■『烈車戦隊トッキュウジャー』感想まとめ7■
“みんなのエクスプレス DREAM DREAM
夢を運ぶ
キミが行きたい駅まで 一緒に走ろう”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『烈車戦隊トッキュウジャー』
感想の、まとめ7(37〜42話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
戻る
〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕 ・
〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔まとめ8〕
・ 〔劇場版〕


- ◆第37駅「理不尽クイズ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:大和屋暁)
-
シャドータウンへの新たな分岐点が見つかり明と共に乗り込むトッキュウジャーだが、そこが昴ヶ浜ではないと分かった途端に、
街の開放を「後回しにしよう」と言い出す明。ドリルレッシャーを取り返す為にシュバルツと約束して以来、
様子のおかしい明と揉めるメンバーだが、そこへシャドータウンの管理人、ナイトが姿を現す。
「そしてこれが我が愛馬、ジャスタウェイです」
おーーーい(笑)
(※ジャスタウェイは、馬主でもある大和屋暁さんの所有馬。2014年、ドバイデューティーフリーを圧勝し、
ワールドサラブレッドランキングでレーティング単独1位を獲得した名馬)
ナイトは武器兼高速移動アイテムであるジャスタウェイにまたがり、変身した1号と4号を攪乱。
攻撃を受けたトカッチとそれをかばった明が崖下に転落し、一行は離ればなれになってしまう。
「なんていうか、駄目だよね、僕……咄嗟の判断が出来ないっていうか。今朝もミオに、優柔不断とか言われちゃったし」
「ああ、そうだな」
また面倒くさいモードに入ったトカッチを、明、一刀両断。
「どうせ僕は、決断できない男なんだ……」
「決断、か」
川岸で体育座りを始めたトカッチの言葉に、明はシュバルツとの約束を思い出す。
「我が軍門に降れ。時が来たらすぐに私の元へとはせ参じ、我が右腕となり働いてもらおう。勿論、
トッキュウジャーがそれを阻むというならば――奴等も敵だ」
ドリルレッシャーを取り戻す際の、明とシュバルツの交換条件は、特にひねったものではなかった事が判明。
シュバルツ様は、そんなのが右腕でいいのか。
まあ確かに、戦力としては強いけど。
その“時”を気にして、焦る明はあくまでこの街の解放を後回しにしようとするが、トカッチの説得に渋々応じ、交換条件を告げる。
「いつかおまえ達には決断を下さねばならない時が来る。たとえそれがどれだけ厳しい選択だったとしても、その時が来たら、
必ず決断を下すと。俺に約束しろ」
トカッチはそれを約束して指切りを行い、小指と小指で結ばれる二人。
この辺り、ミオ求婚される回を踏まえてなので、見ていて色々と複雑な気持ちになります(笑)
……あれ、運命そっちと繋がってたの?!みたいな。
〔ドリルクライナー、シャドーラインで建造される→ザラム、退職金代わりにドリルクライナーを持ち逃げする→レインボーライン総裁、
ドリルが好きなのでサポートレッシャーに魔改造→ライトが騙され、シュバルツがドリルを取り返す→
ハイパーレッシャターミナルが占領され、ドリルが必要になる→ドリルは取り戻すも交換条件により明が追い込まれる→トカッチ、
明と約束する〕
という流れは、思わぬ長編構造。まさかドリルが後半こんなキーアイテムになるとは(^^;
途中途中で色々な人がやらかしているので、責任の所在が極めて不透明になっている所は秀逸。
その頃、トカッチと明を探す4人は、分かれ道で理不尽なクイズに遭遇していた。
「問題です。さてこの分かれ道、右は爆弾、左は銃弾、どっちへ進む?」
この街は、その選びようのない選択を突き付けられた人々が生み出した闇によってシャドータウンとなってしまったのである。
「だがどんなに理不尽な選択だとしても、決断を下さねばならない」
同様にクイズを出された明は、一人シリアスモード。そこにナイトが現れ、5人が合流する時間を稼ごうとする明は6号→
シャドーとなってナイトに立ち向かうが、そこへ明に促されて一度は合流を優先しようとしたトカッチが生身で救援に戻ってくる。
「何かの為に何かを犠牲になんかしたくない。僕はそんな決断はしないって、決断したんだ!」
「…………そうか」
先程から全く自覚ないまま、物凄い勢いでトカッチが運命の分岐しそうなルート選択を決定しまくっていますが、
大丈夫なのか(笑)
明の選択と理不尽クイズを引っかけ、逆算する形でトカッチ優柔不断に繋げたのだと思うのですが、
ライトに振られてもいい役回りがトカッチに割り当てられているのは、この終盤でちょっと面白い所。
まあライトだと、冒頭のお弁当選びで暗示されているように、迷わず両取りになってしまうのですが(笑)
ナイトに追い詰められる2人だが、そこへ爆弾ロードを力尽くで突破してきた4人が合流。
力技は力技でトッキュウジャーらしいのですが、個人的にはイマジネーションを活かした反則技みたいな展開を見たかった所。
