■『五星戦隊ダイレンジャー』感想まとめ2■


“気力転身! 問答無用
守り通すぜ 君の未来を”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『五星戦隊ダイレンジャー』 感想の、まとめ2(9〜16話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔総括〕

             

◆第9話「うぬぼれるなッ」◆ (監督:坂本太郎 脚本:藤井邦夫)
 「おー、どうちたどうちた 晩ご飯、いっぱい食べたろー?」
 動物に幼児化して話しかける大五さん、謎めいた気配に表に出ると、そこで一枚で孔雀の羽を拾う……。
 遂に、大五さんの職業判明!
 今まで散々、無職扱いして本当にすみませんでした。
 ペットショップで働いているシーンが描かれましたが、ここまで見るとメンバーの中でも時間の自由がきく感じなので、 店員というよりもしかしたら、経営者なのかもしれない。
 翌日、海岸で瞑想していた大五は、不思議なクジャクの姿を見る。
 「俺の“気”に侵入したのは誰なんだ……」
 謎のクジャクを気にする大五であったが、街では、街角の鏡を覗いていた女性が次々と消失するという怪事件が起こっていた。
 裏で暗躍するのは、ゴーマ怪人・鏡化粧師。自分の美貌にうぬぼれる女性を吸い込んでエネルギーにする能力を持ち、 6000年前の戦いにおいて、ダイ族の勇者・クジャクを倒した使い手でもあった。
 そんな鏡化粧師、街角でトラップ待機していたところ、髪を整える男を飲み込んでしまい、気持ち歩くなって吐き出す(笑)  どうやら、男はエネルギーに出来ない模様。なお一瞬、知さんかと思いました(笑)
 そこへ現れ、現代の人間の惰弱さをののしる3幹部。前回に引き続き、ガラはゴーマの中では超もてもて。 どうも典型的なゴーマ美人らしい。そして3幹部は本当に怪人からの扱いが粗雑で、ここまで仮称で「3幹部」と呼んでいましたが、 だんだん「幹部」扱いがそもそも間違っている気がしてきました。
 ただ、「3バカ」と呼ぶほど間抜けな行動をしているわけではないですし(大した役にも立たないが、さりとて邪魔もしない)………… えー……「3悪」? というと別作品のイメージが強くなりすぎますし……やっている仕事に一番ふさわしそうな名称を考えると……
 「3事務員」
 こ れ だ。
 以後しばらく(作中での役割が明確になるまで)、シャダム・ガラ・ザイドスの3人は、当感想では「3事務員」で行こうと思います。
 あれでザイドスさんは書類整理の達人で、怪人の活動成果などを毎日まとめて、ゴーマ本社に報告書として送っていたりするのです。
 数日後、女性を飲み込む鏡化粧師と接触し、戦闘になる大五/シシレンジャー。ゴーマ流・化粧拳に苦戦するが、仲間の助けもあり、 鏡化粧師は退却。大五はその背に、わずかな虹色の気を見るが、それは大五にしか見えないものであった……。
 未だスポットが当たらない可哀想な和さんことキリンレンジャーは、酔拳使ったり、頭突きで飛び込んできたり、 アクションは面白いので、早くスポットを当ててあげてほしいです。
 飲み込んだうぬぼれパワーを破壊エネルギーとして放つ、化粧拳・うぬぼれ返しによって、高層ビルの爆発など大被害を受ける街。 大五は鏡化粧師の居場所を見つけ出すべく、瞑想によって気の中に入り込んできたクジャクと接触。それに導かれ、 鏡化粧師のもとへとたどり着く。
 「黙れ鏡化粧師! 若い女性を次々と餌食にし、罪もない人々を傷つけるのはもう許さん!」
 大五さん、超格好いい。
 連係攻撃で鏡化粧師の妖力を打ち破ったダイレンジャーは分身攻撃に追い詰められるが、その時、「シシレンジャー打て!  私の気めがけて打て!」という声がシシレンジャーの脳裏に響き、虹色の闘気めがけて、天幻星・ロッドアローが炸裂。 鏡を砕かれた鏡化粧師は巨大化するが、大連王で一刀両断。
 こうして鏡化粧師に取り込まれていた女性達は解放され、その中に、一人の拳士の姿があった――その名を、クジャク。 6000年前の戦いにおいて鏡化粧師に取り込まれたものの、生命を司る孔雀明王の力によって長きに渡って生き続けてきた、 ダイ族の勇者である。彼女は果てしない囚われの時間の中で自らの気の同調者を探し続け、それこそが大五、彼が手に入れた孔雀の羽こそ、 クジャクからのメッセージにして、二人の気を結びつけるものだった。
 6000年ぶりに復活したダイ族の勇者、クジャク。彼女は果たして、敵か、味方か?!
 怪人(と付随した作戦)は1話完結だが、ゲストキャラを引っ張って前後編、というちょっと面白い構成。

