■『天装戦隊ゴセイジャー』感想まとめ2■


“断罪! 許さない
鉄槌! ナイトダイナミック!
容赦はしない 敵をバニッシュ!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『天装戦隊ゴセイジャー』 感想の、まとめ2(11〜20話)です。〔GYAO!〕 の一挙配信で全50話を2週間で視聴した為、全体的に大雑把な内容となっております。 文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ3〕  ・ 〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕 ・ 〔総括〕


◆epic11「スパーク・ランディックパワー」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久)
 見所は、ようやく単独回かと思ったら、何故かデータスに出しゃばられる黄色。
 病院の少女を励ます為に、チアガールに扮装して踊り倒すモネというのは、役者さんの特技活かし系エピソードでしょうか。 難しい手術を控えた少女を元気づけるモネだったが、蛾様の秘密兵器、電撃セミ星人が出現。電力の吸収と放電攻撃を繰り返すセミにより、 大停電が起きてしまう。
 少女の手術を成功させる為、踊りによって大地を振動させ、それを天装術で電気へ変換するイエロー。データスがそれを増幅させ、 少女の手術は無事に再開。強敵セミ星人も、過剰電力で打ち破る事に成功する。
 だが、巨大化したセミはゴセイグレートのゴセイパワーを吸収し、行動不能に陥るグレート。駆けつけたデータスも当然一蹴されてしまう。
 「どうして……どうして僕には戦う力が無いんでしょう? 悔しいです……悔しいです……!」

――力が欲しいか?

 データスの慟哭に応えて、もはやベルトですらなく地面の上に新たな天装術カードが出現し、更に憎しみのオーラ力によりデータスが巨大化。 イエローが天装術で召喚したハイパーチェンジヘッダーを装備し、今ここに、データスハイパーが降臨する!
 等身が上がり顔も勇者ロボっぽくなったデータスですが、どうあがいてもボディが真四角の筐体なので、格好良くは……ならない。
 サポートメカがそのまま巨大化して2号ロボに、というのはかなり珍しいパターンでしょうか。
 この辺り、身近の年長者キャラ(天知博士)は戦隊とは無関係、長官ポジションは一応いるがミノフスキー粒子の影響で連絡が取れない、 マスコット兼サポートメカは1クール目で早くも兵器に、というのは微妙にパターン崩し。
 ハイパー化したデータスは定例のボクサータイプで、データスダイナミッククラッシュにより電撃セミを撃破。 かなり強力な筈のセミでしたが、踏み台として無残にパニッシュされました。
 「キャラクター」というよりほぼ「アイテム」扱いだったデータスが突然感情を吐露し、幾ら何でもあまりに唐突。 この辺りまでは企画段階から予定された通りでしょうし、これをやるならもう少し、データスの感情面を随所で少しずつ挟んでおいて、 キャラクター化をしておいて欲しかったです。
 長石監督をパイロット版に招いた関係もあってか、1クールで6人の監督を投入しているのですが、 その影響で演出の方もキャラクター(役者)や世界観を掴みきれておらず、手探り感が強いのが、 流れを持ったキャラクター描写の組み立て不足に拍車をかけています。
 例えば、シーンの位置関係の都合もあるとはいえ、戦闘中に吹っ飛んだ時に誰が誰を助け起こすのかなども、未だにてんでばらばら。 モネがアグリよりアラタを優先していたりは、かなり違和感があります。会話シーンなどでも、 誰と誰をどういう位置関係と距離感で絡ませるのか、などが不安定。結果、つまらない喋らせ方のカットも増加。 それはデータスの描写などしている余裕はなかろうといった具合で、露骨に色々巧く回っておりません。演出ローテが安定してきて、 立て直してくれる事に期待(^^;

