■『烈車戦隊トッキュウジャー』感想まとめ2■
“果てしない線路の向こう側
輝いているものはなんだろう!?”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『烈車戦隊トッキュウジャー』
感想の、まとめ2(『鎧武』合体スペシャル&7〜12話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ5〕
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・ 〔劇場版〕
- ◆『烈車戦隊トッキュウジャー』VS『仮面ライダー鎧武』春休み合体スペシャル◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:毛利亘宏)
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昭和ライダーVS平成ライダー映画(なんだかなぁ)の宣伝を兼ねた、『烈車戦隊トッキュウジャー』×『仮面ライダー鎧武』の、
春休みコラボスペシャル。『鎧武』は結局見ていないし、映画はスルー予定だしで、正直あまり期待していなかったのですが、
いやこれが面白かった。
コラボお祭りかくあるべし、という造りでお見事。
レインボートレインの旅の途中、沢芽シティに降り立ったトッキュウジャー。広場でダンスを見学していると、突然そこに、
モグラの怪人と雑魚戦闘員が現れる。『鎧武』ってこんな縞々の戦闘員が出てくる世界観なの……?
と思ったらそれはシャドーラインでもなければインベスでもない、地下帝国バダン(『仮面ライダーZX』の敵組織)の尖兵であった。
状況はよくわからないが、何はともあれ明らかに悪い奴に違いない、と変身するトッキュウジャー達。そこへ『鎧武』の主役も駆けつけ、
かたや引かれる白線と回る線路、かたや召喚されるミカン。
互いの変身を呆然と見つめるヒーロー達。
と、やはりコラボ祭は明るくないと、というメッセージも感じる、非常に秀逸な掴み。これで一気に、
今回の物語の中に入る事が出来ました。
バダンのモグラ怪人が仲間を呼ぼうと地面を掘ると、何故か虚空にチャックが開き、そこから出てくる新たなバダン怪人……ではなく、
赤いインベス。本来はバダン怪人を呼び出す筈のモグラ怪人の特殊能力は、
この沢芽シティではクラックを作り出してインベスを呼び出してしまうのだった。
鎧武とトッキュウ1号はインベスを追ってクラックの向こうへ、トッキュウ2〜5号と、
途中参加の仮面ライダーぶどうの人が戦闘員を蹴散らし、モグラ怪人は退却。ここで、ライト&みかん、
4人&ぶどう+ダンス踊っていたヒロイン的な人、の2パーティに分割され、それぞれの立場と最低限の情報を交換。
全くわけわからないのも困るし、かといって見ていない作品の設定と物語をあまりくどくど説明されても楽しくないし……という所で、
根っこの行動原理だけ説明して、さらっと進めたのは好判断。また、冒頭のカグラのお絵描きをキーアイテムに、
両作品を“街”というキーワードで繋げたのもうまく転がしました
通りすがりの鳴滝(『ディケイド』見ていないのでよく知らない為、正直、悪ふざけイメージがある)
にスペシャルパスを貰ってレインボートレインに乗り込んだコウタは、とりあえず一緒に怪人を倒そうというライトに、
沢芽シティの抱えている問題には巻き込めない、5人は5人の目的を優先すべき、と共闘を断って電車を降りていく。
「ライト、君には君のやるべき事が、他にあるだろう」
ここで戦いに関する葛藤部分を、キチガイ系ヒーロー・ライトに持っていった、というは実に良し(笑)
「なんでかわからないけど、違う気がする。やるべき事とか大切な事とか、そんなのは、後で考える!」
そろそろ出発、と言う車掌の制止を振り切ってライトは飛び出していき、それに続く、トカッチとヒカリ。
キチガイなので、細かい事はポジティブかつ前のめりに後回し、と巧く『トッキュウジャー』しました。またそこで、
ライトの主張だけを語るのではく、ヒカリに、「例えばさ、シャドーラインと戦う事をコウタくんが手伝いたいって言ったらどうする?
彼にとってはもっと大切な事があるのに」と、みかんの人の言う事にも一理ある、と言わせているのもバランスがいい。その上で、
キチガイが引っ張るのも『トッキュウジャー』。
またここで一線を引いておく事で、それぞれがそれぞれの戦いに深入りしない理由も、無理なく前向きに描きました。
ライトもみかんの人も、ヒーローであるからこそ目の前の戦いを見過ごせないし、ヒーローであるから他者を巻き込みたくない。
そしてヒーローだからこそ、それぞれの目的も大事。
街で暴れるインベスから人々を守っていた女性陣と合流し、ここから、“いつもの時間”に、まずはトッキュウジャーの見せ場。
『トッキュウジャー』を見たくて7時30分からチャンネルを合わせている子供達の期待を裏切らないこの構成は、実にお見事。
トッキュウジャーが赤いインベスと戦っている間に、ダンゴムシみたいな灰色の雑魚怪人も現れ、駆けつけるみかんの人。
「ライト、どうして」
「ごめん。俺、頭悪いからさ、この街の事はよくわかんないけど、とにかく危ないってことはわかるよ。いくらトッキュウでも、
黙って通過できない。それだけ」
「……ありがとう。…………それに、俺も頭悪いんだったなぁ! 難しい事は全部後回しだ!」
みかんの人の自己申告がどういう意味で言っているのかわかりません、ライトの「頭悪い」は、
「頭の具合が悪い」なので、要注意だ!