◆第10話「あァ復讐の女神」◆ (監督:坂本太郎 脚本:藤井邦夫)
 6000年前……3事務員の一人ガラを仕留めかけたクジャクは、瀕死のガラに優しさを見せてしまった事から彼女の罠にはまり、 己のうぬぼれに溺れた一瞬の不覚を突かれて鏡化粧師の虜となった。
 瀕死状態で接触した敵を「まるで女神」と持ち上げて罠にはめるガラの特技はどうやら、スキル:《宴会部長》。
 長きに渡る虜囚の身から解放されたクジャクは、一時、大五の案内で鳥と戯れ安らぎを得るが、その前に憎きガラが姿を見せる。 復讐者と化したクジャクは猛然とガラに襲いかかり、怯える動物たちを見てそれを止めようとした大五、 割とマジ攻撃を受ける。ガラを追って姿を消し、仲間達がクジャクに非難を浴びせる中、大五はつぶやく。
 「見事だ……クジャク、見事な拳法だ」
 ……え? そこ?
 そんな中、巷にはゴーマ怪人・サクラ子爵が出現。正気を失わせるサクラの花びらで、花見客が次々と凶暴化、 その混乱は街へと広がっていく。
 乱闘を止めようとして割って入ったダイレンジャーの面だが々、相手に殴られて、思いっきり殴り返す将児(笑)
 そこへ姿を見せたクジャクは、人々がサクラ子爵に操られているのを見て取ると、クジャクの羽で次々と攻撃、 人々を強制的に気絶させていく。それを止めようとした大五に、「情けがいつか仇となる」と言い残し、再び姿を消すクジャク。 優しさを捨てなければゴーマ一族に勝てないのか? 迷いを見せる大五に、道士は「情けを持って戦いに勝ってこそ、真の戦士だ」 と珍しく真っ当な助言を与え、大五は迷いを振り切るのであった。
 クライマックス戦闘は、ガラvsクジャク、サクラ子爵vsダイレンジャー。
 ようやくまともに戦闘したガラ、クジャクとほぼ対等という事で、それなりの強さではある模様。前回、 オーバースペックすぎる駄目人間が出てきたせいで、戦闘力ヒエラルキーが少し読みにくくなっておりますが(^^;
 大連王>>>>>>>>ノコギリ大僧正>>駄目人間/道士>>>>>3事務員>一般怪人/ダイレンジャー
 ぐらい?
 ノコギリ大僧正は不意打ちで致命傷を与えて相打ちがせいぜい……という事で、相当に強い扱いなのかとは思われます。
 闘志に燃える大五は回避技、獅子拳・無明無心と、新たな必殺技、ダイレンロッド・孔雀斬りにより、サクラ子爵を撃破。 圧倒的な主人公補正により、一人で怪人を倒してしまいました(あれ?)
 巨大化した子爵は、大連王が疾風怒濤で一撃の元に成敗。
 これで大連王は、3戦連続瞬殺。
 何が恐ろしいって、ここまで戦闘らしい戦闘になっていない、のが恐ろしい。
 そしてクジャクはガラと相打ちとなり、いずこかへと姿を消す……。孔雀の羽を通した大五の叫びはクジャクに一瞬届くが、 復讐を捨てられぬ彼女は、大五の言葉を受け入れずに去って行くのであった――。
 まかり間違えば始末されてしまうのかと思ったのですが、引いてくれたのは良かったです。
 何もかも引きすぎて、前後編使った割には、何も解決していない話にはなってしまいましたが(^^;
 今作は、こういう路線で行くのかなぁ……。
 尺の短い戦隊に色々詰め込んで、無理のありすぎる展開になるよりは落ち着いて見られる所はありますが、 あまりに割り切った伏線展開は、1話1話の面白さを減じるというデメリットも間違いなくあり、徐々にバランスの取れてくる事に期待。
 にしても、
 「レッドだけどリーダーではない」
 というのは他でも見ますが
 「レッドだけど主役ではない」
 って初?(待て)
 ホント、途中で死ぬのではないかという疑いの消せない、大五さんのすさまじい主役ぶり(笑)
 ただでさえ主人公台詞連発の所に、本格的なロマンス発生でますますブースト。しかも周囲からロマンス認識なのに、 現状の本人の動機が
 「いつかおまえと試合をしてみたい」
 とか、熱すぎます。
 そして今回を鑑みるに、5話でのリンへの台詞は、単なる天然だった模様。
 さて次回、今度こそ知さんのターンに違いないきっと大丈夫!
 ………………「愛するなつみちゃん、俺はやるぜ!」

 あ、あれ?!

