■『超新星フラッシュマン』感想まとめ1■
“孤独の宇宙から おぉ今こそ 帰ってきたぞ 鋼の魂”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『超新星フラッシュマン』感想の、
まとめ1(1〜10話)です。登場人物など紹介を付記。また文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
執筆中にコメントをいただきましたkanataさん、Beniさん、やり取りが感想に反映されている所もあります。
改めて、ありがとうございました。
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〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕
・ 〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕 ・ 〔総括〕
- ◆第1話「急げ!地球を救え」◆ (監督:堀長文 脚本:曽田博久)
- あまり良くない病気だとは思うのですが、戦隊物のOPを見ると安心します(笑)
タイトルコール→揃い踏み→個人紹介→アクション→ロボット
素晴らしい様式美。
物語は、改造実験帝国メスの地球侵攻と、フラッシュ星で育てられた5人の地球人の若者が、それを知って故郷へ戻ろうとする所から始まります。
赤ん坊の時に地球からさらわれ、20年間フラッシュ星で育てられた、5人の地球人。
20年間の育ての親を、割とあっさり振り払います(笑)
レッドが発見した宇宙船で、一路、地球へ。
「とっくに調査済み」の割には、監視ロボットに襲われたり。
一方地球では、メスの大部隊が地球人を虐殺中。この辺り、大規模攻勢とメカ戦、ドッグファイトは、第1話のお約束。
そのままメスの幹部連中との地上戦に雪崩れ込むのですが、先に敵幹部に名乗られるとは思わなかった(笑) 人語を喋らない一人を、
女性幹部が代わりに名乗る辺りとか、ちょっとほのぼの。
地上戦はお約束通りに個人装備の紹介アクションの後、なし崩し気味に合体武器で敵怪人を葬り去ります。
ほぼ一切、何も出来ないまま死んだゾウ怪人可哀想。
あまり説明なく進みますが、演出の勢いがあるのと、とりあえず「復讐の為に帰ってきた」らしいというポイントがはっきりしているので、
違和感なく見られます。
この辺りは、良くも悪くも伝統芸能の強み。
地球の自然に感動し、まだ見ぬ父と母への思いを口にしながらも、メスとの戦いに決着がつくまでそれは忘れるんだ、というラストは秀逸。
気になった事としては、レッドが老け顔。あと、女性二人パターンで、イエローが可愛い系で、ピンクが少し濃いめ、
というのは珍しいような。
- ◆第2話「見たか!巨大ロボ」◆ (監督:堀長文 脚本:曽田博久)
- 前回、起動プログラムの入ったディスクを抜き取って殴り飛ばした監視ロボットがまた再起動したとかで、冒頭から再び殴り飛ばすなど、
扱いが酷い。というか、放っておくと襲ってくるような監視ロボットを、基地の中に転がしておくな(まあこれが、
いわゆる長官ポジションとマスコットポジションを兼ねたロボなのですが)。
地球の遺伝子サンプル収集の為に、毎度律儀に発進する、改造実験基地ラボー(敵の超巨大円盤要塞)。
今回Bパートがロボットバトルの予定なので、早くも変身して地上戦開始。
敵幹部連中も律儀に全員登場し、フラッシュマンは1話で使いそこねた、共通武器の光線銃(変形仕様)で怪人と戦います。
一方、ラボーの中では、海から採取したクラゲの遺伝子を用いて、大博士が遺伝子シンセサイザーを演奏中。
大帝様いわく、
「今日の遺伝子シンセサイザーは、最高の演奏だ!」
そして生み出されたクラゲ獣(クラーゲン)が巨大化エネルギーキャラでして、倒した怪人が巨大化。
吹き飛ばされたフラッシュマン達は、Bパートに入って、フラッシュ星での辛い20年間の修行を
それぞれ回想します。
あれ、1話で一生懸命引き留めていた割には、けっこう本気で復讐に燃える戦士を育成していますよフラッシュ星人さん(笑)
うむ、それは、逃げるな(違います)。
その後は、正規のプログラムを入れられたロボットがナビロボットとして目覚め、合体をサポート。巨大ロボットバトルで終了です。
ロボット合体はもう少し前振り欲しかったですが、こんなものか……1話はまあいいとして、2話続けて、物語ほとんど無しの、要素見せ
オンリーだと、ちょっと辛い(^^; まあ本来なら、1週間空いて、なわけですが。
後はキャラストーリーなどが始まってどうか、かな。
5人があの格好のままなのかも含めて。
それにしても、フラッシュキングのシールドが、哨戒機のレーダードームだったという衝撃。
ちなみに挿入歌の、フラッシュキングの歌が結構格好いいのですが、
スターコンドルテイクオフ 夢にまで見た地球の空へ
という歌詞は、本編見直してから聴くと、なかなか迫るものがあります。
- ◆第3話「宿敵?ハンター!」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
