロスの襲撃を受ける。ブクロスの吐き出す袋に包まれ、小学生 ぐらいの子供になってしまうダイ。記憶まで肉体年齢相応に戻ってしまい、成長した姿の4人の事がわからないダイは、地球の犬に 驚いて逃げ出してしまう。
 ダイを探す為、時村夫妻の手を借りるフラッシュマン。時村夫人・節子の「あなたの母さんよ」という呼びかけにより、姿を見せた ダイに、節子は母親として接する。だがその時、サー・カウラーが現れ、「それはおまえの母親ではない」と、無駄な精神攻撃(笑)
 傷ついて再び逃げ出してしまうダイ、それを追いかける、時村夫妻とフラッシュマン。
 3年に1回ぐらいはありそうな子供化エピソードに、親子の情愛を絡めた話ですが……『フラッシュマン』は、こういう話をもう少し 前から盛り込めば良かったのに。スミレちゃんとかやってないで(笑)
 時村夫妻はタイムマシンネタから再登場までの間が空きすぎだったので、こういう話を中盤(2クール前ぐらい)に入れておけばもう 少しお互いの位置づけが深まって良かったのになぁ。まあその頃はカウラー登場〜グレートタイタン編で、それどころでは無かったの ですが。そういう年間の構成は難しいシリーズですし、仕方ない面はありますが、終盤にこう使ってくるなら、年間通してもう少し 出せば良かった。
 しゃしゃり出てきたカウラーに不満を見せるケフレン。だがカウラーは、親子の愛情がこの作戦を失敗させるかもしれないと指摘する。
 部長「おれは宇宙せましと駆け巡り、あらゆるものを見ててきた。その中で一番厄介なのが、愛の奇跡というやつだ」
 専務「なに……愛の、奇跡」

 この終盤に来て、なにこの押しっぷり。
 39話以来、、私の中でケフレン×カウラーが超熱いので、鼻血出そうですよ!(おぃ)
 ここで、社長訓辞。
 「愛などというものに、メスの改造実験は負けん」
 ありがとうございました。
 子供となったダイを始末しようと襲いかかるワンダーラ課長と獣戦士。乱戦の中で、ブクロスに追われて逃げるダイを追う時村夫人は、 母親のふりをしている内に段々その気になってしまったのか、ダイの名を叫びながら駆け寄り、獣戦士の攻撃から身を呈してかばう。
 ……まあこの人も、あの博士(発明狂の変なおじさん、近所ではたぶん以下略)の奥さんを何年もやっているわけで、それなりに素養が あるわけです。
 それはそれとして、

 博士、奥さん守れよ

 怪我を負いながらも、ダイを守る時村夫人。だが二人は、ブクロスの袋(タイム風呂敷的な何か)に包まれてしまう。
 ……しかし、ダイ的には更なる幼児化ですが、奥さん的には若返りなので、この展開は、OKかもしれない
 ダイが赤子にされてしまうかと思われたその時、時村夫人の涙がダイの手にこぼれ落ち、なぜか、袋が内側から破裂してダイ復活。
 時村博士「母が子を想う気持ち、子が母を想う気持ち。君達二人の愛が、奇跡を呼んだんだ」
 意味はさっぱりわかりませんが、カウラー部長の見立てが正解だった模様。しかしなぜ、解説が他人事っぽいんだ博士(笑)
 復活したダイを加えたフラッシュマンはブクロスを撃破。
 なお今回は、今更だけど出来る限り何とかしないと、と思ったのか、グレートタイタンに新カット。より接写のあおり構図で登場しま したが、まあ、何をどうやっても動かせないので、どうしようもない。しかし戦隊ロボにおける、
 デカさは強さ
 というのは、『フラッシュマン』辺りが走りなのですかねー。
 まあ、商業的に玩具と玩具を繋げる都合上、強化するほどデカくなる、というのが正しいのですけど(笑) カンゼン ゴーカイオー(『海賊戦隊ゴーカイジャー』)も、ダマラスさんとの対比でやたらに大きかったからなぁ。グレートタイタンの、 動かない・圧倒的・光線で滅殺は、個人的には後の最強圧殺兵器キングピラミッダー(『超力戦隊オーレンジャー』)を思い浮かべ ますが。
 そういう点では、『メガレンジャー』なんかはロボットがスマート路線(スーパーギャラクシーメガは典型的な強化合体ですが、 メガボイジャーはなんと、回避能力重視)なのですが、毎年のロボット傾向というのも、分類すると割と面白いとは思います。この 辺りは当然、玩具展開・前年の売り上げ・今季のテコ入れ、が複雑に絡むのですが、メタ分析に解釈をつけて本編設定と絡ませる、という のもまた一つの楽しみ。
 メガレンの場合は、早川が悪いで済むので楽ですが(笑)
 話戻って、戦いの後、獣戦士の攻撃を受けたショックで、20年前の記憶を取り戻したと語る時村夫人。
 彼女の記憶によれば、20年前に攫われた赤ん坊は、女の子だった!
 博士の記憶では男
 夫人の記憶では女
 果たして、真実はどちらなのか…………圧倒的に、信用できないのは博士ですが。

 解決する気あるのか、脚本家(笑)

◆第42話「泣くな!女戦士」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 と思ったら、まさかの引きネタ……!
 早速、時村夫人にアプローチを仕掛ける、サラとルー
 ……まあ、男供も序盤にそれをやりましたね。
 しかしここに来て、序盤からのイエロー優遇政策が一周回って、ピンクの方がちょっと引いた所で頑張る女ポジションになりつつある のは面白い(笑) サラは「可愛い」通り越して、女の嫌らしさが滲み出てきているような……。
 まあ、ヒロインはネフェルさんですけどね!
 記憶が戻ったとはいえ、はっきりと子供の顔を思い出せない時村夫人。悩んだサラは、地球観測センターでUFOの記録を調べる事を 思いつく。一方その頃、街ではワープロやパソコン、TVなどの中を自由に移動できる電磁タイプの改造生命体ザ・デスコンが出現、 人々をゲーム機の中やTVの中に取り込んでしまう。更にリー・ケフレンは、デスコンの能力を持って、ラボーのメインコンピューター 中枢にある秘密のデータを探ろうと画策していた……。
 電子機器から電子機器に移動するデスコンの能力をサポートする為、TVを担いで現れる係長達(笑) サラを 欠き、苦戦したフラッシュマンは一時撤退。一方、戦闘発生の連絡にも気付かず観測センターで記録を調べていたサラは、遂にUFOの データの入ったFD(5インチ!)を発見していた。だがそこへ、デスコンが襲撃、なんとかFDを手に入れたサラの元にルーや男衆が 駆けつけ、車で逃げ出すが、ネフェルーラの妖獣幻覚に囚われてしまう。
 そして姿を見せたカウラーが、指からビームで、FDを破壊。
 「おまえ達の過去が、そう簡単にわかってたまるか」
 ……なんか段々、単なる嫌がらせになってきました。
 ネフェルーラは電子の世界に取り込んだ人間達を人質に、助けたければこの中へ飛び込んでみろ、とフラッシュマンを挑発。 罠を覚悟で、魔空空間もといTVの中に乗り込む5人。ここではゲームぽい世界のアクションという事で、横スクロールのステージを くぐり抜け、天狗と戦ったりモアイと戦ったり大忙し。
 巨大戦では、フラッシュキングのコンピュータに入り込みうちがわから自壊させるなど、なかなか頑張ったデスコンでしたが、コンピュータの電源を 落とす→入れた瞬間に反撃だ! とおざなりな感じで、キングビーム→スーパーコスモフラッシュ、のコンボで死亡。
 そしてラボーでは、メインコンピュータのハッキングをはかったケフレンが失敗。
 自分の正体に加え、大帝ラー・デウスの秘密を探ろうとしていた事までカウラーに暴露され、社長に怒られる。
 這い蹲るケフレン
 見下ろして高笑いするカウラー
 うーむ、そっちの趣味は無い筈なんだが……
 そしてフラッシュマン達も、20年前の真実に至る手がかりの一つを、失ってしまうのであった。4分の1ほどが破損したFDを、 投げ捨てるサラ。川に捨てるな
 筋はともかく、内部抗争が激化してくると、面白い。