鎧武が雑魚怪人を蹴散らし、またまた現れたモグラと戦っている間にトッキュウジャーは赤いインベスを追い詰め、
変な実を食べて巨大化したインベスとの戦いで、トッキュウオーの出番も確保。
「とどめだ、カーキャリアタンクシュート!」
てなんか、しれっと物凄い事した?!
今回、コラボという事で撮影タイミングが放映順と一緒か何ともなのですが、ちらほらトッキュウジャーが、本編で未だ見た事がない、
そして次はあるのだろうか、みたいなアクションをしています(笑)
ロボ戦の合間の、「巨大なロボがでっかい怪物と戦っている? そんなバカな話があるか。仕事に戻れ」と、
背広の人が背景の出来事に気付かないで「みんな、疲れているのか……」は、お約束だけど、面白かった。
意外や、鎧武ヒロインに巨大ロボ大受け。そしてコウタは、スペシャルパスを手に、ライトに一つの頼み事をする。それは、
ヒロインの子をしばらくレインボートレインに乗せて沢芽シティから遠ざける事。
挙動不審なライトの誤魔化しでレインボートレインは舞を乗せたまま出発し、車内販売にころりと心を奪われる舞。
……その駅弁を食べるとレインボートレインから降りられなくなるのではなかろうか、とドキドキしたのですが、
トカッチカードを生け贄にして墓地送りにする事で、トラップは回避されました。
格好いいぜトカッチ!
そしてコラボは後半戦へ。バナナの人が登場し、バダンと戦う仮面ライダー達。
なんかバナナの人、収録帰りのビジュアル系バンドメンバーみたいなのですが、何者なのでしょうか。
ぶどうの人はもっさいセーターなのに。……そういえば、みかんの人はいつもミカン色のジャケットを着ているのか、
コラボなのでわかりやすくする為に着ているのか(笑)
ワゴンさんの不注意発言からコウタが余計な気を回した事を知り、隣の東沢芽でレインボートレインを降りた舞は、
モグラ怪人に人質にされてしまう。きっとトカッチが何かやらかすに違いない、と入念にネタを振った上で、
事情をよくわかってないワゴンさんがよくわかってないままバラしてしまう、と、5人を誰も下げなかったのは細かく良かったところ。
ライトから話を聞き、憤るぶどうの人。鎧武ヒロインは、けっこう愛され系だなぁ。
ぶどうの人の情報収集でモグラ怪人の居場所を掴み、バナナの人の協力もあって陽動作戦に成功したコウタとライトは、
モグラの元へ踏み込むがモグラは瓜二つの兄弟怪人を召喚する事に成功していた。思わぬ怪人の登場で、
戦闘員に囲まれ危機に陥るコウタとライトだが――
「コウタ、イメージしろ。俺がこれから、何をするのかを」
「イメージ? ……――わかった」
「……見えたか?」
「ああ、見えた」
「「俺たちの勝利のイメージ!」」
と、クライマックスにしっかり、これをやらないと、というのを盛り込み、主人公2人のコンビネーションで盛り上げ所も作りました。
2人は無事にヒロインを救い出し、モグラ兄弟は合流。雑魚が呼び出され、バナナとぶどうは雑魚要員でフェードアウト
(マンゴーとキューイを披露)。トッキュウジャーが勢揃いして、鎧武vsモグラA、トッキュウジャーvsモグラB、でマッチアップ。
「それじゃあ……」
「よーし、俺たちのステージ」
「「しゅっぱーつ進行!!」」
トッキュウジャーの方ではモグラを追い詰めたところで仮面ライダー15が出てきたり、昭和ライダーが現れたりで、映画ネタ。
まあこの映画ネタは、このコラボの完成度を確実に下げました(笑) コラボ話の出来が良かった為、
本来の企画コンセプトである映画ネタの挿入が実に勿体ないという、何か本末転倒な事態に。
そんなこんなはあったものの、それぞれ必殺技でモグラを倒し、ひとまず消えるバダンの脅威。
次の駅へと出発していくトッキュウジャーを見送るコウタ達。
「いいもんだなぁ、自分の街を、自分で守りたいって気持ち」
「俺もライトに会えて良かった」
「え?」
「いいもんだな仲間って!」
……友達少ないのか?
