■『爆竜戦隊アバレンジャー』感想まとめ4■


“アバレた数だけ 自分を知る
アバレた数だけ 痛みを知るよ”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『爆竜戦隊アバレンジャー』 感想の、まとめ4(25〜32話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔総括〕


◆第25話「開運!アバレ絵馬」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:荒川稔久)
 長石階段に、謎の神社。
 その神社に願い事を書いた絵馬を奉納すると、トリノイド・ハエマツが、強引に願い事を叶えてしまう。しかも願い事成就の為 の行動中は、ハエマツへの攻撃は全て、願掛けの主が身代わりになってしまうのだ。
 「1億円が欲しい」という願いに銀行強盗、「交通事故を無くしてほしい」という願いに目に付く自動車を片っ端から破壊など、人々の 軽い気持ちの願い事から街はハエマツの破壊活動で大パニックに。ハエマツの特殊能力に攻撃を封じられるアバレンジャーだが、一つの 願い事を叶えて次の願い事に切り替わる瞬間に絵馬を打ち落とす事で願い事のストックを無くし、撃退に成功。
 更に、
 「TV局や新聞社にお願いして、怪しい絵馬に願いをかけないよう、手配しました」
 さらっと介さん。
 えー……誰もツッコみませんが、やっぱり闇のフィクサーなのでしょうか。
 だが、ハエマツの能力を見ていた壬琴が一人の少年をそそのかし、ハエマツに願掛けさせてしまう。
 「我慢なんかすんな、てねぇ」
 少年は小学校が運動会の徒競走で順位をつけるのを止めてしまう事にショックを受け、「運動会なんかなくなっちゃえ」と願ってしまう。 巨大化したハエマツを攻撃できずに苦況に陥るアバレンオーだったが、幻覚の学校を破壊させる事で願いを成就させ、ハエマツを撃破 するのであった。
 黄色と赤が密かに開発していた謎の装置が超強力で、やりすぎ……。
 あとハエマツは、願い事をかなえて身代わりになる絵馬が無くなったら攻撃を受けるのがわかっていて、どうして願い事を叶えてしまう のか(笑) げに、契約というのは恐ろしい……。
 「ぶっ壊すのは、学校そのものじゃない。納得のいかない決まり事だ。駄目でもいいから、それをちゃんとしたルールの中でやるんだ」
 凌駕は、同じ「我慢しない」でも、壬琴とは別のやり方で少年を導き、二人で校長先生に直談判。
 と、この頃ちょっと話題になっていた教育問題に切り込んでみたり。
 デスモゾーレ様が「もう間もなく、新しい扉が開く」と意味深な発言。
 前回、エボリアン幹部達と遭遇したアバレンジャー達は、アスカから、もう一人“次元の扉を開く使徒”が存在する筈だ、という情報。
 と、伏線も微妙に散りばめつつ……次回、釣りバカ来襲。

◆第26話「釣りバカアバレ日誌、どもども」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:前川淳)

