■『特捜戦隊デカレンジャー』感想まとめ1■
“S.P.D――スペシャルポリス・デカレンジャー。
燃えるハートでクールに戦う5人の刑事達。
彼等の任務は、地球に侵入した宇宙の犯罪者達と戦い、
人々の平和と安全を守る事である”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特捜戦隊デカレンジャー』
感想の、まとめ1(Episode.01〜Episode.5)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕 ・
〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕 ・
〔まとめ6〕
〔まとめ7〕 ・ 〔まとめ8〕 ・
〔まとめ9〕 ・ 〔まとめ10〕 ・
〔総括&構成分析〕
- ◆Episode.01「ファイヤーボール・ニューカマー」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
-
冒頭、特撮でのチェイスシーンからスタート。犯人を追う見習い刑事、
「逃走中に子供まではねやがって」
……ていやさっき、あなた結婚式場に突っ込んだ時に何人か殺してませんかね……ついでに今、追い詰めた犯人を殺した気がする。
そんな暴走宇宙刑事に、地球署勤務の辞令が下される。
その名を、赤座伴番。
一方、地球――……。
バスジャック事件発生の報に出動した刑事が現場に辿り着くと、そこに居たのはバスジャック犯……というか、
バスを持ち上げた、巨大怪獣。
「アリエナイザー……デカレンジャーを呼べ!」
普通の事件のような警察の会話から、いきなり宇宙人犯罪になる、というちょっと凝った入り。
現地警察から連絡を受け、宇宙警察地球署から巨大車輌が発進、車を脇に寄せさせて出動するなど、発進シークエンスはリアル路線。
ブルー、グリーン、イエロー、がそれぞれの車輌で現着するが、ひとり居ないピンクはなんと、ジャックされたバスの中に居た。
巨大怪獣……ぽい宇宙人は乗客を人質に「逃走用のロケットを用意しろ」と要求するが、ピンクも含めた見事なコンビネーションで、
デカレンジャー、速攻逮捕。
「これにて、一件コンプリート」
機械で宇宙人の言語を翻訳したり、作戦の相談をしたり、と、ギミックを細かく見せて行く形。大型マシンの機能見せもスピーディに展開し、
青のジャイロから巨大手錠が発射されて、犯人を逮捕したのは面白かったです。
「いらないね、5人目は」
「ひよっこのレッドか」
「おれたち4人のバランス、絶妙なのにね」
地球の風が、早くも冷たいよ、バン!
あっさり解決したかと思われた事件だが、調査の結果、逮捕した犯人の腹の中から謎の物体が出てきた事で別の展開を見せる。
どうやら天秤宇宙人は別の宇宙犯罪者に運び屋として利用された上で、切り捨てられたらしい。謎の物体の正体を探るべく、
デカレンジャー捜査開始。
「嫌な予感がするな……」
地球署の司令官を務めるのは、アヌビス星人、ドギー・クルーガー(CV:稲田徹)、通称ボス。歴戦の刑事でもあるボスは、最近、
地球上で発生している不可思議犯罪に、今までとは何か違う雰囲気を感じ取っていた。その為に急遽、
5人目のデカレンジャーを招集したのである、と、メカニック担当の白鳥スワン(石野真子!)の所で、ちょっと一息。
「なに焦ってんの、ドギー」
「巨大な影がこの地球に覆いかぶさっている、そんな気がしてな」
「まさかそれで急遽招集? 5人目くん」
「そうだ。デカとしての勘でな」
「ふふっ」
というかなに、この夫婦な雰囲気(笑)
ちなみに筆者は、石野真子さんが好きです。
稲田徹も好きです。
どうしてこの作品をリルタイムで見ていなかったのか?!
そして期待の新人は、
「来たよ来たよ来たよー、赤座伴番が60億の期待に応えて地球に帰ってきちゃったよ〜。天上天下唯我独尊、拍手喝采、
乞うご期待! うっそぉー?!」
勢いと熱意は溢れかえっていたが、、地球を覆うバリアに捕まっていた。
その頃、警視庁付近に出現した黒コートの男が、明らかに地球のものではない光線銃で警官を銃撃するが、
逃走中にトラックに跳ねられ死亡。その死体は、一端、警視庁で保管される事になる。
――現在、地球上には数多くのエイリアンが地球人の姿で生活しており、同時に惑星バリアシステムによって地球は保護され、
また宇宙警察が異星人犯罪に目を光らせていた。
謎の金属について地球に住むエイリアン達に聞き込む4人だったが、ようやく辿り着いた情報提供者が、証言中に殺害されてしまう。
4人は犯人らしき男を追い詰めるが、驚異的な身体能力を見せる犯人、その正体は、メカ人間であった。というか微妙にバロム1(笑)
変身した4人に対して、雑魚敵を発生させるバロム1。4人が戦っている内に逃亡をはかるが、そこへニューカマー登場。
地球到着の勢いのまま巨大車輌で怪人を吹き飛ばすと、デカレッドへと変身する。
「俺のジュウクンドーを見せてやるぜ!」
どうやら戦闘能力は高いらしい赤は、二丁拳銃で次々と雑魚敵を蹴散らし、バロム1を追い詰めていく。
垂直壁降りからの銃撃は格好良かった。
だが、調子と勢いに乗りすぎた赤は、背後関係を探る為に逮捕するべきだったメカ怪人を、ハイブリッドマグナムで滅殺してしまう。
「やったぜぇ!」
「「違うだろ!!」」
「「違うでしょ!!」」
総ツッコミ。
「この馬鹿野郎!」
「このやろー、いきなり暴力はないだろう!」
「こうでもしなきゃわかんねえだろうが!」
着任早々、いきなり殴り合いになる青と赤。
果たして、メカ人間に指示を出していた親玉は何者なのか……?