◆epic12「ミラクル・ゴセイヘッダー大集合」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久)
 今回の名台詞:
 「そっちが地球なら、俺は宇宙の力だ」
 正論過ぎて負けそう(笑)
 「デレプター。久しぶりにアレをやるぞ。おまえと2人で、幾つもの星を滅ぼしてきた、アレをな」
 いきなり肩を組んで「兄弟船」でも歌い出しそうなノリになった蛾様とカマキリが、地球へ出現。 ゴセイジャーをあっさりと退けた蛾&カマキリは、蛾様の体内に存在する暗黒エネルギーを解放する事で月を地球に落下させる秘術 「引力落とし」を発動し、地球滅亡が迫る、突然の激しいクライマックス展開。
 敵との力の差を認めないどころか、これまでの勝利に驕って戦いに逸り、力に溺れて天装術を使う事さえ出来なくなってしまった5人は、 マスターやデータス、望の言葉に護星天使としての正道に立ち返る……。
 ま、まあ、これまで絶望的な状況で戦い続けてきたわけで、脳内麻薬出しまくりで多少ハイになってくるのは戦場の常として仕方がありません。
 生き残る為には、動くものは撃つしか無いんです。
 自然の声に再び耳を傾ける5人。1人、海に浮かぶハイドさん、熱すぎる……(笑)
 「俺たちは、海と大地と、そして青空と共に生きている。そんな大切な事、俺は奴等に挑発されて、また忘れてしまった」
 「俺たち、自分の未熟さとか能力とか、そんな事ばかり言ってた! でも、違うんだ。俺たちの力は、地球が与えてくれる力なんだ!」
 戦いとは何かを見つめ直し、秘術を完成させようとする蛾とカマキリに再び立ち向かう護星天使達。
 「おまえ達もわかったか」
 「ああ、大事な事を忘れてたぜ」
 「この地球と、一緒に戦うんだもんね!」
 そう、自分の力ではなく、地球と一つになる力――それこそが、護星天使の真の強さ。
 秘術の為に胸に斧の刺さった蛾様、取り囲まれてちょっと狼狽(笑) 兵隊を護衛に配置しておくべきだったと思います。
 「「地球を包む、天空の力!!」」 「「地球を支える、大地の力!!」」 「地球を育む大海の力!」
 5人は地球とシンクロした連係攻撃でカマキリをパニッシュ。蛾様は撤退し、カマキリは巨大化する。 宇宙の力を振るう流星カマキリの攻撃に苦しむゴセイグレートとハイパーデータスだったが、 地球意志から生まれた生命体であるゴセイヘッダー達と心を一つにする事で、新たな天装術が誕生。 ひっくり返ったデータスが背中にくっついてアタッチメントが増え、全てのヘッダーをくっつけた、 究極多頭ロボ・ハイパーゴセイグレートが降臨する。
 「なんだこの化け物はぁ?!」
 凄く素直な感想を口にするカマキリに、全頭一斉発射のハイパーヘッダーストライクで天罰執行し、 戦士として新たな段階にレベルアップした5人は、強敵カマキリを撃破し地球崩壊の危機を食い止めるのであった。
 1クールの締めを飾って、1話から登場していたカマキリが死亡。さんざんレッドと因縁付けていたのに、 5人の連携攻撃から合体技で撃破、というのは、今作の方向性が打ち出されていて、ちょっと面白かったです。 拳と拳でわかり合った腹心を失った蛾様は、果たしてどうする?!
 何故か、初期ED映像に戻る。

◆epic13「走れ! ミスティックランナー」◆ (監督:竹本昇 脚本:大和屋暁)
 カマキリが死んで、カミキリムシが登場。種を食べる事で反射属性を得るカミキリムシに苦戦するゴセイジャーだが、 レッドが放った落雷を防げず大爆発。
 「そんな技があったとは……」
 早かったな……転落。
 だがピンクの方は落雷の術が使えずにカミキリムシを逃がしてしまい、エリはアラタの教授でそれを特訓する事に。 ところがアラタの指導は全く要領を得ず、苛立つエリは1人で特訓を重ねる内に、 アラタの指導が自分が幼い頃のアラタに教えた事にそっくりなのを思い出す…………意 趣 返 し ってヤツですか?!
 「大好きなものが多ければ多いほど、私達は強くなれる。大切なものを護りたいという気持ちに、天装術は必ず応えてくれる」
 とここで、突然配信される天装術DLCは、地球の力から送られている、と何となく理由付け。
 勇気に応えて魔法が配信される『魔法戦隊マジレンジャー』と似たようなシステムですが、『マジレンジャー』が、 配信元が天空聖界マジトピアサーバーであると具体的にすぎてやや悪意や邪念を感じたのに対し、 もっと漠然とした“地球の力”とする事で、ある程度クッション作用が発生しているのは、反省を踏まえて活かした感じ。
 まあ、それが出来るなら、もっと早い内に物語と連動させて定義付けを表明しておいて欲しかったですが(^^;  どうもこの辺りの見せ方の順序にも、迷走が見えてなりません。まず勢いでギミックを見せて後から設定を盛っていく、 という手法自体は有りだと思うのですが、上手く行ってはいない。
 変に前後編に引っ張らないで出来る限り一話完結にする、毎回のメッセージ性を少々しつこいぐらいに重視する、 と児童向け作品として原点に返ろう、みたいな意識が見える方向性は嫌いではないのですが。
 ダブルサンダーでカミキリムシを打ち破るも、ブレドランに苦戦するゴセイジャーだが、 新たにミスティックブラザーとしてダチョウが召喚され、ブレドラン、轢かれる。 ダチョウは更に卵シュートでカミキリムシを一撃粉砕し、巨大化後は左肩にダチョウハリケーンを搭載したミスティックゴセイグレートの卵大旋風で天罰執行。
 地球、強い。
 前回究極多頭合体したと思ったら、即座に新ギミック(今回はボディ付き)が追加されましたが、 メッセージ性を持った天装術訓練の部分と、クライマックスのダチョウ召喚の間に物語の連動性が全くなく 、脚本家陣の物語とギミックを繋げる気の無さが、あまりに露骨で 恐怖を感じるレベル(^^;
 プロデューサーのオーダーもあるでしょうから、誰に一番やる気が無いのかわかりませんが、半ば抗議のハンストに見えるのですが。
 その辺りはもう今作では諦めるとして、冒頭、カードをその辺りに置いて失くすアラタ、 それを怒るエリ(自堕落キャラだったのでは?)、と相変わらずキャラの描写が安定せず、 せめてその辺りはもう少し統一してほしい所です。
 その癖、オチではモネが全員分のコーヒーを淹れて「ハイドにもちゃんとあるよ」(2話ではアグリにしか持ってこなかった)って、 そこは拾うのか(笑)
 何故か、EDがカラオケに戻る。