 驚異のコラボ回

 舞ちゃん、まさかのアニメ『釣りバカ日誌』ファン。
 そういえば、ありましたねアニメ……。
 恐竜やのTVを見て、
 幸人「なんだ?」
 幸人さん、『釣りバカ日誌』知らない……? マンガとか読まない人なのか?
 一方、新たなトリノイド・ツリバカツオリーブが地上に出現。
 ビルの上に陣取って、地上の人間を釣り上げると、釣られた人間は次々とオリーブの実に変身して魚篭の中に 収められてしまう。
 ギャグみたいにやっていますが、一歩間違えると『仮面ライダークウガ』のゲゲルとかにもありそうな、けっこう恐ろしい作戦(^^;
 そして、アニメの中の鯉太郎まで釣り上げられる(おぃ)
 理屈とか説明とかとりあえず置いて突っ走る、力業コラボ。
 ビルの屋上の戦闘では、釣られたイエローをブルーが助けようとして、幸人さん、らんるの胸にダイブ(スーツアクターだけど)。 それでひっぱたかれるとか、割とこういうネタは珍しい。あわやオリーブの危機に陥るアバレンジャーだったが、自慢の竿が折れた事で、 ツリバカツオリーブは撤退。
 ……その頃、壬琴は海でたそがれていた。
 面白そうな事件が起こってるみたいだが行かないのか? とトップゲイラーに尋ねられるが、
 「今日はそんな気分じゃない」
 と、潮風を浴びてニヒルに佇む。
 まあ今日、向こうと絡むと、ギャグになるからね……
 動物的第六感でお笑い空間を回避する仲代先生であった。
 そこに姿を見せるジャンヌ。
 今ここに、伝説の鎧と0号スーツが激突する!!
 ……と、コラボ展開オンリーだとあんまりだと思ったのか、予想外のサービス。
 一方、恐竜やへ戻って対策を検討していたアバレンジャー達に、TVの中から助けを求めてくる浜ちゃん。
 さらわれた鯉太郎や他の人々を救う為、ツリバカツオリーブを探すアバレンジャー。サイドカーに乗せたTVの浜ちゃんと一緒に トリノイドを探す凌駕の図、は面白すぎる。
 そんな彼等の前に姿を現す、竿を新調したツリバカツオリーブ。カツオの怪人なのに、秘打・カツオのタタキなど、なかなか捨て身の 攻撃に苦戦するアバレンジャーは、オリーブ化した人間を人質にされて手も足も出ず、大ピンチに。
 その時……!
 「おまえなんか、釣りバカの風上にもおけないっス!」

 浜ちゃん、実 体 化

 TVから抜け出し、3次元世界へ降臨した浜ちゃんは 西田敏行に変身し アニメ絵のまま必殺のロッド捌きで トリノイドがオリーブを収めた腰の魚篭を釣りあげ、回収。人質を失って逃亡するツリバカツオリーブの背中に突き刺さる、スーパー ダイノダイナマイト。巨大化したツリバカツオリーブは一本釣りからのパラサのハサミ攻撃でカツオの刺身盛りとされ、爆死。かくて オリーブにされた人々は無事に戻り、浜ちゃんと鯉太郎も親子の再会を果たし『釣りバカ』の世界へ帰っていくのであった。
 やりたい放題の都心部を離れ、海辺で戦う伝説の鎧とキラーは拮抗した激戦が続いていたが、結局はキラーが勝り、敗れたジャンヌは 逃亡。だが壬琴も、スーツの力の反動に苦しみ、膝をつく……。
 そういえば、ジャンヌさんは伝説の鎧を使いこなす為に人々の哀しみの心を集めていた筈でしたが、どうなったのでしょうか、 あれ……? キラー相手にけっこう善戦していましたが、もう充分に溜まったのか。
 巨大ロボット戦では、「合体」を使った際どいネタとかあるかと思ったけど、さすがになかった(おぃ)
 (※蛇足ながら、アニメ版はゴールデンタイムに放映していた事もあり、どちらかといえばファミリーアニメを志向。「合体」ネタも 無かったそうです。それはそうだ。あっても困る)
 いろいろ納得のいかない表情だった幸人さんが最後に一応、次元の境界線を突破した浜ちゃんについて「どうして?」と聞いてしまう のですが、これについては凌駕と舞ちゃんが一言。
 「浜ちゃんさんのダイノガッツが奇跡をおこしたんですよ!」
 ……えーまあ、そういう事で。
 一歩間違えると、ダイノガッツで“向こう側”へ行きたがる人が出てきそうです。
 そして、「きゅっと一杯」という単語を覚えるアスカであった。
 一時期アピールも兼ねてやっていたコラボネタ、こういうのは時機を外して見ると非常に何とも言えない気持ちになったりするのもの ですが、ハチャメチャではあるもののシナリオがテンポ良くまとまっており、お祭りネタとしては楽しめる出来でした。
 後はアバンタイトルで、シーズンのジャイアンツの調子についてコメントすれば完璧だったのに(おぃ)

