■『科学戦隊ダイナマン』感想まとめ1■


“爆発! 科学戦隊ダイナマン!!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『科学戦隊ダイナマン』 感想の、まとめ1(1〜10話)です。簡易構成。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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まとめ2 ・ まとめ3 ・  まとめ4 ・ まとめ5 ・ 総括


<主な登場人物>
☆ダイナレッド/弾北斗:オートレーサーにして、内燃機関などの研究者。剣道家であり、また、OPを見る限りではボクシングなどの 格闘技にも長ける模様。知勇兼備の二枚目だが、センスが残念。
☆ダイナブラック/星川竜:宇宙人と会うことを夢見る、自称、伊賀忍者の末裔。生身で宙を舞い、手から糸を出し、 分身の術を操るなど、圧倒的な戦闘能力を誇る超人。
☆ダイナブルー/島洋介:海を愛する海洋研究者。水中戦を得意とする。
☆ダイナイエロー/南郷耕作:ラーメンを愛してやまない、植物と農業の研究者。射撃と運転が得意な模様。
☆ダイナピンク/立花レイ:動物と会話する研究を行っている、ダイナマンの紅一点。フェンシングの使い手。
☆夢野久太郎:科学戦隊の総司令。普段は冴えない発明おじさんだが、ジャシンカ帝国の侵攻を予期し、ダイナロボなどを開発していた、 謎多き人物。
−−−
★帝王アトン:ジャシンカ帝国を統べる、9本尻尾の帝王。
★カー将軍:ジャシンカ帝国の参謀にして進化獣の開発者である、7本尻尾の将軍。
★メギド王子:アトンの息子で、5本尻尾。地上侵攻作戦の指揮を執る。
★キメラ王女:メギドの従妹で、4本尻尾。ジャシンカ一の幻術の使い手。

◆第1話「有尾人一族の挑戦」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 『ダイナマン』は個人的に思い入れがありまして、というのも私の忍者好きの原因の8割が、たぶんダイナブラックだから。
 そんなダイナブラック、序盤のなし崩し的戦闘に高い所からいきなり参加して、
 「星川竜、見参! しゃぁぁぁぁぁ!!」
 敵を倒しながら崖を飛び降り、続けて宙に舞ったり木の葉隠れしたりの、忍者アクションを披露。
 ……あーこれは、忍者好きになるわけです(笑)
 明らかに一人だけ、別の時空から来ているし。
 まあ、囚われの人間入りと思われる球体を、背中の木刀でいきなり一刀両断してしまう北斗さんも、なかなかのものではあるのですが。
 ストーリーはあってなきがごとしで、冒頭のナレーションで世界の異変が説明された後、 戦隊メンバーが正義の心があるから悪い奴らは許せない的に雪崩式に戦闘に参加するという、上原正三→曽田博久ラインが全開の展開で、 特に凝った構成などもありません。冒頭の緒戦で一度それぞれ海に落とされた後、何事もなかったかのように発明センターに集まってみたり。
 たまたま有尾人一族と交戦し、さらわれそうになった人々を助けた5人……実は彼等は全員、 夢野博士に選ばれて夢野発明センターへと集められたメンバーだったのだ!
 という事で、人間を滅ぼそうとする地底に住む有尾人一族の国、ジャシンカ帝国に、科学戦隊ダイナマンとして立ち向かう事になります。
 「地球の危機だから戦え」「よーし、やってやるぜ」と、さっくり覚悟完了するのが非常に80年代的。
 「悪を倒す正義の味方、ダイナマン! 爆発! 科学・戦隊・ダイナマン!!」
 展開をどうこう言うよりも、むしろ以後のシリーズにおける試行錯誤に思いを馳せるのが面白いです(笑)
 敵方のジャシンカ帝国では、ロケット工場に馬で突撃するメギド王子がけっこう熱い。
 ダイナマンとメギド王子率いる部隊との初戦では、とにかく爆発。OPからとにかく爆発なのですが、 5人の特殊武器などを見せながら、ひたすら爆発。名乗りにも入ってる「爆発!」
 どうして爆発なのかは、よくわからないのですが。
 ……夢野博士の趣味?
 赤−剣、黒−ブーメラン手裏剣、青−フリスビー、黄−鉄球、と来て、桃−薔薇
 という飛び道具も激しく謎(笑)
 そして桃の必殺技が、
 「薔薇・フィナーレ!」
 しかし、萩原佐代子さんのお美しさの前には、多少の事はどうでもいいのです。
 スポ根系美男子の北斗、武士顔の竜、当時のアイドル系二枚目顔の島、コメディリリーフだけど悪くない南郷、 そして正統派美人顔のレイ、とダイナマンはやたらにビジュアルのレベルが高い。
 赤vsメギド王子の戦いでは、馬に乗ったままでの立ち回り。帝国幹部として剣技の冴えを見せる王子だったが、進化獣の爆弾攻撃に 巻き込まれて、馬から振り落とされる(笑)
 そこに赤の攻撃を受けて大事な尻尾を一本切り落とされ、退却。
 進化獣は生命の危機に陥ると細胞が活性化してビッグバン・プログレスし、超進化獣に巨大化、一気に巨大ロボ戦へ。 ダイナロボは顔がシャープで格好よく、どこからともなく取りだしたハンマー攻撃などで巨大カニシンカを撃破。
 ジャシンカ帝国の側に立つと、根本的に戦略を練り直さないといけないレベルの惨敗ですか、 次回、どう出る?!
 予告ナレーションの、
 「戦うだけではない、子供達と一緒に夢を追うのだ!」
 というフレーズが格好いい。

