■『爆竜戦隊アバレンジャー』感想まとめ6■
“荒ぶるダイノガッツ!
爆竜戦隊・アバレンジャー!!”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『爆竜戦隊アバレンジャー』
感想の、まとめ6(41〜最終話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕
〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕 ・ 〔総括〕
- ◆第41話「メリーアバレマス!ジャメジャメ」◆ (監督:竹本昇 脚本:會川昇)
-
アスカさん、OPに帰還。
気の早いサンタからクリスマスプレゼントを貰った人々が次々とバーミア兵に変貌していく事件が発生。サンタの正体はトリノイド・
レインディアサンタ。そしてこの作戦の裏には、ミケラの恐るべき策謀があった。
遙か古代――地球に衝突した巨大隕石によって、地球は二つの並行世界、ダイノアースとアナザアースに分かたれた。
そしてデズモゾーリャとはそもそも、その隕石に乗って地球に飛来した宇宙生命体だったのである!
二つの地球が誕生すると同時に、デズモゾーリャの因子も二つに分裂。かくてデズモゾーリャは、ダイノアースとアナザアース、
二つの世界に存在する事となった。
アナザアースの歴史上に定期的に現れる、人並み外れた破壊力と行動力を持つ存在……それは脈々と受け継がれる、
デズモゾーリャの因子に寄生された存在に他ならない。
レインディアサンタの能力は、“邪命因子に感染させる事によって人間をバーミア兵に変えてしまう”というもの。だが、
既にデズモゾーリャの因子に寄生されている人間はその因子を所持済みなので、感染してもバーミア兵になる事はない。
人類をバーミア兵化すると同時にアナザアースのデズモゾーリャを捜し出し、合わせてその覚醒によりリジュエルの中のデズモゾーリャも
目覚めさせる……一石二鳥どころか三鳥を狙う、というのがミケラの計画であった。
唐突かつ割とさらっと、物語の根幹に触れる種明かし。
そもそものアナザアースとダイノアース誕生の経緯にデズモゾーリャが関わり、その存在もまた二つに分かれている――。
また、リジュエルの中にデズモゾーリャ様が居るというのがいつの間にか完全に確定事項と化しているのですが、
リジュエルがやたら強いのは、それも含んだ表現か、とか今更。
ミケラの作戦はあたり、次々とバーミア兵に変えられていくアナザアースの人々。感染寸前に凌駕に助けられた舞ちゃんも、
増殖し続ける邪命因子によって手が変化するなど、徐々にバーミア兵化していく。トリノイドを追うアバレンジャーだが、
元人間のバーミア兵に阻まれ、攻撃する事が出来ない。その時、苦しみながらもモニターで凌駕の苦戦する様子を見ていた舞ちゃんの体が
光り輝き、邪命因子を追い払う! 体内の因子を除去する方法を検討していたアスカはその光景に、ダイノガッツにこそ邪命因子を
打ち払う力があるのだと気付き戦場に駆け付けるが、外からダイノガッツを注ぎ込むだけでは人々を元に戻す事はできない……
必要なのは、その人の内から燃え上がるダイノガッツだったのだ。
そこへ嫌味を言いにやってくるアバレキラー。
バーミア兵化した人々も、鎧に操られたアスカも、結局は自分の中の暴れたいと思う心、破壊の衝動に従っているにすぎない、
人間はそういう存在だ……だが、アスカは伝説の鎧の消滅を取り上げ、敢然とその言葉を否定する。
「永遠に続く悪はない! 残るのは正義の心だ!」
そんな戦いの場に現れたのは、バーミア兵と化してしまった人々の家族や関係者。彼等の呼びかけが、
人々の心の中のダイノガッツを燃え上がらせる!
内なるダイノガッツの輝きによって邪命因子を消し去り、元の姿に戻っていく人々……初期からそうなんですが、
本当にダイノガッツは何でもありです(笑) 浜ちゃんも実体化するし。
「アバレキラー、これが、ダイノガッツの力だ!」
キラーとリジュエルは撤退するが、残ったレインディアサンタの赤鼻ビームに苦戦するアバレンジャー。だがその時、
人々の声援がダイノガッツとなり、アバレッド、その力でマックス化!
