■『爆竜戦隊アバレンジャー』感想まとめ3■
“誰も何も傷つかずに 過ごせる世界 願いながら
胸に秘めた竜人魂 悪を倒すパワーに変えて”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『爆竜戦隊アバレンジャー』
感想の、まとめ3(17〜24話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔総括〕
- ◆第17話「戦場のアバレかっぽれ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:浦沢義雄)
-
久々に普通に登場の介さん、いきなり、かっぽれを踊り出す。
その動きに過去の戦いのトラウマを呼び起こされたアスカ、恐怖で気絶(おぃ)
長らく、割といい年してからエボリアンの侵略があったのかと思っていたのですが、今回の回想シーンで、少年期からエボリアンに
侵略されたダイノアースでレジスタンスとして戦っていた事が判明。
……誤解していたよアスカさん。
好きで武力一本槍にステータスを割り振っていたのではなく、そういう風にしか生きられなかったのですね。
アスカの快復その他もろもろを祈願する介さん、神社でトリノイド・アヤメガネズミの光線を受けると、何故か頭にアヤメの花が。
……どうして、2回続けて頭髪ネタですか浦沢さん。
アバレンジャーが駆けつけるが、体に染みついた恐怖の記憶を呼び起こされてしまったアスカは「私は平和の為に戦う事の出来ない体
……いえ心になってしまったようです」と、アバレブラックに爆竜チェンジする事ができない。メンバーがそれぞれアスカに「平和とは
何か」を取り戻させようとするが効果はなし、その一方で、着々とアヤメ頭の人間を増やしていたアヤメガネズミは、咲き誇るアヤメの
力で、梅雨前線を呼ぶ。
更に梅雨前線は梅雨前線山脈と化し、噴火。
さっぱり意味はわからないのですが、物凄く強力。
磁力でアバレンジャーを成層圏まで飛ばしてしまうようなのも居ましたが、トリノイドは全体的に、性格と運用方法に難があるものの、
個体の特殊能力としては、歴代シリーズの怪人でもトップクラスの性能なような。
変身能力を失い(何度目か)、戦いへ駆けつける事が出来ずに歯噛みするアスカに、介さんは戦時中の思い出を語り出す。あのかっぽれ
は、腹を空かせて泣く妹や弟を一時でも笑顔にする為に、覚えたものだった。その言葉に、かつてダイノアースでの戦いの日々の中で、
マホロ兄妹の為にダイノハープを吹いた頃を思い出すアスカ。――それが、自分にとっての求める平和であったのかもしれない。
ここで明らかになる、思った以上に常在戦場だったアスカさんが“自分にとっての平和――戦う目的――とは何か”を見つめ直す、
というテーマは良かったのですが、そこへ持っていく為の「平和を忘れたので変身できない」というネタは、どうにも無理がありました
(^^; 後半から格好いい話になっただけに、勿体なかった。
戦うダイノガッツを取り戻したアスカはアバレブラックに変身、圧倒的なパワーでアヤメガネズミを蹴散らすと合体攻撃に参加し、
割と成り行きでスーパーダイノボンバー誕生。けれど相変わらず巨大戦の時は役に立たない……と思ったら、ステゴスライダーを活用する
為に、大波を呼ぶという、離れ業。
V−MAXアスカさんは、頼もしいというより、 危ない。
かくて梅雨前線山脈は元の梅雨前線に戻り、人々の頭に咲いていたアヤメも無事に消えてなくなる。そしてその戦いの顛末を見ていた
男が一人……「そろそろ最強プレイヤーの出番だな」。果たして、この男の正体は……?!
ところで、アスカさんのテーマ(「Fight! For the earth!!」)はサビの2回目のところで、
マホロー マホロー
というのが格好いいなぁと長らく思っていたのですが、タイトルと歌詞を確認したら、
誰も 何も
でした!
全然違うよ!!
むしろ自分の妄想力を誉めたいレベル。
- ◆第18話「誰だ? アバレキラーだ!」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:荒川稔久)
-
トリノイド出現を察知したアバレンジャーが現場に駆けつけると、そこにはトリノイドの姿はなく、立っていたのは初夏だというのに
白いコートを着た一人の男。アバレンジャーと話す為にトリノイドを消したという男は、3人の目の前で白を基調とした5着目の
アバレスーツに爆竜チェンジ!
