■『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想まとめ4■


“ブレイク限界超える度 羽ばたく力がみなぎるのさ
キラキラ世界に意味がある 望み 愛し 守るなら”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『炎神戦隊ゴーオンジャー』 感想の、まとめ4(GP−16〜20)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆GP−16「名誉バンカイ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:武上純希)
 ヒラメキメデスが撃墜されたと思いがっくり落ち込むヨゴシュタインだったが、さすがに出オチという事はなく、 基地に帰還する閃きさん。もともとヒラメキメデスがガイアーク陣営から謎の失踪を遂げたのは、マシンワールドであの2体に追われ、 やむなく異世界へと逃亡した為であった。異世界で2体をまいてガイアーク本陣へ帰参したヒラメキメデスだったが、敵もまた、 ヒラメキメデスを追ってしつこくヒューマンワールドまでやってきた、というわけである。
 鳴り物入りでゴーオンジャーを蹴散らした閃きさんでしたが、どうやら対地属性が異常に高かっただけの様子。 空飛ぶ2体には分が悪いらしく、一気に格が落ちてしまいました(^^;
 空飛ぶ2体……それは生まれながらに飛ぶ力を持った希少な炎神、ウイング族。その強さと格好良さに好意的な野郎共だったが、 スイート天使はどうもあの態度が気に入らない。そんな中、ケガレシアが害水目の切り札として、オイルバンキを出撃させる。 産業革命したオイルバンキに挑む炎神王G6だったが、足下にオイルを流され、摩擦ゼロ攻撃により滑って大苦戦の末に合体解除、と。 2話連続でいいところゼロ。
 そこへ2体のウイング族が現れ、今回も頑張ったミニチュアバトルの末、オイルバンキは撤退。 地を這う虫けら共を馬鹿にしたその態度に、野郎共も不快感で一致団結、対オイルバンキの作戦を練る事に。

 エントリーナンバー1:江角走輔の場合
 ウナギを素手で掴む特訓でつるつるを克服しよう……とした結果、路上でまたもパンツ丸出し。
 段々癖にならないか、心配です。
 エントリーナンバー2:城範人の場合
 滑るのに対抗して靴に接着剤をつけた結果……動けなくなる。
 エントリーナンバー3:石原軍平の場合
 滑るのを逆に利用して相手に攻撃……しようとするが外れて、壁にぶつかる。
 エントリーナンバー4:香坂連の場合
 「滑らない為には、勉強あるのみ。目指せ東大」
 「その滑るじゃないだろ!」(ハリセン)
 「じゃあ、滑り止めも」
 「それも違う」(ハリセン)

 単独でやると、グダグダしているだけになりかねないのですが、前回、早輝がズバッと作戦を決めた展開を踏まえているので面白く、 前後編としての構成が活きています。今回は、武上さんが冴えている。
 一方ガイアークではウイング族に対抗する為に、閃きさんがオイルバンキを改造。
 しかし、ヨゴシュタイン様は閃きさんを異常に好きだなぁ(笑)
 段々よくわからないキャラになっていますが、まあ、面白いからいいか。3大臣も、顔出し幹部のケガレシア様もさる事ながら、 梁田清之、真殿光昭という両ベテランのキャスティングが実にはまってます。当然ケガレシアを目立たせつつも、 喋っているだけで何となく面白くしてしまうのは、さすが。
 再びオイルバンキが街に出現し、それを迎え撃つウイング族の2体だが、ヒラメキメデスも戦場に姿を見せると、 オイルバンキに謎の光線を浴びせる。
 「ヒラメキメデス、これで決めです」
 「第二次産業革命ーーー」
 オイルバンキ、飛ぶ。
 「え?」
 「え?」
 「ええー! 妾の蛮鬼獣が、飛んだでおじゃるー」
 空飛ぶ敵に対抗する為に飛ぶ、という何も考えていないレベルのストレートな改造(笑)
 「うわーお、ヒラメキメデスー、さすがガイアーク一の策士でおじゃるー!」
 手の平のアップは何かと思ったら、「手の平を返す」演出か(笑)
 この前後編は、中澤監督が絶好調。
 思わぬオイルバンキの飛翔&オイル火炎攻撃に苦戦するウイング炎神。だがそこへ、 こぼれたサラダ油から何かを閃いたゴーオンジャーが駆けつける。炎神王と頑張王にチューンナップした6台と5人、 当然そこへオイルを浴びせかけられるが、取り出したるはゴーオンモップ! 二体の巨人はオイル攻撃をひたすら拭き取る、 と今回どこまでもストレート。
 今作らしく子供向けにわかりやすい所へ着地して、不満が無いかと言えばありますが、今回はここまで面白かったので良し。
 摩擦ゼロ攻撃を打ち破った炎神王と頑張王はオイルバンキの足に組み付き、動きを封じた所でウイング2体のミサイルが炸裂。 地上に落下した所にダブル必殺技が炸裂し、オイルバンキはつるかめ大爆死。その末期に大噴火するケガレシアを見て、 「度しがたい御方……ふっ」とヒラメキメデスは格好良く嘆息するのであった。
 現状でも直接戦闘に持ち込めばゴーオンジャーに勝てそうな閃きさんですが(3大臣も実はそうなのですが)、 このまましばらく作戦参謀ポジションに収まるのか。色々動かせそうなキャラなので、面白い。
 そして――ウイング族の2体の炎神の中にはやはり、ヒューマンの相棒が二人。
 「ゴーオンジャー面白そう。ねっ」
 「フッ」
 えらい金ピカと銀ピカの二人は、未だゴーオンジャーへと直接コンタクトは取らないまま、去っていくのであった。
 一気に追加戦士が二人の模様。スーツが異様にキラキラしていますが、さて、どんなキャラクターになるのか。
 次回――パーフェクト・ハーモニー。