◆epic14「最強タッグ誕生!」◆ (監督:竹本昇 脚本:大和屋暁)
 OPに色々追加。そして、宇宙昆虫軍団の助っ人に稲田怪人が登場!
 後先考えずに全ての食材を使って膨大な量のシチューを作ってしまったモネをハイドが子供扱いし、反発したモネは遂にハイドを 「おっさん」呼ばわり。ただでさえぼっちなので、もう少し優しくしてあげてください……。
 「いやしかしこれは……俺もちょっと作りすぎだと思うぞぉ」
 アグリが! 友情を! 優先した!!
 そんな所に稲田声の異次元ツノコガネ星人が登場し、青と黄はコガネムシの操る空間の歪みに呑み込まれ、黒も一撃でやられてしまう。
 冷静に状況を分析して事態の変化を待とうとするハイドと、とにかく行動せずにはいられないモネは閉じ込められた真っ白空間の中でも対立するが、 我武者羅にモネが壁を殴り続ける事で、ハイドが空間の隙間を発見。2人は協力して脱出に成功し、連係攻撃で強敵コガネムシをも撃破するのであった。
 「子供のくせに、なかなかやるな」
 「おっさんもね」
 2人の息が合いすぎて、お兄さん、動揺する。
 モネはこのまま、「走るだけで考えない」突貫系ヒロインの座に落ち着きそうでしょうか。
 序盤はアラタもそういう傾向があったのですが、どちらかというと、 他人の心の機微に敏感な部分を目立たせてバランサー系レッドになっていきそうな気配。 アラタもアラタで物語都合で前傾姿勢の角度が変わりがちなので、バランサー系レッドで行くなら行くで腰を据えて描いてほしい所でありますが。
 カブトムシがパニッシュされ、蛾様、怒りのハイパー化。それを物陰から思惑ありげに見つめるむっつりすけべ……てあれ?!  まさかの乗っ取り展開?! ブレドランはあまり虫虫していないけど、とりあえず名前覚えやすいからいいか、と流していたのですが、 今回のカブトムシと比べると、クワガタ、なのか……?(角が) ※ブレドランのモチーフは、ツノゼミ、との事。

◆epic15「カウントダウン! 地球の命」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子)
 見所は、早々と地球滅亡を受け入れる少年達。
 この世界の人類は、良い方向にも悪い方向にも、割り切りが早い。
 蛾様が地球に大規模な宣戦布告を行い、地球全土の酸素が減少。更にウォースターの母艦を惑星爆弾として地球に直撃させ、 地球上の生命を根こそぎ滅ぼそうとする。
 割と平然と、博士の横でデータスと話したりしているのですが、それでいいのか。……同一人物疑惑は完全に消えましたが(笑)  まあ博士、望遠鏡覗いている時は周囲の事は何も聞こえないのかもしれませんけど。
 巨大化した蛾様と落下してくるウオースター母艦にゴセイグレートとデータスが立ち向かい、データスの頭にダチョウウィングがついて、 大変な事に。
 これは、笑ってしまったので私の負け(笑)
 ハイパー化した蛾様に追い詰められるゴセイグレートだったが、究極多頭合身ヘッダー乱舞により蛾様を撃破。……て、 蛾様死んだーーーーーー?!
 ブレドランもUFOごと吹き飛んだーーーーー?!
 ……なるほど、悪の組織の抱える必然的なへたれ化という抜本的問題を解決する為に、 悪の組織の賞味期限は約1クールであるという事にしたのか。
 30話超えた辺りで大ボスを倒したと思ったら真の支配者が、みたいなのは結構ありますし、遠く過去に遡れば、 ファントム軍団→デスパー軍団、ゲドン→ガランダー帝国、のような大幅な入れ替わりの例も幾つかありますが、 改めて00年代にそれを意識的にやろう、というのはなかなか挑戦的。
 ただ、「地球の大ピンチ」とか「絆の力」とか、積み重ねがあってこそ成立するクライマックス展開を、 それほど積み重ねていないまま、表向きのデコレーションだけ持ってきて行っている為、話は正直滑り気味。
 30話ぐらい蓄積があって成立する展開を、15話でやろうとしてしまっており、 15話分のクライマックスなら15話なりのクライマックスをもう少し考えて組み立てて欲しかった所です。
 いきなり最終回みたいなクライマックスを敢えて持ってきたかったのはわかるのですが、 主人公達がそのいきなりクライマックスに対応できるほど成長していたように思えず、主人公達の成長曲線と、 物語の盛り上げ所の持って行き方にズレがあって、うまく効果を発揮できませんでした。
 逆に、ゴセイジャーがとにかくやたら強い戦隊、とかだったら対応可能で納得いくのですが、 実際は見習い天使の成長を描きたいようですし、そういった物語中の「主人公達に対する壁」と、 「それを乗り越える事を受け手に納得させる為の積み重ね」が、どうも今作はうまく噛み合っておりません(^^;
 かくしてウオースター首脳部は円盤ごと吹っ飛び、大規模記憶消去により、人々はこの事件を忘れてしまう。 ……博士の扱いがぞんざいだったのは、後でまとめて記憶消すつもりだったからか(笑)
 「あのさ……天使って居ると思う?」
 ラスト、1人だけ記憶の残っている望の級友達へのこの台詞と、見上げた空に舞う天使の羽根、のシーンは良かった。
 ただ望少年、クラス内ヒエラルキー低そうなので、電波発言は慎重にな!