ヤツデンワニさん、これ以上ない出オチ
かませというレベルの戦闘力さえ発揮させてもらえなかった、まさしく出オチ。
「おまえらと組む気はさらさらないんだ」「どうせなら、自分の為に楽しく使おうぜ」と5人目のアバレンジャーになる事を拒否する
男は、自らをこう名乗る。
アバレキラー と!!
四ヶ月前――爆竜がアナザアースに現れた日。
一人の男が、爆竜の暴れ回る銀座で、「ときめくぜ!」と叫んでいた。
その男は天才外科医、仲代壬琴。彼もまた、爆竜の声が聞こえる者であった。
医者でありながら楽しいか楽しくないかを手術の基準とし、人生に飽きて刺激を求める壬琴は、爆竜という未曾有の存在に興奮し、
接触をしようとするが、彼の目の前で、幸人、らんる、そして凌駕が次々と変身。
自分を呼んだのは彼等ではなかったのかと落胆した壬琴は、アバレンオーによる空中要塞の撃破直後にその場を去ろうとするが、
突如、激しい胸の痛みにうずくまる。そして空中から飛来した巨大な卵とブレスレット……そのブレスレットを身につけた時、彼もまた、
アバレスーツ着用者となったのであった。
本編第1話、ヒーロー誕生の陰で、まさしく、もう一人の陰のヒーローが生まれていた、という非常に面白い構成。
また、ビル崩落に巻き込まれた凌駕を手術していたのが壬琴、凌駕がティラノと接触したのは手術直後だった事が判明。凌駕を
見て「こんなつまらない奴の命を助けるんじゃなかった」とこぼす壬琴ですが、その後の回復力を見るに、壬琴が手術しなくても、凌駕は
地獄の底からでも這い上がってきそうな気がします、何となく。
強力すぎるスーツを4ヶ月かけて着こなしたアバレキラーは、アバレンジャーを圧倒。相手が人間という事で青と黄は攻撃を躊躇し、
赤は必死に戦いを止めようとする。
そんな凌駕に、
「おまえマジ? 本音で行こうぜ。退屈な世の中でこんな凄い力持ったら、人生面白くしたいと思うのが人の心ってもんだろ」
とあくまで戦いを愉しむアバレキラー。
ダークヒーロー、というよりは、ダーク涼村暁(『超光戦士シャンゼリオン』主人公)みたいなものを感じなくもない(笑)
くしくも同時期に東映YouTubeで『超光戦士シャンゼリオン』(1996)が配信されていたのですが、主人公がC調で全編コメディ
テイストという異色のこの作品において、その第1話、シャンゼリオンに初めて変身して敵を倒した直後の主人公の台詞が、
「信じられねえぜ……こーれがこんなに強くなるなんてよ。
これって……これって……ひょっとして、超・らっきー?!
こんな力があれば天下無敵。退屈な人生ともおさらばでい、いえぃっ!
