■『侍戦隊シンケンジャー』感想まとめ6■


“東はハサミ 西は扇 南が向いたら二刀流”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『侍戦隊シンケンジャー』 感想の、まとめ6(26〜30話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆第二十六幕「決戦大一番」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:小林靖子)
 疲弊した丈瑠に迫る十臓。
 「次に会った時と言ったのはそいつだ」
 あ……それ優先なのか(笑)
 確かに筋は通っていて、ぐうの音も出ません。
 若干、殿が疲れている所を通りすがった感もありますが、十臓はそういう性格では無さそうなので、 本気で普段は携帯でゲームとかやりながらぶらぶら彷徨っている、ランダムエンカウントシステムっぽい。
 丈瑠もそれに応じようとするが、そこへナナシ軍団が出現し、いらっと来た十臓はナナシ軍団を薙ぎ払って全滅させる。
 「寿司屋。おまえに免じて一日待とう。寿司が食えなくなるのは惜しい。明日だ。場所はカンナ岬。俺もこいつも飢えてきている。 おまえが来なければ、適当に人を斬らねばならん。十人や二十人で足りるかどうか」
 十臓は消え、太夫は三味線を抱えて歩み去り、アヤカシは乾燥肌で撤退し、シンケンジャーはひとまず難局を乗り越える。
 屋敷に戻った茉子は、太夫に対する自分の迷いがことはを傷つける事になったと、 己の中の甘さを切り捨てる為に料理本とエプロンをゴミ箱へ。
 「迷ってたら守れるものも守れない。だから……もう一度侍として、きっちり覚悟決めないと」
 それを黙って見つめる彦馬だが……侍として覚悟を決めるという事が人間的な部分を切り捨てるという事ならそこは肯定してはいけない所だと思うのですが、さて。
 十臓の無差別辻斬りを止める為に決闘に赴こうとする丈瑠に対し、 全員で砂にすれば良いで御座ると提案する流ノ介。だが、それでは十臓は出てこないだろうし、 そうなったらどこで辻斬りを始めるかわからない。
 「丈瑠しか戦えないなら、行くべきだと思う」
 固い表情の茉子も丈瑠を支持した事で、結局は強く反対する流ノ介を丈瑠が押し切るが…… 納得のいかない流ノ介は稽古で剣気を研ぎ澄ます丈瑠を、正座で凝視。
 「お守りしようとしているのに、肝心の殿がご自分の命に無頓着では、正直頭に来ます」
 「十臓と戦えるのは俺だけだ。それに……志波家当主じゃなくて、ただの侍としての俺が……戦いたいと思っている」
 内容の良し悪しはさておき、ここで初めてこぼれる、丈瑠の、個人としての執着。若干ヒャッハー方面なのは、侍の、 デフォルトだから仕方ない。
 また、執事回のことはとの差異の強調もあるのでしょうが、L・O・V・E・殿・INOCHIだった流ノ介が、その忠節ゆえに、 時には真っ正面から殿へ諫言するキャラに成長。
 着々と、彦馬二代目への道を歩んでいます。
 その頃十臓は、もうこの三味線放り捨てたら気が済むかなー、なんか酔っ払いの相手しているの面倒になってきたしー、 仕事辞めて印度でも旅に行こうかなー、と黄昏れていた太夫と出会っていた。
 「外道に堕ちるほどの未練。たかが数百年で晴れるのか」
 「なにを?! おまえも望んでいる事だろう。聞いたぞ。バラバラになって消えてしまいたいと」
 「ははははははははは!」
 「何がおかしい?!」
 「それは俺の――欲望だ。そこまで斬り合って、ようやく、満たされるかどうかの。 誰が綺麗に消えたいものか」
 十臓に関しては、マッド人斬りとしては若干キャラの弱さを感じていたのですが、この台詞でぐっと面白くなってきました。
 十臓は歩み去り、太夫はその言葉に、己の本質を思い出す。
 「未練……そうだったな。永遠におまえ達の魂を結ばせまいと。……手放してなるか! 消えてなるものかぁ!!  はぐれ外道と蔑まされようと、このまま……永遠に苦しめ。新佐……ふっふ……ふふふ」
 ストレスの多い職場で退職を考えていたけど、通りすがりのミシュランカウンセラーのお陰で、太夫、復活。
 太夫と十臓は過去に何か因縁でもあるのかと思っていましたが、単純に、「はぐれ外道」という立ち位置が同じという話の様子。
 翌朝、十臓との決闘へ赴く丈瑠を見送る家臣達。
 ここでまたも殿の前に立ちはだかった流ノ介が、「家臣としては止めたいけど、 一人の侍としてなら殿の言いたい事もわからないでもないでもない」と、またも侍脳な事を言いだし、殿と家臣とはまた違う、侍と侍、 男と男の絆が新たに発生して光輝くのですが、構成的には少々しつこくなってしまい、 前夜の内にここまでまとめしてしまっても良かったような。……まあ、流ノ介がそこに至るまでに一晩かかった (自室で考え込むカットがある)という流れを取ったのでしょうが。
