■『五星戦隊ダイレンジャー』感想まとめ3■
“ダイレンジャー
きらめく胸の五つ星”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『五星戦隊ダイレンジャー』
感想の、まとめ3(17〜24話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔総括〕
- ◆第17話「出ました新戦士」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升)
-
グホンからの電波により、6人目のダイレンジャー、キバレンジャーの誕生が近い事を知る道士カク。
「……白虎神剣」
……ってあれ? もしかして道士、白虎神剣の存在、初めて知った?
そしてその白虎神剣からテレパシーを受けた小学生、スケボー少年・コウが登場。
「俺コウ、今日からお姉ちゃんの弟になるからな」
と、突然、リンに宣言するコウ。
通りすがりのカップルのシェイクを盗み
リンに痴漢し
ハンドバッグを盗み
中の鍵を手に入れ
……120%犯罪者だゾ
そんなコウに、呼びかけるテレパシー。
「コウ……急いでリンのマンションに行くんだ」
指 示 し て い た の 剣 か !
(※この時点では、コウにはテレパシーの主は不明)
盗まれたハンドバッグを追っていたリンと将児(通りすがり)は、ゴーマ怪人、指輪官女・ネックレス官女・イヤリング官女、
の地獄の三人官女と遭遇。デザイン怖い。
地獄の三人官女に苦戦するホウオウレンジャーとテンマレンジャーだったが、残り3人が救援に駆けつけ、三人官女は
「キバレンジャーは誕生させない」と言い残して撤退。道士から話を聞いた5人は、6人目のダイレンジャーが出現しようとする事を知る。
「強い人が来てくれると、いいですね」
和さん、どこか他人事。
「一刻も早く白虎神剣を見つけ、ゴーマから守るんだ」
そしてやっぱり、道士に教えてなかったグホン(笑)
その頃、ゴーマ3事務員の前に、人力車に乗った老人と子供が姿を見せていた。老人の名は、田豊将軍。子供の名は、阿古丸。
二人+付き従う三人官女を前に、半身で「けっ」とか言ってしまうシャダムさん、また嫌な上司が来やがった……
モードかと思いきや、なんとビックリ、阿古丸はシャダムの息子であった!
昼間のパパはいい汗かいてる〜 昼間のパパは男だぜ〜
作戦の指揮権を託した阿古丸を残し、人力車で去って行く田豊。
ここで、「これは元老院の決定だ」と、ゴーマの背後組織の存在が明るみになります。
怪人達から全く敬意を払われない様子、営業成績の悪さ、上層部への態度の悪さ、子供を上に置かれてしまう酷い扱い…………
3事務員って、ゴーマの中では窓際族の落ちこぼれはみ出し者なのではないか、という疑惑が。
もしかしたら対ダイレンジャープロジェクトは、ゴーマの主業務ではなく、辺境の子会社に異動みたいな扱いなのでしょうか。
3事務員が全員、左遷されて今の立場に居ると思うと、そこはかとないやる気の無さとか、態度の悪さとか、色々納得なのですが(笑)
「待て阿古丸、どういうつもりだ。我々の邪魔をして」
「今の私は田豊将軍の息子だ。あなたの指図は受けない」
3人官女を引き連れ、白虎神剣を探して動き出す阿古丸。
阿古丸は生まれてすぐに養子に出されており、実の父であるシャダムを憎んでいる、とどうやらこちらの父子関係も複雑な模様。
……次から次へと、駄目な父親の出てくる作品だなッ!
その頃、コウはリンの家に空き巣に入っていた。
剣の指示で部屋の中を引っかき回し、グホンが隠した“ある物”を見つけ出すコウ。そこにリンが帰ってくるが、
気力・おっぱい鷲掴みでピンチを回避したコウは、白虎神剣の元へと向かい、
それを追ってグホンが白虎神剣を突き刺した寺にたどり着いたリンは、三人官女に遭遇。そこに4人も駆けつけ、
白虎神剣の手前で、ダイレンジャーvs三人官女の戦闘開始。
草むらに身を隠すコウ、
「これじゃ、出るに出られないじゃないか」
それを聞いた白虎神剣、敵味方にまとめて爆撃(笑)
三人官女とダイレンジャーはもろともに吹っ飛び、その隙に白虎神剣のもとに辿り着いたコウは、それを引き抜く。
「これで俺も自由になったぜべらぼうめ」
テレパシーの主が白虎神剣だったと知るコウ、そして予想外にてきとーな感じでした。これはまあ、空き巣を推奨するわけです……。
「今日からおめえの心の友ってわけだ。さあ兄弟(きょうでぇ)、いよいよキバレンジャーに転身だ」
リンの部屋から見つけてきたのは、グホンが隠していったオーラチェンジャー。
「気力転身・キバレンジャー!」
転身とともにコウの体はパンプアップし、中の人対応に(笑) 遂に転身したコウは大盛り上がりで、
ウォーミングアップで連続バック宙など、無駄に凄いアクション。キバレンジャーの誕生を目の当たりにした阿古丸&三人官女は撤退し、
キバレンジャーは明らかに悪人ぽいポーズで高笑いするのであった。
- ◆第18話「秘密(※○の中に秘)の白虎ちゃん」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升)
-
「やったやったー」
大はしゃぎのコウ、町中でキバレンジャーに転身してスケボーを乗り回し、気力で女子高生のスカートをめくるなど、好き放題。
……なんかもう先週から、悪事しか働いていません。
さすがに白虎神剣がそんなコウをたしなめるが、コウは紐で縛って白虎神剣を文字通りに口封じ。
「僕は僕の好きにやるもん。そうだ、閃いた」
キバレンジャーの正体について語り合いながら5人がリンの部屋へ帰ってくると、なんとコウの荷物がリンの部屋に運び込まれていた!
