■『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想まとめ7■
“L・O・V・E ラブリーハート GO!”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『炎神戦隊ゴーオンジャー』
感想の、まとめ7(GP−31〜35)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕
〔まとめ6〕 ・ 〔まとめ8〕 ・ 〔まとめ9〕
・ 〔まとめ10〕 ・ 〔総括〕 ・ 〔劇場版〕
- ◆GP−31「歌姫(アイドル)デビュー」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
究極のアイドル回を見せてやる!
みたいな。
脚本は勿論、アイドル回に命を捧げる男・荒川稔久。
監督は、単なる巡り合わせなのか、はたまた立候補なのか、『五星戦隊ダイレンジャー』『忍風戦隊ハリケンジャー』などでも、
荒川稔久とのコンビでアイドル回を演出した、渡辺勝也。
というわけで、東映×戦隊×アイドルの歴史を注ぎ込んだ、渾身のアイドル回。
もはや、無法地帯。
音に溢れるサウンドワールドから、雑音を吸収して成長する生物・ロムビアコ(レコード会社の日本コロムビアのもじりと思われる)
がヒューマンワールドに現れる。スーパーハイウェイバスターやウイングブースターでダメージを受けるどころか、
その衝撃音で巨大化してしまうロムビアコ。休眠状態に入ったロムビアコだが、
このままではヒューマンワールドの様々な音で更に巨大化し、地球が崩壊しかねない。この異次元からの難敵を前に、
ゴーオンジャーとガイアークは一時休戦、ロムビアコを“素敵な音”で小さくしようと奮闘する……。
「今回はみんなで歌いまくるゾヨ」
「「「はい〜?」」」
ジャー側がガイアークを止めるのではなく、ガイアーク側がロムビアコの生態を説明して一時的に手を取り合う、というのが、
実に今作らしい所。
というわけでエントリーNo,1、ガイアーク三大臣で「産業革メタル〜死霊のハグルマ〜」。
ヨゴシュタイン&キタネイダスがエレキギター、ケガレシア様がドラム担当でしっかり1コーラス歌い上げるも、
それを聞いたロムビアコは、ますます巨大化、無残な失敗に終わる(笑)
「素敵な歌声といえば、なんたって、アイドルユニットよね」
「「「え?」」」
「いや、美しい声なら任せろ。この俺のラブソングで、眠っている間に奴を小さくしてやる」
早輝、嫌がる美羽と強引にコンビ結成……に興味を持ったケガレシア様も何故か加わり、3人、アイドルユニット結成の為、一時退場。
その間にエントリーNo,2、須藤大翔の送る珠玉のラブバラード「俺が一番好きなのは俺」。
兄、胸に真っ赤な薔薇を付け、アコースティックギターで弾き語り開始(笑)
走輔&キタネイダス「「ゾヨヨヨヨヨ」」
連「うますぎる〜」
ヨゴシュタイン「だけど自分に酔っ払いすぎっス」
何故か重なる口癖で、今回限りの連帯感を表現。
大翔の歌は効果を発揮したかに見えたが……さて、審査員の最終判定は?
けっ、野郎の歌なんて聞きたかねーんだよ!
兄、まさかの失格のショックで壊れる。
その頃、女子3人は最強のアイドルユニットを目指して、会議中。
ケガレシア「3人の頭文字を取って……命名:ケさみ」
乗り気でなさそうだった美羽も衣装デザインで盛り上がる中、早輝、特訓宣言。何故かセーラー服コスプレでジェットコースターに乗り込み、
どんな時でもスマイル満開の特訓を始める。
どうしてセーラー服なのかさっぱり意味がわからないので、関係者の煩悩だと思われます。
早輝と美羽の女優さんは、現役だったかもですが。
一方、野郎達の見つめる中、ロムビアコは大時計の時報の音楽で一回り小さくなるが、目を覚ますと音源を破壊。
暴れるロムビアコを止める為、範人と軍平が頑張王で出撃する。ボンパーの調べにより、
時報の音楽が一般的な女性の歌声と波形が近い事が判明……やはりロムビアコを止められるのは、アイドルの力だけなのか?!
