■『百獣戦隊ガオレンジャー』感想まとめ3■
“盛り上がる鉄の筋肉 熱く戦え
UUU・・・HOT! HOT! ガオマッスル”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『百獣戦隊ガオレンジャー』
感想の、まとめ3(17〜24話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕
・ 〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕
・ 〔総括〕
- ◆Quest17「象が消えて…」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
-
見所は、どうやらすっかりコスプレが楽しくなってきたらしいツエツエさんの、ミニスカバスガイド。
小娘には、負けない!
そして、心の師であるレッドを真似して、出来るだけさりげなく白に肩タッチしてみる青。
(師匠ぉぉぉ、やりましたぁぁぁ!!)
そんなセクハラの師は、ツエツエとヤバイバの策略にまんまとはまって、白と青が高原バスツアーに向かってしまった事を知り、
「よりによって2人組、がきんちょユニットで」
結構な勢いで毒づいていた。
ツエツエとヤバイバはバスの乗客を人質にガオの宝珠を奪おうとし、バスオルグと戦う白と青。
苦戦する2人の間には吊り橋効果が発動し、「優しい所と、我武者羅に突っ走る所が、ブルーのいい所よ!」
とポイントを稼いでみる青だが、その女、割と無造作にフラグばらまくタイプだから、頑張れ、ぶるー。
青春をひた走るブルーが甘酸っぱいときめきを愛のパワーに変えてキリン強化攻撃でバスを追い詰めた所に、
イケメン狼の妨害をかいくぐったおっさんトリオが到着し、破邪百獣剣で邪気退散。巨大化したバスもキリン大活躍(フラグ)
で撃破するが、そこへロウキが魔獣を召喚する。
「魔獣の力を見くびるな――魔獣合体!」
ワニを中心に、右手にハンマーヘッド、左手にウルフがくっつき、青い狼っぽい頭部が飛び出して最後にロウキが乗り込む事で誕生する邪な王、
その名を――
「降臨! ガオハンター!」
ハンターは、胸から思い切りワニの顔が突き出ているのが大胆(さすがに畳めた)。
そもそもシャークとハンマーヘッドが被りすぎではないかと思っていたのですが、ガオキングと対比して殴り合う仕様でした
(サメVSハンマーヘッド、ウルフVSタイガー)。
ガオキングはスピアーになって必殺の突きを繰り出すが、ハンターはそれをかわすと猛攻を仕掛け、逆に大技を放つ。
「天地震撼・ビーストハリケーン!」
「かわせー!」
と叫びながら、明らかにキングの右側面(キリンの方)を盾にするレッド(笑)
リーダーニハ、苦渋ノ決断ヲシナケレバナラナイ時ガアルノデス。
そのダメージでガオキングは分離し、5人も変身解除。ロウキはキリンの宝珠を奪い、「いずれ、全てのパワーアニマルを、
我が手に」と言い残して姿を消すのであった。
前回までだと真っ黒すぎるという事になったのか、今回からロウキの目が昼間でもけっこう黄色く光るように。
次回、太秦?
- ◆Quest18「魔獣、武装!!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
-
時間停止能力を持つ時計オルグを部下にしたロウキは、時計オルグの力で赤以外の4人をタイムスリップさせると、レッドと一騎打ち。
激しくぶつかり合う2人のバトルは力が入っており、ライオン砲を独楽のように空中横スピンで回避するロウキが物凄い。
それにしてもロウキは常に余裕かましている割に、反撃受けると
「うぉっ?!」「うわぁっ?!」「ぐあぁぁぁ!」
と、やられ声に全く余裕がないのが気になります(笑)
敢えて受けるプロレス体質というよりも、最大HPと防御力を犠牲にして攻撃力を高めるアビリティを付けている、
かなりピーキーなステータス疑惑。
一方、江戸時代のような町並みで忍者の襲撃を受けていた4人は、忍者の正体がオルゲットであった事から、
実際にタイムスリップしているのではなく、今居るのが時計オルグの作り出した幻の世界である事に気付く。
タイムスリップも勿論デタラメ能力ではありますが、実際に時に関わる時間停止能力を持った上で、大規模幻覚というか、
一種の閉鎖空間の作成を出来るとおぼしい時計オルグが、やたら高性能。
赤を追い詰めるロウキだったが、4人は時計の鳥を撃破して現実空間への帰還に成功し、5人揃って時計を邪気退散。
今回、ばっさり行った後に、赤が「ガオラオ」と呟くというシーンが追加されたのですが、OPの歌詞は、
そんな物騒なシーンで使う言葉だったのか。
殺る気満々だぜぇ!