 その時、夢アヤカシが再び人間界へ出現し、流ノ介は丈瑠から印籠を預かり、お互いの再会を約す。 源太登場後のバランス調整の一環として、ここ数話で一気に流ノ介がサブリーダーっぽくなりました。
 スーパーシンケンブルーは、青地に白+金で、配色としては超レッドより格好いいかも(笑)
 巨大化した夢アヤカシの変則的な動きに苦戦する大海真剣王だったが、相手の攻撃を受け止めて隙を作ると、最後は折神大海砲で成敗。
 そして――歪つな何かを抱える侍と、外道に堕ちた修羅は凄絶な一騎打ちで火花を散らしていた。
 「思った通り面白い。戦うほど、手応えが増す」
 剣の交錯後に背面で睨み合うなど、「静」と「動」の差を強調した、今作らしい、時代劇を強く意識した立ち回り。
 始めは互角の戦いを見せるシンケンレッドだったが徐々に追い込まれ、十臓の刃がその身を捉えていく。 遂に十臓の裏正がレッドの右肩を貫くが、レッドは取り落としたと思われたシンケン丸を左手で掴むと、 右腕を犠牲にして十臓の懐へ飛び込み、左手で会心の一太刀を浴びせる。
 続けての打ち下ろしに対して十臓は受けに回るが……友達(裏正)折れたーーーっ!
 レッドの斬撃は裏正を断ち割って見事に十臓の体を捉え、外道の剣士の骨の髄までバラバラに。
 「シンケンレッド……見事だ。これほどの快楽、他には……ない」
 十臓は崖から海へと真っ逆さまに転落し、殿が勝利した所に皆が駆けつけて、大団円。
 気合いと勢いで大技出して決着、ではなく、死中に活を求め、力量差を執念で埋めて技で勝つ、という良い一騎打ちでした。
 十臓は海に落下したので復活の目が充分にありそうですが、話し相手(裏正)が折れてしまったのが心配。まあ、魔剣ぽいので、 根元からまたにょきにょき生えてきそうな気もしますが。
 真・侍合体ディスクは全折神召喚可能という事で、巨大戦と一騎打ちを完全に分けて純粋なクライマックスに持ってくる事が出来たのも良かった所。
 パワーアップ前後編を踏み台にして、幹部退場前後編をやるという荒技でしたが、 2話続けて大海真剣王は搭乗員不足で苦戦気味だったり、十臓との対決でレッドがスーパー化しなかったり、 新ギミックが微妙な扱いながらしかし物語の中にきちっと組み込まれた上で、 明らかに23−24話より25−26話の方が全てのテンポが良く、 大海真剣王周りがかなりの難産であった上に色々と投げ飛ばされた事が窺えます(^^;
 戦い終わって、源太が三つ星寿司を持ち込んで祝勝会に雪崩れ込む中、一人固い表情の茉子に、 捨てた筈の料理本とエプロンを渡す彦馬。
 「これは……」
 「覚悟をするのはいい。しかしな、少しぐらい余裕がなければ、外道衆と一緒だ。ははは」
 「はい」
 受け取った本を大切そうに抱きしめて、珍しくストレートに可愛げをアピールする姐さん (“女子が胸の前で何かを抱きかかえるポーズは可愛さ3割増しの法則”)。
 茉子は非常によろしくない方向に行きそうだったので、ここは年配者からフォローが入って、良かった。
 まあ長編としては敢えて今回で解決せずに、茉子の中の影として引っ張るという手もあったかとは思いますが、 それだと扱いが大きくなりすぎるので、さらっと解消しておいたのは妥当な所か。彦馬の立ち位置の意味も出ましたし。
 こう見ると、メンバー個人の抱える事情を年間通して引っ張って使った『未来戦隊タイムレンジャー』(2000) はかなり意欲的な構成をしていたのだなぁと改めて。
 右腕を負傷で吊っている殿に、ちゃっかりことはが寿司をあーんと食べさせ、 ジェラシーを燃やした流ノ介と寿司屋が強引に寿司を押し込もうとする馬鹿騒ぎで、一件落着。
 なおこの後、責任を取って姐さんの料理の被検体となった彦馬が、 死にそうになったとかならなかったとか風の噂もありますが……今宵はここまでにしとうございます。

◆第二十七幕「入替人生」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子)
 前回、色々あったけど、やっぱりあちきは外道、と自分探しの旅に決着をつけた薄皮太夫だが、 それはそれとして酔っ払いの相手をするのは面倒くさいなー、と出社拒否。三途の川には戻らず姿を消してしまう。 太夫不在で少々不機嫌ゲージの上がるドウコクの前に、“さる御方”に長く仕えていたという、 ドウコクも初めて見る顔のアヤカシ・アベコンベが現れ、“さる御方”の先触れを称すると人間界へと向かうのであった……。
 アベコンベは、安定の檜山修之ごろつき怪人。檜山怪人とか中村大樹怪人は、毎年見ても飽きません(笑)