だが、その時!
エントリーNo,3、ザ・大臣ズで、「恋のフーガ」。
「追いかけ〜て、ゾヨ」
「追いかけ〜て、ナリ」
女装したヨゴシュタインとキタネイダスが花まで用意して歌い出すが、勿論、逆効果。
ロムビアコはますます巨大化し、頑張王は大苦戦。赤と青も変身してゴローダーを繰り出すが、ゴローダーの攻撃すら通じず、
更に巨大化してしまう。
2話前で登場した新武装が、アイドル回で無効化される、この容赦の無さ(笑)
給油ソウルを注がれて立ち上がった頑張王だが、ロムビアコの猛威の前に遂に合体解除でバラバラになってしまい、
打つ手無しの野郎共……もはや、地球を救えるのはアイドルしかいない!
そんなアイドルを目指す女子3人は、特殊形状記憶合金ケガレメタルによる「アイドルお色気ポーズ養成ギブス」により、
「うふんのポーズ」「あはんのポーズ」など、セクシーポーズを特訓(笑) そこはかとないお色気を身につけ、
最後は美羽の発案により、連続で打ち出されるバレーボールをかわす事で、
アイドルにふさわしい華麗な身のこなしを習得しようとしていた。
「アイドルの星を掴むまで、涙をふいちゃ駄目!」
「そうでおじゃる。このヒューマンワールドの未来は、妾達にかかっているでおじゃる」
「そうよ、あたしたちは負けられない、行こう、みんな!」
バレーボールに打ちのめされながら、スポ根特訓により、勢いで一致団結する3人。この辺り、
男性陣と女性陣のシーンを交互に入れているので勘違いしそうになるのですが、お互いの状況は全くわかっていないので、
実は女性陣は野郎共の危機など全く知らないという(笑)
そして――心を一つにした3人はバレーボールをかわしてアイドルにふさわしいステップを身につける。追い詰められた男達が、
あわや踏みつぶされてぺったんこというその時、駆けつける希望の光!
「ゴーオンジャーのスマイル担当、早輝です」
「ゴーオンウイングス、ラブリー担当、美羽です」
「ガイアーク、セクシー担当、ケガレシアです」
「「「一生懸命、歌います。聞いて下さい。G3プリンセス・1」」」
曲は、「G3プリンセスラップ−PRETTY LOVE☆LIMITED−」。
ピンクの衣装に身を包んだ3人の特別ユニット・G3プリンセスによる、EDの替え歌(というかG3プリンセスバージョンというか)。
その場で歌うだけでなく、PV風イメージカットも入れるなどして、やりました、やり抜きました。
荒川×渡辺コンビは過去に『特捜戦隊デカレンジャー』のジャスミン×ウメコソングエンドもやっていますが
(厳密にはEDの演出は誰だったかわかりませんが)、それを今回は堂々と本編内部で、
アイドルユニットとして正面突破。
3人の歌声は見事に合格点をたたき出し、ロムビアコは見る見るうちに人間大まで縮小。後は力の勝負と、G3プリンセスは並んで変身、
何故かケガレシア様までメットオン!