時間的に凝っている余裕が無かった可能性はありそうですが(^^;
幾ら6人が揃っても時間制限のあるトッキュウジャーではジャスタウェイを捕まえきれないと余裕を見せるナイトだが――
「それがどうした。確かに俺たちは、30秒しか変身できない。乗り換えを使っても、1人2人じゃ、おまえは捕まえられない」
「だったら簡単」
「30秒以内に、おまえを倒せばいい」
地雷網をダッシュで突破してきた4人はいい感じに脳内麻薬が出まくっており、トカッチ含めて5人一斉突撃。連携して取り囲んで、
走り回るジャスタウェイの進路妨害をすると、2号がトカッチ斬りを炸裂させ、ザラムがジャスタウェイの尻尾を捕まえると、
宇宙へ向けて放り投げる。
「牧場へ帰れ……さらばだぁ!」
「あーーーー! ジャスタウェイが、ファーラウェーーイ!!」
「さらばだ、ジャスタウェイ」
ジャパンカップの前の週に、何てネタを入れるんだ。
この回、タイミング的に微妙なのですが、凱旋門賞(10/5)前に書いたのか、後に書いたのか。
レース前に脳内麻薬出まくりの状態で書いた可能性が高そうだけど、レース後(8着惨敗)だったら、色々こう、
考えてしまうな……(^^;
機動力と武器を失ったナイトは終電砲で抹殺し、巨大化後は超超とテイオーで成敗。
シャドータウンは無事に解放され、明は5人に謝罪。だがその胸の中には、悲壮な決意が秘められていた――。
(今はいい。だが必ず約束は果たしてもらうぞ)
立ち去っていく明の姿に、今更ながら、あれ、もしかしてとても重大な約束をしてしまったのか? と小指を見つめるトカッチ。
その小指のアップを手前に置き、歩み去って行く明を遠くに置くというカットで……幕。
明とシュバルツの交換条件自体は引っ張っていたほどの事もないストレートなネタですが、それを受けた明にどうも、
自分の死に場所が見定まったようで、1エピソードを取って描いた事により、明がこれまで度々口にし、
5人からはギャグ扱いだった「死に場所」が、ぐっと重くなりました。
次回どうかわかりませんが、少なくとも今回、如何にも使えそうな場所(ナイトを1人で引き受ける所)で口にしておらず、
掴みのネタと妙な口癖扱いだった「俺の死に場所」が、ここに来て物語の中で重みを増すというのは、お見事な構成。
- ◆第38駅「映画つくろう」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:大和屋暁)
-
東都撮影所駅に降りたトッキュウジャー達は、フィルムシャドーに襲われていた映画プロデューサーを助ける。
撮影所を見学させて貰える事になった5人だが、何故かセットからは監督達の姿が消えていた……。
守衛:喜多川2tomって何かと思ったら、そういう事か……!
ドタバタコメディとしてはさして面白くない出来で、見所は前回の今回で恐竜に食われそうになるトカッチ。
安定の芸の道です。
撮影所ネタによりどりみどりスペクタクル攻撃と来ると、宇宙刑事ギャバンなど思い出してしまう所ですが、
オールCGの所に30年の歳月を感じてみたり。
なお、30年前から、東都撮影所でした。
城南大学と東都撮影所は、東映特撮世界のオフィシャル設定。
カグラが映画好きという設定なり前振りなりがあればまだ良かったのですが、クライマックスでカグラが映画について語り出すのは、
如何にも唐突で形だけ綺麗にまとめたようになってしまいました。というか今回は結局のところ、皆で『ドライブ』の映画を見に行こう!
という話だったのか?(^^;
次回、シュバルツ、動く。
- ◆第39駅「終わりの始まり」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子)
-
色々な意味でクリスマス回。
夏――それがアヤカシがフィーバーする季節なら、クリスマス――それは世間がイマジネーションに彩られシャドーラインがだるくなる季節。
…………て、浮き世の商業的イベントでこんな深刻なダメージを受ける悪の組織も珍しい(笑)
まあ、ネロス帝国(『超人機メタルダー』)辺りは健在なら、リーマン・ショックで壊滅的損害とか被っていそうですが。
メタ的には、世の中が夢に溢れていて皆が幸せなら、闇が蔓延る余地がなくなる、というのは楽天的ですがいいメッセージ。
そんなわけで、資本主義に負けてシャドーラインの活動が停滞し、クリスマスの準備に盛り上がるトッキュウジャーは明にも声をかけるが、
その明と連絡が取れない。最近のおかしな様子を気にして明を探しにビルドレッシャーへ向かう5人だが、
そこにはドリルレッシャーで切り替えポイントを探す方法を記したメモと、明愛用のヘルメットが残されているだけだった。
そう、明は遂に、この“闇減り”の季節に反攻作戦の決行を目論むシュバルツの召喚に応じ、レインボーラインを離れてしまったのだ。
一方シャドーラインでは、同じくこの機会を狙っていたノア夫人が、地下に幽閉されていたボセキシャドーを地上へと放つ。
それは闇を消費して再生シャドー怪人を作り出すという特殊なシャドー怪人であり、
その活動によりキャッスルターミナルに蓄えられていた闇が減少して皇帝ゼットの力を弱めていく……。
これまで圧倒的力を見せていた陛下がまさかの急激な弱体化……恐るべし、資本主義!