主題歌まで入って、なんか、最終回みたいなネタです(笑)
マックスは相変わらずの魔空空間無双でレインディアサンタを虐殺。巨大化後はアバレブラックの見せ場を経由して、
マックスリュウオーで滅殺。
……アバレンジャーは、戦隊としてはたぶん強くないのですが(人数の問題を抜きにしても)、なんというか、
一瞬の瞬発力が高い。
こうしてミケラの策略は失敗に終わった……かに見えたが、最後に仕掛けたちょっとした悪戯から、思わぬ事実が判明する。
エヴォリアン本拠に帰ってきた壬琴が手にした箱。それは壬琴をバーミア兵にしてしまおうとミケラが仕掛けた、
レインディアサンタが配っていたもとの同じ邪命因子入りのプレゼントだった。だが、開いた箱から飛び出した因子は、
壬琴の体に取り付くも弾かれて無効化されてしまう……そう、仲代壬琴こそ、アナザデズモゾーリャの因子を持つ人間だったのだ!
というわけでとうとう、仲代先生、正真正銘のラスボス化?
- ◆第42話「アバレキッドに潜みしもの」◆ (監督:坂本太郎 脚本:會川昇)
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アバレキラーのダイノマインダー(変身ブレス)には限界が近づいていた。そしてまた、仲代壬琴自身の肉体も……。
トップゲイラーから、恐らくあと2度か3度の戦闘で0号スーツは大爆発、或いはその前に壬琴が死ぬ、と聞いたステゴは、
事情を話して「アバレキラーと戦わないで欲しいテゴ」と幸人達に連絡を取ってくる。だがそこへ襲い来る、アバレキラー。
久々登場のキラーオーvsマックスリュウオー。ステゴの話を聞いて戦いを躊躇いつつも、なんだかんだで本気でリュウオーバスターを
撃ちに行く3人(笑)
強制合体したステゴの戦意の無さもあり、力を発揮できないキラーオーは更にマックスジャベリンを受けて吹き飛び、
トップゲイラーはいずこかへ飛び去り、アバレキラーは姿を消し、ステゴはアバレンジャー陣営に帰参。そしてそこへ姿を見せたのは、
幸人の依頼で壬琴の過去を追っていたエージェント達であった(アバレモン回に出ていた人達?)。
トップゲイラーは最強最悪の爆竜だった筈なのに、スティラコサウルス登場以降、“最強”の看板が外れ気味なのが困ったところ。
その看板外れると、残念ながら特にキャラ立ってないですし(^^; 爆竜のキャラクターが中途半端というのはやはり、
この作品の大きな問題点。極端な話、初期の3爆竜と敵役のトップゲイラーを立てる事に注力して、残りは流しても良かった気はします……
玩具的にはそうもいかなかったかもしれませんが。微妙に壬琴とトップゲイラーの関係性が物語に絡みそうなのですけど、
絡んで説得力のあるほどのキャラクター性がトップゲイラーに無い気が(^^;
エージェント達のもたらした情報により、壬琴の少年時代について知る凌駕達。運動も勉強も全てが出来た天才児であった壬琴は、
そのあまりの優秀さ故に孤独となり、代議士の家に養子に出される形で上京。彼にとっては全てが出来て当たり前の事があった為に、
「何をしてもときめく事がない」人生を送っていた。
そう、0号スーツという自分の思うままにならないものを身につけ苦闘する今の状況こが、壬琴にとっては「ときめき」を
得られる待ち望んでいた時間だったのだ!
ヴォッファとミケラの用意した専用ギガノイド、キラーギガノイド「不滅」を引き連れアナザアースに現れた壬琴は
アバレンジャーに戦いを挑みアバレンオーを一蹴するが、「不滅」はアバレンオーにトドメを刺さず、壬琴を呑み込んで姿を消してしまう。
果たして壬琴はどうなったのか? ほくそ笑むヴォッファとミケラの狙いとは――?
- ◆第43話「アバレキラーは不滅!?」◆ (監督:坂本太郎 脚本:會川昇)
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「デズモゾーリャ様が、復活するんです。仲代壬琴の肉体を使って」
ヤツデンワニから衝撃の事実を聞き、壬琴の行方を追う凌駕達が辿り着いたのは壬琴の生まれ故郷。そしてギガノイド「不滅」と
一体化した壬琴であった。このままでは壬琴は完全にデズモゾーリャとなってしまう。「不滅」の変身した生命の樹から産まれた
再生ギガノイドに苦戦するアバレンオーだが、その時、「私は、あの人間を、見捨てることはできない」とトップゲイラーが飛来する!