「スマイル満開、ゴーオンイエロー!」
「キラキラ世界、ゴーオンシルバー!」
「惚れなきゃ後悔、ケガレーーシア!」
「「「三つのGが集まって、今日だけユニット、G3プリンセス!!」」」
3人はロムビアコの光線攻撃をアイドルステップで華麗にかわすと、プリンセスパワーでピンクのバレーボールを生み出し、
「G3トライアングル」を発動。次々とボールをパスし、最後は連続でアタックを決めるという、
ゴレンジャーハリケーンやバルカンボール的なアイドル必殺技「プリンセスキャノンボール」により、ロムビアコを撃破。
サウンドワールドからやってきた迷惑怪獣は、ここにアイドルの力によって昇天するのであった。
「3人って、いいよね。力も夢も勇気も、強くおっきくなる気がするもんね」
この台詞がサンバルカンEDのパロディなので、上記必殺技もイメージとしてはサンバルカンか。3人だし。
そのままノリでケガレシアを仲間に引き込もうとする早輝と美羽だったが、さすがにそこまで甘い相手ではなく、
「今度会う時は、再び敵同士でおじゃるよ」
夕陽の中、ケガレシアは去って行くのであった……。
当然のようにそのまま、G3プリンセスはED乗っ取り。
敵の作戦だったり、物語として“アイドルになってしまう”展開ではなく、
ただ純粋にクライマックスでアイドルが怪人を倒す展開から逆算、という、アイドル回のためのアイドル回(笑)
そんなアイドル回としては好き放題やりつつ、破綻しない程度のお祭り回の体裁を取りながら、一応ロボ戦入れたり、
正直存在を忘れていた給油ソウルを使ったりする辺りが、荒川稔久の無駄技巧ではあります。
ガイアーク側の懐の広さを見せるエピソードともなりました。
次回、そろそろ新展開?!
- ◆GP−32「秘宝ヲサガセ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
-
「うつみ宮土理はぁ、キンキンの奥さんドリぃ!」
「かしコマドリ姉妹!」
模擬戦ではキタネイダスを押し込み、隙あらば有名人の名前ネタを突っ込んでくるテンション高い蛮鬼獣ドリルバンキが、
ヨゴシュタインの命令で出撃。その目的は、ある人間から地図を奪い取る事。
かつてヒューマンワールドがダイナワールドと呼ばれていた頃――この世界の支配者であった恐竜を滅ぼした極めて強力な蛮鬼族・
ホロンデルタール。その眠る場所が、地図に記されているのだという……。
最新の戦力ヒエラルキーに基づくと、
ゴーオンジャー <<<<< ゴーオンウイングス << キタネイダス < ドリルバンキ
という何だか凄い事になってきましたが、ケガレシア様曰く、「傷心旅行から帰ってきたヨゴシュタイン作の蛮鬼獣は今までとひと味違う」
との事。その上で、前回切って捨てた「せこいギャグ」連発なのが、今作らしい所です(笑)
山奥で捉えられたかすかなガイアーク反応の調査に向かったゴーオンジャーは、
山中の掘っ立て小屋で貧乏自炊生活を行っている黒岩一家(父・息子・娘)と出会う。一家は半年前にこの山に住み着き、
父親が宝探しに没頭しているのだという。
「時々居るんスよね。幕府の埋蔵金とか、戦時中の秘宝とか。辛い現実から目をそらして、非現実的な話に溺れる人って」
連、思わぬぶった切り。
身内にそういう人でも居たのか。
芋をかじり、夕飯のおかずに自分達で魚を釣る子供達の境遇に、無茶な親に振り回されて可哀想だ、と憤る軍平・連・早輝だったが、