◆第2話「夢を追う戦士達」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 冒頭の「進化獣の作り方」が格好良くて盛り上がります。
 そして有尾人族の説明。
 地震や火山活動を操れるとか、やり方次第では速攻で人類滅ぼせそうですが。
 「尻尾のかたきを、取りにきたぁ!」
 と作戦そっちのけで、前回の復讐の為にレッドに襲いかかるメギド王子。ちなみに愛馬の名前は、流れ星。
 駄目だ、もう、面白すぎる。
 有尾人一族では尻尾の数が身分などを現すという設定を説明しつつ、赤と王子の因縁関係を早めに構築、という流れは良い。
 それから、夢野発明センターにやってきた子供達に質問される、という形で、1話では身元不詳だったダイナマン5人の説明。 それぞれ、なにがしかの研究者を自称しており、「科学者+戦士」で、科学戦隊という事らしい。
 忍者は、天体観測してUFOに会いたい、とか申しておりますが。
 そういえば1話で青が「研究に資金を出してくれるという話で……」とか言っていましたが、 つまり資金援助を餌に呼び出し、科学戦士に仕立てあげたのか。
 人の良さそうな中年男性の仮面をかぶっていますが、妙に訳知りだし、割と手段選ばないタイプで怖いなぁ、夢野博士。
 ちなみに5人はまだ、苗字で呼び合う微妙な距離感。
 この後、正式にメギド王子が対ダイナマンの作戦を指揮する事となり(最初のは勝手な乱入だったのでカー将軍に怒られた)、 Bパートで激突。
 ダイナマンは各人の個人武器攻撃に続いて、共通武器からもそれぞれ独自の攻撃を放射、ブーツについたロケットで空を飛び回り、 更に合体技と、超盛りだくさんの大盤振る舞い。
 率直なところ『サンバルカン』1話の戦闘とか、今日的な視点で見るとかなりもっさりしていたのですが、 それから2年でかなりのパワーアップが見て取れます。
 再びメギド王子と切り結ぶ赤は、黒との練習で編み出した新技で、王子の邪神剣を打破。
 「ゴールデンスパーク!
 ドリームギャラクシー!!」
 とか、ついさっき編み出した新技に名付けてしまう、残念なセンス。
 顔は格好いいのに!
 顔は格好いいのに!
 一方、忍者は親衛隊との戦闘で分身の術を披露。常人を超越した戦闘力をこれでもかと見せつけます。
 王子がピンチになると全力で駆け付ける親衛隊の二人はけっこう熱い。
 ロボット戦もこれでもかの大盤振る舞いで、各メカが大活躍し、最後は必殺剣でずんばらりん。
 なんというかこう、80年代戦隊のアーキタイプというか、最大公約数的な“戦隊もの (特撮ヒーローもの)”のイメージをそのまま具現化したような作品。
 典型的な戦隊パイロットの構成を取りつつ、その中で進化獣の個性はほとんど描写されず、 むしろメギド王子に焦点が当たっているというのは、面白い点。早々に赤と個人的因縁が構築されたので、 うまく転がって欲しいところです。
 個人的にはもう、赤、黒、桃、の為だけでも見られそう(笑)