たーっ、たまらんなぁ。はっぴー! 薔薇色の人生、まっしぐらぁ!」
というもの(笑)
もしかしてアバレキラーは、荒川稔久から盟友・井上敏樹への、数年越しの『シャンゼリオン』アンサーなのか(考えすぎです)。
苦戦するアバレンジャーの元へかけつける、アバレブラック(最初から出てこなかったのは、前回ハッスルしすぎた為?)。ブラックに
よると、キラーの纏うアバレスーツは廃棄された筈のプロトタイプスーツ0号であり、強力ではあるがエネルギー制御に問題があり、
場合によっては東京が地上から消え去るレベルの大爆発を起こす可能性があるという。
「面白いじゃん? ゲームにスリルが増えて」
それを聞いてもなお戦いを止めないキラーに、やむなく青と黄が攻撃をしかけるが退けられ、割と躊躇なく仕掛けた黒も、
ダイノガッツを吸収されてしまう。戦いを止めようとした赤はキラーの攻撃を受け、重傷を負って気絶。相棒の為にダイノガッツを手に
入れに来たというキラーは、「本当のゲームは、これからだ」と言い残して姿を消すのであった。
もともとエボリアンが要塞の中に回収していたプロトスーツを取り返そうと出張してきたジャンヌさん、ベンツで帰宅中の壬琴に
遭遇するが、頬の爪に触れられて必要以上に動転し、一刀も交えずに取り逃がすという不始末。
……もう設定をよく覚えていないのですが、竜人族の顔の爪に触れるのは、アスカさんが知ったら殺意の波動に目覚めて「東京湾の魚の
餌にしてやるけんのーーー!!」になるぐらいの事でしたっけ。
まあここは、マホロの体を奪ったというジャンヌの中にマホロの心があったりなかったり?という演出なのでしょうが。
恐竜やに運び込まれた凌駕、舞ちゃんの涙に、なんとか意識を取り戻す。一方、アバレンジャー達のダイノガッツを吸収した壬琴は、
工事現場に隠していた爆竜の卵にダイノガッツを注ぎ込む、そして――!
超高級マンションとかに住んでいそうなのに、どうして不特定多数の人が出入りしそうな工事現場に卵を隠しているんだ、キラー……(笑)
新キャラ登場編。
追加戦士のパワーバランスは毎年の課題ですが、強いスーツが危ないプロトタイプというのはお約束として、着こなすための4ヶ月、
自爆のリスク、と説得力をうまく補強したのは秀逸。また前者は1話とキラーの存在を絡めつつもここまで出なかった事の理由付けとなり、
後者は壬琴のキャラクター性の強化になっている、と二つとも巧い。
3人+1という変則構成に加えて、巨大ロボが段階パワーアップという事もあってか早い段階で5人目の戦士(?)登場となりましたが、
幸人さんのような、ポーズでひねているタイプ、それがダンディズムではなく、全くスタンスの違う、一筋縄ではいかなそうな言動と行動
満載で、盛り上がって参りました。
ジャンヌさんにアプローチしてくれたのも嬉しい(笑)
大ハッスル→へたれを繰り返している内に嫁に浮気の気配で、ピンチだアスカ!
- ◆第19話「よろしくアバレアミーゴ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
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アバレスーツが4着用意された理由……それは、力が一つに集中する事で、個人の勢いだけで物事が進んでしまうのを防ごうという
意図からであった。
…………えー、これは、アスカさん、ハリセンによるツッコミ待ち?
だが、アバレキラーの装着する0号スーツは違う。
その力は、まさしく一騎当千。単騎にして対エボリアンの戦局を覆すべく開発された、某宇宙刑事ばりの運用思想による、
まさしく最強のアバレスーツ……そしてその相棒となる爆竜もまた、それにふさわしい力を持つものとして、封印されていた史上最悪の
爆竜が選ばれていた。その名を、トップゲイラー。
あまりに危険すぎるトップゲイラーの復活を阻止するべく卵の反応を探すアスカ達だが、時同じくして東京湾に巨大生物の反応が出現。
やむなく、凌駕とらんるが卵の回収に、幸人とアスカが対ギガノイドへと、二手に分かれる。卵の隠し場所にたどり着いた二人の前に
立ちはだかるアバレキラーに加え、近くのビル街にギガノイド第5番「狩」が出現。卵の回収を一旦諦めた二人は小学校の避難に協力する
が、「狩」の攻撃で落下した看板が児童達の頭上に迫る――だがその時、巨大なハサミが看板を切り裂き、子供達を救う。
ハサミ型の尻尾の主は、爆竜・パラサロッキル。東京湾に現れた巨大生物はギガノイドではなく、地球の裏から海を泳いでアスカ達の
元へやってきた、新たな爆竜であった!