というか黒幕はバ○ダイ?!
再生シャドー怪人との戦いで、こんな事もありました……あんな事もありました……と明との思い出を振り返ったのは、上手い構成。
今回、つい先週の事も含め、やたら回想シーンが多いのは悪い意味で気になったのですが、年末進行?(という程、
省エネになったとは思えない量でしたが)
掛け替えのない仲間となっていた明……最近ツッコミ疲れて扱いがおざなりになっていた事を反省し、
出会った頃のように激しくツッコむ為にも明を探そうと決める5人だが、そこへモルク侯爵と墓石シャドーがもつれあって転がり落ちてくる。
闇を無駄遣いする墓石を止めようとしていたモルクは、資本主義の呪縛で動きが鈍く、
危うく大回転砲の直撃を受けそうになるが何とか退却。
幹部を盾にしようとするも、直前で体勢を変えられた墓石は粉砕され、巨大化。巨大再生怪人を作り出し、
トッキュウオー&ディーゼルオーと激突し、冬だ! クリスマスだ! プレゼントの季節だ!という事で、
変形バンクからサポートレッシャー多数出動のロボット戦。
実際のところ、この時期にPRしてクリスマス商戦にどの程度の影響があるのか気になる所ですが、まあ、風物詩みたいなものなので、
クリスマス回がクリスマス回していると、なんだか安心します。
明不在でビルドダイオーが使えず、大技に持ち込めないという物語の流れともしっかり噛み合い、最後は超トッキュウオーで墓石を射殺。
ポリスが目立ったのに、ファイヤーが出番無かったのは……何故?!
改めて明を探しに行こうとする5人だが、そこにシュバルツのクライナー接近が感知される。
シュバルツから事情を聞こうと強引にクライナーを止めようとするトッキュウジャーだが、その前に立ちはだかったのは、
ヘルメットを捨ててテンガロンハットを被った――明。
明は5人の前で横領してきたアプリチェンジャーを構え(横領せずにはいられない体質)、トッキュウ6号へと変身する!
その頃、烈車の中ではクリスマスの飾り付けをするワゴンさんが、明のヘルメットを星と一緒にツリーの一番上に取り付けていた。
まだ星にしないでぇぇぇぇぇぇ。
果たして、明の死に場所はクリスマスになってしまうのか。キャッスルターミナルへ向かうシュバルツ、
完成させた縫い物を手に何かを狙うノア夫人の思惑や如何に。そして、闇減りの季節に表に出てきたグリッタは、
皇帝陛下と何を語るのか――勝つのは闇か! 資本主義か! 正義のイマジネーションはどこへ行ったのか!? 次回、白熱。
- ◆第40駅「誰があいつであいつが誰で」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子)
-
「明……」
「ザラムだ」
シュバルツのクライナーを追うトッキュウジャーの前に立ちはだかった明は、横領したアプリチェンジャーで6号に変身すると、
トッキュウジャーを攻撃。
「何故お前達が騒ぐ? これは俺の事だ。お前達は今まで通り大して変わらん」
シュバルツの目的は打倒ゼットなので利害関係はむしろ一致する筈、とシュバルツのクライナーに乗り込み姿を消してしまう。
明は自分達と一緒でなくても寂しくないのだろうか?
レインボーラインでクライナーを追いかけながら、思い悩む5人。
「多分なんだけど……明くんには、僕たちが明くん、止める理由、本当にわかんないんだと思う。もし、明くんが寂しかったとしても、
僕たちまで、そうだと思ってない、ていうか……」
「そんなの! 仲間が居なくなって寂しいの、当然だよ」
「当然じゃないんだよ。シャドーだった明くんには」
自分達が寂しい、という気持ちを言葉で説明するのは難しい……ならば連れ戻すしかない、と決意を固めるトッキュウジャー。一方、
明もまた、説明できない胸のざわつきを感じていた。
「どうした?」
「おまえとの約束で動いてはいるが、こうなってみると妙にざわつく」
「血が騒ぐか」
「かもしれん」
「昔のままだな。行くぞ」
明は5人の気持ちがわからず、シュバルツは明の気持ちがわからず、そして明は自分の気持ちの意味と正体に気づけない。
それぞれの立場と目的、人間関係を錯綜させつつ、感情と思惑の擦れ違いを絡めて展開するのですが……これを、
明とトッキュウジャーのみならず、関係者ほぼ全員で展開したという、非常に多重構造の脚本。
なお、「ほぼ」に入らないのは、すっかり一番わかりやすい人になったネロ男爵です(笑)
……いや、男爵と陛下の気持ちも擦れ違っているといえば擦れ違っているので、含めてもいいかもしれませんが。
キャッスルターミナルでは謎の蠢動が起こり、居ても立っても居られないネロ男爵が陛下プライベートルームのカーテンを開くと、
そこには白い羽根の舞い散る中、グリッタ嬢が座っていた。
驚愕の消失トリック!