◆epic16「ダイナミックアラタ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子)
 OPに、前回のウォースター壊滅シーンが入るという、ちょっと面白い演出。
 天知家ではウォースター撃破の祝勝会が行われ、「で、何がめでたいんでしたっけ?」と博士に言わせたのは良かった(笑)
 そんな博士は、望に促されて「素晴らしき星空の会」の集まりへ。
 …………博士、悪い事は言わないので、その集まりからはすぐに退会した方が良いと思います。
 というか、新しい敵?
 (※2年前の『仮面ライダーキバ』に似たような名前の悪の秘密結社が登場。『キバ』に参加していた中澤監督のネタか?)
 新たなる邪悪の影は思わぬ身近に迫っていたが、ひとまず地球への脅威は去り、余裕のできた天使達。 連絡のついたマスターヘッドに天使として出来る事を考えるようにアドバイスを受け、前のめり兄妹は「何はなくとも体力」とランニング、 ハイドは地球環境への知見を深める為に図書館へ、エリは呑気にお散歩と買い食い。だが、アラタは1人、 暗い表情で何かに思い悩んでいた。
 「なんか……胸騒ぎ」
 祝勝会の最中も珍しく暗い表情でちょっと面白い振りだなぁと思ったのですが、結局、アラタだけなんか鋭い、 にまとめてしまうのか(^^; アラタにはアラタの天使としての悩みがある、みたいな作りでもいいと思うのですけど。
 アラタの胸騒ぎは的中し、何とまさかのデレプタ復活。いつの間にか組織の犬になっていた事を反省し、 会社という枷から解き放たれてより強い力を得たカマキリは次々とゴセイジャーを倒していき、最終的にレッドと一騎打ち。 激しい戦いの末、仲間に見守られたレッドの、護る為の力が、カマキリを打ち破り今度こそ煉獄送りにパニッシュするのであった。
 ウォースター壊滅後のカマキリ復活、というのは面白かったですし、アラタとカマキリの因縁を改めて拾ったのも良かったですが、 アラタのグレードアップは、結局いつもと言っている事変わらず(^^;
 メッセージ性重視は良いのですけど、「無駄な事なんてない」「諦めずにやってみる」「何かを護る為に戦う」 というテーマが初期から完成されすぎていて、それを繰り返すだけになってしまっており、3話、12話、13話のように、 露骨にマイナスを描いてからでないと、メッセージを通じたプラスへの成長が表現できていないのは色々と苦しい。
 メッセージは込めたいけど、あまり早く固めすぎると作劇の幅が狭まる、というのは児童向け番組の難しさだなぁ、と改めて。 まあそれを乗り越えて、もっと話のパターンを描いてこそ、だとも思いますけれども。