◆第11話「磁石でガウス!」◆ (監督:小笠原猛 脚本:荒川稔久)
 ランニング中に出会った女性・なつみとボクシングの話題でいい雰囲気になり浮かれる将児。リンにプレゼントを見立てて貰おうと、 妹と称してなつみのバイト先に連れて行くが、将児が近づいた途端、なつみが吹き飛んでしまう。 それはゴーマ怪人・磁石神父の能力によるものであり、二人は知らぬ間に妖力によるN極の磁性を帯び、 お互いに反発しあうようになっていたのだった!
 磁石神父を演じるのは、怪優・赤星昇一郎。語尾に「ガウス」をつけて喋り、奇妙な動作で街を練り歩く、 キャスティングでわかる通りの、見事な変人。
 ……そういえば、ゴーマ怪人の人間体って、基本的に奇人変人なので、思えば鉄面臂張遼が 駄目人間だったのも、仕方のない事だったのかもしれない。
 ゴーマの妖力を得るという事は、“人として大切な何か”を失うという事なのです。
 磁石神父に立ち向かう将児とリンだったが、既にN極の磁性を帯びてしまっているテンマレンジャーは磁石神父に翻弄され、 磁力拳・超伝導竜巻を受けて敗北。作戦遂行が第一らしい磁石神父はホウオウレンジャーを捨て置いて姿を消す。
 なつみを探す将児は、街で車に追いかけられる彼女を発見。磁石神父によってS極の磁性を帯びた車がなつみのN極に引きつけられ、 運転手不在でも地の果てまで彼女を追いかけ続けるのだ!
 そんな車から自分の足で走って逃げ続ける、なつみ。
 毎朝のランニングは伊達じゃない。
 バイクに乗った将児はなつみの代わりに車をひきつけ、突進してくる車を見事に回避して破壊に成功。
 ここで意外な形でカー&バイクスタントを入れてきたのは秀逸でした。
 反発しあうNとNばかりでなく、くっつき合うNとSの磁性を帯びてしまった人や物で、街は大混乱。 高笑いする磁石神父の前に勢揃いするダイレンジャー。
 「敵ながら格好いいでガウス」
 だが、全員がN極の磁性を帯びてしまい、気力ボンバーを封じられる5人。そんな時、「磁石の力を逆利用するのだ」 という導師のアドバイスを将児は思い出す。
 「みんな、縦一列に並べ!」
 そして炸裂する、人間リニアキャノン。

 リニア拳・中央新幹線!

 テロップと説明も入りました(笑)
 自らを弾丸としたテンマレンジャーの一撃を受け、磁石神父は巨大化。
 「磁力だぁぁッ」
 巨大磁石を投げつけ、大連王にダメージ……? と思ったのも束の間、
 「こっちは気力だぁぁッ」
 瞬殺でした。ありがとうございました。
 事件は解決し、なつみに告白しようとする将児だったが……
 「将児さんの一言で、告白する勇気が出ました」
 なつみは、憧れのボクシング部の先輩に告白すると言って、走り去って行く。
 見事な予定調和に落胆するも、ダイレンジャーに恋している暇はないっ、と空元気で立ち直る将児であった。
 お約束のオチですが、途中で将児が、なつみのロッカーにかかった手作りっぽいボクサーの人形を見て勘違いを加速させた辺りが秀逸。
 次回、苦節11話、遂に知さんのターーーン!!

◆第12話「豆腐で酔ったァ」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
 いきなり投石を受ける豆腐屋。
 そして
 美容室で出前してもらった豆腐を食べる男、知。
 3食豆腐でいける、という知の意外な食の好みが判明したところで、騒がしい外の様子に気付く知と、豆腐を出前してくれた豆腐屋の娘、 町子。そこでは、チャップリンぽい外見の大道芸人に先導された酔っ払いの集団が「こんな会社やめちゃおー」と大合唱しながら 街を練り歩いていた。その中に父の姿を見た町子は駆け寄り、先頭の大道芸人が走ってきた車を蹴り飛ばしたのを見た知は、その後を追う。
 「貴様をゴーマとみた」
 大道芸人の正体は、ゴーマ怪人、豆腐仙人。
 キリンレンジャーに転身する知であったが酔拳と酔拳の対決に敗れ、豆腐仙人は姿を消す。
 知さん、変身前でも素で酔拳使うのが判明し、割と謎。
 背後からいきなり大道芸人に跳び蹴り食らわすし、意外とバイオレンス?
 知と町子が豆腐屋のオヤジに事情を聞いたところ、投石の相手を追っていった父は、明らかに怪しい新顔の豆腐屋の集団に囲まれて、 気がついたら酔っ払っていたのだという。
 それを聞いて、「見つけてぎゃふんと言わせてやる」と飛び出していく町子。
 ぎゃふんと来たか、高久さん(笑)
 「こんな家庭、捨てちゃおー そーれそーれ」
 豆腐を手に、主婦達も大合唱。
 そこに文句をつけに乗り込んだ町子ちゃんだが、豆腐屋達の正体はゴーマ雑魚。和が町子を助け、大五と将児も合流するが、 二人は豆腐仙人に酒をかけられ酩酊状態となり、仙人には逃げられてしまう。
 道士、大五と将児に説教するも完スルーされる。
 麒麟拳の使い手として豆腐仙人は許せない、と仙人を探しに行った知は、町子を人質にとられ、豆腐仙人と飲み比べ対決を行う羽目に。
 仙人、飲み比べ対決に負けたら  「あの娘の命を助け、オレは潔く自爆する」  との事ですが……それって、巨大化するだけですよね?
 (口紅歌姫の回を見るに、巨大化しても元に戻れるみたいですし)
 酒を飲む人間を嘲笑い、この作戦で人間を堕落させるのだと高笑いする、どうやら下戸のシャダム事務長。
 アルコール度90%のゴーマ老酒を巨大な杯に満たし、飲み干す豆腐仙人。対する知も見事に杯を空けてみせるが、 酔っ払って倒れてしまう。その知に向けて、剣を振り下ろす豆腐仙人。だがそれは、仙人を油断させる為の罠だった! 知は仙人に反撃、 更に何故か雑魚が同士討ちを始める……なんとその中の二人は変装して潜り込んだ大五と将児、知が飲み干したのはゴーマ老酒ではなく、 二人がすり替えた、ただの水だったのだ。人質の町子の頭上に巨大豆腐が迫るが、リュウレンジャーとホウオウレンジャーが 豆腐を断ち割り、見事に救出する。
 ……事の成り行きをまとめると、
 ・てっきり知さんが酒豪っぷりを見せつけるのかと思ったら、別に酒を飲んでいたわけではない。
 ・隙をついて町子を助けるのかと思ったら、普通に戦闘になるだけ。
 ・赤と桃に巨大豆腐からは救われるものの、土管の上から思いっきり突き落とされる町子ちゃん(痛い)。
 ・もしかしたら知が作戦を立てたのかもしれないけど、そういう描写は一切ない(そもそも酒飲み対決自体が激しく成り行き)。