様子を窺っていたノア夫人が1クールぐらい準備していた謎の風呂敷(紫の地に白い翼の衣装で、グリッタを示していると同時に、
陛下のイメージカラーでもあり、何やら意味深)をかけようとするが、グリッタはそれを押しとどめる。
「お母様、待って! 私は、皇帝陛下から離れるわけにはいきません」
と、グリッタとノア夫人も擦れ違い。
そうこうしている内に陛下が主導権を握り直し、かつてない勢いで吹き飛ばされるノア夫人。
そこへシュバルツの操るクライナーがカチコミを敢行し、陛下&ネロ男爵vsシュバルツ&ザラム(トッキュウ6号)という、
今作屈指の好マッチアップが成立。トッキュウ6号に変身し、状態異常:〔クリスマス反対でやる気激減中〕
の陛下にレインボーラインの力で切りかかる6号だが、手傷を負うもゼットは範囲攻撃でまとめて吹き飛ばし、
6号を引きずったままクライナーでキャッスルターミナルから脱出する。
今回も巻き添え食らったネロ男爵がピクリとも動かずに床に転がってシュバルツ様にまたがれたのですが、大丈夫か?(笑)
シュバルツのクライナーを追ってシャドータウンへ突入しようとしていたトッキュウジャーは、
外に出てきた皇帝専用クライナーと擦れ違い、ポイ捨てされた6号を発見。突入を後回しにしてとりあえず烈車に運び込むが、
その正体はなんと、ザラムからアプリチェンジャーを奪い取って変身したゼットだった!
陛下、クリスマスが嫌すぎて、えすけいぷ。
ワゴンさんの「チケットくんでも変身できる」発言で、アプリチェンジャーは割と誰でも変身できる扱いにしていますが、
どちらかというと、“ゼットが変身できる”というのは、クライマックスへの伏線の予感。
出来ればクリスマスとか浮かれたい派のトッキュウジャーはゼットをポイ捨てするかクライナーを追いかけるかで悩むが、その時、
レインボーラインの影響か、再びグリッタが主導権を握って表に。
「トッキュウジャー、お願いがあります。シュバルツ様を、止めて下さい」
シュバルツによる救出を望まず、このままゼットの中に居たい、と告げるグリッタ。
「なんで? シュバルツはあなたの為に……」
「知っています。嬉しいし、本当なら、今すぐ会いたい。お側に行きたい」
「だったら」
「危険なんです。私を陛下から離したら、きっと恐ろしい事が起きる。シャドーラインにとっても、あなたたち人間にとっても」
一方、蠢動の続くキャッスルターミナルではモルク侯爵が焦りを見せていた。
「恐れていた事が……もはや猶予はない。ネロ、出るぞ! とにかく、陛下をお連れせねば」
と、シャドーライン側の伏線が展開。これまで非常にふわふわと描かれていた、“闇の皇帝”とは何か、というのが最終盤のキーになりそうな感じ。
「あそこまで近づいておきながら、助け出せなかったとは……」
レインボーラインの力でメリークリスマス! と目論むも陛下に思いっきり力負けしたザラムを回収し、拳を握るシュバルツ。
「おまえが誰かを助ける為に動くのは、初めて見た」
「助け合いなど要らぬ、そう思っていた。私も貴様も、常に1人。共に戦っていようとそこにあるのは自分1人だ」
「今もな」
「そうだ。が、1人である事と守りたいものがある事は別らしい」
「……おまえにとっての虹、か。変わるものだな」
シュバルツ様は、善人になるのではなく、あくまで個人的な武人の誇りとして、騎士道精神を貫いている、というのが良い所。
愛よりも崇高な何かの為に、という自分ルール系キャラとしては、かなり珍しい成功例という気がします。
2人を見つけたトッキュウジャーは、ミオがシュバルツにグリッタからの伝言を伝えようとするが、
そこにネロ男爵とクライナーロボ@モルク搭乗が現れ、陛下の身柄引き渡しを要求。3勢力が入り乱れる混戦となり、
ゼットを狙うシュバルツとザラムは戦場を外れた所でノア夫人と出会う。
トッキュウ1号はハイパーレッシャテイオーで侯爵クライナーロボを木っ端微塵にするが、その時――。
白い羽根の舞い散る暗い闇の中では、ゼットとグリッタ嬢が背中合わせに座っていた。
「グリッタちゃん。折角てめえの将軍が迎えに来たのに、それでも俺から出ねぇってのか」
「シュバルツ様を、死なせない為に」
「まったく……キラキラだなぁ」
ここは映像もやり取りも、とてもいいシーンでした。久々の本格登場で、
グリッタ嬢が溢れるヒロイン力を最大出力で発揮。対する陛下の、どこか憂いのある感じも素敵。
日高のり子は圧巻ですが、陛下は本当に、いいキャスティング。
様々な擦れ違いが複雑に絡み合う中で、対極にあるように見える2人が、どこか繋がっている、というのもとても良かった。
そして――噴き上がる闇とともに、戦場の真ん中に浮上するキャッスルターミナル……そこにはあの、
秘密基地の樹が。
「嘘……」「あれって……」「俺たちの、秘密基地」「……うん」「俺たちの街だ…………昴ヶ浜」
ラストでまた、爆弾放り込んできたーーーっ!
