■『爆竜戦隊アバレンジャー』感想まとめ2■


“吼えろ爆竜 太古の勇者
向こう見ずに激しく
駆けろよ 今こそ”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『爆竜戦隊アバレンジャー』 感想の、まとめ2(9〜16話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔総括〕


◆第9話「目覚めよ!アバレサバイバー」◆ (監督:諸田敏 脚本:前川淳)
 “恐竜から進化した人類”と言われると、爬虫人類的なものが思い浮かんでリザードマンよりのイメージになるのに、“竜人”と 言われると、そこから数段格好良くイメージが修正される、ファンタジー脳。
 どちらにせよ、アスカさんから想像される竜人のイメージは、バーサーカー。
 キンモクセイカミカクシ、登場。
 今日も名前が長いな、トリノイド。
 ロッククライミングの練習でビルの壁を登っていた凌駕は、飛び降り自殺しようとしていたサラリーマンと鉢合わせ。更に、ビルの 屋上からキンモクセイの香りをまくトリノイドと遭遇し爆竜チェンジしようとすると……そのサラリーマン・鈴木と一緒に謎の山中に 転移してしまう。
 通信不能、方位磁石も働かないその場所は、真冬に海岸に咲くはずの水仙が咲いていたり、ワライカワセミの鳴き声が聞こえたり、 と明らかに不自然な異世界……
 「わっくわっくしちゃいますね」
 と、脳天気で前向き、かつ自然に詳しい凌駕を描写。
 凌駕不在の恐竜やでは、らんるが舞ちゃんに添い寝中。アスカは寝たきりで髭ぼうぼう。そして前回ラストで巨大化した バキケロナグルスは、何故か再び眠りについていた。そんな中、キンモクセイカミカクシが出現して街の人々が次々に転移され、 駆けつけた青と黄だが、トリノイドにはカクレマントで逃げられてしまう。
 しばらく、異世界の凌駕とサラリーマン、追い詰めるとカクレマントで逃げるトリノイド、の2面で展開。
 同時にそれぞれの世界の時間経過のずれ(現実の1日が異世界の数十分ぐらい?)も織り込まれるのですが、これは特に物語上は 利用されず。異世界感を強調したかっただけかもしれません。
 やたらにサバイバル技能の高い凌駕、アメリカで国立公園のインタープリター(自然と人との「仲介」となって自然解説を行う者)の 資格を取っていた事が発覚。火を起こしたりしている内に、異世界に飛ばされた他の人々とも遭遇。
 凌駕、みんなにダイノガッツを語る(笑)
 なんか、新興宗教みたいになってきた。
 異世界で呆然とし不満たらたらの人々だったが、凌駕の勢いと鈴木の言葉に押され、みんなでダイノガッツを発揮してみようと、 凌駕の呼びかけで巨大な石に向けて力を込める。
 「みんなで力を合わせて一つの事をする事が大事なんです」
 なんかもうよくわかりませんが、凌駕があまり深く考えていない事だけは伝わってきます(笑)
 一方その頃、トリノイドと何度目かの戦闘に挑んでいた青と黄は、挟撃作戦でカクレマントを奪い取り、逃走を封じる。そこへ どこからともなく聞こえてくる、凌駕達の声。彼等の気合いが、キンモクセイカミカクシの作り出した異世界に異変を起こしたのだ!  異世界では巨大な岩が動き、青と黄の射撃がキンモクセイカミカクシの弱点を貫き、異世界から解放される凌駕達。
 戻ってきた凌駕が変身して加わり、アバレンジャーはキンモクセイカミカクシを撃破。
 それにしても、一般人の前で、どんどん変身するなー。
 あまりその辺りは、気にしない方向か。
 そしてまた、彼等の気合いは、アスカとバキちゃんにも影響を与え、その目を醒まさせていた。巨大化したキンモクセイカミカクシに 苦戦するアバレンオーだったが、駆けつけたアスカの言葉により、爆竜コンバイン。
 トリケラトプスをリストラして、右腕にバキケロナグルスを装備する事によりアバレンオーナグルスに バージョンチェンジし、爆竜必殺バキバキパンチによって、トリノイドを倒すのであった。
 前回の個人エピソードが子持ち強調だけになってしまった赤の、実質的なキャラ立て話。謎だった前職も判明し、常に前向きな熱血 サバイバー、というキャラクターが確立しました。キャラも物語も、細かい事は気にしない、という、ある種のメタ構造(笑)  熱血キャラ話としては、悪くない出来だったと思います。
 少し卑怯ではあるのですが、まあ凌駕はうまく、舞ちゃんというクッションを置く事で許されるキャラにしている感じ。
 そして終始、行方不明の凌駕よりもむしろ舞ちゃんを心配するティラノは、すっかり第三の父。