- 偵察中に、不自然な軌道で大気圏に突入してきたUFOを発見したフラッシュマン達。墜落したUFOに乗っていたのは、かつて
赤ん坊の頃のフラッシュマン達を誘拐したエイリアンハンター(の仲間)だった。
瀕死のハンターの首を絞めんばかりの勢いで、20年前に地球から5人の赤ん坊をさらったハンターの情報を知らないかと問いつめる
レッドだったが、 そんな事知っているわけがない メスの戦闘機の襲撃により、ハンターの身柄は奪われて
しまう。
メスに救出されたハンターだったが、結局は死亡。大博士リー・ケフレンはその遺伝子を地球の生物とかけあわせて新たな獣戦士を造る
一方、ハンターへのこだわりを利用してフラッシュマンをおびき寄せる作戦を立てる。
深夜のパトロール中、ハンターが赤ん坊をさらう現場に居合わせたレッドは、ハンターを追撃。
赤ん坊を抱えるハンターを何の躊躇もなく射撃するなどして手傷を負わせるも、獣戦士の登場もあり、逃げられて
しまう。
夜を徹した捜索の末、ハンターのものと思われる血痕を発見し、その後を追うレッド。
しかしこの血痕は、メスによる偽装であり、レッドを誘う罠であった。……というか、メスの幹部の皆さんは、緑色のインクを地面に
撒いて歩くなどという地味な作業にどうして自らいそしんでいるのだろう(笑)
仕事の効率化の為に、そういう作業は、雑魚戦闘員を使え、と言ってあげたい。
……まあメスは、大帝ラー・デウスの下に大博士リー・ケフレンが居て、その下の5人は、幹部というほど幹部っぽくもなく、実働班の
部隊長ぐらいの雰囲気ではあるのですが。わざわざ戦隊と合わせて5人にしたっぽいのに、今のところまだ全然、キャラも立っていない
ですし(なので名前もなかなか覚えられない)。そもそも、羽男、クリーチャー系はいいとして、残りが獣娘3人、というのは
どうなのか。そういう趣味なのか。誰の趣味なのか。
ちなみに会社組織に例えると雰囲気的には、
大帝ラー・デウス = 社長
大博士リー・ケフレン = 専務
羽男 = 係長
豹娘 = 係長
残り3人 = 係長補佐
ぐらいな感じ。
部長や課長ですらありません。
羽男と豹娘のどちらが偉いかはよくわかりませんが、羽男からは、今のところへたれの匂いしか感じません。
そんなこんなでレッドを廃ビル的な所へおびき寄せ、ついたての後ろに一生懸命隠れているメスの皆さんでしたが、先走るレッドを
探していた4人が合流(レッドを探す4人のシーンで、ピンクが特殊能力で空をふわふわ浮いている合成の演出は秀逸)。「ちゃんと中の
様子を探ろう」と言われ落ち着いたレッドに、熱源サーチされた上で逆に奇襲を喰らってしまいます(笑)
まあ既に今回、作戦のレベルが「レッドをおびき寄せよう」まで下がっていますが、メスの劣勢ぶりは、早めの再改造が望まれます。
もつれこんだ戦闘で、レッドの追いかけていたハンターが係長レー・ネフィル(豹柄)の変装であった事が判明。
レー・ネフィルさんは、Sっぽくて、ちょっといい。
戦隊のキモは、長官ポジションと敵幹部クラスに有り、と思っているので、長官ポジションがマスコットロボで期待できない
フラッシュマンにおいては、今後のメス係長軍団の個性化に期待です。
獣戦士は、今回もあっさりとローリングバルカン(合体必殺技)で撃破。痛めつけるわけでも隙をつくわけでもなく、フラッシュマンの
必殺技への流れは、ロボ戦あるからいいよね?的な投げやり感満載です。
ロボ戦も、下手すると合体シーンの方が長いですが(笑)
スーパーコスモフラッシュ(フラッシュキングの必殺技)は、スターコンドル(大型戦闘機)から
射出されたフラッシュサーベルを空中でキャッチしてそのまま回転して切りつけるという技なのですが、多分その内、このジャンプ中に
攻撃を受けて、必殺技を破られる気がして仕方がない。
まあ、なんだ、頑張れ、メス。
最後に、助けた赤ん坊と母親の元を、あの格好のまま訪れていたけど、何者だと思われているのだろう、彼等(笑)
- ◆第4話「マグは天才ロボ?!」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
- 獣戦士のビームを受け、視界が反転してしまうグリーンフラッシュ。
脚本と演出の合わせ技ですが、このビームを受けたグリーンフラッシュの視点の時だけ、カメラを逆さまにする、というだけで、これが
予想外に面白い映像。
こういうちょっとした工夫で面白い映像、というのはTV特撮の醍醐味の一つです。
まともに戦えないグリーンフラッシュをかばい、撤退するフラッシュマン。
第4話にして初の勝利に、メス大喜び。
この視界逆転光線を一般人に浴びせれば大混乱で世界征服は思いのままだ、と町中で自動車のドライバーを狙い打ち。急激な視界の反転
で混乱を起こしたドライバーによる玉突き事故を見て、高笑い。
小さい、なんか小さいぞ、メス。
この事態に、グリーンを除くフラッシュマンが出撃するも、視界逆転光線を放つ獣戦士への警戒から大苦戦。
一方その間に、マグはグリーンフラッシュが視界の逆転に対応できるよう、逆立ちでの戦闘を特訓する!
