■『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想まとめ9■


“ゴーオンジャー 行け BANG! BANG!
明日を信じて 炎神戦隊ゴーオンジャー!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『炎神戦隊ゴーオンジャー』 感想の、まとめ9(GP−41〜45)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆GP−41「育児ノススメ」◆ (監督:加藤弘之 脚本:宮下隼一)
 飛行訓練中に機体にぶつかった奇妙な卵を温めるトリプター。中から生まれたのは、室内犬ぐらいの大きさの、 カエルに似た奇妙な生物。その泣き声は高周波となって須塔家のリビングを破壊し、大翔は思わず生物を連れて、 帰宅した美羽から逃げ出す。インプリンティング効果か、奇妙生物に懐かれた大翔は、 泣き声が周辺に被害を及ぼさないように面倒を見ている内に、買い出し帰りの走輔と連に出会い、ぎんじろうへ。
 奇妙生物が如何にも見た目愛らしいと、可愛がって当然になってしまう為、そこのギャップ狙いのデザインになるわけですが、 近年は「きもかわいい」というジャンルが発生しているのが難しい所。
 そんなキモカワ生物の主食が野菜である事が判明し、ぎんじろうで餌をやっている内に何となく愛情を抱きはじめる大翔。 ぎんじろうの中でキモカワに笑顔を浮かべるその姿に、拗ねるトリプター(笑)
 そこへボエールソウルが現れ、生物の正体が、ストーミーワールドの住人・ワメイクルだと判明する。今は幼いが、 成長すると危険な力を発揮するらしいワメイクル……ウガッツが何かを探しているのを目にしていた走輔と連は、 背後にガイアークの陰謀があるのではないかと推測。
 「ちょっと、兄来なかった!」
 そこへ更に、怒りの美羽がやってくる。
 ワメイクルについて大翔に確認しようとバスを取り囲んだ結果、逃げ出したワメイクルがウガッツに確保されてしまう。 ウガッツはワメイクルを刺激し、キモカワ生物は人間大に巨大化、そして凶暴化。大翔にさえ躊躇無く攻撃を加え、 その泣き声はより強力な高周波となってビルを破壊していく。
 「もはや誰にも奴を止められんゾヨ」
 「そしてトドメに、あれが来るでおじゃる」
 成長したワメイクルの脅威は、その高周波攻撃に留まらなかった。その泣き声は次元の亀裂からストーミーワールドの竜巻を呼び出し、 街を大破壊。
 よくある不思議生物(特に赤ん坊系)の高周波攻撃かと思いきや、もう一押しあるという、念の入った破壊作戦。

 他力本願だけど。

 「チビ……いや、ワメイクルは俺に任せろ」
 大翔は美羽・連・早輝にある物の開発を頼み、走輔・範人・軍平には、強烈王と頑張王で竜巻を防ぐように指示。自らは、 チビに顔を見せるために生身のまま、ウガッツの軍団へと立ち向かう。
 ヘルガイユ宮殿から大臣ズがウガッツに指示を出すなど今作としては珍しいシーンもあり、蛮鬼獣不在というのもあるのでしょうが、 今回はウガッツ大活躍で、隠れウガッツ回か。
 「たとえ、誰だろうが、この世界を壊し、汚すやつは、俺が許さん、絶対に許さん」
 大翔は全てのウガッツを生身で蹴散らし、ワメイクルに呼びかけるが、しかし攻撃は止まらない。
 「もしもチビ、おまえをこの手で……倒さなければならないなら、この俺が、この手で……――ゴーオン」
 大翔はゴールドへと変身し、ワメイクルを押さえ込もうと格闘戦。そこへ銀・青・黄により注文の品が届き、 いっけん銃のようなものを手にしたゴールドは、その中の緑の液体をワメイクルの口に注ぎ込む。
 「腹減ってたんだろう、チビ」
 それはいわば巨大なほ乳瓶であり、中に入っていた液体は大量の野菜ジュースであった。
 「ちゃんと鳴き声を聞き分けたってわけね、兄」
 しかしまたもウガッツの集団が現れ、怒りのゴールド、ミッション5で瞬殺。またも泣きだしそうになるワメイクルだが、兄、 捨て身の変な顔で大翔の事を思い出し、元のキモカワ生物に戻るのであった。これにより竜巻の襲来も落ち着き、 強烈王と頑張王が次元の亀裂へ必殺技を放ち、よくわからないが塞がる。チビもまた、兄の説得を受け、 自分の世界ストーミーワールドへと帰って行くのだった。どうやって? と思ったら、なんか光って強引に帰りました(^^;
 青「我が子の旅立ちを見送る、オトンすね」
 連、オカンポジションは譲らないアピール。
 緑「わ、凄い! オトンとオカンが、揃った!」
 結果、夫婦成立。
 赤「ゴーオンジャー、オカンと俺らと、時々、オ・ト・ン」
 金「ふざけるな」