◆第10話「アバレリーガー金縛り!」◆ (監督:諸田敏 脚本:浦沢義雄)
 ナンセンスギャグ回というか、浦沢ワールドというか。
 ナンセンス物の大家である浦沢さんですが、個人的にはいまいち合いません(^^;
 笑いはツボが違うとどうしようもない、としか言いようがない。
 全編に入るCG演出も、どうも滑り気味。
 まあ、中途半端にやらず、徹底したのは“そういう回”として良かったですが。
 卵みたいなものを投げつけた相手を、時代遅れのマッシュルームカットにしてしまうという地味に怖いトリノイド、 バンクマッシュルームが登場。そしてそうやってマッシュルームカットにされたものは、やがて何でも金の力で解決しようとするのだ!
 エボリアンは、遊びで侵略している感じが強く、今のところ、組織としての底が全く見えていないのは良い所であり面白い所。
“実は今まで本気出していなかった”よりは、“明らかに本気を出してない感じ”の方が、後に向けて話の流れはすっきりしますし。
 これに、腰痛を治す為に秘密裏に来日したメジャーのホームラン王が絡み、幸人は「ダンディズム」を連呼。恐竜やの新メニュー作成 でカレーフルーツポンチを提唱するなど、料理センスは破綻していた事が発覚。
 介さんは早く帰ってこないと、アルバイト達の暴走で、保健所の手が入りそうな気がします。
 〔人生のどん底に落ちる→最高にハイな感じでヒャッハーする→調子に乗りすぎて寝る→やっと目覚める→カレーフルーツポンチの 攻撃を受ける→復活後二回目のバトルが、金庫を振り回す〕のアスカさんは、微妙に報われない。
 ところで、アバレブルーって名乗りの時、前からあんな、指圧のポーズでしたっけ?
 押せば命の泉湧く。