「またな」
「おう、またな」
ライトとコウタはがっちり握手を交わし、レインボートレインは沢芽シティを離れて走り出す――。
見送りシーンにこっそり参加しているので、一応、レインボートレイン見えるのか、バナナの人。見えないかと思った(笑)
『トッキュウジャー』は立ち上げ展開から軌道に乗せていこうという時期のコラボで、色々と不安はあったのですが、
終わってみれば不安を払拭してあまりある出来。見事な構成のコラボでした。
トッキュウジャーにとっての“故郷の街”ってあくまで記憶に関わる最重要キーワードというだけで、
街そのものに対する愛着は語られた事がないので(記憶がないから当然なのですが)、若干の強引さはありましたが、
“街への想い”で2作品を繋げたのは良かったと思います。
そういった物語的にリンクする要素を作った上で、トッキュウジャーと鎧武、それぞれをヒーローとして描き、
前半後半で主体を変えつつ、しっかり最後の「勝利のイメージ」でライトとコウタをクロスさせる、とお祭りをやりながら、
しかしお祭りというだけで誤魔化さない、丁寧で素晴らしい流れ。脚本も良かったし、両作の雰囲気を汲みつつ
(『鎧武』は見ていませんが、少なくともバナナの人登場後は、演出のトーンを変えている)これを綺麗にまとめた中澤監督、
お見事な仕事。00年代中盤から東映ヒーロー作品の監督としてはエース級の評価をしていますが、巧かった。
『トッキュウジャー』としては、小林靖子脚本以外でキャラが動くのが初めてでしたが、
カグラのお気楽やトカッチのお笑い要員をやや強調しすぎた所はあるものの、
5人それぞれの物の見方がきちっと物語に織り込まれていて良かったと思います。こういう形で改めて見ると、
『トッキュウジャー』というのは、一つの事象に対する5人のリアクションの差異というのがわかりやすく出るように組まれているのだな、
と。
で次回、お気楽カグラと、一歩引いてみるヒカリが対立?
そして春闘。
- ◆第7駅「やるせなく、やる気なく」◆ (監督:加藤弘之 脚本:小林靖子)
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今週の素晴らしいツッコミ。
「それはいいよ、聞かなくて」
カグラが影響を受けたマニアックな感じのDVDは、関根勤の私物でしょうか(笑) 確かコレクターだったような。
忍者になったつもりで跳ね回っている最中にヒカリの大切な剣玉を傷つけてしまった事でヒカリを怒らせ、
怖がって謝りにいけないカグラの物言いは少し子供じみているのですが(それに一緒についてこうという皆も含めて)、
もともと一番子供っぽいのに加え、各人それぞれ、記憶がスキップされている分、精神的に子供の要素が残っている、という事なのかなぁ。
そこで視聴者目線に近いテーマを持ち込める、というのは設定の妙味。
無気力坂に降りた5人を待ち受けていたのは、あらゆるやる気を失ってそこら中に転がる人々と、人々を怠惰に変えたハンコシャドー。
かつてなく格好いいデザインのハンコ(笑)
「おまえを終着駅へ、送り込むだけだ!」
そしてライトは相変わらず、明るくバイオレンス。
前回がコラボ、前々回がシュバルツ様無双という事でか、今回はvsクローズ戦、盛り目。
クローズを蹴散らしてハンコシャドーに突撃したトッキュウ1号は顔面にハンコを押され、その特殊能力によりやる気を失ってしまう。
「だからなんですぐ突っ込むかなぁ」
って、ツッコミのヒカリに言わせているのはわざとですか(笑)
2号、3号も続けてやる気を奪われるが、足にダメージを負ったハンコシャドーは撤退。強力怪人を、ダメージ描写を気にした上で撤退させているのは細かく良いところ。
残るのは気まずい雰囲気のヒカリとカグラ……だが、カグラがヒカリに謝れず悩んでいたように、ヒカリもまたカグラに謝るタイミングを探していた、
でお互い謝って丸く解決。しつつ今作が優れているのは、
「いつもなりきりとか、馬鹿みたい、って、思ってたろうなって」
「ああ。……それはちょっと思ってる」
て言わせてしまう所だな、と(笑)
「でもそれがおまえだし、いいんじゃない。それに、今からそのなりきりが必要だしね」
“幼なじみの繋がり”をチームとしてのキーにしつつ、互いに全肯定も全否定もしない、というのは今作の巧いバランス。
ライト達を元に戻し、街をシャドーラインから解放する為、ハンコシャドーの前に立つ2人。
「私は固い、私は固い……私は固い! 剣玉ガーーーーール!!」
……いや、えーと、
ヒカリさん、本当はまだ、凄く、怒ってるんですよね?