◆第3話「コウモリ地獄飛行」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
 いきなり、改造バイクで黒煙を撒き散らしながら走る北斗。
 「まったく、非常識なやつがいるもんだなぁ」
 と、街の人から超不評。
 加えて悪い事に、コウモリシンカの毒ガス攻撃のタイミングと重なり、街の人々に突如現れた陽光を浴びられないという奇病の原因にされてしまい、 発明センターまで含めて非難の的に(笑)
 「みんな、どこ行っちゃったんだろう?」
 「逃げちゃったんじゃないのかなぁ?」
 「でも、騒ぎをおこして、責任をとらないなんて酷いわ」
 発明センターに集う子供達、きっつい(笑)
 キャスティング(費用)の問題があるのでどこまで常備化できるはわかりませんが、“夢野発明センターに遊びに来る近所の子供達” という設定で、常に子供達との接点が存在しているのはいい所。色々な事件の導入に使えますし、子供の視点を提供できる。 加えてこうやって、少々風刺的にも使えます。
 地下に潜ったダイナマンはコウモリシンカの撒き散らした毒ガスを分析し、そのアジトを突き止める。
 「さすがはダイナマン、よくかぎつけたな!」
 と、その前に立ちはだかる王子。
 定番の「まさかダイナマン、どうしてここがわかった?!」ではなく、自分のプライドを守る為に、 相手を讃える王子、素敵(笑)
 加えて、赤とは拮抗するも、青は軽く蹴散らすシーンが入りました。
 良かった、王子、本当に良かった。
 冒頭で父王に怒られて尻尾がしゅんと下がるとか、王子面白株は上がりっぱなし(笑)
 「この世にダイナマンがいる限り、この緑と太陽の世界は貴様等には渡さん」
 3話のアクションシーンでは、バイクとジープで雑魚を蹴散らす、と順序立てて見せてきます。
 そして、爆発。
 あとダイナロボの内部から映像で、足下の二人(黄・桃)からはちゃんと足下しか見えない、というのは細かくいい所。 席としては凄く嫌ですが(笑)
 最後は分析したガスからダイナマン達が特効薬を作り出して人々は治療されて大団円、と5人が科学者であるという設定が 強調されつつ活かされるのですが、しかしあれだと、自分たちの不始末を自分たちで処理しただけで、 ジャシンカ帝国が原因だと立証できないような(笑) つまり、街の人々は彼等にお礼を言う必要が無いどころか、 賠償を請求して良いと思います(おぃ)
 まあでも夢野博士、きっと物凄い資産家だから、たぶん大丈夫。
 ところで今聞くと、追跡シーンの音楽がジャズ。
 て、名前がなんとなく覚えあるなぁと思ったら、音楽は『快傑ズバット』と同じ方(京健輔)でした。

◆第4話「ゴロゴロ化石人間」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
 お約束の後楽園ゆうえんち回で、ラーメンの研究にいそしむ南郷、開始2分でサンヨウチュウシンカに化石にされてしまうの巻。
 カー将軍の進化のスープ、「節足動物門三葉虫綱!」とか読み上げていくのが毎回格好よくて好きです。今回、 すでに滅びていて短かったけど(^^;
 ダイナマン達と同じタイミングで地下基地に向かった筈なのに、既に着替え済みで待ちかまえている夢野博士の謎は、 ますます深まっていく。島田順司さんが表情をきりっと変える事で、どちらかといえば頼りない感じのおじさんが、 段々格好良く見えてくるのは、さすがとしか言いようがありません。
 他のキャストでは今のところ、元ゴーグルブラックをあえて連続起用しただけの事はあるというか、星川竜/春田純一が実に目立ちます。 そのまま格好良くしてしまうとあまりにも扱い良すぎるので、コメディ要素を強めているのでしょうが。
 「ダイナマン、五人の戦士が居る限り、地上を化石の荒野にはさせない!」
 と、今回の名乗り。毎回、敵の作戦に合わせて違う前口上をつけるのでしょうか? その内ネタが尽きそうですが、格好いいので、 出来れば続けてほしい。
 今回のメギド王子語録:
 現場で剣を研ぎながら、
 「尻尾がうずくぞ! 切られた尻尾の恨み、今こそ晴らしてやる!」
 一人足りないのに気付いて、
 「おかしい、やつらは5人のはず。なぜイエローが居ない」
 にこにこ顔で父上に報告。
 王子「ダイナイエローが居ないという事は……」
 将軍「メギド王子、良い所に気付かれたようですな!」
 実際に幼年時に勉強を教えていた設定とかありそうですが、王子と将軍は、出来の悪い中学生とそれを教える家庭教師みたい(笑)  ……しかしもう、メギド王子が何喋っても面白くて、まずい(笑)