爆竜は当初、もっと個々の登場を引っ張るかと思っていたのですが、思ったよりざくざくと出てきます。その為に正直、初期の4匹
以外は、個性としては区別がついていませんが。一人称と語尾などで変化をつけてはいますが、劇中でまだ活きてはいない。
アバレンオーが「狩」と戦う間に、アスカはキラーの元へ。しかしその前に、復活後にトップゲイラーを奪おうとするジャンヌが
立ちふさがる。だが、今日のアスカさんは絶好調。伝説の鎧をものともせず蹴散らし、ジャンヌにとどめの一撃を放とうとするが、
その前に白い少女が姿を見せる。
「いいの? 思い出して?」
アスカの脳裏にフラッシュバックする映像。
竜人族に襲いかかる何者か、そして、老人の言葉。
「アスカ、、おまえは悪魔になったのか、アスカー?!」
それは、アスカが仲間を襲った記憶なのか?!
パラサロッキルと爆竜コンバインしたアバレンオーロッキルは、爆竜必殺チョキチョキなんとか(よく聞き取れなかった)で、
「狩」を撃破。しかしその間に、アバレキラーは遂にトップゲイラーを復活させてしまう。ビルを倒壊させ、アバレンオーの前に姿を
現す巨大な翼竜、トップゲイラー。
「何秒で連中を倒せるか賭けるか?」と持ちかけるキラーに、
「人間、そんな簡単じゃつまらんゲラ」
と、圧倒的な余裕を見せる、史上最悪の爆竜。
緑川光ボイス(クール系)なのに、語尾が「ゲラ」(笑)
果たしてアバレンジャーは、この強大かつ凶悪な存在を、止める事が出来るのか?!
- ◆第20話「キラーオー、アバレ初め!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:會川昇)
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トップゲイラーに単身立ち向かおうとしたステゴだが、逆にトップゲイラーに取り込まれてしまい、巨大ロボット・キラーオーの一部と
されてしまう。なんとトップゲイラーには、全ての爆竜と合体する能力があるのだ!
ステゴスライダーは、いちいち波を起こさないと役に立たないので、使いにくいなぁとは思っていたのですが、
まさかの寝取られ展開。
とはいうものの、爆竜は次々と増えすぎてキャラ分けとか微妙でしたし、この展開は割と納得はいきます。
ただ、肝心要のキラーオーが、素晴らしく格好悪い(笑)
デザインはともかく、最凶の戦士と最悪の爆竜の組み合わせからなるキラーオーは圧倒的な力を見せ、ここまでモーション入ると完全
無敵だった電撃ドリルスピンを打ち破り、爆竜必殺デススティンガーにより、アバレンオーを粉砕。ダメージにより合体が強制解除され、
凌駕達も外に投げ出されてしまう。
トップゲイラーの能力により、分離したティラノを奪おうとするアバレキラーだったが、幸人の必死の呼びかけにステゴが正気を
取り戻し、キラーオーの合体が解除されて一時撤退。しかし、めくるめく甘美な力の味を覚えて
しまったステゴは困惑から逃走。ティラノ達は大ダメージから合体不能になり、凌駕も行方不明と、アバレンジャーはかつてない危地に
陥るのであった。
今回も、全てをゲームとして楽しもうとするアバレキラー、大暴れ。トップゲイラーの力を用い、爆竜の取り合いを仕掛けてくるという
展開で、爆竜がどんどん出てきたのはこう繋げる為か、と色々納得。あまり戦隊玩具の方面には興味がないのですが、爆竜玩具はここまで
織り込んで設計されているのだろうし、凄いなぁ。
その頃、アバレンオーから吹き飛んだ凌駕は、1話で入院していた病院の前で倒れていた所を拾われて応急処置を受け、看護士から
自分が壬琴の手術で命を救われていた事を知る。決意を新たに、アバレキラーを追う凌駕。そして幸人も、ステゴを連れ戻そうとする……。
凌駕のモチベーションを、「今度は俺が、先生の命、助ける番なんです。そのブレスを外してください」と持っていったのは、
キャラクターの性格が上手く出て、いい感じ。一方、唐突すぎる幸人×ステゴは、全くピンと来ませんが(^^; この辺りはやはり、
個々の爆竜の描写・絡み不足を感じます。
変身ブレスを賭け、一騎打ちするレッドとキラー。名乗りポーズ中に攻撃を仕掛けるなど、キラーさんは好き放題。エボリアンが
愉快犯的要素が濃い事もあり、激しく悪役一直線。レッドは追い詰められるが、その時、爆発的な力に覚醒。逆にキラーに大ダメージを
与えるが、「おまえは俺と同じだ。その力を使いたいんだ」という言葉に動揺した所に不意打ちを受けてまたも敗れてしまう。
そして、愛情値の足りなかった幸人は勿論ステゴの説得に失敗。どうやらトップゲイラーは、爆竜との合体によってその秘めた力を
目覚めさせる事が出来るらしく、法悦の境地を垣間見てしまったステゴは、「おらの本当の力を教えてくれテゴ」と、自分探し
みたいなノリで、キラー陣営に鞍替え。
……うんまあやっぱり、あれですよ、敷物扱いがいけなかったと思うんですよ。
大切にしよう、爆竜の尊厳。
再び合体したキラーオーは、強化再生して出現した「狩」第二楽章を蹂躙・粉砕。アバレンジャー、エボリアンの両陣営にその力を
突きつけ、姿を消す。アナザアースとダイノアース、果たして、二つの地球の運命はどうなってしまうのか……?!
