■『特命戦隊ゴーバスターズ』感想まとめ4■


“僕らは立ち向かうよ
どんな恐れも封じる為”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特命戦隊ゴーバスターズ』 感想の、まとめ4(19〜24話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

戻る


◆Mission19「俺の合体!バスターヘラクレス」◆ (監督:舞原賢三 脚本:下山健人)
 『仮面ライダー電王』でいい仕事をしていた舞原監督が参戦。
 Jから「バイクの人」扱いを受けたニックは、戦闘の出来るJへのコンプレックスもあって、筋力トレーニングを開始するが、 バディロイドに筋肉がつく筈もなく、うまく行かない。自分にしかないものとは、いったい何なのか……割と何でも出来る万能型 (自己申告)ゆえに、アイデンティティを模索するニック。
 迷走するニックが料理したり絵を描いたりメイクしてみたり、という姿はCG多用でギャグっぽく演出。 今作ここまでのノリからはややはみ出しましたが、正直ニック、バディロイドの中では一番キャラが薄いので、 少し過剰なぐらいで丁度良かったとは思います。
 ニックはヒロムのフォロー役(ストッパー)としては機能しているのですが、その当然の帰結として、 リュウジと被ってしまっていたので、自分とは全く違うバディロイドであるJ(悩まない・フォローしない・戦える) の姿を見て己の存在意義にじっと手を見る、としたのは、バディロイドらしさを打ち出せて良かった所。
 一方、前々回、もんでゅぅぅぅぅぅー!したエンターさんは、1週間山籠もりしている間に頭が冷えたのか、 ニコニコ顔でバディロイドを狙う新たな作戦を発動し、スパナロイドを誕生させる。
 前回とは打って変わって4時間以上の転送完了時間が本部で検知され、出現したスパナロイドは、 たまたま公園で子供達に囲まれて即席空手道場を行っていたニックに襲いかかる。
 「じゃ、バラさせてもらうよ」「バラすのさいこぉーーーっ!」
 両手に巨大なスパナを持ち、機械類をバラバラに分解する光線を放つスパナロイド……は、 バラバラマン(『ロボット8ちゃん』)オマージュでしょうか(笑)
 Jとゴーバスターズがやってきてスパナは撤退するが、ニックがアイデンティティの確立を求めてプチ自分探しの旅に出ていた事を知ったヒロムは、 厳しい言葉を投げつける。
 「悪いけど、俺は自信の無い奴と組む気は無い」
 相変わらず、ヒロムは途中経過吹っ飛ばして結論から言うな……(笑)
 傷心のニックはオペレーションルームを立ち去り、手分けしてスパナロイドの捜索に向かう3人。分散の寸前、 リュウジはヒロムに声をかける。
 「ヒロム……大丈夫か?」
 「何がですか?」
 「ニックの事。確かに、ヒロムは思った事をストレートに言うけど、さっきのニックは、なんだかいつもと違ったんじゃないかなって」
 「――大丈夫です」
 「そっか。……なら心配いらないな」
 ヒロムからの信頼を知らぬまま、傷心旅行で彷徨っていたニックの前に現れる、エンターとバラバラマン。エンターの狙いは、 敢えて転送時間を長く取る事で、メタロイドの探索にゴーバスターズを分散させ、その間にバディロイドを狙う事にあったのだ!
 さて、ここで大きな問題が一つ。
 前半から存在していた問題点が、一つ前のシーンで致命的な傷口になってしまい、正視せざるを得なくなったのですが、これまで、 対ヴァグラス戦力の中核としてバスターマシンを最重要視し、ヒロム達の命とか割とどうでもいいから、バディロイドは外出ちゃ駄目!  という態度を取り続けていた黒木司令が、ニックを放置してしまっています。
 前半はギャグ展開でしたし、外出に気付いていなかった、というのはギリギリ言い訳が効きますが、メタロイドが出現している状況で、 ヒロムとニックが揉めているのを目撃した上で、ニックを司令室に留めておかないのは、あまりにも矛盾が過ぎます。
 それどころかこの後、スパナに襲われたニックのエネルギー反応の減少をキャッチして3人を急行させるのを見る限り、 完全にニックを囮に使っています。
 黒木司令が外道で無能なのは今に始まった事ではないですが、 本人なりの優先順位付けさえ崩壊してしまったのは、あまりに支離滅裂。
 無能なりの一貫性すら消えて無くなってしまいました(^^;
 作品自体が色々な要素を組み立て直している過渡期な上で、脚本家は2本目、監督は初参戦、 と色々な理由が重なっての擦り合わせ不足だと思いますが、エピソード都合を優先して積み重ねを吹っ飛ばしてしまう、 という非常によろしくない展開。……なんだか、このまま1クール目の黒木司令のメカフェチ路線自体が無かった事にされそうな気配も漂いますが。
 ニックの危機にかけつけたヒロムは、弱気のニックに飛び蹴りし、スパナのいましめを脱するニック。
 「おまえな……あそこで、蹴るか、普通……」
 「何言ってんだよ。迷わずツッコんでこいって言ったのはニックじゃないか」
 「ヒロム……おまえ、それ……」
 それは、ニックが幼いヒロムの訓練中に伝えた 漫才の極意 言葉。
 「いいかヒロム、迷わずツッコんでこい。自分の信じた通り、思いっきりやってみろ」
 その言葉に応えて、ヒロムは切れ味鋭く容赦ないツッコミを修得したのだった!
 ……ええ、日本語としては「突っ込んで」だと思われますが、映像的には「ツッコんで」いるので、なんだかまあ、 意図して掛けている気はします(笑)
 「覚えてたのか」
 「いっつもニックが言ってただろ。自分を信じろって。なのに、おまえが今までの自分を信じないで、どうすんだ」
 「ヒロム……」
 ヒロムに自分を信じる事を教えたのはニックであり、そんなニックをヒロムは信じている。だからニックは、 ヒロムの信じるニックである。と、ヒロムとニックの関係がまとめられましたが、 ニックがヒロムの自分主体の人格形成にかなり責任がある事が判明しました(笑) どうして、まだ容量に余裕がある内に、 フォロー機能やヘルプ機能や紳士アプリをインストールしておかなかったのか!
 「熱いねぇ。敢えて言わせてもらう。そういうの大好きだ」
 そこに現れる、陣とJ。マサトは茶化すというよりも、本気っぽいのはいい所。
 「おいJ、おまえ、ただのバイクの人って言ったらしいが、違うだろ? ……チダ・ニックは?」
 「仲間から信頼されるバディロイド。最初から知っていた」
 結局、個性は弱いままなので綺麗な話でまとめました(笑)
 まとめて盛り上げてみたけど、戦闘で役立たずなのは変わらないですし。
 エンターは変なポーズで撤退し、5人はスパナロイドを撃破するが、スパナメガゾードと破壊のカブトムシが転送されてくる。 破壊のカブトムシには金色カブトロボで勝っているのですが、何故か分担を逆にし、お互い苦戦(^^;  スパナに近づくとエネルギーを奪われる事から、ビートはクワガタジェットと合体し、新たな形態になる……その名を、 バスターヘラクレス!
 どうして髭が生えているのか、と思われた金色カブトロボですが、割れた!
 天才エンジニアの本気、二枚目フェイスのヘラクレスは胸のガトリングガンでスパナをひるませると、全砲門フルバースト。 ゴーバスターオーはニックの号令一下、全エネルギーを集中したエクスプロージョンキックを放ち、同時にシャットダウン。
 新必殺技を先導するという形でニックの見せ場を組み込みましたが、これまで情報処理以外の戦闘ナビゲーションをした記憶も無いので、 どうにも強引(^^; 持ち上げようとすればする程、ニックってこれといって長所が無いよね……という、 本人も自覚している残酷な現実が浮かび上がってしまいました(笑)
 「俺はわかった。俺は、自分の信じた通りに、思いっきりやるだけだってな」
 だがそんな残酷な現実を受け入れ、前向きに生きていこうと決めるニック。そうだニック、世界はキャラの濃さではなく、 真面目に働く人々で回っているんだ! 頑張れニック! 耐えろニック! 明日はきっとポテンヒットだ!