◆第5話「進化獣の怖い夢」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 子供たちに悪夢を見せ、更にそれを現実に行う事で恐怖を広げるバクシンカ登場。
 将軍「本当の悪夢は、これから始まるのです!」
 王様「見たいのぅ」
 将軍「時間よ、現実を、見せてくれ!」
 なんかいちいちやりとりが面白いなぁ、この人達(笑)
 居場所をころころ変えながら悪夢攻撃を繰り返すバクシンカに手を焼くダイナマンは、 挑戦状を送りつける事でダイナマンと戦う夢を見るように仕向けるのですが……挑戦状の、字が、汚い。
 誰が書くかといえば発案者が書きそうな気がするので、
 センスが残念な上に、字も汚いのか、弾北斗(笑)
 見所は、コスプレで改めて強調される、ダイナマンのビジュアル的レベルの高さ。
 そして星川竜の飛び回し蹴り。

◆第6話「死闘!毒蛇の魔境」◆ (監督:服部和史 脚本:三木考祐)
 東京に大地震を起こすために、近郊の断層に人工地震装置を仕掛けようとするジャシンカ帝国。 地下世界で活動していたので地殻活動などを操れるみたいな話がありましたが、それなりに準備はしないといけない模様で、 なんとなく、ジャシンカ帝国の科学力の上限が見て取れたような感じ。
 今回の王子は、ヘビシンカの毒にやられた島を助けるために薬草を入手したイエローを倒して、少し活躍。
 これで青と黄は叩きのめせる、という事が描写され、一応、幹部としての格を保つ為に気を遣ってもらっている模様です(笑)
 親衛隊と一緒に奇襲を仕掛けた、というシチュエーションには目をつぶる方向で。
 にしても、先日、王子が一生懸命、「ダイナマンの正体を見つけてやるぞ!」と頑張ってカー将軍にも褒めてもらったのに、 誰ひとり隠す気が無いな、ダイナマン(笑)
 いかにも80年代戦隊、というすごく大雑把な話でした。

◆第7話「東京火の海作戦!」◆ (監督:服部和史 脚本:鷺山京子)
 東京近郊に次々と出現し、あっという間に一滴残らずガソリンを奪い尽くすガソリン泥棒……て、 せ、聖忍法?!
 ……ではなくて、それはジャシンカ帝国の進化獣、カイメンシンカの仕業であった。体内に濃縮した1万トンのガソリンを蓄えた カイメンシンカは、それを用いて東京火の海作戦を発動する!
 今回は、“色々残念”でお馴染み弾北斗の、モトクロスレーサーとしての顔がクローズアップ。……北斗は、 自分でバイクの開発もするレーサー、という扱いでいいのでしょうか。
 地上と地底を行き来しながら各地に爆破テロを仕掛けるカイメンシンカに苦労するも、本命であるコンビナート爆破の前に、 北斗と仲の良い子供の家が経営するガソリンスタンドを襲撃した事から足取りが掴めて……という展開で、Bパートはほぼまるまる戦闘。
 『ダイナマン』はここまで、戦闘が始まると主題歌が流れだして、2番までフルコーラスに合わせて戦闘シーンを入れて、 歌の終わりとともにスーパーダイナマイトで締める、というのを徹底しているのは、今日的な視点で見ると、むしろなかなか凄い。
 で、その戦闘パートへの切り替わりとして、水戸黄門の印籠ならぬ「爆発!」が鮮やかに機能している。
 ……ダイナロボの変形合体バンクは、そろそろ飽きてきましたが(笑)
 あと、「ゴールデンスパーク!」って見ればみるほど、ただの目くらましなのか(笑)
 今回、珍しくダイナロボが苦戦したかと思ったら適当な内蔵兵器であっさり逆転しました。