 アベコンベの能力は、右手の触手で触れた人間と、左手の触手で触れた物の魂を入れ替えてしまう、というもの。 街では人々が次々と自転車や看板、果ては空き缶などと魂を入れ替えられて奇妙な形で固まり、源太も突然、道端で丸くなってしまう。
 戦いを挑むシンケンジャーだが次々と妖術の犠牲となり、丈瑠は招き猫、茉子は扇風機、流ノ介は……小便小僧と魂を入れ替えられてしまう。
 (この私が、なんという屈辱……くっ)
 (良かったぁ……扇風機で)
 硬直ネタは基本面白くなりますが、無表情で首を左右に振る茉子、にこやかにトイレに立つ流ノ介、と皆、頑張った(笑)
 千明がアヤカシの術に気付き、殿の席に鎮座する招き猫。そして丸まる源太は……寿司だった。アヤカシの乾燥肌退却で、一度、 屋敷の居間に入れ替わった物(各人の魂が入っている物)が並べられるのですが、寿司は、冷蔵庫に入れておかないとネタが腐りそうな。
 丈瑠達の魂は回収できたものの、街の人々は何とどう入れ替わっているかわからず、 何とかアヤカシから妖術を解除する方法を聞き出すしかない……それを年少組2人で成し遂げなければいけないという状況に、 力の入ることはを見て、緊張を和らげようと気を遣う千明。
 成長著しい半人前、というポジションの千明は、今回は年下の女の子への細かい気遣いを披露。この辺り、 流ノ介より将来的なスペックは優秀そうです。
 「千明、ことは、お前達も戦いを積み重ねてきたのだ。お前達なりの戦いを、思いっきり戦え。そこに、活路がある」
 アヤカシが再出現し、爺は印籠を千明に託す。激励を受けた千明は、ある秘策を思いつく。
 「つまらねえ物ほど、入れ替えがいがあるってもんだ」
 次々と人間の魂を物と入れ替えていくアベコンベ、その妖術の真の恐ろしさは、魂を入れ替えられた物が破壊されると、 中に入った人間の魂も砕けてしまう事にあった。空き缶に魂を入れられた女子高生はリサイクルに回収され、 看板に魂を入れられた中年女性は飛んできたボールで破れかけ……人が、それと知らない内に人の命を奪ってしまう、 アベコンベの主である“さる御方”は、そんな地獄を望んでいた、と、ギャグ寄りから一転、えげつない展開に。
 そして冷蔵庫へしまわれる筈が、アヤカシ出現のどたばたで台所に置き去りにされた源太寿司に、 通りすがりの野良猫が迫っていた。
 これまでの大活躍は全てこの日の為の前振りだったのか、源太に本格的な命の危機が迫る中、緑と黄色は連携プレイで、 アヤカシと緑の魂を入れ替える事に成功。アヤカシの体を手に入れた千明が、緑の中に入ったアヤカシに妖術を解く事を要求するがアヤカシも当然素直に頷かず、 そこで今度はアヤカシの魂をサッカーボールへ移動。
 怪人をサッカーボールに変えて拷問するヒーロー
 というのは、なかなか新しい境地であったかもしれません。
 やむなくアヤカシは自らの頭部を切り裂く事で妖術を解き、元の体に戻る人々。風前の灯火だった源太もギリギリ助かるが、直後、 寿司にかぶりつくネコの図がアップで、かなりホラー。
 緑はスーパー化すると真・凩の舞でアヤカシを撃破し、アヤカシは巨大化。2人は大海真剣王を呼び出し、 2人で操縦するとエネルギー消費の分担が激しいようですが、元に戻ったメンバーが全く参戦しないまま、まさかのそのまま成敗。
 表向きお笑い回から新たなアヤカシ勢力のえげつさなに繋げ、新幹部?登場の布石と、テンポ良く進行。緑×黄回のようで、 実質単独の緑回という内容で千明の株がまた随分と上がり、非常においしいポジションです。逆にことはは、瞬間的な破壊力は高いけど、 放っておくと後ろに下がってしまうので、案外とエピソードに恵まれていない印象。
 スナフキン状態の薄皮太夫は、ドウコクが適当に放り投げた際に隙間から人間界に飛び出してきた毛玉を拾い、ちらっと登場。
 「ふん、一緒に居るか。1人では話し相手もおらん」
 十臓における裏正と違って、うめく三味線は話し相手ではない、という所に太夫の怨念がよく出ています。 謎のにぎやかしだった毛玉にちょっと意味が出てきたというのも、面白い。
 そして、一山越えて3クール目に入ったけど、寿司屋は、EDには入れないのだった……。

◆第二十八幕「提灯侍」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子)
 「こんなに早く、終わりが来るとはなぁ……。丈ちゃんやみんなには悪いけど、せめてこれが、俺の形見だ」
 暗い顔で、ゴールド寿司の提灯にモヂカラを打ち込む源太。源太が源太なので信用できませんが、何やら、深刻な入り……そんなに、 EDから仲間はずれにされっぱなしな事が、心の傷なのか。
 某・夜明けの刑事なんて、OPナレーションがずっと「燃えるハートでクールに戦う5人の刑事達」だったけど、めげなかったぞ!