ロウキはウルフシードで時計オルグを巨大化すると、更に魔獣召喚。時計オルグをあっさりアニマルハートでガオラオしたガオキングに対し、
ロウキは魔笛を吹き、なんとゾウとキリンを新たな魔獣として召喚する!
ナレーション「なんという事でしょう。ロウキの笛の音に、ガオエレファントが駆けつけてきたのです」
相変わらず絶妙に緊張感を削ぐナレーションに某ビフォーアフターっぽい扱いを受けるパワーアニマルですが、
特に色などが変わっていなかったのは、ちょっと残念だったところ。ロウキは魔獣武装を発動し、
ハンタースピアーのキリン突きでバラバラに吹き飛ぶガオキング。
山で拾ったマンガの続きが気になるのか、じっくりねっとり復讐するのが面倒くさくなったロウキは、
変身の解けたガオレンジャーをまとめてぷちっと行こうとするが、そこへ飛んでくる大量のバナナ。ゴリラと子熊が助けにやってきて、
ライオン達も再起動。ビーストハリケーンをアニマル砲で破られたロウキは、捨て台詞を残して姿を消すのであった……。
「数を、頼みか……ガオレンジャー、その命、今しばらく預けておく」
パワーアニマル教団における正義の力=物量なので、仕方有りません。
戦いは数だよ兄者。
さすがに、15話から負け・引き分け・負け、と来て、また負けはまずかったのか、ガオレンジャー強引に逆転勝利。
アニマル軍団の存在意義と、5人との絆は強調できたものの、お陰でロウキの戦闘力が一定しません。現在、
物語の中心に来ているライバルキャラだけに、もう少し、戦闘力と行動には一貫性の欲しい所です(^^;
そして幹部交代劇から数話で物語の中心からあっという間に外れてしまったウラは、部下の扱いに悩んでいた。嗚呼、中間管理職って、
難しい。
ところで今回、赤だけ京都に連れていってもらえなかったのか。それとも、京都までは行かなかったのか。
- ◆Quest19「猛牛、脱退!?」◆ (監督:坂本太郎 脚本:赤星政尚)
-
月齢に力を制限されるロウキが新月でお休みし、ここまで1人で書いていた武上純希もお休み。
ジラフを奪われた事に落ち込む青をなだめていた黒は、街でかつて勤めていた花屋の同僚・詩織と再会。勢いで車に乗り込むと、
青を放置して走り去ってしまう(笑)
それを見ていたツエツエとヤバイバは、眼鏡をかけさせた人間に取り憑く能力を持つメガネオルグをスカウトして詩織を操ると、
「草太郎くん、あたしと、結婚して」とブラックへ対して猛アプローチをかけさせる。
ずっと、「くさたろう」だと思っていたのですが、「そうたろう」でした!
かつて怪我で力士を廃業後、たまたま出会った詩織に一目惚れして花屋で働き出した黒だが、
詩織が男性と逢い引きしているのを目撃して失恋した所をパワーアニマル教団に勧誘されて、失踪。
心の隙間を信仰で埋めていた黒であったが、詩織は今も心に残る思い人であり、目標を見失っていた人生から立ち直らせてくれた恩人でもあったのだった。
黒は以前にも一目惚れラブコメをやっているので、詩織からの恋人アプローチだけだと単なる軽い男になってしまう所でしたが、
「詩織の事情(父の体調と花屋の経営が危ない)」「一度失恋している」「片思いと同時に、人生の恩人」と理由を重ねる事で、
惚れっぽいという所は崩さないまま、黒の真剣な迷いを描く事が出来ました。
2人のデートを出歯亀していた青は物陰から様子を窺うツエツエとヤバイバに気付くが、
恋の魔法で配線がショートしてしまった黒が戦力にならず、逃げられてしまう。
青から「ガオレンジャー失格」と言われた黒は悩んだ末に詩織のプロポーズを受けようとするが、ツエツエとヤバイバが現れて、
詩織を人質にガオの宝珠を要求。
「みんな……すまん」
詩織の為にバイソンの宝珠を渡す黒だが、そこで本性を現すメガネオルグ。宝珠を手にツエツエ達は姿を消し
(ガオの宝珠の運搬役として人間の体が必要、というのは細かく秀逸)、それを追うガオレンジャーだが、
詩織の言葉が全てオルグによる嘘だったと知った黒はショックに膝をついてしまう。
「いつまでそうしてる気だ。立てよ!」
「……ブルーの、言った通りだ。自分は、ガオレンジャー失格だ……!」
「そんな事言ってる時じゃないだろ! オルグに操られているあの人を、このままにしておけるのか?! 助けるんだよ!