まあ単純に、主人公達の目的地と敵の本拠地が一緒でした、秘密基地はわかりやすいランドマーク、というだけの話かもしれませんが、
そこに何の仕掛けも無いとは考えにくいし、仕掛けがあってほしいなぁ。
グリッタの言動、モルク侯爵の焦りと繋がりそうですが、“闇の皇帝”同様に、実はこの期に及んでほとんど語られていない、
シャドーラインとは何かという辺りに食い込んでくるのか。
シャドーライン、当初は「闇の皇帝を迎える為に闇を集める(為にシャドーラインを広げる)」という目的が明示されていましたが、
陛下の復活後に改めての目的が何も語られていない(闇集めは続行しているので、単純に、生息領域を広げたいだけかもしれないけど)
ので、その辺り、大きな仕掛けがあるのだと、期待したい。
- ◆第41駅「クリスマス大決戦」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子)
-
「俺たちの街が……あの下に」
(あれが……あいつらの虹)
キャッスルターミナルが出現し、それを見つめるトッキュウジャーだが、噴出する莫大な闇の前に、烈車に拾われて一時撤退。
事態を重く見たモルク侯爵は、ゼットの意に逆らう事になっても、グリッタの排除を決意する。
キャッスルターミナル浮上に関しては、今回の侯爵のトーンだと、本拠地バレがまずい、程度の事なのかしら。
烈車では、なぜキャッスルターミナルが昴ヶ浜の上にあるのか、という点について「それは……」と言いよどむグリッタ。知らない、
というより、言いにくそう、という感じの台詞回しと仕草ですが、さて。ここまで来ると、どちらでも取れるように、
というよりは計算尽くだと思われるので、妙に怪しげ。
ゼットを狙うシュバルツのクライナーがレインボーラインに迫り、ひとまずグリッタの意志を尊重して迎撃に出る5人。
「シュバルツ! グリッタが貴方を止めてって言ってるの。自分を皇帝から離すのは危険だからって。本当は貴方と一緒に居たいのに!」
「手は引けん!」
5vs2の戦闘が発生している隙にこそこそとグリッタを狙う侯爵と男爵だが、その前に現れたグリッタ、いきなり陛下に変貌。
「てめえらまで俺に刃向かう気か」
面倒くさくなると誰でも斬る陛下は、2人を思いきり斬り飛ばし、そこにザラムが突撃。
陛下は再びトッキュウチェンジし、ザラムvs6号という変則マッチ。ゼット6号に致命的な攻撃を受けそうになるザラムだが、
それを守る1号。
「ライト……てめぇは今、俺を守るんじゃねえのか」
「ああ。でも、トッキュウ6号は明だ。おまえが――それを使うなぁ!」
1号はハイパー化し、互角の戦いで両者変身解除。ライトはアプリチェンジャーの回収に成功するが、今度はシュバルツがゼットに迫る。
「てめぇも懲りねぇな。俺には勝てねぇ!」
「ふふふ、勝つ必要は無い」
シュバルツがその身に受けた大剣を掴んでゼットの動きを封じた所で、背後からノア夫人がダッシュ突き。
もやもやと浮かび上がったグリッタに用意していた風呂敷を被せると、遂にグリッタがゼットから分離してしまう。
「さよならグリッタ……あなたはもう、自由」
怒りの陛下はノア夫人を切り裂き、ノア夫人、ここにリタイア。
つい前回までは、グリッタを解放してシャドーライン乗っ取りを諦めていないような発言がありましたが、
今回は命がけでグリッタを解放すると妙にさっぱり満足して死亡。素直に捉えていいのかどうかは少々悩める所ですが、
ノア夫人はグリッタの事を、娘としても道具としても、双方の意味で大事にしているようではあったので、最後に母の心が勝ったのか。
グリッタが分離した影響か、陛下は更なる覚醒を遂げ、よりメタリックで鋭利な装甲の、闇の皇帝フルアーマーZZへと進化。
腰というか腹の風車が気になるのですが、あれは丹田エンジンなのか、それともビームでも出すのか。或いは風を受けて回るのか。
「ったく……なんで闇ばっかり増えるんだろうなぁ。キラキラは一つも手に入らねぇ」
グリッタに手を伸ばすZZだが、食らいついたシュバルツがそれを阻む。
「グリッタ嬢……助けていただいたこの命、ようやくお返しできる」
召喚したクライナーにグリッタを乗せて走り去らせるも、直後、シュバルツはハイパー陛下サーベルでずんばらりん。