ヒカリ発案による、文字通りに人を人とも思わない剣玉ガール作戦からの乗り替えコンビネーションにより、
トッキュウ4号と5号はハンコを破壊し、怠惰状態から人々を解放。5人揃ったトッキュウジャーはざっくりとハンコシャドーを撃破。
今回もカーキャリアの攻撃は謎ですが、イマジネーションの赴くままという事で。
そして当初から思わせぶりかつ今回のキーアイテムとなった剣玉は、ヒカリが誰か大事な人からもらったものかもしれない……と、
過去に関わるちょっとした伏線が張られました。
今回、男爵と夫人が、これまでで一番長い尺で映っていた気がするけど、改めて、凝ったデザイン。
グリッタ嬢のテーマは、かかる度に思わず笑ってしまう、実に秀逸なBGMです。グリッタ嬢は成長すると凄い美女になるか、
人間に偽装すると凄い美少女かのどちらかだと思ってますが、ネタ的に。
次回、新幹線、じゃなかった、「レインボーライン大爆破」。
いや、見た事無いのですけど、東映で列車ものというと、『新幹線大爆破』だそうなので、サブタイトルは多分わざと。
EDの最初に紹介したのがディぜールカーで、次回登場するのが、ディーゼルレッシャーという、細かい遊び心は面白い。
レインボートレイン内部に桜が飾ってあるのも、忍者の雰囲気出しのみならず、何となく季節感が出ていいアクセントになりました。
- ◆第8駅「レインボーライン大爆破」◆ (監督:加藤弘之 脚本:小林靖子)
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闇の皇帝陛下がパチンコ帰りにちらっと通りすがり、もっと闇を集めなければ、と活発化するシャドーライン。
立ち上がり尺を割かれていなかったシャドーライン側ですが、少しずつ出番が増えると共に、
闇の皇帝陛下にまつわる話が出てくるようになってきました。
一方、新たなサポートレッシャーであるディーゼルレッシャーの微弱な反応を感知したレインボーラインは緊急の針路変更。
ライト達はディーゼルレッシャーを探す為に駅で降り、烈車を見る事が出来る子供達から話を聞こうと、
聞き込み対象を子供に限定する流れが鮮やか。
サッカーボールを人質に情報提供を要求するライトさん。
なんか段々、さん付けしないといけない気がしてきました、ライトさん。
赤ん坊から話を聞こうとして不審者に見られる、と今回もごく自然に落とされるトカッチ。
集合に遅れるライトを「まあ、自由すぎる人はおいといて」とざっくり切り捨てるミオは、
どんどんツッコミが切れ味を増している気がしてなりません。
そこへネロ男爵の命令で、トッキュウジャーを直接狙うバクダンシャドーが出現。腕に当たる部分が無い、というか、
外部装飾の一つになっている、という面白いデザイン。トッキュウジャーにゲームを持ちかけるバクダンシャドーだったが、
トッキュウ2号から連絡を受けてやってきた1号の飛び蹴りを食らい、哀れ爆死。巨大化するかと思われたが巨大化せず、
しかし爆死跡に漂っていた不思議な闇が、レインボーラインの中に入り込む……。
遅れてやってきたライトだが、大人達に言っても信じてもらえなかった為に当初ライトにも話さなかった少年達と一緒にサッカーしている内に、
「あれ、この人、俺らと同レベルじゃね?」と思われたのか、ディーゼルレッシャーの情報入手に成功していた。シーンとしては、
楽しくサッカーやっている描写だけでしたが、恐らく合間に、物凄い小学生レベルの雑談とかしていたのかと思われます。
最もイマジネーションの強いライトがその確認に向かい、残ったメンバーは、入り込んだ闇で異常が起きていないか、
車内を確認する事に。特に異常は無いのでライトと合流しよう……と烈車を発車させた途端、運転席でブレーキが故障。
そしてトカッチの首にまとわりついた闇が小型爆弾として実体化する。
レインボーラインに入り込みブレーキを破壊したのは、自ら分裂して闇の粒子となったバクダンシャドーであった。
小型バクダンシャドーはトカッチを人質に、起爆装置を巡る追いかけっこを要求。タイムリミットは、転んだトカッチが爆死するか、
加速し続けるレインボーラインがどこかに突っ込むか、まで――。
猛スピードで急ブレーキを曲がる為、千葉真一(『新幹線大爆破』における、
爆弾を仕掛けられた新幹線の運転士役)を降臨させる車掌。
て、さらっとチケットくん外したーーーーー。
汗ふいたぁぁぁぁぁ。
チケットくーーーーーん!
(見なかった事にしよう)
ヒカリ、ツッコミを放棄する。
大ピンチを切り抜けたレインボーラインは、3号が乗り替え作戦を考案。逃げ足速く皆を嘲弄する小型バクダンシャドーの見えない所で4号がひっそり2号に乗り替え。
爆弾を付けている筈のトカッチが……? と小型バクダンシャドーが混乱している所で見事に捕まえ、爆弾の解除に成功。と、
2話続けて、乗り換えを戦略的に話に組み込んできました。これでトカッチは解放され、
外に放り捨てられて再び爆死するバクダンシャドー。だが、ブレーキの効かないレインボーラインはとうとう、
コンビナート施設に激突しようとしていた!