子供達は父親をかばう。黒岩父は、妻が死に、会社が潰れ、それでも子供達の夢をかなえる為に、宝を探しているのだと……。
その頃、非現実的で夢追いがちな走輔と範人は、「分け前はいらないから手伝いたい!」とロマンを追って、
黒岩父に協力を申し出ていた(笑)
ドリーム体質の2人に自分と通じるものを感じたのか、協力を受け入れる黒岩父。黒岩父が探しているのは、地域の伝説に語られる、
地下に眠る黄金の龍であった。骨董品屋で手に入れた地図を元に洞窟を掘り進めていた父だったが、
その洞窟の前でドリルバンキが出現する。ガイアークの目的もまた、その地図と、地下に眠る存在だったのだ。
スピードル「こいつ喋り方が被っていて気にいらん!」
キャラ負けしがちな主人公属性の為、存外、喋り方にアイデンティティを依存していたらしいスピードル、
己の存在感に危機を感じる。
変身した赤と緑だったがその攻撃は一切効かず、ドリルバンキは地図を奪うと穴掘り開始、洞窟の入り口を塞がれてしまう。
そこに邪悪な気配を感じたウイングスが姿を見せ、気絶した父親を一度、掘っ立て小屋へ運ぶ事に。
須藤兄妹の第六感は、どうせ割といい加減に使うのだし世界観を崩しかねないリスクを冒してまで“能力”として明示する必要があったのか、
と当初思っていたのですが、結果的には基本設定において「いつでも途中合流可能」な理由付けが存在する事で、
導入から全員を出さずに済み、シナリオがすっきり。いい、とまでは言わないけど、人数多いの見越した上で考えた設定だな、と。
掘っ立て小屋で合流した7人は、お互いを思いやる親子の絆に、ガイアークから地図を取り戻す事を約束。父親の情報により、
近くにある別の古い入り口を使って地下へと向かう。
この古い入り口のところでユーモア狙って微妙に外した掛け合いがあるのですが、
父親がその入り口を使わなかった理由――ないしゴーオンジャーでないと使えなかった理由、が特に描写されなかった為、
どうもメリハリにかける展開に。深い縦穴になっていて7人でないと降りられない、とかそれぐらい挟むだけで違ったと思うのですが。
7人は地下でドリルバンキと遭遇、先制のW必殺技を放つが、あっさりと弾かれる。だが、ドリルの弾いた二つの衝撃波が空洞の奥の壁を崩し、
その奥から黄金の龍が姿を見せる!
これで目的達成したドリルバンキ、いきなりの巨大化。
モニターしていたボンパーさんが何故か微妙に楽しそうなのですが、ドリー・ファンクが好きなのか。
炎神王G9を近寄らせないドリルバンキのパワーに、ゴローダー発動。ゴローダーキックでひっくり返した所にゴローダーストライクを放つが、
衝撃で目覚めた龍が地上に出現し、それを弾き返す。
前年のヒット作に乗っかったのか、龍、その正体は、線路を生み出しながら場所を選ばずに走る3両編成の巨大な列車であった。
しかもその先頭車両に輝くのは、炎神エンブレム。
黄金の炎に包まれて走る列車の突進を受けてG9は倒れるが、列車はドリルバンキにも攻撃を仕掛け、ドリルは撤退。
そして謎の列車はそのまま虚空へと走り去って行くのであった……。
黒岩一家は空を走り去る 銀河鉄道 龍の姿を見て大満足。黄金の龍を手に入れる夢はかなわなかったけど、
本当の宝は家族、と東京に戻ってやり直す事を決意する、というオチ。
番号ついているので明らかに新炎神の3体は、外観がマンモス・ティラノザウルス・トリケラトプス。龍は龍でも、恐竜だった!