「私は貴様に勝てなかったが、貴様も私に勝てなかったな……!」
「なに……?」
「私はキラキラを手に入れた。ふふふふふふはははははは……」
武人の誇りを貫き、守るべきキラキラを手に入れ、シュバルツ、リタイア。
「陛下、何というお力、何という闇!」
「どいつもこいつも俺に闇ばかり見せやがって……うんざりなんだよ、てめえらにもな!」
「陛下ぁ何故!?」
懲りずにやってきたモルクとネロ、斬られる(笑) 時々、正確に数えてみたくなりますが、ネロ男爵、陛下に攻撃されたの何度目だ。
「闇が……止まらねぇ! うぉぉっ!!」
キャッスルターミナルが急速に沈んでいき、トッキュウジャーの虹を守ろうと城に特攻するザラムだが、闇が大爆発。
何とか無事だった明は、喜ぶ5人に抱き付かれて戸惑う。
「お前達……街が沈んだ事が悲しくないのか?」
「今は、おまえが生きている事の方が嬉しいに決まってんだろ」
「居なくなっても、俺たちは何も変わらないなんて、無いから」
「そうだよ。すっっっごく、寂しい」
「寂しい?」
前回感じた胸のざわつきを思い出す明だが、そこに、闇の穴からクライナーが大量に出現。
「明。また……一緒に戦ってよ」
「……俺が、寂しかったかどうかはわからん。だが……ライト、トカッチ、ヒカリ、ミオ、カグラ。
俺は……多分今…………物凄く嬉しい」
人間の感情がまだ完全によくわからないまま、同じ事ではあるのだけど、ネガティブな感情だった事を認めるのではなく、
ポジティブな感情を手に入れる、とした、とてもいい台詞。
明はアプリチェンジャーを受け取って6人は変身し、ここからはクリスマスだよロボット大集合祭。
クライナー大軍団を相手に全ロボットが登場して変形合体を繰り返し、OPフルコーラスで約3分半のロボット戦。
正直それほどロボット戦の盛り上がる作品ではないですが、これはもう、やりきった事を評価したい。大集合するにしても、
3分半やった、というのは凄い。
「見えた!」
「「「「「「おまえの終着駅!!」」」」」」
最後はトッキュウレインボーでクライナー軍団を殲滅。ひとまずの危機が去ると共に、明がレインボーラインに再就職するのであった。
なお給料は、新人と同じ扱いとする(総裁)。
烈車に戻った6人は、宵闇が落ちる中、シュバルツとグリッタの分を含め、カラーろうそくに火を点す。
明はお星様にされていたヘルメットを取り戻し、6人はツリーを前にあの歌を口ずさむ……。
きーらきーらひーかる おーそらのほーしよ
明が墓標代わりに荒野に突き刺したシュバルツの剣に、花を捧げるグリッタ……。
より深くなったキャッスルターミナルの闇の中で、秘密基地を見上げるゼット……。
「真っ暗だな……」
果たしてその想いはどこにあるのか、そして、グリッタの予感する“恐ろしい事”とは――。
ラストは、ホワイトクリスマスに、明るくコスプレパーティーで終了。髪下ろしたカグラが可愛い。窓辺で灯る、
シュバルツとグリッタ色のろうそくがワンカット入るのが素敵。
敵味方の思いが様々に交錯する3話構成のクリスマス決戦編で、遂にノア夫人とシュバルツ将軍がリタイア。
なかなか幹部クラスの数が減らない今作では久々の退場劇となりましたが、何が凄いって、女帝グリッタ含めて、
幹部を倒しているのは全部ゼット(笑)
シャドーラインは、このまま完全に内ゲバオンリーで崩壊してしまうのか(シャドータウンが解放されているのも、
退職した明が最大の原因ですし)。
そのシャドーラインの諸々に関しては、ゼットがフルアーマー化した以外には特に何もなく、
前回から期待した程の踏み込みはありませんでした。放映スケジュール的に、次回が年末年始スペシャル編の雰囲気なので、
年が明けての最終章で一気に突っ込んでいく感じになるのか。
次回作の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』が2/15放映スタートいう発表があったので、年明け残り5〜6話だと思うのですが、
結構忙しくなりそうな。
そこの大ネタ次第では最後に大惨事になる可能性もまだありますが、ここまで非常に面白かった作品なので、最後まで、
走り抜いてくれる事を期待したいです。
次回、この2話でびみょーにミオと明の距離感が近づいている気がしないでもないので、トカッチ、勝負に出る…………のか?