◆第27話「アバレッドはアバレブルー」◆ (監督:坂本太郎 脚本:鈴木竹志)
 ツタ+タコ+コタツのトリノイド・ツタコタツの電撃攻撃タコタコチェンジを食らい、心が入れ替わってしまう凌駕と幸人。 ダイノガッツとダイノブレスが同調しない為に二人は変身不能になってしまう……という入れ替わりネタ。
 凌駕がしかめっ面で腕組みして幸人さんの台詞回しだと、異常にちんぴら度が高い事が判明。
 凌駕が普段ニコニコして丁寧な喋り方の理由の一端が垣間見えた気がします(笑)
 アバレキラーの乱入でツタコタツは撤退し、二人はとりあえず、舞ちゃんに余計な混乱をさせない為に、凌駕が幸人の、 幸人が凌駕のふりをする事に。そんなわけで、凌駕の代わりに保育園へ舞ちゃんのお迎えへ行った凌駕in幸人(以下、U凌駕)は、 園児達が作ったトリケラトプスの模型にクレームをつけた上にティラノとプテラノドンの模型を倒し、園児達を泣かす(笑)
 その場は必殺の“べんべろべらべら”で切り抜けたU凌駕だが、帰り道で遊びに行きたいとせがむ舞ちゃんに「一人で出来る事は 一人でやれ」と自立を促し、一人で公園へ遊びにいってしまう舞ちゃん。だがその公園は、アナザアースを混乱させる為に無差別 タコタコチェンジを行うツタコタツによって襲撃されていた! ニュースでこの事を知ったアバレンジャーは、舞ちゃんの姿を見て 慌てて公園へと走る。
 ニュースのレポーター「現場のホナミさん」役は、『未来戦隊タイムレンジャー』で森山ホナミを演じた有輝りんさん、という特別 ゲストあり。
 ツタコタツに捕まる舞ちゃんとホナミさん。自分の不手際から舞ちゃんが危機に陥った事に焦り、憤るU凌駕。その感情的な様子に 人格が元に戻ったと勘違いしたツタコタツの反応を見て、U凌駕は咄嗟に本物の凌駕のふりをして、幸人のふりをした凌駕とともに、 人格が元に戻ったと思いこませる。すっかり騙されたツタコタツのタコタコチェンジを再び受け、本当に元に戻った二人は変身し、 ツタコタツを撃破。
 巨大ツタコタツ戦ではキラーオーが乱入してツタコタツを瞬殺。アバレンオーと戦おうとするが再びスーツが火花をあげ、撤退。 このネタも繰り返し使うと都合良くなりすぎますが、さて……。
 オチでは舞ちゃんに“べんべろべらべら”を求められた凌駕が幸人の説明を受け、“べんべろべらべら”(要するに、「変な顔」)を するも、「凌ちゃんより幸人さんの方が上手だね」と、舞ちゃんは実は二人の入れ替わりに気付いており、子供はさとかった、というお話。
 ……まあ、幸人さんの凌駕のふりが無理すぎた、という説もありますが。

◆第28話「花嫁はアバレチャン」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久)

 「合 体」
 まさか、『釣りバカ』コラボがこんな周到な伏線だったとは…………!!!