グリーン「こんなの無理だ」
マグ「俺が信じられないのか?!」
弱音をはくグリーンに向けて、ビームを乱射するマグ。
ハッキリ言うが。信じられない
思えば、第1話・2話で、グリーンはマグをかなり強烈に殴り倒しており、間違いなく、このロボットは根に持って
います。
そこに一次撤退したフラッシュマン残りのメンバーが駆けつけ、マグと押し問答に。
ここで、5人がフラッシュ星人に拾われる経緯が語られるのですが、マグによると5人を地球からさらったエイリアンハンターは
フラッシュ星に「墜落」していたらしい(1話、2話ではそこは語られていなかった)。
……墜落しすぎだろう、エイリアンハンター。
5人の赤ん坊を見つけ、そこに自分たちにない強い生命力を感じ取ったフラッシュ星人は、5人を鍛え上げ……って、あっれー、この
回想を見ると、どうも復讐の意思を確認しないまま、復讐鬼に育てあげられている
ような……。
まあ、拾われっ子だから仕方がない。
そして、
「フラッシュ星、本当に酷い星だった……」
2話に続き、心底嫌そうに振り返るレッドフラッシュ。
しかしその特訓の記憶から、あえて視覚を封じての戦いを思いつき、全員で目隠しをして、再び獣戦士に挑む事に。
鍛え上げた優れた聴覚で敵の動きを読みとる事が出来る、などと盲目の天才剣士みたいな事を言いながら、まるで目が見えているかの
ような戦いを見せるフラッシュマンにさくっと蹂躙されるメス。
フラッシュ星人、実に見事に復讐の超戦士を生み出しております。
フラッシュ星人の巧妙な所は、5人をバラバラの星で訓練している事で、おそらく「この特訓をこなしたら来月仲間に会わせて
あげよう」とか、うまくお互いの存在を餌にしながら、彼等が一致団結して逃げ出す事の無いように、巧みに誘導したのだろうなぁ。
惜しむらくは、ここでグリーンだけ実は目隠ししていなかった、みたいな感じで、獣戦士の光線をもう一度受けて視覚が元に戻るとか一
ひねりあるとなお良かったのですが、グリーンの視界は、獣戦士を倒したらどさくさで治ってしまいました。
今回は、脚本のワンアイデアと演出が噛み合って、なかなか面白い回でした。
- ◆第5話「女戦士に御用心!」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
- 道路を暴走する冷蔵庫とそれを追いかける白バイというシュールな映像からスタート。
たまたまそこに居合わせた、自動車で(免許持っているのか?)地球見学中のサラ(イエロー)とルー(ピンク)は、冷蔵庫を捕まえる
のに協力する。
走る車から走る冷蔵庫へとジャンプするルーとか、よそ見していて瓦礫につまづいて白バイから振り落とされて空中一回転
する警官とか、無駄アクション満載。
サラとルーにときめき、頭の中が春の警官に名前を聞かれ、「名字は?」「名字って何?」などとやりとりしている内に、再び暴走を
開始した冷蔵庫。ドアで攻撃してきたり、中の食材を打ち出してきたりと、まさかのアタック・オブ・キラー
・冷蔵庫!
そこへ現れるメスの係長軍団。
仲間を集めようと呼びかけるが……なんと男達は、新幹線で地球見学中だった!