◆第11話「アバレサイキック。ブヒっ。」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久)
 いい加減、エボリアンの幹部の名前を覚えようと思う。
 ヴォッファ(作曲家:ギガノイド担当)
 と
 ミケラ(絵描き:トリノイド担当)。
 覚えた。多分。ミケラはともかく、ヴォッファが無駄に覚えにくすぎる。
 (それぞれ、「バッハ」と「ミケランジェロ」から来ているという事。……全く気付いていませんでした)
 アスカがアナザアースに来る際にちりぢりになった爆竜の卵は、あと4個。その一つの気配を西に感じ、アスカ、卵探しの旅に出る事に。
 ……ていよく、番組から抹殺される(笑)
 介さんも、ちっとも帰ってこないしなぁ……。
 (ベテランの役者さんがしばらく居なくなるのは、舞台出演の為、とかがままありますが)
 エボリアンでは、卵集めと並行して伝説の鎧の力を得るために人々の涙を集めたいジャンヌだったが、ヴォッファとミケラが インスピレーション不足。だがミケラによると、侵略初期に世に放っていたトリノイド第3号の作戦がそろそろいい感じになっていると いう……と、作戦のスタートがその回以前、というなかなか面白いネタ。トリノイドが劇中で4号から始まっていたので、序盤で使おうと 意図的に仕込んでいた模様。
 そんなある日、恐竜やにやってきたエミポンの様子が暗い。友達の若菜の様子がおかしいのだという。心配した凌駕が一緒に見に行くが、 若菜は今時珍しいぐらいの、父思いの良い子。
 ところがエミポンによると、若菜は彼女と鈍くさい仲間だったのに、いつも成績は自分と最下位争いだったのがいきなりテストで 100点を取ったり、授業中に超能力のようなものを使ったり(念動力で消しゴムを拾うシーン)しているのだという……
 成績が急に上がる
 超能力も使えるようになる
 …………ん、なんか、そんな学習塾が昔どこかであったような(笑)
 背後にあるのは、宇宙的犯罪組織じゃないですかね、これ。
 若菜が通っていたのは、大天才予備校。
 この数ヶ月で全国的に拡大した、入学金0円、月額100円、の怪しすぎる予備校であった。この予備校の背後に居たのは、 トリノイド・テンサイキック。成績向上を餌に、 マダコフード サイキック砂糖大根(つまり甜菜)を 食べさせて一般人をサイキッカー化するとともに洗脳し、サイキッカー総決起を目論んでいるのであった!
 学生コスプレのアバレンジャー3人+エミポンは予備校に潜入、イエローの持ち出した謎のフラッシュで一時的に生徒達の洗脳を解くが、 「人より飲み込みが遅くてもいいじゃない」というエミポンの説得も空しく、「たとえ超能力を使ってでも、いい成績を取りたい」と、 若菜達は超能力を失う事を拒否。捕まったエミポンはサイキック砂糖大根を無理矢理食べさせられてしまい、サイキッカー達の仲間に なってしまう。
 ――その頃、卵を探して西へ向かったアスカは、同じく西へ向かったジャンヌと遭遇。一般兵を蹴散らして、軽く見せ場を貰っていた (涙)
 意外に強いテンサイキックとサイキック生徒達の攻撃に苦戦、追い詰められるアバレンジャーだが、あわや、という時、レッドの 落とした剣を拾ったエミポンが、背後からテンサイキックを攻撃、大ダメージに生徒達の洗脳も解けて気絶する。
 「その気で躍進、心はアバレピンクの今中笑里よ!」
 確かにサイキック砂糖大根を食べさせられたエミポンであったが、
 「飲み込み遅いからまだ効いてなかったのよ!」
 その“飲み込み”違う、という所ですが、まあ、サイキック砂糖大根からして今回は言葉遊び回という事で。
 この一撃をきっかけに、形勢は大逆転。アバレンジャーはテンサイキックを撃破し、予備校は壊滅、サイキッカー達は洗脳から 解放されるのであった。若菜も凌駕達の言葉に、真っ直ぐに生き治す事に決め、めでたしめでたし。……と思ったら、今頃になって 飲み込めてきたのか、エミポンが超能力を発動。調子に乗ったエミポン、そのままアバレピンクに変身しようとするが……なぜか、 子豚に変身。
 「アバレピンク」ならぬ「アバレピッグ」でありました、というオチ。
 酷い(笑)
 タイトルの「ブヒっ」は何かと思ったら、これだったというのも、酷い(笑)
 そんなわけで、荒川稔久による、『宇宙刑事ギャバン』(第6話「魔空塾の天才たち」)、というよりは上原正三オマージュ回(笑)  ……という事でいいのか?
 エボリアンとマクーは協力関係にあったのだ!
 ……そう後の、『海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン』に繋がる、壮大な伏線である (嘘)
 そして次回、太秦回。
 まさか、アスカ西へ、がこの伏線だったとは。

◆第12話「アバレノコギリ、京都を斬る!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
 エミポン、まだ豚だった。容赦ない……というか、酷すぎる(笑)
 舞ちゃんを恐竜やに置いていけない理由を作る為に前回あんなオチにしたとしたら……凄い……のか?(^^; どちらにせよ、 エミポンに舞ちゃん預けっぱなしにするのも、酷いといえば酷いのですが。
 京都の街に出現した巨大ノコギリのニュースが世間を騒がせる中、爆竜の卵を追っていたアスカから連絡を受けた3人+舞ちゃんは、 京都へ。爆竜の卵の気配を追う5人は太秦映画村に入るが、あっさり舞ちゃんとはぐれる駄目なオトナたち。
 というわけで、舞ちゃんを探しながら観光スポット紹介へスムーズに流れる(笑)
 見つけた舞ちゃんは、なぜか青影コス。
 そして現れる、巨大ノコギリ。
 その正体は、ジャンヌに操られる、爆竜ディメノコドンだった!
 京都を破壊するディメノコドン、更にギガノイド第3番「時計」(ハイドン)が登場。仏塔を食べる「時計」を止めようとダイノ ボンバーを放つ3人だが、「時計」の放った謎の光線を浴びて消えてしまう。目を覚ました彼等が居たのは……江戸時代?!
 特に説明がないのですが、古いものを食べる事でそこに含まれる時間的エネルギーを得て、光線で時間を遡行させる、という事で 良いのでしょうか。どうして江戸に飛んでいるのかは謎ですが(笑) 
 奉行所に追われる羽目になった3人は、逃走中に、拝一刀と大五郎、更にエミポンそっくりのお姫様と介さんそっくりのお付きの武士と 遭遇。そして姫を狙う刺客(?)が現れて?!
 一方、現代では一足遅れで京都に辿り着いたブラキオ達が戦闘中。
 ブラキオvs「時計」
 ティラノvsディメノコ
 と、京都怪獣大決戦。
 伝説の鎧を身に纏ったジャンヌに苦戦するアスカ。ジャンヌがアスカを追い詰めたその時、二人の前にリジェと瓜二つの少女が 姿を現す!
 太秦スペシャルという事で、楽しいバラエティ回。Aパートが観光に費やされた為、色々と酷い状況のまま、続きました。
 しかし、オリジナル作品なので使いやすい事情もあるとはいえ、『暴れん坊将軍』ネタの無双ぶり。『三匹が斬る!』ファンとしては、 次回予告が嬉しかったですが(笑)