あまりの強さに封印されていたトップゲイラーが、似た境遇の壬琴に共感して……と話を繋ぐのですが、どうにもこうにも、
この辺りは書き込み不足。一つ一つは盛り上がり展開なのですが、やはり前振りが弱い。
凌駕達が生命の樹へ突入する時間を稼ぐべく、アバレブラックがステゴスライドンと合体し、キラーオーへと爆竜合体。
更にパラサとアンキロを召喚し、ブラックキラーオーベイルスロッキルと、狂戦士は好き放題。
ブラックキラーオーがギガノイドと戦う間に壬琴のもとへ突入したアバレンジャーは、そこでデズモゾーリャに半ば肉体を奪われた
その姿を見る。今ならまだ、アバレマックスに変身する事で壬琴ごとアナザデズモゾーリャを倒せるかもしれない……しかし凌駕は、
壬琴を救えなければ納得できないのだ、とマックスに変身する事を良しとしない。そんな凌駕の叫びに応えるように、
半ば支配されながらも意識を取り戻す壬琴に、凌駕達は、彼がデズモゾーリャの因子に寄生された存在であり、
その求めてきた破壊の衝動は、デズモゾーリャの意志によるものである、と告げる。
「これは……貴方のゲームじゃない」
衝撃を受ける壬琴のもとに更にリジュエルが現れ、仲代壬琴はここに、好き放題に生きてきた筈の自分の人生が、
ゲームのコマに過ぎなかった、という真実を知る。そのとき、壬琴の体から迸るダイノガッツ。
爆竜チェンジにより強引にデズモゾーリャの支配を脱した壬琴はアバレキラーとなってトップゲイラーと合流。
自分を操っていたものへの意趣返しとして、アバレンジャーとの共闘を受け入れる。
というわけで、今ここに、
爆竜・最強合体
アバレンオー+トップゲイラー+ステゴスライドン+スティラコサウルス!
その名を、
オオアバレンオー
ロボットよりも、コックピットに、赤・青・黄・黒・白、と並ぶのがさすがにカタルシス。
BGMに主題歌も入って、ここは文句無く格好いい。
「五人揃った俺達の、ダイノガッツを見せてやる!」
ブラキオを発射台にして、飛翔するオオアバレンオー。
爆竜必殺・オオアバレフルスロットル!!
殺「フッ……」
赤&黄「「ときめくぜぇ」」
青「おい」
強烈無比な一撃は「破滅」を消し去り、デズモゾーリャ復活によるアナザアース崩壊の危機はひとまず去るのであった。
戦いは終わり、未だアナザデズモゾーリャの因子を体内に秘める仲代壬琴は、しかし、これまで自分がしてきた破壊も欲望も、
その結果の責任も、全ては自分のものであると告げ、アバレンジャーに背を向ける。
「次のゲームの相手は、おまえたちじゃない。……そいつはここにいる」
だが一方、ダイノアースではリジュエルに異変が起きていた。ヴォッファとミケラの目論見どおり、
アナザデズモゾーリャを覚醒させる試みにより、リジュエルの中のダイノデズモゾーリャも刺激を受けて表に出てきたのである。
「二つの我が一つになる時、新たな進化の時」
最終決戦の、時は近い――!
- ◆第44話「サラリーマンはアバレ仕掛けの夢を見るか?」◆ (監督:坂本太郎 脚本:前川淳)
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『アバレンジャー』の物語はジュラシック商事の営業マン・伯亜凌介の夢……という設定の総集編。
最初期のアバレキラーは格好いいなぁ(涙)。
ところが夢を見ていたのは凌介ばかりではなく、同僚の面々も同じ夢を見ていた。いったいこれは……?
実は現実では、夢の世界入って目覚めなくなってしまった4人が衰弱していた。恐竜やの面々や爆竜達の声に記憶を取り戻した4人は
爆竜チェンジで夢の世界を脱出。全ては、ヤツデンワニの新能力「電撃ワニワニテレホンドリーム」によるものだった!