現在、5年前に行方不明になった母親の親友の家で暮らしていたコウ。育ての親の二人はリンをすっかりコウの生き別れの姉だと信じ込み、
引っ越しに協力、コウはリンの部屋の屋根裏に住み着いてしまう。
後のコウの発言だと、コウは育ての両親に邪険にされていたという事なのですが(真実かどうかは不明)、その割にはこの両親
(丸大青果の夫婦)は妙に人の良さそうなキャスティング。……まあ、親友の子供を引き取って育てている時点で、
人が良いのは確かなのでしょうが。その割にはリンと一切の話し合いをせずに引っ越しを敢行しており、今ひとつ、
どうしたいのかよくわかりません。
まあ前回と今回は全編、ここまでは勢いで許して、みたいな感じなのですが(^^;
一方、ゴーマ側の阿古丸も、自分を産んですぐに行方をくらました母親と、自分を捨てた父(シャダム)を恨んでいる事に言及。
阿古丸は完全にコウの対比キャラではありますが、ここで二組の親子関係が物語に絡む事に……コウと阿古丸が実の兄弟、
というのもありそうですが、さてはて。
個人的には妻子発覚でシャダム事務長がますます面白くなってきたので、そこは楽しい。
阿古丸は、キバレンジャーをゴーマ側へ寝返らせるのが計画の内、と三人官女にキバレンジャーの正体を探るように命令を下す。
阿古丸の調べによれば、キバレンジャーの正体は、10歳前後の少年、右腕に虎の形の火傷がある筈……。
その頃リンはコウ追い出し作戦の為に、急にコウに優しくして油断させると、そこへ将児がコウの母親の声真似をして東京駅へと呼び出し、
その間に隠れていた男衆3人が、コウの荷物を運び出す、という直接手段に打って出る。
「今の内にあの子の荷物を八百屋のおじさんの所に戻すのよ」
「女っつーのは残酷だよなぁ。子供の気持ちを踏みにじって」
行方不明だった母親からの偽電話にころっと騙されるコウ、でコウの小学生らしさを出してはいるのですが、
前回と今回のコウの悪行三昧が酷すぎるので、どうにも同情できません(^^; びみょーに納得していない感じの男衆3人
(将児はノリノリ)ですが、いや君等、家に急に知らない小学生が押しかけてきて同居する事になったらと想像してみなよ?!
……大五さんは、受け入れそうだけど。
ところが八百屋へ向かう途中の3人は、ゴーマ怪人と遭遇。
三人官女、火傷の跡を探す為に、街で小学生を脱がしまくる(笑)
というか、銭湯を襲っていた。
連絡を受けて外へ駆け出したところで、騙された事に気付いて戻ってきたコウと遭遇するリン。
「僕を騙したな」
「だってあなたが私の部屋から出て行かないから」
「好きだったのに!」
凄くひどいやり取り(笑)
その場を駆け去ったコウは、官女の一人と遭遇し、腕をまくられる……そこにあったのは、間違いなく虎の形の火傷。
虎に見える形の火傷、とかではなく、文字通りに虎の形の火傷。
実は幼い頃、コウは実の母親によって、虎の形の焼きごてを押しつけられていた!
「恨むなら、ママを恨みなさい!」
……いったいぜんたい、どういう家系なのか。回想シーンの映像では、なんかこう、古い日本家屋っぽいですが。
あと前回の白虎神剣の台詞でコウを「運命の子」と言っているので、なにがしかの因縁はあるようですが……ますます、
いまのところ特に因縁の設定されていない、大五、将児、和、は何故ダイレンジャーに選ばれたのか不明に。……数合わせで、
単純に潜在的力の高い人間をスカウトしたのかもしれませんが。
そこへリン、続いて男4人が駆けつけ、ダイレンジャーvs三人官女。吹っ飛ばされたリンを抱き留める形で、
亮がナチュラルにお姫様だっこしていて、なかなか格好いい。
三人官女に苦戦するダイレンジャー……官女、3事務員より強くないですか(笑)
戦闘を怖がるコウだったが、白虎神剣の「遊ぶ時だけ転身して、それでも男かよ」の言葉、そして官女に追い詰められるリンの姿に、
戦う事を決意して気力転身!
「吼新星・キバレンジャー!」
戦いは素人のコウであったが、白虎神剣に操られる形で、イヤリング官女と戦闘。気力技「吼新星・乱れやまびこ」
(何故かロックバンドのイメージ映像で、音を操り増幅してダメージを与える攻撃)によりイヤリング官女を撃破し、3人官女は撤退。
重傷を負ったイヤリング官女は阿古丸にキバレンジャーの正体を伝えようとするが、その前で絶命。しかし阿古丸は前後の出来事などから、
キバレンジャーの正体がコウである事を見抜くのであった……。
戦い終わり、川で黄昏れるコウに「しばらくの間、一緒に暮らしましょう」と告げるリン。その条件は、
「絶対におっぱいをさわらない事」
……て、同居の条件、そこなんですか(^^;
こうして二人の同居生活が始まるのであった……圧倒的にグホンのせいで、リンが被害者。またコウが、
自分がキバレンジャーである事を秘密にしている理由がさっぱりわからず、お陰でただひたすら不自然に。
そこがオープンならもうちょっと、同居展開もスムーズに出来たと思うのですが。正体を秘密にしている理由は作品(キャラクター)
としては何かしらあるのかもしれませんが、それが見ている方にさっぱりわからないので、見ている方としては、
もやもやとしてしまいます。
ここまでの無茶は許して、という線引きはともかくとして、さすがにリンがコウを受け入れるに足る理由は、もう一押し無いと、
幾ら何でも厳しかったと思います。
リンの新衣装は、戦隊にしては普通に可愛げがあって、そこは良かった。