「大変なんだ!」
「止めてくれ!」
「名古屋まで停まりませんよ」
「名古屋ってどこ?!」
と、激しくシュールな展開。
ここまでやってくれると、突き抜けていて面白い。
結局、ピンクとイエローの二人でメスを撃退に成功するも、今回のメスの作戦はこれからが本番。機械原子の間に潜り込んで、機械を
自在に操る獣戦士の力を使い、民家の家電を暴走させるメス。そこへ駆けつけたサラとルーを窮地に陥れるも、ゲストの警官がパトカー
で助けに来て、3人はその場を逃走。
引き続き、頭が春の警官は、「このままドライブへ行きたいなぁ」などと宣いだします。
この時、サラが助手席で、ルーは屋根の上とか、ホント酷い(笑)
ところが、獣戦士が既にパトカーの中に入り込んで乗っ取っており、一転再びピンチに。しかしその時、新幹線から降りられなくなって
いた男達が、マグの操縦するスターコンドルで駆けつけた!
最後はフラッシュキングに獣戦士が取り憑くも、機転を効かせたレッドがスターコンドルでフラッシュキングを攻撃させ、たまらず
獣戦士が分離した所を必殺剣で成敗。
全編ギャグ回の反面、今回はアクションに凝っており、全体的に見せ場たっぷりでした。
あと、羽男が謎の光線を出せるようになって、ちょっと強くなった。
ラスト、戦い終えたサラとルーが警官に声をかけると、戦いの最中にルーが空を飛んでいたのを見た警官は、「化け物だぁ」と
叫んで逃走。……けっこう、ギャグにならないレベルで酷い。「いつかわかってくれるさ」で済まないような気も。
そこからナレーションで、「いつか本当の名前のわかる日がくる」と、最初の名前ネタに絡めてまとめた所はなかなか。
この辺り、フラッシュマンのアウトサイダーな所を突っつくようなネタは、後でシリアスに来るのかなぁ、来たらちょっと面白い気も
するわけですが。
- ◆第6話「ほえろ!マシーン」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
- いい加減、羽男の名前を覚えよう。レー・ワンダ、レー・ワンダ、男係長の名前はレー・ワンダ。
冒頭、ぼえぇぇな笛の音を鳴り響かせるレー・ネフェル(メス女係長)。……と思ったら、笛は笛だけど怪人の
尻尾なんですが、平気で口つけて吹けないと、メスでは働けません。
獣戦士ザ・サイザー(やたらに名前が格好いい)の能力により、その笛の音とともに植物が凶暴化。次々と人間を襲い、ガソリン
スタンドが爆発したり、街は大混乱。メス、6話にして、1話以来の大攻勢。
メスの社長室では、この光景に大喜び。
大帝ラー・デウスさんは、部下を誉める良い上司。
しかしその時、フラッシュホーク(フラッシュマンのバイク)に乗って現れるフラッシュマン。急に苦しみ出すザ・サイザー。どうやら、
バイクのエンジン音が苦手らしく、ラボー戦闘機にバイクへの攻撃を命じる大博士リー・ケフレン。
ここで、苦しみ出した怪人を心配するレー・ネフェルさんが、ちょっと可愛い。
後半で、レッドフラッシュとのロマンスとかあったら、個人的にはときめくのだけどなぁ。
そして空中からの攻撃を受け、次々と面白いように吹き飛ぶバイクとフラッシュマン。
本日のメスは 絶 好 調
中破したフラッシュホークを置いて退避しようとするジン(レッドフラッシュ)であったが、その脳裏には、「フラッシュ星でこいつを
乗り回していた……」とバイクとの思い出が甦り、「こいつを置いてはいけない」とバイクをひきずって歩き出す。
この後、フラッシュホークのエンジン音が怪人の笛の音を無効化する事に気づいたマグが修理部品を持って合流しようとするも、
ラボー戦闘機の攻撃を受け、スターコンドルは不時着。マグは囚われの身に。
一方、マグとの合流を目指すレッドの元に、次々と追いついたフラッシュマン達がそれぞれのバイクの無事な部品を渡し、敵の襲撃を
防ぎながら、レッドのバイクを修理するという、思わぬ熱い展開。
4人のパーツを受け取り、遂に輝きを取り戻したフラッシュホークレッドに跨り、いよいよ、反撃開始。
ここで、不時着したスターコンドルをバックにフラッシュマンが見得を切るシーンが非常に格好いい。
今回、前半フラッシュマンが劣勢だったので、いざ反撃、という盛り上がりがあり、またそこに行くまでの流れも巧くまとまった、
いいエピソードでした。意外なバイク回ながら、個人的にはここまでのベストエピソード。
それと今回から急に、レー・ワンダがレー・ネフェルに対抗意識を露わにし始めました(そういえば前回は別行動だった)。幹部同士の
対立はあった方が面白いので、この路線は継続に期待。まあどちらにせよ、メス係長軍団はへたれた匂いしかしないので、その内、
ルー・○○、とかいう部長課長クラスが出てくるのかどうか。
……あれ、もしかして、ピンクフラッシュ(名前:ルー)は、メスの手先?!