その頃、警視庁では霊安室に運び込まれていたコートの男が目を覚ましていた。時同じくしてデカベースの機能に異常が発生し、
解除される惑星バリアシステム。そして謎の物体が地球へと飛来する……。
世界観見せをしつつ、完全に前後編という第1話。思い切って前後編にした事で、捜査会議や聞き込み、
メカニックに限らないギミックの部分にも尺を取って、テンポ良いながらも、ちょっと渋めの独特の雰囲気となりました。その上で、
冒頭とクライマックスの赤大暴れなど、しっかりアクションで見せ場を入れている、きっちりとした仕事。
ゲストの宮内刑事役は、石山雄大。どこかで見覚えのある顔だなぁ……と思ったら、『仮面ライダークウガ』の松倉本部長でした。
その縁もあっての出演でしょうか?(遡ると、『特捜最前線』にもゲスト出演の経験があった) 短時間の登場ながら、
あーもう間違いなくこの人、地球の刑事だという見事な風貌・演技・存在感で、作品の入りを、非常に楽しくしてくれました。
デカレンジャーのスーツは変わったデザインだなぁと思ったら、なるほど、スーツに数字の意匠が入っているのか。
よく考えると、バンは地球に来る前から赤スーツ(1番)でしたが、警察学校の適性検査で「あー、君、赤ね」
とか振り分けられるのか宇宙警察。
そしてボスは上層部に「活きのいい赤、どこかで余ってませんか?」とか連絡したのか。
次回、事件の真相や如何に?!
- ◆Episode.02「ロボ・インパクト」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
-
OPで、スーツの数字が主張されている事に気付く。
冒頭、前回ラストの異常事による警視庁の混乱、がちゃんと描かれているのが意識的で面白いところ。
まあ、キャスティング予算的に、最初だけかとは思われますが(笑)
5人になったデカレンジャーは、それぞれの特殊車輌で地球に飛来した3つの巨大物体を調査。
「何だ……こいつは?」
「でっっかい扇風機みたいだな、青い人。いったい何だってこんな物が」
「おい新入り、俺を青い人って呼ぶな」
「こちら緑の人。こっちも同じだ」
……なんだか申し訳ない気持ちになる一介の感想書きであった。
「ジャスミンの、どーんとやってみよう。どーーーん、どーーーん。……駄目か」
車で物体に突撃を敢行してみる黄色い人。
クール系かと思ったら、いきなり壊れた(笑)
今も関係者の間で絶大な人気を誇るジャスミンさん(木下あゆ美)ですが、声がやたらに格好いい。
三つの物体は調査中に突然動きだすと姿を消してしまい、探知装置からも行方不明に。一度デカベースへ戻る5人だったが、
メカ人間デストロイの件で再び衝突する赤い人と青い人。
まあ実際、重大な捜査ミスもいい所なので、バンはもう少し、真摯に謝った方がいいかとは思います(^^;
ボスにより改めて地球署のメンバーに紹介されるバン。
「おまえは……伴番じゃ長いから、一回にして、バンでいいな」
「まんまっすね!」
どうやらメンバーの愛称は適当にボスがつけている模様。台詞からすると、バンは地球生まれのようですが、
他のメンバーはもともと地球人なのか、仮の地球名を名乗っているのかは、現時点では不明。まあ、礼紋茉莉花(ジャスミン)は、
本名とは思えない当て字感全開ですが、どうなのか。
「バンをレッドに決めたのは俺だ。おまえたちがそれを拒否するなら、俺はこのデカベースを去る」
メカ人間暴走滅殺により歓迎ムード0のメンバーに対しボスが釘を刺し、捜査会議に。前回、メカ人間を倒した直後に、
警視庁とそれに繋がるデカベースに異常が発生。ほんの一瞬だが惑星バリアが解除され、その間に三つの物体が地球に送り込まれた。
果たして姿を消した物体の正体は何なのか。バスジャックに端を発した一連の事件にどんな繋がりがあるのか……その最中、
警視庁から運び込まれてきた黒コートの男の死体を見たバンは、突如会議室を飛び出していく。
「タイミング良すぎんじゃん!」
後を追った青とともに二人が見たのは、起き上がっている死体。いや、黒コートの男は始めから死んでおらず、
警視庁侵入の為に自らの死を擬装していたのであった。
「君たちがこの星の、デカレンジャーか」
ここでどうやら、デカレンジャーは各支署ごとに在籍している、という面白い設定が示唆されます。
男は改めて逮捕されて取調室へと連行され、その途中でボスはバンだけを別室(スワンの部屋)へ連れて行く。
「最初は……ぶつかる事もあるだろう。だが、おまえはおまえだ。あくまでおまえの信念を貫けばいい」
「とーーぜんっすよ!」
「……そうか」
「用って、それだけですか? やだなぁもう。じゃあ行きますよ。いっそがしいんすから俺」
犬、気を遣うがスルーされる。
ここで、新入りの部下にこっそり気遣いをみせる場所がスワンさんの部屋(必要に応じて聞いたり聞かなかったりしてくれるし、
自分のそういう面を見せてもOKな相手)だったり、
ボスとバンの会話に口は挟まないけど聞いてはいるスワンさんを画面手前に置いて表情などで演技させているというのは非常に秀逸。
ボスとスワンさんの信頼関係が、主体ではないシーンでありながら、うまく表現されています。
ついでに言うと、あれ、ボス、ボス部屋とか無いの……? という辺りに、
新築の家に書斎を作って貰えなかったお父さん的な悲しみを、君は見たか!
警官襲撃犯人の死体として警視庁に侵入、
内部のネットワークを使ってデカベースの惑星バリアを解除して3つの物体を呼び寄せた犯人の真の目的は何なのか?
運び屋にされた宇宙人との会話の録音を突き付ける緑の人だったが、男は黙秘。しかし……
「目的は、地球上の物質から、宇宙の宝石を作ること」
いきなり、男の心を読むジャスミン。
ナレーション「ジャスミンは、エスパーである。物質を通して、アリエナイザーの心を読むことができるのだ」
て、取り調べ終わった?!