ディーゼルレッシャーを発見したライトだったが、最も古いサポートレッシャーであり、
長くレインボーラインから離れていた為にエネルギーの減少しているディーゼルは動き出さない。
ぼろぼろの車内を掃除するライトだったが、それでも駄目。そこへ緊急事態の連絡が入り、仲間達を助けたいと、
“お爺ちゃん”に呼びかけるライト。
「動けるって…………俺には見えてるんだ。おまえが、走り出す姿が。見えてる!」
ライトの想いとイマジネーションに応え、遂に動きだしたディーゼルはレインボーラインの停車に成功。
バクダンシャドーを先に倒して烈車トラブルの危険回避をクライマックスに持ってくる面白い構成……かと思ったら、
バクダンシャドーは結局巨大化。しかし、『仮面ライダー電王』を思わせる烈車十字砲火を受け、
ディーゼルレッシャーから放たれたミサイルの雨の前に今度こそ倒れるのであった。
1エピソードで都合3回爆死した怪人というのは、珍しいかも(笑)
トカッチとワゴンさんのフラグを進行させまくったこの事件だが、あまりに露骨な諸々は当然、
ネロ男爵による陽動作戦だった……と納得のオチがついた所で次回、委員長に春が来た? というか、年上好み?
そして新ロボが登場。随分また、大胆な変形合体。
内と外の二重構造で要素が多く、まとめるのが大変だったのかとは思いますが、シナリオはともかく、
烈車スペクタクルとしての出来は残念。最低限クライマックスで、“ガスタンクに突っ込みそうになる運転席の車掌視点”
は必要だったと思うのですが、あれでは、緊迫感が足りません。基本、危機感の部分を全てトカッチの描写を通して行っていたのですが
(故にカーブの部分も、カーブを曲がりきれるかより、トカッチが転ぶかどうかが軸)、
加速していく烈車の緊張感などをもう少し織り込んで欲しかった。
バクダンシャドーとの追いかけっこや千葉真一の憑依など、ここまでの作風を汲んでコミカル要素を強めに意識したのでしょうが、
今回はもう少しシリアス寄りの演出でも良かったと思います。
- ◆第9駅「思いは片道切符」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林靖子)
-
洗脳した男に女性の危機を救わせ、ときめきゲージが急上昇した所で今度はこっぴどく袖にする事で闇を集める、
というマリオネットシャドーが暗躍。
なんと酷い作戦なのか。
これまで悪の組織による数々の酷い作戦がありましたが、今回は歴史的に見てもかなり上位の部類に入るのでは(笑)
特に、ふられた側の女子高生よりむしろ、マリオネットシャドーの作り出したシチュエーションによるものとはいえ、
華麗なるモテ体験を自ら粉砕した思春期男子の再起不能なダメージは計り知れません。
ミオに粉をかけるゲストキャラの千葉さんは根本的にタチの悪いナンパ師にしか見えなかったのですが
(障害物競走に一緒に参加していた彼女?がいつの間にかフェードアウトしているし)、
クローズから助けた時点でマリオネット能力の影響下にあって本人の責任ではない、という事なのか。
正気を取り戻した後にミオの事わからなかったようではありますし。
それにしても、女の子を格好良く助けたつもりになって気易く頭とか撫でる男は、最後は格好悪く逃げればいい、
みたいな念を感じずにはいられませんが(笑)
で、
「あたし、やっぱり守る方が落ち着くみたい」
と来る辺りはまあ、安易なお姫様を描きたくない小林靖子らしい流れだな、と。
5人揃って戦闘になった所で、
「頼りないかもだけど、時々は、学級委員役、交代させてね」
と、女の友情を乗り換えで表現したのは凄い鮮やか。
ここでこれにOPを重ねてきたのは、監督の巧さ。
それにしても、当初よくわからなかった乗り換えがどんどん物語の中に組み込まれていっている結果、
脚本家が自分で自分のハードルを上げまくっていますが、これはどこかで下がるのか(笑)
毎回やる上で毎回しっかり意味を持たせるとなるとかなりハードル高いと思うのですが、どこまでやれるか行方に注目。
予告で出ていた新ロボ・ディーゼルオーは、ディーゼルレッシャーのみだとロボットに大きさ足りないよなぁと思ったら、
サポートレッシャー同士で合体。1号ロボを弱めずに登場した2号ロボですが、引き続き、動きにくそうです(^^;
5人で一つのコックピットではなく、1号・2&4号・3&5号、という古式ゆかしい分割席割りなのですが、
2号と4号は内心、「え? 俺ら男同士で座るの?」と思っているに違いない。1号と3号と5号は何の不満も無さそうだけど。
あと、ライトがあまりに爺ちゃんを好きすぎて、ディーゼルレッシャーは途中で殉職しそうな気がして仕方がありません。
大丈夫か、ディーゼル!
千葉にお礼と言っていそいそおにぎりを作りつつ、あくまで「決闘だ!」と待ち合わせの場所に向かうミオは剣道着姿を披露し、
やはり、剣道経験者という設定の模様。
次回予告、
トカッチ、大大大大大ピンチ!!!
「トカッチ、夕焼けに死す」
トカッチ、絶体絶命!!!
て、
何度目だ、トカッチ。
トカッチはその内、2話に1度ぐらいのペースで死にそうになるのではないだろうか。
ただのコメディリリーフを越え、新しい芸風を切り拓こうとしているパイオニアな気がしてきた。
- ◆第10駅「トカッチ、夕焼けに死す」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林靖子)
-
トカッチ、見えない烈車(レインボーライン)に手を振って、キ○ガイだと思われる。
アバンタイトルからいきなり、社会的にピンチ!