 結婚式の会場を通り過ぎて、嫁の事を思い出すアスカ。
 最近放置気味だったので、久々のアスカ×マホロネタ。
 だがそこへショホウセンカメレオンが現れ、花嫁をさらっていく。都内各地で次々と結婚式場から花嫁をさらっていく今回のトリノイド は、モチーフの動物(カメレオン)を横向きに使う、というデザインが面白い。
 神出鬼没のショホウセンカメレオンを捕まえる為、囮作戦を考案するアバレンジャー。
 「で、誰が花嫁さん」
 何故か一斉に、幸人を見るメンバー。
 結局、らんるが新婦で落ち着き、新郎にアスカ、牧師に凌駕、オルガンを弾くシスターに幸人、の布陣を組み、各地の結婚式を全て 中止してもらい、その日唯一の結婚式を偽装し、トリノイドを待ちかまえる。
 「結婚式を全て中止してもらって……」って、介さんか、また介さんが暗躍したのか?!
 そして、シスターに、幸人さん。
 すっごくナチュラルに幸人さん。
 もう誰も、ツッコミもしない!
 だが次元の扉は式場とは全く違う所に開き、駆けつけたアバレンジャーの目の前に現れたのはリジェだった。
 頭の中で「究極の肉体を生み出せ」とデスモゾーレ様の声がうるさくて仕方がないリジェは、「通訳に飽きた」と、
 「ときめきを探しに」
 単身アナザアースに現れたのだった。
 先日アスカが触れた、“次元の扉を開く使徒”=リジェ、という事で良い模様。私、新幹部登場の伏線だと思って勘違いしておりました。
 そこに例の謎の少女も現れ、リジェに「私は貴方、貴方は私」と謎の言葉を告げる。ダイノガッツが強いアバレンジャーでは囮に使っても 引っかかりはしない、と言い残し、ときめきを探しに姿を消したリジェは、キラーの別荘へ。
 中では、前回スーツの反動で撤退した仲代先生が自身に謎の治療中。
 「今度目が醒めたら、もう痛みは感じない……」
 ……何したんですか(笑)
 一方アバレンジャーは、花嫁:エミポン、花嫁の父:介さんの配役による、「生誕100周年記念・小津テイスト」による新たな 囮作戦でショホウセンカメレオンを引っかけると、アジトに突入。新たな肉体を生み出すダイノガッツに溢れている花嫁を利用し、 デスモゾーレの肉体――邪命体――(※漢字は適当にあてました。「邪冥体」かもしれない)を作り出そうとするトリノイドの作戦を 寸前で阻止する。
 花嫁を狙うショホウセンカメレオンの作戦に、かつて誓いの儀式を交わしながら、翌日の突入作戦で生き別れてしまったジャンヌとの 過去を思い起こし、幸せを踏みにじる敵への激怒からフィーバーモードに突入したアバレブラックは、トリノイドを単身、 素手ごろで撃破。
 相変わらず、テンションMAX時のアスカさんは、圧倒的にアバレンジャー最強です。
 ロボット戦で出番無かったり、全体的に割とへたれなので、バランスとしては好き。
 かくてトリノイドの作戦は断たれたが、生まれて間もない筈なのに大きく成長している“黎明の使徒”リジェ、そのリジェと瓜二つ の謎の少女、竜人族の特徴を持つリジェ、エボリアン側の台詞による「リジェはジャンヌの子供」発言、未だ姿を現さないデスモゾーレ様 の譫言の意味、など、アバレンジャー側の認知なども含め、一気に謎もてんこ盛り。
 ストレートに考えれば、アスカ×マホロの子供が、ジャンヌ(肉体はマホロ)から生まれたのがリジェ(黎明の使徒)で、彼女は 不完全な邪命体(既に宿っていた生命と融合した為?)なのでデスモゾーレ様の通訳は可能であるが“究極の肉体”として器にはなれない ……といった所でしょうか。何やら意味深な発言と怪しげな動きを画策しだしだジャンヌさんともども、どう転がしていくか楽しみです。
 そして謎の中心たる問題のリジェは、ヤツデンワニを追い出し、仲代先生の家政婦に収まっていた。
 後半戦に突入し、まさかの新展開(笑)
 次回、「ときめくわ」

◆第29話「わがまま使徒、アバレ争奪戦」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:浦沢義雄)
 ヤツデンワニの頭上の受話器はどうやら、別撮りでないと手が届かない。
 面白さの大部分がヤツデンワニ(CV:津久井教生)による物という、津久井教生無双回。
 もうこれは、キャスティングの勝利と言う他ない。
 凄い。
 ラッコピーマンというトリノイドの名前も凄い。
 しかも、そんな名前で見た目も台詞回しもギャグっぽいのに、けっこう強かった。
 アナザアースへ遊びに行ったまま帰ってこないリジェを連れ戻す為に派遣されたラッコピーマン。アナザアースで一暴れし、得意の コピー能力でアバレンジャーの武器をコピーして苦戦させる。一方、相変わらず大ハッスルした後は寝てしまう体質のアスカさん は、謎の戦士の夢を見ていた……。
 その頃、仲代先生はリジェといちゃいちゃしていた。
 ラッコピーマンを追っていたアバレンジャー達もその光景を目撃。
 「あの娘……楽しそう」
 ラッコピーマンにスーパーダイノボンバーをコピーされて危機に陥るアバレンジャー。目覚めたアスカが駆けつけるが、やはり武器を コピーされてしまう。そこへ現れたのはデート中の仲代先生とリジェ。
 「私、帰らないわ」
 「リジェは渡さない」
 ところがアバレキラーの武器さえコピーして、互角の戦いを演じるラッコピーマン。
 だが……!
 アバレモードに覚醒したキラーは、圧倒的なパワーでラッコピーマンを撃破。ラッコピーマンは突き出した木の枝に貫かれるという、 かなりえぐい死に様。見た目、ギャグ寄りのなに。
 リジェ「みこさま素敵〜」
 み、みこ様?!
 ロボ戦ではラッコピーマンを見事に撃破するアバレンジャーであったが、「俺達の力だけじゃ、あのトリノイドには勝てなかった……」 と自分たちの力不足を痛感、今後の戦いに向けて、もっと強くならなければ、と思いを新たにするのであった。と、アスカさんの夢を含め、 アバレンジャー強化への、伏線。
 アバレキラーのアバレモードは、白いスーツに黒い強化外装という、かなり格好いいデザイン。これは今後も活躍を見たい。
 そしてリジェは、
 「私につきあってくれたお礼に、ダイノアースに連れていってあげる」
 とアバレキラーの手の甲に口づけして次元の扉を開き…………
 次回、「最凶!アバレヴォリアン結成」。
 ……あれ、エボリアン……てもしかして、表記、
 「エヴォリアン」?
 凄く、今更だ……。