怒りのアバレンジャー、逃亡したヤツデンワニを追い詰め、遂に炸裂するスーパーダイノダイナマイト。
さらば、ヤツデンワニ
……
…………
………………という夢を、ヤツデンワニが見ました、というオチ。
とうとう、総集編を乗っ取ってしまいました(笑)
ヤツデンワニは本当に凄いなぁ。
- ◆第45話「あけましてアバレルンバ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:浦沢義雄)
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恐竜やは獅子舞を呼び、おせちでお正月。
そんな中、壬琴がどうしているかを気にする凌駕。
着物姿のマホロにあーんしてもらう妄想にふけるアスカ。
らんるに誘われ、二人は初詣へ。
幸人さんは、コタツでミカン、それがダンディズム。
そこに現れたのは、デズモゾーリャ様が復活しておめでたい記念トリノイド・ナナクサルンバ。
ルンバビームを浴びた3人をルンバを踊り出し、鏡餅に変身してしまう。
「なんで?」
答:浦沢ワールドだから
舞ちゃんは年賀状に、エミポンと謎の少女は羽子板に、介さんは凧に、ついでに横ちゃんは独楽へと次々と変えられていくなか、
生き残る幸人。その幸人の整体により何故か皆は元に戻るが、各地では人々が次々とおめでたいものに変えられてしまい、
またもや日本は微妙な大ピンチに陥っていた。
猿には猿回し
ルンバに雅楽
春の七草フラッシュ:図解解説付き
七草粥料理コーナー
ティラノ獅子舞
と、お正月スペシャル浦沢ワールドで好き放題。
派手に、やり抜きました。
ナナクサルンバを倒したアバレンジャーではあったが、ダイノアースではデズモゾーリャが復活、
そして仲代壬琴もその事実を知るのであった……。
- ◆第46話「祈って!アバレビジュアル系」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:荒川稔久)
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遂に登場するトリノイド第1号。
1年の時間をかけて、デズモゾーリャ復活の為の肉体を作成していたその者の名は……TV、雑誌などで大人気のビジュアル系占い師、
出雲蘭。女子高生から幼稚園児まで、女性を中心に大人気を誇る出雲蘭、そして、どんな願いでも叶えると大流行の、蘭様のカード。
だがそれは、願いをかける事で自動的にデズモゾーリャ復活の生け贄として契約が発動してしまう呪われたカードであった。
蘭の唱える呪文により、ゴンドラに乗って霧の湖へ運ばれていく100万の生け贄達……その魂と肉体が分離する時、
デズモゾーリャは復活する。凌駕の為に、「仲代先生が帰ってきますように」と願いをかけてしまった舞ちゃんとエミポンも
呪いによってゴンドラに乗せられてしまい、果たして凌駕達はデズモゾーリャ復活を食い止める事が出来るのか?!
じわじわと展開していた、既に社会に潜伏させていたトリノイドも、これでラスト。
番号を強調し、初期に一度そのネタを見せた上で、最後の最後に持ってきた、という構成は意欲的で買いたい。
正体を現した出雲蘭……トリノイド第1号・ドラゴンドランは、最初からアバレモードの4人を退ける、圧倒的な強さを見せるが、
そこに現れるのはアバレキラー! 既に変身の限界にあるダイノマインダーと壬琴の肉体であったが、「そいつは、俺の中の悪魔が
阻止している」と、皮肉にも壬琴の中のアナザデズモゾーリャの力により、爆発が阻まれていた。
「おまえもただの駒だ、俺の最後のゲームのな。せいぜい俺を、ときめかせろ!」
キラーは姿を見せたダイノデズモゾーリャ/リジュエルに一騎打ちを挑み、アバレンジャーはドラゴンドランを追う。
とどめをさされる寸前、リジュエルの意識がダイノデズモゾーリャを食い止め、合流したキラーの加わった5人合体攻撃・
スーペリアダイノダイナマイツ、でドラゴンドランを撃破。完成間近だったデズモゾーリャの肉体は崩壊し、人々は無事に助け出される。
ロボット戦では、マックスの呼んだスティラコにブラックが乗り込み、アバレンオー、キラーオーと、3体揃い踏み。
爆竜大進撃アタック
という謎の合体超ビームで巨大ドラゴンドランを撃破するのであった。
戦い終わり、帰ってきた壬琴を迎え入れ、握手を求める凌駕。壬琴は一歩、凌駕の方へ踏みだすが、そのまま倒れてしまう。
果たして壬琴の運命や如何に?! そして、完成間近の肉体を失ってもなお笑うデズモゾーリャの最後の手段とは……?
ううーん、最終盤、ここで今更ですが、『アバレンジャー』はどうも乗り切れなかったなぁ。一つ前に見ていたのが、キャラクター描写、
シリーズ構成でともにシリーズ屈指といえる『タイムレンジャー』であったので無意識のハードルが上がってしまっているという部分も
ありそうですが、一つにはどうにもキャラクターの書き込みが足りない。ブラック、キラーで変則的な事をやっている上に、
人間と爆竜の両方のキャラクターを描こうとした結果、どれも中途半端になってしまったと思います。
またもう一つ、後半のアバレマックスとスティラコのパワーアップ展開が、どうにも自分の中の燃え成分に火をつけてくれませんでした。
好みの問題もありますが。
しかし次回、サブタイトルは格好いいゾ。
- ◆第47話「5人のアバレンジャー」◆ (監督:諸田敏 脚本:前川淳)
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「あなたはもう、一人じゃない」
苦節30話あまり、凌駕の度重なるアタックに遂に屈した仲代先生、とうとう、恐竜やに寝かされて、恐竜カレーを食べてしまう。
なんかもう、色々と駄目だ。
「うまいじゃないか」
そういえばこの人、ヤツデンワニに家事をさせたり、リジェの作った料理を割と素直に食べていたり、
食べ物で懐柔されるタイプなのか。
「今日からここが、仲代先生の家ですからね」という凌駕の爆弾発言に目を剥く幸人らだが、舞ちゃんが折り鶴を渡したり、
なし崩し的に受け入れざるを得ない雰囲気に。
介さん、居候はこれで、凌駕&舞、幸人、らんる、アスカ、エミポン、に続いて7人目。アパート経営でもしているのか、やっぱり。
ヤツデンワニはたぶん、店の床。
一方、ダイノアースのジャンヌさんはまたもスティラコから電波を受け取り、
「5つの力が一つになる時、奇跡の光が闇を追い払う」
というメッセージを恐竜やのアスカへと送っていた。
本当になんなんだ、スティラコ。
もしかしてラスボス……というか、遙か太古に外宇宙から地球へ飛来したデズモゾーリャが<旧支配者>だとすると、
スティラコは<旧き神>という事でよろしいのでしょうか。と考えると、ダイノアースの竜人族って元来、
デズモゾーリャの影響を受けて発生したディープ・ワン的な混血種で、その為に邪命体と相性がいいのではないだろうか。
『アバレンジャー』は、コズミック・ホラーだったんだ!