ジャスミンだけがずっと手袋をはめていたのですが、手袋を外す事で、取調室の机を通して読心。
いきなりのナレーションは中途半端にやると非常に良くないのですが、今作は割とここまでナレーション連発で作風にしているので、
まあ、有りか。
無しで進められれば、それがいいですが。
地球に飛来した3つの巨大物体は、宝石作成の為に必要な元素を吸収する機械であり、
デカレンジャーが運び屋宇宙人から回収した謎の金属は、その機械を動かす為の装置であった。
男は警視庁に続いてデカベースへ侵入する事で、装置を取り戻そうとしていたのだ。
そうはさせまいと銃を突き付けるデカレンジャーだったが、男が変身。
その正体は、ディアマンテ星人ドン・モヤイダ。
なんと、1話冒頭でカーチェイスの末にバンが倒した筈のあの宇宙人であった。余裕を見せるモヤイダは、
デカレンジャーの銃撃をバリアで防ぐと、装置を奪って華麗に大脱出。地底に潜んでいた三つの物体が浮上すると、
巨大メカ・怪重機ファンクラッシャー(扇風機+ドリル+ブルドーザー)へと合体する。
「宇宙の辺境にこんな質のいい資源があるとは。当分いい宝石が造れそうだ」
宝石の材料になる物質を集める為、次々とビルを破壊していくファンクラッシャー。その光景にボスはスワンの下へと向かうが、
赤のマシンは、合体システムの為に現在整備中。
「この戦いには無理ね。次からにして」
「次はないかもしれないんだ。今までとはレベルが違う!」
「あろうがなかろうが次よ。でないと責任は持てない」
長官/博士ポジションを分離する事で、従来組み込みにくかった“大人の会話”を入れる、
という構造が非常に素晴らしい。ダブルで実績ある役者さんを置くのは難しいので、片方を着ぐるみにした上で、
その着ぐるみをマスコットポジションではなく司令官にした、というのも秀逸です。
ドン・モヤイダを追って街へ出たデカレンジャーは、崩れた瓦礫の下敷きになって逃げ遅れたOLを発見。
「だいじょうぶ君? ……可愛いね。この俺が、あんなヤツ、すーぐに、片付けちゃうから、そしたら俺と、デートしない?」
赤、瓦礫をどけながら、助けたOLをナンパ。
「この野郎、抜け駆けすんな。baby、俺が倒してやるから、後で俺とデートしようぜ」
後ろから出てきたと思ったら、青、同じレベルだった。
赤と青が優先権を争って揉めている内に、OLの足の怪我にハンカチを巻いて肩を貸し、鮮やかにポイントを稼ぐセンちゃん。
とっぽい系いい人ポジションかと思ったら、意外に抜け目なかった!
まさか捜査中にOLをナンパで、男達の距離感が縮まるとはっ!!
女性陣との距離は離れましたが。
デカレンジャーは変身し、怪重機と戦う為にそれぞれデカマシンに乗り込むが、赤だけは整備中で乗車できない。怪重機に挑むも、
次々と蹴散らされる4台のデカマシン。……第二話にして、戦闘面では全く歯が立たなくていいのか(笑)
「もういいよ! 俺乗る!」
その光景にいてもたってもいられなくなった赤は、デカベースに駆け戻ると、スワンの制止を振り切って強引に搭乗し、発進。
「さすがあなたのお気に入りね」
「ナイスだろ?」
スワンさんの目が冷たい。
一時撤退して体勢を立て直そうとする4人の下へ駆けつける赤車。
「そんな暇ないって。みんな、合体するぜ!」
強引に合体シークエンスを開始し、覚悟を決めて4人もそれに乗る。
「諦めずに行こうぜみんな! 真実一路! 一発必中!」
「「「「「特捜合体!」」」」」
変形合体していく5台のデカマシン……久々に、ミニチュアの凝った変形合体シーンを見た気がします。格好いい。
合体成功したデカレンジャーロボは、重そうな外見から、まさかの香港警察撃ち!(さすがにCG)
最初っからテーマソングが入り、「ロボ・インパクト」というサブタイトルにふさわしい、非常に気合いの入った巨大ロボ戦
。一度は銃を失うデカレンジャーロボだったが、ジャッジメントソードによる攻撃で大ダメージを与え、
モヤイダは自爆装置を発動して脱出。迫り来るファンクラッシャーに向け、取り戻した銃を構えるデカレンジャーロボは、
「ファイブ・フォー・スリー・ツー・ワン! ジャスティスフラッシャー!」 (※5人が桃からカウント)
必殺の連続銃撃でこれを撃破する。
撃破後に、なにか決め台詞を言っているのですが、なんと言っているかいまいちわからず。
「ボンジュール」って聞こえるけど、さすがにそんなわけはないだろうし(笑) (※「ゴッチュー」との事)
逃走するドン・モヤイダの前に立ちふさがるデカレンジャー!