◆GP−17「正義ノツバサ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
 前回ラストにちらりと姿を見せた金と銀は、お金持ちそうな兄妹であった。一方、ゴーオンジャーの食生活は遂に、配給に並ぶ感じに。
 ゴーオンゴールド&シルバー本格登場編ですが、脚本・演出ともに今ひとつで、微妙な出来。
 害地目一の暴れん坊、全身爆薬のハッパバンキが街を襲撃。迎撃に出るゴーオンジャーだが、先制の爆弾攻撃で大ダメージを負ってしまう。
 ハッパバンキは、膝に点火装置のレバーがついていて、爆弾を投げた後、わざわざしゃがんで自ら押す、 というデザインとギミックが非常に秀逸。
 ピンチに陥るゴーオンジャーの前に現れる、金持ち兄妹。
 「貴様の相手は俺たちが代わってやる」
 「「レッツ・ゴーオン!」」
 ウイング族の炎神、トリプターとジェットラスのソウルを用い、二人は新たな戦士へと変身する!
 「ブレイク限界・ゴーオンゴールド」
 「キラキラ世界・ゴーオンシルバー」
 「「テイクオフ・ゴーオンウイングス!」」
 ゴーオンジャーの黄色と緑も大概でしたが、シルバーの名乗りは「ドキドキ愉快」を超えました(笑)
 戦闘スタイルは、金がボクシングで、銀は中国拳法?(太極拳?) ゴーオンジャー5人がアマチュアで大雑把なのに対し、 ハッキリと格闘技系にして、色分け。更に専用武器のロケットダガーを振るう二人は蛮鬼獣とウガッツを軽く蹴散らし、 強さを見せつける。
 「今のような戦い方じゃ、いつか痛い目を見るぞ」
 金と銀の須塔兄妹、彼等がゴーオンウイングスとなったのは、走輔達がボンパーさんと契約するよりも以前であった。 まだガイアークがマシンワールドに攻勢をかけている頃、ウイング族に追われたヒラメキメデスはトリプターとジェットラスをヒューマンワールドに誘い込み、 二体はソウルとキャストが分離して行動不能になってしまう。その時に、二体の声を聞きつけてソウルとキャストを拾ったのが、 飛び抜けた第六感を持つ兄妹であった。
 兄妹は二体の頼みに応えてマシンワールドで訓練を受けてゴーオンウイングスとなり、ゴーオンジャーとは別に、 ヒラメキメデスを追う相棒として戦っていたのである。
 ……時系列的には、マシンワールドで修行してヒューマンワールドに帰ってきたら、何故かそこにガイアークが居た、 という感じでしょうか? ウイング族はスピードル達が存在を知らなかったぐらいなので、 たぶんTVも電話もインターネット回線も無い物凄い山奥で修行していた為、都会でガイアークが撃退された事に気付いていなかった疑惑。 或いは、ヒラメキメデスを追ってあちこちのワールドを飛び回っている内に地元で事態が変わっていたぐらいのタイミングか。
 不思議な第六感を持つ須藤兄妹は邪悪の意思の不穏な気配を感じ、次のガイアークの攻撃では出撃しないように、と5人に忠告するが、 クロガネ山に出現したガイアーク反応に登山者が襲われていると聞き、5人はあえて警告を無視して突撃、 だがそこに待ち受けていたのは地雷原の罠、そしてヨゴシュタイン、ヒラメキメデス、ハッパバンキの3体であった!
 「今日でゴーオンジャーとの戦いもおしまいにするナリ」
 名乗りとポーズを決める3体……今回、全体的にテンポが悪いので、この手のネタを入れられても、 いまいち好意的に受け止められず(^^;
 「「「害地目の面目に賭けて、おまえたちを葬り去る」」」
 ゴーオンジャーはスーパーハイウェイバスターを放つが害地合体技で破られてしまい、 ヒラメキメデスの放つ円周率の鎖で動きを封じられてしまう。
 単純に正面から力負けするゴーオンジャーだが、ヒラメキメデスの気配を感じた須藤兄妹が、「奴が居るなら、行くしかないか」と出撃。
 金と銀の武器であるロケットダガーは、1〜3のスイッチを入れると、番号に合わせて技が発動。
 今回使用したのは、
 ミッション1:バーニングダガー
 ミッション2:フリージングダガー
 ミッション4(1+3):シャイニングダガー。
 機能が単純に3つではなく、数字の組み合わせでも使える、というのは面白い。
 金と銀は閃きさんの直角二等辺三角形切りを破り、ヨゴシュタインと閃きさんはハッパを捨て駒にして逃亡。 文句一つ言わずに死地にとどまるハッパ、忠義の臣。
 にしても結局、害地目は害地目だけに、対空:×という事なのか。傍観していないで、 キタネイダス(害気目)が前線に出た方が良いのではないのか。
 立ちふさがるハッパに対し、金と銀はロケットダガーのミッション6(1+2+3):フルパワーを発動。
 飛んだ(笑)
 これは面白かった。
 二人は「「ジェットダガー!」」でハッパを切り刻み、最後はソウルを入れた飛び道具で撃破。産業革命しようとしたハッパだったが、 戦闘中にゴールドが体内のビッグリウムエナジーを抜き取っており、革命失敗して爆死。
 鮮やかな金と銀の強さを見せつけられ、無事だった登山者達にお礼を言われるも、かえってへこむ5人。
 「もう一回、全てをリセットして、考え直すんだな」
 「おめえら、覚えてろよー」
 去って行く金と銀に、超捨て台詞を投げる哀れな走輔であった。
 金と銀の強さのインパクトを出す為とはいえ、ゴーオンジャーが特に罠にはまったわけでもないのに正面から力負けする展開になった為、 結果的に須藤兄妹の警告が「危ないから助けに行くな」というだけになってしまったのは、ヒーローとして問題。この場合、 「登山者は俺たちが助ける」とならなければいけません。
 「登山者が襲われている」という情報→走輔、啖呵を切る→カット変わると走輔の台詞は聞かずに歩み去っている兄妹、なので、 登山者が襲われているという情報は耳にしていない、という解釈も成り立たない事はないですが、 この流れだと聞こえていると捉える方が自然で、そこを微妙にしてしまった演出も悪い。
 襲われている登山者自体がガイアークの擬装だった、というのなら、苦戦展開もすんなりで須藤兄妹の警告も前向きに成り立ったのですが、 この展開だと金と銀のヒーロー性すら揺らいでしまうわけで、この一点だけでも駄目シナリオ。
 今回のゴーオンゼミナールは、お便りコーナーに。
 「どうすれば僕も、ゴーオンジャーになれるんですか?」
 「難しい問題だねぇ、ぼんぼん」