 奇妙な生物との交流、クールキャラの意外な一面、それを一生懸命開発する必要があったのかという腰砕け気味の秘密兵器による解決、 と恐らく意図的でしょうが(さすがに意識しないとこうならないと思う……多分)、 たまにはこういうノリもどうでしょう的な80年代テイスト強めの1本。
 「どうなることかと思ったが、これにてミッションコンプリート。続きは、ぎぃーん、またの話だ」
 淡々とナレーション担当するジェットラス(率直に、あまり興味なさそう)が、本編に出てこないのが良し(笑)
 この後、シリーズのローテ監督として活躍していく加藤監督は、戦隊では長く助監督として参加しており、 監督としては前年の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』に続いての演出担当との事(監督デビューは、『燃えろ!!ロボコン』)。
 次回、引き続き80年代テイストで狙われた学園からお送り致します。

◆GP−42「学園ノヒミツ」◆ (監督:加藤弘之 脚本:武上純希)
 分別反対エコ反対、でゴミ捨て場を荒らす、原点回帰な蛮鬼獣、ビンバンキ。熱湯攻撃を放つがぬるま湯で効果無く、 ゴーオンセブンに滅多打ちにされて階段落ち。手分けして追跡した7人は、ケガレシア=汚石冷奈が、 教師として学校に入っていく姿を目撃する。内部のガイアーク反応を検知できない妙な高校の近くでビンバンキも反応を消し、 美羽が女子高生に扮装して、潜入捜査を行う事に。
 野暮ったい眼鏡をかけて転校生となった美羽、いきなり『涼宮ハルヒ』パロディを行うが、滑る。
 一方、保健の先生になりすましたケガレシアは、クラスでちょっと浮いた天才少年・湯島学を煽動し、何かの研究を進めていた……。
 「それにしても、人間の高校生頼みとか、なんか作戦が、地味ゾヨ……」
 ケガレシアにエールを送りながら、ひとりトランプで暇を潰すキタネイダス(笑)
 まあ、某ネジレジアは、第15話にしてそこまで落ちぶれていたので、まだ全然大丈夫だと思います!(何が)
 『電磁戦隊メガレンジャー』(1997)15話の脚本は柳川茂なのですが、シリーズのメインライターは武上純希なので、 これもセルフパロディの意図があったのかなかったのか(笑)
 今回は『ハルヒ』パロディに続き『冬のソナタ』パロディなど、一切、脈絡も節操も無し。そしてこの学校は、 ケガレシアが潜入しているからおかしいのではなく、多分もともとおかしい。
 映画研究会の勧誘から逃げ出した美羽は廊下で湯島とぶつかり、野暮ったい眼鏡が外れてキラキラ世界で、 ガリ勉くんをテンプテーション。チャームの直撃を受けたガリ勉くんは、
 「実に面白い。たまには非論理的行為も面白い。そうだ、彼女でためそう。僕の仮説を、証明する時だ」
 と、青春スイッチが下心方面へ起動する。
 「バディ、今日はノリ過ぎだぞ。慎重にな」
 「でも、よくわからないの。学校の事」
 幼い頃から家庭教師に教わっていて学校に通っていなかった美羽にとって、高校生活は新鮮にして、わからない事だらけであった。 今度は飛んできたサッカーボールをフルパワーで打ち返してしまい、運動部の勧誘に囲まれる事に。 兄の渡してくれた秘密兵器を取り出してみるが……それはヨーヨー。意味のわからないまま逃げ出した美羽は再び湯島と出会い、 湯島はノートパソコン片手に謎のステッキを振りかざす。ステッキから飛び出したキューピッドの矢は美羽に当たるが、 胸元に収めていたヨーヨーにぶつかって無効化。湯島は失敗に頭をかきむしって走り去り、美羽は湯島の落としたステッキを手にする。
 「魔法の杖だ。マジックワールドで見たことがある」
 「魔法ですって?!」
 ジェットラス、物凄くさらっと(笑)
 「あの高校は、魔法の力に包まれている。それが一種の結界になってるんだよ、ボンボン」
 「はあ?!」
 ナンデモアリ(笑)
 事の起こりは一ヶ月前、マジックワールドから魔法のステッキとその呪文書が次元の亀裂を通って落ちてきた事にあった。 魔法は極めて難解な呪文を解読しないと使えないが、天才・湯島はその解読に成功し、 ケガレシアはそんな湯島をうまくおだてて魔法の力を利用しようと画策していたのだった。
 ビンバンキを湯島に見られた事で開き直って正体をあらわにするケガレシア。一発ネタでは勿体ないという事でか、 汚石冷奈再びだったのですが、範人と一切絡まない、という割り切りっぷり(笑)
 ケガレシアは美羽を捕まえて魔法のステッキを取り戻し、ケガレシア様の歌をバックに複雑な魔法陣を書き上げた湯島による魔法の力で、 ビンバンキがパワーアップ。
 魔法の力で……魔法瓶バンキに!
 そういう事か!!