勿論、マンモスは恐竜ではないですが、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』にマンモスレンジャーが居るので、
東映戦隊的には、マンモスは恐竜です、はい。
それに電車モチーフを加え、恐竜+電車という、メインクラスのネタを二つ重ねた豪華仕様。
くしくも2013−2014の戦隊と重なっていたり。
果たして、謎の恐竜列車はゴーオンジャーにとって敵か味方か、ここから炎神また3体増やすのか、
そしてガイアークは今回も戦力強化の筈が新たな敵戦力を呼び込んでしまうのか。
次回、な、なんかまた凄いのが……。
- ◆GP−33「原始エンジン」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希)
-
前回のダメージで、回復するまでキャストの姿に戻れなくなるスピードル。怒りの走輔は恐竜列車を探しに飛び出していく。一方、
あれはきっとホロンデルタール様に違いない! と強弁するヨゴシュタインは、ドリルバンキを再び派遣。
恐竜列車のせいで酷い目にあったと怒り心頭の2人は曲がり角でぶつかって恋に落ち……なかった。
走輔&スピードルは恐竜列車を追い、頭に血が上りっぱなしの走輔をなだめて、スピードルが恐竜列車の説得を試みる。
走輔さん、恐竜列車の3炎神に対し、「あいつらは同じ炎神を仲間と思わない野蛮で原始的な連中だ」とお怒りなのですが、えー、
あなた方、「よく知らない炎神だから」という理由で、
問答無用でキャリゲーターに殴りかかってませんでしたか。
これを世の中では、因果応報と言います。
交渉を試みたスピードルが何故か仁義を切ったり、面白いというよりは意味不明。恐竜の時代にこの次元に来た為、
人類を知らない3炎神はヒューマンが気に入らない……てほぼ同様のネタをそれもキャリゲーターの時にやったような(^^;
一方、そうとは知らずに恐竜列車を誘き出そうとする残り6人は、これまでの行動パターンから恐竜列車が戦いの匂いをかぎつけるのでは、
と頑張王と青空王で殴り合い。最初は寸止めだったが、やっている内に軍平と大翔がヒートアップ。
無駄に消耗して合体時間の限界が来た所にドリルバンキが現れて産業革命し、無駄に大ピンチに。仲間の危機を知った走輔は、
恐竜列車の説得をスピードルに任せて、ひとりドリルバンキに立ち向かう。
ここでスピードルがヒューマンの相棒の存在を力説、巨大化した蛮鬼獣に勢いで立ち向かうレッド、という描写が交互に入るのですが、
レッドの戦闘をモニターしているわけではないのでこの戦闘の熱量は特に3炎神に届くわけでなく、
相棒の存在ネタは過去の焼き直し以上にならず、おまけにスピードルは謎の渡世人口調、と、
全てがあらぬ方向へ外れてしまいました。
最終的にはスピードルの説得が通じ、恐竜列車――キシャモス・ティライン・ケライン――は走輔の存在を認め、
ゴーオンレッドを乗せると炎神合体。……なのですが、アクションのはったりで何とか盛り上げようとしていますが、
物語的な盛り上がりはほぼゼロ(^^;
ナレーション「3体の古代炎神と、戦士の心が一つになって、強大な列車の王、キョウレツオーがここに降臨とくらぁ!」
「キョウレツオー、チューンナップ!」
上半身キシャモス、右足と左足がそれぞれティライン・ケラインというキョウレツオーは、
胴体から思いっきり鼻が突き出しているのがチャームポイント。
ナレーションを参考にすると強列王、その心は恐(竜)列(車)王、
といった所でしょうが、書きやすいので、強烈王で。
強烈王は電車道チョップなどでドリルバンキを圧倒し、観戦中の6人、解説役になって強引に持ち上げ。最後は、
「到着だぜ、ディスティネーション! 強烈王・強烈エクスプレス!」
鼻息を出しながらのチョップ攻撃でドリルバンキを撃破する。
「ぬほぉぉぉ、あやつは炎神だったなりぃぃぃ?!」
「だーから、最初から言ったでおじゃろう」
ヨゴシュタイン様、大ショック……!