「ひとーつ、非道な悪事を、憎み!」
「ふたーつ、不思議な事件を、追って!」
「みっつ、未来の科学で、捜査!」
「よっつ、良からぬ宇宙の悪を!」
「いつつ、一気にスピード退治!」
「S.P.D!」
「デカレッド!」「デカブルー!」「デカグリーン!」「デカイエロー!」「デカピンク!」
「「「「「特捜戦隊・デカレンジャー!」」」」」
険悪な雰囲気だった割には、なんだかんだで5人用の名乗りを練習済みの面々。
或いは、全宇宙のデカレンジャー共通で、デカレンジャー課程に進むと、警察学校で死ぬほど叩き込まれるのか。
なおよく考えると「未来の科学」はおかしな気もするのですが……えーとあれか、デカレンジャーは基本、
後進文明の惑星にだけ配備されているのでしょうか? そもそもデカベースといい惑星保護バリアといい、
植民地化されてないかこの地球、という疑惑もありますが(笑)
遂に揃い踏む5人。CG処理かもしれませんが、爆発の際に、何か飛び散っているのが格好いい。
1話冒頭のカーチェイス時に手にしていたペンダントを、握りしめるデカレッド。
「おまえが逃走中に跳ね飛ばしたあの子はなぁ、俺の手の中で息を引き取ったんだぞ! 宇宙警察に憧れて、
大きくなったらスペシャルポリスになるって夢があったのに、永遠に果たせなくなっちまった!」
「ふん……そんな事、俺には関係ない」
「俺は……俺はおまえを絶対許さない! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
前回で済んだかと思われていたネタが伏線として機能し、レッドと怪人に短期的な因縁を作る事でしっかりと盛り上げてきました。
子供が死んでいたのはなかなか驚きですが、1話の聞き込み中にも情報提供者が死亡しており、それなりにシビアな路線で行くのか。
ただ出来ればこの子供の死は、バンの背負う背景として、今後も使ってほしいところ。これで片付けて忘れ去られてしまうと、
ここを盛り上げる為だけに殺した事になってしまい、作劇としてはちょっと卑怯でマイナスになってしまいます。
桃「熱いところもあるんだ」
熱いところしかない、というか。
レッドの叫びに感じる所のあった4人は、続けてドン・モヤイダに突撃、息の合った連続攻撃を炸裂させる。
そして――
「ディアマンテ星人ドン・モヤイダ。警察官に対する殺人、危険運転致死、及び地球資源強盗の罪で――
ジャッジメント!」
ひるんだドン・モヤイダに突き付けられる、ジャッジメント装置。
スペシャルポリスの要請により、宇宙犯罪者に対する罪状が審理され、宇宙の彼方にある宇宙最高裁判所から判決が下されるのだ!
展開したジャッジメント空間の中で、モヤイダの周囲を○とXのマーカーが取り巻き、
審理スタート。弁護士を付ける事すら許されず、クイズ番組のようなノリで下された判決は……
×
〔デリート許可〕
今、正義の審判は下った。
非道な宇宙犯罪者、この銀河から抹消すべし。
怒りのレッドのハイブリッドマグナムが炸裂し、ドン・モヤイダは辺境の星で削除完了される!
デカレンジャー・フォー・ジャスティス!
特捜だ、なんというか、特捜だ(笑)
『逆転裁判』もビックリの超簡易裁判による超速攻判決で、デリート執行!
こいつは凄いぜ!
まあ、司法判断仰いでいるだけ、人道的と言えるのかもしれませんが。
これまでの主な先輩達の場合。
宇宙刑事ギャバン:マクー殲滅すべし、ギャバンダイナミック!
機動刑事ジバン:対バイオロン法によりジ・エンド!
特捜ロボジャンパーソン:問答無用でフォージャスティス!
上記で検討したように、仮にデカレンジャーが後進惑星だけに配備されていると考えると、
そういった後進惑星で先進技術を用いて宇宙的犯罪を犯すような宇宙人は、簡易裁判でジャスティス執行していい事になっており、
それが辺境における宇宙的犯罪の抑止効果に繋がっている、という可能性はあるかもしれません。
と、勝手に妄想設定を展開。
「これにて、一件コンプリート! メガロポリスは日本晴れ!」
かくて一つの事件は終わった。
白鳥「終わったわね。とりあえず」
犬「いや、始まったのさ……」
白鳥「そっか」
事件解決して、デカレンジャーはくつろぎタイム。のんびりした女性陣に対し、私服に着替えて休暇を求める、赤と青。
二人ともこれから例のOLを誘いに行く……という所から、また揉め出す二人。
「人生はワンツーパンチ」
その光景にぼそっと呟くジャスミンさん、いっけんクールだが変なツッコミ入れる係なのか。
桃「意外とめいコンビかもね」
黄「迷うほうのね」
赤と青が殴り合い寸前の口論を繰り広げる中、やってくる緑。
「ボス、わかったような気がします。バンをレッドにした理由が」
「そうか……」
「はい」
「……おまえなんでタキシード?」
「え……いやあの、現場で助けたOLさんに、誘われたんで」
OLに誘われたのは、一番ポイント稼いだ緑だった。花束持ってデートへ向かう緑を、赤と青が追いかけて……でオチ。
白鳥「ま、いいんじゃない」
犬「ふっ」
だからなに、この夫婦。
いいけど、全然いいけど(笑)
実によく出来た1−2話。1話は前後編の前編すぎた所はありますが、アクションの見せ場はしっかりと用意した上で
「謎の金属と物体の正体は?」とわかりやすく次に引っ張り、それを受けた2話は抜群の出来。
刑事ものの雰囲気を持続しながらそれぞれのキャラクターの立ち位置をまず見せ、ロボ戦、揃い踏み、そしてしっかりとしたオチ。
掴みの1−2話としては、戦隊史上でも屈指の出来映え、と言っても良いのではないでしょうか。
もともと割と好きな監督ではあるのですが(長石多可男監督の影響が大きい人なので、基本的に演出のテンポが合う)、
先日見た『ゴーオン』といい、渡辺勝也は、パイロット版でいい仕事。
佐々木功好きなのでEDは知っていたのですが、改めて名曲で、映像の方も凝っていて秀逸。渋いEDの間に、
幼年誌の記事のような「デカレンジャーのひみつ☆」を挟んでいるのも楽しい。
そんなこんなで良く出来た構成なのですが、最大のインパクトにして面白みとなったのは、
過去のシリーズ作品の長所や短所を踏まえた上で、丁寧な作劇と構成で展開する、如何にも2000年代作品だなぁ……と思っていたら、
いきなりの
ジャッジメントタイム!
クライマックスでこの吹っ飛ばし(笑)
大きなくくりでは“警察もの”となる4年前の『未来戦隊タイムレンジャー』が、怪人を圧縮冷凍して逮捕するという形であったので、
これに対して怪人をどう処理するのか気になっていたのですが、まさかのその場でジャッジメントからデリート!
この理屈をつけて整合性を取っているようでむしろ吹っ飛んだナナメ上!
あいつの遺伝子がこんな所に息づいていたなんて……!
デカレンジャー・フォー・ジャスティス!