あの人がおまえをどう思っていようと、ガオレンジャーを辞めてまで一緒になりたい! そう思うぐらい、あの人の事が、
好きなんだろブラック!」
ここで、ヒーローを辞めてもいいほど好きな相手だからこそ、それが破れても、ヒーローとして守れ(戦え)! と持ってきたのは良かった。
またそれを、イノセントなヒーロー路線であるレッドではなく、色恋沙汰にぶれやすく、同じような心の揺らぎを持っているブルーに言わせる事で、
上辺だけでない説得力も増してはまりました。
……と、前半比較的悪くなかったのですが、後半、詩織を人質にした犯行グループの要求がエスカレートし、
他の宝珠も奪い取れと言われたブラックが4人に襲いかかった所で、力技で内側から洗脳を打ち破る詩織。
……ん?
…………そこはブラックがヒーローらしい活躍を見せて詩織を解放する所ではないのか。
この後、詩織を助けるも、どさくさの内にバイソンの宝珠が海に落ちてしまい、それを取り戻す為に崖から飛び込むブラック
(高所恐怖症でしたっけか)のシーンで盛り上げるのですが、個人的に期待していた方向からズレてしまいました。黒が一生懸命、
水中の宝珠を探すのですが、そこは海の得意な青がさくっと拾って友情ネタでも良かったような。
しかも地上の4人は、黒とか別にいらなくね? という勢いでツエツエ達を圧倒(笑)
なおここでの注目は、メガネオルグに爪ラッシュを浴びせ、「女性に暴力を振るうとは最低」と批判されて思わず謝ってしまい反撃を受けるも、
場面切り替わるとライオン砲でさくっとガオラオする走先生、超クール。
巨大化したメガネオルグに対して合体できないパワーアニマルは苦戦するが、無事に黒がバイソンを発見して、
復帰したバイソンが猛攻でメガネバリアーを打ち破り、最後は友情のサメソードで成敗。
ガオキング(或いはマッスル)になれない事でのピンチから逆転で盛り上げる意図はわかるのですが、
結果としてブラックの存在よりもロボットの下半身が大事という構成になってしまいました(^^;
アニマルと戦士の紐付けも強化したかったのでしょうが、出来れば通常戦闘の段階での黒の見せ場が欲しかったです。
「草太郎くんも、ガオレンジャー、頑張って」
裏切り者として脱退を決意していた黒だが、迎えに来る4人。詩織は改めて、
全てはメガネオルグの嘘だったと告げると花束を渡してその背中を見送る。けれど――
(草太郎くん、君を好きってのだけは、あの頃から言えなかった、本当の気持ち、そのままなんだよ。草太郎くん、頑張って)
草太郎が詩織に彼氏が居ると勘違いした光景はむしろ、詩織が男の告白を断った場面だった、と詩織のモノローグでエンド。
……てっきり、ガオズロックに戻った所で貰った花の花言葉から、詩織の秘めた思いがそれとなく匂わされるとかそういうオチかと思ったのですが、
物凄くストレートに独白されてしまいました。
ラブコメから、ヒーローとして戦うとは何か、と持っていってくれたのは良かったのですが、惜しい。
- ◆Quest20「巫女 囚わる!!」◆ (監督:坂本太郎 脚本:武上純希)
-
イエローの過去が、割と真っ当に更正して自衛隊でファイターパイロットを目指して訓練中に電波巫女にさらわれて社会的に抹殺される
という悲惨なものであった事が判明。
それは、後から入ってきた連中に「戦士になるつもりなら、今までの名前を捨てろ」と宣告するわけです。
簡単に、社会復帰なんてさせない!!