……あ、社会的には現在死んだも同然だから大丈夫か。
と考えると、強い、強いなぁ、トッキュウジャー(笑)
あの宇宙刑事ギャバンでさえ、アルバイトに汲々とし、社会的に抹殺されそうになった過去があるというのに。
体を鍛える為に、“次の駅まで走る”という、作品コンセプトそっちのけの事を始めたトカッチは、
レインボーラインを見る事ができない野球少年に出会う。一方、普通に烈車に乗っていたライト達は、
次の駅に乗り込んできたシャドーラインの怪人タイプシャドーといちはやく交戦。ところが、
物体につけたタイトル通りに現実を改変する、というタイプシャドーの能力により、
「さよならトッキュウレッシャー」
とタイトルを付けられたトッキュウレッシャーが空の彼方へと飛んでいってしまう。
「とりあえず万感の思いで汽笛鳴らしときまーす」
「ちょっと面白いな、おまえ」
案の定、敵怪人の能力を面白がるライト(笑)
そして、少年に自転車を借りて追いついてきたトカッチが、
「トカッチ、夕焼けに死す」
と、死亡フラグ万全のタイトルをつけられてしまう。夕方までに怪人を倒すしかない、と逃げたタイプシャドーを探して散らばる4人。
打倒タイプシャドーの為、謎のイメトレを始めるトカッチ。
戦いを目撃した野球少年(普通に走って、自転車のトカッチに追いついた(笑))に事情を説明しながら、
少年がレインボートレインを見る事が出来なかった理由を知るトカッチ……と、
ここでライトを絡めるとテンションとポジティブシンキングで全て解決してしまう所を、イマジネーションを見失った少年、
というネタを敢えてトカッチ回に持ってくる事で、作品の幅が広がりました。
三枚目ポジションではあるけれど、物事に真摯に向き合うトカッチが、少年に伝えるにふさわしい言葉を探す、というのは、
なかなか好感度UP。初めてトカッチが普通に持ち上がった気がするのですが、死亡フラグがオープンリーチ状態だからか?!
「言えるのは、イマジネーションは、お祈りじゃない、って事かな」
タイプシャドー発見の報告を受け、何故か、汗まみれのタオルを少年に渡して走り去るトカッチ。
冒頭からトカッチの行動がひたすら不審者のそれなのですが、それに対して自転車まで貸してくれる少年がいい子すぎて、将来、
何かの詐欺にあって借金とか抱える事になりそうで心配です。
話をスムーズにする都合と、“イマジネーションが足りなくて烈車が見えない子”をおとしめすぎない為に、
性格の良い少年がちょっと躓いているだけ、としたのと半々、という感じですが。
戦いに合流したトカッチは1号と乗り替えてタイプシャドーを混乱させると(ここは必然性は弱く、
さすがに上げすぎたハードルが下がりました(笑))接近戦に持ち込み、イメトレの成果を発揮。
タイプシャドーの体のキーを叩く事で自らタイトルを造り出す。それは――
「トカッチ、夕焼けに死す そして復活!」
沈む夕陽と共に散ったかと思われたトカッチだが、敵の能力を利用して見事に蘇生。タイプシャドーに逆転勝利を収めるトッキュウジャー。
そう、信じる事は大事だけど、信じるだけではお祈りでしかない。自分の思うイマジネーションを実現する為には、自分で行動する事、
それが一番大事な事。
巨大戦では、宇宙まで飛んでいって『99○』状態になっていたトッキュウレッシャー(あのやかましい人に何か言われない事を祈ります)を、
ディーゼルオーによる、同様のタイプ能力逆利用により帰還させ、帰還時にはワゴンさんが『ヤ○ト』ネタ(笑) 工場をバックの夜戦という、
やたら凝った巨大戦で、2大ロボの連係攻撃により、タイプシャドーは爆発四散。
ディーゼルオーを2号が動かしたり、トッキュウオーを4人で動かしたり、早くも好き放題ですが、
カクテルライトを効果的に使っての夜戦は格好良かったです。
次の駅へと向かう道中、外を走るのではなく、烈車の中でダンベルなどで筋トレする事にしたトカッチ。
そして去って行くレインボートレインに向けて、イマジネーションを取り戻した野球少年が手を振るのであった……。
振った手から、そこに出来たマメ、に繋げたのは好演出。いっそマメの出来た手のアップで終わっても良かったかとは思いますが、
素振りの映像まで入れたのは、わかりやすさ優先か。ただそこで、変に台詞をつけないで終わらせたのは良かったです。
敵怪人がある種のイマジネーション使いだったり、イマジネーション万能を否定したり、と、
作品として面白い要素を入れてきたエピソード。そこから、努力する事の大切さに繋げたのは今作らしい啓発的展開で、
この辺りの正統派な所は今後も続けていってほしい。
- ◆第11駅「闇の皇帝」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:小林靖子)
陛下、自由人。
男爵、大興奮。