 悔しいけど、このネタは面白かった(笑)
 熱闘攻撃の筈がぬるま湯に……というギャグの天丼まで、伏線だったとは。
 「これでもう、お湯が冷めない。ありがタイガー」
 けっこうギリギリだなぁ、企業名ネタ(笑)
 ところでまったくの余談ですが、ずっとタイガーが社名だと思っていたのですけど、「タイガー魔法瓶」が正式な社名でした。象印も、 「象印マホービン」が正式な社名だった。
 ビンバンキに立ち向かう6人だが、魔法で混乱状態となり、強制的に同士討ちを始めてしまう。間抜けな軽犯罪蛮鬼獣から一転、 強力な魔法生命体となったビンバンキによって大ピンチとなる6人。一方、囚われの美羽は湯島に連れ込まれた部室で目を覚ましていた。
 「僕は湯島学。魔法で世界を征服する男だ」
 湯島くんは、ひねた天才少年、というよりは、純粋に駄目な感じの年頃の変態に。
 「絶対君を、僕の虜にしてやるんだ! 恋の呪文は……」
 スキトキメキトキス
 「さあ、ここに来て、僕に……キスするんだ」
 魔法に操られ、湯島に近づいていく美羽……その顔が近づいて、と思ったら、平手打ち。魔法なんかに頼っているようでは、 女の子の心は掴めない、と美羽は説教し、大切なのは真心だと諭す。素で魔法が効かないのは、体質か。
 同士討ちを繰り返しながら、魔法瓶バンキに追い詰められる6人……その時、魔法瓶に炸裂するヨーヨー!
 「何不自由なく暮らした私が、何の因果か炎神の相棒。ゴーオンシルバー、須塔美羽。おまんら、許さんぜよ。――教えてあげる。 ただ一つ、女の子のハートを動かせるのは、男の子の真心だけよ」
 『スケバン刑事』(2代目)パロディですが、どう考えても、金兄がヨーヨーと一緒に台本を仕込んでいます。 何してるんだ、兄。ナンノか、ナンノが好きなのか。
 なおTVドラマ版『スケバン刑事』シリーズは東映の制作で、スタッフに田中秀夫、小西通雄、坂本太郎、杉村升、 武上純希などが関わっており、戦隊シリーズとは姉妹というか兄弟といっても過言ではない関係。
 ちなみに、神恭一郎役の中康次さんは、後の道士カク(『五星戦隊ダイレンジャー』)であり、花形(『仮面ライダー555』)であり、 伝説的うさんくささ。
 美羽の背後からは黒マント姿の湯島が現れ、魔法瓶の攻撃を魔法バリアで防御。
 「キラキラ世界、ゴーオンシルバー! 湯島くん、もう一度、真心を見せて」
 「あ……うん」
 なんか、調教完了した。
 シルバーと湯島の合体攻撃で魔法瓶バンキの魔法の力は消滅し、6人の同士討ちも解除。ビンバンキは産業革命し、 7人は炎神王G9で立ち向かう。
 「ふんばるゾヨ! 負けるな蛮鬼獣!」
 応援が、ちびっ子化しているキタネイダスが泣ける(笑)
 だがその時……
 「作戦が甘いでありますなぁ。だが我が手にかかれば、炎神とて……ふふふふふ。まずは小手調べ」
 「今の声は……」
 ヘルガイユ宮殿に響く正体不明の声……そして、G9グランプリン発動直前、死角から謎の攻撃を受けた炎神王G9は、 キャストとソウルが強制分離され、炎神達が意識を失ってしまう。果たしてその攻撃の正体は?! あ、 ビンは強烈王がざっくりディスティネーションで片付けました、ハイ。
 事件は解決し時間経過で炎神達は回復するが、謎の攻撃は正体不明のまま。そこに、魔法の力で協力しよう、 と格好つけながら湯島がやってきて美羽をナンパするが、ノートパソコンを踏みつけて解読した呪文のデータを失ってしまう。 そんな湯島の面倒をにこやかに見る美羽……新しい野良犬、ゲットだぜ!
 「ダメンズを見ると、世話を焼かずにはおけないのよね」
 皆の視線、走輔に集まる。
 クライマックス展開前に、ピカピカ兄妹それぞれ単独のキャラ話。両エピソードとも別のワールドの力が中心となっており、 ガイアークがじり貧気味な描写は、意図的な所でしょうか。そして次回、いよいよ新幹部登場!  社会的にゴミっぽいゴーオンジャーは年末大掃除されてしまうのか?!