 ズバリ、悪魔との契約っス!

 なお回答は、「炎神が認めてくれたからなれるんだ」「もしかしたら君の事も炎神が見てるかも」 「だから日頃の行いが大切だよ」と美しい子供向けヒーロー番組の姿に、ちょっと感動してしまいました(笑)  これまでゼミナールほとんど見ないで飛ばしていたのですけど(最初の方は見ていたけど回答がざっくばらんすぎて(笑))、 これはこれで面白いコーナーだったかもしれない。

◆GP−18「庶民ヒーロー」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:武上純希)
 「ダメだなー。なんであんなにダメなのかな? あんだけダメだと、逆になんでかって、興味わいてきちゃうんだけど」
 ゴーオンジャーのダメっぷりを気にする須塔妹・美羽、ぎんじろうに現る。
 「衣食足りて、礼節を知る、ていうじゃない。住むとこ、着るもの、食べる……(買い出しの中身を見て、これは食べ物なのかしら?  と躊躇う)……もの。全部がちゃーんとしてなきゃ、ゴーオンジャーみたいにダメになる、て格言」
 「「「「「はぁ?」」」」」
 貧乏戦士達、生活に駄目出しを受ける。
 兄は意図的にイヤミだけど、妹は天然の毒性か(笑)
 まあ実際問題、生活環境が悪いと仕事で力を出し切れない、というのは否定できません。
 「また悪い癖が出たか」
 妹の姿が見えない事に、ぼそっと呟く須塔兄・大翔。
 一方、ガイアークではキタネイダスが、新たな強敵となったゴーオンウイングスを始末するべくその日常生活の隙を狙おうと、 バキュームバンキを出撃させていた……。
 新顔二人追加でOPマイナーチェンジ。全体的にキラキラ派手に。
 兄妹のキャッチコピーはそれぞれ、
 須塔大翔(ひろと):PHILOSOPHER
 須藤美羽:LOVELY SENSATION
 なぜ兄ぃ、哲学者。
 ランニング中に掃除機に襲われる兄ぃだったが、手近の看板を引っこ抜いて投げつけ撃退。
 「ただの馬鹿だったか」
 無視して走り去る(笑)
 一方妹は、豪華バイキングでまずは餌付けをしていた。
 続けて、ゴールドカードで服をまとめ買い。これであっさりと懐柔される早輝。
 家の描写でなんとなく金持ちっぽく見せていた須藤兄妹ですが、本格的にお金持ちである事がハッキリしました。そしてその対比として、 当初は何となくだったと思うのですが、ネタ的に面白がっている内に、ゴーオンジャー5人の貧乏生活が確定。
 いつも同じ服なのはお金が無いから! というのは新解釈か?(笑)
 「ヒーローの価値は、くいもんとか、服装とか、そんなんじゃねえんだよ。ここだ」
 自分達をダメだと断じ、上から価値観を押しつけてくる美羽に対し、ハートを示す走輔。
 「ヒーローは、人を幸せにする使命がある。人を幸せにするなら、自分も幸せの何たるかを知らねば」
 それに対して美羽は、大翔がいつも言っているという言葉を返す。
 さらっと入ってますが、ちょっと面白いヒーロー論。
 そんな大翔をチキン野郎呼ばわりする走輔を、まずは思想改造するべしと定めた美羽は強引に走輔を連れて服の買い物へ。 範人はバイトと言って逃げ出し、残された連と軍平はすっかり懐柔された早輝の荷物持ちとしてぎんじろうへのお供つかまつる事となる。
 一方大翔は、トレーニング中に再襲撃してきた掃除機をざっくり蹴散らしていた。ぎんじろうへの帰途、その光景を目にした3人は、 美羽が自分達のところへ来ていた事を告げる。
 「美羽? やっぱり、そんな事か。あいつの、悪い癖だ」
 「悪い、癖?」