 ……つまり、特に知さんの活躍要素、一切なし。
 敢えて言えば、勢いで一人称が「ミー」になった事。
 最低限、隙を突いて町子を助け出すor(人質を助ける為に機転を利かせて)知の方から飲み比べを持ちかける のどちらかの要素が無いと、物語的な意味が一切ないのですが、この辺りの本末転倒とぶん投げっぷりは、如何にもな高久クオリティ。 高久進も80年代はそれほど悪くないものも書いている事がわかって少し見直したのに、90年代入ると本当にダメだなぁ(^^;
 あと、実は予告とサブタイトルで強調しているだけで、劇中で「豆腐を食べて酔っ払う」描写が一切無いのですが、 これは演出として入れなければいけなかったと思います(これは多分、脚本上ではさすがにあったと思う)。
 豆腐仙人に炸裂する、キリンレンジャーの急性二日酔い頭痛拳(気力酒を飲ませて悪酔いさせた相手に 乱舞攻撃を決める必殺技!)。
 実はキリンレンジャー、まともな技のテロップが出た事がないのですが……初テロップ技がこれですか。
 テロップ出ない為に、未だに「天チ星」の「チ」も不詳。聖麒麟の攻撃を見るに恐らく「地」だとは思うのですが、 「知/智」という可能性も、無いとは言い切れないので、早くテロップ出してくれないと困ります。
 巨大化した豆腐仙人は火炎放射と大連王の剣を奪っての攻撃で、大健闘。大連王が10秒以上ダメージを受けたのは、おそらく初(笑)
 しかし大放電で剣からの電撃を浴びたところを疾風怒濤で、ざっくり両断。豆腐屋のラッパの音色とともに、大爆発。
 やはり、戦闘らしい戦闘には、ならないのでありました……斬。
 巨大ロボットは(格好いいけど)全てを瞬殺していくし、合体必殺武器は無いし、バンダイに優しくない戦隊 だなぁ(笑) 銃とロッド以外の個人武器も、細かく玩具は出していたのかしらん……瓢箪、とか。
 もっとも、“怪人が自ら自爆して巨大化する”というのは、常に合体必殺技を使う必要がない・ 怪人が致命的なダメージを受けなくてもロボット戦に持ち込める、ゆえに話の流れで一対一の戦闘を組みやすい、加えて、 極端に言えば怪人の好きな時に巨大化できる、と、作劇の幅を広げて非常に良い設定だと思います。
 かくて豆腐騒動は一件落着。知お気に入りの豆腐屋さんは再び団地で大人気となり、 知はオープンカーの中で豆腐を堪能するのであった。間違いなく、マイ醤油持っていますよ、 知さん……!
 ところで今更ですが、大五さんの「さん」は尊称ですが、知さんの「さん」は、主に「知」だけだと文中の据わりが悪い為です。
 ニュアンスとしては、
 大五さんの「さん」は、「竜馬さん」と同じ「さん」
 知さんの「さん」は、「流星さん」と同じ「さん」(笑)
 正直ここまで扱いが悪い知さん、本格的な活躍の日はいつだっっッ?!