◆epic17「新たな敵! 幽魔獣」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久)
 アラタが電波に鋭い、というのは便利設定として登録してしまうらしく、かつてなくおぞましい気配を感じたアラタに引きずられたゴセイジャーは、 前回、デレプタが無差別攻撃を行った際に崩れた山の麓で、謎の足跡を発見する。
 狙ってやっているなら本当は、新組織が出てくる謎の箱は、組織交代直前のタイミングで見せるのではなく、 少し前からの伏線にしておいた方がスマートなのですが、児童層向けのわかりやすさを優先したか。
 データスも異常な電波を感知した頃、国会付近に謎のツチノコ怪人が出現し、内閣総理大臣・畑山を襲撃する。
 …………おお、悪の組織が、現実の政治的中枢を狙ってきたぞ!
 まあ、ネーミングの元ネタ的にその人は居なくなっても特に問題なさ(以下検閲)。
 更に何故か、アイドルグループを襲って溶かしてしまうツチノコ。なんだこのシーン…… と思ったら今度は人気スポーツ選手など次々と著名人が消息を絶ち、ツチノコが国民的有名人を狙って襲っている事が判明する。
 ハイドがまたも囮作戦を行ってツチノコを誘き出す事に成功し、ゴセイジャーの前に現れたのは実行犯であるツチノコ怪人と、 それに指示を出していた、地球ギゴク集団・幽魔獣を率いる、ブロブとビッグフット。
 数万年前から存在し、地球を自分達が住みやすいように毒で満たした星にしようと目論む幽魔獣は、 手始めに著名人をヘドロ化してしまう事で、人々の心から希望を奪おうとしていたのだった。
 どうやら長い眠りから目覚めた?直後にインターネットに繋げてニュースサイトを漁ったようですが、『ゴセイジャー』の敵は、 丁寧に下調べ路線なのか(笑)
 今度の敵コンセプトはUMAの模様ですが、ブロブ(まあスライム)がボスクラス、というのはなかなか斬新。また、 ツチノコの着ぐるみは、口の開閉ギミックが非人間的な形でかなり大きく動くのがいい味。
 過去の護星天使と戦った事があるような口ぶりの幽魔獣に苦戦するゴセイジャーは、 ツチノコの毒液を浴びせられて絶体絶命の危機に陥るが、その時、輝く球体が飛来して5人を助け、 ゴセイマークを兜に輝かせる銀色の騎士が姿を現す。
 「貴様、何者だ?!」
 「星を浄める宿命の騎士、ゴセイナイト!」
 いきなり宮内タカユキボイスの挿入歌が入り、銃を手にするゴセイナイト。
 「地球汚染源発見」
 ……あ、この人、ヤバい人だ(笑)
 銃と光剣でツチノコを圧倒するも、ブロブの拘束光線を浴びた所にツチノコ大回転を受けて吹っ飛ぶナイトだったが、 瓦礫の下から平然と立ち上がると携帯電話型メカを取り出し、天装術を発動。
 「ここからが、私のターンだ」
 ヤバい、間違いなくヤバい。
 「断罪のナイティックパワー――バニッシュ!」
 絶対ヤバい。
 ナイトはバルカン斉射・ナイトダイナミックによりツチノコをバニッシュするが、ツチノコは謎の力で巨大化。対してナイトは、 何と自ら巨大なヘッダーと化すと巨大ダンプのボディを素体とし、ホワイトライオン戦車へと変貌する。
 ……鋼鉄ジーグ?(笑)
 「星を傷つけ汚す輩は、星と私が許さない」
 勝手に星を代弁していて、ヤバい、筋金入りにヤバい。
 一斉射撃でツチノコを断罪執行したゴセイナイトは、戦いを終えて話しかけてきた5人を無視して立ち去ってしまう。果たして、 ゴセイナイトとは何者なのか? 背中に、ボタン電池をはめるような窪みがあって、とても気になります。
 一方、ツチノコが巨大化した事に首をひねっていたブロブとビッグフットの前に、爆死したと思われたブレドランが現れる。 その通り名を、チュパカブラのブレドラン。なんと、ブレドランはもともと、幽魔獣の一員だったのである!
 あまり虫っぽくなかったブレドランは、悪の組織と悪の組織を繋ぐ存在であった、とこれはなかなか面白い使い方。……にしても、 何故、チュパカブラ? もっと格好いい語感のUMAは居そうな気がするのですが(^^;
 ナイトの方は幽魔獣を知っているようでしたが、幽魔獣はナイトについて首をひねっており、 互いの封印と復活についてはは過去の護星天使が絡む話になりそう。……いきなり、次回マスターヘッドが説明する可能性もありますが(笑)
 ゴセイナイトは黒地のボディに銀アーマーをまとい、金色のアクセント、と格好いい色彩。一目見た印象は銀ピカのウルザード (『魔法戦隊マジレンジャー』)だったのですが、どうやらそんな甘いものではなく、某銀色の宇宙刑事や某JPさんの系譜に連なる、 メタルヒーローからの刺客のようです!(笑) かつてなく危険な匂い。
 ゴセイナイトが熱すぎて、挿入歌(「ゴセイナイトは許さない」)を調べたのですが、
(1番サビ)
断罪! 許さない 鉄槌! ナイトダイナミック!
容赦はしない 敵をバニッシュ!
断罪! 迷いもなく 粉砕! 星を浄める宿命の騎士
我が名はゴセイナイト!
(2番サビ)
断罪! 許すまじ 激震! ナイトダイナミック!
胸の矜持を貫き通せ!
断罪! 悲しみは 忘却! それこそが正義の証左
その名はゴセイナイト!

 断罪! 鉄槌! 断罪! 粉砕! 断罪! 激震! 断罪! 忘却!
 ヤバい、ヤバすぎるゴセイナイト……!