 そこにアヤカシ出現の報が入り、「もういっぺんだけ試してみっか!」という所までがアバンタイトルで、 OP明けからいきなりナナシ軍団との戦闘。先に戦っていた5人に加勢しようと寿司チェンジャーを取り出した源太は、 何故か嫌がりながら変身……しようとして、変身する事が出来ない。
 …………もしかして、前回の件が、トラウマに?
 確かに、ネコが寿司をむしゃむしゃ食うシーンのアップは、やたらホラーでしたけど。
 ナナシ軍団は5人が撃破してそれ以上の襲撃はなく、志波家に戻った一行は、源太から事情を聴く事に。
 「俺、寿司が怖いんだよぉぉぉ!!」
 見事なPTSDでした。
 廊下に体育座りで落ち込む源太、超ニコニコと世話をする姐さん(悪魔)。
 前回、アヤカシの術によって寿司に魂を入れられ、通りすがりのネコにがじがじされて人生が終わりかけた源太は、 あれだけ愛していた寿司を、見るのも嫌という人生のどん底に落ちていた。
 「爺ちゃんにはわかんねえよ。寿司になってみろ! 食われそうなのに動けねえんだぞ!  もう寿司見るだけであん時の恐怖が!」
 お笑い→えげつない、と転がした前回のネタを、更に引っ張ってきたというのは面白い。やたら迫真の捕食シーンだった事にも納得で、 いつもは前向きで明るい源太が、暗い表情で沈み込んでいるという落差も好演。
 そして姐さんが、超楽しそう(悪魔)
 その頃、三途の川のドウコクの船を、“さる御方”が訪れていた――その名を、筋柄アクマロ(すじがらの・あくまろ)。
 凄い名前、というか文字列だけ見るとムキムキマッチョな愛国戦士みたいですが、見た目は公家イメージ。
 三途の川の底に沈んでいたが、ドウコク夏の大感謝祭のエネルギーを受けて水面へ浮上してきた、と自称するアクマロは、 ドウコクの斬撃を敢えて受け、ドウコク配下の一席に加わる事を願い出る。
 「どうぞ、お迎えくださいませ。人間共を死ぬほど泣かせてご覧にいれまする。身も世も無い血の涙……おほほほほほほ、堪りませんなぁ」
  これまで、基本的に骨の髄まで筋肉と殺意で出来た武士という名のモンスター、リアル板東武者だったドウコク麾下の外道衆ですが、 新たに、腹に一物あるとおぼしき公家系の幹部キャラが登場。これまでも参謀役の骨のシタリが居ましたがあまり積極的に作戦行動には関わらなかったので、 性格の悪そうなアクマロの登場で、アヤカシの活動にバリエーションがつく事には期待したい。
 志波家では千明の音頭で、源太の引退を止めようと、源ちゃんと一緒に苦手な物を克服しよう大作戦がスタート。
 ことはは納豆、茉子が粉ふきいも、流ノ介がサボテン、殿はお化け屋敷にそれぞれ挑戦するが、源太の心の傷を癒すには至らない。 源太の侍とは違う親しみやすさに共感を覚えて親身になる千明が前回に続いて他者に気を遣うのですが、 自分の苦手な物を出していないのは、実は用意周到な策略か(笑)
 そこにアヤカシ出現の報が入り、出陣する5人。人間大サイズの大頭ナナシが現れて戦うが、 突然の大雷撃でシンケンジャーとナナシはまとめて吹き飛ばされる。そこに姿を見せたのは――筋柄アクマロ。
 「そうですか、あんたさん等が、今の世のシンケンジャー。吾の名は筋殻アクマロ」
 妖術の達者かと思われたアクマロですが、そこはやっぱり外道衆。舞のような動きからの蹴り技や、爪を伸ばしての攻撃など、 華麗に肉弾戦を展開し、5人を次々と撃破。
 「この感触、久しぶり。ほほほ、堪りませんなぁ」
 アクマロの戦闘力は殿をも上回り(まだ完調でないのかもしれませんが)、笏による攻撃で派手に吹っ飛ぶシンケンレッド。
 その頃、源太は提灯に必死にモヂカラを打ち込み続けていた。
 「頼むぜ、俺の代わりに。丈ちゃんたちの助けになってくれ」
 遂に提灯に「侍」の文字が浮かび上がるが、何故かその源太の背後に、 黒子を引き連れた彦馬が迫る……。