 ゴーオンゼミナールは、かねてから謎だったボエールソウルの神出鬼没の秘密でしたが、 「教えを求める生徒のもとにはいつでも駆けつける」と、物凄いお茶を濁されました。
 どうやら、真相を知ったら消されるレベルの機密らしい。

◆GP−43「年末オソウジ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
 ヘルガイユ宮殿に突如現れる、黒ずくめの機械生命体。
 「自分は掃治大臣、キレイズキーであります」
 それは、サウンド、マジック、プリズム、3つのワールドを滅ぼした恐るべき存在であった。大臣だけどスナイパーなキレイズキーは、 ヒューマンワールド掃討の為に動きだし、今、ゴーオンジャーに新たなる強敵の存在が迫る――。
 というわけで新大臣登場……なのですが、キタネイダス・ケガレシアと直接の面識が無かったり、 その割には伝説だけ一人歩きしていたり、若干、不安が漂います(^^; そもそもガイアーク、 マシンワールドでの反乱に失敗してヒューマンワールドに逃げてきた筈なのに、どうしてよそのワールドで暴れている大臣とか居るのか。 キタネイダスとケガレシアが「掃治大臣」という役職を知らない雰囲気だったり、この人、 「掃治大臣」を自称するただの流れの暴れん坊なのでは。ガイアークフォーミングを目的としている3大臣と、 なんか方向性も違いますし。
 一方、ゴーオンジャーはクリスマスの準備中。そこにガイアーク反応で、えらく音楽で盛り上げて、OPイン。
 反応の場所に向かった5人だが、ガイアークの姿は無い。だがその時……
 「お掃除七つ道具ウェポン1……箒ショットガン」
 遠距離からの狙撃を受け、倒れる緑。……どうして、ショットガンで狙撃。
 「おでかけでありますか、ルルルのル。ヒューマンワールドの正義の味方を掃除する、掃治大臣、 キレイズキーであります」
 また力強く正面からパロディをぶち込んできましたが、笑ってしまいました、不覚。
 「掃除大臣……っスか?」
 「ガイアークなのに、綺麗好き?」
 ツッコんだ。
 しかしツッコミを完全に無視したキレイズキーはアンチソウル合金で満タンガンの射撃を無効化。それを絞って、 七つ道具ウェポン2:雑巾グレネードとすると、ゴーオンジャーめがけて投げつける。爆発と共に、奪われる炎神の力。それは、 前回ラストで炎神王G9を合体解除に追い込んだ、あの謎の攻撃の正体であった。怒りの走輔はキレイズキーに切りかかるが、 ウェポン3:ちり取りシールドと、ウェポン4:ハタキブレードの攻撃を受け、山を越えて吹っ飛ばされてしまう。
 「まず一人。あと6人」
 駆けつけた金銀が足止めしている間に、重傷の範人を連れて撤退する4人。ウェポン5:綿棒クナイなどを駆使し、 金銀の攻撃をしのぐキレイズキーは、二人の炎神ソウルも無効化し、撃破。恐るべき力を見せつける。
 「お掃除完了、あと4人であります」
 一方、吹き飛ばされた走輔は、先程のグレネードの余波で空から落下して怪我をした、 サンタクロース衣装のおっさんと遭遇していた。
 緊迫の新幹部登場と、ちょっとコミカルなサンタ登場をなぜか並行。
 というかこの辺りから本格的に、あれ、本当にクライマックス展開へ向けた新幹部なのだろうか…………と、怪しげになってくる(笑)
 放っておくわけにもいかず、怪我したサンタの面倒を見る走輔は、おっさんを当然本物のサンタだとは信じないが、 自称サンタのべらんめえなおっさんは、何も入っていない筈の薄汚れた袋の中から、プレゼントの箱を取りだしてみせる。 その中に入っていたのは、走輔が子供の頃に貰った車の玩具――。
 「てやんでえ! 信じ続ければ夢はかなうって、その唐変木のこんこんちきどもに言ってやれって! はっはっはっはっは」
 「……そうだ、俺はあのクリスマスプレゼントで、絶対にレーサーになるって決めたんだ」
 それは、子供の頃の走輔を励ました不思議なプレゼント、いわば走輔のルーツであった。
 「おっさん、もしかして……」
 そこでスピードルが意識を取り戻し、おっさんの正体が間違いなく、クリスマスワールドから来たサンタと判明。
 その手を使うと、どうにでもなるのが恐ろしい(笑)
 明日のイブの晩には子供達にクリスマスプレゼントを届けて回らなくてはならない、 と怪我をおして無茶しようとするサンタを手伝うと決める走輔。その為にまずは、掃治大臣キレイズキーを倒さなくてはならない。
 走輔、現状忘れていないかとドキドキしたのですが、ちゃんと二つを繋げました。
 そこへボンパーから、ぎんじろうがキレイズキーの強襲を受けたとの連絡が入る。サンタを背負って急いだ走輔が目にしたのは、 ぐちゃぐちゃになったクリスマスパーティの飾り付けと、打ちひしがれる仲間達だった。
 4人は、ショットガンで滅多打ちにされた上にブレード振るわれた所でアイキャッチ、という引きだったのですが、 割と普通に生きていました。吹っ飛ばされた金銀兄妹も姿を見せ、幾ら何でも、詰めが甘すぎないか、掃治大臣。
 「あいつに攻撃は効かない……今戦っても、勝ち目は無い」