そんなイエローとテトムが2人だけで示し合わせて、こそこそと出かけていくのに気付いてストーキングする4人……て、
こんなのばかりだなぁ(笑)
誰も知らない半年間に、イエローとテトムの間にロマンスがあったのでは、と盛り上がる出歯亀4人。
ねばねばコンビが抱き合ってちゅーしようとして、白がちょっとムッとした感じで青の頭を掴んで止めているのですが、
この間アプローチしてきたのに本命はそっちなの?! という嫉妬なのか、単純に気持ち悪いから止めたのか、
判然としません。
おどろおどろしいオルグ墓場?でイエローとテトムが目にしたのは、ロウキによって破壊された封印と、
復活したバイクオルグの姿であった。
「俺は昔の50ccの原付じゃねえ。大型二輪免許が必要な、ナナハンオルグに、パワーアップしたんだぜぇ」
イエローがバイクにやられている間にテトムがロウキにさらわれてしまい、過去の事を語らぬまま、その後を追おうとするイエロー。
「待てよイエロー! 何があったんだ! 俺達5人の間に秘密があっていいのかよ!」
貴方たち、秘密だらけだろう(笑)
それともやはり、黄色の知らない所で4人は交換日記とか回しているのか。
イエローは口をつぐむが、テトムの回想により、原付オルグは、入信したてのイエローが初めて戦ったオルグであると判明。
(本当に弱かったのよね、あの時のイエロー)
率直な毒を吐くテトムですが、当時のイエローは1人では原付を倒しきれず、テトムに渡された札で封印。
その事をずっと気にしていたイエローは、自分が弱かったという恥ずかしい過去を仲間達には秘密にしておきたかったのだった……て、
中途半端にオルグを封印したので、邪気退散しきれずに封印の周辺がオルグ墓場化してしまったのを悔やんでいた、
とかそういう重い事情かと思ったら、全くそんな事はありませんでした(^^;
バイクの封印場所、雰囲気出しが行きすぎて、骸骨みたいなものが沢山ぶら下がっていたのですが、封印云々が関係ないとすると、
教団の処理施設か何かなのか(や、言及されないだけで邪気の影響かもしれませんが)。
テトムの身に付けている宝石から、ムラサキという名を思い出したロウキはそれがテトムの祖母であると知る
(以前のテトムの回想シーンでは老婆でしたが、ロウキ回想シーンでは若い頃という事か、
テトム役の女優さんが銀髪のかつらを被って二役)。テトムはムラサキと先代ガオレンジャーがロウキを封じたというが、
ロウキの記憶の中のムラサキは、微笑みと共にロウキに花を渡すのであった……記憶の混線に惑うロウキの千年の恨みとは、
フられた腹いせにストーカー行為に走ったら警備員に封印されてしまったとか、そういう事なのか?!
そこへガオレンジャーが乗り込んできて、成長したイエローの剣技と、5人の力でバイクオルグを邪気退散。
ロウキの力で巨大化したバイクを、マッスルラリアットで撃破(今回のフラグ)するが、復讐者にシンパシーをいだくロウキが
「バイクオルグの復讐、引き受けた!」と仲間意識を発揮して盛り上がり、マッスルとハンターの必殺技がぶつかり合って相討ち。
「テトムとやら。ムラサキの話、続きが聞きたい」
テトムをさらおうとするロウキの前に立ちふさがるイエローは果敢に一騎打ちを挑むも敗れ、子熊を凍結されてしまうが、
手傷を負ったロウキも割と痛かったのか、テトムを諦めて撤退。そしてテトムは、ロウキのこぼす、“赤い血”に気付くのであった……。
やたらに主導権を握りたがる所と、高圧的な情報統制から規律の厳しい組織人を思わせ、一度は元警察官ではないかと推測した黄色ですが、
前職は自衛官という事で、何か納得。オルグに対する苛烈な姿勢や、戦いの中での気の張り方にも過去の経緯と合わせて繋がり、
落ち着く所に落ち着きました。劇中ではギャグっぽく扱われましたが、ガオレンジャーとしての真剣さの一因に、
テトムにちょっと気がある、という要素はあっても良いかと思っていたので、ラストでもう一つテトムと絡めてくれたのも良し。
そしてじわじわと明かされるロウキの過去の因縁。果たしてその正体は、タチの悪いストーカーだったのか?! 次回、夏の怪談。
- ◆Quest21「狼鬼、惑う」◆ (監督:諸田敏 脚本:酒井直行)
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先代巫女へのストーカー疑惑が浮上したイケメンウルフについて、故人と関係の深かったテトムさんからコメントをいただきました。