◆第43話「カウラーの反逆!」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 エイリアンハンターを食う事で急激にパワーアップする獣戦士ザ・ギータン。フラッシュマンを 倒す為にはやむを得ない事、としてケフレンはギータンにカウラー麾下のエリートハンター軍団を襲撃させる。
 ギータン連れてハンター達に攻撃する係長達が物凄く楽しそうでどうかと思う。
 当然、激怒する部長は社長室へ乗り込む。
 「ふざけるな、ケフレン!」

 胸 ぐ ら 掴 ん だ ぁ ぁ ぁ

 「控えよ、ラー・デウス様の御前なるぞ」
 出し抜いた感満載で上機嫌の専務は余裕たっぷり。
 「我が実験帝国メスの為ならば、エイリアンハンターなど何匹でも差し出しても良い筈だ。はははははははははっ」
 フラッシュマン打倒よりもエイリアンハンターの事を優先するのはメスへの反逆、と煽る専務は、社長室を出た廊下で、部長の知る 自分の秘密を話すならハンターを助けなくもない、と取引を持ちかける。だが、
 「そういう事だったのか……卑劣なヤツめ。……断る!
 まあ、卑劣ぶりでは部長も人の事は言えないと思いますが、悪には悪の美学があるのです。
 「可愛いエイリアンハンターは俺が助ける!」
 「それは、我が実験帝国メスに反逆する事になるのだぞ!」
 翻訳すると、ハンターを選ぶか私を選ぶか、どちらか 選択しろって事ですか?!

 …………すみません、もう駄目だ、この二人に関しては、腐った目でしか見られない。
 その頃、ギータンがエイリアンハンターを襲撃している現場に、フラッシュマンが現れていた。
 「エイリアンハンターに死なれたら、何もかもわからなくなってしまう。とりあえず助けるんだ」
 敵の敵は味方(かもしれない)理論、発動
 フラッシュマンの乱入の隙にハンター達は逃げだし、係長軍団はそれを追う。手分けしてハンター達を探す事にしたフラッシュマンの内、 ブンが廃工場の秘密基地で少年達に匿われている重傷のハンターを発見する。
 映画『コクーン』『E.T.』(共に地球外生命体と地球人の交流を描いた物語)などのポスターが貼られた秘密基地の少年達は、宇宙人の 存在に憧れており、毎日そこから宇宙へ向けて電波を送っていたのだった。傷ついて身動きもままならないハンターの事を、自分達の 呼びかけに応えて地球にやってきたものの宇宙船の事故で怪我をした友好的な異星人だと信じ、必死に看病する少年達。
 ハンターと少年達の間に微妙な交流が生まれ、ハンターは途切れ途切れの息の下で、ケラオ、と名乗る。
 そこへ襲いかかるギータンとワンダ。
 割れ窓からちらりと顔を覗かせるワンダが素敵(笑)
 少年達と共にハンター:ケラオを連れて逃げるブン、他の係長軍団とフラッシュマンが入り乱れる中、謎の光線が戦場の中央に炸裂する。
 回りながら、上から何かきた
 最初、専務の仕掛けにキレた部長が物凄くエキセントリックに登場したのかと思ったのですが、新キャラでした。
 部長と同タイプの鎧を身につけ、鎌と鎚を合わせたような武器(なんか中国武術にこういう武器があった気がする)を振るう、見た目 『北斗の拳』で汚物は消毒だヒャッハー、な感じの男の名は、ボー・ガルダン。宇宙の流れ者であり、サー・カウラーの右腕と 言われた男だった!
 この、ガルダンが回りながら落ちてくる登場シーンは、鎧のデザインラインが同じ事で、一瞬、「部長が壊れた?!」 と思わせる所まで含めて、ここまで屈指の名シーン。
 カウラーも加わり、戦いが三つ巴の乱戦になる中、少年達とケラオは何とか戦闘から遠ざかっていた。だがケラオがとうとう歩く事も 出来なくなってしまう。ブンは動けないケラオを背負うと少年達を先に逃し、エイリアンハンターを救う事を自らに決意する。

 「俺はな……殺してやりたいほどおまえが憎かった。でもな、子供達から、憎しみだけじゃ何も生まれない事を 教えられたんだ」

 ブンが、テロの連鎖を乗り越えた!!!

 いやー、徹底的に「復讐」をテーマにしてきた(と言われても仕方ないと思うのです)『フラッシュマン』で、まさかその克服が 描かれるとは思いませんでした。
 そこへ姿を現すカウラー。更にギータン&係長軍団もしつこく追いすがり、メスvsハンター軍団の戦端が開かれる。ここに至って、 リー・ケフレンそしてラー・デウスに向けて、決然と宣戦布告を告げるカウラー。
 「エイリアンハンターは誰にも指一本触れさせん!」
 腹心ガルダンを得たカウラーは、遂にメスに辞表を叩きつける!!
 ……なんかこう、専務と部長の煽り合い(先に喧嘩売ったの、部長ですし)の末に、無駄に内部分裂した感じはありますが、 これはあれですよね、

 愛憎劇なんですよね、つまり(いい加減にしなさい)。

 乱戦の中で、ケラオをギータンの攻撃からかばうブン。その姿に、冷酷非道のエイリアンハンターであった筈のケラオは獣戦士に向けて その引き金を引き、だが自らはとうとうギータンに食われてしまう。エイリアンハンターを吸収し、巨大化するギータン。やむなく カウラーは撤退するが、フラッシュタイタンによって巨大ギータンは倒されるのであった。
 ラスト、駆けつけた少年達に、「ケラオはブンを助けてくれて死んだんだ」と告げるジン。
 ……誤魔化さないのか
 「ケラオは君たちに礼を言って宇宙へ帰っていった」とか綺麗な話で誤魔化すと思っていたので、ビックリです。だいたい、少年達 からしてみると、ブンよりケラオの方がウェイト大きいよーな(笑) むしろ、おまえがケラオを守れ、みたいな事を思っていそうな 気がするのですが、そこはさすがに、宇宙人<人間、なのかしら。
 おまけでルーが「本来は、宇宙人もみんながみんな、悪いやつじゃなかったのかもね」と言って「綺麗な宇宙を取り戻そうぜ」みたいな、 別の方向で綺麗な話にしてオトそうとするのですが、これはちょっと要らなかったかなぁ。
 少年達に夢を持たせて帰した方が良かった気はする。
 とはいえ、オチが少し不満という以外は、面白い回でした。
 メスの内部抗争の激化→エイリアンハンター達が標的に→少年達とハンターの交流→ブン、テロの連鎖を乗り越える→カウラー反旗を 翻す、とスムーズな流れの中で幾つかの要素を絡め、しぶとく生き延びてはいたものの、もはや戦闘の賑やかし以外に存在意義が無く、 いつの間にか成り行きで死んでいる程度の扱いになりそうだったエイリアンハンター達に思った以上のスポットを当てて話のキーパーソン にまでしたのは、非常に良かった。残り3人は、適当に始末されそうな気もしますが。
 そして特筆すべきは、ブン、負の連鎖を断ち切る決意をする。
 フラッシュマンは、リーダー以外はどんどん、マインドコントロールが解けていく……!(笑)