変なツボを押されて、無駄に盛り上がってしまいました(笑)
物語がこの先どう転がっていくのか、非常に楽しみです。
ところで、異星人犯罪者に狙われる地球が惑星保護バリアで守られているという世界設定で、3話のサブタイトルが
「パーフェクト・ブルー」というのは、『ウルトラセブン』へのちょっとしたオマージュなのかなぁ(『ウルトラセブン』に、
地球と月を囲む宇宙バリアを作ろうとするも宇宙人に妨害される「プロジェクト・ブルー」というエピソードがある)。
- ◆Episode.03「パーフェクト・ブルー」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久)
-
先日、某剣崎さん(無職)が戦っていたような気がする場所で、射撃訓練を無駄アクションで行うバンに駄目出しをし、
自らは華麗な銃捌きを見せつけるホージー。
「どっひゃー、おみそれしたぜ、相棒!」
「相棒じゃない。いいか、ミスをしていいのは候補生までだ。スペシャルポリスにミスは許されない」
プロフェッショナルとしての自覚が足りないバンが、気に入らないホージー。
職業考えると、バンは少々緩いので、ここは一発、ホージーさんにがつんとやってほしい所です(笑)
また職業戦隊として、早々に“プロフェッショナルとは何か”を持ってきてくれたのは好み。
そんなこんなで、5人になったデカレンジャーだがチームワークは未だ前途多難な中、街に怪重機デビルキャプチャーが出現。
お嬢様学校のパーティを襲撃した怪重機は、衛里香という少女を捕まえる。立ち向かうデカレンジャーロボだったが、
デビルキャプチャーは閃光を放って逃亡。衛里香の身柄を奪われてしまう……。
前回、怪重機の持ち込みに一手間あったので、惑星保護バリアをくぐり抜ける所で何かしらあるのかと思ったのですが、
特にそこにこだわりはない模様。まあ毎回やっていると大変ですが、とすると、どうしてそういう設定にしたのか、
という話になりますけれど、後々活きてくるのかな……?
「ようこそ、僕の世界に、王女様」
デビルキャプチャーを操り衛里香をさらった実行犯ヘルヘヴンの背後に居るケバキーアは、ちょっと変態系。
前回が「ダイヤモンド」だった事を考えると、今回は「アキバ系」?(なんか酷い)
デカレンジャーが衛里香の家に向かうと、ヘルヘヴンからの要求がそこへ届く。犯人が、衛里香と引き替えに要求したのは、
ウェルネストーン。実は衛里香とその両親は星間戦争に巻き込まれて滅亡したフラグラント星王家の亡命者であり、
ウェルネストーンとは王家の秘宝にして、強力なエネルギー増幅の性質を持っていた。
人命最優先を主張するバンに、ウェルネストーンを守ると断言するホージー。
「バカ。俺たちはプロだぞ。当然両方守るんだ」
プロ意識高いのは素敵。
翌日、犯人に要求された取引現場へと赴く衛里香父。その前に怪重機とヘルヘヴン、そして檻に囚われた衛里香が姿を見せる。
これを後方から確認するバンとホージー、そして車で待機中のセンちゃんとジャスミン。
囚われの衛里香が正真正銘の本物かどうかのサーチ作業中、一瞬走ったノイズに違和感を覚えるバンだったが、
ホージーはそのまま作戦実行を決断。狙撃によって檻を破壊すると、待機していた緑と黄色が飛び出して、
衛里香の身柄を無事に確保する。そして、
「宇宙警察地球署、胡堂小梅ちゃんは、変装がだーい得意って、知らなかった?」
衛里香父は、小梅の変装であった! と、前回のジャスミンエスパーに続いて、ホージーの狙撃、ウメコの変装、と特技見せ。
……センちゃんの特技は……ナンパですよナンパ!
助け出した衛里香にウェルネストーンを任せ、ヘルヘヴンと戦闘開始。青い人の個人武器はDナックルと、意外や格闘戦。
途中で怪重機が動きだすが、赤、緑、黄がマシンに乗り込み、ジャッジメントソードの一部を使ったコンビ攻撃で、
合体無しでまさかの省エネ撃破。ロボは前半で使いましたが、必殺技も無し、というかなり変則な展開になりました。
怪重機を失ったヘルヘヴンと対峙したデカレンジャー、連続攻撃からお待ちかねのジャッジメントタイム!
「グローザ星人ヘルヘヴン、営利誘拐及び、29の星における殺人の罪で、ジャッジメント!」
なにがでるかな
なにがでるかな
なにがでるかな
ぶっぶー
ハイ消えた!
Dナックルを銃身に装着する青の人のDスナイパーで、ヘルヘヴンはデリート。証人尋問もない、最終弁論もない、
そもそも弁護人の存在すら許されない、これが宇宙の法律だ!
「ひとーつ、被告人に弁護士を呼ぶ権利は、ない!」
「ふたーつ、不服申し立てを行う権利も、ない!」
「みっつ、身内に手紙を出す時間など、ありえない!」
「よっつ、容赦も情状も、存在しない!」
「いつつ、異論は一切認めない!」
「S.P.D!」
「デカレンジャー・フォー・ジャスティス!」
司法の判断を仰いでいるだけ他のヒーロー物に比べていっけん良心的に見えるのだけど、その実、警察官が処刑人を兼ねて、
その場で極刑を下す、というこのぶっ飛んだジャッジメントタイムが大好きです(笑) 司法を通している分、
むしろよけいにエグいという。
冤罪の可能性なんて、デリートしてしまえばアリエナイ。
「これにて一件コンプリート、スーパークールに、パーフェクト」
ちょっと発音も気取ってみた。
ヘルヘヴンをデリートし、衛里香の元へ戻る5人だったが、衛里香の正体は、なんとケバキーアの変装であった。
デビルキャプチャーの残骸から謎の機械を取り出したケバキーアは、ウェルネストーンを手に、“僕の世界”へと姿を消してしまう。
人質と秘宝、両方を守るどころか、まんまと両方を奪われてしまい、がっくりと膝をつくホージー。
「バカな……そんな、バカな……」
打たれ弱そうなエリートの、明日はどっちだ?!