 アクマロは、4属性攻撃も弾き、五輪弾すら受け止めるという、圧倒的な力を披露。これまでも、 “何となく強いアヤカシ”というのは居ましたが、基本、幹部キャラが引きこもり、十臓も一騎打ち専用という事で、 如何にもな強敵(幹部キャラ)に苦戦するという展開は、第28話にして初。
 台詞の端々で過去のシンケンジャーとの関わり匂わせるアクマロは今の世のシンケンジャーを嘲笑い、切り紙で巨大ロボット怪獣を召喚。 いわゆる式神の類と思われ、アクマロは公家だけでなく陰陽師も入っている模様。シンケンジャーが折神の力を使う事を考えると、 何やら関係があるのか。
 赤はスーパー化して1人で天空シンケンオーに乗り込むが、鳴き声が怪獣の巨大な式神にあっさりやられてしまう。大天空を解除され、 兜が吹っ飛び、怪獣に踏まれるシンケンオー。無残にやられていますが、一度、兜無しシンケンオーを尺取って映したかったのか。
 アクマロの蹴鞠攻撃で家臣4人も打ち倒され、手近のピンクにトドメの一撃が迫ったその時、提灯と新しい武器を手に、 ゴールドが駆けつける。ゴールドは蹴鞠を一刀両断し、提灯から放つ秘伝ディスク連射でアクマロにダメージを与えると、 続けての一撃が、ドウコクの攻撃を受けていた箇所にクリティカルヒットし、アクマロは撤退。
 派手に強さをアピールしたアクマロ撤退の理由付けではあるのですが、 アクマロが回避するだけの実力を持っているとわかった上で敢えてその対応を見る為のドウコクの攻撃→ 故意にその攻撃をかわさずに受けて恭順を誓うアクマロ→ しかし受け流して出来る限りダメージを抑えたつもりだったがドウコクの一撃はアクマロの思っていたより鋭かった、と、 実力者同士の探り合いが裏で展開している、というのは格好いい。
 色々な意味で、シンケンジャーが置き去りですが!
 「おいら、ダイゴヨウってんでい」
 喋る提灯は、「大」のモヂカラで巨大化すると、人型ロボットに変形。式神ロボに立ち向かうとOPまで流れ出しての大暴れで…… 殿単独のシンケンオーより強い(笑)
 あまりにあまりな展開に呆然とついていけなくなる5人の前で、ダイゴヨウロボは秘伝ディスク乱れ打ちで式神ロボを撃破。 天才の戦列復帰と新戦力の加入により、シンケンジャーは辛くも窮地を脱出するのであった。
 ここ数話、源太たたき売りキャンペーン中だったので、2話連続で源太が役立たずになるのかと思いきや、終わって見れば天才無双。 不在だった博士ポジションの役割を、全て源太に振るのはどうなのか(^^;
 一応今回、ダイゴヨウの強さの理由を、引退を決意した天才の魂を込めた逸品、という事で付けていますが、 つまり前回のエピソード自体が、ダイゴヨウ登場から逆算して作ったネタだった模様。この構成自体は、巧かったと思います。
 まあ源太の場合、侍として戦えなくても、志波家御用発明家として召し抱えればいいし、召し抱えるべきだとは思いますが(笑)
 青「気になってたんだが、それ、岡っ引きじゃないか?」
 金「おう、時代劇でよく見るだろ〜。そっからこー、イメージしたんだ」
 青「うん。岡っ引きは……侍じゃないぞ」
 金&提灯「「え?!」
 ダイゴヨウ本体が御用提灯のイメージという事は、ゴールドが右手に持っていた棒状の武器(一切説明されないが蹴鞠を両断し、 巨大化時は、ダイゴヨウロボの両腕になった)は、十手のイメージという事でしょうか。 金のバトルスタイルが居合いなのでサンマ引退という事は無いと思うのですが、この後、どう使うのかしら。後、ディスク乱れ打ちは、 銭形平次なのか。
 実質的な3号ロボは、自律型のサポートアイテム兼用タイプが参戦。自律型ロボは派手に出してみたはいいけど気が付くと空気になる、 というイメージが強いのですが、頑張れるか、ダイゴヨウ!