◆第44話「デウス獣戦士出現」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 個人の戦闘力はともかく、圧倒的な兵力の差はいかんともしがたいのか、ラボー要塞に追われるハンター達。カウラーとガルダンは 難を逃れるが、3人のハンターはラボー要塞に囚われる。
 「卑怯者め、降りて戦え!」とサー・カウラーは叫びますが、正面切って殴り合ったら勝てないのはわかりきっていますので、無視です 無視。
 デウス遺伝子液によって強化された遺伝子シンセサイザー(? この辺りよくわかりませんが前後の台詞などから推測すると、そういう 感じ)を用いて、捕らえた3人のハンターの肉体にデウス遺伝子を加え、最強の獣戦士ザ・タフモスが誕生する。
 ここで何故か、遺伝子シンセサイダーの演奏に係長軍団が悶絶。ケフレンはその姿を見ながら、それが己に何の影響も与えないことを 訝り、自らの素性への疑問を強くするのであった。
 ラボーを追ってきたフラッシュマンの前に立ちふさがるザ・タフモス。弓矢・ブーメラン・鎌、とエイリアンハンターがそれぞれ使って いた3種類の武器を6本の腕で使いこなし、更に透明化や追加装甲などの変幻自在の能力でフラッシュマンを圧倒する。強力な光線攻撃を 受け、何故か開くフラッシュマンのゴーグル。「シャットゴーグル!」したら元に戻ったのですが、どういう意味だったのかは謎。
 一時退却しようとしたフラッシュマンは、タフモスの材料となった3人のハンターの生首に追いかけられたりもするが、なんとか 逃げ延びる事に成功。空飛ぶ生首が追いかけて攻撃してくる映像は、は割と怖い。
 攻撃の手を緩めないメスは、時村一家を人質に、フラッシュマンを呼び出す。だがそこへ割って入ったカウラーがどういうわけか博士を 拉致しようとする。ネフェルはタフモスにカウラーを攻撃させようとするが、カウラーへの服従がハンターの本能に擦り込まれていたのか、 攻撃できないタフモス。更にその場へ乱入したフラッシュマンは、恒例の「フラッシュ!」で目くらましをして時村一家の救出に成功する ……だが。
 突然、フラッシュマンと時村一家の間で不可思議なエネルギーが生じ、お互いにはじき飛ばされてしまう。
 それは、反フラッシュ現象。
 フラッシュ星に生まれ育った者と他の惑星の生命体の間で発生する事がある、拒絶反応であった。
 地球人でありながら、地球の人々とわずかにでも触れあう事すら出来なくなってしまうフラッシュマン……物凄い 唐突ですが、いったいなんなのか(^^;
 そこへ現れたカウラーが、時村博士を「デウスを倒すのに必要」と、さらっていく。
 とんでも博士が、急に重要人物に。
 更に追撃してきたタフモスに苦戦するフラッシュマンだったが、助けに現れたマグが、カウラーのVTRを見せると、タフモスは萎縮。 その隙をついてローリングバルカンを炸裂させ、フラッシュマンはデウス獣戦士に勝利するのであった。
 ……前回面白かったのに、今回は唐突感満載で、残念回。
 これがあるから、『フラッシュマン』は今ひとつ、盛り上がりきれない。
 上げて、落とす。
 それが『フラッシュマン』の得意技(^^;
 唐突もいい所の反フラッシュ現象ですが、前半、タフモスから攻撃を受けた時にスーツのゴーグルが開く、という演出に関係が あったのかどうかは、謎。そのシーン自体、ストーリー的な指定なのか、単なる映像上の演出にすぎないのか、前後に脈絡が無い ので判断がつきませんし。仮に関係があって伏線だとすると、デウス遺伝子(液)を含めてのメス側の反応も含めた絡みだとは思い ますが、もし後に明かされる伏線だったとしても、このエピソード内でのわけがわからなすぎなので、評価しがたい。
 成り立ちそうな解釈と有りそうな展開としては、ラー・デウスもリー・ケフレンも元々はフラッシュ星人サイド→その遺伝子を使用した 事で係長軍団には拒否反応が発生→デウス獣戦士の攻撃を受けた事でフラッシュマンのフラッシュ星部分が活性化→地球人との間に 反フラッシュ現象発生、とかかなぁ……カウラーの言う時村博士がデウスを倒すキー、というのもその辺りの絡みか。


◆第45話「戦士よ地球を去れ」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 社長がデウス遺伝子を絞り出しているのを、物陰からじっと見つめる専務。
 「見たぞ……デウス遺伝子、デウスの体から出ていたとは」
 ……いや、デウス遺伝子が、デウス以外のどこから出ているのか、と。
 …………もしかして、「発明者の名前をつけました」とか「会社の名前をつけました」とか、そういうつもりだったのかしら。
 ところで気が付けばいつの間にか、専務まで陰で社長をこっそり呼び捨てなのですが、実は専務が社長に反意を抱く流れという のは全く描かれていません。
 カウラーに自分の素性について思わせぶりな事を言われる→気になったので調べる→ついでに社長の正体も調べちゃえ♪→怒られる
 というだけで、専務が社長の正体について考えた素振りなども過去に一切無い(筈)ので、急に社長について探るようになったのも かなり唐突というか、割と無理矢理。更にそこからいつの間にか、社長に含むもの有りみたいな感じになっているのは、正直けっこう 苦しい。
 (私はこの遺伝子シンセサイザーを使って、デウスさえも改造できるかもしれん)
 それはそれとして、芸術家の魂に火がついた模様
 専務は、「キルト、その身を捧げよ」と、キルトの肉体からデウス獣戦士ザ・キルトスを作成。
 その頃カウラーは、さらってきた時村博士に、密かに入手した遺伝子シンセサイザーの設計図を見せ、それを基により優秀な遺伝子 シンセサイザーを作るように脅迫していた。
 「出来る、おまえはタイムマシンすら作ろうとした男。おまえなら出来る」
 ……
 ……
 ……
 ………………それだけ?
 時村博士をさらった理由はそれだけなのか、カウラァァァァァ?!