◆Mission20「5体結集!グレートゴーバスター!」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子)
 陣が持ってきた、13年前に届かなかったクリスマスプレゼントを見つめ、ちょっとアンニュイなヒロム。 よりによってヨーコにそれを目撃されて慌てて退散するが、ヨーコはそんなヒロムの姿にどことなく不安を覚えるのであった。
 一方、今日も地道に職務に励む、もんでゅう男爵ことエンターは、映写機からフィルムロイドを作成。
 OPとCM明けに、古い白黒映画のフィルム調のエフェクトでエンターが1人語りをする、というのは舞原監督ぽい遊び心のある演出。
 映した物を実体化する力を持ったフィルムロイドの繰り出した偽ゴーバスターズを撃破する3人だが、フィルムロイドは逃げ出し、 転送されてきたメガゾードは、その能力で広域に映像を投影し、ドーム状の閉鎖空間を造りだす。
 陣「あん中な、亜空間になってる」
 それは、最近いい所なく連敗続きのエンターが、メサイア陛下をもてなす為に企画した、 我がマジェスティに人間どもの苦しみをちょっぴり捧げたい疑似亜空間ツアーであった。
 真っ赤な空をバックに、青白い光に照らされたフィルムメガゾードの姿が、ウルトラ怪獣感溢れていて素敵。
 「何カガ満チテユク、何カガァ……! ウアァ……コレコソ、私ガイズレ手ニスル世界!」
 陣曰く、“全てが重くなる”亜空間では、人間は呼吸する事もままならず、 疑似亜空間の中で次々と倒れる人々の苦しみに喜悦の声をあげるメサイア。
 ここで初めて、亜空間とは如何なる場所か、の一端が具体的に示されました。
 バスターマシンやゴーバスターオーでも大きく動きを制限される亜空間だが、陣には秘策があった。 黒木により本部に招かれた陣の指揮の下、5体のバスターマシンを合体させる、 対亜空間用バスターマシンのチューンナップ作業が開始される。手伝いを申し入れるヒロム達だが、
 「パイロットは休むのも仕事だ。今の内に食事を取って休んでおけ」
 司令が初めてまともな事言ったーーー。
 久々に、大量の人員投入で整備班が動き回ってチューンナップ作業を進め、一方、投光器で照らされる疑似亜空間の暗黒のドーム……と、 怪獣もの手法で、大規模作戦の緊迫感が巧く出ました。
 そして翌朝――ドームを見つめる、ヨーコとヒロム。
 「なんか、ちょっと怖いね」
 「らしくないな」
 「戦いは平気だけど! ああいう、亜空間みたいなよくわからないとことか、ヒロムの負担が大きいとか……」
 ヒロムを心配し、ヒロインポイントを稼ごうとするヨーコ。
 「なんか巧く言えない……やっぱ、もっと本とか読まなきゃ!」
 残念ながら、重度な戦士脳です。
 というかホント、司令のヨーコ育成における、戦士に余計な知識や感情は不要!感が物凄いんですが……。
 そこへメタロイドが再出現して出撃する3人だが、エンターの入れ知恵によるフィルムロイドの新たな能力、 願望実現光線を受けてしまう。
 イエローの前にはウサダが現れて勉強を止めて遊びを許可し、ブルーの前にはマサトが現れる。
 「リュウジ、おまえはもう、エンジニアとして俺を超えた! これからは、師匠と呼ばせてくれ」
 先輩に肩や腕を揉ませるブルーバスター……リュウジは、素が出れば出るほど、ダメ人間になっていきます。
 小市民的願望に溺れたかに見えた2人だが、「仕掛け知ってるんだから、引っかかるわけないでしょ」とあっさり幻を振り払い、 何故かVサインで消えていく幻マサトがおいしい(笑)
 「この、偉そうに言うな! じゃあ、あいつはなんだ!」
 意外とメンタル攻撃に弱いのが約1名居た模様です。
 ヒロムが目にしたもの……それは、13年前の父と母と姉の姿。
 勿論、家族が一緒だった頃のイメージという事なのでしょうが、ヒロム的に、お姉さんはこのぐらいの時が良かったのか(笑)  今の姉は、口うるさくて面倒くさい、が本音なのか。
 懐かしい家族の幻に、子供に戻ったヒロムは幻覚に囚われてしまい、偽りの母と抱きしめ合う。 青と黄がフィルムロイドに苦戦する戦闘の後ろで、幻と固まっているヒロム、というえぐい絵。極めつけは、 この映像が司令部に大写しになっているというのが、痛恨のダメージ。
 もう二度と、司令部で偉そうな事は言えない……!
 「ヒロム……! 戻ってこい!」
 「ヒロムに言いたかった事がわかった……。怖くなくても、寂しい時あるでしょ。言ってよ、いつも1人で我慢しないで!」
 「ほら〜、呼んでるぞ、ヒロムちゃん。……ん? ははーん、もうこいつは戻れないみたいだよ?」
 「「ヒロム!!」」
 2人の呼びかけに僅かに反応を見せるも、幻に囚われたままのヒロム……だが、フィルムの攻撃が青と黄にトドメを刺そうとしたその時、 爆発から2人をかばったのは、レッドバスター!