どさくさで一体だけで戦って倒してしまうのではなく、新ロボオンリーで戦わないといけない理由をストーリーの中で積み上げようとした、
という構成だったのかとは思うのですが、肝心の古代炎神の心を動かすくだりがいい加減だったりで、
物語そのものが全く面白くなりませんでした(^^;
クライマックスからの逆算が無いのも駄目シナリオになりやすいですが(『ブレイド』とか『ブレイド』とか『ブレイド』とか)、
クライマックスの都合にこだわりすぎて、途中の計算式を適当にねじ曲げてしまうという、これも駄目パターン。
やたらに喧嘩腰の走輔、いきなり部下の扱いがぞんざいなヨゴシュタイン、後先考えずに熱くなる大翔、など、
ここまでの物語の積み重ねを考えると、首をひねらざるをえない描写が、あまりに多すぎました。
スピードルが急に渡世人口調なのも、意味不明。
スピードルなりにご先祖様への敬意を込めたようですが、特に面白くもなりませんでしたし、どこからそういう発想になったのか、
あまりに脈絡ないですし。率直なところ、説得のくだりが面白くならなかったので、奇をてらって誤魔化しただけのように思えます。
そしてむしろ、余計につまらなくした感じに。
今作としては珍しいレベルの、残念回。
- ◆GP−34「悪魔ナオンナ」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希)
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「なんで〜……夢なり〜……悪夢なり〜……」
史上最強の蛮鬼族・ホロンデルタールを目覚めさせるどころか、またも炎神達の戦力増強に手を貸す結果となり、
がっくりと落ち込むヨゴシュタイン。……だが、害地大臣ヨゴシュタインは、ヒラメキメデス殉職の時と同じパターンを繰り返すほど、
やわな男ではなかった!
男ヨゴシュタイン、止める同僚を振り切って、スコップ片手にホロンデルタール様探索の旅へ……!
キタネイダスとケガレシアは、地道なヒューマンワールド汚染作戦を続ける事にし、ヒューマンワールドの温暖化を加速化させるべく、
ヒーターバンキを出撃させる。名付けて、「秋になっても真夏日作戦ゾヨ」。
タクシーに乗ろうとして横入りしてきた女と揉めた軍平は、街を温め中のヒーターバンキと遭遇。赤・青・緑も駆けつけて戦うが、
ヒーターは強力な熱風で満タンガンの弾道をねじ曲げ、ゴーオンジャーの攻撃を寄せ付けない。
……なんかもう、入りでゴーオンジャーが蛮鬼獣に蹴散らされるのがすっかり恒例行事になってきました(^^;
歴代でもかなり底辺なのではないか、ゴーオンジャー。
更に合流したウイングスまで熱風に吹き飛ばされるが、真夏日作戦優先のヒーターは撤退。そろそろ改めて、
特訓とか考えた方がいいのではないか、という6人は突然、先ほど軍平が揉めた女に声をかけられる。
謎の美女のウインクと投げキッスに、ハートを撃墜される走輔達。
「そうちんに、れんきゅんに、はんてぃ。わたし、早苗。さなちゅん、て呼んでください」
なお金兄も釣り針にかかりそうになるが、邪悪な気配を察知した美羽に耳を引っ張られて強引に退場。
「ガイアークより大変なの! もっと凶悪な……――」
そして東京駅に誰かを迎えに行って空振りした早輝が目にしたのは、既にぎんじろうに侵入した悪魔の姿と、
その下僕と化した走輔・連・範人であった。
3人を骨抜きにした謎の美女の名は、楼山早苗。早輝の実の姉にして、男を転がして生きる、一級釣師であった。
姉はきっと何か悪い事を考えているに違いない……幼少の頃より姉のせいで散々な目に会い続け、今もまだ、
過去の恥ずかしい写真をネタに脅迫をされ続けている早輝は、野郎達の中で唯一、早苗に抗体を持つ軍平に姉の追い返しを頼み、
頼られると悪い気のしない軍平はそれを引き受ける。
軍平は早苗を強引に連れ出し、それに後ろから付きそう早輝。そこにガイアーク反応が捉えられ、意外と真面目に出撃する残り3人。
早苗のボディータッチや泣き落とし攻撃への抵抗判定に成功した軍平の説得により、これまでの所行を反省する早苗。
軍平の前だと姉が真人間に! と盛り上がる早輝はいっその事と2人をくっつけようとようとし、
軍平も満更でもない感じになるが…………どう見ても、敵はフォームチェンジしただけです。
その頃、前回恐竜列車が掘り出された洞穴を更に掘り進めていたヨゴシュタインは、まばゆい光を発見する――。
一方、地道な温暖化作戦に対する反応の薄さに方針転換したキタネイダスは、ヒーターバンキにガスタンクを炎上させ、
一気に大気汚染を進めようとする。早苗にぎんじろうの退避を任せた軍平と早輝、そしてウイングスも合流し、ヒーターバンキを撃破。
ここでキタネイダス、モノクルを外して「産業革命!」の指示を出す、という新アクションを披露。
ノリとしては、「ビッグバン・ビーム!」みたいな感じで。
ガスタンクを守って炎神王G9がピンチになるが、恐竜列車が出動。マンモスブリザードで空気を冷やしてヒーターの力を奪うと、
強烈エクスプレスで文字通りに瞬殺。圧倒的な力を見せる強烈王だったがその時――突然の地割れと共に、
巨大な猿のような怪物が出現する!