◆第13話「アバレてチョンマゲ!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
 ギガノイド「時計」の能力でアバレンジャー3人を江戸時代に飛ばし、もう勝利は確定、と記念写真を撮影する、リジェ、ヴォッファ、 ミケラだが、しばらくすると、写真に写った自分達の姿が消えていく。
 そして変わっていく、手元の新聞の見出し(初回の侵攻時に記念?にアナザアースの新聞を保存していた模様)。
 「謎の敵全滅!異次元要塞を完全撃破」  ……敵サイドが主人公達を過去に放逐した結果、主人公達によって歴史が変えられて敵組織が危機に陥ると いう凄まじい展開。
 未来には戻れないなら、せめて過去の世界で頑張って、いずれ子孫達が舞ちゃんを皆で助けるようにしたい、と凌駕が頑張りすぎた 結果、人類(日本?)の戦闘能力が凄まじくUPしてしまったらしい。
 多分、

 MAY DAY! MAY DAY!

 みたいな感じで。
 このままでは自分たちの存在が消えてしまう、と割と真剣に焦るエボリアンは、再生トリノイド達を刺客として過去に送り込む……。
 一方、アスカを追い詰めていたジャンヌは、リジェに瓜二つの少女と接触。その肉体が何故か涙を流した事に驚愕し、ディメノコドン と共に一時撤退。
 江戸時代のアバレンジャーはエミポンのそっくりさん(先祖?)である笑姫(さきひめ)を人質にとられて苦境に陥るが、その笑姫の 活躍もあり再生トリノイドを撃破。いよいよ追い詰められたエボリアンはやむなく「時計」の能力でアバレンジャー達を現代に帰還させる。
 「時計」とディメノコドンの攻撃に大苦戦するアバレンオーだったが、アスカのダイノハープ(ブルースハープ)の音色が ディメノコドンの正気を取り戻させ、洗脳の解けたディメノコドンは爆竜コンバインで、アバレンオーノコドンに合体。爆竜必殺 クロスカッターで「時計」を撃破し、京都の待ちに平穏が戻るのであった。
 最後は京都で、「野暮用を終えた」、という介さんと遭遇。皆が微妙に怪しむ、という変な伏線?で終了。
 主人公達を過去にタイムスリップさせる事でエボリアンが危機に陥る、という展開は素直に面白かったですが、散々大騒ぎした末に アスカのダイノハープでディメノコドンが正気を取り戻す、というのは伏線は多少あったものの、肩透かし。
 介さん絡みの伏線は、むしろ妙に怪しげにしようとしてきたので、特にどうという事はなかった、というオチになりそうな。
 今後の問題となるのは、今回は完全に謎のまま終わったリジェ似の少女でしょうか。にしてもマホロさんのある意味初登場シーンが アスカにいってらっしゃいのチューとか。