しばらくコウ編になるのでしょうか……もうちょっと落ち着いてくれないと話を回しにくいので、さっさと落ち着かせてくれ、
という感じですが。
なお、2回連続でロボ戦なし。
ところで今作、『三国志(演義)』由来と思われるキャラクター名が、賈ク、李儒、張遼、虞翻、田豊、と基準がさっぱりわかりません(笑)
一番メジャーな所は外した、というのはわかるのですが、統一感も無ければ、なぞらえている感じでもない。
李儒でなくて「沮授」だったらまだ、ゴーマ側は袁紹麾下縛りか、とかわかるのですけど。……まあそれはそれで、どうしてゴーマ、
袁紹? という新たな謎が出ますけど(笑) その上で、3事務員は横文字だしなぁ。
- ◆第19話「ドキドキ美少女」◆ (監督:小笠原猛 脚本:荒川稔久)
-
夜の街を人力車で走る阿古丸、シャダムと遭遇。
「父上、ゴーマの力の源は?」
「わかりきったことを。ゴーマの力の源は……憎しみ」
「そう。私も憎しみでここまで来た。私を捨てた、あなたと母親への憎しみでね」
「それがどうした」
「ヤツにも憎しみを抱かせるのさ。そうすればヤツの心には必ずゴーマの血がたぎる。秘められた力が発揮されるんだ!」
シャダムと阿古丸の関係を補強しつつ、コウ関連の伏線か。前回、阿古丸が妙にキバレンジャーの正体に関して詳細な情報を握っていたわけですが、
その辺りも含めて、コウはゴーマと何らかの関係がある、という事なのかしらん。
朝からリンへの痴漢行為に勤しむコウのクラスに、転校生・柊香澄がやってくる。
コウを見張りに学校へやってきた将児と知だがコウにスルーされ、そんなコウは帰宅途中に阿古丸と遭遇。
「挨拶に来てやったよ」
キバレンジャーの正体を確かめるべく、コウに襲いかかる二人の官女。
「さあ、転身しな。転身しないと死んじゃうよ」
しかしそこへ、コウを追いかけた和と将児が救援に。
いかにも亮と絡みそうな将児が(絡んでいるけど)、知さんと割といいコンビなのは面白いところ。
正体を隠したいコウは白虎神剣を使って阿古丸達を陽動、うまく正体を隠してキバレンジャーへと転身するが、
「待ち合わせに遅れちゃう〜」と、逃亡。阿古丸達も姿を消す。
コウが向かった先は、みんな大好き後楽園ゆうえんち。コウも転校生だったらしく(いつ頃かは不明)、
転校生の連帯感を武器に香澄にコンタクトし、早速デートにこぎ着けたのであった……って、年上属性じゃなかったの?!
がっかりだ!(何が)
楽しく遊んだ二人、何となく母親の話題に。
コウにとっての母親の思い出は……焼きごて。
そして香澄を送っていったコウは、香澄の母親が香澄に辛く当たる所を目撃、自分の母親と照らし合わせて、落ち込んでしまう。
そんなコウを気にする将児。
「居る筈ないよね、子供が好きじゃ無い母親なんて」
「母ちゃんの愛はマリアナ海溝より深いってな。母ちゃんは絶対子供が好きなもんさ」
えらく唐突にダイレンジャーの面々がコウに優しいのですが、“弟代わりの少年とランニングをしているボクサーの卵”とか、
テンプレート的に家庭環境にあまり幸福な雰囲気のない将児(一切触れられてないのであくまで推測ですが)がコウを元気づける流れは、
なんか納得。
まあそれにしても、ダイレンジャーとコウの関係性は色々と無理筋ですが(^^;
最低限、「リンがコウに優しくする理由」(コウの境遇に同情した、にしても前回の流れではあまりにも無茶すぎたし、
それならいっそ最初からリンを全方位に優しいという性格に設定しておくべきでした)にある程度の説得力を持たせていれば、
残りの面々も「リンがそう言うなら仕方ない」という所からスタートして徐々に交流を深めて……と作れるのですが、
スタート地点の土台がぐちゃぐちゃなので、脚本も実に展開しづらそう。
翌日、香澄の家を覗きに行ったコウは、「家庭訪問なんかされている暇ないわ」と香澄をつねる香澄母の姿を目撃してしまい、
それが焼きごての思い出とシンクロする。父親と離婚し、母は自分を不要だと思っている……という香澄に、そんな事はない筈だ、
と必死に叫ぶコウだったが、突然襲いかかってきた官女A(デザインの面白さはともかく、見た目で区別がつかない)に、香澄がさらわれてしまう。
心配してコウの様子をうかがっていた将児が飛び出すが横から現れた官女Bの投げた輪っか(指輪?)に捕まってしまい、コウはひとり、
香澄をさらった官女Aを追う。その道中、テニスをしていた香澄母を見かけて「香澄がさらわれた」と訴えるコウだが、
香澄母はそれを無視。
「母親だからって子供が好きだとは限らないのよぉ」
「そんな、嘘だ、嘘だぁぁぁ」
一方、将児は駆けつけた仲間に助けられ、テンマレンジャーvs指輪官女。テンマレンジャーの高速回転蹴りを受けて指輪官女は撤退。
そして香澄を見失って川辺で黄昏れるコウを見つめ、阿古丸はほくそ笑む。
「苦しめ、苦しめキバレンジャー。母親なんて、そんなものさ。おまえは憎しみのかたまりとなって、我がゴーマの一員となるのだ」
……て、今回も引くの?(^^;
次回、どうやら更に物語が大きく動くようですが、前後編の割にはエピソードの内容が薄い時に、
大きな伏線を出す事で無理矢理に前後編にする必要性があったんだ、みたいに見せる手法はあまり関心しない。
尺の厳しさを補う一つの手ではあるのでしょうが、それならせめて、前半からもうちょっと大仕掛けのアピールをしてほしい所。
というわけで次回、本社ビル、浮上?!