- ◆第42駅「君に届く言葉」◆ (監督:加藤弘之 脚本:小林靖子)
-
いい総集編でした。
といっても、回想は各人の戦闘シーン+各ロボの戦闘シーンの合計3分程度で、諸々の要素も無理なく物語の中に組み込まれており、
ほぼ、通常通りのエピソードと言って差し支えない内容。残り話数的にあまり余裕が無い事も窺えますが、
変身+新規着ぐるみ+戦闘シーンを入れないだけで、だいぶ現場は違うのでしょう。
トッキュウジャーに気を遣い、オヤジセンスで忘年会をセッティングする車掌だが、昴ヶ浜を目にした5人はそれどころではなく、
車掌の要請で一曲歌いに来た明を、全力で阻止。
なお明は、演歌歌手→プレスリー、という謎の衣装チェンジで、ノリノリ。下半身まで再現している辺り、
本人か監督が好きとしか思えません(笑)
シャドータウンへの切り替えポイントが時間と共に移動してしまう事を知って気の急く5人だが、
キャッスルターミナルへ繋がる線路は強大な闇の壁に阻まれていて、ドリルレッシャーでも突破する事は出来ない。
「無理でも何でもやるしかない」と立ち上がるライト達を明は何とか止めようとし、最後はミオの言葉で、4人は冷静さを取り戻す。
だが、いつも皆を気遣うミオもまた、自分を抑えて無理をしているのではないか……と愛の力で気に掛けるトカッチ。
ワゴンの提案で、昴ヶ浜の人々へ向けた手紙を書く事になる5人だが……家族の事を思い出し、筆が止まってしまう。
と、レインボーライン関係者の気遣いが激しく空回りし、激しく重い空気に。
最終章を前に改めて、5人が本当は子供である事と、街と家族への思いを強調する意図をしっかり効かせた結果、
かつてなくメンバーの心の傷を抉る総集編が誕生(笑)
「よし、俺、トッキュウジャーになった事書こう。絶対街、助けるからってさ」
いち早く切り替えたライトの思いつきで、皆でトッキュウジャーについて書く事になって、ここから回想シーン。
――父さん、母さん、爺ちゃん、舞に優斗。俺はあの日、トッキュウジャーになった――
台詞の並びからすると妹と弟と思われますが、ここで多分初めて「舞と優斗」という名前が登場。わざとらしいといえばわざとらしいし、
唐突といえば非常に唐突ですが、果たして「ゼット」とは何か関係があるのかどうか。「ゆうと」というと、
どうしても「桜井侑斗」(『仮面ライダー電王』)を思い起こす所もあり、ただのお遊びかもしれませんが。
だから最初「愛」かと思ったのですけど、字幕で確認したら「舞」だったので、遊びにしては遊びきっていない、というのも気になる。
死んだお兄さんとかだったら嫌だなー(^^;
その頃、問題のゼットは衣装が重くなって玉座の下に座り込んでいた。
「手に入らないものなら何で見える……?」
見つめた姿見が砕け散るのと、先日暴れた際に床に落としたイメトレ用のミラーボールに手を伸ばすのは、良かった。
そしてゼットが闇を放出すると、何故かライトが微妙に反応する……。
手紙を書いている途中で飛び出したトカッチは、ミオを外に呼び出し、大きなおにぎりを渡す。
「手紙出す前に、思い出してもらいたくて、作ったんだ……ほら、遠足の時の、おにぎり」
遠足の時、いつもミオの父親が作っていた、大きなおにぎり。弁当箱を見て昔の事を思いだしたトカッチは、それをどうしても、
ミオに渡したかったのだった。
「ミオって、いっつも人の気持ちを一番に考えてるよね。それって、偉いけど…………偉くないと思う。後回しにばっかりしないで、
たまには自分の気持ち一番にしなよ!」
微妙に、28話でヒカリに言われた「俺は……おまえのカッコ悪い所が、カッコ良いと思うけどね」を下敷きにしているぽい所に、
トカッチの紳士度の限界を見る思いです。
渡されたおにぎりに黙ってかぶりつくミオの胸に、父親との思い出が鮮明に甦る。
「……会いたい……お父さんに。今すぐシャドーライン乗り込んで、お父さんに会いたい!」
シュウマイ回などでも描写された、自分の気持ちを押し隠しがちなミオが、本音を吐き出すシーンで、ここはとても良かった。
「ミオ…………それ……手紙に、書きなよ」
へたれなりに頑張って接近し、トカッチ、男を見せる。
死亡フラグが、物凄い勢いで溜まっていくぞぉ!!(おぃ)
まあ今作は、身内に死人は出さないでエンディングを迎えそうな気はしますが、敢えて言えば、
フラグを壊しすぎて明が最近ちょっぴり怖いのと、ライトがどういう扱いか、か。
烈車に戻った2人は手紙を書き終え、5人は明がチェックをしていた、キャッスルターミナルの切り替えポイントに向かう。
そこへやってくる、車掌が忘年会の余興に用意していた、保線員バンド(主題歌を担当する伊勢大貴とバンドが特別出演)。
冒頭で明もノリノリでしたが、レインボーライン保線部は、事あるごとに歌って盛り上げる事を要求される部署なのか。
主題歌生ライブ(2番から)をバックに、5人は合体武器を構えると、手紙を詰めたポストレッシャーを切り替えポイントめがけて打ち込む!