とりあえず次の裏切り本命は、ディメノコと見た!(なんとなく)
- ◆第21話「アバレ恋!キロキロ」◆ (監督:坂本太郎 脚本:浦沢義雄)
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アスカがアナザアースに連れてきた最後の爆竜、アンキロベイルスの反応が確認され、それぞれ探しに行くアバレンジャー達。その頃、
何故か壬琴の別荘?で働いていたヤツデンワニはエボリアン帰参の手土産の為にアバンレンジャーを倒そうとして街で暴れ回るが、
らんるの軽蔑のまなざしに恋に落ちてしまう。
衝撃のアバレキラー登場編から一転、浦沢×坂本コンビによる、ギャグ回。
これまでの浦沢ギャグ回の中では、一番面白かったです。
ヤツデンワニ役の声優、津久井教生が激しく怪演。
ヨダレをたらしながら迫られて、ひたすら嫌がる、らんる。
ヤツデンワニのぼえーな歌で人々が苦しむシーンでは、出前の蕎麦が地面で跳ねている、という細かい演出が面白かった。
身を隠して素直に協力してくれないアンキロベイルス(ひねくれた性格のために友達が少ないらしい)と通信ブレスで喧嘩する
アスカだったが、ヤツデンワニから逃走中のらんるが、たまたま発見。「もっと楽しく暮らしたいキロ」とやる気のないアンキロに、
その覚醒に気付いたトップゲイラーとアバレキラーも「俺達でいただこう」と迫る。
謎の滝からの出撃シーンでは、
「このワクワクが、生きてるあかしテゴ」
と、もうすっかり、身も心も染まってしまったステゴ。
毎日愉快に過ごす街角 僕は僕は帰れない
アバレンオーとキラーオーは、ヤツデンワニそっちのけでアンキロ争奪戦を開始し、「俺ってキャラが薄いのかなぁ……」と落ち込む
ヤツデンワニは、地上から、らんるを応援。アスカの「おまえなんか、大嫌いっだぁぁぁぁぁ!」という絶交宣言が応えたのか、
アンキロはアバレンオー陣営に与し、アバレンオーベイルスへと爆竜コンバイン。爆竜必殺ダブルトルネードで、何とかキラーオーを
撤退させるのであった。
今回のアスカさんはアバレンジャー3人がアンキロを探し回っている間、何故か恐竜屋で通信ブレスで会話しているだけ、と
安楽椅子探偵気取りでえらく省エネ。そしていきなりブチギレ。……猛将系だから、仕方ない(のか?)。どうも、浦沢さんがアスカを
使いにくそうなのは、気になる所ではあります。
退却時、
「ヤツデンワニ、帰るぞ」
と、なぜかわざわざ拾って帰るキラーさん。
なんだかんだで、小間使いとして便利?