 下がった、私の中の部長株が、物凄い勢いで下がった!(笑)
 時村博士がカウラーとガルダンの目を盗んで発信した信号をキャッチしたフラッシュマンは、博士を救出。だがそれも束の間、乱入した キルトスの攻撃を受けてしまう。その混乱の隙をついて再び博士の身柄を奪い、逃げ去るカウラー。
 レッドフラッシュのプリズム聖剣スーパーカッターを受けて爪を折られたキルトスは、一時撤退して街へ。人々の生命力を吸い取って パワーアップするキルトス。追いすがるフラッシュマンは襲われていた親子連れを助けるが、再び反フラッシュ現象による衝撃波が彼等を 襲う。更に、近くにあった植物から噴出するガス
 とうとう反フラッシュ現象は、植物との間にも発生するようになってしまったのだ!!
 (もしやこれが、フラッシュ星に生まれ育ったものに、避ける事の出来ない弱点……?)
 レー・バラキの遺言を思い出すジン。
 やっと戻ってきた筈の故郷に拒絶されるという事実に苦しみながらも、地球を守る為に戦い続ける事を誓うフラッシュマン。
 人間の生命力を吸収する事で自慢の爪を取り戻し、凄まじい力を誇るキルトスに苦戦するが、レッド捨て身の作戦で、ブルーのスーパー サイクロンが直撃。再び爪を失うキルトスであったが、相棒であったウルクが己の生命力を与える事で、ウルクを吸収する。
 長らく戦闘の彩りとしてセットで活躍してきたウルク・キルトに、改造生命体なりの友情が、という見せ場なのですが、専務は 面倒くさがらずにウルクもデウス獣戦士にしてあげれば良かったのに、とは思わなくもない。
 しかしフラッシュマンも慣れてきたのか、合体攻撃でキルトスの爪をあっさり破壊。ローリングバルカンでトドメをさし、デウス獣戦士 をまたも打ち破るのであった。
 終始、キルトスがやたらに強いのですが、数秒前まで苦戦していた筈のフラッシュマンが、それをかなり無理矢理に打ち破ってしまう ので、戦闘自体はちょっと興ざめ。もう少しなんとか工夫して欲しかった所です。ウルクとか、かなり犬死に……まあ、見せ場があった だけ、マシか。
 ――そしてその頃、時村博士はカウラーの脅しに屈し、強化遺伝子シンセサイザーを制作し始めていた……。
 兎にも角にも、反フラッシュ現象が唐突すぎ。
 レー・バラキの遺言を持ち出すのなら、以前の、フラッシュ星が惑星並列でパワー減退ネタはやらなければ良かったのに、という他 ありません。
 その時も遺言を持ちだしたのですが(結局バラキは最後までフラッシュマンの弱点を伝えていないのであくまでジンの推測にすぎない のですが)、そう思わせておいて、本当の弱点はこちらだったというミスディレクションのつもりだとしたら

 大失敗

 残念ながら、うまく騙された、という感じは全く無く、伏線としては明確な機能失敗。
 やたら酷いネタがやたら唐突に出てきた、という感じしかありません。
 素直に、遺言は放置しておいて、「そういえば、あの遺言ってなんだったんだ……?」と思わせておいた方が、遙かに良かったし、この 展開に納得がいきます。
 意図通りかどうかはわかりませんが、凝りすぎて失敗。
 そういった流れを抜きにして、反フラッシュ現象と、それでも戦おうとするフラッシュマン、というシチュエーションだけなら格好良い のですけど、格好良いだけに、なおさら大失敗したなぁ、と思わざるを得ない。うーん、これは残念(^^;
 余談ですが、東映の配信ページに書かれたサブタイトルが「戦士よ地球を守れ」という、絶妙な誤表記になっていました(笑)
 過去にもたまに間違えて書いているので、鵜呑みに出来ない。

◆第46話「たった20日の命!!」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 ついに社長の後頭部が!
 というか、中に人が入った感(笑)
 相次ぐデウス獣戦士の投入失敗で、社長の叱責を受ける専務を、身を挺してかばうネフェルさん。
 急にケフレンを「お父様!」と呼ぶ。
 「私を作ってくれた博士は父のようなもの」と、自らデウス獣戦士化を志願。何か感じ入るものがあったのか、ネフェルの肩をぐっと 掴むケフレンの、これまでと違う感情の揺れの表現は格好いい。
 時村博士の捜索を続けるフラッシュマンの前に姿を見せるネフェル、そしてその細胞を取り込んで作られたデウス獣戦士ザ・ネフルス。
 戦闘が始まり、レッドと交錯するネフルス、

 いきなり 自 爆

 ……いやー、これは驚きました(笑)
 驚愕と共に大ダメージを受けるフラッシュマン。爆散したネフルスだったが、ネフェルの目からビームを受けて再生復活! 再び突撃、 自爆。ネフェルの生命エネルギーを受ける事で幾らでも復活するネフルスは、不死に等しい能力を持つ。 この凄まじい攻撃の前に、フラッシュマンはぼろぼろになりながら何とか逃げ延びる。
 一方、カウラーの元では、とうとう時村博士が強化型遺伝子シンセサイザーを作り上げていた。
 やにわに鍵盤に指を滑らせるカウラー。
 ……そうか、部長もセッションしたかったのですね
 シンセサイザーの演奏を通じて届ける専務への愛のメ(以下規制により削除)
 謎タワーを通して拡散したシンセサイザーの響きはラボーまで伝わり、急に苦しみ出す社長。
 何故かラボーのメインコンピューターにも火花。
 この辺りは完全に謎だらけですが、ラストのラストでそれぞれの正体と合わせて解明されるのでありましょう。とほほなネタでない事を 祈ります。
 「ふふはははっ、我が妙なる演奏の調べを、デウスのヤツにたっぷりと味合わせてやるのだ」
 ノリノリの部長。
 もう最終回はあれか、専務との

 愛の連弾か。

 その頃、何とか逃げ出したフラッシュマンは小川の水を飲もうとするが、口にした途端に吐き出してしまう。
 もはや反フラッシュ現象は、地球の水さえ受け付けない所まで、彼等を追い詰めていた!
 フラッシュベースのコンピュータにマグがデータを打ち込むと浮かび上がる20という数字。

 “フラッシュマンが地球で生きていられるリミットは、あと20日”

 残酷な数字をマグは告げる。
 「この星は、僕たちに出てけっていうのか」
 血を吐くようなブンの叫びが響き渡る。
 ……まあ、どちらかといえば、地球というよりフラッシュ星のせいですが。
 強化遺伝子シンセサイザーの響きをキャッチしたフラッシュマンはカウラーの隠れ家に飛び込むが、またも時村博士を連れて逃げられて しまう。去り際に、「君たちの中に私たちの本当の子供がいるんだ」とカウラーの言っていた事を告げる時村博士。
 そして同じくカウラーを追っていたネフェルと遭遇。

 自爆
 自爆攻撃の度に、爆発が派手で笑ってしまいます。
 ネフルス相手に勝ち目が無いかと思われたフラッシュマンだったが、ネフェルの出す光線がネフルスを再生している事をレッドが見切り、 生命エネルギー光線を遮断。ネフルスを再生できなくなったネフェルは自らレッドフラッシュと切り結ぶが、プリズム聖剣の前に敗れ、 「ケフレン様!」と絶叫を残して散る。ここに、

 真ヒロイン、リタイア

 いきなりの「お父様!」も含め、ヒロインらしい最期となりました。
 何故かラストバトル、ネフェルーラに変身しないで最後まで顔出しのままですし(笑)
 ただ最後に爆発していないのと、巨大化したのが(何故か)ネフルスだったのが、ちょっと気になります。
 内部対立に続き、次々と幹部を失い、着々と崩壊へ向けて突き進んでいくメス。ラー・デウスとは何者なのか? 遺伝子シンセサイザー に隠された秘密とは? 大博士リー・ケフレンはそこに何を見るのか? 野望に燃えるサー・カウラーが加速させる死線の中、地球の未来 を賭けた三つ巴の戦いも、終わりの時は近い。
 だが、フラッシュマンが地球に居られるのは、あと20日。
 果たして彼等はその僅かな時間で、時村博士を救い出し、全てに決着を付ける事はできるのか?!
 あ と 20 日
 ってラストに大きくテロップ出ました(笑)