 悲しみは 忘却!

 が破壊力高すぎます。
 個人的に凄く盛り上がってきた……!

◆epic18「地球(ほし)を浄める宿命の騎士」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久)
 OP、幽魔獣に入れ替え。
 幽魔獣は1万年前のゴセイジャーと戦って封印された者達であり、ゴセイナイトというゴセイジャーは登録されていないが、 ライオンヘッドは1万年前にゴセイジャーと共に戦い、行方不明となったヘッダー……つまりゴセイナイトは、 ヘッダーが超進化した存在ではないか……と、本当に冒頭でマスターが全部解説した(笑)
 そんな時、そのナイトが、化学工場を破壊する事件がニュースになる。
 やはりこの人、人間愛を信じていないジャンパーソンなのではないか(笑)
 戦隊的には「バイオ粒子反応あり」なのでしょうが、何だか戦隊ワールドに迷い込んだメタルヒーローの気配が濃厚に漂い、 その中でも特にこの、傍若無人・問答無用・圧倒的戦力は、東映ヒーロー史における正義と狂気の北極点・名作 『特捜ロボジャンパーソン』(1993)を思い起こさずにはいられません。
 機械的な風貌に加え、初登場時の、直立気味からの射撃、敵の攻撃を敢えて受けた後で平然と立ち上がる、 などのアクションもどこかジャンパーソンを彷彿とさせますし、意識している、と言われたら信じるレベル。
 (なおゴセイナイトのスーツアクターは、『ジャンパーソン』ではジャンパーソンの宿敵ビルゴルディのスーツアクターであった、 岡元次郎氏との事)
 「邪魔をするな。この工場はこの地球を汚す液体を垂れ流している。この建物は地球を汚す――破壊必要レベル8だ」
 ナイトは止めに入ったゴセイレッドを殴り倒し、ざくざくとゴセイジャーを撃ちまくると、工場を破壊。
 「地球汚染源、消滅」
 そしてマスターヘッドの推測通り、自らが地球に力を与えられて超進化したヘッダーであると語る。かつての幽魔獣との戦いのさなか、 いつの間にやら(本人談)、氷の海で眠りについていたライオンヘッダーは、長い時の中で地球環境の汚染されていく様を知り、 それを食い止める為の力を地球に与えられると、幽魔獣の復活をきっかけにゴセイナイトとして目覚めたのであった。
 「私は地球の浄化作用そのものだからな」
 ……て、生まれたての絶対浄化って、ますますMX−A1(笑)
 逃げる奴は汚染源だ!
 逃げない奴はよく訓練された汚染源だ!
 ゴセイナイト・フォー・アース!
 一方、幽魔獣のブロブはミイラ怪人を復活させ、電波ジャック。TVから飛び出す包帯が人々を閉じ込めていくが、「私が護るのは、 あくまでこの星だ」と人間の存在を歯牙にも掛けないナイトは内部の人間ごとTV局をまとめてバニッシュしようとし、 ゴセイジャーは必死にそれを止める。
 「人間とは愚かな奴等だ……どこに守護する価値がある」
 結局、約束した5分のタイムリミットをゴセイジャーが守れず、ナイトが突貫しようとするも黒と黄が何とかそれを食い止め (一応ヒーローサイドの筈なのに、女の子にも容赦のないナイト熱い)、そうこうしている内に赤達がミイラをTV局の外に放り出す事に成功。
 「私は、地球の力を全て持っている」と天地海全ての属性の天装術を使いこなすナイトはミイラ怪人を断罪するも、 ブレドランの虫で巨大化したミイラには、もはや地球の脅威ではないと無視を決め込む。そんなナイトに、 アラタは自分達が何の為に戦うかを見ていてほしいと告げ、ゴセイグレート降臨。
 胸にノコギリザメをつけたアナザーシーイックや、胸にクワガタをつけたアナザーランディックなど、 頭部すげ替えによる派生パターンを次々と見せるロボ戦で、今作では久々に主題歌が入り、ナイトにこれを伝えようとしている、 という良い演出。ブロブの滑稽でしかし不気味な動きの見せ方など、ようやく、2周目に入って演出陣に遊び心が出てきた感じもあり。
 最後は容赦なくハイパー化し、大して強くなかったどころか巨大化しても地球の脅威ではない扱いを受けたミイラ怪人に頭突き乱舞で天罰執行。
 「みんなの笑顔……それが俺たち護星天使の護りたいものなんだ」
 「笑顔……私には意味のないものだ」
 簡単にほだされなくてホッとしました(笑)
 「ゴセイナイト……使えそうだな」
 そして独り立ち去るゴセイナイトに、物陰からブレドランが熱視線を送るのであった……。 赤い甲殻類っぽい装甲など微妙にマイナーチェンジしたブレドランは、今回、幽魔獣としてゴセイジャーに顔見せ。 面白い位置づけだとは思うのですが、何故、むしろ格好悪くなったのか。何故、チュパカブラを選んだのか。色々と謎が募ります(笑)