◆第8話「悪の花 王女キメラ」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
 伝説の人喰い花の種を御前に差し出すカー将軍。
 王子「人を喰うと云う、伝説の花……」
 将軍「四本尻尾のメギド王子、時は春! これを咲かせるのが、貴方の役目ですぞ!」
 王様「人喰い花が咲いた時こそ、ジャシンカ帝国の春が来るのだ!」
 王子、花の世話を仰せつかる。
 人喰い花を咲かせる為に、悪魔の蝶を用いて花の蜜を集めるメギド王子。悪魔の蝶が集めた花の蜜をチョウシンカ経由で与える事で、 人喰い花の種子は育つのだ! だが、悪魔の蝶の習性を利用したダイナマンの罠により、集められた蝶は一網打尽にされてしまう。
 「メギド、花のエキスさえ集めることができんのか!」
 王様に叱られた王子がうなだれる玉座の間に響き渡るのは、どこかで聞いたようなBGM(劇伴担当者、一緒)……
 姿を見せるのはジャシンカ帝国の用心棒、じゃなかった、死の幻術使い「だが、地上じゃあ二番目だ」……と誰が言ったか言わないか、 露出過多の深紅のハイレグアーマーに身を包んだ女幹部、帝王アトンの姪っ子(妹の娘)にして、メギド王子の従妹にあたる、 四本尻尾のキメラ王女!
 王女は早速、メギドを「出来の悪い息子」呼ばわりすると、人喰い花を咲かせる方法を知っていると、作戦の指揮権を横取り。
 王様も「駄目息子」より「可愛い姪っ子」とあっさりメギド王子の指揮権を剥奪し、更に同じ四本尻尾という事で王女への抗議も 空振りした王子の「ぐぬぬ」は、リアル横山キャラを思わせる風格。
 地上へ赴くと、耕作の知り合いでもある花好きの少女をさらうキメラ王女、その前に立ちはだかるダイナマン。
 新幹部の前で、思いっきり名乗りながら変身する、ダイナマンの面々。
 王子、王子、この間、一生懸命、ダイナマンの正体探ったのに、お、う、じ……(涙)
 キメラは不思議な妖術を使い、これまで進化獣を圧倒的に蹂躙してきたダイナマンを翻弄。
 そんな戦闘の様子を、テトラポットの陰から親衛隊と一緒にこっそり覗いているメギド。
 「小娘めぇ……こしゃくな妖術を使いおって」
 キメラはダイナマンの追撃を振り切り、さらった少女を連れて人喰い花の元へ。
 「出ていらっしゃいな。男がこっそり隠れているなんて、みっともいい姿ではなくてよ」
 ば れ て る よ 王 子
 しかもたっぷりの哀れみの視線つきで(涙)
 キメラは開花直前の人喰い花に、花の香りをたっぷりと身にまとう少女を近づける事で、その開花をうながす。 いよいよ人喰い花の花弁が開き、その中に少女を放り込もうとしたその時、間一髪、ダイナマンが駆けつける!
 バイクの体当たりを受けて、すっころんだ親衛隊A、花の中に(笑) 助けようとしたB、一緒に転がり込んで、 パックンチョ。
 あああああああああぁッ?! 親衛隊が! 親衛隊が!? けっこう好きだったのに親衛隊ィッ?!
 親衛隊を飲み込んだ人喰い花は、ダイナマンの攻撃を受けて、爆散。
 唐突に名前までついたのに(何と呼んでいるかはいまいち聞き取れず)、王子親衛隊、まさかの事故死。
 親衛隊の仇を討たんとダイナレッドと一騎打ちをする王子だったが、キメラの横やりでそのままなし崩し的にフェードアウト。 悲惨すぎる(涙)
 妖術でダイナマンを苦しめるキメラだったが、ダイナロッドの閃光を受けて撤退。チョウシンカは、 「超進化獣・チョウシンカーーー!!」という一発ネタを繰り出したものの、時間の都合でダイナロボにあっさり両断されて殉職。 ここに伝説の人喰い花によって人間どもを滅亡させようというジャシンカ帝国の企ては失敗に終わったのであった。
 ……食べたの身内だけですよ、人喰い花。
 なお今回、ダイナブラックがブラックバトルテクターという強化装甲を突然装着して戦闘。第二の個人装備で、 戦闘での贔屓度がますます上がりました。青もサーフィンカー持っているけど、使用時のポーズが間抜けな為、あまり、 贔屓に見えない……(おぃ)
 何はなくとも、親衛隊のリタイアが残念です。
 好きだったのになぁ、親衛隊(笑)
 新幹部の登場でますます立場のない王子ですが、王子はむしろ、立場がないほど面白い(酷い)。
 にしても、帝王アトンの妹とか、妹の夫とか居るのかと思うと、気になって仕方がありません。
 ところでどうでもいい余談ですが、各人の頭にそれぞれ、
 DR・DB・DB・DY・DP
 と刻んであって、ブルーとブラックが被っているのが気になります。
 どうして被っているのに、こういうデザインにしたのだろうか、というか。
 一応その上に、ローマ数字で各人1〜5まで振ってはあるのですが。