- ◆第20話「初公開ゴーマ宮」◆ (監督:小笠原猛 脚本:荒川稔久)
-
香澄を助けられなかった事と香澄母の発言に二重のショックを受けて落ち込むコウを囲んで励ます5人だが、コウは走り去ってしまい、
その姿を見つめる道士カク(胡散臭い)。
一方その頃、どこかで謎の逆ピラミッドが浮上し、遂に姿を見せたゴーマ本社ビルの中では3事務員が変態達に囲まれながら、
田豊将軍に異議申し立てを行っていた。
「もはや阿古丸の作戦には従えないというのか」
「そうだ、そもそもゴーマは我々3人にお任せになったはず」
今ひとつ扱いのわからなかったゴーマ本社ですが、特に封印されていたとかそういう事ではなく、
画面に出てこなかっただけで作品当初からどこかに存在はしていた模様。
「だまらっしゃい。出来の悪い幹部の分際で、身の程知らずな」
人を殺しそうな顔になる事務長(笑)
「なんじゃその顔は。馬鹿ににされた事が不服か。馬鹿を、馬鹿と申して、何が悪い」
怒りのシャダム、腰の短刀に手をかける。
殿中、殿中でござる。
しかし田豊の嘲りに我慢ならず短刀を引き抜くシャダムであったが、そこで銅鑼が鳴り響き、謎のボールが会議室へ。
「ゴーマご神勅をたまわります」という言葉に、謎の仮面をつけて(尊い存在と直接顔を合わせてはいけない、という事かと思われます)
社長室へと赴く田豊とシャダム。
20話にして遂に、ゴーマ総帥・ゴーマ十五世、登場。
眠そう。
仏教の大僧正っぽいデザインのゴーマ十五世は、デカダンな雰囲気というか、色々、てきとーそーな感じ。
社内の規律が緩んでいる理由が、よくわかります。最初は作戦指揮権を田豊に与えようとしたゴーマ十五世だったが、ここで事務長が、
予言の珠により「第六の気伝獣の目覚めが近づいている」とプレゼン。結局、指揮権を取り戻す事となる。
「シャダム、しっかりね。田豊、おまえは何しにきたの?」
甲高い声、歌舞伎の女形っぽい化粧、とゴーマ十五世はかなり不思議な雰囲気。
あと田豊の台詞で、シャダム、ガラ、ザイドスは改めて、「幹部」という扱いで良い事が判明しました。とはいえもう、
私の中で「事務長/事務員」という呼び方が定着してしまったので、それで通そうかと思います(笑) シャダムさん、
「総務部長」って感じでもないしなぁ……。
ところで、実は予告ナレーションから「十五世」ではなく「ゴーマ十五星」だと思って、
十傑衆とか九大天王とかそういう感じで、ネロス軍団みたいにゴーマの強者達が大挙顔見せ登場して、3事務員にねちねち嫌みを言うとか、
そんな展開だと思っていました(笑)
かくて指揮権を取り戻した3事務員は何故か神社の境内で乾杯するが、そこへ現れた阿古丸は
「私はあくまで私のやりかたでやらせてもらう」と告げ、姿を消す。
所変わって、またまた独りで黄昏れているコウの前に姿を見せる、道士カク。
「見つけたよ、キバレンジャー、6人目の戦士」
「え?」
「カクさん。いやーあんたには隠せねえなぁ」
すんなり自白する白虎神剣だったが、まだコウの正体は隠しておきたいのだという。その理由は、これよりもっと大変な事……
6体目の気伝獣の出現が近づいているからだ、という。
犯罪教唆→小学生を戦士に仕立て上げる→事実を隠蔽って、一番タチ悪いのは、
やはり白虎神剣なのか。
むしろ段々と人生の被害者っぽなくなってきたコウは、香澄の家の前で「香澄を助けたければ横浜の第三倉庫へ来い」
という手紙を受け取る。単身、倉庫へ向かって香澄を助け出したコウだったが、二人で逃げ出したところで香澄母と接触。
香澄母は娘を捨てる宣言をすると、更に「同じなのよ、あなたのママと」と吐き捨てて、車で走り去る。
自分の母も、やはり自分を捨てたのか――憎しみのオーラ力に飲み込まれていくコウ、焼きごての虎の痣が光り輝き、
コウの体を憎しみの光が覆っていく……しかしその時、脳裏に響くのは将児の「そんな事言ったら、母ちゃんが泣くぞ」という言葉。
そして母との、楽しかった後楽園ゆうえんちでの思い出。
コウが何とか憎しみを振り切ると体を包む光は消散し、そこへやってくるのは香澄母を引っ立てたダイレンジャー達。香澄母の正体は、
ゴーマ怪人、官女Aだったのだ。
児童虐待がシビアだったので、ここは正直、怪人でホッとしたレベル。
香澄を連れてその場を離れるコウだったが、物陰に隠れた所で、香澄が豹変。
「せっかくあなたに母親を憎ませてあげようと思ったのに、がっかりだわ」
なんと香澄の正体は、阿古丸の変装だったのだ!
「僕の手を握ってドキドキしたかい? おまえは最初から、騙されていたんだ」
せめて官女だと思っていたら、阿古丸という悲劇的な展開。
まあ官女だと、香澄をさらっていくシーンがあるので、矛盾してしまうのですが。
お陰で阿古丸がもう、高度な変態にしか見えません。
そして、
小学生男子には一生もののトラウマ
これは下手するとコウ、男として再起不能になりかねない。
むしろこれがきっかけで、憎しみのオーラ力でハイパー化するレベル。
コウ「小さく見えるって事は……僕が勝つという事だ!!」
というわけで、コウ、阿古丸にマウントでパンチ、パンチ、パンチ!
官女Bが助けに入って阿古丸はよろよろと逃亡し、コウはキバレンジャーに気力転身。
官女Bを退けると阿古丸の前に立ちはだかるキバレンジャーだったが、阿古丸もここでは抵抗を見せる。
先のシーンから戦闘力は皆無かと思われた阿古丸ですが、多少はできる模様。そこへ更にシャダム事務長が現れ、
まとめて爆撃。
「父上、私が居るというのに、なぜ」
事務長はここに出てくる必要性が作戦的には全くないので、純粋に息子を助ける為に出張してきたようにも見えるし、
単なる嫌がらせにも見えるし、演出としてはどちらとも取れる感じに。前者だった場合、
ヒロインの座を狙いに行っているとしか思えないひねくれ方ですがッ!
阿古丸は官女Bに抱えられて逃亡し、キバレンジャーと対峙したシャダムは一発蹴り飛ばされた所に、
乱れ山彦・山彦警官隊を食らって「おのれーーー、覚えておれーー」と退却。
新キャラの見せ場要素も強いのでしょうが、乱れ山彦、強すぎ。……まあ、なんというか、事務長に、戦闘での活躍は、基本的に、
期待していないけど。
一方、官女Aはダイレンジャーの気力シュートを受け、巨大化。
大連王vsネックレス官女
という文字が出たので(最近の定番演出)、どの官女か判明しました。
テロップで煽った割には、今日も大連王は無傷でしたが。
……六体目の気伝獣、必要なの?