メカコングは口から怪光線を放ってビルを破壊すると炎神王G9を吹っ飛ばし、猛スピードでビルを薙ぎ倒しながら姿を消す……
果たしてそれは、新たな蛮鬼獣なのか?! 戸惑う7人の耳に響く、ボンパーの叫び声。なんと改心したかと思われた早苗が、
ボンパーを縛り付けるとぎんじろう号を中古業者に売り払って逃亡。貧乏戦隊は34話にして、そのホームを失うのであった……!
「兄、援助してあげれば?」
「うーん、金の貸し借りは縁の切れ目というからなぁ」
「やっぱりお姉ちゃんは、本物の悪魔よぉ!」
そして、ガイアークでは――
「我は遂に見つけたなり……あれこそが伝説の蛮鬼族、ホロンデルタール様ナリ!」
「「ホロンデルタール?!」」
「うむ! ヒューマンワールドを、ガイアークワールドに変える時がきたナリ! ふふはははははは!!」
なにぶん、アレルンブラ家の前例があるので、てっきりネタ振りの出オチではないかと思われていたホロンデルタール様ですが、
まさかの復活。なかなかインパクトのある登場で、暴れっぷりが期待されます。
ラストで大きなイベントがありましたが、基本的にはギャグ回。ヒーターバンキの合間の行動などでかなりギャグを強調していますが、
いい話分ゼロで、早苗が最初から最後まで、ほんとーにどうしようもない悪い人、しっぺ返しなども無しのまま逃亡成功、
というのはさすがにいかがなものか。ネタとして全くひねりも無ければ救いも無い所を、ギャグ回だから、で誤魔化した感じはぬぐえません。
唯一面白かったのは、善玉側の誰よりも男らしい活躍を見せたヨゴシュタイン様(笑)
キタネイダスも新アクションを見せたり、こっそりガイアーク回。
前回今回と、工夫のないシナリオが続きましたが、何かスケジュール的にきつかったのか。個人的にはこのネタで、
古怒田脚本を見たかったなぁ。
次回、かつてないシリアス予告。
えー、そして、何、アレ……?
- ◆GP−35「炎神ノキズナ」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:宮下隼一)
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伝説の巨神の力 銀河切り裂く
雄叫びが 電光石火の一撃を呼ぶ
震えるな 瞳こらせよ 復活の時
みたいな(笑)
とにかく、炎神王G12凄いぜ!という、巨大戦てんこもりの大バトル回で、良くも悪くも内容は無し。
古代炎神から、ホロンデルタールについて聞く走輔達。6500万年前、かつてダイノワールドと呼ばれたこの世界で、
恐竜を滅ぼしたホロンデルタールと戦った古代炎神達は、自分達と一緒に石化する事でホロンデルタールを封印していた。
「だがそのホロンデルタールを、ガイアークが甦らせた」
…………いや、前後の成り行きを考えると、実質的に甦らせたの、ゴーオンジャーのような(笑)
まあ、放置していたらしていたで、ドリルバンキによって甦っていた可能性は高いですが。
一方ヨゴシュタインは、ホロンデルタールに謁見して、大喜び。ちょっとノリについていけないキタネイダスとケガレシア(笑)
ホロンデルタールは街へ出て大暴れし、久々に結構な被害に見舞われるヒューマンワールド。
前回のダメージで修理中の炎神達が出撃不能な為、ゴーオンレッドと古代炎神達が出撃する。
「6500万年前とは違うぜ! こいつらには、俺という相棒が! それに、こんな力もあるしな!」
ホロンデルタールとぶつかり合う強烈王だが、ヨゴシュタインがホロンデルタールに変なぜんまいを打ち込み、その能力を強化。
かつて恐竜に滅亡するまで同士討ちを起こさせたホロン電波を浴びた強烈王はレッドをはじき出し、暴走状態で街を破壊し始めてしまう!