繰り返し復活を阻止する邪魔なアバレンジャーを仕留めるべく、ジャンヌとともに出撃するデズモゾーリャ。
腫れ物扱いの仲代先生は、次元の扉反応を見て独り出ていく。遅れて出撃した4人の前に現れたデズモゾーリャはジャンヌを捕らえると、
自らは着ぐるみ状態・デズモリジュエルへと変身。雪山の決戦で圧倒的な力を見せるデズモリジュエルに一太刀浴びせてマホロを
救出するアバレブラックだったが、強烈な攻撃を受けて変身解除。マックス化しようとしたアバレッドらもダメージを負って変身が
解けてしまう。
やはり最初から、アスカさんをマックス化するべきだったと思うんです。
4人にとどめを刺すべく、デズモリジュエルが迫る。
だがその時、雪原にひらめく白いロングコート――!
「俺は俺として生きていく、生き続けてやる! それが最高だ。――ときめきだ」
遂にアバレンジャーに加わる、仲代壬琴。
5人揃って爆竜チェンジ!
「ときめきの白眉……アバレキラー!」
なるほど、その名乗りを考える時間が必要だったので単独行動で重役出勤だったのですね。
揃い踏みに盛り上がる恐竜やで、ひとり神妙な謎の少女。
「いよいよ、お別れの時が来たみたい。行かなくてはいけないの」
舞ちゃんらに別れを告げた白い少女は戦いの場に現れると、5人のアバレンジャーのダイノガッツビームを受けて苦しむ
デズモリジュエルの前に立ち光を放つ。
「そこは、あなたの場所じゃない」
少女の光を受けてデズモゾーリャ様はリジュエルの中から追い出され、残された肉体は、リジュエル→リジェを経て、赤ん坊の姿に戻る。
デズモゾーリャの寄生によって歪められていた子供の時間が、今ようやく正常なものに戻ったのだ。だがデズモゾーリャの精神体は
マホロに乗り移って撤退。アスカの手には、寸前にマホロから託された赤ん坊だけが残るのであった。
……父親は、アスカさんになるのでしょうか、デズモゾーリャ様になるのでしょうか(おぃ)
ジャンヌ/マホロとリジェ(リジュエル)の母子関係は、初期から用意されていたネタだろう割には、
後半ばたばたっと通り過ぎただけという感じで、残念。まあ適度に隠しつつ適度に見せるという事でそのバランスが難しかったのかも
しれませんが、「親子関係」をテーマの中心に据えている作品だけに、もう少し頑張ってほしかったです。
戦い終わり、
「ワニのやつ、引っ越しの片付けは済んでるんだろうな」
と、恐竜やへの居候を諦めて受け入れる仲代先生。
……まあよくよく考えると仲代先生も、現在無職ですしね!
通帳には金がうなっているのでしょうけど。
エヴォリアン侵略の園では、ジャンヌの姿で戻ったデズモゾーリャが「今こそおまえら二人が、原初の姿に戻る時」とヴォッファと
ミケラを融合させ、邪命体の器として乗り移る事で更なる異形、デズモヴォーラへと変貌する。
「我が怒り、我が恨み、我が憎しみ、今、最高潮に達したり」
えー……なんか、微妙に情けないぞ、デズモゾーリャ様(^^;
- ◆第48話「ファイナルアバレゲーム」◆ (監督:諸田敏 脚本:會川昇)
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デズモヴォーラへと変貌したデズモゾーリャ様。
だが、その真の肉体となる器は既に存在しないのでは……?