 単体使用のみとは思えないので、この後どう使ってくるか次第で、とりあえず評価保留。
 なお、源太の寿司恐怖症は、殿達のやり方は生ぬるい! と、彦馬が黒子に拘束させた源太の口に寿司を突っ込むという荒療治で回復。 「アレルギーなんて食べさせれば治る」的で現実でやったら大問題ですが、そこはフィクションという事で(^^;
 次回、早くも家出。

◆第二十九幕「家出提灯」◆ (監督:加藤弘之 脚本:大和屋暁)
 ダイゴヨウが源太の寿司の握り方に駄目出しを行い、売り言葉に買い言葉の末に、源太がダイゴヨウに解雇を通告。 前回の今回でクビにされた提灯は、空を飛んで家出してしまう。
 「飛べるのか……」
 凄く普通に感心する殿、今回は全体的に緩め。
 その頃ドウコクは、今日も元気に飲んだくれていた。
 「まずい! だがもう一杯よこせ」
 「まずいなら飲まなきゃいいだろうに」
 シタリが小声でツッコんで杯を投げつけられた所へ、アクマロがちょっとナルシスト入った新たなアヤカシを連れてくる。
 「お任せあれ! この俺の格好良さで、人間共を死ぬほど身悶えさせてやりましょう。ははははははは」
 「なんだか気持ち悪いやつだね」
 今日のシタリは、よくツッコむな(笑)
 人間界では、ダイゴヨウがあちこちで就職活動を行っていたが、不採用で落ち込んでいた。提灯である事を全く気にせず、 一般市民にがんがんアタックをかけるあたり、ガッツだけは溢れています。
 川辺で黄昏れるダイゴヨウの元へ、天使センサーを発動させてやってくる姐さん。
 「おいらはもう、皆さんとは関係のねぇ、ただの提灯でさぁ。ほっといてくだせぇ」
 「ほっとけって言われても、そういうのあんまり得意じゃないんだよね」
 モヂカラにより自立した意識が宿っているので、人工知能というか妖怪に近い扱いのダイゴヨウですが、 無機物と女性キャラの絡みというと、大和屋さんの師匠(浦沢義雄)の得意技を思い出す所です(笑)
 姐さんは、正論が人を傷付ける事もある、と生後一週間の提灯に大人の態度を説くが、 説得に失敗して提灯は飛び去り、そこへ外道衆出現の連絡が入る。
 「俺の格好良さを、思い知るがいい!!」
 いちいちやられ芸をするナルシストアヤカシは多重分身の使い手で、斬っても斬っても本体を倒せず苦戦するシンケンジャーだが、 アヤカシは乾燥肌で撤退。これは毎度の事ですしサブライターに言う所ではないのですが、シンケンは毎度苦戦→乾燥肌撤退、 が定例になりすぎているのが、マイナスな所。どんな戦隊でもある程度そうなる物語都合の怪人の一時撤退に理由を付けた所までは良かったのですが、 “理由がある”為に、かえって撤退のさせ方そのものが適当になっている、というのはいただけません。
 アヤカシの強力な術への対抗策を練るシンケンジャー、1人10体ぐらい分身斬ればいけるんじゃね? と、 格好つけなくて良くなってきた殿は、段々てきとーな素が出てきました。実のところ殿が修行熱心なのって、 強ければ殺し合いで全ての片が付くからで、十臓が殿にシンパシー感じたのも頷けます。
 そう、世界を救うのは勇気でも知略でもなく、武力。
 「料理が下手だってストレートに言われると傷つく気持ちはわかる」と源太に勝手にシンパシーを抱きつつ、 ぶつけるつもりの牽制球を男衆に投げる姐さんは、源太と提灯の仲直りを仲介しようとするが、意地になっている源太は折れない。
 「やなこった。俺はぜってぇ謝らねぇ」
 「あっそう。だったらあたしが探しに行く」
 茉子は街で提灯を探し回り、源太以外の4人もその後を追う事に。そして……ダイゴヨウは焼き鳥屋の軒先にぶら下がって客引きをするという、 見事な再就職を果たしていた。
 「姐さん……提灯てのは、なんだかわかりますか? 提灯てのは……提灯てのは世界を照らすものなんでさあ!  暗い闇を明るく照らし、人の不安を消し去り、正しい道を示す為に……おいら提灯は、その為に生まれてきたんでいっ!」
 提灯、志高い(笑)
 そんな提灯としての存在価値を親分(源太)に否定された事がどうしても許せない、と憤るダイゴヨウを、ぎゅっとする茉子。
 提灯を抱きしめる茉子、それを遠巻きに見つめる4人、という、物凄く不思議な絵に(笑)
 「もしもし、俺だ。折り入って頼みがある。焼き鳥を、買ってきてくれ」
 「その必要はねえよ」
 わざとらしく源太を焼き鳥屋へ向かわせようとする殿だったが、源太もまた、結局はダイゴヨウを探していた。 やってきた源太は提灯に土下座して仲直り。
 「結局、似たもの同士の意地の張り合いだった、て事よね」
 そこへアヤカシ出現の報が入り、闇を照らすダイゴヨウに続いて、次々と格好良く名乗るシンケンジャー。