「ムラサキお祖母ちゃんも、そうとう手を焼いたんだろうなぁ……」
そんなロウキの過去が織り込まれつつ、夏の怪談ギャグ回。……ただし、劇中の誰も本気で怖がらない為、ホラーとスリラーの扱いが極めて低い怪談回(笑)
ポイント1:ホワイト、おでこ全開で一部属性向けにアピール
ポイント2:レッド、(男の)水浴びを覗く
ポイント3:玉山鉄二、脱ぐ
ツエツエとヤバイバが人体標本オルグと共に、夏の怪談・恐怖の理科室でドッキリよ☆作戦を行うもガオレンジャーにあっさり見破られるが、
そこにいきなりロウキが乱入。すっかりバトルジャンキー体質になったロウキは赤と黄の連携攻撃を受けて苦戦し、
とうとう、子犬に助けられる。
ところがガオレンジャーを狙った標本オルグの攻撃が子犬を巻き込み、怒りのロウキは標本を攻撃。
ロウキが子犬と離れた隙を見逃さず、即座にライオン砲を叩き込むレッド。
確かに正当防衛ですが、酷い、ホントに酷いわ……。
「俺と一緒に居ると、今度は怪我だけではすまんぞ。……おまえ、もしかして、仲間がいないのか? ふっ、俺と、同じだな」
ロウキは子犬を連れて撤退すると、自分に酔いながら子犬を手当てするが、その脳裏に過去の映像がフラッシュバックする。
「仲間……?」
それは、狩衣姿でオルゲットと戦う戦士達、そして、巨大ロボ……?
ガオレンジャーに再戦を挑んだ人体標本オルグが瞬殺された所で、ガオハンター登場。
ナレーション「なんという事でしょう」
匠の悪ふざけにより、 床から机が ガオポーラーとガオベアーが魔獣武装し、
ガオハンター<ダブルナックル>が誕生してしまったのです。
ハンターの必殺攻撃によってガオキングは倒れ、一気にトドメを刺されそうになるが、その時、謎の雷鳴が轟き、
ロウキが朧ろげな記憶の中で目にした、謎のロボットの姿が虚空に浮かび上がる。
??「ロウキ……思い出せ……思い出すのだ」
ロウキ「何を思い出せと言うのだ!」
テトム「あれは……あの姿は……何か……思い出せるような……」
別の人が何か思い出しそうになっています!
前々から思っていたけど、、テトムの「数百年以上生きているので、色々と忘れている」という設定は、割とギリギリですよね!
戦場では呆然と虚空を見つめるガオハンターに向けて、ちゃーんすとばかりに、横からスーパーアニマルハートを炸裂させるレッド、
酷い、ホント酷いわ……。
ガオハンターが吹っ飛んでロウキは撤退するが、マトリックスでは、めっきり存在感の薄くなったウラが焦りを見せていた。
「まさか、ヤツが現れるとは……このままでは、ロウキの記憶が……」
1クール目が一気の展開だったのに比べると、ロウキ絡みで割とじわじわ進んでいる2クール目ですが、ウラが全く存在感無いのは、
いただけない所。もともと、実働部隊のツエツエとヤバイバに指示を出すハイネスデュークオルグ、という構図ではありましたが、
1クール目の最後でシュテンがかなり目立ってしまった分、最初にインパクトだけ押し出したウラのキャラクターが死んでしまっています。
構成に変化をつける意味でも、もう一工夫欲しかった所。
その辺りでウラが動かしにくい分を、ツエツエとヤバイバに頼り切りになってしまってますし
(この2人はギャグ系幹部としては巧く転がっているので、そこは良いのですが)。
謎の新ロボは、見せ方といい物語への絡み方といい、後の『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003)の某電波サウルスを思い出すのですが、
『アバレ』は『ガオ』の路線継承作品なので、元ネタ、これだったのか……?(笑)
前回テトムが見た赤い血に続き、新月の夜にレッドが覗き見した子犬と戯れて水浴びする男の姿により、
どうやらロウキの正体が生身の人間らしい事、ロウキの記憶が封印あるいは改竄されている可能性が匂わされてきましたが、次回、
下半身、ピンチ。
- ◆Quest22「巨牛、壊れる!!」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希)
-
作戦に協力したら秘密を教えてやる、とウラにそそのかされたロウキだが、重役出勤してきたと思ったら、
いきなり芝刈り機オルグに攻撃。
「俺は、何故、斬った……? 俺の中の何者かが、俺に剣を振らせた……」
困った人から危ない人にクラスチェンジしたロウキは早退し、芝刈り機オルグ
(顔が足先にあるというなかなか面白いデザイン)はさっくり邪気退散。だが、