というわけで、1−2話に続いての、前後編。敵宇宙人を粗暴犯と知能犯の二人組にする事で、前後編にしつつ1話ごとに戦闘は入れる、
という構造になりました。ただロボットの使い方がやや強引になった為、全体として少々スムーズさには欠けてしまった感じに。
果たしてホージーは、このまま心の隙間に忍び込まれてしまうのか?(待て)
- ◆Episode.04「サイバー・ダイブ」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久)
-
「俺は……プロ失格だ」
捜査ミスによる不手際に、どよーんと落ち込むホージー。
一方、“僕の世界”へと逃げ込んだケバキーアは、コウモリ系異星人、エージェント・アブレラに連絡を取っていた。
2話の最後にちらっと謎の宇宙人が顔見せされていましたが、ここで声つきで登場。
ケバキーアは肉体をデジタル化してコンピューターネットワーク内部で生活しており、一度外へ出ると体組織が崩壊を始める為、
その修復の為にはネットワーク内部で20時間は潜伏しなくてはならない。そして前回ラストでケバキーアが使った謎の機械は、
スワンの解析により、物質をデジタルデータに変換する機械だと判明する。
「あっとおどろく、ためごろうね」
ジャスミンは声質を買われて、ぼそっと妙な反応示す担当っぽい。普通に言っても面白くないのだけど、
ジャスミンの声質だから面白い、という。
ケバキーアの潜伏するコンピュータを探しに動きだすデカレンジャー。ホージーには、
ネットワーク内部におけるケバキーアの居場所を探し出す役割が与えられるが……
「自信がありません」
「ばっかじゃねえの! あんなミスぐらいで、しっかりしろよ、相棒!」
バンの叱咤も効果無く、ホージーはすっかり抜け殻。
「待てバン、今はホージーを信じよう」
ボスはなおも突っかかろうとするバンを止め、4人を捜査へと向かわせる。前回の戦闘現場へ戻った4人は、ジャスミンの超能力で、
犯人の残留思念を調査……って、エスパー何でもあり。
ジャスミンのサイコメトリにより手に入れた幾つかの断片的イメージから浮かび上がった犯人の潜伏場所は――プラネタリウム。
超能力使った後によろけるのと、それをウメコが支えるのがポイント高い。
一方、抜け殻ホージーは一応仕事していたが、単純な入力ミスでまた落ち込むというデフレスパイラルのまっただ中であった。
そこへやってくるスワンさん。
「弘法も筆の誤り、河童の川流れ〜、猿も木から……落ちる、上手の手から水」
嫌がらせっスか、スワンさん!
「それだけよくあるってことよ。頑張って」
しかしホージーの反応は今ひとつ。
たぶん、年上属性が、ない。
「どうだ?」
「んー、けっこう重症かも」
部屋を出た所で、ボスとの会話。こういうポイントポイントで、若い隊員達を見守る大人の会話、が挟める今作の構造はやはり秀逸。
二手に分かれたデカレンジャーは、ジャスミンの掴んだイメージを頼りに、ケバキーアの潜伏しているプラネタリウムを捜索中。
それらしい所を発見し、やおら、逆立ちを始めるセンちゃん。
ナレーション「これは、センのシンキングポーズである。こうすると、何かが閃くのだ」
実に淡々と説明される、センの変な性癖(笑)
センとウメコはケバキーアのアジトの確証を得るとともに、そこへ近づく怪しげな人影に気付き、バンとジャスミンに連絡。
急行する二人だったが、ホージーが未だにネットワーク上の潜伏地点を発見できないでいる事を知ると、バンは車を飛び降り、
猛然とデカベースへと走る。
「何いつまでもうじうじしてやがんだ!」
嗅覚とかダッシュ力とか、バンはこう、色々犬っぽくて、そこなのかボス!
「何やってんだよ相棒!」
「すまん」
その反応にドロップキック。
「俺がやる。悩んでるおまえよりは、馬鹿でもやる気満々の俺の方が100倍マシだ!」
つたないながらも、必死にコンピューターを操作するバンの姿に、自分のやるべき事を思い出すホージー。
「んなわけ、んなわけあるかぁぁぁ!」
そんなおまえにラリアット。
「ひよっこのおまえに何ができる! いいか、腐っても俺は戸増宝児だ!」
なんですかこの、肉体言語での語り合い(笑)
うーん……視野の狭いエリートが熱血馬鹿のやり方を見て認め合って……という黄金パターンなわけですが、
今ひとつうまく転がっていないのは、エリートが脆すぎるし、馬鹿が馬鹿のままだからか(^^;
ミスを取り返す気持ち、というのは必要だと思うのですが、そもそも1話を見るようにバンはミスに対して態度が軽すぎるので、
ミスに対して甘すぎるバンと、安易なミスを犯しすぎたホージーとの極と極との対消滅みたいになってしまって、
二人まとめてもっと反省した方がいい、みたいな感じに(^^;
メタ視点から見ると、足して2で割って丁度いい、という事なのでしょうが、物事の差し引きがメタ視点で融合できるわけではないので、
もう少しこう、プロフェッショナルの在り方、みたいな感じでまとめてほしかったなぁ。
これはボスも大変だ。
というか結局の所、“辺境の地球署に配属されるエリート”なんて、こんなものという悲しい事実なのか……?!