◆第13話「カッ カブキ小僧」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
 現金輸送車の警備員が突然暴れだし、現金の入った袋を奪うとその中身をばらまきだす。現場に居合わせた亮と将児の前で男は 千葉繁のような奇声をあげ、歌舞伎の隈取りのような面相になり、歌舞伎の荒事のような動きで二人と激突。 すわゴーマ怪人かと転身した二人だったが、男にとどめを刺す直前、どこからともなく飛んできたチャクラムにそれを邪魔される。
 チャクラムを投げたのは、ダイレンジャーを知る口ぶりの謎の老人。本部でその老人について相談すると、 どうやら心当たりがあるらしく、駆けだしたリンを追い、乙女の部屋へ乗り込む男4人。
 そこへ居たのは先ほどの老人。
 道士「みんな、紹介しよう。グホン先生だ」
 老人はリンの祖母の弟(直接の血の繋がりは無い)であり、武道家にして発明家、オーラーチェンジャーなどの開発者でもある、 老道士グホンであった。グホンが先の戦闘で亮と将児を止めたのは、暴れた警備員は、あくまでゴーマ怪人・歌舞伎小僧に 取り憑かれていただけに過ぎなかったからであった。
 歌舞伎や京劇が好きで、取り憑かれた人間が芝居がかるという歌舞伎小僧、グホンはダイレンジャー達に、その生け捕りを命じる。
 老道士グホンを演じるは、数々の特撮作品でナレーターや怪人の声を担当してきた、桑原たけし。バルスキーさんの声の人だと思うと、 恐ろしい。
 一方、これに対抗するは千葉繁。なんか違う気もしますが、今回そんな感じのエピソード。
 「相変わらず気取りやがって」
 と言いつつ、歌舞伎小僧を見ながら妙に楽しそうな3事務員。
 グホンが日本へやってきた事に関して何かうしろめたい事があるらしい歌舞伎小僧だが、世間を混乱させる為に、 次々と街の人々に乗り移り、大暴れ。
 歌舞伎小僧を探す5人は、成り行きで強盗犯人を追う事になるが、その強盗にこそ、歌舞伎小僧が取り憑いていた。 歌舞伎小僧を捕まえる為に、強盗をビルの屋上から突き落とすグホン。
 しかし歌舞伎小僧は寸前で逃走し、残されたのは転落死した強盗の死体だけ……
 迫るサイレンの音。
 さっさと姿を消すグホン。
 ナレーション「果たしてダイレンジャーは、殺人犯になってしまうのか」
 ……や、まあ、このシチュエーションならいくらでも誤魔化せるとは思いますが。
 うーん、まがりなりにも、11、12話がそれぞれ1話でまとめた後で、前後編にするほどの内容だったかなぁ……しかも、 こんな酷い引きで(^^;
 歌舞伎小僧の取り憑いた人間vsダイレンジャーというシチュエーションで、生アクション満載なのは面白かったです。

◆第14話「イヨッ 結婚じゃ」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升)
 駐車場に転がる死体が一つ。
 やってくるパトカー。
 泡を食うダイレンジャーだが、強盗は立てこもり事件の最中に、既に警察の手で射殺されていた事が判明する。 歌舞伎小僧が操っていたのは、強盗犯人の死体だったのだ。
 どちらにしろこの不審な5人が、どうやって警察に解放してもらえたのかは謎ですが(笑)
 グホンが歌舞伎小僧を生け捕りにしたい理由……それは、歌舞伎小僧がグホンのフィアンセを飲み込んでいた為だった。
 彼女の名は、小喬。
 二十歳の京劇女優である。
 道士カク(たぶん独身)、ちょっとひきつる。
 胡散臭いで有名な道士カクは、初めて狼狽したシーンがこれか!(笑)
 まあ基本、本部で一人でカップラーメンとか食べてそうですしね道士!
 一方、ただ単に、好きだったからという理由で小喬を飲み込みグホン来日という事態を招いた歌舞伎小僧は3事務員から怒られるが、 最終的には、ならば小喬を手に入れる為にグホンを倒せと焚き付けられて、決闘の矢文を打ち込む。
 これ多分、3事務員は、グホンに勝てないのだろうなぁ……。
 小喬を取り戻す為に決闘に向かったグホンの前に現れたのは、歌舞伎小僧が誘拐した武道家たち。歌舞伎小僧は次々と武道家に乗り移り、 グホンに襲いかかる……と、倉庫で始まる異種格闘技戦。
 最初の敵は、カブキボクサー。
 続いてカブキ空手家……一撃でやられる(笑)
 更には、カブキ剣術家。
 だがグホンは次々と、歌舞伎小僧の乗り移った武道家達を叩き伏せていく。
 余裕綽々のグホンの前に現れたのは、歌舞伎小僧、最後の切り札、それは……

 カブキロボ!

 立てこもり犯人が速攻で突入・射殺されたり、
 高性能ロボットがうろうろしていたり、
 ここはおそらく、世紀末TOKYOディストピア。
 MAY DAY MAY DAY,SOS!
 まさかのロボットにさすがのグホンも追い詰められるが、その時、リンの放った大輪剣がカブキロボを切り裂き、 ダイレンジャーが小喬を救出。
 一方、凄く普通に車を運転して近くまでやってきた3事務員は、囚われの小喬が腰にさしていた刀に注目する。
 カブキロボvsダイレンジャーは、ホウオウレンジャーが大輪剣旋風切りでロボを撃破して、あっさり勝負あり。だがその時、 逃げ出したグホンと小喬に「剣を渡せ」と3事務員が迫る。
 ダイレンジャー、躊躇なく背後から気力ボンバー。
 それを3人がかりで跳ね返した3事務員は、怪人体へ変身する。
 怪人体……というか、衣装そのままで顔だけ、目をつぶった表情の不思議なマスクを被る、という状態…… 役者さんの顔を石膏でとったのでしょうか?
 妖力JAC転身もとい、中の人に入れ替わる為かと思われますが。
 「そんなへなちょこ技」と言うわりには気力ボンバーに押され気味だった3人ですが、遂にここで、 3事務員とダイレンジャーが初の正面から激突!
 ダイレンジャーの繰り出す技を、次々と弾き返す3事務員。
 意外と強いゾ3事務員。
 マスクは変だけど。
 まあ恐らく、もう一段階、完全な着ぐるみモードもあるのでしょうが、それは後のお楽しみという事か。
 たぶん。
 歌舞伎小僧も舞い戻り、追い詰められる5人。
 そこへグホンの助言が飛ぶ。
 「みんな、大輪剣を使うのじゃ」
 実は、リンだけではなく、ダイレンジャー全員が、グホンから大輪剣を受け取っていた。5人が揃って放つ必殺技、 大輪剣・気力シュートが歌舞伎小僧に直撃。倒れた際に、手に持っていた巨大化爆弾が、誤爆。
 巻き込まれて吹き飛ぶ3事務員(笑)
 事務員達はこれで撤退し、歌舞伎小僧は巨大化。
 巨大歌舞伎小僧は大見得を切り、髪をからめて大連王の動きを封じ……たかと思ったのも束の間、瞬殺でした、 またのお越しをお待ちしております。
 戦い終わり、グホンは小喬に預けていた刀――白虎神剣――をどこぞの寺の塔の上の岩に突き刺す。
 「やがてこの剣を抜くことの出来る人間が現れる。その者こそ、もうひとりのダイレンジャーじゃ」
 謎めいた言葉と新たな武器を残し、グホンは小喬とともに中国へと帰っていくのであった……。
 最後に重要な伏線を敷いて前後編らしくしましたが、話の内容としては無理に引き延ばした感じは強く、 その合間をゲストの力とJACアクションで強引に埋めた、桑原たけし&千葉繁祭。 そんな中で3事務員がようやく実力の片鱗を見せ、14話Bパートはテンポ良く面白かったです。誤爆で撤退 というオチも、3事務員らしくて良かったですし、実力の片鱗を見せた途端にダイレンジャーの新技であっさりやられる という萎える展開にならなかったのも良し。
 次回、ようやく亮が、男らしいところを見せる……のかッ?!
 敵が凄く不安(笑)