その特異な姿を活かして下半身を徹底的に狙う巨大芝刈り機の攻撃によりガオキングは脚部に大ダメージを負い、
立ち上がれなくなってしまう。
そこで逆立ちからの、「天地逆転・リバースアニマルハート」は、一発ネタとして面白かったです(笑)
ロウキの意味不明な行動に戸惑うパワーアニマル教団だが、まさかのイエローがこれまでの出来事を繋げて、
ロウキの正体は人間……それも、テトムが夢で見た6人目のガオの戦士ではないか、という結論に辿り着く。
だが一方、ロウキはウラの操る虫により記憶をいじられ、ハイネスデュークオルグとして、無差別に街で暴れ出す。
「目を覚ませロウキ。おまえは人間だ!」
状況証拠を繋ぎ合わせただけなのに、いきなり断定して説得を試みる最大の根拠が恐らく「パワーアニマルを扱えるから」なので、
信仰、怖い。
ガオラオガオラオと唱えてパワーアニマル様に手を合わせれば、善人悪人の別なくみな楽園に辿り着けるのです。なお、
オルグは絶対許さない。
困惑するロウキだがウラ虫の妨害によって再び暴れだし、おまえもやるなら俺もやる、
とばかりに一瞬の躊躇も無くライオン砲で反撃するレッド(笑)
ホントこのレッド、戦場での判断力が条件反射のレベルに到達しているのですが、そう、
軍医にして傭兵として世界中の戦場を渡り歩いていた獅子走は、あまりにも多くの死を目の当たりにし、
これからは人を殺すのではなく動物を生かそうと、銃とナイフを捨てて獣医の道を選んだのです……。
ロウキは魔獣召喚し、療養中のバイソン抜きで百獣召喚するも苦戦するガオレンジャーだが、その時、
再び天空に変なロボットの姿が浮かび上がる。その名を、ガオゴッド――パワーアニマルの神!
魔獣が姿を消してロウキも引き下がるが、果たしてロウキは本当にガオの戦士なのか?!
そして戦いを見つめていた喋るサッカーボールの正体は?! ちなみに「人間でガオの戦士」だけど「悪質なストーカー」
は矛盾せずに両立するので油断大敵だ!
そろそろ決着の見えてきたロウキ編ですが、基本、ロウキが勝手に暴れて勝手に混乱して勝手に記憶を取り戻しつつある、
だけなのがとても困った所。ガオレンジャーの発言や行動がロウキが記憶を取り戻すきっかけになる、といった状況が全く無い為、
両者の関係性が物語として巧く繋がっていない為、いきなり説得タームに入るのが非常に不自然。
敢えて言えばテトムの首飾りを見た事が大きな影響を与えていますが、それもガオ側からのアクションではなく、全くの偶然ですし。
実質ガオレンジャーが、戦闘のカウンター要素以外で完全に物語の蚊帳の外に置かれてしまっているわけですが、
どうしてこうなった(^^;
- ◆Quest23「狼鬼、死す!?」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
急募 ヒロイン力
週3日程度・日曜出られる方・時給:応相談
明るく楽しく動物がいっぱいの職場です!
冒頭でいきなり、ガオゴッドの神託により、ロウキの正体は、邪悪な強敵を倒す為に自ら鬼の邪気を取り込んで黒狼の姿となり、
心まで鬼となる前に仲間に封印を頼んだガオの戦士であった、という千年前の真相が判明。
引っ張った挙げ句に神のお告げであっさりわかるなら、前回の内にやっておけばガオレンジャーによる突然の説得コマンドにもまだ納得がいったのですが、
話の前後関係含めて非常に雑な展開(^^;
元々テトムは便利キャラではあるのですが、特殊能力に対するリスクも無ければ、強行突破を成立させるヒロイン力も足りない為、
ただただ話の都合で物語の進行状況を操作するという、非常によろしくない存在に。
そこで登場人物がシナリオのアイテムにならないようにする、或いはその印象を和らげるクッションとなるのがキャラクターの造形なのですが、
それが今もって全く出来ていません……今一番ヒロイン度高いの、ムラサキなんですが。
千年前の真相を知ったガオレンジャーは、何とか説得を試みるが、ロウキは全く耳を貸さず戦闘に。
ここで満月をバックに立つロウキの姿は非常に格好いい。月齢の作用により絶好調のロウキはガオレンジャーを圧倒し……
そういえば初登場の時も満月だったので、ロウキの戦闘力の上下が激しいのは、体質のせいだったのか(笑)
一気にレッドを真っ二つにしかけるロウキだったが、ゴッドパワーで月食が起きた事で邪気が抜け、
人間――ガオの戦士・シロガネの姿に戻る。
玉山鉄二、超格好いい!!