- ◆第7話「風船よ武器になれ」◆ (監督:山田稔 脚本:藤井邦夫)
- 後楽園遊園地回(東京ドームはまだ無い!)という事で、遊園地に遊びに来ているフラッシュマン達。遊具の所で思いっきりルーが
宙に浮いているのですが、前々回の「化け物」呼ばわりについてはすっかり忘れている模様(笑) 大丈夫ですか、あまり調子に乗ると、
『ザンボット』的な事になりませんか?
「フラッシュマンが居るから、メスが来たんだ!」的な。
遊んでいる最中に、木の枝に引っかかった風船を取ってあげたブン(ブルーフラッシュ)。フラッシュマン達は初めて見る風船に
興味津々で大はしゃぎ。この手の“地球知らず”ネタは、ネタの宝庫であると同時に、やりすぎると知っている事と知らない事が
ちぐはぐになってしまう両刃の剣ではありますが、今週のフラッシュマン達は随分と純真です(笑)
すっかり遊園地を満喫していたその時、レー・ワンダと獣戦士が遊園地を襲撃。
保護色を用いて周囲の風景に姿を隠す獣戦士にフラッシュマン大苦戦。
「周りに擬態しているんだ!」というフラッシュマンの声に、「その通りだ!」と、ラボー内で嬉しそうな大博士。
せっかく前回はちゃんと街を破壊したのに、今回はまた、目的が「フラッシュマンを倒す事」に逆戻りですよ(^^;
しかし、偶然飛んできた色とりどりの風船が獣戦士の保護色機能を狂わせ、フラッシュマン達は危機を回避。逆に獣戦士を追い詰めるも、
今度は暗がりの中に紛れられて(ここの演出がやたらに変)、退却を余儀なくされてしまう。
フラッシュベースで獣戦士対策を練るフラッシュマン。ブンは自分を助けてくれた風船を使う事を思いつき、一人外に飛び出してしまう。
その間に再び獣戦士が現れ、立ち向かう残りの4人だったが、擬態能力の前にやはり大苦戦。ワンダ係長も大喜びだったが、大量の風船を
手にしたブルーフラッシュが駆けつけ、色とりどりの風船を撒き散らす事で、獣戦士が保護色機能に混乱をきたす!
「色素細胞に異常がうんぬん」と、レッドがまるで「計画通り」みたいな感じ言うのですが、いや4人とも、ブンが風船取りに
行くのを、ちょっと冷たい目で見てたよね……?
おそらく脚本発案の段階では、自分達の知らない地球の子供の玩具である風船に対するちょっとした憧れ、思い起こすまだ見ぬ父母への
思い、危機に陥った時その風船が助けてくれた! みたいな感じで、フラッシュマンの内面に触れつつ綺麗な話になる予定だったと思われる
のですが、出来上がった話は非常に駄目な出来で、どうしてこうなったのか。
脚本(藤井邦夫)が悪かったのか演出(山田稔)が悪かったのか、両方か。
初代『仮面ライダー』でもメガホンを取っている大ベテラン・山田稔監督ですが、渡された脚本がゲシュタルト崩壊でも起こしていた
のか、とにかく今回は演出が酷い。特撮ヒーローものというのが、時に馬鹿馬鹿しい映像を、いかに真剣に表現しようとするか、に
かかっている、というのが逆説的によくわかってしまう出来。何故かやたらに合成も雑(こちらは矢島さんの領分の筈ですが)で、
とにかく映像的に酷い回でした。
しかし脚本の構成も相当酷かったので、もうどちらが悪いのか、わからないレベル(^^;
最後に、ゲスト子役が、戦い終わって風船を持ってはしゃぐフラッシュマン達を見て、「いい歳して、どういう性格なんだこの人達」と
呟くのを見て、溜飲が下がるレベル(笑)
- ◆第8話「父よ!母よ!妹よ」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
-
V3!
……気にしないでください。
待ちに待った長石多可男監督回!