◆第14話「発掘!アバレサウルス」◆ (監督:坂本太郎 脚本:會川昇)
 エミポンが人間に戻り介さんが再び姿を消した恐竜や、掃除中に額縁の裏から見つかったのは、宝の地図……? 印の場所に向かった らんるが見たのは、発掘中の恐竜の化石。それを一人で掘り出しているのは、介さんの子供の頃からの喧嘩友達・辰吉伝次郎という 偏屈じいさんであった。
 介さんはなんだ、役者さんの仕事が京都であって、前回と前々回は、ロケ時に無理矢理ねじこんで出演してもらったのでしょうか……。
 その化石にアバレサウルスと名付け、「俺の夢だ」と発掘に情熱を燃やす伝次郎……その頃、爆竜の気配を探すジャンヌが、伝次郎の 山に姿を現していた。彼が掘っていた化石は、アナザアースで爆竜に進化しかけていた恐竜の化石であり、その骨にはダイノガッツが宿 っていたのだ!
 ヴォッファにより、ギガノイド第4番「復活」の素材とされるアバレサウルスの化石。助けに来た残りのメンバーはアバレンオーで 「復活」と戦おうとするが、伝次郎の“夢”を壊したくないらんるはプテラと融合する事ができない。ドラゴンゾンビみたいで面白い デザインの「復活」がブレス攻撃で街を砂に変えていき、赤と青は無理矢理二人合体で、アバレンオージとして戦いを挑む。
 戦闘に巻き込まれて怪我をし、恐竜やに運び込まれていた伝次郎は、らんるに戦いを促す。
 なぜなら……伝次郎には、アバレサウルスよりも大切なものがあった。戦争が終わり、焼け野原になった日本。恐竜の発掘よりも 優先して取り組んだ、街の復興。
 「この街が、俺の本当の夢だ」
 ……なぜか先日の『ソルブレイン』とかぶった(笑)

 「はっはー、アバレサウルス、腐った日本を、砂にしてしまえ!」

 とかではなくて、本当に良かった(笑)
 最後は、伝次郎がアバレサウルスに呼びかけ、「復活」の動きが鈍くなった所を、らんるが加わったアバレンオーの電撃ドリルスピンで 撃破。
 なんか、らんる話は妙に綺麗にまとめようとして、どうもいまいち、面白みに欠ける内容が多いかなぁ……好みの問題ではありますが。
 それにしても最近のアスカさんは、ただひたすら伝説の鎧にぼこられる係だな……。

◆第15話「アバレ世間は鬼ばかり」◆ (監督:坂本太郎 脚本:前川淳)
 人より多いダイノガッツを持っているのか、爆竜の卵に呼ばれた次郎少年、草むらで卵を拾う。その頃、恐竜やでは凌駕とらんるが 父親の話題で盛り上がり、幸人が画面の隅でやさぐれていた。
 そんな時、トリノイド・シャークルマーガレットが出現し、人々に排ガスキャノンを浴びせて暴れ回る。迎撃に出るアバレンジャーの 前で、花占いを始めるトリノイド……「好き」「嫌い」「好き」「嫌い」「好き」「嫌い」「好き」「嫌い…………嫌い ビーム!」
 マーガレットから出た光線を浴びたらんるは、突然、納豆を手にアイドル時代の振り付けレッスンのスタジオに。
 嫌いビームを浴びた者は、自分の最も嫌いものを幻覚で見せられる眩惑地獄に落ちてしまうのだ!
 ……らんるはミックスすぎて、納豆が嫌いなのかレッスンが嫌いなのかおかまっぽいレッスンコーチが嫌いなのか、わかりませんが(笑)
 らんるに続き、アスカも嫌いビームによりジャンヌの幻覚に振り回され、戦闘不能に。そこに、「仲間に会いたい」という卵の声に 導かれてやってきた次郎、それに気付いた幸人は彼を戦闘から遠ざけようとして、嫌いビームを浴びてしまう。
 相変わらず子供に優しい幸人さん、それがダンディズム。
 幻覚の中で般若の面に追われる幸人。錯乱した幸人は少年とともに排ガスキャノンを浴び、いよいよ大ピンチとなるアバレンジャー であったが、ひとり凌駕が嫌いビームを気合いで跳ね返し、トリノイドは撤退。
 鬼の幻覚に惑い、少年を守りきれなかった自分に憤る幸人は、犬猿の仲である父親の経営する会社へと向かう。幸人の父、三条総一郎は 日本屈指の企業・三条コーポレーションの社長であり、経済界にその名を鳴り響かせる立志伝中の人物であったが、「人の心も金で買える」 と言ってはばからない、金至上主義者でもあった。
 音信不通から数年ぶりの再会だという父親に、札束満載のトランクを叩きつける幸人。
 「生まれた時から中学の時まであんたが俺に使った金だ。そっくりあんたに返してやる」
 「体をいじくりまわしたついで法外にふっかけて得た金だろう」と返す父に、「少なくとも俺は、あんたみたいに人の心を金で買った 事はない」と言い捨て、社長室を出ていく幸人は、再び出現したシャークルマーガレットの嫌いビームに自信満々で挑むが……やはり鬼の 幻覚――父の社長室に飾られている般若の面――に錯乱状態に陥る。
 幸人の暴走により大ピンチに陥るアバレンジャーであったが……「サメはどこで活躍するの?」とリジェの ツッコミを受けたミケラが新技を思いついてその習得の為に一時撤退。そして病院では、排ガスキャノンを浴びた人達の容態が急変し、 苦しみだしていた……。
 まさかのアバレンジャー大苦戦&前後編。
 しかしこれ、三条父的にはいきなりわけのわからない逆切れをくらった感じのような。
 なんだかんだで父が職業チェックしているのは、次回への伏線になるのかな?