……演技は、超固いけど。
当然といえば当然ではあるのですが、現在進行形で目にする機会が多いだけに、どうしても目立ちます(^^;
にしてもこの後、いわゆる性格俳優っぽい方向に行くとは夢に思わなかったなぁ。
千年前、シロガネはガオゴッドすら倒したオルグの王・百鬼丸を倒す為、闇狼の面でオルグパワーを手に入れてパワーアニマルを邪気の力でガオハンターにする事で、
百鬼丸を倒したのであった。
ロウキになった儀式の秘密がわかれば呪いが解ける筈だ、と言うから過去の話をしたのに、
話し終えたら「どうやって呪いを解くんだ?」と聞いてくる役立たずな後輩達への憎しみのオーラ力でシロガネは再びロウキとなると、
魔獣召喚。だがテトムが、ロウキに邪気を送り込んでいる魔獣を倒せば良い事に気付き、パワーアニマルはガオハンターへと立ち向かう。
……元・人間のロウキは斬れない、と攻撃を躊躇うのは良いとして、元・パワーアニマルの魔獣には躊躇無く攻撃を仕掛けるのですが、
それでいいのか(^^;
湯治中のバイソンを欠いて苦戦するアニマル軍団だが、その時、バイソンが呼んでいたパワーアニマル、アルマジロ&サイが登場し、
ガオライノスを新たな下半身としてバイソンリストラ百獣合体・ガオキング<ストライカー>が誕生する!
背景のCGなどがサッカー風味なのですが、恐らく翌年に、日韓ワールドカップを控えていた影響と思われます。
ガオキング<ストライカー>は、爪先に収納したアルマジロを思い切り蹴り飛ばす百獣アルマジロシュートでガオハンターを撃破し、
闇狼の面とウラの仕込んでいた虫が砕け散り、邪気から解き放たれたロウキはシロガネの姿に戻るのであった……。
前半一応、古文書で前振りした上で封印を解いて回ったりしていたパワーアニマルですが、とうとう「バイソンが呼んだ」
という理由で追加参戦。とにかくロウキ編は、ロウキの存在と、今作これまでの要素がひたすら噛み合っておらず、
ライノスとか急に増やす事になったのではないかと、穿った見方もしてしまいたくなります(^^;
なお気が付いたら、ガオジャケットが夏用シースルーに。そしてウケが悪かったのか、白の髪型が元に戻る。
- ◆Quest24「銀狼、閃く!!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:酒井直行)
-
OPの表記はどうして、GAO SILVER(笑)
遂に邪気から解放され、人間の姿を取り戻した百獣忍・シロガネ。平安戦士の服装に悩んだのでしょうが、
どう見てもニンジャです。困ったらニンジャです。ニンジャは平安時代から日本の平和を守っていたんだよ!
先代巫女へのストーカー疑惑の晴れた先輩を教団に暖かく迎え入れようとする5人だが、
ロウキ時代の事を気にしたシロガネは走り去ってしまう。
ガオレンジャーを殺そうとした事を気に病むシロガネですが、街で大暴れした件については一切触れないので、
人間性にやや疑問を感じます。……平安時代には自動車とかビルとか無かったからシカタナイ、かもしれない。
「勘違いするな。俺は今でもお前達の仲間だ」
ギンニンジャーは嘘をついてウラに近づくと宝珠を奪い返そうとするが、失敗。ウラは泥人形に4つの宝珠の力を与え、ゾウ、キリン、
クマ×2、という4体のパワーアニマルの力を持ったキマイラオルグを誕生させる。
駆けつけるガオレンジャーだがキマイラは破邪百獣剣を弾き返し、獣の力で5人を追い詰める。
5人を助けようと生身でキマイラに立ち向かうも敵うべくなくあしらわれるギンニンジャ−。だがその時、
前回ガオキングの必殺シュートを受け、SGGK(スーパー頑張りゴールキーパー)ばりに吹き飛んで宝珠の姿に戻っていたオオカミ、
ワニ、ハンマーヘッドの3体のパワーアニマルが、復讐や憎悪を乗り越えた不屈の正義の魂に応え、
シロガネの元に集うとGブレスフォンへと姿を変える!