 雑巾グレネードは炎神の意識を奪う特殊な波動を発するという事で、一種のジャミング兵器か。 そして炎神ソウルの力を無効化されると、ゴーオンジャーの戦力は半減以下。どうあがいても勝てない……と落ち込む仲間達を、 それでも、 大事な年末商戦 クリスマスを前に俺たちが負けるわけにはいかないと、奮い立たせようとする走輔。
 そんな超緊迫した状況に佇むサンタコスプレのおっさん、とりあえず皆にプレゼントを配って、本物である事を証明(笑)  プレゼントを受け取った6人はそれぞれ、走輔と同じように、子供の頃の夢を思い出す……。
 「俺たちは子供の時、サンタさんのプレゼントに、たくさんの夢と希望をもらった。そんな素敵なクリスマス、 絶やしちゃなんねえよなぁ」
 成る程、やたらに走輔がクリスマスにこだわるな、と思ったら、これは走輔にとって いつかヒーローになる子供達の為の戦いである、と。これは、上手い重ね。またこのシーンで、 走輔が倒れたクリスマスツリーを直す、という演出も良い。
 「俺たちはもっと頑張れる筈だ。打つ手が無くても我武者羅に立ち向かう。それがゴーオンジャーだ!」
 走輔の檄に応え、立ち直る6人。改めて、「走輔…トワニ」の回を受けて、走輔が多少強引にでも6人を引っ張る、 という構図が入りました。またここで、勢いで単なるパワープレイになってしまうとあまり好きではないのですが (作劇としてそれでいい場合もあるけど、今回はそこまでは積み重ねてはいない)、サンタの持つ、 奥でクリスマスワールドに繋がっている異次元プレゼント袋を見て、連が作戦を思いつく、というバランスも良し。
 明けて24日、ヒューマン掃討の為に街へ降り立つキレイズキー。
 「ヒューマンワールドに今年のクリスマスは来ない! なぜなら、今宵人間共が地上から掃除されて、居なくなるからであります」
 だがその前に、サンタコスプレのゴーオンレッドが姿を見せる。
 「メリークリスマス! キレイズキー。おまえへのクリスマスプレゼントは、正義の鉄拳だぜ!」
 レッドはキレイズキーのクナイ攻撃をしのぐと、ゴローダーにスピードルソウルをセットして放つ。 雑巾を構えて炎神ソウルを無効化しようとするキレイズキーだったが、その時、 コスプレの装備品として最初に投げ捨てていたプレゼント袋の中(奥のクリスマスワールド)に潜んでいた6人が飛び出すと、 キレイズキーへと組み付き、レッドが剣でグレネードを破壊。無防備になったキレイズキー、タイヤに轢かれる。
 相性最悪のマジックアイテム破壊に成功したゴーオンジャーは、久々にOP重ねて、全員で名乗り。この期に及んで、 ジャーとウイングスが別個に決めポーズなのが、ちょっと切ない(笑) 折角なので7人合同の新名乗りとか見たかったですが…… もしかしたら最後の最後に取ってあるのか。
 流れを変えたゴーオンジャーは、満タンガン一斉射撃・ゴーオンキャノンボールでちり取りを破壊。金銀のダブル攻撃でクナイを破壊。 スーパーハイウェイバスターにキャリゲーターソウル(出番貰えた)で、ショットガンを破壊。と、次々とキレイズキーの七つ道具を粉砕。
 そしてカンカンバーと満タンガンロッドモードの二刀流で切り刻んだ所にカンカン満タンガンで、掃治大臣、まさかの登場1話で大爆死。
 ……と思ったら、ゴミ箱から復活。
 「そんな事で自分に勝とうとは、浅はか千万であります」
 七つ道具の残り二つも使ってないし、そこまで安い相手ではなかった! とはいえ、次回、 クリスマスの勢いで滅殺される可能性95%以上な雰囲気だ!!
 三つのワールドを滅ぼした超大物の筈だったんですが、まあ転機は、ヘルガイユ宮殿で酒を飲んだところだろうなぁ……。 むしろこうなると、クリスマスSPで退場と見せかけて、いや本当に最終章の敵でした、となる方が驚くけど、さて(笑)
 というわけで新展開かと思ったら新展開ではなかった、という感じになりそうですが、強敵登場とクリスマス編を一緒にやりつつ、 散漫にならずに二つの要素をしっかり繋げたのは秀逸。単独で見ても実に『ゴーオンジャー』らしい一編となりました。

◆GP−44「聖夜ヲマモレ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:古怒田健志)
 キレイズキーがカンカン満タンガンの直撃を防いだのは、ウェポン6:無限ゴミ箱の力によるものだった。 7人+サンタはゴミ箱に吸い込まれ、世界のあちこちにばらまかれてしまう。
 ここからパーティ3分割で、走輔・連・軍平は、強盗が立てこもり中の幼稚園の中、早輝・大翔は、 おどろおどろしい雰囲気の薄暗いススキ野原、範人・美羽・サンタは、どこぞの浜辺に。
 そして邪魔者を排除したキレイズキーは、強力なエネルギー爆弾によってヒューマンワールドの住人を根こそぎ吹き飛ばす 「ヒューマンワールド年末ジャンボ大掃除大作戦」の仕掛けを開始する。
 ススキ野原を彷徨う黄と金……というのは、ここに来てかなり珍しい組み合わせ。というか、 早輝から兄への「大翔さん」という呼びかけを、初めて聞いた気さえします(^^; 二人は何故か幽霊に襲われ、 いつもの余裕をかなぐり捨てて泡を食って逃げ出す大翔。実は、死んだ祖父に聞かされた迫真の怪談の影響で、 須塔兄妹は幽霊だけは大の苦手としていたのである。
 とこれは、夏の怪談回で兄妹も幽霊から逃げ出していたのを、拾った形か。