むしろ敵なのではないか、みたいな。
キバレンジャー周りの大雑把な部分、ダイレンジャー5人との関係性など、なんかとにかく、
17&18話の滅茶苦茶を押さえ込むのに終始した感じ。結果として、全ての責任を白虎神剣に負わせる
ような形に(^^;
まあ剣なので、割を食うのは仕方ない……のか?
−−−
- ★ここまでの『ダイレンジャー』タチ悪い度ランキング
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1位 道士カク (−)
2位 老道士グホン (↑)
3位 白虎神剣 (↑)
独走状態だった道士ですが、この最新4回で、白虎神剣が急浮上。つられて老道士グホンも浮上。リンは、ただひたすらに被害者。
……全員、ダイレンジャー側ですよ。
- ★ここまでの『ダイレンジャー』ヒロイン度ランキング
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1位 クジャク (−)
2位 リン (↑)
3位 洋子 (↓)
ここ4回で可愛げの増したリンが、さらわれ技を発動した洋子(※亮の妹)を抜いて、2位へ。扱いが酷い分、
可愛い感じに撮って多少は気を遣って貰っている感じですが、正統派ヒロインな上に薄幸属性も重ねてきたクジャクを抜いて、
ピンクの正ヒロイン奪取なるか?! まだ圏外ですが後方では虎視眈々と、シャダム(ツンデレに目覚めそう)、
ガラ(ゴーマヒロイン)、そして亮(次週、捨て身でヒロインの座を狙いに来る模様)がランクインを目指しているので油断は出来ない。
- ★ここまでの『ダイレンジャー』駄目人間度ランキング
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1位 鉄面臂張遼 (−)
2位 シャダム (↑)
3位 亮 (↓)
1位は恐らく揺らがないと思うのですが、妻子発覚で事務長が急浮上。今後の健闘が大いに期待されます。
サッカー回で株をあげた亮でしたが、石化光線の回での「本当に、ゴーマの怪人の仕業なのかなぁ」が効いて、ベスト3を死守。
こちらはゴーマ血統(亮はハーフ)がベスト3を占めました。それ以外では相変わらずマイペースな和さんが
ワンパンチ次第では急浮上の可能性を秘めており、次のフィーチャー回が待たれます。年少組は同一基準で考えにくいので難しい所ですが、
コウも阿古丸も潜在能力は高そう。
というわけで次回、「真ヒロインは俺だッッッ!」(違う)
キバレンジャー編は正直早く片付けて落ち着いて(正体を共有して)ほしい。
- ◆第21話「気伝獣様ご誕生」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
-
悪夢にうなされるコウに、「明日、ハイキングに行こうか」と声をかけるリン。一方、阿古丸は「今度こそ、おまえを、
叩きつぶしてやる」とコウに対して暗い怨念を燃やしていた。6体目の気伝獣はいったいどこで生まれるのか……
大宇宙と大自然に問いかける道士カク、そして3事務員達は気伝獣の誕生を阻止するべく、ダイレンジャーの数を減らす、
という作戦を実行に移そうとしていた。
翌日、
お姉さんとデートだと思ってウキウキしていたら、コブ(野郎)が4つもついてきたァァァッ!!
転身だァァァッ!!(待て)
コウ、社会の世知辛さを知って走り去る。
ひとり黄昏れるコウの前に姿を見せる、阿古丸と指輪官女。「今日こそ君をあの世に送ってやる。許せない」。
もはやコウがシシレンジャーの正体かどうかより、自分の策にも関わらず、
捨てた母親を信じ続けるコウへのねじれた憎しみに凝り固まった阿古丸はコウに襲いかかるが、そこへ助けに来るダイレンジャー。
指輪官女が亡霊ネックレス官女とイヤリング官女を呼び出してピンチになるが、今度はそこに3事務員が乱入。
「リュウレンジャー、貴様の体は、我々ゴーマ3幹部がいただいた!」
何かを! アピールした!!
リュウレンジャーをさらうついでに、「これで第六の気伝獣は生まれない」など、余計な情報を与えて3事務員は撤退。
阿古丸達も姿を消し、ダイレンジャーは道士に事の説明を求める。
道士によると気伝獣とは、妖力による自然破壊の反動として、自然そのものが生み出す存在であるが、
その誕生には選ばれた運命の戦士5人(つまりダイレンジャー)の気力による補助が必要である。そして、
その生まれるチャンスは一度限り……「なにがなんでも明日までに亮を救い出すんだ!」。
つまり、〔妖力によって自然が破壊される→大自然の気伝獣生育エネルギーが溜まる→MAXになった所でイベント発生→
ただしダイレンジャーが5人揃ってないとエネルギーは無駄になって終わる→またエネルギーが溜まるのを待たなくてはいけない〕
という事の模様。
……あ、あれ? キバレンジャーの存在意義は?
…………いやむしろ、リュウレンジャーが居なくても、キバレンジャーが居れば5人目にカウント?
もしやの 主 役 交 代?!
ここで亮が爆死して、主役がコウに取って代わられたらどうしよう(笑)
また、ここまで正確には謎だったダイレンジャーのスカウト理由が「選ばれた運命の戦士」である事が、
さらっと道士の口から語られました。単純に、そもそも引っ張るつもりはなくて、
台詞にするタイミングが無かっただけだとは思うのですけど、凄く、さらっと(笑)
その頃、父の元へ抗議に向かった阿古丸だったが、既に作戦の指揮権はこちらに移っている、と突っぱねられる。
「おまえが生まれた時から、私には愛情のかけらさえ無かった! それが、ゴーマだ!」
阿古丸を張り飛ばすシャダム。
「わかりました。私はもうあなたを、父上とは呼ばない。この手で、この手で必ずあたなを葬ってやる。はっはっはっは」
外へ駆けだし、「もう父もゴーマも誰も信じない」と口にする阿古丸ですが、そもそも初登場時に父とそうとう険悪だったので、
どうにも漂う微妙な今更感。「私の父は田豊将軍」とか言っていた気がするのですが(^^;
なんかマッチアップ相手としてコウと並べている内に、二人そろってぐちゃぐちゃになってきたというか。
コウの小学生らしいメンタルを強調している内に阿古丸がそれに引きずられてしまい、
物語としては非常に軸のブレた感じになってしまいました。
亮の行方を捜すリンから、ハイキングは本当は男達の思いつきだったという、嬉しくない真実を聞くコウ。
そこへ公衆電話のベルが鳴り響き、阿古丸はコウに、亮が囚われている場所の情報を流す。
阿古丸の情報通り、地獄ヶ原で囚われの亮。変な陣みたいなものに縛り付けられているので、妖力の結界か何かかと思ったのですが、
「このまま太陽が焼き殺す」……て、南米のマフィアみたいな。
そこへやってくるリンとコウ、笑いながら姿を見せる阿古丸。コウはリンと一緒に来たのでそのまま転身してしまうのかと思いきや、
あくまで一度逃げて隠れる、と面倒くさい。囚われの亮の姿に、「亮兄ちゃんを助けるんだ」と、ここで初めて、自分と、
リン以外の為に、転身。
駆けつけた残り3人が転身し、ダイレンジャーの名乗りにキバレンジャーも参加。
亮、いよいよ主役交代の危機(笑)
激突するダイレンジャーvs3事務員。果たして5人は、亮を助け出し、6体目の気伝獣誕生の地に辿り着く事が出来るのかッ?!