◆第9話「決死の爆弾レース」◆ (監督:山田稔 脚本:曽田博久)
 弾が子供達の頼みでモトクロスレースに出場する事になり、にやにやしながらその大会ポスターを持ってくるメギド王子。
 すっかり弾北斗=ダイナレッドは帝国でも認識されているらしい。……まあ、あれだけ堂々と名乗っていればそれはそうか、ですが。
 王女の登場に対抗心を燃やすメギド王子は、北斗を罠にかけ、ダイジュピターを手に入れる作戦を立案。
 「ぽっと出のおまえなどとは、戦いのキャリアが違うわ!」
 王子、すっかり小さくなってしまって、王子……。
 レースシーンは、10人ぐらいのモトクロスレーサーを集めるという、多分ほどほど金のかかった回。
 ナレーション「たちまち弾北斗は、2位以下を一周以上引き離し、ぶっちぎりのトップに立った」
 ……え、大丈夫、違法改造とかしてない?
 ところが、ぶっちぎりすぎたのがあだとなり、ルートを示す矢印を変えられ、北斗は進化獣サソリシンカのもとへと誘き出されてしまう。 バイクに腕を鎖で繋がれ更に時速20キロ以下で爆発するサソリ爆弾を取り付けられ大ピンチ。
 北斗を人質に、ダイジュピターを渡すように迫るメギド王子。
 王子「爆弾というものは無線で爆発させることもできるのだぞ!」
 って、なんとなく、富野台詞(笑)
 竜と洋介はカートでバイクと併走し、時速20キロを維持したまま爆弾の取り外しを試みる。最後は竜がバイクに取り付き、 引きずられながら解除。走るバイクの後部に飛び乗ってみせたり、今回は赤回と見せかけて、黒回という作り。しかしこの期に及んでも、 苗字で呼び合う関係です。
 崖の向こうで爆弾が爆発したのを見て、高笑いする王子、
 「ふはははは、レッドは死んだ! さあ、ダイジュピターを渡せ!」
 いや王子、人質死んだら渡す理由が無いんですが。
 だが、そこへ姿を見せる、レッド、ブラック、ブルー! 3人はイエロー、ピンクと合流し、サソリシンカを撃破。北斗はレースに復帰し、見事に優勝を果たすのであった。  さすがに、あれで北斗が優勝と言われても、素直に頷けませんが(笑)

◆第10話「宇宙からの侵入者」◆ (監督:東條昭平 脚本:寺田憲史)
 ジャシンカ帝国、地上の宇宙人騒ぎに乗じて、エネルギー吸収作戦を発動。
 人間どもの宇宙人観に合わせてタコシンカを作るカー将軍、素敵。
 あれ……北斗以外は、「竜さん」って言ってる?
 途中で本当にUFOが出てきてクライマックスでは重要な役割も果たすのですが、「未知との遭遇」については一切の説明もフォローも無し、 というすさまじい潔さ。
 というか多分、ゴズマかメスの先遣調査隊だと思うんですが、あれ。
 そしていつの間にか(前回から?)EDに、互いにそっぽをむく王子と王女の図、が入っている。
 どこまで萌え路線なんだ王子……。
 今回あたりから、放映時間変更(枠は同じだけど、5分減った)で、尺が短くなったかな……?

→〔まとめ2へ続く〕

(2013年5月1日)
(2019年6月29日 改訂)
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