 「父さん……母さん……姉さん……ごめん、俺が今帰る場所は、そこじゃない」
 フィルムは幻の家族を盾にするが、レッドはそれを振り払ってなんだか凄いビームを放ち、フィルムロイドをデリート。
 「削除……完了」
 ヒロムのメンタル面のブレをアバンタイトルから積み重ねた割には、最終的にはヒロムがほとんど1人で乗り越えてしまったように見えて、 ちょっと残念。一応、リュウジとヨーコの言葉に反応はしているのですが、もう一声欲しかったです。また、 こういう時に役に立ってもいいと思うのですが、前回スポットが当たった事もあってか、ニックからは何もなし。 現場の仲間優先が当然ではあるのですが、この辺りがどうも、バディロイドの扱いの中途半端な所です(^^;
 「司令室から格納庫へ! パイロット達が戻ってくる。徹夜で厳しいだろうが、システム完成までもう一働き頼む!」
 司令がもう一つまともな事言ったーーーーー?!
 前半、パーフェクト無能クズだった黒木司令ですが、このままマイルドに軌道修正されていくのか。
 なおここで、黒木の言葉にペンで首をかいていた陣が、整備班員一斉の「「「「「了解!」」」」」コールに振り向くというシーンがあり、 黒りん、よくここまでスタッフを洗脳した……! と驚いているようにしか見えません(笑)
 ヒロム達が戻り、リフトに乗る5人。
 「ヒロム、一つ強くなったみたいだな」
 「……逆ですよ。自分でもあんなに弱いと思わなかったです」
 「それだ。強さってのはな、弱さを知る事だ」
 と、ここはやや取って付けた感じであまり面白くなく月並みでしたが、背後で合体の最終シーケンスが完了し、 最後に顔パーツがはまった後で、
 「行くぞ!」
 と、リフトの上で5人が並んで変身し、一旦ロングにして巨大ロボットと変身の光を一緒に収め、乗り込んでいく5人、 というのは変身→ロボ搭乗を、必要要件によるギミックではなく、意志の流れとして描き、ロボ戦をドラマに組み込む事を重視した 『ゴーバスターズ』的なるものの結集として、格好良かったです。
 「グレートゴーバスター、起動を許可する」
 遂に完成した、対亜空間用バスターマシン――その名を、グレートゴーバスター!
 整備班に見送られて出撃したGGBは、下駄キャタピラを唸らせ、巨大な武装を振り上げる。
 「こいつは普通の空間より、亜空間が得意だ。突っ込め!」
 予告に映った顔のデザインがあんまりで、心配していたグレートゴーバスターですが、出撃シーンの音楽と演出が格好良くて、 思ったより、いい感じ。ここまで装備がごてごてしてくれると、顔もあまり気になりません(笑)
 新合体のプロセスを細かく描くだけでも、発進シークエンスを見せるだけでもなく、整備班の働き、 というのをある分量を持って描く事により、出撃シーンの見送りに物語と感情を乗せる。途中途中では司令の調教による「了解!」 ポーズを取るのがちょっと鬱陶しかったのが、最後に大量の整備班員が揃ってポーズを取る所では格好良く見えてしまうようになっており、 モブ整備班員が、ギミックではなく、キャラクターとしてしっかり成立している。
 今作にここまで不足しがちだった、上辺のディテールを置くだけではなくその中身を詰める事、が成されており、 良い構成と演出でした。
 5ヶ月かかりましたが、ようやく『特命戦隊ゴーバスターズ』が形になったという気がします。
 TVシリーズとしてはこれを、4話……はちょっと厳しいとして、せめて8話までには形にして欲しい所でしたが。
 「まさか、ゴーバスターズ? この空間でまともに動けるとは……トレビアーン」
 ドームを切り裂いて突入してきたGGBの姿に、なんかもう、やだこいつら、みたいな顔になるエンター(笑)
 GGBは槍の一撃でメガゾードを粉砕し、ツアー満喫中だったメサイアと初顔合わせ。エンターとメサイアは撤退し、 疑似亜空間に囚われていた人々も無事に助かるのであった……。
 オペレーションルームとの共闘、整備班の存在と奮闘、メカ関係の細かい描写、亜空間に囚われた家族を助けるというモチベーション、 不器用な仲間達の約束、自由な兄貴分と自由な樹液、巨大ロボという形で結集する力――と、今作これまでの要素(除くバディロイド) をまとめた、前半の集大成といえるエピソード。
 頭でっかちなまま走り出して迷子の自転車みたいになっていた今作ですが、 5体のバスターマシン全合体を軸に今作の主要なポイントをしっかりと物語に組み込み、 その上で久々登場のメサイアの目的確認、亜空間の具体的な描写、と物語の流れも見せて繋げ、全体の構造がスッキリとまとまりました。 ようやく、やろうとしていた事が形になった、といった感じで、仕切り直しとしては上々の出来。
 ただ、ここまで来るのに本当に長かったなぁ……(^^;
 次回――年齢の壁、引退の危機。