「ところが、最高の肉体の用意がととのっているんだな」
「しかもあの肉体なら、爆竜どもも、手も足も出まい」
同化融合しつつも喋るヴォッファとミケラ。おいしいキャラクターだったので、これは嬉しい。
デズモヴォーラはマホロを生命の樹に捕らえると、完全復活をもくろんでアナザアースへと向かう。
この期に及んで、マホロさんを殺さずに捕まえておくデズモゾーリャ様は、どう考えてもマホロさんが好きすぎます。
デズモヴォーラの降臨と共に、赤い雪の降りしきるアナザアース。雪を浴びた人々は凶暴化し、街は暴徒化した人々で溢れかえる。
街の人「俺は俺の好きな事をやってるだけ、文句あっか!」
壬琴「こいつは俺だなぁ」
凌駕「そんな事はありません、あなたは俺達と同じ」
壬琴「俺は、お前とは違う」
そんな人々から立ちのぼる黒いオーラが集中する場所で、デズモヴォーラと対峙するアバレンジャー。
無敵マックスフィールドが神の前に敗れ、かつてないピンチに陥るが、アバレッドが触腕に貫かれる寸前、身を挺してそれをかばうキラー。
腹に巨大な風穴の開くキラーだが、アナザデズモゾーリャによって無限の生命力を与えられているその肉体は、瞬時に傷を塞いでいく!
「いわば今の俺は不死身、違うか?!」
キラーの猛攻を受け、合体攻撃で倒れるデズモヴォーラ。だが、人々の悪の心によって東京湾に眠っていた器が復活すると、
キラーを連れてそれに乗り込む。海の底から目覚めたのは……バクレンオー!
……って何?
介さんの解説によると、「この夏、日本を零下に陥れた、凶悪合体爆竜」との事で、どうやら、夏の映画ネタな模様。
神とはそういう面を持つものとはいえ、ひたすら借り物の器でしか戦えないデズモゾーリャ様であります。
バクレンオーのコックピットの中で、壬琴の中のアナザデズモゾーリャとの融合をはかるデズモヴォーラ。どうでもいいが、何となく
「カルボナーラ」と語感が似ている気がして仕方がない(おぃ) 抵抗する壬琴に対し、
「この力を失ってただの人間になりたくないのだろう」と問うデズモヴォーラだったが、壬琴の答は違った。
「俺は、おまえのおかげで、子供の頃から、おかしな力を持ち、友達の一人も、いやしなかった。
許されないことも、たくさん、してしまった……。
だがそれを、おまえのせいにしようとは思わない!
これも俺だ! 俺の一部だ!
教えてやろう、デズモゾーリャ!!」
さらっと寂しんぼだった事を告白しつつ、壬琴の叫びは、バクレンオーと対峙するアバレンオーとマックスリュウオーの元にまで響く。
「人の中には、大な小なり、化け物がいるのかもな。だが人はそれと戦い続け、いつかは勝利する事ができる。少なくとも、
あいつらは、そう信じている。だから俺も信じる、あいつらのことを! 俺の中のデズモゾーリャと、戦い続ける!」
その叫びに答え、アバレンジャーはそれぞれのダイノガッツを、バクレンオーの中の壬琴へと送る!
「感じるぜ、あいつらのダイノガッツが!
そして、俺のダイノガッツがぁぁぁ!
ときめくぜ――」
迸る強烈なダイノガッツにより、壬琴の中のアナザデズモゾーリャは消滅。「爆竜チェンジ」すると壬琴は外へと脱出し、
アバレンオーとマックスリュウオーのダブル攻撃がバクレンオーを撃破。完全復活に失敗したデズモヴォーラは自ら巨大化すると
アバレンオーとマックスリュウオーを撃破するが、その前へ立ちはだかるのは、満身創痍のアバレキラー操るキラーオー!
怒濤の必殺技ラッシュでキラーオーは巨大デズモヴォーラを秒殺。
ここは最後のド派手な立ち回りというのもありますが、絶頂期を思わせるアバレっぷりで、熱かった。
デズモヴォーラは完全に消滅し、壬琴の元に駆け寄る凌駕達だったが、壬琴は全身から血を噴き出して倒れる。
自身の中のアナザデズモゾーリャを消滅させた事により、既に限界を超えていた壬琴の肉体、
そしてダイノマインダーの爆発を抑える力もまた、失われていたのである。
おそらくヒーロー物としてはかなり過激な流血ショットですが、白を基調とした仲代先生に鮮血が映えて良い演出になりました。
壬琴はなんとか彼を助けたいと願う凌駕をふりほどき、降り立ったトップゲイラーに乗ると、
自爆の被害(東京が消滅するレベル)を防ぐべく、成層圏へと上昇していく。
「皮肉なもんだ。生きたいと思った。この俺が。だが不思議と、悪い気分じゃない」
目を閉じる壬琴。
「人間」と運命をともにする事を選んだトップゲイラーは大気圏を突破して宇宙へと辿り着く……
「おまえはオレ達を充分にときめかせたゲラ。おまえはもう、ときめきを探す必要はない。さらばだ、“壬琴”……」
命尽きた壬琴の腕で、ダイノマインダーが爆発。巨大な閃光の中、ここに最凶最悪のアバレ戦士と爆竜、宇宙に消える。
こうして全ての決着はついた……かに思えた。だがデズモゾーリャはダイノアースへ舞い戻ると、侵略の園の生命の樹と合体。
まだまだしぶとく、アナザアース侵略を諦めない。これぞ不屈のデズモガッツ!