- ◆第22話「虎の子大秘術!!」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
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テンション高くダイレンジャーを追い詰めていく3事務員達、だが、ザイドスがキバレンジャーにとどめを刺そうとした所で、
「キバレンジャーに手をだすな」と阿古丸が妨害をかけ、5人はその隙に反撃、亮の救出に成功する。
ダイレンジャーはそれぞれの気伝獣で第六の気伝獣誕生予定地へと飛び、コウも白虎神剣に捕まって飛んでいく事に。
この成り行きに本社へ呼び出された阿古丸は謹慎処分を受けそうになるが、「切り札」を匂わせ、それを免れる。
阿古丸の切り札……それは、監禁していたコウの母親であった!
その頃、気伝獣誕生の地に集うダイレンジャー、そして道士カク。6人の気力が大自然のエネルギーと混ざり合い、今ここに、
第六の気伝獣、ウォンタイガー、誕生!
……なぜ、いきなり横文字。
それを見たコウがキバレンジャーに転身するとその手に天宝来来の珠が飛び込み、キバレンジャーはウォンタイガーへと乗り込む。
その前に姿を見せる巨大指輪官女に対して、ウォンタイガー、武人変化。武人ウォンタイガーは様々な気力技を使えるようで、
今回は「火」の球を用い、「虎の子大秘術・火炎玉」を使用。コックピット背後には月火水木金土日とあるのですが、7種類、
ちゃんと使われるのか。
しかし、生まれたての気伝獣と戦闘慣れしていないコウの組み合わせの為か、指輪官女の攻撃を受け、
ウォンタイガーから吹き飛ばされるコウ。その前にしつこく姿を見せる阿古丸。
「今日こそ君をゴーマに引きずり込んでやる……これを見ろ」
阿古丸の背後の人力車に乗せられていたのは、コウの母親!
「コウ、母親と暮らしたければ、ゴーマとなるんだ」
だが、コウはそれを拒否。怒りの阿古丸の放った謎ビームを受けて、コウの母親は宙を舞って飛んでいき、コウはそれを追いかけるが、
追いつけぬままにその姿を見失ってしまう。
一方、ウォンタイガーに追いついた武人・龍星王のタイガー騎乗攻撃で吹き飛ぶ指輪官女。その時に起きた崖崩れにより、
岩の下敷きになる阿古丸。
「まだわからないのかい、君の母親は、君を捨てて、逃げたんだ。それを僕が見つけて、隠して、おいたんだ。コウ、
君は二度と母親に会えない。一生母親を探して、苦しむがいい」
口の端から血を流し、力尽きる阿古丸……リ、リタイア?
「コウ、悲しみを乗り越えるんだ。キバレンジャーに転身しろ」
「お母さんが見つかるまで、お前はゴーマと戦い抜くんだ」
白虎神剣の適当な励ましを受けたコウ、キバレンジャーに転身。再びウォンタイガーに乗り込むと、武人ウォンタイガーと星獅子、
星天馬、星麒麟、星鳳凰が合体、新ロボット、新星合体・牙大王が誕生する。
……龍星王を置き去りにして。
牙大王は亡霊を呼び出した三人官女を、必殺の飛び道具で瞬殺、なんとなく龍星王と握手するのであった。
えーあー……最後、勢いで牙大王の中に、緑、青、黄、桃も乗り込むのですが、恐ろしい事に、ここに至ってもまだ、
ダイレンジャーとキバレンジャーの共闘関係は成立していません。
直前にシシレンジャーに「(ウォンタイガーを)横取りされたぞ」みたいな台詞もあるのに、ロボットに合体したら、
何事も無かったかのように一緒に戦闘。
まあ、とりあえず見敵必殺というのは間違ってはいないのですが、ダイレンジャー側からすると、
キバレンジャーはひたすら謎の戦士で、さすがにみんな、状況に流されすぎだと思うのですが……(^^;
コウ母の扱いは意味不明(考えたくないレベル)だし、阿古丸もラストで拾われると思ったら一切拾われないし……本当に死亡?
事務長のあれやこれやは、あれだけやったからには、拾わないと面白くないと思うのですが。
母にしろ阿古丸にしろ、拾えるか拾えないかわからないけど、拾えたら拾おうみたいな雰囲気で、
毎年“拾えるか拾えないかわからないネタ”があるのは確かですが、それにしても投げ飛ばしすぎ
で今後に不安が募ります。
監督の力量で、テンポの良さだけで前後編なんとか見せていましたが、コウ母が出てきた所で、さすがに決壊。
キバレンジャー登場編は、最初から最後まで酷かった(^^;
次回、クジャク編で我らが大五さんが盛り返してくれる事に期待。
まだ2クールも終わってないのに、凄い勢いで死亡フラグ積んでいますが。
- ◆第23話「純愛まっしぐら」◆ (監督:坂本太郎 脚本:藤井邦夫)
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次々と人々を熱病に冒す陽炎頭巾に立ち向かうダイレンジャー。しゃしゃり出てきたガラをテンマレンジャーの重力攻撃で追い詰めるが、
「ガラを倒すのは私」と割って入ったクジャクの妨害を受け、取り逃してしまう。勿論、ダイレンジャーの面々は将児を筆頭に怒り心頭、
一段と評判を落とすクジャクを、ただ一人必死にフォローする大五。
責任を取る、みんなに迷惑はかけない、と取りなす大五だが、もちろん非難の矛先はそんな大五にも向けられる。
リン「クジャク、クジャクって、仲間とどっちが大切なの? まるでクジャクが」
「好きなんだよ!」
言った!