◆Mission21「さらば ブルーバスター」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林靖子)
 ……やってしまったーーー。
 台詞の書き起こしなどをする前に、録画を消してしまいました……折角、色々面白い回だったのに……というわけで今回、 台詞は全て記憶に基づき適当、その他全体的にうろ覚えとなります(^^;
 空調設備の故障で司令室の室温が上がってしまい、タイミング悪くトレーニング直後だったリュウジが熱暴走。 ……凄くつまらなそうに、ブラックリュウジの肩を揉むオペ男(笑)
 諸悪の根元を成敗とばかりに黒木司令に殴りかかろうとするリュウジが、惜しくも限界が来て倒れた頃、 ゴリサキはマサトに相談を持ちかけていた。ヴァグラスとの激しい戦闘が続く中でリュウジの熱暴走の回数が増え、 メディカルチェックの項目にも「再検査」が並ぶリュウジの体を心配するゴリサキに対し、マサトは非情な推測を告げる。
 「このまま何度も熱暴走を繰り返すと、リュウジは死ぬ。………………なーんちゃって」
 が、ゴリサキは「なーんちゃって」を聞かずに慌ててリュウジの所へ戻ってしまい、ここに大騒動が幕を開けるのだった……。
 小林靖子は『電磁戦隊メガレンジャー』で似たようなネタをやりましたね(笑)
 一方、前回の接待に味を占めた陛下から更なる接待を求められたもんでゅう男爵は、むしろこっちが接待してほしい、とは口には出せず、 それとなく陛下を誤魔化すと、エネトロンを集める為にダンベルロイドを作り出す。
 ダンベルロイドにダンベルを渡された人間は、強制的にダンベル体操を行う事になるのだ!
 「君たちの敵はなんだ? アカか? ファシストか? それとも会社か? いーや、自分自身だ! そーれ、1・2! 1・2!」
 みたいな感じで、CV:小杉十郎太さんノリノリで非常に面白かったのですが、誰ださくっと録画消したの。そうだ、自分自身だ!
 ゴリサキからリュウジに迫る危機を伝えられ、気絶したリュウジをそのままに2人で出撃した赤と黄だが、 見事にダンベルを渡されてしまい、マッスルマッスル! 敵がエネトロン切れで撤退してくれましたが、 2人だったとはいえ全く手も足も出ず、実質的に完敗(笑) けっこう珍しいような。
 基地へ戻ったヒロムは、バディロイド達と示し合わせると強引にリュウジに引退を勧告し、オペ男を新たなブルーバスターに選出。 何が何やらわからない司令に疑いの目を向けられるがダンベルが再出現し、オペ男を引きずって出撃。……だが勿論、 変身できないオペ男(ワクチンが無いと変身できない模様)は出撃した格好だけ付けて、基地へとんぼ返り。
 オペ男は冒頭ブラックリュウジの肩を揉んだり掴みかかられたりだけだと可哀想な扱いでしたが、 ここで普段と違う動きをするシーンがあったのが良かったです。
 一方、基地では司令がオペ子からリュウジの事情を聞かされるが、ヒロム達の露骨な隠し事を気にしていたリュウジが、 扉の外でそれを耳にしてしまう。
 (次に熱暴走したら、命が危ない……)
 衝撃を受けるリュウジだが、戻ってきたオペ男からジャケットと変身ブレスを奪い取ると、覚悟を決めて出撃。 誤解が誤解をヒートアップさせていく中、司令は話の出所を確認。
 「陣?! …………なんでそれで誰も疑わなかったんだ……」
 沈痛な面持ちになる黒木司令は、陣と絡みだしてから、ようやく面白くなってきました。マサトの加入で一番改善されたのは、 間違いなく司令。
 司令が真実に気付いた頃、金と銀の加わったゴーバスターズは、ダンベルに大苦戦していた。 スタッグはあっさりダンベル体操の罠にはまり、ハッスルハッスル!
 ここで、ダンベルにあおられて体操するJに「俺に勝つのは、俺だけだ」という台詞があるのですが、これはもう、 「ゴセイナイトは許さない」オマージュという事でよろしいか(笑)