◆第15話「3バカサッカー」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久)
 OPになぜか、怪人乱入。本編のシーンかと思ったら……本編では使ってないシーンもぼちぼち入っていて、 今後この手法になるのかしら。
 友達が遊べなくなって暇になった妹・洋子に遊びに行こうとせがまれる亮だったが、将児達を招いて餃子を試食してもらう予定があった為に、 それを断る。
 「こんな可愛い妹が誘ってんだよ」
 「ばーか、餃子の方が100倍可愛いさ」
 ……ううむ、仕事熱心で大変立派、の筈なのに、妙なフェチズムまで発揮しだしたダメ人間に見えるのは、 何故だろう。
 ところが、一人で遊びに出た洋子は巨大なサッカーボールに襲われ、神風大将・墓石社長・電話先生の、 落ちこぼれゴーマ怪人3人組に捕まってしまう。
 「ただ殴り合って勝負するなんざ、俺たちの趣味じゃねえんだ」
 3人組は、洋子の悲鳴を聞いて駆けつけた亮に、ゴーマ流サッカーで勝負を挑む。妹を人質にされ、指定の場所へ絶対に一人で来い、 と言われた亮は将児達との約束を断り、たった一人で地獄平へと向かう。
 「しょうがねえだろ! 悪いって言ってんだろっ」
 「なんなんだよその態度!」
 「しつこいんだよ!」
 隠し事が下手という事なのでしょうが、何故か妙にこじれて、将児を殴り飛ばす亮(笑)
 コミュニケーション能力が低いのは、血統でしょうか。
 一方、地獄平で亮を待ち受ける3人組に、ザイドスさん。
 「一人一人じゃろくに戦えないおまえらを、わざわざ、チームにしてやったんだ! 死んだ気でやれい!」
 事務仕事も大変です(笑)
 そしてどう見てもこの3バカトリオ、3事務員を引き写しているとしか思えず、色々と刺さる。
 業務が忙しいザイドスは姿を消し、かわって約束の時間に一人現れる亮。洋子は妖力によって作られた風船の中に閉じ込められており、 亮がゴーマ側のゴールにシュートを決めれば、洋子は風船から解放される。しかしゴーマが亮側のゴールにシュートを決めれば、 ゴールから迸る電撃が亮を打つ! 3on1どころか、3バカ+ゴーマ雑魚vsリュウレンジャー、という圧倒的に不利な状況で今、 ゴーマ式電流サッカーデスマッチ、キックオフ!
 試合開始の笛とともに、Jリーグのテーマ? 流れ出す(笑)
 あの、「オーレ オレオレオレー♪」というやつ。
 いちはやくボールを奪ったリュウレンジャーがゴーマゴールを目指すが、足が遅い神風大将、バイクを呼ぶ(笑)
 もう、好き放題。
 神風大将の蹴りを受け、倒れるリュウレンジャー。
 「おまえらも普段の恨みを晴らせ、リュウレンジャーを思いっきりいたぶっていいぞ」
 と雑魚に指示を出すのですが、ゴーマ雑魚って使い捨てだと思っていたのですが、もしかしてカラス天狗みたいな再生タイプなのでしょうか?  まあ、仲間の恨み、という事かもしれませんが。
 ボールを手で触る以外は何でもあり、のゴーマ式サッカーにより窮地に陥るリュウレンジャー。そしてボールはゴールに突き刺さり、 電撃がリュウレンジャーを直撃。吹っ飛んだリュウレンジャーは変身も解除され、立ち上がる事もままならない。 もう一発食らったらまずい……動けない亮を前に、とどめとばかりに炸裂する、3バカ合体、トリプルハリケーン。 その一撃でボールはゴールに突き刺さり……だが、電撃は発生しない。
 首をひねる3バカの前で、煙のようにかき消えるゴール。そして“本物”のゴールの前に現れる、4人の仲間。
 「ここにおわす大五様の、天幻星・幻ゴールだ!」
 そうそれは、大五の生み出した幻のゴールだったのだ。互いに駆け寄る4人と亮。よろける亮を支え、 しかしすぐに背を向けて将児に任せる大五さん、今日も超格好いい。
 「この野郎! 水くせえじゃねえかよ、意地張りやがって」
 将児は亮に拳を向け、しかし顔の前で止めて、ごく軽いピンタ。
 「俺たちが来たからには、今までのようにはさせねえぜ!」
 見得を切る大五さんの後ろで、亮と将児が手を打ちあわせる、というのも実に格好いい。そして5人は、気力転身。
 「天に輝く五つ星! 今日は特別、サッカー戦隊! 東京・気力ボンバーズ!」
 いつの間にかしっかりゴールを守っているキリンレンジャーが熱い(笑)
 ダイレンジャー各人がそれぞれの技の冴えをみせ、最後はリュウレンジャーの「気力! 天火星・稲妻シュート!」」が炸裂。 洋子は無事に解放され、3バカは巨大化。
 大連王を出すまでもないと思ったのか、久々に龍星王が武人変化。しかし、足以外の所に触ると爆発する巨大サッカーボール攻撃を受け、 ややダメージ。ちょっとした苦戦はあったものの、最後は杖を軸とした旋風脚で弾き返し、3バカ大爆発。亮は餃子を仲間に振る舞い、 皆から好評を得るのであった……。
 そして敗北した3バカは、どうやら巧く逃げおおせたようで、ぼろぼろの体を引きずりながら、夕日の中をよろよろ歩み去るのであった。
 「夕日の、ばっかやろぉーーー」
 ゴーマ3バカの、明日はどっちだ?!
 個人的には普段あまり合わない演出ラインなのですが、こういった遊び心の溢れる回を演出させると、坂本監督は実に軽妙。 コメディ寄りながらも仲間達の結束もしっかりと描かれ、面白くまとまりました。
 次回、クジャク再び。そろそろラブですか?!