なにはともあれ、足の裏と二の腕のやり取りで立ち直ったホージーは、ケバキーアの居場所を見事に発見。
そこでスワンがデジタル変換システムを運んで現れ、どちらが行くかで揉める二人をすかっと送り込む。
ケバキーアの部屋へ直接送り込まれたバンとホージーは、即興ながら見事な連携プレイを決め衛里香の救出に成功。
変身して犯人を追い詰めるが、突然、部屋の風景が一変する。
デジタル空間を操る能力、という事なのでしょうが、幾つかの場所を変えての魔空空間バトル。走る電車内での戦闘を、
並走して外から撮る、というのはなかなか面白かった。
肉体的には貧弱な知能犯かと思われたケバキーアだったが意外な善戦を見せるも、
赤と青のコンビネーション攻撃により空間変換装置を破壊され、元の部屋に。
「ビコー星人ケバキーア、営利誘拐の罪で、ジャッジメント!」
3回目のジャッジメントにして罪状から「殺人」が消えましたが………………判決:死刑
そう、宇宙警察は、貴様らクズのような犯罪者に、生きる価値など1ミリも認めない!
デカレンジャー・フォー・ジャスティス!
営利誘拐でもデカレンジャーに確保されたら即極刑って、この世界、犯罪のリスクが非常に高いと思うのですが、もしかして、
悪鬼のごとき犯罪始末人デカレンジャーの追跡をかいくぐって敢えて犯罪行為に身を投じる犯罪者達が、
影で英雄視されていたりするのではなかろーか。
いやまあ基本、命の価値が時代劇、というのはわかるのですが。
或いは、犯罪を犯す=宇宙の法治を揺るがすテロ行為である=テロリストはその場で銃殺だ、
ぐらい殺伐としているのか。
かくしてケバキーアはハイブリッドマグナム&Dスナイパーのダブル攻撃で霧散デリートされ、その後にウェルネストーンが発見される。
そういえば結局、肝心の石の隠し場所とか聞き出さずにデリート…………ホージーさんはもう、
辺境にトばされた自称エリートの駄目な人、の烙印を押してしまって間違いない気がする。
この人、今まで「パーフェクト」(気取った発音で)だったのは多分、戦術ミスをステータスの高さで強引に突破してきた人生だから。
天はホージーさんにイケメンマスクとオール90の能力値は与えたが、判断力とか協調性は与えていなかった。
残酷で残念な真実が判明する中、ケバキーアのデリートにより崩壊していくネット空間。緑・黄・桃がノートPCの回収に成功し、
衛里香と赤・青は脱出に成功。
「これにて一件コンプうわっ?!」
そこへ姿を見せるのは、ケバキーアの残存データが移植され、セミオートで暴走するデビルキャプチャー2。
デカレンジャーロボが出撃し、今回はしっかりジャスティスフラッシャー。
「フッ、これにて、一件コンプリート」
「メガロポリスは日本晴れ!」
「て、おまえが言うな!」
ホージーもいつもの調子を取り戻し、事件は無事解決するのであった。だがそんなデカレンジャーの活躍を、
苦々しく見つめる一つの影があった。
「デカレンジャーめ、また私の仕事を無駄にしたな」
どうやら犯罪小道具斡旋業らしい、エージェント・アブレラ、果たしてその存在は、今後の物語にどんな影を落とすのか……?
そういえば4話にしてここまで特に悪の組織的存在が出てきませんが、当面はこのエージェントが裏で糸引く存在になるのでしょうか。
ウェルネストーンは宇宙警察が 徴収 保管する事になり、平穏の戻る衛里香家。さっそく、衛里香を焼き肉に誘うバン。
女子中学生まで守備範囲か!
おまわりさん、こっちです。
ケバキーアとの戦闘前の賭けで、どちらが焼き肉をおごるかで揉め、人様の家の前で喧嘩を始めるバンとホージー。どうやら、
足の裏と二の腕で会話をするのがお似合いの様子です。
残りの3人は衛里香の家に招かれて、食事をご馳走になる事に。揉める二人を振り返り、微笑ましく見つめる衛里香、で幕。
受動的なゲストヒロインの割には最後にいいカットをもらった衛里香役は、後にグラビアアイドルとして人気を博し
『特命戦隊ゴーバスターズ』にも出演する事になる、吉木りさ。
またケバキーア役はかつて『未来戦隊タイムレンジャー』でギエンの声をつとめた戸部公爾で、
終盤の狂った笑い声は意図的な被せでしょうが、懐かしくも好演でした。
会心の出来だった(出来すぎた)1−2話と比べると、ホージーのミスがあまりに物語の都合によるミスの為のミスであるなど、
黄金パターンの割には随所で粗が目立ちましたが、各キャラクターは面白いので、巻き直して波に乗ってくれる事に期待。
次回、犬が上司で部下が犬。
- ◆Episode.05「バディ・マーフィー」◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久)
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非番の日、バンを荷物持ちにショッピングに繰り出していたウメコは、他のメンバーが出動している所に出くわす。
アリエナイザーに狙われている、と通報してきたのは岩木という見るからに嫌な感じの男。リーダーの私が来たからには大丈夫、
というウメコにも「こんな小娘が?」と態度も悪い。
……て、誰も「ウメコがリーダー」には突っ込まないのか。
というかもしかして、ウメコがリーダーなのか?!
そこへ姿を見せる、アンリ星人ベイルドン。
襲撃から岩木を守った5人は変身して名乗りを上げるが……
「いつつ……いったいぜんたい、ライセンスはどこ?」
「「「「ええっ?!」」」」
ウメコがSPライセンスを紛失していた(笑)
アバンタイトルで名乗り入れた上で、見事なオチ。
ウメコが街にSPライセンスを探しに戻る中、4人はベイルドンの召喚した雑魚ロボットと戦闘開始。
今回は緑がDナックルを使用しており、マグナム、ナックル、ロッド、スティック、は共通装備という事の模様。
一人少ないデカレンジャーが雑魚と戦っている間に、岩木に迫るベイルドン。実は岩木の正体は宇宙人で、
ベイルドンとはある取引関係にあったのだった。凶悪犯罪者であるベイルドンへの警戒としてデカレンジャーを呼んでいた岩木だったが、
結局、ベイルドンに脅され、無報酬で赤い液体を手渡す事に。謎の液体を手に入れたベイルドンは、
デカレッドの二丁拳銃をものともせずに逃走、姿を消す。
今日も捜査ミスだぜデカ!