グランディオン 私より熱い ヘッダーはいない筈
居るならば 明日の私だけ 何も残らない 残さない それでいい
断罪! 許さない 鉄槌! ナイトダイナミック
容赦はしない 敵をバニッシュ

 ……すみません、また興奮して横道に逸れました。
 巨大ダンベルに潰されて身動き取れない赤・黄・金だが、そこへ、決死の覚悟を決めたリュウジが駆けつける。 悲壮な決意を固めたその姿と赤と黄の話に、Jに頼んだ伝言が届いておらず、誤解が解けていない事を知る金。
 次に熱暴走したら、死ぬ――それでも、仲間達を守る為、リュウジはブルーバスターに変身して最後の戦いに身を投じる!
 「話大きくなってるしぃ!」
 青は凄まじいパワーでダンベルを圧倒し、かつてない迫力でシャットダウン。一方、 一緒にダンベルの下敷きにされていた金の口から真実を聞いた赤と黄だが、すっかり自分の境遇に浸ってしまったリュウジに、 何をどう伝えればいいか困っていた。
 結局、金と銀が逃げ腰にダッシュしながら冗談であった事を伝え、バスターヘラクレスを召喚。 そのままメガゾードと戦って逃げ切りをはかろうとするが、怒りのリュウジがゴリラを召喚して戦闘に加わるとヘラクレスを吹き飛ばし、 猛然とメガゾードを撃破。そのままの勢いで、ヘラクレスにミサイルを雨あられとぶつけるのであった(おぃ)
 最後のゴリラミサイル(弾薬は国民の血税です)はちょっとやりすぎだと思いましたが、 誤解の連鎖と話が倍々になっていく伝言ゲームがテンポ良く展開。前回、前半戦を綺麗にまとめ直し、 ある種のリスタートを切った所で一息入れて閑話休題ギャグ寄りの回でしたが、いい方に振り切れていて、面白かったです。
 また、外に出るオペ男、泣きながら語るオペ子、素っ頓狂な声をあげる黒りん、顔の引きつるマサト、 強引な猿芝居を打ったり真実を言いよどむヒロム、など、各キャラにいつもと違う役割を与え、幅を広げたのも高ポイント。 当人達が真剣なほど面白くなるわけで、命の危機を知ったリュウさんのシリアスな芝居や、演出の緩急の付け方も良かったです。
 怪人も含めてコメディとして完成度が高かっただけに、最後に黒りんが「あのヒロムがあれほど動揺するとは、 リュウジの存在は大きいようだ」とリュウジを持ち上げて綺麗にまとめるのはいらなかったような気もしますが、まあその辺りは、 作風としてギャグに行き過ぎないようにしたかったのか。
 ――次回、ヒロイン不在のゴーバス砂漠に、グレネード(byヴァシュロン) が炸裂するのを、君は見たか。