男らしく、きっぱり断言。本人より前に仲間に言うのは若干どうかと思いますが、言い切りました。
茶化してはいたものの、この宣言に目を見張る4人。
「俺はいつのまにか、クジャクの事が、好きになっていたんだ……」
その為にどうしても、クジャクの気持ちを考えずにはいられない。
亮「冷静さを失った今のおまえと、一緒に戦えねえよ」
去って行く4人。
「大五。人を愛するのにも、戦士として皆と一緒に戦うのにも、必要なのは、お互いの信頼だけだ」
何となく有り難そうな事を言ってみる道士。
その頃、クジャクはガラと対峙していた。
「おまえが私を恨む以前から、私はおまえを憎んでいた」と告げるガラに対して、「え? そんな事あったけ……?」
と反応の鈍いクジャクに対し、普段は隠している顔の傷を見せつけるガラ。
ここでは詳細は明かされないのですが、6000年前の戦いの時に、傷をつけたとかそういった所でしょうか。
クジャクさん、「私がおまえに何をしたというのだ」とか返していたので、どうも、眼中に無かったぽいですが。
ガラと陽炎頭巾の挟撃を受け、動きに精細を欠くクジャクは、助けに来たシシレンジャーともども、陽炎頭巾の体内、
灼熱地獄の中に飲み込まれてしまう。
実はクジャクの体は現代の汚れた大気に蝕まれ、生命力や気力が大きく衰えていた。それを治療するには、
地球上のありとあらゆる汚れを消し去る伝説の“聖なる孔雀の涙”が必要だが、その場所はようとして知れない。
ガラへの復讐を優先し、自分の先行きに関しては諦めていたクジャクは、大五にその事を告白する。
「大五……私を助けようとして、馬鹿な事をしてしまったな」
「俺は好きな人を守るために滅びたとしても……馬鹿な事をしたとは思わない」
「え?」
「俺が守る。俺が命に懸けて、必ずおまえを守ってみせる」
灼熱地獄から脱出するべく、ひたすら壁を殴り続ける大五!
大五さん、超カッコいい
……はいいとして、“聖なる孔雀の涙”は、使用したら文字通りに地球上のありとあらゆる汚れが消滅する
危険なマジックアイテムだったりしないかどうか、少々心配です。
外では、クジャクを確実に抹殺するべく、ガラが陽炎頭巾を中の二人ともども始末しようとしていた。
だがそこへ駆けつけるダイレンジャー。ガラはこれ幸いと、陽炎頭巾の体内を内部図解。陽炎頭巾を倒せば中の二人が死ぬぞ、
と脅しをかけてダイレンジャーの動きを封じ、陽炎拳・火柱地獄によって吹き飛ぶダイレンジャー。
どうやら双方向中継らしく、吹き飛ぶ仲間の姿を見た大五は、決死の覚悟を固める。
「クジャク、このままでは皆がやられてしまう。俺は力の限りを尽くしてこの陽炎頭巾を倒す!
君だけはなんとしてでも脱出してくれ!」
なんとしてでも、脱出できたら苦労はないわけですが……そんなツッコミを吹き飛ばす、大五さんのパンチ、パンチ、内臓パンチ!
拳が砕けようと構わない、大五の気迫の連続パンチが、4人にトドメを刺そうとしていた陽炎頭巾の動きを内から止める!
更にクジャクの気力によってコーティングされた大五の拳が灼熱地獄の壁を砕き、悶え苦しむ陽炎頭巾。
ダイレンジャーが仕留められないなら中の二人だけでも、と陽炎頭巾を背後から切り裂くガラだったが、爆発する陽炎頭巾の体内から、
大五とクジャクは傷だらけになりながらも無事に脱出。
見よこの、圧倒的な主人公補正。
結局、陽炎頭巾を倒しても中の二人は脱出できました、と肝心な部分はぐちゃぐちゃなのですが
(中で頑張ったから脱出の道が開けたのだと前向きに解釈すべきかもしれませんが)、正直、大五回はもう、
大五さんが格好良ければそれで満足です、ハイ。
キバレンジャー編が酷かったですし(^^;
大五さん、超カッコいい
陽炎頭巾は巨大化するが、久々登場の大連王が、天幻星の幻覚攻撃も加えて、勿論、圧殺。
大五の思いに、復讐に凝り固まった心の一部のほぐされたクジャクは、まずは“聖なる孔雀の涙”を探す旅に出るのであった。
「大五、クジャクは必ず戻ってくるよ」
と、クジャクに一番怒っていた将児が大五をフォローし、ダイレンジャーとも何となく和解。全員、大五さんの気合いに負けたというか。
……しかし、何故、背後に牛。
本当はりんどう湖ファミリー牧場回とかだったのでしょうか。
クジャク編はひたすら、大五とクジャクの関係性とクジャクの変化を本編として描き、前回張った伏線を回収して、次回へまた伏線を張る、
という構造。そして怪人の扱いは作戦行動含めて適当。陽炎頭巾はデザインは格好良く戦闘でも強かったのですが、
愛の力でざっくりやられてしまいました。冒頭の馬に乗って登場、がただのハッタリで終わってしまったのも残念。
……てこの馬も、もしかして、牧場繋がりだったのかしら。
クジャクとガラに改めて因縁が提示された事に関しては、上手く転がる事を期待。……クジャクさん、
全く覚えてないみたいですけど。ダイ族の勇者だから仕方ない。
- ◆第24話「3バカ超野球!」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久)
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3バカ再び。今度は野球だ!