いきなり、歩く獣戦士の足首の辺りを後ろから追いかけて撮る映像で始まるという、変態的な冒頭。獣戦士ザ・ジーゲンが歩いて
いくと、足下には一輪の花が。それを蹴り飛ばすとコンクリートの壁に突き刺さり、更に獣戦士が指から光線を放つと、その花を中心に
ぽっかりと植木鉢大の丸い穴が壁に開いて落ちる。その穴は、獣戦士の能力による別次元への通り道で、その狭い穴にカメラ置いて、
反対側から覗き込む子供達を映したりと、もうこの2分ほどで、ファン大興奮(笑)
今回のメスの作戦は、名付けて、「次元バリアー作戦」。
獣戦士ザ・ジーゲンの作り出した異次元空間に人間達を次々と捕まえる、という壮大にして気の遠くなるような計画です。手始めに
子供達を何人かさらい、調査中のブルーとイエローも捕まえる事に成功。この僥倖に、リー・ケフレン大喜び。ここでのラボー内部の
シーンで、ここまで正面からのカットが多かったラー・デウスを(制作上の都合だった可能性はあり)カメラ動かしながらアップで舐める
ように撮る映像もまたいい。
一方その頃、どこかの埠頭で、市井のマッドサイエンティストが巨大洗濯機じみた謎の円盤型のタイムマシンの実験を行って
いた!
駆け寄る奥さんと娘達、「あなた、馬鹿な事はもう辞めてください!」
うん、どう見ても奥さんが正しい。
妻子を振りきり、マシンのスイッチを入れる博士。マシンは起動し、「ワルキューレの騎行」をBGMに時空を遡る博士は一瞬、
東京オリンピックを垣間見るが、強烈な衝撃とともにマシンは動きを中断してしまう。
なんだかよくわらりませんが、タイムマシンのエネルギー源が獣戦士の次元バリアーに干渉し、異次元空間を破壊してしまったらしく、
子供達と共に次元バリアー内部からの脱出に成功するブルーとイエロー。メスはこの事態に、エネルギーの元を調査し、謎の美女
(レー・ネフェルさん素顔出し)が公園に不時着(?)した博士の下へ作戦の邪魔となるエネルギー源の回収に現れる。
今回、レー・ネフェルさん、素顔出し人間体です。しかも何故か、フレアのミニ。
演ずる女優さんが3年前にダイナピンクだったので、ファンサービスといった所でありましょうが、さすが先輩、華麗なアクションで
駆けつけたフラッシュマンを迎撃。
結局いつものどたばたの末に(フラッシュマンのAパートの戦闘は、だいたい展開が適当)、フラッシュマンがエネルギー源を確保。
博士とその家族を助ける事に成功します。そしてレッドフラッシュはそのエネルギー源(シズマドライブみたいな形状)が、エイリアン
ハンターの宇宙船に使われていたものだと気づく!
なんと博士夫婦は、20年前にエイリアンに息子を攫われていたのだった!
だがその時のはっきりした記憶を失い、気が付くと謎のエネルギー源カプセルを手に街を彷徨っていたという博士は(エイリアン
ハンターは落ちすぎ落としすぎ)、その未知のエネルギーを利用する事で、20年前のその時に戻ろうとしているのであった!
「20年間、タイムマシンの研究に打ち込んできた」という割には、そのあと二人も子作りしている博士。
奥さんの方は、さらわれた時の記憶を完全に失っているらしく、若干、博士をキ○ガイかどうか疑っている模様。
妻「主人だけがエイリアンに息子を奪われたと言い張っている」
娘「お父さんの言う事、本気にしないで」
まあそれでも、20年間連れ添っているのだから、奥さん、偉い。
この、“失われた記憶”の範囲が今ひとつはっきりしないのですが(例えば、子供生んだ記憶はあるのかどうか、とか)、エイリアン
ハンターがわざわざ子供攫う度に関係者の記憶を消すなんて細かい仕事しているというのは、今後の展開にも影響与えそうなネタですが、
大丈夫かなー。まあそういう設定だから、宇宙人騒ぎにならない、という理由付けなのでしょうが。奥さんの「20年前の記憶がない」
という台詞を額面通りに受け止めると、1年まるまる記憶無い事になりますが。
記憶が無いけど何故かベビーベッドだけある、とか、ちょっとしたホラー。
そして博士の「さらわれた息子」という言葉に、一斉に心の中で反応する男達。
「父さん……?」「親父……?」「パパ……?」
この辺りは、本作のキモ設定ですが、巧い流れ。
そこへ一時撤退したネフェル係長が、ラボー戦闘機を引き連れ、博士宅を襲撃。飛び散る火花、思わず、「父さん!」「母さん!」