 「ああ、野良犬とか見ると、放っておけないらしい」
 野良犬、拾われた!
 前回と打って変わって、今回はテンポも良く、台詞も面白い。
 「兄貴も兄貴なら、妹も妹、とんでもないぜ」
 野良犬扱いに兄ぃに絡む3人だが、妹は好奇心旺盛なんだ、と軽く流す兄ぃ。
 「ダメな奴がなぜ、そこまでダメなのか。確かめずにはいられないらしい」
 「なんだと?! おまえたち兄妹は、だいたい失礼だ!」
 怒りをぶつける軍平だったが、兄ぃは突然の嫌な予感に、妹の元へと走り出す。
 その頃、はからずもデート状態の二人も、馬が合う……筈がなかった。
 「どーしてそう、単純なリアクションしちゃうかな?」
 「熱くて悪かったな。あーばよ。ばいばい!」
 喧嘩別れして一人になった美羽に迫る掃除機。軽くあしらうかと思われた美羽だが、掃除機の土下座に油断した所を、 変身アイテムを奪われて捕まってしまう。美羽の悲鳴に駆けつけた走輔だが掃除機は金色への伝言を残して逃げ、 そこへ遅れてやってくる兄ぃ。
 「ふん、立派なメッセンジャーボーイだな」
 「俺も行くぜ!」
 「断る! これは俺たち兄妹の問題だ」
 「だけどな!」
 「おまえなど来ても、意味が無い」
 変身した兄ぃはフルパワーで呼び出しの場所へと飛んでいき、その後を走って追いかける走輔。囚われの妹を前に変身を解除し、 変身アイテムを渡すように迫られる兄ぃだったが、そこへ走輔が走り込んでくる。
 「俺のゴーフォンじゃ、駄目か! 俺が身代わりになる」
 変身アイテムを奪われた走輔は踏まれて蹴られるも、「俺を身代わりにしろ!」と蛮鬼獣に抱きつき、 その隙にゴールドが妹を助け出して形勢逆転。
 「俺のもんは、自力で取り返すぜ!」
 走輔、ダッシュして、蛮鬼獣を石で殴打(笑)
 ゴミ袋から強引に変身アイテムを取り返すと美羽にも投げ渡し、二人揃って変身に主題歌、と、一気に距離が縮まりました。 ミッション3:ライトニングダガーと、サーベルストレートで追い込むと、最後は金銀赤の一斉射撃で掃除機を撃破。 産業革命した所に頑張王がやってきて、炎神王も合体。
 後はトドメを刺すばかり、と必殺技を放とうとするが、掃除機に吸われてしまうゴーオンソード。 ガンパードの弾丸も吸われてしまい二大ロボが思わぬピンチになるが、ウイング族が巨大化。援護攻撃を決めると、 炎神王の両腕に炎神武装で合体、ここに勢いで、炎神王ジェットリプターが誕生する!
 弓矢攻撃・ジェットリブルズアイが炸裂し、掃除機は大爆発。こうしてゴーオンジャーとゴーオンウイングスのコンビネーションが成立した……かに思われたが……
 「炎神王と頑張王があっても……相変わらずの弱さだ。やっぱりまだまだだな」
 「てめえ! おめえらには、ぜってぇ負けねえ」
 「せいぜい粋がるんだな」
 やはり無駄に仲の悪いままであった(笑)
 まあ前回の解釈で考えると、マシンワールドに行って特訓してヒラメキメデスを追いかけている内に何故か地元が侵略されていて、 自分達と似たような連中が戦っているけど頼りなさそう、というかどうしてあいつら、世間にバンバン顔出してヒーロー気取りなんだ?  とかなると、少しイラッとするのもわからないではありません。
 「兄ぃ、あの人達、確かに弱いけど、なんか熱いね」
 「美羽、おまえの悪い癖も治りそうにないな」
 どこまでも単細胞生物を見る目線のピカピカ兄妹と、心から共闘する日は果たして来るのか。
 まあ7人が今がっちりスクラム組むと、戦力的にガイアークが危急存亡の時すぎるんですが!
 次回、元祖ダメ出し男(軍平)、崖っぷち!!