◆Mission22「美しきアバター エスケイプ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林靖子)
 久々に通常空間を覗いたメサイア陛下は考えた。
 なんか最近、コスプレ野郎が小舅みたいに口うるさいし、どうせコスプレするなら、若くて綺麗な女の子の方が良くね?
 そんわけで、メサイアの生み出した新たなアバター、セクシー系女幹部・エスケイプが登場。
 もんでゅう男爵ことエンターよりも、更にサイバーでパンクな雰囲気を押し出した衣装デザインのエスケイプは、 二丁拳銃ゴグとマゴグを使用。
 ゴグマゴグと言うと、太古のブリテン島に住んでいたとされる巨人の名前ですが、「敵対者」という意味から取ったのか。
 ところで今作、重要なキーワードにも関わらず未だに「アバター」の劇中定義づけが無い上に、 陣(本人の人格が反映された通常空間で行動する為の現し身)とエンター(どちらかというと、独立した人工生命体、といったニュアンス) の描写も明らかに違うのですが、意図的なミスディレクションなのか、軌道修正によって生じた設定のズレが合わせきれていないだけなのか、 少々気になる所です。
 どちらにせよあまり誉められた用い方ではないので、本当はその定義付けをしっかりしてほしい。
 メサイアが分身として設定しているとすると、“ご飯も沢山食べたいし、たまにコスプレではっちゃけたりもしたいけど、 そんな生活にちょっとブレーキをかけなきゃと思っている自分”と、“セクシー美女から「パパ」と呼ばれたい願望を実現してくれる自分” を通常空間に派遣している事になりますが、陛下に必要なのは、人間の嘆き苦しみではなく、精神分析ではないのか。
 ……まあ、人類に叛旗を翻した巨大コンピューターに必要なのは、常に精神分析という説もありますが。
 他に、メサイアそのものが反映されているのではなく、亜空間の“誰か”を投影しているという可能性もありますが………… ヒロムの両親の若い頃を参考に作ったとかだったらどうしよう。戦闘不能ですよ。
 ヒロムの精神が。
 新たな危機が多方面から浮上するその頃、司令部にとあるビルからエネトロンをいただくという犯行予告が届いていた。 悪戯の可能性は高いが万が一を考え、変装したヒロムとヨーコがそのビルで行われる脱出ゲームに紛れ込んで警戒する事に。 実際にそれは、「ゴーバスターズに協力している」と友人に嘘をついて引っ込みのつかなくなった小学生の悪戯だったのだが、 エスケイプがそのビルに現れた事で、嘘から真が出てしまう。
 脱出ゲームと敵の能力を絡めてアトラクション的に展開するのかと思いきや、 キーロイドが建物をまとめてロックして大雑把に市民を閉じ込めてしまったのは、ちょっと肩すかしで残念でした。
 エピソードの軸になるのは、級友達に認められたい一心でゴーバスターズと知り合いだと吹聴し、 遂に威力業務妨害に至ってしまった少年に、本当の“格好いい”を教えるヒロム、という、珍しい子供ゲストとの交流。
 「みんながすげーって言ったら、すげーのか?」
 「自分の価値を他人の判断で決めるから、誉めてもらわなきゃ安心できないんだ。嘘をついてまでな」
 「いいとこも、悪いとこも、どっちも自分なんだよ。ショウタ、もっと、ちゃんとホントの自分を見ろ。じゃなきゃ自分が可哀想だろ」
 ヒロムの直球路線を活かして、子供を真っ正面から諭すヒーロー、と持ってきたのは良かったと思います。
 ……にしても、コンピューターおたくでスクールカーストの低さに悩む少年の、一応一緒に脱出ゲームに付き合ってくれる友達が、 ガリ眼鏡と太っちょであるという、酷くシビアなリアル(笑)
 バスターズは人々を脱出させる事に成功し、エスケイプはお披露目回という事で、くるくる回ったり垂直の壁を走ったりの派手な戦闘。 エスケイプの目的はメサイアを喜ばせる事であり、転送されたメガゾードは疑似亜空間を展開。……喜ぶメサイアパパは、 早くも酒に溺れたおっさんのように(^^;
 疑似亜空間を使わないとグレートゴーバスターの出撃理由が作れない為、ヴァグラスの活動目的がやや変更。
 「我がマジェスティは、これからは私ではなく、エスケイプを通してこの世界を味わおうというわけですか。……快楽を教えたのが、 早すぎましたか」
 その顛末を見ながら、もんでゅう男爵は寂しげに歩み去るのであった……と言っても、 エネトロン集めはエネトロン集めで必要そうですが、エスケイプが表立って活動している間に、 実はエンターが真面目にエネトロンを集めていました……みたいな流れになるのかどうか。 解雇の危機が迫るコスプレ男爵の明日はどっちだ!
 余談ですが、『炎神戦隊ゴーオンジャー』のケガレシア様以来の顔出し女幹部となるエスケイプ。水着回も消滅して久しい昨今、 悪の女幹部なら割ときわどい衣装も許されるという基準は割と謎ですが、いざとなったら、 人間じゃないで通せるからなのでしょうか(笑) ケガレシアはかなり早くにメカ人間であるという描写が入りましたし、 エスケイプは最初からアバターですし。色々、考慮の見える所であったり無かったり。