◆第47話「ワンダ!死の絶叫」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 「聴け、デウス、おまえが生命改造実験の為に殺した、多くの生命のレクイエムだ!」
 部長、超のりのりでセッション継続中。
 UFOの中から響き渡るシンセサイザーの調べに、苦しみ続けるラー・デウス。駆けつけたリー・ケフレンは、社長のカルテが開示 されているのを読みとり(どこに表示されているのかは不明、よくわからない)、その体が過去に幾度もの生命改造手術を受けている事を 知る。
 「わかったか……私の秘密。メスの究極の目的とは、この私が宇宙最強の存在になる事なのだ。その為に、私は何百年にも渡って 大博士と名乗るものから生命改造手術を受けてきたのだ」
 社長、いきなりの告白タイム
 メスの“大博士”とは、リー・ケフレン以外にも過去に存在し、ラー・デウスがケフレンに数々の生命改造実験を任せていたのは、 「自分を改造するのにふさわしい“大博士”に鍛えあげる為」であった! 自分に改造させてくれるのかとちょっぴり喜ぶ専務だったが、
 「たわけぇ! おまえにまだそんな力はない!」
 と説教ビームを受けてしまう。
 その姿に、自分の細胞を使ってくれと進言するワンダ。
 一方、何故かラボーに侵入していたガルダンが、全てを柱の陰から盗み聞きしていた……。
 ケフレンの力をデウスに証明する為、フラッシュマンの元へ姿を見せるレー・ワンダ。ワンダーラに変身後、獣戦士・ザ・ワンダルとの 合体攻撃によりパワーアップした<タイムストップ3秒殺し>は、もはや“3秒”に限らず、永遠に対象の時間を 停止させる!!
 4人を逃したものの、光線を浴びて停止してしまうレッドフラッシュ。
 動きを止めたレッドをなぶり殺そうとするワンダーラ。4人はレッドを助けようとするが、バリアー(と言っているけど、時間の停止 した空間、とでも捉えた方が格好いい気がする)に阻まれ、内部に攻撃が出来ない。
 その頃、時村家の次女が父を助け出そうと、何を考えたのか、タイムマシンを弄っていた。
 うっ、このパターンは……と思っていたら、次女が適当にタイムマシンを弄り、マシンが起動したのに合わせて、 なぜかバリアー消失。

 うん、まさかもうね、とんでもタイムマシンが、終盤までこれほど活躍するとは、思いもよりませんでした。 というかもう、タイムとかマシンとか地平の彼方でどうでもいい謎のブラックボックスですよねこれ!

 ……すみません、あまりにあまりな展開に、ちょっと動悸が激しくなってしまいました。
 タイムストップ空間が崩壊した隙をついて、レッドを助けて逃げ出すフラッシュマン。だがその逃亡中、とうとう太陽からの直射日光に すら、ダメージを受けるようになってしまう!
 太陽のコロナ活動が収まり、なんとか普通に行動できるようになるフラッシュマンだが、その地球上でのタイムリミットは残り15日に まで迫っていた。更にワンダーラとワンダルに追いつかれ、5人はタイムストップ空間に捕まってしまう。
 いよいよフラッシュマンに迫る最期の時……UFOから戦いを見物していたカウラーの後ろで映像を見ていた時村博士は、カウラーと ガルダンの意識が戦闘の映像に逸れたその一瞬のタイミングに、転送ビームを用いてUFOからの脱出に成功する。
 「私のタイムマシンを使えばフラッシュマンを助けられる」って、その確信は何故。
 一応、そもそも博士の初登場回で、タイムマシンが獣戦士の次元バリアーと反応を起こしているというのはあったわけですが、それに しても、ご都合すぎるというか、意味不明すぎる世界。
 都合良く、UFOのビームで時村家の研究室に着地した博士は、タイムマシンを起動。ワンダーラのタイムストップを打ち破ると共に 何だか色々と大変な事になって、過去の時村家?を垣間見るフラッシュマン達。
 エネルギーを使いすぎたワンダは、妖獣変化の力を失う。
 「タイムストォォップ!」
 「タイムストォォォップ!」
 と必死に叫ぶシーンは、広瀬さん熱演で、ワンダのへたれぶりが全開に炸裂するいいシーンになりました。
 続けて、ススキ野原での、レッドvsワンダ、最後の殺陣も格好良かったです。
 エネルギーのほとんどを失ったワンダはプリズム聖剣の攻撃により全身に傷を負いながらも、最後の力を振り絞ってレッドフラッシュへ と迫る。無言で待ち受けるレッドフラッシュ。突き出された渾身のキラーセイバーはその喉元に突き刺さる寸前で力を失い、止まる。
 倒れ伏すワンダ、大爆発!
 ここにメスは係長軍団の全てを失った……かに見えた。
 だが、タイムマシンでフラッシュマンを助けた後、戦場を離れていた時村博士を再び捕らえようとしていたボー・ガルダンを、一つの 影が奇襲する。それは、レー・ネフェル!
 祝・真ヒロイン復活
 先週、爆発しなかったので可能性はあるかもとは思っていましたが、本当に復活するとは思いませんでした。
 なんだか、ネフェルさんを真似した結果、自分は先に爆死してしまったワンダ係長が、ちょっとだけ可哀想。
 あ、巨大化したワンダルは、タイタンノヴァで瞬殺されました。
 グレートタイタンは、この期に及んで、未だ劇中でかすり傷一つ負っていない気がします。
 ワンダは、ワンダはなぁ……「超パワー!!」の回で死んでおけば良かったような気がします。
 まあ、着ぐるみでは無しに役者さん使っているので、そういうわけにも行かなかったのかとは思いますが、あそこで一度、絶頂期で 死亡した後、カウラーが落ち着いた後の3クール目開始前後ぐらいで強化復活とかすれば良かったので無いかなぁ……。係長軍団の個性化 が始まった所で、ナルシー設定の美形悪役ポジジョンにクラスアップしてレッドとライバル関係を築きかけたわけですが、「かけた」 で終わって、そのまま部長に完全に食われてしまったという、悲惨な流れ。
 課長昇進(妖獣変化)で一旦スポットライトを浴びかけますが、何が悪かったかといえば、《タイムストップ3秒殺し》が悪すぎ ました。やたら技名を発してからの準備モーションが大きいのにフラッシュマンは発動するまでおたおたしているだけ、発動したら 発動したで何故かワンダーラはしばらく見ているだけ、そして微妙に効果的でないダメージを与えて満足して終わり、という。 加えて、効果的に使うと本当に必殺になってしまうというのが、何より致命的。
 はったりと勢いで遂やってしまったのかもしれませんが、この必殺技は、本当に失敗でした(^^;
 或いは最初に使った後、うまく制限をかけるべきだったと思うのですが、結局それが最後までかけられなかった。
 せめてレッドとのライバル関係をちゃんと構築できていたらなぁ……監督がラストバトルを格好良く演出してくれたのが、せめてもの 手向けとなりました。
 フラッシュマンが地球に居られるのは、
 あ と 15 日