◆第30話「最凶!アバレヴォリアン結成」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
 ミケラ、再生トリノイドチームを作成。
 「シャークルレッド!」
 「アヤメブルー!」
 「テンサイイエロー!」
 「「「荒ぶるエヴォリガッツ! 邪命戦隊エヴォレンジャー!!」」」
 OP始まる(笑)
 ……ところへキラーさん、道場破り。
 「ゲーム開始だ。勝った方がこのエボリアンを、支配する」
 「じゃめいたい」の「じゃめい」は「邪命」で良かった模様。
 セルフパロディの意識があったかは不明ですが、そこはかとなく邪電戦隊ネジレンジャーという 忌まわしい記憶を呼び起こさせます……勝てないな、これは!
 その頃、夢の場所を探していたアスカは、滝の中から謎の石を発見。アバレンジャーはシミュレーション装置で戦闘訓練、と それぞれより強くなる為の努力を行っていた。
 謎の球体で伝説の鎧を立体投影するとか、らんるさんの科学力は、とどまるところを知らない。もはや ツッコミ不能のレベルで、制作サイドにも開き直りの気配が感じられます。
 拾ってきた岩を夢で見た盾?の形に切り出そうと剣を振るアスカの前に姿を見せる謎の少女。
 「感じるの。あなたは泣いている。ジャンヌも泣いている。私に出来ることは、真実を思い出すための力を貸すだけ」
 そしてアスカは己の忘れていた過去を思い出す……。
 少女に呼び覚まされた記憶、そしてブラキオの知る情報と合わせると、突入作戦の失敗後、マホロとその兄ミズホを救う為に 禁じられていた“伝説の鎧”の封印を解いてしまったアスカは、鎧の持つ呪い――最強を求める為に人の涙を集め続ける究極の破壊者 となる――に囚われ、仲間達をひゃっはー虐殺(以前に、伏線あり)。その後、鎧に取り込まれていた時の記憶を全て失った状態で 他の竜人族のグループに拾われていた(どうやらその後、ブラキオとパートナーとなったらしい)。
 だが本来、伝説の鎧は装着者を倒す事でしか解放する事が出来ず、更に倒したものに取り憑いて最強を求め続けるという呪いの装備 ……ならば何故、アスカは鎧から解放されても無事だったのか?
 回想シーンに出てきたマホロの兄ミズホは、最初に伝説の鎧を着てひゃっはー後、ジャンヌにざっくり斬殺された人……?  ちょい役だったのでもう、顔だけではわかりません……。そうだとすると、ミズホが何らかの手段でアスカを鎧から解放した後に 取り込まれた事になりますが、それにしても、番組最初期から登場し、物語上の重要な伏線としても機能しつつあるアイテムの名前が “伝説の鎧”で本当にいいのか(笑)
 ダイノアースでは、アバレキラーがエヴォレンジャーを撃破。リジェの後押しもあり、首尾良くエヴォリアンのボスの座に収まって しまう。
 「今日から俺が、おまえたちのボスだ」
 「強くて賢くて悪いんだから、みこさま」
 確かに、欠けてる要素ですね、エヴォリアンに……。
 アバレキラーは分身体キラーゴーストを作り出すと、アナザアースへと送り込む。突然、バキケロとディメノコの存在がレーダーに 反応し、罠と承知で変身するとアバレンオーに合体した3人は、無人島へと向かう。
 アスカさんは、彫刻中。
 爆竜をバックに変身し、合体して乗り込む……と演出的には盛り上げてきているのですが、個人的にはいまひとつ、爆竜を助けに 行くというシチュエーションが盛り上がらない(笑)
 ここに来てまさかの、ヒロインはバキケロとディメノコですか。
 島に乗り込んだアバレンオーの前に姿を現すバキケロとディメノコ。そして、キラーゴースト。ゴーストの攻撃を受けたアバレンオー は合体が強制解除されてしまい、ティラノ達5体の爆竜は、ゴーストに呑み込まれてしまう。
 「おまえたちが勝つか、体内の仲間が溶けてなくなるか、そういうゲームだ」
 ぶつかりあう、アバレンジャーvsキラーゴースト!
 毎度思う今作の残念な所ですが、仲代先生は、どうにもゲームマスターとしてのセンスが微妙(^^;  今回も結局は、タイムリミット付き殴り合いですし。
 「ゲームだ」「ゲームだ」言うのだから、もう少し面白いゲームを用意してほしいなぁと、正直。仲代先生の言うところの「ゲーム」 部分の面白みが今ひとつなので、壬琴は趣向を凝らしたトリックスターというよりも、なんでもかんでも「ゲーム」と言ってしまう幼児性、 が強く見えてしまいます。もしかしたら計算尽くでそう描写している、という可能性もありますが。
 次回、アスカの彫刻家魂が火を噴く……ぜ?