そしてゴーオンレッドの前には、ヨゴシュタインが姿を現す。
満タンガンをあっさりマントで弾き返したり、改めて、強い事は強い(笑)
炎神達は修理の終わった順に出撃し、強烈王を止めようとする頑張王と、ホロンデルタールに立ち向かう青空王。
ヨゴシュタインに何かを打ち込まれながらもサーベルストレートを炸裂させたゴーオンレッドもスピードルに乗り込み、
炎神王チューンナップ。
「思い出せよぉご先祖! 恐竜たちの怒りと悲しみを!」
スピードルを先頭に、次々と強烈王の説得を試みる炎神達。ここで人間キャラを説得に参加させず、炎神オンリーにしたのは、
今作の特色を打ち出した所。オールキャスト揃い踏みで、OPのクレジットが大変な事になりました(笑)
「ご先祖、目を、目を覚ませぇ!」
強烈王の攻撃に対し、クロスカウンターを入れる炎神王だったが、そのダメージで合体分離。しかしその一撃が強烈王を正気に戻し、
洗脳電波を打ち破った古代炎神の発案により、今ここに、12の炎神が合体する!
「できなかないけど、まだ調整がぁ」
って、既に出来るシステムを組んでいたらしいボンパーさん、さすが悪魔科学の申し子。
炎神達がそれぞれ名乗りを上げ、古代炎神はまさかの字幕で名乗り、G12フォーメーション発動。
「バルバル〜。今、12の魂と7つの心が一つになり、全ての悪を制する、究極の王が降臨するでんてー! ぶらーぼー!!」
絵が凄い。
もう、炎神王G12に関しては、他に感想がありません(笑)
格好いいとか格好悪いとか、そういう領域を飛び越えた、脅威の12身合体。
その大きさ、ホロンデルタールの約1.5倍!
あまりに巨大で強大な為、合体の負荷が大きすぎる炎神王G12は活動時間が短いという弱点こそあるものの、
毎度お馴染みデカいは強い理論により、その力は圧倒的!
ホロンデルタールを瞬く間に追い詰めると更にゴローダーGTも起動し、タイヤを前振りに、G12グランプリで滅殺。
デザイン的に面白かったホロンデルタール様ですが、炎神王G12のこれ以上ない噛ませ犬として、無残に昇天。
正直、出オチ気味。
しかし……爆散したホロンデルタールの体から飛んできたネジ巻きを身につけると、ヨゴシュタインがその力により謎のパワーアップを遂げる。
「ホロンデルタール様は不滅ナリ」
そして……勝利に沸く帰り道、突然意識を失って倒れる走輔。ヨゴシュタインに打ち込まれたネジ巻きミサイルが心臓に達し、
その体は見る見るうちにサビに覆われてしまう……!
シリアスなシーンの筈なのですが、全身銅メッキみたいになった走輔の絵が笑えて仕方ありません(^^;
後みんなちょっと、蘇生とか試みないで、倒れた瞬間から見切るの早すぎる(笑)
次回、走輔よりもむしろ、はっちゃけすぎたヨゴシュタイン様が心配です。
→〔その8へ続く〕
(2014年5月5日)
(2017年4月9日 改訂)
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