◆第48話「カウラーの最期!!」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 ネフェル、ガルダンを捕まえてラボーに帰還。
 ガルダンを改造したデウス獣戦士ザ・ガルデスを連れ、フラッシュマンに挑戦状を叩きつけるネフェルさん。
 行方不明の部下を気にしていたのか、乱入してきたカウラーと三つ巴の戦いになり、どういうわけか、獣戦士と人間と、二つの姿を 行き来するガルダン。その攻撃を受けてカウラーは右手を負傷するが、プリズムエネルギーの不調により、フラッシュマンは変身を 解除されてしまう。いよいよ5人の体は、そこまで弱っていたのだ!
 フラッシュベースから、「頑張って」とか「立て、立つんだ」とかマグが声援を送るのですが、精神論ではなく、対策をもう少し立てろ と、このロボットは正座させて説教した方がいいと思います。
 サラを攫って、UFOへと逃げ込むカウラー。
 右手を負傷したカウラーは、「本当の親の事を教えてやる」のを交換条件に、遺伝子シンセサイザーを弾くように強要する。 フラッシュマンに変身する事も出来ず、カウラーの要求を呑むサラ。サラがシンセサイザーを弾きだすとガルダンも正気を取り戻し、 ガルダンをUFOで回収したカウラーは、いい感じにハイになってきたのか、そのままラボー要塞へ突貫する。
 一般兵を蹴散らし、社長室へたどり着くカウラーとガルダン。
 度重なるシンセサイザーの演奏で弱っているのか、数百年かけて改造を続けてきた宇宙最強を目指す存在と大口叩く割にはけっこう 苦戦するラー・デウス。
 そして遂にカウラーの一撃がデウスに致命の一撃を与える!
 ……割 れ た?
 戦いの決着を陰で見ていたリー・ケフレンは、ラボー内部の装置を使って、二人を外へ排出。同時に、なぜかカウラーのUFO、墜落。
 砕けたデウスの仮面を手に取ったケフレンは、その正体が遺伝子液の塊であった事を知る。「蒸発してしまえば終わり……」ほくそ笑む ケフレン。その足下では、真紅の液体が妖しく蠢いていた――
 一方、ラボーから外へはじき出されたカウラーとガルダンはフラッシュマンと接触。ラー・デウスを倒した今、全ての雌雄を決するべく、 暗黒のハンターとフラッシュマンの決戦が始まる!!
 「夕陽を浴びて流れる血は、綺麗だぜ」
 前回に引き続き、レッドvsカウラーが一騎打ち、他の4人はガルダンの相手、という構図(前回はレッドvsワンダ、4人vs獣戦士、 という構図)。
 夕陽を浴びて海岸線での立ち回りは、気合いが入ってさすがに格好いいです。
 これまで圧倒的な戦闘力を誇っていたカウラーですが、デウス戦で、HPとMPが減っていたのか、 レッドフラッシュに苦戦(カウラーにしてみればボス戦2連戦状態)。エネルギー鞭を槍に変形させて激闘を演じるものの、わずかな差で、 プリズム聖剣が部長の鎧を貫く!
 遂に倒れるサー・カウラー、その前にガルダンが立ちはだかるが、その時、遺伝子シンセサイザーの響きと共にラボー要塞が姿を 見せる!
 「カウラー、この宇宙では策略を使わねば生きていけんのだ」
 全ては二人にデウスを倒させ、その後で、ガルダンを獣戦士に戻す事で部長とフラッシュマンを始末する作戦だったのだ、と語る専務。
 作戦だったのだ!!と力強く言われましても、作戦だったの……? という感じだったりしますが(^^;
 せめて専務が部長達をラボーに引き込むとか、そのぐらいは描いてほしかった所です。
 そもそも、部長達のラボー突撃からして物凄く唐突で、あれよあれよという間に社長との決戦になってしまい、とにかく、話の流れが 無い。
 部長的には、戦闘中にシンセサイザー弾いてくれる人(サラ)ゲット! とかあったのかもしれませんが、その辺りの台詞や意思の説明が 専務サイドも部長サイドも全く無いので、ラボー突入に至るプロセスが杜撰すぎて、後から「作戦」とか言われても、さすがに納得が できません(^^; ここは部長なりの展望を描いて突入させた所で、実は専務の手の上だった! という構成に本当はしないと格好が つかないわけですが、なんかもう、書いている人も、撮っている人も、よくわからなくなってきてないか……?(笑)
 デウス亡き今、宇宙の支配者を標榜するケフレンに向けて、カウラーが吼える。
 「何が宇宙の支配者だ。
 ケフレン……貴様は地球人だ!
 ケフレン、貴様が、ウジ虫と軽蔑していた、地球人だ!」
 遂にカウラーの口から語られる衝撃の真実。
 「地球人だ!」のところで、それまで鳴り響いていたシンセサイザーの音色がぴたっと止まる、という演出は格好良い。
 「嘘だ! 私は地球人なんかじゃない!
 私は宇宙一の天才だ、大博士リー・ケフレンだ!」
 ……正直なところ、この宇宙観における地球人のヒエラルキーがよくわからないので、天才だったら別に、地球人でも良いのではないか、 とかいう気はしないでもありませんが。「フラッシュ星人だ!」ぐらいまで行けば衝撃的でしたけど。
 巨大化したガルデスを、タイタンノヴァで今日も瞬殺したフラッシュマンは、地に倒れるカウラーの元へと駆け寄る。カウラーは、 フラッシュマンに関わる全ての秘密を抱えたまま死んでしまったのか……だが!
 「ケフレンを倒すまでは死ねん!」
 目を見開いたカウラーは、最後の力を振り絞ってUFOを呼び、近づいていたサラを連れて飛び去っていく。
 フラッシュマンが地球に居られるのは、
 あ と 6 日
 序盤から色々と贔屓されていたサラですが、ここに来て、最後のヒロイン推し。
 最終回に向けて、ネフェルさんからヒロインの座を取り返せるのか?!
 前回と今回に共通して明確になった事ですが、『フラッシュマン』最大の失敗は、敵サイドとフラッシュマン達の間に、個人的な 因縁を構築できなかった事になると思います。
 メス(エイリアンハンター)vsフラッシュマン、の間にはしっかりした因縁があるものの、それが個人レベルのドラマとして成立 できなかった。
 だから、レッドvsワンダにしても、レッドvsカウラーにしても、映像的には格好いいものの、ドラマが乗らないので、あと一押しの 盛り上がりが無い。カウラーに関して言えば、5人で倒すか、ケフレンに倒させるか、の方が、作劇の筋としては成立するわけです。 あそこで、レッドと一騎打ちする事に、“画が格好いい”以上の意味が全くない。その意味を、物語として付加出来なかった。これが失敗。
 ワンダはともかく、カウラーは20年前に地球から5人を攫った、という極めつけの因縁があるにも関わらず、その因縁が戦闘に繋がる ドラマと絡んでこない。
 ただ、敵だから、そこで出会ったから戦闘、といった形になってしまっていて、そこへ至る積み重ねが無い。
 これは、カウラー→ケフレン、ケフレン→デウス、にも言えて、個人単位のドラマの蓄積が薄いので、最終盤における各キャラクターの 動きが全て成り行きに見えてしまう。
 フラッシュマンに関して言えば“戦う理由”そのものはブレていないわけですが、逆に1話から全く前にも後ろにも進んでおらず、 折角ブンが憎しみの連鎖を乗り越えたのも、やはり活かされそうにない。
 1年やってきた作品としては、非常に残念。


◆第49話「逆襲ラー・デウス」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 いよいよ最終決戦の時が迫る……!
 時村博士は脱出に成功し、サー・カウラーはジンとの一騎打ちに敗れた。だが、最後の力を振り絞ったカウラーはサラを連れてどこかへ 飛び去ってしまう。一方、大帝ラー・デウスの倒れたメスでは、実権を握った大博士リー・ケフレンが、自ら宇宙の支配者となる事を 目論んでいた。反フラッシュ現象の進行により、フラッシュマンが地球へ居られるのは、あと6日。果たして、彼等はメスを討ち果たし、 故郷を守る事が出来るのか……?!
 さらったサラを田舎の民家に置き去りにするカウラー。
 そこは、前回タイムストップ空間とタイムマシンの反応により 集団幻覚 タイムスリップ?でサラが目にした家だった。 生活の跡が残る、うち捨てられた空き家の中で、サラは古い写真立てを見つける。そこには若かりし日の時村夫妻と赤ん坊が写っていた……!
 どうやらカウラーは前回の「遺伝子シンセサイザーを弾いたら両親の事を教えてやる」という約束を守ったらしい。
 ……しかし、家ごと忘れているのか、博士?
 写真に写る赤ん坊の首にかかった黄色い石を見たサラは、それが自分の変身ブレスに付いている物と同じ事を確信し、時村夫妻が自分の 本当の両親であるという確信を深める。だがその時、突然の身を折るような苦痛がサラを襲う。同じ頃、サラを探し回っていたフラッシュ マン達も同様の頭痛や吐き気に襲われていた。フラッシュマンが地球に居られるのは――あと4日!
 一方、サラを生家?に送り届けたカウラーは、瀕死の体でUFOを操り、ラボーへと進路を向けていた。
 「ゆくぞ、ケフレン……!」