◆第16話「ゴロゴロ子供石」◆ (監督:坂本太郎 脚本:藤井邦夫)
 今回はガラさんが、袋から怪人を放り投げる。前回に引き続いての新OP演出で、どうやら、パターン化する模様。
 自転車乗った怪人のテロップまで入りました(笑)
 しかしここまでやるなら、怪人の声優名は出してほしかったところ。
 毎度の事ですが、東映特撮のOPキャスト表記は、作品によって方針がバラバラすぎで困ります(^^;
 まあ、怪人はあくまで怪人、とした時にどこまで表記するか、というのは難しい所ではあるのでしょうが。 同じく着ぐるみ怪人において重要な要素であるとはいえ、実際、スーツアクター名などが明記されたと仮定すると、 それはそれでファンタジーが薄まってしまうという感覚はわからないでもありません。この後シリーズではしばらくして (『超力戦隊オーレンジャー』ぐらいから?)、声優名はOPに出るようになっていきますが、その辺り、どうするべきか、 という考え方の問題はあったのかもしれません。
 そういう点では、目出し・口出しのデザインが多いとはいえ、実質的に“中の人”を俳優としてしっかり表記した 『世界忍者戦ジライヤ』の世界忍者は異彩。特にその前の『超人機メタルダー』が、主要ゲストキャラの名前すら出ない表記だっただけに。
 さて本編、
 子供も好き・動物も好き
 ダイレンジャーにおける、いい男成分を一手に担う大五さんは、ユキという少女と仲良くなる。その頃、 街ではゴーマ怪人・ハニワ腹話術師が暗躍。子供達が次々と光線を浴びて石に変えられていた。
 次々と子供達が石化する、という怪事件を追うダイレンジャー。しかし、事件の影響で子供達が外で遊んでいない事もあり、 ゴーマ怪人の姿は見つからず、手がかりもない。
 亮「本当に、ゴーマの怪人の仕業なのかなぁ」
 リン「当たり前でしょ! 他に誰が子供を石にするなんて酷い事すると思う?」
 “酷い事”、というか、そんなファンタジーな事、ゴーマ怪人以外の誰に出来るのかと思ったのですが …………この亮の淡泊な反応は、もしかして、このぐらいの怪事件は珍しくもないという事なのか。
 そう考えると3話で、将児と和が「人形の操る自動車に襲われた」という怪事件を語ったのに、リモコンによる悪戯扱いでスルーされ、 赤と桃が二人でお茶しに行ってしまった事にも納得がいきます。

 ……嗚呼、TOKYOディストピア

 駄目なのは亮ではなく、この世界だった!