◆GP−19「軍平ノホンネ」◆ (監督:諸田敏 脚本:宮下隼一)
 ゴーオンウイングスからの合同訓練のお誘いに山中に集まるゴーオンジャーだが、当のピカピカ兄妹がなかなかやってこない。
 ……うんまず、罠を疑った方がいい。
 そこへ不審顔で遅れてやってきた大翔と美羽が手にしていたのは、宛先だけを変えた全く同じ文面の手紙。 すわガイアークの罠かと警戒する面々だが……
 黒「手紙を書いたのは、俺だ!」

 敵は身内に居たーーー!!

 「ずっと俺は考えていた。おまえ達ウイングスが現れてから、ずっと。いつまで経ってもアマチュアを脱する事が出来ないこいつらに、 プロ意識を叩き込むチャンスだとな」
 ウイングスへの劣等感を正面から喧嘩するエネルギーに変換するのかと思いきや、軍平、そっちへ行くか(笑)
 「わかるだろ。同じプロとして」
 「ふん、誰が同じプロだと。 匂い移るから触るな 話にならん」
 他人にダメ出しされたくない→同じ枠組みに入れてしまえばいい、と超理論でウイングスを引きずり込もうとする元祖ダメ出し男だっが、 袖にされた上に投げ飛ばされる(笑)
 まあ兄ぃも、自力で状況をただせない相手に、「俺たち、同じポジションだよな」とにこやかに同意を求められても、困ります。
 というか貧乏人は路地裏でドッグフードでも食べてやがれ、という気持ちですよ今。
 しかしまさか、ウイングス登場以来の軍平さんの怒りが、こいつら(ゴーオンジャー4人)さえしっかりしていれば、 俺もあいつらぐい格好良く決められるのに! という方向性だったとは(笑)
 この辺り、走輔と出方が違うだけで、軍平も“理想のヒーロー”を追い求める熱血野郎、というのは今作のキャラ配置の面白い所。
 なお早輝は、前回以来、美羽となんとなく仲良くなっている模様の描写。……物で懐柔されすぎだ。天使。
 軍平がなんとかウイングスと共闘しようと手紙の文面を推敲する一方、携帯電話で謎のヒーロー人気投票サイトを見ている範人。
 ブラック安定の最下位独走よりも、急降下している青が気になります(笑)  あと割と人気ないぞ、金。
 緑「酷いよ、ありえないよ、こんなの」
 青「まあそんなの、ただの遊びじゃないっすか」(ブービー)
 緑「僕決めた! ゴーオンジャー同期として、絶対軍平にも1位を獲らせてやる!」
 ヒーローとしての軍平の熱さと真っ直ぐさを知る範人は、なんとかブラックの人気を上げようと決意を固め、そこへタイミング良く、 蛮鬼獣が出現。「俺より高い物は何でもぶっ倒すギリ」と次々とビルなどを切り倒していくノコギリバンキと戦うゴーオンジャーだが、 ウイングスが乱入。ゴーオンジャーは倒れそうになったビルの中に取り残された人々を助けに行く事になるが、 緑の指示で黒だけはその場に残り、ウイングスと共闘する事になる。
 が、ブラックの存在はかえって金銀の華麗なコンビネーションを崩してしまう事になり、要救助者は救えたものの、蛮鬼獣は撤退。 軍平はピカピカ兄妹から罵倒を浴び、心身共にダメージを負い、深く落ち込む。
 この戦闘の結果、更に下位に落ち込んだブラックは、遂にコメントも0件。緑がトップに躍り出、青もなぜか上昇。 ……なんか毎回合計20票ぐらいしか入っていなくて、凄い僅差で乱高下しているのではないか、このサイト。
 「すまん、みんな!」
 街の人を助けられて良かったという4人に対し、ウイングスを仲間に引き込めなかったのは俺のせいだ、 と一人ズレた方向に燃え上がる軍平は、ウイングスに戦闘で馬鹿にされないようにノコギリ対策の必死の特訓を行うが、うまく行かない。
 「あいつらの言う通りなのか……プロじゃないってのか、この石原軍平も!」
 遂に、元刑事の経験値で偉そうな顔をする、という軍平のアイデンティティ大崩壊(笑)
 「何か、何かしなきゃ……そうだ」
 その様子を見ていた範人は、足長ピエロの扮装で、自分より高い物は何でもぶっ倒そうとするノコギリバンキを挑発。
 範人は初期から、隠れた運動能力の高さと多芸が細かく描写されているので、急にこういう事を始めても違和感ないのはいい所。
 挑発に乗ってノコギリバンキが出現し、それを感知するピカピカ兄妹。兄妹がガイアーク出現にボンパーさん無しで気付くのは、 例の第六感による事がはっきり演出されました。
 現れた蛮鬼獣とブラックが戦い、他の仲間達も駆けつけるが、結局ピエロの足を切り落とされ、満足した蛮鬼獣には逃げられてしまう。 安易に自らを囮にする範人に、イライラをぶつける軍平。