 「シンケンジャー。長きに渡る因縁の決着、今日こそ付けさせてもらうぞ!」
 「なに言ってんだ、今日会ったばっかじゃねえか」
 「あいつはなんか、それっぽいこと言いたいだけでしょ」
 「構うな」
 前回アクマロが過去のシンケンジャーを知っている節の発言をしており(それ言うとドウコクも知ってるわけですが)、 何やらアクマロ一党には血祭団とは別の因縁がある模様。
 ドクロアヤカシの分身攻撃にやはり苦戦するシンケンジャーだが、ゴールドがその手に掲げたダイゴヨウがまばゆい光を放つ。
 「ダイゴヨウ! 思う存分輝いて、俺たちに正しい道示してくれ!」
 「外道照身霊波光線! 汝の正体見たり! 外道衆ドクロボウ!」
 「うう〜、バーレたか〜」
 (お約束)
 により分身が消滅して本体が炙り出されるのですが…………これ、苦戦シーン、いらなかったのでは(^^;  話の流れとしては当然ダイゴヨウが活躍する流れですし、かといってダイゴヨウから言い出すわけでも、戦闘中に誰かが閃くわけでもなく、 分身に苦しめられてやっぱり殿の作戦は無茶だ! となった後でゴールドが自信満々にダイゴヨウを掲げるというのは、ちょっと意味不明。
 「ダイゴヨウ、十手打ち!」
 やはり提灯とセットの新武器は十手モチーフのようで、ゴールドはドクロアヤカシの剣を叩き折る。殿は印籠をピンクに渡し、 こんなエピソードでスーパー化した姐さんが真・天空の舞でざくっと成敗。巨大化後の分身技はダイゴヨウがディスク乱れ打ちで薙ぎ払い、 最後は折神大海砲で滅殺。
 寿司屋と提灯は角突き合わせながらも元の鞘に収まり、シンケンジャーに心強く志の高い仲間が増えるのであった。
 というわけで、引退を覚悟した天才が置き土産のつもりで作った提灯はいざ引退を撤回してみるとなまじ魂を込めすぎた為に本人にとっては非常に鬱陶しい存在だった、 という源太の立場からすると凄く腑に落ちるエピソード(笑) 注目は、凄くさらっと茉子を「姐さん」と呼ぶ提灯。 早い! 調教早いよ!

◆第三十幕「操学園」◆ (監督:加藤弘之 脚本:石橋大助)
 ナナシ軍団との戦闘中、何故か呆然と立ち尽くす妙な様子の学生達に戦闘を阻害されたシンケンジャーは、 背後に外道衆の気配を感じ、学生達が通う鷹白学院にことは(転校生)と流ノ介(教育実習生)を潜入させる。
 (半分近くの生徒がまるで人形のように覇気が無い……やはり変だ)
 実は生徒達は、三途の川から妖術を用いるアヤカシ・クグツカイによって心を奪われ人形のように操られていた。 学園の生徒達を全て操り人形にした上で殺し合いをさせる事が、アヤカシの目的だったのである。 果たしてことはと流ノ介はアヤカシの正体を見破り、この外道の所業を止める事が出来るのか……というエピソードなのですが、 この脚本家は前回担当した偽千明回もそうだったのですが、話がプロットだけで終わってしまって、 そこから先の物語としての肉付けがあまりに足りない。
 骨と皮だけしかないものを「料理です」と言って皿に乗せているのですが、食べる所が全然ありません。
 例えば今回のエピソードは最も中心になっている部分を取り出すと、
 〔ことは(と流ノ介)が高校に潜入する〕
 というコンセプトなわけですが、そこで、何故ことは(と流ノ介)なのか?という部分が全く語られません。
 加えて、千明より年下という事で、中退・休学中・そもそも高校に通っていない、 などと色々と考えられることはが“女子高生を演じる”事によって生じるであろう様々な想いについて、 一切言及されません。
 そこを描かなければ、“ことはを高校に潜入させる”意味が無いのですが、ただ、ことはと流ノ介を高校に潜入させただけで、 物語を書いたつもりになってしまっています。
 その上、変な効果音でせわしなくことは(と流ノ介)を心配する千明や、流ノ介安定の滑り芸など、 くどいぐらいのコミカルシーンで尺を使って(というか稼いで)いるのですが、そのシーン自体が悪いわけではなく、しかし、 そこで尺を使うのなら、他に描くべき事がもっとあるだろうと。
 なってない、激しくなってない。
 そもそも単純に潜入させるだけならミスマッチで茉子と殿とかの方が面白くなるわけで (この辺りはキャラ回ローテの都合もあるかもしれませんが)、ことはを潜入させるなら、ことはの学生生活への想いなり、 ことはでないと描けない要素を入れるべきでありましょう。あと例えば、最初は茉子が立候補するけど「いやー、 姐さんじゃ無理があるでしょ」とかやり取りを入れておけば、花嫁回との対比になってシリーズ全体の連動性も出るわけです。
 で、その辺りの意味が全く描かれていないので、ドラマの軸となる筈の、ことはがクラスメイト・恵里と仲良くなるくだりも、 実に記号的。イベントですらなく、「記号」。