 すっかり恐慌状態で使い物にならない兄に、早輝、いきなりおくになまりで説教。
 「こら! 大翔、なにしよっと。そいでも、おとこんこね? ちゃんとついとっちょね。お化けが怖くてゴーオンジャーが務まるかいね」
 「さ、き……?」
 これも、姉回の設定を拾った形に。
 また早輝は終盤に来て、“土壇場で恐ろしい子”が定着してきました(笑)
 一方、範人・美羽組はサンタが無くしてしまったプレゼント袋を探していた。ボンパーからの連絡を受け、 真面目に早く帰ろうとしている範人に対し、美羽の方がサンタ袋を探すのに積極的、といつもと逆パターンで、 ピカピカ兄妹の普段と違う面が描かれています。懸命に袋を探すサンタと美羽だったが、その目前で、袋はゴミ収集車に回収されてしまう。 がっくりとうなだれるサンタを励ます美羽。
 「諦めちゃ駄目。クリスマスは、一年中でいっちばんキラキラした日じゃなくちゃいけないんだから」
 「貴方が思い出させてくれた。プレゼントを貰った時のあの気持ち。ちゃんと子供達に届けなくちゃ」
 ……メタ的には、色々あれだ(笑)
 美羽の真意を知って範人もその思いに共感し、3人は一致団結、ゴミ収集車の後を走って追いかける……。
 幼稚園の野郎3人は、立てこもり犯がクリスマス会のツリーを蹴倒した事で我慢の限界に達し、怒りの飛びかかり。
 「動くな、撃つぞ!」
 「撃てよ」
 強盗は引き金を引くが、走輔、変身して弾丸を防御。
 「ご、ゴーオンジャー……」
 「人間相手に変身するのは、反則だが、わりいな」
 なお、変身前に撃たれて死んだ先達は何人か居るので、あまり格好つけると危険だからな、走輔!  さすがに一度、あの世の入り口付近を覗いてきた男は、覚悟のほどが違います(笑) 単にカメラ位置の都合かもしれませんが、 強盗に撃たれる前に射線を人質の子供達からより遠ざける位置に動いている、というのは地味に格好いい所。
 また、政治的に黙認(というか幽霊のような扱いだと思われる)だけど世間的には知られているヒーローであるゴーオンジャー、 の特性が強盗と人質の反応に巧く出て、短いながら、今作のエッセンスの詰まったシーン。
 「次は本業の、ガイアーク退治だ!」
 強盗達をあっさり確保した3人は、ガイアークの作戦妨害へと向かう。フラフラしていたキタネイダスとケガレシアを先制攻撃で適当に撤退させ、 再びキレイズキーと激突すると、無限ゴミ箱を弾き飛ばして発動を阻止。
 「面白い。自分を本気にさせたでありますね」
 対するキレイズキーは、片付けてきた三つのワールドで得たエネルギーをブレンドしたドッキリウムを飲み、 「超・産業革命」で巨大化。メンバーの揃わないゴーオンジャーは、バスオン、ガンパード、強烈王を発進させる。
 追加で個人しか乗れないメカ/ロボを出すと、だいたい微妙な使い方になりがちですが、強烈王は比較的うまく使えているイメージ。 パーティ分割の妙がポイントのエピソードですが、面白みを出しつつ、展開もスムーズに進めています。
 サンタ組は収集センターに到着し、ゴミの山を捜索。
 「探すしかない! 絶対見つける、みんなのクリスマス!」
 そして早輝は、幽霊を投げ飛ばしていた。
 「こげなもん、怖くもなんともなか!」
 「さ、き……?」
 「ほら、スマイルスマイル」
 久々のスマイル攻撃が炸裂し、顔面を引っ張られた兄は、なんとか状態異常から回復。
 「君に、勇気を与えられるとはね。……早輝みたいな妹も、いいかもしれない」
 「お姉さんになら、なってあげてもいいかな」
 群がる幽霊をちぎっては投げた結果、怪しげな空間は実はお化け屋敷の中であった事が発覚。 二人は急いでベアールVとトリプターで戦闘現場へと駆けつけ、青&黄色の操縦で炎神王に、 そしてガンパード×トリプター×キャリゲーターで、頑張王トリプターへと変形する。
 黒「その手があったか!」
 その手があったか!
 ゴミの山を相手に苦戦するサンタ組は、美羽の第六感は探し物に使えないのか、と範人が発案。
 「あれは……誰かの意志を感じるもので、こういう時には……」
 「絶対に奇跡は起こるよ。だって、今日はクリスマスイブだもん」
 範人に励まされ、念じてみる美羽。3人で手を合わせて一緒に念じてみた結果、美羽の閃きで遂にサンタ袋、発見。だが、 戦場では……
 「四角い部屋を丸く掃く、ハタキブレード、円月斬り!」
 ちゃんと掃除できていない必殺剣を受けて3体のロボは吹き飛ばされ、エネルギー爆弾の設置も完了してしまっていた。
 「遂に時は来た。これでこのヒューマンワールドは綺麗さっぱりになるであります」
 最後の突撃を試みる3体のロボだったが、お掃除七つ道具、最強最後の武器バケツバズーカを食らい、大地に倒れる。
 「ヒューマンワールドの人間達、さらばであります」
 起爆装置のスイッチを入れようとするウガッツ達……だがその寸前、空からの攻撃が起爆を阻止。 間一髪で駆けつけた青空王バルカが奇襲攻撃で起爆装置とハタキブレードの破壊に成功する。
 「頼むぜゴーオンジャー! この戦いに、子供達のクリスマスがかかってるんだよー!」
 半ばバ○ダイの手先みたいなサンタの声援を受け、レッドはゴローダーGTも闘魂ソウルで起動。 頑張王と青空王は腕を通常状態に組み替え直し、今並ぶ、5体の巨大ロボの勇姿!