 「ふざけんな! どいつもこいつも。だからアマチュアなんだ! ウイングスに馬鹿にされんだ!」
 「軍平、おまえ……勘違いしてねえか。俺たちは、プロでもなきゃ、アマでもねえ。俺もお前も、ゴーオンジャーだ」
 “理想のヒーロー”としてプロフェッショナルを追い求める軍平と、それとは違うヒーロー像を持つ走輔、 ここで走輔が真っ直ぐで暑苦しい台詞を軍平にぶつける、とこの辺り今作のキャラクター性と配置は上手い。
 「囮か。見かけによらず、思い切った奴だな、範人も」
 「あんな奴、初めて会った」
 「あれが、プロでもなきゃアマでもない、ゴーオンジャーというわけだ。そのゴーオンジャーに、相棒、 おまえも自らの意思で飛び込んだんだ。だからこそ、あんな範人にも会えたんだよな」
 「飛び込んだからこそ……あ、もしかしたら」
 ガンパードとの会話から、軍平は何かを思いつく……。
 ちょうど同時期に、『特捜戦隊デカレンジャー』でプロ意識におとる描写が引っかかるエピソードが配信されていて、 『デカレン』は職業戦隊という事もあって非常に気になったのですが、プロとは何か、という話をこういう形で取り込んできたのは面白い。
 ゴーオン自体は非職業戦隊ですし、ウイングスも別にプロを吹聴しているわけではないので、 一から十まで軍平の独り相撲なのですが、だからこそ、プロ論ではなく、 そこから「ヒーローとは何か」という流れに持ち込んだのは鮮やか。今作は、割と細かく「ヒーローとは何か」話を入れてきていて、 初回のサブタイトルからしてかなり狙っていたのかもしれませんが、好きな所です。
 再び出撃したノコギリの暴れっぷりを見ながら、今日も黄昏れるケガレシア様。
 「やっぱあの蛮鬼獣、芸がないでおじゃる」
 ケガレシア様はここ一ヶ月ぐらい、酒飲んでくだ巻いているだけの気がする(笑)
 「ふうん、確かに。あのパワー、なにかもっと使い道が」
 それを聞き、思案するヒラメキメデスはすっかりただの面白メガネ枠に。最初あんな格好良かったのに、どうしてこうなった……。
 暴れ回るノコギリは駆けつけたゴーオンジャーを蹴散らすが、何かを悟ったブラックが特訓の成果でノコギリをかわすと、突撃し、 ひとり強引に組み付く。
 「やっとわかった! 大事なのは、プロでもアマでもない。自ら飛び込む事だ。俺がゴーオンジャーに志願したように! 範人、 おまえが自らを囮にしたように」
 「ガンガガーン、飛び込むってのは、物の例えだろ、おい」
 どうも、難しい事を考えると脳が長時間保たない、という点でも走輔と軍平は似たもの同士である模様(笑)
 虎口に飛び込んだブラックの行動はしかし、怪我の功名、ノコギリバンキが戦闘を繰り返すと腕のノコギリが緩む、 という弱点を発見する。だがその時、ノコギリの破壊活動によって倒れそうになるタワー、取り残された子供達の悲鳴に、 黒は咄嗟に状況を判断、メンバーに指示を飛ばす。
 「任せるぞ範人、ウイングスと一緒にこいつを倒せ!」
 黒と黄がタワーを支え、赤と青が内部で救助、金・銀・緑はチェーンソーを追い詰める。自分の見せ場にこだわらない (それでいて基本能力の高い)範人が、一番ウイングスとも合わせられるというわけで、 黒がプロの判断力でうまく適材適所を指示した……という事なのか。映像表現としては、 今ひとつピンと来る流れになっていなかったのが勿体なかったところ。
 まあ、あまり強調しすぎると、今後ブラックが作戦指示担当に固定されてしまうので、そこまでやりたくなかった、 という事かもしれませんが。
 「やってくれるじゃない」
 「ま、少しはな」
 と、銀が黒を誉める、という展開まで持って行くにはちょっと苦しかったな、とは。
 産業革命したノコギリバンキに対し、ここしばらくいい所の無かった炎神王G6出撃。軍平上げの勢いで押し勝てるかと思いましたが、 ノコギリに苦戦し、ウイング族増援。やはり飛行属性に弱い害地目、空からの攻撃に翻弄されている所にG6グランプリで爆死。
 「結局ワンパターンだからでおじゃる」
 「たまには空気でも汚してみたらいいゾヨ」
 「んーーー、空気を汚す、はっはーん。それ、いただき! ぽくぽくぽく、ぴーん。閃きました」
 しかしガイアークではヒラメキメデスが何かを思いつき、ノコギリバンキの死体を回収。
 「我が閃き最強最大の作戦は、まさしく、これからなの、デス」
 全力で駄目フラグを用意しながら、新たな作戦を展開しようとしていた……。
 そして例の携帯サイトでは、今回の大活躍で、ブラックとうとう1位獲得。