それにしても、
〔デズモリジュエル状態で倒される→女の子に追い出される→合体攻撃で吹っ飛ばされる→ジャンヌに乗り移って転進→
デズモヴォーラになる→キラー猛攻&合体攻撃で倒される→バクレンオーに乗り込む→アナザデズモゾーリャ消滅→
バクレンオー倒される→巨大デズモヴォーラ倒される〕
これだけ戦隊に倒されるラスボスも、珍しい(笑)
いよいよあと3話というところで、遂に、
ときめき刑事、殉職。
アバレキラー退場編という事で気合いの入った1本。
仲代先生の場合、さすがに途中で色々やりすぎてしまっているので、正義の仲間入りしたから丸く収めて水に流すというわけにもいかず、
人のために尽くす旅に出るルート、か、相討ちルートか、といった感じではありましたが、ド派手に散りました。
物語の因果応報としては納得です。後半非常に存在意義の薄くなったキラーオーも最後に大アバレで良かった。
出来ればやはり、トップゲイラーとの関係性については、もう少し深めておければ良かったのですが。
途中、まさかのヒモ化など色々ありましたが、番組を象徴するキャラクターでありました。抑えた声での「爆竜チェンジ」
と各種アレンジを含めテーマ曲は格好良かったです。顔が、もう少し好みだったら、最高だったんですが(笑)
次回――なんかどんどん格好悪くなっていきますよデズモゾーリャ様?!
- ◆第49話「突入!アバレ最終決戦」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久)
-
仲代壬琴とトップゲイラーは宇宙に消えた……だが、デズモゾーリャは滅びた。
戦いの終わりを噛みしめる面々。
しかし、嫁の帰ってこない男が一人。
「もう、次元の扉は開かない」。
マホロの覚悟を汲み、「あと3億9812万5千円、稼がなければ!」と幸人に負わされた借金のネタを持ち出して気丈に振る舞う
アスカであったが、その時……アナザアースの空に<侵略の園>が出現。そこから発進したアノマロカリスの大部隊が地球の空を覆い
尽くす。それこそは、かつてダイノアースが侵攻を受けた時と同じ、闇の200日の訪れ。全天を覆い尽くすアノマロカリスによる
砂漠化光線の前触れであった。
そしてその中心に位置するのは、暴走するデズモゾーリャの残留思念と合体した侵略の園・究極体、デズモゲヴァルス!
とうとう、侵略してくる太○の塔みたいになってしまったデズモゾーリャ様、執念のデズモガッツで最後のアナザアース大侵攻。
内部に閉じこめられたままのマホロを救うべく、デズモゲヴァルスへの特攻を決意するアスカは、いざとなれば中の二人もろともに
破壊してほしいと告げ、アスカに殴られる。
「地球も救う、おまえたちも助かるんだ。だから言うな、そんな水くさい事を」
凌駕ではなく、あえて幸人が友情パワー丸出しの台詞を口にするわけですが、幸人さんは、遂に転んだ、のではなくて、基本的に
ずっと転びっぱなし、な為にそれほどのインパクトはありません(^^; どうせなら、冒頭で触れた借金ネタに絡めた方が良かった
ような。
総出撃するが、デズモゲヴァルスに蹴散らされる爆竜達。アバレンオーが食い止めている間にアスカはデズモゲヴァルスの中に潜入し、
戦闘中にらんるもそれに続く。デズモゲヴァルスの圧倒的なパワーにアバレンオーも苦戦し、赤:アバレンオー、青:マックスオージャ、
という組み合わせで挑むも、その勢いを留める事は出来ない。
一方、バーミア兵を蹴散らしてマホロ救出に成功したアバレブラックだが、その前にデズモゾーリャの怨念が姿を変えた暗黒の鎧が
立ちふさがり、二人まとめて串刺しに。死を覚悟する二人であったが、駆け付けたらんるの「赤ちゃんが待っている」「笑ったら口元が
アスカそっくりだから、アスカの子に間違いない」という言葉に、迸るアスカとマホロのダイノガッツ!