その頃、ようやく試着室でSPライセンスを発見するウメコだったが……
「バカやろー!!」
ボス、さすがに怒る。
岩木を事情聴取したデカレンジャーは、彼が優秀な科学者であり、研究の資金欲しさに数多くの前科を持つベイルドンと取引していた事を知る。
だが、薬の効果については口をつぐむ岩木……ベイルドンが行動を起こす前にデリートしなくてはならない、
とボスはロボット警察犬・マーフィーA9の出動を決断する。
スペックは優秀だが、AIの性格に難があり、出てくるやいなやボスの足を電柱に見立てて粗相をするマーフィー。
「またか……」
「大丈夫、それただの、冷却水だから」
見た目要するに大きなAIBO(確認したら、1999年7月に最初のモデルが発売されて、2006年3月に生産・販売が終了)
なマーフィーは、我が物顔でボスの机に座り込むなど、実に問題犬。
にしてもまた、撮影が大変そうなキャラを出してきたなぁ(大きな動作はCG処理)。
ボスはウメコに、そんなマーフィーとコンビを組むように命令。
「大丈夫なの、ドギー」
「ああ、毒をもって毒を制す、だ」
ウメコ、毒扱い(笑)
やはり辺境の地球署は、問題児の吹きだまりなのか。
ベイルドンの残したパーツ(何これ?)から、その臭跡を追うウメコとマーフィーだったが、マーフィーは全くウメコの言う事を聞かない。
一方、粘り強い尋問という名の可視化できない何かにより岩木がベイルドンの犯罪計画について口を割る。
ベイルドンの計画……それは、全人類を液体燃料にする、という恐ろしいものであった。
岩木が渡した薬は噴霧する事で人間をドロドロに溶かす事ができる……が、ベイルドンがためしにスライム化した人間は、
何故か数分で元に戻ってしまう。岩木はベイルドンが裏切った時の事を考え、薬品からある大事な成分だけを分離していたのであった。
捜査目標を変更、岩木の隠した青い成分を探す事になるウメコとマーフィー。相変わらずの不遜な態度で「釈放してくれれば場所を教える」
と取引を持ちかける岩木むかつくで一致団結したウメコとマーフィーは、薬の隠し場所らしき場所に辿り着くが、
ウメコが幾ら地面を掘り返しても、薬は出てこない……。マーフィーの追跡は的外れだったのか?
というか、見ていないで手伝え野郎共。
追跡失敗にマーフィーは基地で落ち込み、メンバーが今後の方針を話し合う中、ひとりマーフィーを信じて穴を掘り続けるウメコ。
そして遂にDスコップが金属のケースを掘り当てる。マーフィーの追跡は、間違っていなかったのだ!
今回ここまでは特に悪くなかったのに、この後のウメコがやったーみたいなカットが凄く間延びした変なカット。
放水(雨の演出)とかの関係で、撮れるカットが限定されていたのかもしれませんが、ちょっとがっくり(^^;
だがそこへ現れるベイルドン。動きを見せなかったベイルドンは、岩木の身柄を確保したデカレンジャーに、
青い液体を発見させて横取りしようと待ち構えていたのだった。変身するも、強敵ベイルドンを相手に危機に陥るデカピンク。その時、
その悲鳴を捉えて、マーフィーが走り出す! 猛ダッシュで駆けつけたマーフィーの噛みつき攻撃でひるんだ所に連続ラッシュでデカピンクはベイルドンの角を叩き落とし、
残り4人も到着。
デカレンジャーは揃い踏みし、更にデカレッドの持ってきたキーボーンをくわえたマーフィーは、バズーカモードを起動、
最強の武器Dバズーカへと変形する!
犬、撮影の大変そうなサポートキャラだなぁと思ったら、まさかの必殺武器。
単独の索敵ユニットとしては手間かかりすぎではないかと思っていたのですが、色々と腑に落ちました。それにしても、
索敵ユニットが最強の武器に変形って、アールジーコの遺伝子継承者か(笑)
そして、どうしてデカレンジャーの皆さんは、裁判の開始前からバズーカを構えているのでしょうか。
「アンリ星人ベイルドン、五つの星における大量殺人、及び人間ガソリン化による殺人未遂の罪で、ジャッジメント!」
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答:もちろん死刑だから
デカレンジャー・フォー・ジャスティス!
怪人と巨大メカ(怪重機)が完全に別物なので、毎度ロボット戦を組み込むのが大変そうだなぁと思ったら、
今回はあっさりとロボット戦は無し。着ぐるみ制作費の問題もあるし、もしかすると2話構成の時以外、
すっぱりロボット戦が無かったりするのでしょうか(笑)
「これにて一件コンプリート。後はお風呂で、のんびりーと」
こうして事件は解決し、岩木は宇宙警察本部へ送還される事に。勝ち誇る残念コンビに両腕をがっちり固められながらも憎まれ口を叩く岩木の前に、
笑顔で現れるウメコ。
「はーい、小娘です。こちらは、馬鹿犬。で? そんなあたし達に負けたあなたは」
「うるさい!」
「水も滴るいい男?」
岩木、マーフィーから冷却水をかけられる。
いくら被疑者とはいえ、酷すぎる扱いで今日も鬼畜だぜデカ!
まあ、即行でデリートされなかっただけ温情なのかもしれませんが……宇宙の果てでは、人権は紙より薄いのだ!
デカ!
まあなんというか「ウメコ可愛い」で押し切ろう回。
今作の女性キャスティングはかなり当たりだとは思うのですが、
明らかにシナリオ・演出上の細かい辻褄合わせの部分よりもウメコ可愛いの部分に尺を採っていて、
スタッフとしても女性キャスト陣に手応えがあっての作劇なのかな、と思われます。
それにしても、このチームはセンちゃん不在だとすぐ崩壊しそうだな……と思ったら、次回、センちゃん回。
→〔その2へ続く〕
(2013年2月5日)
(2017年3月14日 改訂)
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