 兄ぃ、最下位に。

 サイトの存在を軍平には見せないように気を遣っていたメンバーだが、当然チェックしていた軍平、上半身裸で大喜び(笑)
 「もしかして、気にしてたっスか?」
 「ば、馬鹿! そんなわけねえだろ」
 凄く、気にしていました。
 この世界、確実にゴーオンジャー実況スレあるだろうけど、軍平は間違いなく毎日チェックしている。
 そんなこんなで、ウイングスの登場による不協和音が徐々に解消していきつつある中、 巨大な炎神がヒューマンワールドに姿を見せるのであった……。
 前半非常に面白かったのに、後半のまとまりが微妙で勿体なかったエピソード。もっと「黒が適切な指示を出した」ところを強調して、 見せ場シーンでもう一押ししても良かったと思います。基本的に軍平、放っておくと下降傾向にあるから、 上げる時は思いっきり上げていいと思うわけで(笑) そこが上手く収まっていれば名作回になりそうだっただけに、惜しい。
 あと、軍平がプロとかアマとかへのこだわりを捨てたのは良かったとして、これだと軍平の中のヒーローらしさというのが 「死中に活を求める特攻精神」という事になるのですが、それでいいのか(^^;
 しかしまあ、基本おいしいポジションとはいえ、軍平回はアベレージ高い。

 次回、最下位転落の兄、脱ぐ。

◆GP−20「兄妹バトル!?」◆ (監督:諸田敏 脚本:香村純子/荒川稔久)
 『仮面ライダーウイザード』でダブルメインライター体勢の一翼を担うなど、近作で名前の結構出てくる香村純子さんは、 今回が戦隊デビュー。荒川さんの後輩に当たる縁で、連名な模様。
 前回粉みじんにされたノコギリバンキ、手動から電動へ、チェーンソーバンキとして復活。
 「さあ、繊細かつ大胆な作戦の始まりデス」
 買い物帰りの早輝は、「おまえの顔は見飽きたと言った筈だ」とブロンド美女とデート中の大翔を目撃。帰って皆に報告するが、 みんな色々見ていた。
 盛り上がろうとした所で、ガイアーク反応。刃が緩むという致命的な弱点を乗り越え、 メカニカルになったチェーンソーバンキは街で大暴れ、その撒き散らす煙の中で大混乱に陥るゴーオンジャーだったが、 内部をサーチしたウイングスがあっさり撃退。
 「おまえら何しに来た? 突っ込むだけなら、猿でも出来るぞ」
 「なにぃー、女ったらしのナンパ野郎が、偉そうに言うな」
 「女ったらし? 失礼ね。兄はそんな人じゃないわよ」
 「俺たちは目撃した。こいつが女性を取っ替え引っ替えしている所をな」
 盛り上がる、非モテ達。
 「え? 兄?」
 「ふん、ばかばかしい」
 動揺を隠せない美羽、てっきり兄はモテモテなのも自慢、ぐらいのノリかと思っていたのですが、金兄、妹に女性関係は隠していた模様。
 チェーンソーが退却して大翔も一足先に帰還し、兄の何を見たのかと迫る美羽に、次々と目撃情報を申告するゴーオンジャー。
 「他にも、たくさん遊んでいる女の子がいるかもな」
 ここぞとばかにスカし野郎を引きずり落とそうとする非モテ達。

 醜い、醜いな!