その内また出てくるのだろうか……。
- ◆第22話「娘たちのアバレ歌」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久)
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キラーオーで暴れ回り、バキケロとディメノコを捕まえたアバレキラーは「こいつらはゲームの商品だ」と言って姿を消す。更に壬琴は
ヤツデンワニを使ってエボリアンに電話し、トリノイドを発注。ミケラは嫌がるが、それを承諾するデスモゾーレ様。
それから2週間……恐竜やに連絡してくる壬琴。
「ごきげんよう諸君、ゲームの時間だ」
壬琴の提案したゲームは、バキケロとディメノコを捕獲した樽にしかけた時限爆弾のタイムリミットまでに、それを阻止するというもの。
ただし、そこに至る場所はバリアーで封印されており、その解除の為には解除装置を仕掛けたトリノイドを倒さなくてはならない。
期限は3日、凌駕達はトリノイドを探そうとするが……そこで舞ちゃん衝撃の「毎日毎日うぜーんだよ」発言。
ぐ、ぐれた?!
実はその頃世間では、子供達の心情を過激に表現し、「うぜーよ」が決め台詞の、プリプリロックという歌、それにあやかった微炭酸
ドリンクうぜーよが大流行していた。そして同時に、凶暴化し、超能力を発動させる子供達。これはトリノイドの仕業に違いないと調査を
始める凌駕達だが、歌を歌っている少女アイドルグループ・プリプリンセスシスターズはマネージャーにやらされていると言い、
マネージャーはレコード会社の指示だと言い、レコード会社は協賛のドリンク会社の指示だと言い、ドリンク会社はマネージャーから
もちかけられた企画だと言い、証言は堂々巡り。そんな中エミポンが、プリプリンセスシスターズが出ているのはTV夕焼けの番組だけ
だと気づき、アバレンジャーはTV夕焼けの社長室へと乗り込む。
「子供達の未来がかかってるんだぞ!」と社長に食ってかかる幸人さんは本当に子供好きで、当初のひねキャラの面影が、もはや
分子レベルで存在しません。
この前のシーンから、アイドルの収録スタジオにいきなり突入している赤と黒とか、TV局の社長室にアバレンジャー襲撃とか、
いったい誰のどんなコネ状態なのですが、やはり介さんか、介さんが裏で手を回しているのか……?!
荒川脚本にしては筋もテンポも非常に悪い。
社長の証言で屋上の電波塔に向かったアバレンジャーは、電波塔を乗っ取っていたトリノイド・ムカデンパンジーを発見し追いかけるが、
その前にアバレキラーが姿を見せる。
キラーvsレッドが、一騎打ち。
「あんまり人間を信用すると、失敗するぜ」
「信じる気持ちがなかったら、世の中はどうなるんです!」
「刺激が増えて、面白くなるんだよ」
予定通りではあるのでしょうが、凌駕が、キラーと対比する形でキャラが立っていく、というのは面白い。
レッドとキラーは相討ちとなり、アスカ達はムカデンパンジーを撃破。だが……倒したと思ったムカデンパンジーは、バーミア兵が
偽装した偽物だった!
「本物はまだ、ぴんぴんしてるぜ。まだ世の中、全然元にもどっちゃいない」
高笑いするアバレキラー、凶暴化し超能力を振るって喧嘩する子供達、囚われの爆竜達の爆破タイムリミットまで、あと1日――。
最後に子供達の超能力バトルで世間の混乱を描くなら、前半からもう少し派手に、世間の変貌を描いて良かったと思います。多少は
描いているけど、それ程のインパクトは無かったので。プリプリロックを歌わせるぐらいなら、他に尺の使いようはあったような(笑)
……まあ、こういうネタ、好きなのだろうけど。
本筋と別の所では、東京の街を彷徨う白い少女のシーンが伏線として挿入。親子連れに視線をやるなど、意味深なシーン。
あと、ヤツデンワニが、また出るどころか、キラーとエボリアンの仲介役になってしまいました(笑) まさかの、セミレギュラー化
……?!