◆Mission23「意志を継ぐ者」◆ (監督:加藤弘之 脚本:小林靖子)
 ヨーコ、17歳のバースデー。花束を持ってきたり、いつも以上にテンション高かったり、妙にヨーコに優しいマサト。 実はメガゾードのテストパイロットだったヨーコ母と、メガゾードの開発者であったマサトは親しい関係の同僚で、 回想シーンのなんやかやを見る限り、マサトはヨーコ母に好意を抱いていたのである。
 と言ってもまあ、そこは明言はされないのですが、ヨーコ母の事を思い出して、 いつもと違った様子でときめき回想モードに入っているマサトの描写を見る限り、まずそう見て良さそう(後々、 物語としてはもうちょっと生臭くない感じの所でまとめられてしまうかもしれませんが)。
 なお離婚か死別かはわかりませんが、ヨーコ母はシングルマザーとしてヨーコを育てていたと最後に言及され、 人妻にときめいていたとかではなく安心したよ先輩!
 黒りんはこの辺り知っていそうなのにヨーコに黙っている辺り、男の友情と武士の情けを感じます。
 エスケイプの作った磁石ノイドが街で暴れ、磁極を与えられた人や物がくっついてしまう。ヒロムとニック、 リュウジとJがそれぞれくっついて戦力外になってしまい、マサトとヨーコが二人で磁石ノイドに立ち向かう事に。 母親と反発し合う磁極をつけられてしまった子供を助けたヨーコがその面倒を見る姿に、ヨーコ母を思い出し、 焼けぼっくいに火がついてしまうマサト。その想いから過剰にヨーコを守ろうとするマサトだが、 ヨーコはそんなマサトに自分の力を見せ、マサトはたとえ覚えていなくても、 ヨーコの中に確かに母から受け継いだ心が宿っている事を知るのであった。
 と、これまで飄々としていたマサトが空回り気味になるという人間的なブレの部分が描かれるとともに、 頻繁に通常空間へやってくると良い影響が無い事、アバターのマサトのダメージは亜空間のマサト本体にもダメージを与える事、 マサトのアバターに時折生じるノイズ、など、マサト周りで不穏な伏線を幾つか。
 合わせてヨーコ母子を補強するエピソードなのですが、反発する母子が結構な勢いで吹き飛んだ所で、 ヨーコが子供の方しか助けていないので、お母さんぐしゃあぁぁぁぁじゃないのかとか、 ヨーコとマサトにタッグを組ませる都合でヒロム達を退場させるくだりが強引で、必要以上にヒロム達が間抜けになってしまった上に、 本気の戦力外でメガゾードの強奪を見ているしかない、という致命的なピンチとバランスが悪いなど、個々の要素の練り具合が今ひとつ。
 合わせてアクションのギミックとして用意された、 開発途中でスーツに対応していない為に生身の上からしか装着できないけどスーツより部分的な防御力を高めるプロテクター、 というのが話の都合丸出しすぎ。せめて映像で格好良ければ良かったのですが、絵的に格好悪い上に演出としても盛り上がらず、 トドメにヨーコの衣装と、プロテクターで防御力を上げる作戦の食い合わせが悪すぎるなど、色々グダグダ。
 加藤監督はこの時期だとまだ、細かい所まで心配りが足りてない感じが強い。
 (先輩……まだ俺達に隠してる事があるんじゃ……)
 (おまえは何を背負って亜空間から戻ってきた、陣)
 そしてリュウジと黒木は、マサトが秘密にしている何かを少しずつ感じ取るのであった……。
 ところでここしばらく、EDが映画宣伝バージョンなのですが、なぜ、カエルなのか。

◆Mission24「トレビアンな夏祭り」◆ (監督:加藤弘之 脚本:毛利亘宏)