◆epic19「ゴセイナイトは許さない」◆ (監督:竹本昇 脚本:八手三郎)
 流れ的にはゴセイナイト3部作的に荒川さんの担当回だったと思うのですが、いったい、脚本に何が(^^;
 カッパ、大友龍三郎声のカッパ! が出現し、謎の虫に吸い込ませる事で大量の人間を誘拐し、ゴセイナイトまでが吸われてしまう。 作戦を指揮するブレドランの目的は、捕らえたナイトが強引に脱出しようとして放出するエネルギーを利用し、 さらった人間をカッパに変え、大量増殖したカッパにより世界中の水分を吸い尽くしてしまおうという、 「ドキッ☆カッパだらけの干ばつ大作戦!」であった。
 ナイトの放つゴセイパワーを感知する事でゴセイジャーはさらわれた人々の元に辿り着き、 相撲のトラウマを乗り越えたブラックが人々の解放に成功。5人は囚われのナイトの元へ駆けつける。
 吹っ飛んだカッパが走るブレドランに思いっきりぶつかるシーンがあるのですが、首の辺りに横から行っていて、 中の人に結構ハードなアクションだったような(^^;
 「この私が……地球を破滅させる作戦に利用されていたとは」
 ブレドランとカッパの計画を知り、衝撃を受けるゴセイナイトを檻から助け出そうとする黒と黄。
 「私を救おうとしているのか。何故だ」
 「それはな。俺たちが、おまえを信じてるからだよ」
 ナイトに最も反発していた黒だが、子供をさらわれた父親が自分達を信じてくれると言った言葉を聞いた事で、 同じ護星の志を持つ者としてナイトを信じようと決意する。
 ここで、「それはな」の所で頭のゴセイマークを指で軽く叩いてみせる、というのは良かった。
 「星を護りたいって気持ちは、私達も一緒なんだから」
 「……!」
 存在のアイデンティティを激しく揺さぶられ落ち込むナイトの心の隙間につけ込む黒と黄。 鮮やかな兄妹コンビプレイがゴールデンゴールを叩き込むかと思われたその時、2人は背後からの攻撃で吹き飛ばされてしまう。 優位に立ったと思ったのも束の間、立ち直ったブレドランとカッパの攻撃によりあっという間に追い詰められるゴセイジャー。
 青「負けるか……俺たちは諦めない!」
 黒「ああ……その通りだ」
 桃「今私達が諦めたら、地球は終わる」
 黄「ぜっったい終わらせない」
 赤「星を護るのは、俺たちの使命なんだ!!」
 若く未熟――だが、今生の護星天使達の星を護る熱い想いを知ったゴセイナイトは、 渾身の力を振り絞ってフルパワーで檻を内部から力尽くで破壊。爆炎が晴れた所で挿入歌「ゴセイナイトは許さない」の前奏が流れ出し、 ここからは私のターンなのが怒濤のヒーロー演出で滅茶苦茶格好いい。
 ナイトは驚愕するブレドランをすかさず高速ダッシュ体当たりで吹き飛ばすと、ゴセイジャー達を助けがてら携帯電話を取り返し、 始まる断罪タイム!

お前たち 気付かないか 病みゆく 地球のあえぎ
自分だけ 可愛いなら やがて終わる この世界

 「星を浄める宿命の騎士――ゴセイナイト。私はお前たち幽魔獣を許さない!
  ――ここからは、私のターンだ」

育まれ 生きる輩ども この大地を 傷つける
今誰か 立ち上がれるなら 私がいる 邪魔は要らない

 ゴセイナイトは、凄まじい力でレーザーブレードを振るい、ブレドランすら圧倒。そして必殺の一撃が炸裂する!

断罪! 許さない 鉄槌! ナイトダイナミック!
容赦はしない 敵をバニッシュ!
断罪! 迷いもなく 粉砕!
星を浄める宿命の騎士 我が名はゴセイナイト!