◆第31話「そのアバレ、究極につき」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久)
 アバレンジャー、キラーゴーストに完敗。だが胃の中の爆竜達は何とか根性で溶かされずに生きていた。アバレキラーはジャンヌから 暗黒の石を奪うと、爆竜達を洗脳して世界を破壊させたくなければ出てこい、とアバレンジャーにゲームの第2ステージを予告。出撃した アバレンジャーだが、次々と武器を破壊され、追い詰められる。
 しかしここに来てアバレンジャーを追い詰めるのが、トリノイドでもギガノイドでもなく、キラーがぽっと生んだ敵というのは ちょっとなぁ。キラーゴースト自体があまりに何の仕掛けも無いですし。
 アバレンジャー風前の灯火のその時、えらい怨念を込めて彫刻していたアスカが、遂に夢の武器を完成させて駆けつける。 ブルーとイエローのダイノガッツを盾に集める事で、アバレッド、パワーアップ!
 キラーゴーストの攻撃を弾き返した金色のアバレッドは、キラーゴーストと共に別の空間へ入り込む。
 介さん「消えた?」
 エミポン「戦うフィールドに相手を引きずりこんだのね」
 ……ま、魔空空間?!
 と思ったら、演出も本当にそんな感じでした(笑)
 ……うーん、『ギャバン』ネタの仕込み2回目なのですが……いやまさか……いくら何でもこんな頃から、「戦隊と宇宙刑事を戦わせて みたい」なんていう企画が水面下で進んでいた……なんて事は……あるのだろうか。
 魔空空間でキラーゴーストを滅多打ちにした金色レッドは、現実空間に戻るとそのままの圧倒的な強さでキラーゴーストを撃破。 モニターしていたエミポンがその姿に名付けた名前は……
 アバレマックス!
 ゴーストに食われていた爆竜達も解放され、勝利を得るアバレンジャー。だがその頭上に、エヴォリアンの空中戦艦アノマロカリス2世 が姿を見せる!
 ジャンヌ「今日で終わりよ、アスカ。裏切りの報いを受けるがいい」
 ん?
 ジャンヌさんの口から、「アスカの裏切り」という、思わぬ言葉が。
 新たな謎を孕みつつ、戦いは続く!