 ヒロム、やっぱり年上の女性に弱かった。

 珍しく非番の日に出かけたヒロムは、森ヶ岡サマーフェスティバルの会場で、 中学時代に所属していた大道芸部の仲間と一緒に大道芸の練習に励んでいた。ヒロムの私生活に興味津々で、 職場の制服のままステージ上に姿を見せたリュウジとヨーコ、ヒロムに外に押し出される。
 「なんか……怒ってる?」
 「怒ってるわけじゃない」
 怒ってもいいと思います。
 「ただ、ここにその格好で来られると困るんだよ」
 「それって……正体を知られたくないって事?」
 ……ヨーコちゃんはともかく、リュウさんまでちょっと非常識に過ぎないか(^^;
 まあリュウさんも、なんだかんだ高校生の頃から特命部に軟禁生活だったようなので、社会的常識に欠ける所があるのかもしれません。 特命部云々を除いても、オフに遊びに行った先に奇抜な制服でやってきて職場のノリで空気読む気のない同僚って 部署異動を願い出るレベルの嫌がらせ。
 なおニックの存在はお友達に普通に受け入れられているので、恐らく、凄い研究者だった父親が残した変なロボット、 みたいな扱いで中学時代からパシリ扱い。
 一方、浴衣姿のもんでゅう男爵は、神社の境内に出没していた。
 (――あんたも馬鹿ね。パパを喜ばせておけば、後は好き勝手できるのに)
 「……確かに。それでは私は私なりのやり方で、人々を苦しませエネトロンを奪い取る。両方やってみせましょう」
 幸いリストラを逃れたエンターは、エスケイプの言葉に悪のプライドを刺激されたのか、綿菓子マシンからワタアメロイドを作り出し、 夏祭りの屋台から次々とエネトロンを奪っていく。
 「トレビアン。エネトロンが無くなって人間が悲しむ場所。それが、夏祭りです」
 ……あれ、エンターさん、もしかしなくても、思ったより心に深い傷を負ってますか。
 お客様ー、お客様の中に、メンタルケアを担当してくれる美人のお姉様はいらっしゃいませんかーーーッ?!
 「あいつらの狙いは、夏祭りみたいだな。ま確かに、エネトロンを効率よく集めるには、丁度いいかぁ」
 適当な事を言って悪の幹部をフォローする陣マサトであった。
 ひとまずエンターと綿飴を退けたゴーバスターズであったが、続けて夏祭り会場を狙ってくるに違いない。 近隣で行われている夏祭りは二つ。一方には陣とJが向かい、リュウジとヨーコはヒロムの居る森ヶ岡サマーフェスティバルへと向かう。 普段と違い、私情を優先し、祭りを中止にしたくないと二人に語るヒロム。
 「先生に恩があるんです」
 中学時代、いずれ特命部の一員になる日の事しか考えず、周囲と壁を作り読書や訓練にのみ没頭していたヒロムを鎖骨で誘惑して強引に部活に連れて行き、 仲間と何かをやる事の楽しさ、自分の努力が人々に笑顔をもたらす喜びを教え、ヒロムの人格矯正に一役買ったのが、 大道芸部の顧問・設楽先生であった。
 「忘れないでね。どんな事でも、一人じゃ出来ないの。一人で出来る事って、とっても少ないのよ」

 …………ごめん先生、7話ぐらいまで 忘 れ て た !

 そんな設楽先生が、日本の大道芸を海外に広めたいと日本を離れる事になり、サマーフェスティバルにおける元大道芸部の講演は、 先生の送別会を兼ねた大切なものなのだった。
 「だから、今日はどうしても中止したくないんです」
 「……私達も先生に、感謝しなきゃね」
 「え?」
 「だって、中学時代のヒロムは、今より酷かったって事でしょ」
 3人はそれとなく祭りの警護にあたり、そこへ現れた綿飴を会場から引き離して戦闘開始するが、 メガゾードが会場の近くに転送されてしまう。レッドバスターは大切な写真を取りに会場に戻った先生を助けると、 金色カブトムシと合流してメガゾードを撃破。青と黄は綿飴を合体必殺技で叩き切り、もんでゅう男爵の、 ドキッ☆浴衣だらけの夏祭りチラリと見えるサラシがセクシー大作戦、は失敗に終わるのであった。いやエンターさんは、 サラシちらりとか、股引ちらりとか、やってくれませんでしたが!
 前回のマサトに続き、ヒロムの人間として柔らかい部分に触れるエピソードでしたが、先生が命がけで取りに戻った部活で撮った写真、 というのがこれといって広がらず、さして盛り上がらないまま終わってしまいました。そこで事前に伏線を仕掛けて、 物語の中の別の要素と連動させて意味を多重に持たせるなどする事で、もう一跳ねが生まれるのですけど。
 あと細かい所では、日本の大道芸を海外に広めたい先生の送別講演で、 部員が練習していた演目に日本の大道芸が見当たらないとか、ドラマと繋がる箇所だけに、 もう少しディテールを詰めて欲しかった所です。
 及第点ではあるけど物足りない、そんな1本。
 次回、適当な使い方が気になっていた「アバター」に触れてくれるようで、巧く転がってくれる事に期待。

(2015年8月2日)
(2019年10月26日 改訂)
戻る