 UFO突貫……爆発

 部長、玉砕して地球に散る。
 ラストに男らしい所を見せ、いい最期でした。
 前回、カウラーとレッドフラッシュが戦っても、もはや盛り上がりが微妙、と書きましたが、やはりカウラーとケフレンこそ、ぶつかり合うべき でありました。間接的とはいえ、最後にマッチアップが実現して満足。
 社長、部長が次々と死亡し、遂にメス内部に敵対する者の居なくなった専務、社長の椅子に座ってみる。
 多くの人が憧れるあれです(笑)
 「大博士リー・ケフレン、、ついに今、改造実験帝国メスの頂点に立ったぞ!
 全宇宙の生きとし生けるもの全てを、この私の手で思うままに改造できるのだ!
 どれだけこの日を待っていた事か……」
 「頂点に立った」というか、「独りぼっち」状態ですが……ネフェルさん復活はこの為か。
 誰か一人ぐらい讃えてくれるキャラが残っていないと、あまりにも切なすぎます。
 あと、やること変わってないような……
 高笑いするケフレンだったがその時、床を伝う赤い遺伝子液が倒された筈のデウスの体に接触。
 社・長・復・活
 ……というか、入れ物、放置していたのか(笑)
 「この私がおまえたちごときに負けると思っていたのか!!」
 大激怒の社長ですが、もはやあまり説得力がありません。
 「負けるものか、私には遺伝子シンセサイザーがある!」
 閃光を放ちながら迫る社長に対し、遺伝子シンセサイザーを奏でる専務。その背後をネフェルがかばう中、響き渡るシンセサイザーに 社長は苦悶の叫びをあげる。社長を自分の思うままに改造してやると吼える専務。
 だが、社長も負けてはいない。
 「地球人ごときにこの私が操られるものか!」
 遂に、社長の口から告げられる真実。
 「カウラーが言ったように、おまえは地球人なのだ! おまえは300年前に、この地球から誘拐されたのだ!」
 この一言にとうとうアイデンティティの崩壊したケフレンは遺伝子シンセサイザーに崩れ落ちる…………が、
 「みんな……みんな改造してやる。
 生命改造こそが私の喜び。
 その中でも最高の遺伝子を持つ、デウス!
 貴様を改造するのが、私の最大の喜びなのだ!」
 社長「なに?」

 DMC! DMC! DMC!

 「出たーーーっ! ケフレン様の1秒間に10回生命改造実験だ!!」

 ……ごめんなさい、でもなんかもう、こんな感じ。
 辻褄とか物語性とか云々を通り越して、リー・ケフレン(清水紘治)の熱演が凄すぎて、全て持っていっています。
 大博士リー・ケフレンのかき鳴らす遺伝子シンセサイザーの鬼気迫る音色がラボーに響き渡る!!
 そして、異変を見せながら飛ぶラボー(やはりデウスと一心同体?)を見つけて追いかけていたフラッシュマンの前に、最強最大の 獣戦士が放たれる。
 「勝ったぞ……デウス獣戦士デウスーラ、たんじょぉぉぉ!!」
 ケフレンの改造実験に屈し、獣戦士と化したラー・デウスがフラッシュマンに襲いかかる。だが、プリズムシューターの一斉射撃を受け、 何故か元に戻る社長。
 「ケフレン見くびるな、大帝ラーデウスの力を。フラッシュマン、よくもここまで逆らってくれたな。だがそれも、ここまでだ」
 でも結局、その場でフラッシュマンと戦う(笑)
 番組史上最大量の火薬が炸裂し、吹き飛ぶフラッシュマン。
 その頃、サラを探し求める時村一家。そしてサラは、そんな時村一家の声に答える事なく、自らの生家を離れようとしていた。写真立て を見つめながら、
 「お父さん、お母さん、て呼びたいんだけど、呼べないよね」
 ここは良かった。
 不思議空間へ引きずり込まれ、デウス相手に絶体絶命のフラッシュマン。その時、間一髪、サラが駆けつける。
 5人揃ったら勿論、ローリングバルカンです。
 直撃するローリングバルカン、だが、爆炎の中から社長が姿を現す。
 「はぁ、ははははは、はは、あはは、ははははははははは!!!」

 「よし、もう一度だ!」

 またそれですか
 最初から最後まで最強だったといっていいローリングバルカンの2撃目を受け、今度こそ砕け散るラー・デウス。クラーゲンによって デウスーラとして巨大化するが、フラッシュキングのスーパーコスモフラッシュを食らって絶命する。
 この期に及んでフラッシュキングが大活躍だったのですが、この戦力比を見ると、結果的に、如何にズコンダが 大金星だったかがわかります。
 ローリングバルカンといい、フラッシュキングといい、フラッシュ星人の科学力は極悪すぎ。むしろ何故、 もっと早くメスを殲滅できなかったのかと……おそらく、もう少しでメスを仕留められるぜひゃっはー、という時期に反フラッシュ現象が 発見され、英雄タイタンが死亡、逆転されたとか、そんな所でしょうか。
 遂にフラッシュマンはラー・デウスを倒した。
 彼等が地球に居られるのは……あと1日
 ……あれ? いつのまに3日縮んだ?
 ローリングバルカンの連続使用のせいでしょうか?
 そして、爆発跡で怪しげに光る社長マスク。次回、いよいよ最終回!