 やはりここは、『ウインスペクター』世界と極めて近い並行宇宙(杉村時空)に違いありません(笑)
 月一ぐらいで市井のマッドサイエンティストがトンデモな騒動を巻き起こすのは、極めてよくある出来事なのです。子供の石化ぐらい、 人類の科学力でどうにでもなるのです。
 それにしても今作の変わっている所は、この台詞を将児でも知でもなく、亮に言わせてしまうところ。妙にその姿勢は一貫していますし。
 たぶん亮が真の意味で本気を発揮するのは、愛する餃子の為だけ。
 一方、ペットショップからの帰り道にクジャクと行き会ったユキは、催眠術をかけられて公園に遊びに行きハニワ腹話術師の光線を浴びるが、 石化しない。それこそ、ゴーマの血を引く末裔である証拠。ガラの目的は、ハニワ光線によって石化しない子供達――ゴーマ一族の末裔―― を探し出し、怪人に改造して戦力を補充する事にあった。
 だがそこへ、ガラを付け狙うクジャクが登場。更に、ユキの忘れ物を届けようと彼女の家に向かっていた大五が、 クジャクの気を見つけて参戦。ハニワ腹話術師の秘技・人形操りにピンチに陥るシシレンジャーだったが、クジャクの助けもあり、 大輪剣でハニワを撃破。しかしその間に、ガラはユキをさらって姿を消してしまう。
 ガラはどこへ消えたのか……それは、囮に使ったユキの気を追う事でわかると言うクジャクに、大五は激昂する。復讐のため、 いたいけな少女すら囮に使う事をいとわないクジャク……
 「ガラに復讐するためなら、私は手段を選ばない」
 「許さん、そんなクジャクは許さん!」
 遂に真っ向から決裂する、クジャクと大五。
 ……まあ大五さん、短時間にどれだけクジャクに骨抜きにされたのか、という感じはあるのですが(笑)  二人の気は同調しているという事なので、恐らくそこから互いの本質が読み取れるとか、そんな所なのかとは思われます。 その辺りはもう少し、先のクジャク編の時点で、台詞で補強しても良かったとは思いますが。
 ユキの気を追って姿を消すクジャク、それを探す大五、一方ガラは、 ユキが石化しなかったのはクジャクの催眠術の影響であった事に気付き、逆に罠を張る。
 まさか催眠術がばれるとは思っていなかったのか、単純に迂闊なのか、ガラのアジトへ乗り込んだクジャクは、 ユキを逆に囮にした罠にあっさり引っかかり、結界に閉じ込められてしまう。
 何となくそんな気もしていましたが、この人、思ったより、《知略》低いな……(笑)
 ダイ族の戦士はこんな感じで、《武勇》にパラメータ振りすぎた人ばかりなのでしょうかッ?! (例:駄目オヤジ)
 ピンチに陥るクジャクだったが、力業で結界を破り、ユキとともに脱出。強引な結界破壊により傷を負った自分に、 囮として使った恨み言どころか、怪我の手当をしてくれるユキに、恨みはないのか……? と問うクジャク。
 「誰でも怪我をして苦しんでれば、憎んだり恨んじゃいけないって大五のお兄ちゃんが言ったわ」
 「え、大五が?」
 「うん、そしたら仲良くなれるって」
 いいところで流す用の主題歌バラードアレンジは、泣かせが聞いて格好いい。
 そんな二人の元へ迫るゴーマの追っ手。
 「大五、この子だけでも……」
 クジャクは大五へと気を送り、クジャクの気を探っていた大五はそれを感じ取ると二人の元に駆けつけ、霧隠れで脱出。 追いすがるハニワの前に、ダイレンジャーが揃い踏み。
 獅子拳vsハニワ拳の一騎打ち、天幻星二刀斬りがハニワを切り裂くが、ハニワはまたも復活。その時、クジャクの助言が大五に届き、 大五はハニワ腹話術師の本体であった人形を撃破。これによりハニワは、自爆・巨大化。
 前回お休みした大連王、開幕から飛ばして、ハニワに連続攻撃。通常ならこう調子が良すぎると手痛い反撃が待っているものですが…… 巨大ハニワの放つ操り糸が大連王に絡みつき、さて特殊能力発動かと思いきや、大連王・大放電で、 むしろ手痛い反撃を受ける巨大ハニワ(笑) そして必殺の疾風怒濤。
 今回もスプリント戦でした。
 ひどいなぁホント(笑)
 ハニワ腹話術師は倒れ、元に戻る子供達。石化した状態のまま公園に置いてあるとか、恐るべし、 世紀末TOKYOディストピア。
 大五はユキと無事に再会し、クジャクが再び姿を消した事を聞く。
 「お兄ちゃん……あの人、泣いてたの」
 「泣いてた……?」
 ユキを通じ、大五の心に触れ、人としての優しさをわずかに取り戻したクジャク……だが、彼女の体にはある異変が起きていた。 弱った体を引きずりながら、姿を消すクジャク……頭の羽根飾りが一つ落ちた、それはいったい何を意味するのか……? その事を知らず、 大五は、クジャクとの再会を待ち望むのであった。
 うーん……孔雀明王の力による生命力が尽きてきたとか、そーいう感じでしょうか? 出来ればこのカップルには、 ハッピーエンドを迎えてほしいのだけど、嫌な感じの伏線を張ってきたなぁ(^^;
 次回、新戦士は小学生?
 今のところ5人でうまくバランスが取れているので、6人目の登場で、どんな形で話が転がるか。期待と不安が半々。……というか、 6人目の前にもう一度ぐらい、和さんにスポットを当てて欲しかった(笑)

→〔その3へ続く〕

(2013年3月9日/5月18日)
(2019年11月24日 改訂)
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