……例えばここで、シロガネの再起にテトムが絡むなりすればテトムのヒロイン力も上昇するわけですが、
実況席からコメントの一つも無いままシロガネが1人で盛り上がって再起動してしまうので、とにかく何もかもが連動しません(^^;
ギンニンジャーはGブレスフォンによりガオアクセスし、銀色のスーツに身を包んだガオの戦士が誕生する……その名を、
閃烈の銀狼・ガオシルバー!
シルバーは、ソード(剣)、スナイパー(銃)、ブレイク(打杖)の3形態を持つガオハスラーロッドを用いてキマイラを滅多切りにすると、
トドメはブレイクモードで標的をフィールドに捉え、ガオの宝珠をビリヤードの要領で打ち込む破邪聖獣球で、邪気玉砕。
後輩達に対して、格好良さの格差社会を見せつけました。
巨大化したキマイラに対しては百獣召喚し、オオカミの角が引っ込んで口を開くと中から人面タイプの顔が現れる、
綺麗なガオハンターことガオハンター・ジャスティスが降臨。ガオレンジャーもガオキング<ストライカー>を召喚し、
力を合わせた必殺技連打でキマイラをガオラオ。
その勢いでシルバーは逃げるウラに躍りかかると、まさかの瞬殺(笑)
確かにもう2クールも終わりなのですが、ロウキを復活させる→放置していたら記憶が戻りそうになる→
慌てて洗脳しようとするがゴッドに台無しされる→シルバーにさっくり殺される、と約1クールを使って立派すぎる踏み台だったという、
無残なリタイア。
策士キャラという扱いだったのかもしれませんが、ロウキを巧く使ったというより終始ロウキに振り回されていた為、
良い印象がありません。とにかくロウキ編は肝心の要素である「ロウキ(シロガネ)の記憶」について、
敵も味方も関わらない所でロウキが1人で混乱していた為、記憶を取り戻すとかそれを邪魔して利用する、
とかいった部分で全く盛り上がりませんでした。
ガオレンジャー側がロウキの記憶の回復に関わる事で、ロウキに対する疑問と葛藤が生じ、それを妨害しようとするウラの存在感も増し、
ウラを倒すカタルシスも生じ、と物語に繋がりと厚みが生まれていくわけなのですが……てんでばらばらの状態のまま、
ゴッドが書類にサインして終了、てどうしてそうなった。
ツエツエとヤバイバは吹き飛んできたウラの部品(どこだ?)を拾って逃亡し、シルバーは取り戻した宝珠をガオレンジャーへと手渡す。
「確かに返したぜ」
「どこに行く?」
「さあな、風に聞いてくれ」
つい先程まで、超ノリノリで「俺と!」「おまえの!」「Wタイフーン!」みたいな感じでロボットに乗っていたのに、
いきなり豹変(^^;
やはりパワーアニマルとシンクロすると、徐々に精神が獣に冒されてオルグ殲滅しか考えられなくなっていくようです……。
宗教、怖い。
カルトによるマインドコントールを脱し、平安ハードボイルドを発動したシルバーに、ニンジャが素性を明かしてはならぬ、
とイエローがガオジャケットを渡し、それを受け取った銀はいずこへか歩み去るのであった……。
果たして平安ハードボイルドニンジャは、2001年に対応する事が出来るのか。明日から、
新聞の三面記事を欠かさずチェックだガオレンジャー!
追加戦士の登場と活躍編という事でテンポ良く進み、アクション回としては楽しめる出来だったのですが、テトムは話に絡まない、
ゴッドに至っては一切出てこない、と前回まで都合良く使ったキャラクターを全くシルバーに繋げない、という無責任なシナリオ。
使った要素は責任持って始末してほしいのですが、とにかくその辺りが大雑把です。完全な仲間入りの時に絡むのかもしれませんが、
もう少し丁寧さが欲しい。
次回、「ビリヤード――これぞまさにハードボイルドな男に似合う、大人の競技だ」(by左翔太郎)
→〔その4へ続く〕
(2015年11月2日)
(2019年7月28日 改訂)
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