「兄ちゃんから離れるんじゃないぞ!」と叫び、家族かもしれない者達の元へ駆け寄る、ジン、ダイ、ブン。
この辺りの、思わず、といった感じの作りも巧い。
そして博士一家の前で変身するフラッシュマン。……まあよく考えると、彼等に隠す意図とかはまるで無かったりしますが。
後そもそも、Aパートで博士達を助けた流れで博士宅へお邪魔しているという事は、そこで変身解いている筈なので、ここで「君たちは
いったい……?」というのは微妙に不自然(^^; それに答えて「父と母を求めて戦う者です」って台詞としては格好いいので
思わず書いてしまったのでしょうが、レッドよ、確か1話で、「両親の事は後回しだ! まずはメスをデストロイ!」と宣言してなかった
か貴方。
戦闘の方は、ロボット戦になるも、ザ・ジーゲン撤退。なんと、ここでまさかの引きエピソード。
ザ・ジーゲンの能力が微妙にわかりにくい(そして戦闘演出が前回とかぶった)のが難でしたが、序盤のキーエピソードという事もあり、
盛り上がる展開。大ファンの長石監督回という事もあって、つい2回見てしまいました、馬鹿。
東映は、『科学戦隊ダイナマン』の劇場版、配信してくれないかなー。
レー・ネフェルさん(萩原さよ子/萩原佐代子)の、ダイナピンク時代が見たい。
- ◆第9話「時をかける博士」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
- 前回ノリノリだった長石監督は、今回はえらく普通で、映像的には特に面白い事なし。
冒頭、時村博士のタイムマシン開発に協力する為に、フラッシュベースから部品を強奪していくフラッシュマン。
それを見て、博士と次女は大はしゃぎするが、20年前の記憶を完全に失っている妻と、そろそろお年頃の長女は、やや引き気味。
確かに、いきなりこんな誰を選んでも濃いお兄ちゃん(消去法でいえば選択肢としてはブルー一択か)が増えるのは、思春期の少女として
は複雑。
何故わざわざ妹を二人もキャスティングしているのかと思ったのですが、この対比がやりたかったというなら、納得。妻だけ反対とか
父だけ乗り気、だと角が立つので、2:2に配分しているというのは成る程。
いよいよ再度のタイムマシン実験に向けて前進する博士であったが、どうしてもエネルギー炉を回収したいメスが、強化改造された
ザ・ジーゲンと共に、再び研究所(というか倉庫)を襲撃。エネルギー炉は守るものの、娘二人がレー・ネフェルによって攫われ、
「娘とエネルギー炉を引き替え」と要求されてしまう。
タイムマシンの完成よりも、娘二人の命を優先してください、と言うフラッシュマン(それはそうだ)。
ここでレッドの
「俺達は博士のお陰で、親というものがどんなに子供の事を思っているのかよくわかりました。20年間、ただひたすら我が子の事を
思って作り上げたのが、このタイムマシン。これを見れただけで充分です」(台詞まま。既に80年代に「ら」は無かった!)
というのは、なかなか格好いい。こういう、作品の色の出た格好いい台詞、というのはあると嬉しい。
エネルギー炉を持って指定された場所へ向かう博士、それをこっそりと護衛するフラッシュマン。結局、どたばたの末に、娘も
エネルギー炉も総取りする、という展開に。……どうせそうなるなら、もう少し、展開練って欲しかった。
更にどさくさと勢いで、タイムマシンを起動し、過去へと飛び立つ博士。
残されたフラッシュマンは強化ザ・ジーゲンの異次元攻撃に大苦戦するが、過去から戻ってきたタイムマシンのエネルギー炉が異次元
空間に干渉し、またも空間を破壊。強化ザ・ジーゲンを倒す事に成功する。
前回に引き続き、ザ・ジーゲンの異次元作成能力が適当というか意味不明というか、異次元と付ければ何やってもいいと思っている
感じで、ちょっと困り物。あと、フラッシュマンは自分達の基本スペックが高すぎるが故に、あまりにも頭を使わないのはもう少し
何とかした方がいいとは思う(笑)
そして問題の“20年前の真実”ですが、さんざん引っ張った末に、博士は東京オリンピックを見て大笑いしただけで
帰って来た事が判明。
な ん だ そ れ は
いやまあ、この序盤で、こんな重要なネタが明かされるわけはないとは思っていたものの、もう少し他に何か無かったのか(^^;
タイムマシンは成功したけど、結局、問題のシーンはちゃんと見られませんでした、というだけだったのはあまりにがっかりすぎます。