「強大な列車の王、キョウレツオー!」
「巨大なる炎神の王、エンジンオー!」
「更なる炎神の王、ガンバルオー!」
「空を制する天空の王、セイクウオー!」
「滑翔する正義の車輪、ゴローダーGT!」

「「「無敵の音を、轟かす! ゴーオン・オールスターズ!!」」」

 ここで5大ロボ名乗りと、思いつく事全て、やり尽くしにきている感じ(笑)
 頑張王の、そういえば特に無かったので今考えた、感が切ない。
 あとゴローダーが、皆で声を合わせている事もあって今ひとつ何を言っているか聞き取りにくいのですが、「滑翔」で合ってるか微妙。 滑って翔ぶ、所からの造語でしょうか。
 ……でホント、真のラストはどうするのか(^^;
 ゴーオン・オールスターズは勢揃い飛び蹴りから、5体のロボットによる袋叩き(笑)
 絵がこれ以上ないくらい酷い。
 キレイズキーはバケツバズーカで反撃をしてくるが、炎神は一度分離してこれを回避、そして遂に、伝説の巨神が再誕する。
 デカい、強い、容赦ない、の3拍子揃った炎神王G12は、まずはゴローダーストライクでバケツバズーカを破壊。
 「そんな……ありえないでありますぅ!」
 恐怖にひきつるキレイズキーを、G12グランプリで滅殺完了。
 「骨は拾ってクリーナー……!」
 掃治大臣キレイズキー、ここに殉職。
 「まさか、あの御方が敗れるとは……」
 「妾たち、また二人で、頑張るしかないでおじゃるねぇ」
 すっかり、心が折れてきたなぁ……(^^;
 「よし! こうなったら、飲むしかないでおじゃるよ」
 「おう! 今宵はネジが外れるまで、飲むゾヨ」
 そして、飲む(笑)
 「はぁ〜ぁ、どこかにもっともっと強い味方はいないでおじゃるかぁ……?」
 ひたすら他力本願なケガレシア様。
 だが、まるでその言葉に応えるかのように、ゴーオンジャーとの戦闘で吹き飛ばされて草に埋もれていた無限ゴミ箱が、 謎の光を放っていた……。
 キレイズキーの各武装の破壊シーンがいやに丁寧に描写されるなぁ、と思ったら、なんとこの伏線だった模様。
 果たしてゴミ箱の奥からは何者かが現れるのか、それとも期待させておいてギャグなのか。どうなるガイアーク?!
 次回、まさかのG3プリンセス復活(あれ?)。
 クリスマスに続いてお正月スペシャルが終わったら、真の最終章に突入という感じになりそうですが、『ゴーオン』ももう、 残すところ後わずか、配信的にはあと2週か3週というところかぁ……。
 年によって色々と趣向を凝らすクリスマス編ですが、物語とクリスマスを不可分としてしっかりと絡めた、 かなり良いクリスマス編でした。
 前後編で何故か脚本家が変わりましたが、前編を受けた上で、3分割展開を上手くこなし、ラストきっちり盛り上げてきました。 前回のカンカンバー回は微妙な出来でしたが(というか、カンカンバーが微妙……)、古怒田脚本はキャラクターの組み合わせ方が巧い。 また分割した上でそれぞれにちゃんと意味を持たせ、集約してクライマックスに持ち込んだ流れも綺麗。 ウラメシメデス回といい今回といい、内容の詰め方にテクニックが光ります(ともに演出している渡辺勝也の、 ツボの抑え方もやはり上手い)。
 あと特筆すべきは、敵が何かとグッズをアピール、クリスマスプレゼントの喜びを繰り返し強調、変則組み替えロボットの活躍、 全ロボットの揃い踏み、と来て、炎神王G12で締める、というプロモーションとしての完成度の高さ(笑)
 タイミングとしてクリスマス商戦に間に合っていたのかはさておき、全国の親御さんと、バンダイの担当者が泣いた!