- ◆第23話「アバレ電波ドギューン!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
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OPにアバレキラー&キラーオー参戦。
舞ちゃん、凶暴化して超能力を発動し、凌駕、親として反省。
気絶した舞の涙からムカデンパンジーの分身体を見つけたアバレンジャーは、TVの電波に乗って分身が目の中から入り込む事で人間を
凶暴化させている事を発見。確保した分身から誘導電波を追う事で、本体が潜む倉庫へと向かう。
トリノイドは本当に、特殊能力の性能は異常に高い。上層部が愉快犯的な割に、ダイノアースを侵略できたのも、むべなるかな。
「人を信じたいなら、この先には進まない方がいい」と姿を見せたアバレキラーを退け、倉庫の扉を開けたアバレンジャーが目に
したのは、収録スタジオと、前回話を聞いて回ったプリプリンセスシスターズとTV関係者一同。
トリノイドの影に居たのは、彼等全員だった!
「そんなに視聴率が大事ですか! 子供達に、悪魔の番組を見せたいんですか!」
微妙にメタな(笑)
ニュース報道の「凶暴化する子供達」の映像に自分の孫の姿を見つけ、「うちの番組を見るなと言ったのに!」と狼狽する局長の
身勝手さに、人の親としての憤りを覚えつつ局長が持っていたムカデンパンジーの潜む装置を床に叩きつける凌駕。
「あなたたちが魂を売った相手は、こういうやつだ。
やられないうちに、とっとと消えろ……消えろぉぉぉぉぉ!!」
爆発する怒りをギリギリでこらえながら、凌駕、吠える。
「許さない! チェンジだぁぁぁ!!」
キレかけの凌駕がこのまま倒してしまうのかと思われたのですが、ムカデンパンジー、大善戦。ホログラム攻撃などを駆使して
アバレンジャーを苦しめ、傷ついた4人は必死に樹海を目指すが、タイムリミットはあとわずか。
「なんでや……なんできいへんのやデメ」
そして……後一歩のところで4人は間に合わず、大爆発。
崩れ落ちるアバレンジャーの前に姿を見せるアバレキラー、そして――キラーオーナグルスノコドン!(長い)
時限爆弾の爆発する瞬間、信じ続けたアバレンジャーに裏切られたという絶望でズタズタとなった2頭の爆竜の心の隙間に、
キラーが催眠光線でつけ込んで新たな下僕としたのであった!
そもそも、アバレキラーのゲームはアバレンジャーから爆竜を奪う事だった筈なので、爆破するより辻褄は合う展開。そして
アバレンオーとキラーオーは完全にコンパチで、爆竜はそのままの変形で、腕にはまれる仕様な模様。
アバレンジャーもアバレンオーで立ち向かうが、激しくメンタルを攻撃してくるキラーに苦戦。そこへ2体まとめて倒して
やろうと闖入してくるムカデンパンジー……が、ざくっとやられる。切ないぜ。
かくてアバレンジャーは更に2体の爆竜を失い、アバレンジャー、特に凌駕は精神的にきついダメージを受けるのであった。戦闘力も
高いのに、ひたすら精神ダメージを与えようとしてくるキラーさん、えげつない。後はもうちょっと壬琴の顔が好みだったら良かった
のだけどなぁ(おぃ)
- ◆第24話「アバレ女子高生!ありえな〜い」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:會川昇)
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エミポン、捨て身の変顔で凌駕を笑わせる。
そしてアバレキラーの行方を探っていた幸人はめぼしい潜伏先のリストを手に入れる。「手に入れた」ということは、金の
力で興信所でも雇ったのでしょーか。壬琴さんも金持ってそうだし、随所でやっぱり、世の中金だよなぁ、と思わせる
『アバレンジャー』。
しかし打って出ようとする幸人に対し、仲間達はあくまで敵はエボリアンであり、積極的にアバレキラーに仕掛けるのは違うのでは
ないかと及び腰。「人を信じる」事の難しさを突きつけられた凌駕も表面上はそれを振り切り、仲代先生もいつかわかってくれる筈、
とキラーと戦う事を否定する。