 「世界一きらきらな自慢の兄が……そんな筈ない!」
 走り去った美羽は家の前まで押しかけて大翔と押し問答している女達を発見……彼女たちの正体が、 大翔のたぐいまれな才能の数々に目を付けた世界各国のスカウトマンである、という事を知る。
 ……て、カレーキング…………?
 ほっと一息つく美羽だったが、一流の映画スターにもなれる大翔が自分の夢を選ばないのは美羽の為、「大翔の未来を潰したのは、 あなたよ」と厳しく言われてショックを受け、海岸で体育座り。
 「兄なんか居なくたって、全然平気なんだから!」
 その頃、チェーンソーバンキはとある工場の内部でせっせと材木を切断していた。ビル破壊はあくまでデモンストレーション、 ヒラメキメデスの考案した作戦とは……チェーンソーにより狭い建物内部に木の屑を充満させ、 そこで考え無しのゴーオンジャーが銃をぶっぱなしたらドカン! という粉塵爆発?作戦であった。
 空気を汚しつつゴーオンジャーも撃破する、これぞ一石二鳥…………普通にコムギコバンキとかでも良かった気はしないでもありません。 いや、コムギコバンキがありかどうかは別にして。
 閃きさんの目論み通りにやってくるゴーオンジャーだが、そこに「マッハで倒してやるんだから!」とハイテンションでシルバー乱入。 遅れて辿り着くゴールドだが、立ちこめる煙の中でお互いを見失ってしまう。
 「ヒーローなんか辞めて、スターにでも何にでも、なっちゃえばいい!」
 シルバーの銃が火を噴き、工場大爆発。
 燃えさかる炎の中で、妹の誤解を解こうとする大翔。
 「勘違いするな、俺はおまえのためにヒーローになったわけじゃない! 俺自身、それを一番望んだからだ」
 「え?」
 「スターもいい、カレーもいい。だが、ゴーオンゴールドになり、トリプターを乗りこなし、そして今、教官と共に戦おうとしている。 その意味を考えてみろ!」
 カレー、こだわりなのか(笑)
 「そっか。わかった。わかった兄!」
 (そう、俺はオンリーワンの何かを求め続けていたんだ……)
 ちょっと恥ずかしい独白に入る兄。しかし……
 「兄にそんな趣味があったなんて、驚きだけど、そうとわかれば、ばっっちりサポートしてあげる」
 「趣味? おい。また、何か勘違いして……」
 「大丈夫、わかてるって。みんなには、内緒にしておいてあげるから」
 「内緒?」
 何か、歯車、狂い出す。
 ここでようやくというか、崩れが出はじめる大翔。そして美羽も、好奇心旺盛な悪い癖に加えて、勘違い暴走属性がついて、 一気に可愛げ上昇。
 燃え上がる工場から何とか脱出した7人の頭上に、姿を現す巨大な飛行物体。
 「なんだ、あのでかいのは……」
 「鳥か? 飛行機か?」
 「炎神、ジャン・ポエールよ」
 それは、ウイング族の歴戦の勇士にして、マシンワールドで兄妹の教官を務めた巨大な炎神であった。前回ラストで登場し、 どこかの空港に間借りしていたクジラ+ジャンボジェットというわかりやいデザインのジャン・ポエールは放水で火災を鎮火すると、 迫るガイアークの飛行部隊を一蹴する空戦能力を発揮。
 雲を海に見立てての戦闘など、ベタですが強いインパクトで格好良く決まり、デカくて強い、デカいは強い、の王道をアピール。
 コンビネーションを取り戻したウイングスはチェーンソーをあっさり撃破。 空戦部隊を率いて出撃していた閃きさんは後を産業革命したチェーンソーに任せてすたこら撤退し、巨大チェーンソーに対して、 ウイング族の炎神達が、その結束を見せる!
 「兄、遂に来たよ、しっかり味わってね」
 一人盛り上がるシルバー、困るゴールド(笑)
 ジャン・ポエールによるナレーション「三体の炎神と、二人の心が一つになる時、空を制する、 天空の王が降臨するのだ!」
 キャリゲーターの時と同パターンの大雑把な変形合体で誕生したのは、青空王!(せいくうおう)
 ……空戦ロボの基本顔(パイロットの酸素供給装置のあれ)なのですが、これまた嫌がらせのように格好悪い。
 「兄、照れてないで、もっともえまくっていいんだよ」
 「もえる?」
 何か誤解しているらしいシルバーの言動に戸惑いつつも、青空王はチェーンソーを圧倒。 空戦ばかりでなく地上戦でも充分に戦える所を見せつけ、再び飛び上がる。
 「ほら、兄、とどめに燃えまくって!」
 「よくわからんが…………決めるぜホットショット! 青空王・青空インパルス!」
 炎神王との組み合わせで使った弓矢攻撃の強力版でチェーンソーを撃破し、テイクダウン。ゴーオンジャー、出番なし。というか、 存在意義、限りなく無し。果たしてスピードルの期待通り、ジャン・ポエール教官は、「話がわかりそう」なウイング族なのか……?
 「にしても知らなかったなぁ……兄が合体好きだったなんて」
 「ぶほっ」
 自宅のテラスで祝勝ディナーとしゃれ込みながら、妹の爆弾発言に吹き出す兄。
 たぶん、ちょっとアダルトな意味も頭の片隅に浮かんだ。
 「恥ずかしくて言えなかったんでしょ? かわい〜〜」
 「ちょ、ちょっと待て美羽、あのな」
 兄、一方的に合体萌えの烙印を押される。
 「兄、これからもガンガン、炎神合体させてあげるね」
 「……なんでもいいよ、ははっ」
 相棒の炎神達も巻き込んだ妹の思い込みに、全てを諦める兄であった……。
 4話使って金銀兄妹登場編も一区切り、という所かと思いますが、ギャグになりすぎない範囲で兄を上手く崩し、 美羽も可愛げのある所に着地。ゴーオンジャー5人と完全に仲良くはならないけど視聴者に嫌われもしない、 というところで程よくまとまったかと思います。この辺り、『ゴーオン』は実に安定感が高い。
 次回予告から、如何にも受けを狙った感じのブラコン展開だと嫌だなと思ったのですが、ブラコンはブラコンでも 「兄の好きな道を選んでほしい」という方向性で、一安心。……まあこの流れだと、美羽は好きでヒーローやりたくて仕方がないのか、 という話になりますが(笑)
 美羽の良くも悪くも真っ直ぐ、という部分は女走輔、という要素もあるのでしょうが、 ヒーロー論を意識的に挟み込んでいるとおぼしき今作、キャストを拾った成り行き以外の部分がまだ語られていない 「美羽とヒーロー」の話が今後出てくるのなら、楽しみです。
 後は基本的に多い人数と、増えまくるロボットをどう処理してくるのか。
 そして完全にやさぐれてきたガイアークがどうやって盛り返してくるのか(笑)
 このままだと2クールで終わってしまう。
 ノコギリバンキ/チェンソーバンキの声優・五代高之はクレジットで別枠扱いになっているけど誰だっけ、と思ったら、 二代目バルイーグルでした。そして調べて一番驚いたのは、キメラ王女と結婚していた!
 次回、ボンパーさん覚醒(たぶん違う)。

→〔その5へ続く〕

(2014年3月12日)
(2017年4月9日 改訂)
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