から、まさかの幹部、地上総出撃へ(笑)
前年がイベント→イベント→イベント、でドンドン転がしていく作品だったのもあり、
ここまで割とのんびりめの進行というイメージだった今作ですが、闇の皇帝・出馬で、急展開。
もっと後まで引っ張るかと思っていたので、かなり予想外。
シャドーラインの本拠に向かう途中で下車し、遊園地(毎度恒例・東京ドームシティ協賛回)で遊んでいた陛下はライトと知り合うが、
そこで幹部達がお出迎えに現れる。
11話にして遂に明るい所に出てきたネロ男爵、マスクが茶色だった。そしてノア夫人は、思ったより派手な配色。
シュバルツ様に顔割れしていた事から、幹部達と戦う事になるトッキュウジャー。
純粋なデザインとしては幹部の中でも一番格好いいのではないかと思うノア夫人、あの着ぐるみで、まさかの直接戦闘。
そしてネロ男爵、フェンシング系の剣術と、ステッキによる制圧術の組み合わせで、まさかの、
超格好いいアクション。幹部クラスはざっくり光線技で処理される事も多いですが、
ノア夫人もさすがに傘の飛び道具に移行したものの軽く立ち回り、男爵はかなり尺を取っての近接戦と、これは嬉しい。
そして男爵、ハゲだった。
陛下の前で超慌てたり、今回でだいぶ、男爵のイメージが変わりました(笑)
男爵、夫人、将軍、その圧倒的な能力の前にかつてない惨敗を喫するトッキュウジャー。だが、
闇の満ちてない此の世アレルギーを発症した皇帝陛下が腹痛で倒れ、シャドーラインは揃って早退。
追いかけるレインボーラインの前には、3体のクライナーロボが立ちふさがる。
完膚なきまでにボロ負けしているのに、追いかけるように促す車掌とチケットくんがだいぶアグレッシブですが、
ノルマがあるのでまあ仕方ない(^^;
3対2の数的不利で苦戦するトッキュウオーとディーゼルオーだったが、合体攻撃でクライナーロボをまとめて粉砕。
前回の今回で、思いつきのイマジネーションから合体攻撃を成功させてしまいましたが、まあ、ライトは、
真性のキチガイだからやむを得ません。
新ロボをガンガン押してくる、しかも旧ロボも無理に下げないで、というのは好ましい展開です。
長く暗闇の中に居たという皇帝陛下は、人間世界のキラキラ、そしてライト達のキラキラに、異常な興味を示す。
側近のランプシャドーに命じて何かを作動させると、不意に、ライト以外の4人の目から、失われる光。そして4人の仲間達は、
レインボーラインが見えなくなってしまう……!
闇の皇帝陛下登場から、間髪入れずに、怒濤の急展開。果たしてトッキュウジャーはどうなってしまうのか……
そしてグリッタ嬢は、旅に出ていた。
オチが……!
オチが……!
これだけやって、オチが、面白すぎる……!!
海沿いの駅に、あの着ぐるみが日傘持って立っている、という絵が凄すぎました。
次回、非常に楽しみです。
闇の皇帝陛下ことゼットさんに関しては、とりあえず保留。
80年代ヒーローもしくは敵方ライバルキャラっぽいデザイン(服装とか髪のメッシュとか)で、早い登場・人間キャストと、
仲間入りすらありそうな雰囲気も持っていますが、さてさて。
- ◆第12駅「虹の定期券」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:小林靖子)
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ランプシャドーさん、皇帝陛下の実験について丁寧にライトに説明。ランプシャドーの広域の催眠術により街はイマジネーションを失い、
ライト以外の4人の仲間達も、架空の社会生活を演じるのであった。
後半、もっと重い形で突っ込んでくるかと思ったネタを、催眠術で割と軽めに仕掛けてきました。
4人はそれぞれ、トカッチ:会社員、ミオ:婦人警官、ヒカリ:研究者、カグラ:モデルに。
催眠術を解こうと4人のもとを訪れるライトだが、誰一人として、烈車の事もトッキュウジャーの事もレインボーパスの事も覚えていない。
唯一覚えているのは、子供の頃に皆で作った秘密基地のパスの事だけ……。
前回ラストの引きからかなり期待していたのですが、ちょっといまいち。
実は秘密基地のパスが5人のレインボーパスだった……というのは特に驚きはないとはいえ、
はっきりと見せておく必要があったのでしょうが、あの展開ならばライトが、
「ピンチの時は秘密の合図」を送らないと綺麗に繋がらない気がするわけなのですが。
その合図を送って(見えているか見えていないかは、この際重要ではない)4人が駆けつける事で、
そこに劇的な説得力が生まれる。
今作はここまで、そういう部分がやたらに私のツボと噛み合っていたのですが、初めてちょっとズレました。
しかし乗り替え変身は、恐らくライト達が考えているよりもシャドー怪人を困惑させているなぁ(笑)