タンデムでツーリング中の将児とリン、亀夫(22話にほんのちょっとだけ登場した亀マニアの青年。何かと思ったら、
引きキャラだったの?)とゴーマ3バカ(墓石社長、電話先生、神風大将)と出会う。
「え?! ゴーマを辞めたい?!」
「だがザイドスは、おまえらと野球で勝負しろって言うんだ」
……ザ、ザイドスさん?!
「ゴーマ辞めたい」発言より、「野球勝負を指示」の方が衝撃なんですが(笑) 負けたら今度こそ命が無いので八百長して
負けたフリをしてくれないか、という3バカの懇願にほだされる将児。
「男と男の約束なら、俺は信じるぜ!」
リンは罠を疑うが、将児は3バカの境遇に過去の自分を照らし合わせてしまう。
「落ちこぼれの言う事なんざ、誰も聞いちゃくれねえ。だから、俺だけでも信じてやりてえ」
「だけど」
「俺が立ち直れたも、ジムのおやっさんが信じてくれたからさ」
他の3人には伝えなくていいし、リンは本気で戦っていい、しかし俺だけはあいつらを信じたい……将児は決意を固め、いよいよ、
野球対決のその日。
スコアボードの、どこかで見たような書体のGとD。
ちゃっかり、ダイレンジャーをドラゴンズになぞらえた!!
そして、3バカをジャイアンツに!!(笑)
……て、脚本家はわかるけど、坂本監督もドラゴンズファンなのでしょーか(笑)
「天に輝く五つ星! 今日も特別、野球戦隊ダイレンジャー!」
割とノリノリの亮。
「燃える三つ星、オレ達その名も、有名無実3怪人、ゴーマ3ちゃんリターンズ!」
かくて、負けた瞬間に特製野球帽が爆発(試合途中で脱いでも爆発)するという、ゴーマ式爆裂野球デスマッチ、プレイボール!
ダイレンジャー側は、投手:テンマレンジャー、一塁:ホウオウレンジャー、二塁:キリンレンジャー、三塁:リュウレンジャー、
捕手:シシレンジャー。
そして審判には何故か、通りすがりを捕まったらしい、亀夫。
1回表、3バカを勝たせる為に、甘いボールを投げるテンマレンジャー。神風隊長の満塁ホームランが飛び出して4対0となるが、
墓石社長の予想以上のラフプレイに若干の疑念を抱く事になる。
そのまま回は進んで4回、キリンレンジャーとシシレンジャーの活躍で、ダイレンジャー、1点を返す。最近知ったのですが、
知さんは《天時星》でした。ずっと「ち」と聞こえてきたけど、「じ」だった。
その後は両者譲らず、4対1のまま、いよいよ9回裏ツーアウト、追い詰められるダイレンジャー。リン、
まさかのミニスカチャイナ服お色気作戦でデッドボールを誘発(笑) 続くキリンもデッドボールを受け、
一打同点のチャンスに打席に立つリュウだったが、神風大将の魔球による自打球で負傷退場。
このままでは試合放棄によるダイレンジャーの敗北……? という所で、代打キバレンジャー登場。
変身後のみの登場という事でOPにキャスト表記されずにここで登場するという、驚愕のトリック(笑)
キバレンジャーは見事にバントヒットを決め、ツーアウト満塁でバッターはテンマレンジャー。
(神風大将…………これは本当に本当の芝居なのかよ……)
一抹の疑念を抱きながらも、男と男の約束を信じ、2球続けて空振りするテンマ。そして運命の3球目……
ど真ん中に来たボールを咄嗟にカットする形になり、ファウルボールがベンチのリュウレンジャーに直撃、
その被っていた帽子が衝撃で飛ぶと、バッターボックス付近で大爆発。事前の打ち合わせによる、爆弾帽子はフェイクで煙が出るだけ、
という神風大将の言葉は真っ赤な嘘。3バカは最初から、将児を騙していたのだった!
「男と男の約束はどうなったんだよ!!」
「そんな昔の約束、とっくに忘れたぜ」
「許せねぇ……絶対許せねぇ」
怒りを燃やす将児。……後ろで、亀夫が、死んでる……(笑)
ラスト1球、神風大将の竜巻魔球を、テンマレンジャーは渾身の力で打ち返し、見事なサヨナラ満塁ホームラン。帽子が爆発し、
巨大化する3バカ。
「てめえら本当の落ちこぼれだぜ! 目ぇ覚ましやがれ!」
牙大王のパンチ炸裂で、3バカ撃破。しかし、またも生き残った落ちこぼれ達は、包帯だらけの体を引きずって、
いずこともなく去って行くのであった……。
「河原の花も、泣いてるぜぇ……」
見た目ヤンキー全開だった将児のキャラクターを補強しつつ、軽妙なコメディ回。ネタとしてはどうしても二番煎じだったので
サッカー程のインパクトはありませんでしたが、面白くまとまりました。しかし24話にして、
将児のキャラクターがしっかり語られたのって、実は初だったり。その為もあってか、今更ひねってもあれなので、
凄くわかりやすい所に落ち着きましたが。
謎なのは、亀夫。
最後、帽子の爆発に巻き込まれて、グラウンドに大の字で転がっていましたが、まあ死んではいないとしても、
今後も使うのやら使わないのやら、どうしたいのやら。将児が3バカと接触するきっかけを作ったり、
怪人混じりの野球の審判を務めたり、一番可能性が高いのは、正体はゴーマの幹部なのですけど(笑)
後まあ、実はダイレンジャーをきちっと五行にあてはめようとすると、黒の戦士、という可能性もありますが。
その場合、リュウレンジャー(東の青龍)、キバレンジャー(西の白虎)、ホウオウレンジャー(南の朱雀)、
カメレンジャー(北の玄武)、キリンレンジャー(中央の麒麟)、となるので、シシとテンマがあぶれるわけですが、衝撃、
大五と将児は本物の選ばれた戦士ではなかった! ……と来たら、それはそれで熱いような、亮、青くなっちゃう?
とか色々酷いようなそこはそれでもいいような(おぃ)
次回、2クール以内にもう一回、来たゼ知さんのターン!!
今度はしっかり活躍しますように。
→〔その4へ続く〕
(2013年5月18日)
(2019年11月24日 改訂)
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