 炎神王G12を安売りせず、ここ数回使っていなかったのも効き、ロボット回としては、物語的にもメタ的にも、 戦隊史上に残る出来ではないかと。
 最終章を前にしっかりと盛り上げてきてくれたので、後は、「これが真の最終回だった!」みたいな事にならないクライマックスを期待したい。

◆GP−45「初夢キカク!?」◆ (監督:竹本昇 脚本:波多野都)
 7人+ボンパー、着物姿で視聴者に新年のメタ挨拶。そしてピカピカ兄妹をスポンサーに、新年会へ。炎神達は別行動で、 年に一度開くという、謎のリフレッシュ空間・リフレッシュホールでオーバーホール中。とりあえず全員喋って、 そこから回想へ……というお正月総集編。
 いまいち覚えていなかった連の前職ですが、サーキットの送迎バスの運転手でした、そうでした。なるほど、大型免許持っているので、 普段ぎんじろう運転しているとか、そういう事なのか。老舗旅館の跡取り息子が、「メカニックになりたい」と家を出て、 バスの運転手していた筈が、何の因果か無職ヒーローと、なかなか凄い成り行き。
 まずは初期メンバー3人の見せ場ですが、よりによって走輔の見せ場は、道ばたの岩を掴んで蛮鬼獣を殴った所か(笑)
 炎神達がくつろいでいる頃、人間達は豪華宴会料理に舌鼓。
 中継は、熱海後楽園ホテルから、お届けいたします。
 一方、ヘルガイユ宮殿ではケガレシア様が、どこかの本屋で買ってきたとおぼしき黒魔術のテキストを手に、 3分でヨゴシュタインを甦らせようとしていた。
 「妾が魔法の水を入れたら、ヨゴシュタインの格好いい所を、思い出すでおじゃる」
 もうもうと立ちこめる煙の中、ヨゴシュタインの活躍を思い出そうとする、キタネイダスとケガレシア。 最初は蛮鬼獣の活躍シーンを思い浮かべていたが、段々と逆転負けの映像を思い出してしまい……黒魔術、あえなく失敗。
 と、あの手この手で回想シーンに繋げてきます。
 思うに大臣ズは、ヨゴシュタインが戦力的に必要というよりも、“3人揃っていないと調子が出ない”のだろうなぁ(笑)  ガイアークの追い詰められ感は、純粋な数字の問題というより、ノリの問題な気がしてきました。
 その頃、走輔はスポンサーの2人のご機嫌伺いに、隠し芸のどじょうすくいを披露していた。
 「独自の解釈は勝手だが」
 「とにかく、凄く……格好悪いわ」
 不評。
 ほらほら、軍平君と範人君も芸の一つぐらい披露したまえ、といった所で、走輔が楽しみにしていた海老が消失。7人は、 海老をくわえた座敷童と接触する……。
 豪華なホテルに興奮しているという事なのでしょうが、今回、走輔と軍平の演技が、テンション高すぎて少しおかしい(笑)
 軍平と範人の活躍シーンを挟み、ヘルガイユ宮殿では黒魔術続行中の大臣ズだったが…… 今度はゴーオンジャーのロボットにやられるシーンを思い浮かべてしまい、黒魔術は大失敗。ケガレシアは心と体を癒しに出かけてしまい、 キタネイダスは、魔術失敗の爆発のどさくさで落ちてきたどこかで見たようなゴミ箱を拾って、とりあえず部屋の隅に置いておく。
 ホテルに伝わる座敷童の物語を聞いた7人は、座敷童を探して回り、ピカピカ兄妹が発見。歌の好きな座敷童の為に、 特別コンサートを開く事に。ところで美羽は、いつもの髪型より今回の髪型の方が可愛い。
 心と体を癒しに温泉でくつろいでいたケガレシアが合流し、G3プリンセス、奇跡の再結成。
 皆が普通にケガレシアを受け入れているのは、正月ノリというより、もはや脅威だと認識されていないのでは疑惑。 がっつり1曲歌い上げるG3プリンセスだが、ノリノリの男性陣とは対照的に座敷童には不評。
 「……おばちゃんが、嫌だ」
 恐るべき感想にケガレシア、激怒して沸騰。勢いでそのまま巨大化(おぃ)
 「おばちゃん……おっきくなっちゃった」
 「おばちゃんではおじゃらん。偉大なる機械生命体の、乙女でおじゃる」
 ……まあ、アレルンブラ家の乱の頃から健在など設定を考えると、人間視点ではけっこうな歳の筈ではありますが。
 巨大化したケガレシアはゴーオンジャー達を踏みつぶそうとするが、そこでリフレッシュを終えた炎神達が炎神王G12の姿で登場。 哀れ巨大ケガレシアは、G12パンチで夜空の星に。危うく、正月総集編でまさかの殉職かと思われましたが、さすがに死なずに良かった(^^;
 どさくさでケガレシアを撃退したゴーオンジャーだが、座敷童を楽しませるというミッションは果たせていない。
 「私達では駄目だった。だから……」
 野郎共を見つめる、美羽と早輝。
 「え?!」
 「でも俺たちには曲がないっス」
 「あるよ。――曲なら」
 「マジか」
 事あるごとに歌いたがる兄、用意していた(笑)
 ここに急遽、G5プリンス結成。ジャニーズ……というか、『戦国鍋TV』の世界に。範人だけ、ズボンちょっと短くて、 スネをちらちらさせているのがあざとい、あざといなっ!
 座敷童に大受けで笑顔を取り戻す事に成功した7人は、新年骨休みも済み、翌朝、帰路へつく。その前に姿を見せたのは、 赤い振り袖姿の座敷童。
 「あなた、女の子だったの?」
 だから、プリンスの方が受けた……というオチなのですが、どう見ても、最初から女の子でしたよ! 一応、 軍平が「坊主」と呼びかけたり、男と誤解している扱いではあったのですが、どう見ても女の子でしたよ!
 ラスト、EDはプリンスバージョンで、どこまでも遊び抜きました。
 正月総集編なのですが、G3プリンセスとG5プリンスの歌を唄いきっている為、回想シーンは少なめ。 衣装替えからダンス振り付けまで考えると、年末進行対策だと思われるのに、普段とあまり撮影の手間が変わらないのではないか、 という(笑)
 ここに来て初参加の脚本家でしたが、そつなくまとまった悪くない総集編。特にガイアークサイドの挟み方は、今作らしさが出て、 良かったです。

→〔その10へ続く〕

(2014年12月31日)
(2017年4月9日 改訂)
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