まあそもそもライトは何も考えていないでしょうが、久々に全員乗り替えでの、長尺での戦争シーンは格好良かった。
今回に関しては、「へぇ〜、乗り替えねぇ。レインボーラインの奴等も、考えたな」と、
闇の皇帝陛下に見せる方が主目的だったようですが。
そして江ノ電の旅に出ていたグリッタ嬢は思いあまって陛下暗殺をはかるがシュバルツ様に止められ、そのキラキラした瞳を、
陛下に気に入られてしまい、陛下、ほっぺにチュー。ようやくシュバルツ様が、落としたハンカチの行方に気付いたり、
シャドーライン側はよくわからない所で錯綜(笑)
そうこうしている内にランプシャドーはバケツの山に埋もれて爆死し、巨大化。
「おぉぅ、イマジネーションエネルギーが最高に上がってまーす!」
「何でも思う通りに、やっちゃってくださぁい!」
線路を走ってきた烈車(OP流用?)が、その間に立つランプシャドーに攻撃する、という絵は良かった。今回、
珍しくロボ戦で俯瞰映像を多用しているのですが、いつもとちょっと変わった味付けになり、面白かったです。
テンション上がったトッキュウ1号は、5台の烈車と3台のサポートレッシャーを向かい合わせに突っ込ませて挟み撃ち……ではなくて、
まさかの、そのまま間に挟んで、8台横並びで超烈車合体。
横並び増設はそのまますぎて、まさかるあるまい、というのを思い切りやってきました(笑)
今立ち上がる、横に広がりキャノン砲の増設されたトッキュウオー……その名も、超トッキュウオー。
……何も、考えていない。
「もうさっきから見えまくりだ、おまえの終着駅」
両手両足両肩から烈車エネルギーを一斉発射する、超トッキュウオーフルバーストフィニッシュが発動し、
「な、なんか凄いっ」
陛下側近でエリートぽかったランプ、特凶化して爆死。
イマジネーション万能説を否定したエピソードの後、2話連続で、
脳内麻薬出まくりのキチガイがイマジネーション全開で敵を蹂躙するという、
キチガイ最強説。
安心していたら背後から変な角度でトカッチが結局落とされている気がするけど、むしろトカッチは比較的真人間だから仕方ないよ!
ライトと同じステージに立とうと思ってはいけません。
こうして陛下のキラキラ耐久実験は失敗に終わり、また一つ、思い出された記憶とともに5人の旅は続くのであった。
「記憶」ネタはちょっと忘れかけていたので、最後に繋がってそこは良かった。
4人の復帰の流れに不満の残るエピソードでしたが、そんな今回一番面白かったのは、皇帝陛下、
本拠地をディスコ風味に改造する(笑)
思わず杖を落としたりすがりついたりするネロ男爵が、面白すぎます。
男爵は、見た目と声から20〜30代イメージぐらいで見ていましたが、いっそ50〜60代の老臣という気がしてきた(笑)
「光る闇だ。俺に光をくれよぉ」
闇の中にありながら、キラキラを求める皇帝陛下。
「仲間は冷たい、相手は強い。たった一人でどこまでおまえのキラキラが保つか、そいつが見てぇんだよ俺は! 途中で消えるのか。
死ぬまで消えねぇのか」
前回、あまり邪悪さは前面に出さずに含みのある見せ方にしていましたが、今回はかなり性格の悪い所を出しており、
悪の大ボスらしくなって参りました。
「すげぇ。すげぇぞお前ら、キラキラだぁ!」
一方で、早めの大ボス登場も、ボスにはボスの個人的な思惑があるという事で、邪魔者の戦隊相手に本気にならない理由付けを一つ。
また、前回トッキュウジャー相手に圧倒的な力を見せたネロ男爵を一瞥で吹き飛ばすなど、底知れない強さもアピールしました。
衣装の紫色は、
虹でいうところの赤橙黄緑青藍紫
でライトの対存在というイメージを含むのかと思いますが、同時に、
レインボーに加わる可能性も示唆しているのかもしれず、この辺りは、どう転んでもいいように置いた石、という感じでしょうか。
雑な口調やどこか年齢不詳な感じなど面白く、物語を更に面白くしてくれる事を期待したい。
シャドーライン側ではあと、グリッタ家出でもっとヒステリックに取り乱すかと思われたノア夫人が、
むしろ抑えた調子でシュバルツにグリッタ捜索を頼んだのは、キャラクターの幅が出て面白かった所。凄くあっさり見つかったので、
GPSとか仕込んであったのかもしれませんが!
後、前回も使われましたが、クライナーのアナウンスが、妖怪っぽくて、素晴らしい。
他、今回は空間の余白を敢えて広く見せる演出が目立ち、普段埋まるべき所が埋まってない事で、一人になったライト、
を強調する意図だったと思うのですが、なかなか面白かったです。
次回、サポートレッシャー、どんどん増加。この勢いだと、中盤ぐらいに列車砲(88レッシャー)とか登場しそう。
→〔その3へ続く〕
(2014年7月31日)
(2019年10月20日 改訂)
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