 カッパは大爆死し、ブレドランは辛くも撤退。巨大化したカッパに対してグレートを呼び出そうとするゴセイジャーだが、 ナイトはそれを押しとどめる。
 「お前達は手を出すな。――やはり私のターンだ」
 ベルトに生まれた新カードの取り方まで、いちいち格好いい。ナイトは新配信のDLCナイトブラザーカードを用い、 飛行船と豪華客船を素体に、赤と青、海と空のライオンメカを生み出すと、ホワイトライオン戦車を合わせて3体のライオンが合体し、 天装合体・ゴセイグランドが降臨する!
 ゴセイジャーはすっかり応援団と化し、重量級のグランドは「星を傷つけ汚す輩は、星と私が許さない」の決め台詞と共に、 ミサイル体当たりでカッパを粉砕!
 星の力を得た強制浄化執行代理人という事で、「星と私が許さない」が、詐称でない事も判明しました(笑)
 戦い終わり、さらわれた子供は無事に両親の元へ戻り、どさくさで流さずにちゃんと記憶を消すシーンを入れたのは良かった。
 ナイトはゴセイジャーに感謝を述べ、アラタの「仲間」発言から、エリが
 「だから、もっとあなたの事を知りたいな」
 とボディタッチで戦力に引きずり込もうとするが、
 「私は私で戦う。星を護るのは、私だ」
 拒否られる。
 「また会おうぜ、ゴセイナイト」
 落ち着いて考えると、ゴセイナイトは5人を少し見直したけど、人類に対する評価は特に変わっていないので関係性はそれほど改善されていないのですが、 なんとなく3歩前進みたいなオチに。……実態は多分、半歩前進ぐらい。
 囚われのナイトが黒と黄に檻から助け出されると間抜けな上にいきなり株が下がってしまう所だったのですが、自力脱出でそれを回避。 その上で、ゴセイジャーの言葉があって、とする事でゴセイジャーの存在意味も出し、バランスとしては良かったと思います。
 著しくパワーバランスが狂って若干のやり過ぎ感はあるのですが、“そもそも人間ではない”とする事と、 開き直ったヒーロー演出で強行突破(笑) そう、格好いいは正義。過去にも何人か例がありますが、 戦隊の中にメタルヒーロー的な格好良さを持ち込む、というのは、頻繁には使えませんが有効な手法だな、と改めて。
 この後ナイトがどんな扱いになるかわかりませんが、この17−19話で、『ゴセイジャー』マラソン前半の元は取れた気がします(笑)
 超ツボ。
 使命感は強いけど、どこかふわっとした天使達に対し、一つの目的の為だけに生まれた“純粋正義”というのは面白い対比とテーマになると思うので、 あまり大きな期待はしないけど、上手く使ってくれる事に期待したい。

◆epic20「フォーリンラブ・ゴセイジャー」◆ (監督:竹本昇 脚本:下山健人)
 グランド、OPに追加。ギミックも多いけど、OPちょこちょこいじってくるなぁ。
 道で告白の練習をしている近所の男子高校生を発見する望とアラタ。恋のキューピッドになれば、と望がアラタを焚き付け、 天使達は恋愛相談に乗る事に。ところが天使達は揃って色恋には疎く、「恋は戦いですから!」という天知博士の言葉を真に受けて、 アドバイスは果てしなく迷走していく事に……。
 2015年現在『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のメインライターを務める下山健人の、戦隊初参加回。 浦沢義雄−大和屋暁の系譜という事で基本コミカルタッチながら、今作らしいメッセージ性を盛り込みつつ、 高校生の恋愛を中心に据える事で物語の切り口を広げ、ギャグ回としてはそれほど悪くない出来。
 ……ただし、ネタの中心がどうでもいい(笑)
 この手のラブコメの場合は、片方にメインキャラの誰かを置くか、或いは男女ともゲストキャラにするなら双方に好感が持てるようにしてくれないと、 面白がるポイントに困ります(^^; ゴセイジャーが応援しているのが、ストーカー予備軍の冴えない男子高校生だと、 どうしても話に入っていけません。そこは何とかしてほしかった。
 なお、ゲストヒロインのみずき役は、後のトッキュウ3号・ミオ(当時:馬場梨里杏)。
 今回のゴセイナイト:
 ◇人間もゴセイジャーも気にせず無造作に幽魔獣を射撃。描写としてあんまりだと思ったのか、 その後で一応ゴセイジャーをカバーリング。
 ◇「この様子では、人間にとって恋など、あまり推奨できるものではないかもしれないな」 と呟いたハイドが女子の総攻撃を受けている所に、「くだらん議論はいい」と更にバッサリ。
 ◇ゴセイジャーが恋愛指南を戦闘に応用して幽魔獣に立ち向かっている所に現れ、「ここからは、私のターンだ」と、 恋愛戦術を打ち切り(笑)
 登場編直後の初参加ライターとしてはかなり上手く使ってくれており、一安心。
 大概、追加戦士は“馴れ合ってくれないと面倒くさい”になりがちなのですが、 “馴れ合わないのが面白い”という立ち位置に上手くはまっており、もう数話ぐらいはこのポジションを維持していただきたい。
 人の恋心を吸い取る幽魔獣ケサランパサランは、ナイトダイナミックにゴセイジャーが便乗したW必殺技で撃破し、 更にグレートとグランドが揃い踏みしてのダブル体当たりで天罰&断罪。このエピソードでW必殺技をやって良かったのかには多少の疑問がありますが、 そういうのはとにかく溜めない方針か。
 片思い高校生は最終的にはお友達から開始で、何となく落着。ケサランパサランの能力の影響で、 男が途中で痴漢行為を働いているのですが、恐らく、天使が女の子の記憶を消した。

→〔その3へ続く〕

(2015年5月26日/6月2日)
(2019年7月21日 改訂)
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