しかしこの件を通して、「あなた……あたしも、あなたの事、信じてます。失敗を恐れず、また挑戦してください」と、夫に歩み寄る妻。
時村一家の家族の絆はより深まったのでありました。
……3人目の娘を作りそうだ、この夫婦。
フラッシュマンが“家族”というものに触れる話、としては出来ていましたが、前回が面白かっただけに、引いた割にはちょっと
がっかりな内容でした。
- ◆第10話「撃て!花少女の罠」◆ (監督:東條昭平 脚本:藤井邦夫)
- 道でぶつかった花屋の女の子をナンパするダイ。
その時、獣戦士ザ・ガルバリ(見た目がビオランテ)が現れ、その光線を浴びた植物が、凶悪な巨大食人植物と化す! 次々と喰われて
いく街の人々。
花屋の店長も食べられて、けっこう、女の子にはトラウマ映像。
何とか女の子を逃がすのには成功するダイだったが、獣戦士と、レー・ネフェル、ウルク、キルトに囲まれ、大ピンチに。
ここで幾ら実質怪人とはいえ、顔は人間女のウルク、キルトに対して、何の躊躇もなく
メリケンサックで顔面パンチするダイが、
超・男らしい。
うむ、戦士たるもの、そうでなくては
他の4人が駆けつけ、窮地を脱したダイは、すっかり花屋の女の子に恋煩い。いつも以上にぽやーっとしているダイを連れて、先手を
打つべくザ・ガルバリを探すフラッシュマン達。なんか物凄い普通の乗用車に乗っています(多分、スタッフの自家用車)。バイクは……
そういえば、変身後しか乗っていない気がするので、そういう扱いなのかな。……という事は、今後も人間状態の時は、もしかして乗用車
で移動するのか、フラッシュマン(笑)
その頃メスでは、専務リー・ケフレンが邪魔なフラッシュマンを先に始末するべく、係長軍団に「弱点を探して罠を張るのだ」と指示を
出していた。
ワンダ「弱点ですか?」
ネフェル「罠?」
初めて聞いた日本語みたいに言うな
色ボケのダイは、皆がビニールハウスみたいな所を探索中、ひとり外をふらふら。花屋の女の子が好きだと言っていたタンポポを
見つけて口づけしようとしたり、大事な回路が故障中。そんなダイの姿を見たネフェルさん、得意の変装術(前回はエイリアンハンターに
化けました)で花屋の女の子に変身し、罠を張ったフラワーセンターにダイを誘い込む。
しかしネフェルさん、花の名前を知らなかったり、タンポポ踏みつけたり、超杜撰。
仕事が甘すぎます。
そんな事では、マクーに入社できません。
花屋の女の子(偽)を疑いつつも、しかし結局、罠にかかるダイ。ネフェルは続けて残りのフラッシュマンをフラワーセンターに
誘い込み、ウルクとキルトに捕まるふりをして「助けてー、助けてー」の大合唱。ちょっと変装が楽しくなっているっぽい。
「変身したらその女を殺す」と、冷静に考えるとあまり脅迫になっていない脅迫をワンダ係長に受け、大ピンチに陥るフラッシュマン。
ザ・ガルバリの攻撃を受け危うし、というその時、ダイが助けに現れる! なんとダイは花屋の女の子が偽物だと見抜いており、わざと
罠にかかったふりをしていたのだった!
ここで、テーマ曲(?)がかかり、やたらに台詞回しが格好良かったりと、ダイの男前度が急激にアップ。
変身したフラッシュマンの反撃により、メスの作戦は失敗に終わったのでありました。
………………しかし今回メスは、ビニールハウス捜索なんてやっているフラッシュマンは放っておいて、普通にザ・ガルバリで破壊活動
をしておいた方が間違いなく良かった(笑)
なお、最近、無口怪力系がちっとも現場に出てこない……と書こうと思った矢先に登場で、今回のバトルでは久々に係長軍団5人が
揃い踏み。少し前に対抗意識あるような素振りがあったのは無かったかのような、共同戦線です。……路線をはっきりしてほしい。基本、
幹部いがみあいが好きですが、ヘタレ達に限っては、仲が良いのもありですが。係長達ヘタレだから、お互いのヘマを慰め合うのもあり。
メスは社長も専務も部下に優しいし。
花屋の女の子(本物)は、冒頭以外出てこなかったら潔いなぁと思ったのですが、ラストで再登場。意外といちゃいちゃ。
やっぱり、「命を助ける」イベントは、好感度ゲージの上昇が大きいので、皆、要チェック。
→〔まとめ2、へ続く〕
(2012年1月14日)
(2019年6月11日 改訂)
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