「届け! レインボーラッシュ! 郵便配達!」
届くか届かないかわからないけど、想いを手紙に乗せて送り込む、というのは、大人のセンチメンタルと子供のイノセントが融合していて、
今作らしくてとても良いシチュエーションでした。
5人の願いを込めたポストレッシャーは闇の壁を突き破ってかつての昴ヶ浜へと辿り着き、キャッスルターミナルに降り注ぐ、
想いのキラキラ。
(俺たちは絶対そこへ行く――俺たちの烈車で)
そしてゼットは、無言でそのキラキラを見つめていた。
「絶対に掴む……勝利のイマジネーション」
主題歌の間奏に明がハーモニカで乱入し、各人のアップにワンカットずつ回想をかぶせて、全員ステージへ。
ヒカリが微妙にノリきっておらずカグラに振り回されているのですが、キャラクターを演じているのか、役者の素なのか(笑)
皆で振り付けに合わせる所で、若干ヒカリだけ合っていない気がするのですが、運動神経いい筈だけど、リズム感無いのか。
そしてディーゼルレッシャーは無限大の夢を乗せて黄昏の向こうへ飛んでいき……ラストは着物に着替えて除夜の鐘。
ままありがちですが、レッドは真っ赤な着物を着せられると、何をどうしても『笑点』になってしまいます。
シチュエーションの都合で夜間撮影なのですが、あまり気にしないで行こうという事にしたのか、
女子2人は思い切って明るい柄の着物を着せたのが、逆に良かったです。
一休み中、おにぎりを作ったせいでトカッチの手紙が短くなったのでは、と気にするミオ。
「あたしより、トカッチの方が自分を後回しにしてるんじゃない?」
「全然。……自分の気持ちを大事にしたら、結果的に、誰かの気持ちを大事にしてた。そんなとこかな?」
その言葉を聞き、グリッタとシュバルツの関係に想いを馳せるミオ。
「そっか……我慢するんじゃなくて、本当に誰かの事が、一番になるんだ」
入れ替わり展開などがありグリッタと最も絡んでいたミオが、これをわかっていなかった(割と大人の関係ですし)、というのも、
とても良かった所。そして今まで、恋愛話が苦手でピンと来ていなかったミオは、誰かを大事にする想い、というものに気付く。
「それって……好きって事?」
「え?! えっ?!」
「え?」
「いやいやいや!! 好きってそういう意味じゃ○■$▽#*@!!」
ちょっとコンビニ行ってくる感覚でミオが核のスイッチを押してしまい、トカッチの過剰なリアクションに引きずられ、
慌てふためく2人、結果的にちょっと進展(笑)
まあ今回はトカッチが男を見せたので、これぐらいはあっても許される範囲でありましょう。
2人ともいい芝居していたので、CGで汗や赤面を表現しなくても、素で良かったとは思いますが。今作に限らず、
赤面演出のCG補正は割と色々な作品で見られるのですが、完全なギャグシーン以外の時は、なるべく素でやってほしいなぁと個人的には。
演技がどうとかわかりやすさがどうとかいうより、演出の種類として。
予告から、総集編混じりのお祭り回だろうと期待値高くなかったのですが、様々な要素が繋がったかなり良いエピソードでした。
『鎧武』コラボなどの関係もあり、恐らく残り5話、全47話になりそうなので、物語的に遊んでいる余裕が全く無いっぽい。
そんな中、回想シーンのきっかけに用いた「手紙」という要素が、街に降り注ぐキラキラとなり、ゼットが見つめていたというのは、
最終盤に効いてくるのかどうか。「手紙」という、本人がそこに居なくても、言葉が残るもの、という選択も色々と考えさせられます。
今作はまだ、完全に爽やかなハッピーエンドになるのか、痛みをともなうハッピーエンドになるのか全く読めないのですが、
今回またちょっとゼットとライトの関連が匂わされた事で、
かなり前半に「ライトが秘密基地の樹から落ちたような描写」があったのが、個人的に非常に気になるところ。
何はともあれ、後は年明けの最終章を楽しみにしたいと思います。
中澤監督が新戦隊のパイロット版担当しているみたいなので、残りのローテは、加藤−中澤−中澤−渡辺−渡辺か、或いは、
加藤−渡辺−渡辺−竹本−竹本、かなぁ。出来れば1−2話に始まり、山場の回を担当してきた中澤監督でラスト見たかったけど。
→〔その8へ続く〕
(2015年12月13日/2016年1月2日)
(2019年10月20日 改訂)
戻る