◆第32話「アバレ爆竜フルスロットル」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久)
 ヴォッファの作り出した、ギガノイドよりも知能は低いがパワー100倍の暴走連結生命体バルギゲニア と共に、アノマロカリス2世でアバレンジャーに攻撃を仕掛けるジャンヌだったが、またも白い少女の幻覚見ると、急に苦しみだして 一時撤退する。
 ジャンヌの脳裏に甦るもの――それは、自分と兄ミズホが、陽動の為にエヴォリアンの要塞に攻撃を仕掛けた時の記憶であった。 孤立無援の戦いの中、デズモゾーリャに囚われたマホロは、その器となる赤子を産む事を迫られる。
 デズモゾーリャ様、実質的初登場シーンで、マホロさんをナンパ
 「アスカが必ず助けに来てくれる」と抗うマホロにデズモゾーリャが見せた映像……それは、上半身裸(包帯ぐるぐる)のアスカ が「マホロはもう死んだんだ……」と見知らぬ女に抱かれて泣きじゃくるという浮気現場であった。
 医者の直感的な仲代先生の解説によるとどうも幻影らしいですが、アスカさんはメンタルのアップダウンが激しい上にその気も ないのに女の胸で泣くとかやりそうので、ありえなくもない気がしてなりません(笑)
 その映像に心の揺らいだマホロはデズモゾーリャに取り込まれて後のリジェを産み落とすと、マホロの名を捨て、“破壊の使徒” ジャンヌとして、エヴォリアンの陣営に加わる。また兄ミズホも、伝説の鎧とともにエヴォリアンの一員となるのであった。
 と、ここまでのあれやこれやを繋げる、一気の謎解き。
 ジャンヌさんとマホロさんは、完全に同一人物。そしてリジェは、よそで作った子供(おぃ)でした。おそらく、本来宿っていた命に 上書きする形になった為に、リジェは究極の肉体になりえず、謎の少女も分裂的に誕生した、という感じでしょうか。
 ミズホが「暗黒の鎧を奪ってきた」というのが、どこからどうやって奪ってきたのか謎ですが、あとミズホは「暗黒の鎧」と言っている けど、アスカの「伝説の鎧」とは別物? 仮にアスカを倒して奪ったのだとしたら、ミズホがアスカにとどめを刺さない理由が無いしなぁ ……。前回キラーさんが、ジャンヌが持っている伝説の鎧の素を「暗黒の石」と呼んでいたし、それぞれが勘違いしていただけで 「伝説の鎧」と「暗黒の鎧」が別にあるという事なのか、それとも私が何か取り違えているだけか。
 白い少女からアノマロカリス2世をジャンヌが操っている事を聞いたアスカは、ジャンヌ――そして伝説の鎧?との決着をつける決意を 固め、ひとり、突撃。その決死の気配を感じながら地上で暴走連結生命体バルギゲニアを迎え撃つアバレンジャーがアバレマックスに チェンジすると、どこからともなく伝説の爆竜スティラコサウルスが出現。
 ローマ戦車を思わせる一風変わったデザインのスティラコサウルスは、凄まじいパワーでバルギゲニアを撃破。そして空では――
 激しく剣を交えるアスカとジャンヌ。戦いの中、アスカはジャンヌが、かつて自分がマホロに渡した花の環をはめている事を知る。 アスカが掲げたロケットに、正気を取り戻すジャンヌ……だが、デズモゾーリャの力か、再び暴れ出しジャンヌの斬撃がアノマロカリス 2世の中枢を切り裂き、アノマロカリス2世は激しく炎を噴き上げる。
 「マホロ……さよならだ、永遠に」
 爆発炎上し自壊していくアノマロカリス2世の中で覚悟を決めたアスカは、伝説の鎧を切り裂き、そして爆炎に包まれていく…… アスカとジャンヌ、もろともに果てる――!?
 という、これまでになくシリアスな展開で、次回、新ロボ登場の模様。
 脚本家、飛ばしてるなぁ……。演出の方も、色々ギリギリ。
 マホロ絡みの方で盛り上がりすぎて、戦闘の方は凄く適当ですが、凄く。
 スティラコサウルスとか、完全にいきなり湧いて出てきましたし(^^;
 アバレマックスはデザインは格好よく、青と黄のエネルギーを吸収して赤がパワーアップする、という形を今後どう使っていくのか、 これは楽しみ。

→〔まとめ5へ続く〕

(2012年10月26日/2013年3月3日)
(2019年10月26日 改訂)
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