……あー、一応そこ、本人達も気にしていたのですね(笑)
アスカとマホロは自分たちを貫く槍を消滅させ、今、内と外で最後の戦いが始まろうとしていた。
- ◆最終話「アバレた数だけ」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久)
-
マホロ救出班の前に立ちはだかるデズモ鎧、圧倒的な破壊力を見せるデズモゲヴァルス、そして迫る全地球砂漠化のタイムリミット
……
そんな中、シェルターの中で凌駕達の勝利を信じて立ち上がる舞ちゃん。
「どうしたんだい舞ちゃん?」
「お遊戯の練習する」
卒園式のお遊戯の練習を始める舞ちゃん。
舞ちゃんの為にも死ぬわけにはいかない、と吠える凌駕。
マックスオージャが動きを封じている間にアバレンオーのドリルがデズモゲヴァルスの装甲を貫き、脱出に成功するアスカ達。そのまま、
黒&黄vsデズモ鎧、赤&青vsデズモゲヴァルスの変則ダブルマッチへと雪崩れ込み、
「今こそみんなのダイノガッツをあわせるブラ」
と、最後も壮絶に勢い任せ。
黒&黄の謎のダイノガッツ波動拳で鎧を撃破。
巨大メカと爆竜揃い踏みによる、スーパーダイノガッツ砲でデズモゲヴァルスを撃破。
最終戦が、巨大メカとスーツの2局展開で、戦隊メンバーも2:2に別れるという変則構成なのですが、最初から変則構成を貫いている
作品とはいえ、最終決戦はもう少しスタンダードでも良かった気はします。全面的に勢い任せというのもありますが、
分割してしまった事で、もう一つ、盛り上がりが伸びなかったような。
倒れたかに思えたデズモゲヴァルスであったが執念のデズモガッツで立ち上がると、アバレンオーとマックスオージャを引き込み、
大爆発。それに巻き込まれ、凌駕と幸人は閃光の中に姿を消す……。
――そして半年後。
アバレンジャー達が居なくなってすっかり静かになった恐竜やであったが、なぜかヤツデンワニが居着いていた。
と、ここからエンディング。
樹らんるは、レーサーに。
「先生」の秘書になった今中笑里は、インドから一時帰国。
そして伯亜舞は、凌駕とともに世界中を巡る旅をしていた。
あの時、デズモゲヴァルスの自爆に巻き込まれそうになった凌駕と幸人は、電撃ドリルスピンによって地中に潜る事で、
爆発を回避していたのだ。
「先生」三条幸人は、もう一つの地球へと旅立っていった仲間達の事を想う。
アスカ、マホロ、そして爆竜達はデズモゲヴァルス出現の際に開いた次元の扉でダイノアースへと帰っていった……
アスカとマホロの愛の結晶、
「ミコト」
と名付けられた子供とともに。
今日は、半年ぶりのアバレンジャー同窓会。
ダイノアースへ戻っていた仲間達を除く全員が恐竜やへ集うが、そこに思わぬ珍客が……壬琴、リジュエル、アスカ、マホロ、謎の少女、
のそっくりさんが次々と来店。これも何かの縁、と皆で鍋を囲む事になる……で大団円。
横ちゃん含め、主要キャラ総出演。
他にゲストキャラから、アバレモン(笑)と大リーガーが登場。……なぜか二人とも、幸人さん絡み。
そして、時間経過を表現したかったのはわかりますが、パーマをあてたらんるの髪が大変な事に。
後に『ゴーカイジャー』のアバレ回で、“夫婦になった幸人とエミポン”を登場させて、スタッフ・キャスト一同から「え?????」
という反応を受け、荒川稔久は「いや、あのエンディングはそのつもりで書いた」と宣ったそうですが、
書いた本人しかわからないと思います(笑)
どうにも結局最後まで、盛り上がりの段階を積みきれない作品でした(^^; 勢いは勢いで構わないのですが、
勢いの土台作りが足りなかった為に、終盤すべからく唐突な感じだったのが残念だったところ。抜群に格好いい主題歌を
流すと大抵誤魔化せてしまうのですが、物語としては、食い足りない感じで終わってしまいました。
最終盤、アバレキラーの最期と、子役(舞ちゃん)の力でしか、真っ当には盛り上げられなかった、というのが、
作品の完成度の不足であったと思います。前半から意欲的に散りばめていた伏線が、中盤以降にむしろ散漫さの原因となってしまいました。
もう少し詳しくは、最後に総括で。
→〔総括へ〕
(2013年3月3日)
(2019年10月26日 改訂)
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