 今週は完全に、大博士ワンマンショー

 結局、強いのかどうかよくわからない社長、とかどうでも良くなる勢いです。

◆最終話「さらば!故郷の星」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 なんだかんだで、最後だと思うとOPも感慨深い。
 「デウスは死んだ。だが、デウス遺伝子は尽きる事がない」
 ふわふわしていた社長マスクは、社長がしぶとく生きていたというわけでなく、社長を構成していた遺伝子液の影響らしいのですが、 この辺りはもう、さっぱりよくわかりません(笑) もはやここまで来ると、どうでもいいといえば、どうでもいい。
 「ラボーが壊れる前にフラッシュマンを倒さねばならん」と、ケフレンは遺伝子シンセサイザーを奏で、巨大化した社長マスクと クラーゲンが合体、最強獣戦士デーモスが誕生する。
 社長が苦しむとコンピューターから火花出たり、社長がケフレンと争っている間に青い閃光が散ったりと微妙な伏線のあったラボー 要塞ですが、結局、社長と一心同体という事で良いのでしょうか?
 しかし……仮にフラッシュマンを倒してもラボー無しでネフェルさんとケフレンだけ居てもどうしようもない気がする のですが、専務も切羽詰まってちょっとよくわからなくなってきているっぽい。
 フラッシュマンが地球に居られるのは……あと10時間
デウスーラを撃破後、フラッシュベースの医療カプセル内部で治療を受けていたフラッシュマンだが、デーモス出現の報にマグを振り切り、 フラッシュキングで最後の決戦に挑む。
 フラッシュマンが地球に居られるのは……あと8時間
 一方その頃、廃屋に辿り着いた時村一家は、そこで写真立てとサラの置き手紙を見つける。
 サラはてっきり真実は自分の胸だけに仕舞っておくのかと思ったら、全くそんな事は無いという。
 「私はメスと戦う戦士です……(中略)……地球に居られるのも今日かぎり」
 という、置き手紙の内容は、フラッシュマンらしさ全開ですが。
 置き手紙とオーバーラップして描かれる、フラッシュキングとデーモスの戦い。今まで数多の獣戦士を打ち倒してきたキングミサイルも ビームも通じず、コスモソードまで折れた!
 デーモスにエネルギーを吸収され、倒れるフラッシュキング。
 「遂にフラッシュキングを倒したぞ!」
 ……………………………………15話で(部長が)倒しましたよね、専務?
 フラッシュマンが地球に居られるのは……あと6時間
 フラッシュキングを脱出した5人は、通信を受けて時村夫妻こそサラの本当の両親であったという事を知る。「私だけ、親がわかったと 喜べなかった」と言うサラに、「陽が沈むまでにメスを倒せば、地球を脱出する前に会う事ができる」と、団結を強くする5人は、 フラッシュタイタンを発進させる。
 フラッシュマンが地球に居られるのは……あと4時間
 前座のタイタンボーイこそ軽くひねられたものの、ここで真打ち、グレートタイタン登場。
 タイタンノヴァのエネルギーすら吸収しようとするデーモスだったが……やはりグレートタイタンは無敵だった。 タイタンノヴァのエネルギーを吸収しきれず、デーモス大爆発。
 グレートタイタンは、18話で初登場以降、2〜3話に1回ぐらいの登場ですが、結局、

 無傷・完封。

 しかし結局、フラッシュキングがコスモソードを受け取る時の「フラッシュキング・ジャンプ!」を妨害して、スーパーコスモフラッシュ を破る、というネタは無かったなぁ……初めて見た時から、きっとやってくれると思っていたのに(笑)
 ……いよいよタイムリミットは残り2時間、不時着したラボーへ乗り込むフラッシュマン。
 襲い来る戦闘兵達を蹴散らし、遂にケフレンの元へ辿り着く。
 フラッシュマンを確認後、何故かおもむろにフラッシュマンに背を向けてシンセサイザーを弾き始めるケフレンを かばい、プラズマ聖剣に貫かれるネフェル。
 「おとう……さ……ま!」
 今度こそ、爆死。
 真ヒロインにふさわしい最期でした。
 「ネフェル……!」
 怒りのケフレン、杖から光線。
 ……てっきり戦闘力は無いのかと思ったら、自分で光線出せるのに、どうして乗り込んできたフラッシュマンに背中向けて シンセサイザー弾き出していたのか(^^; 演奏に没頭して奇襲を受けたとかならわかるのですが、一度フラッシュマンの姿を確認して から弾きだしたのが割と謎。
 だが結局は大博士、復讐の超戦士フラッシュマンには敵うべくもなく、プリズム聖剣スーパーカッターがその体を両断する。重傷を 負ったケフレンは、「遺伝子シンセサイザーで、地球に居られるようにしてやろう」と、悪魔の取引を持ちかける。
 だが……!
 「多くの命を傷つけ、弄んできた遺伝子シンセサイザー、そんな物の力を借りるわけにはいかないわ!」
 ついに本当の両親を知り、最も地球に残りたい筈のイエローフラッシュ、その放ったプリズムシューターの閃光が遺伝子シンセサイザー に突き刺さる!
 「私の、遺伝子シンセサイザー……」
 シンセサイザーにすがりつく、リー・ケフレン。その指が、最後の力で鍵盤を叩く!
「さらばフラッシュマン、
 さらば、地球よ!!」

 飛び散る火花、崩壊していくラボー。
 シンセサイザーを奏で続けながら、その中へと消えていく大博士リー・ケフレン。
 「はははははははははっ、はははははははははははははははっ、あはははあははははは、 あーっはっはっはっはぁーー! ははははは、はははははは! ははははははは!!」

 20秒間、高笑い
 大博士リー・ケフレン、自らのレクイエムを奏でながら、ここに散る。
 終盤、組織の博士としてはぐだぐだでしたが、狂気の芸術家としての道は全うしました。
 爆発四散するラボーを脱出したフラッシュマンは、勝利の雄叫びをあげる。
 「遂にやったぞ!」 あと5分 「やったぁ」「やったー!」「「やった」「やったわね」
 ……すみません、そこでテロップ重なったのは、つい笑ってしまいました。
 勝利の瞬間、しかし限界に達したフラッシュマンは変身も解除され、地面に崩れ落ちる。もはや、時村一家とサラを再会させるわずかな 時間を得る事も敵わない。
 「もうすこし、もうすこし……この星に……」
 「うあ……ああ、ああ……」
 「……はぁ、はぁ、くっ……!」
 「うあっ……ううぅ……う……」
 「うう……さようなら、お父さん、おかあさん!」
 泣き崩れる5人。
 敢えて必要以上に台詞を言わせずに、それぞれが慟哭と共に地球の地面をかきいだく、というのは良い。
 なにしろ、

 「フラッシュ星、本当にひどい星だった……」

 だから。
 残り1分、間一髪、駆けつけたマグのスターコンドルに回収されたフラッシュマンは、地球を離れ、宇宙空間へ。
 20年前の真実に辿り着き、娘と姉を見つけながら、家族として直接の対面かなわなかった時村一家は、地球からそれを見送るのだった。 そして戦いを終えたフラッシュマンは、いつの日か、反フラッシュ現象を克服して地球に帰ってこようと、誓い合いながらその身を休める のであった……ありがとう、フラッシュマン、いつの日か、美しい地球の大地でまた会おう!
 ……というわけで、家族だとわかったサラと時村一家の直接の対面は果たせなかったものの、帰還と再会に含みを持たせ、エンド。 最後に、「フラッシュ星の科学力ならきっと」と言わせてしまうのは余計だったとは思いますが、その辺りは視聴者層を考えれば、入れた 方が無難といえば無難か。……少なくともダイは、数年後に初代艦長シュバリエ(『地球戦隊ファイブマン』)として帰ってきますが(おぃ)
 さすがに、ラスト2話は盛り上げてきました。
 特に、リー・ケフレン(清水紘治)は凄かった。
 完全に、ラスト2話では、主役状態
 まあ、嫌な言い方をすれば、敵役を派手に散らせれば、なんとなく収まりがついたように見えてしまう、という作劇上の効果はあるの ですが、それにしても、見事な最期でした。伏線として49話の冒頭でカウラーの格好いい玉砕があり、そこから専務ワンマンショーに 繋げたのも構成上の勝利。
 ……お陰で社長はちょっと情けなくなってしまいましたが、これは仕方ない。
 ラスボスに社長を残すよりは、専務の方がやはり格好良かったと思います。
 これで終盤、“メス内紛のぐだぐだ”とか“社長の正体に関するぐだぐだ”をもっとすっきりとさせて、“フラッシュマンの鏡像 としてのリー・ケフレン”に踏み込んで描けていればドラマとしての完成度は抜群に上がったと思うのですが、そこは残念。
 あとは感情を普通に追いかければ仕方ないとはいえ、時村一家がサラ以外、眼中になくなってしまうのは、少々なんだかなぁ、 とは。
 最終的に、
 「君たち全員が、私たちの子供だ」
 的な展開を、個人的には期待していたのですが、まあ仕方ないか。

→〔総括へ続く〕

(2012年1月24日)
(2019年6月11日 改訂)
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