 一応、学園に持ち込んだダイゴヨウを見られた事がきっかけになるのですが、その後ダイゴヨウが絡むシーンも特にないので、 物語の要素の連動が一切ありません。
 というわけで、ことはが学園に潜入する意味が描かれない→故にクラスメイトとの交流も単なる「記号」→結果、 恵里を想うことはの描写も空回り、という地獄の三段跳び。
 更に更に、潜入初日に成果が得られなかった事に対して、彦馬が「とにかく明日こそ、かならず外道衆を見つけ出すのだ」 と言ってしまうのですが、メタ的には短期で解決するとわかっていてもいいわけですが、劇中の人物達が短期で解決するつもりなら、 「転校生と教育実習生」という潜入手段は極めて不自然と言わざるを得ません。
 そこは本来ネタ都合で許してもいい所なのですが、何が引っかかるかというと、潜入手段そのものが不自然な為に、 ラストのことはの「また転校する事になりました」という別れも、物凄く不自然になってしまう事。
 明らかにこのシナリオは、最後を「また転校」というある種のお約束で締めようとしているわけで、 それなら最初からそこへ向けて組み立てなければなりません。その為に重要なのは「転校生」という設定の必然性を高める事なのですが、 それを自ら破壊してしまっている。
 この彦馬の台詞は完全に余分なものであって、これが無ければ「転校生と教育実習生」はネタ都合で許される範囲なのですが、 余計な台詞で物語から説得力を奪ってしまっています。
 もしかしたら自覚があったのか、ラストでやたらに流ノ介が滑り芸を連発するのですが、それはそれでちぐはぐ。
 これなら、「実はシンケンジャーとして目的があってやってきた」というのがクラスメイト達にバレた上で送り出された、 という方がよほど納得がいきます(雰囲気的に皆わかった上で、ことはの演技に付き合っている可能性もあるけど)。
 技術論云々とは別に、この脚本家とセンスが合わない、という可能性もありますが、 物語というのはただイベントが順々に置いてあればいいわけではなく、それが有機的に繋がってこそ美しいわけです。
 何が一番引っかかるかというと、これで綺麗に締めたつもりになっているぽい所が、実に腹立たしい(笑)
 まあ加藤監督もこの時期はまだ、戦隊のローテ入りをした頃ぐらいなので、 演出でフォローしきれなかった所や各シーンのウェイトの置き方など、割り引いて見るべき部分もあるかもですが。
 で、話の方ですが、流ノ介が色々と誤爆している内に最後に残った恵里も人形とされてしまい、それを悔いることはが、 恵里の手首に巻き付いた見覚えのない紐に気付く。ダイゴヨウでその紐を辿ってアヤカシの潜伏場所を暴き、シンケンジャー集合するが、 操り人形達を人間の盾にするカニアヤカシ。
 赤と金の即席コンビネーションによる空中攻撃もディフェンスされてしまうが、イエローがモヂカラで「穴」を作ってブルーが飛び込み、 スーパー化しての地中からの奇襲で成敗。……て、今回、黄がスーパー化する順番では無かったのか(^^;
 なお、たまに凄い爆弾を投げることはが、人間の盾を穴に落として無効化するのかと思った事を、ここに告白します(笑)
 巨大化したアヤカシに対して折神を召喚するシンケンジャーだが、変形合体中にダイゴヨウが獅子折神を弾き飛ばした結果、 ダイゴヨウを中心に4つの折神が手足になるという、シンケンオー御用が誕生してしまう。
 「な、なんか、ようわからんもんなってもうた」
 「あれ? 殿? 殿ーーー」
 「…………」
 「もういいよ。このまま行こうぜぇ!」
 「そうね。なんか新鮮な気もするし」
 「おまえら……また俺余ってるだろ!」
 あ、覚えてた(笑)
 どうやら、ダイゴヨウの手足のジョイントがシンケンオーと共通規格のようで、玩具ギミックの要請ありきかとは思いますが、 ここは面白かったです。ちゃんと殿が昔の事を覚えていたのも良かった。
 アヤカシにイカが奪われて大海王が吹っ飛ばされるが、折神の伸縮ギミックを用いた電光ダイゴヨウキックから、 本来腕パーツとなる筈だった十手を武器に使う十手一直線により、シンケンオー御用がアヤカシを刺殺。
 ……もう、ダイゴヨウ以外のメカは要らないのでは。
 久々に酷いシナリオを見てしまいましたが、良かった探しをすると、クグツカイはカニっぽい大枠の中に操り人形が収まっていて、 どちらが本体にも見えるという、気持ち悪いかつ秀逸なデザインでした。見せ方も良かった。次回――荒ぶるダイノガッツ?

→〔その7へ続く〕

(2015年6月6日,2016年11月30日)
(2017年9月3日 改訂)
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