「人を信じても裏切られる事はある」
と言う幸人に、エミポンが
「アバレキラーと同じ事を言うんですか」
と返し、やや険悪な雰囲気の中、幸人は独り捜索へと向かってしまう。
一方その頃、ヴォッファとミケラ、アナザアースに。
女子高生に大人気
困惑する二人の前に現れるアバレキラー。
「そいつらは女子高生といって、何も怖いものがない、いわば、地上最強の生物だ」
キラーとヤツデンワニ(すっかりセミレギュラー化)をコレクション図鑑の中に閉じこめたミケラとヴォッファは、“地上最強の生物”
を研究する為に話を聞くが、そこに姿を見せるアバレンジャー。思わぬ形で、エボリアン幹部と初遭遇、初名乗り。ぶちぎれるアスカさん
だが迎撃され、赤、黄ともども、図鑑に吸い込まれてしまう。
恐竜やに戻った幸人は、連絡を受けてすぐに現場へ向かわなかった事をエミポンになじられる。
「誰も信じてくれなんて頼んじゃいない。俺がいなきゃ、このざまか」
キラーの登場でひねキャラのポジションが危うくなってきたので、なんだか必死な気配を感じます。
そんな幸人に、エミポン、平手打ち。
「だったらこのブレス、あたしにちょうだい。あたしがもらう!」
「エミポン、あれをつけても君は……」
「おまえはチェンジも出来ないだろうが!」
「そうよ! このブレスは幸人さんを選んだ。悔しいけど……だから私は、貴方のダイノガッツを信じてます」
そこへかかってくる、ヤツデンワニ経由の、異界からの電話。凌駕達の状況を把握した幸人は、エミポンの言葉を受け、彼等を助ける
為に立ち上がる……女装して。
エミポンの作戦により、ミケラとヴォッファに接触する為に、女子高生二人組を装う幸人とエミポン。
女装までは割とあるネタとして、幸人さん、
まさかの超ミニスカート
トリケラ「プライドなんかより、仲間の命を優先したケラ」
ときめくぜ!(嘘)
無敵の力と無尽蔵の生命力と高度な理論を組み合わせた
最強のトリノイド・ジョシコウセイタカアワダチソウタイセイリロン(女子高生+セイタカアワダチソウ+相対性理論)
を作りだそうとするミケラにうまく取り入る幸人。エミポンがヴォッファにより、女子高生ギガノイド・第6番「巨人」に
されたり(すぐに戻される)、ジャンヌさんが出てきて「こいつは、アバレブルーだ」とバレたりトラブルはあったものの、なんとか仲
間達を救い出す事に成功する(ついでに、キラーとヤツデンワニも脱出)。
ミケラがコレクションしていた家電製品の寄せ集めからヴォッファが即興ギガノイド・第7番「新世界より」を生みだし、二人は撤退。
「新世界より」はアバレンオーとキラーオーの共闘により、ざっくり撃破。
幸人「あいつも……あいつも、信じあえる仲間がいれば、目が醒めるかもしれないな」
こうしてエミポンも含めて、アバレンジャーの絆はまた一段と深まるのであった。
“心はアバレピンク”のエミポンをうまく使って良いエピソードだったのですが、幸人さんが、もう少し尖っていた頃だったらもっと
良かっただろうに、そこが残念。最近の幸人さんはすっかり“ただのいい人”だったので、急にひねキャラポジションに戻られても見て
いる方が戸惑うというか、今更幸人さんを中心に「仲間」とか「信頼」とか「絆」の話をされても、いや貴方ズブズブじゃないですか、
と(笑)
ジョシコウセイタカアワダチソウタイセイリロンとか女子高生ギガノイド・第6番「巨人」とか、後半のネタの飛びっぷりも好きです。
會川昇は出来不出来の波が激しくて一時期凄く評価を下げていたのですが、まあ、面白いものを書ける人ではあるよなぁ。サブの
ポジションの方が、面白い人だったりするのかもしれない。
そして、ヴォッファとミケラは、ガード下で横田さんと飲んでいた。
エボリアンの明日はどっちだ?!
……というタイプの悲壮感がしかし全く無い(色々な意味で底が知れない)のは、重ねて書いていますが、敵組織の造型としては
面白く秀逸。
→〔まとめ4へ続く〕
(2012年10月26日)
(2019年10月26日 改訂)
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