◆第16話「乗ってけ! アバレサーフィン」◆ (監督:坂本太郎 脚本:前川淳)
 らんるに朝食で納豆を克服させようとする恐竜やの面々。一方、帰宅しなかった幸人について、
 「幸人さんなら、ずっとあの少年の病院にいるケラ」
 ……トリケラのストーカーっぷりよ。
 普通の通信機と違って、人格を持った生物に全て筒抜けなのは凄く嫌だなぁ(^^;
 一方、爆竜の卵を探すジャンヌさんは、再び京都で出てきた白い少女の「まだ、続けるの?」という幻覚?を見る。こちらは相変わらず、 現時点では全く不明。
 病院を訪れた凌駕に、父との確執、自分の過去を語る幸人。
 三条コーポレーションの社長御曹司として帝王学を叩き込まれてきた幸人は、子供の頃から一日10時間の英才教育、父親の仕事に 同伴、挙げ句の果てには、中学の時に彼女といちゃいちゃいしていたら彼女を金で 引っ越しさせられていた!
 ……某浅見グループより凄いかもしれない(笑)
 というか、『タイムレンジャー』の時にタツヤの過去ネタで、「浅見家直属別れさせ部隊がいたかも」と洒落で書いたら、三条家は 直属どころか、社長自ら別れさせていました。
 「所詮この世は金が全て。人の心も金で買えるのだ」
 「俺の人生まで、金で買えると思うなぁ!」
 かくて幸人は中学生にして家出をし、その後は父親とは縁を切って生活してきたのであった。
 幸人の話を聞いた凌駕は三条社長の下へ行き、お金を返して貰うと、それを幸人に渡す。
 「もしかしたら鬼ってお父さんじゃ無いんじゃないですか?」
 金で父親と縁を切ろうとした幸人の行為はかつて父親が幸人と彼女を別れさせたのと同じ事ではないのか? 凌駕に諭された幸人は 自分が嫌っていたもの、それは父の幻影を引きずる自分自身である事に気づき、パワーアップして姿を現したシャークルマーガレットの 幻覚攻撃を今度こそ打ち破る!
 巨大化したシャークルマーガレットと戦うアバレンオーだが、水しぶき攻撃に融合が強制解除。そして街に迫る大津波。……その時、 排ガスキャノンの影響から快復した次郎が爆竜の卵を持って現れる。そこから生まれたのは、爆竜ステゴスライドン!  アバレンオースライドンへと爆竜コンバインしてスライドンを足下に敷いて海面を走るアバレンオーは、爆竜必殺スライダーアタックで シャークルマーガレットを撃破し、かくて街は救われるのであった。
 なお、凌駕に嫌いビームが通用しなかった理由は、舞ちゃん曰く、
 「りょうちゃんは、嫌いな人も嫌いな物もないからです」
 との事。
 ……良くも悪くも、バカ無双。
 幸人が自分自身を乗り越えたものの父との因縁は解決せず、凌駕と三条父の会話も無し。前者は先へと引っ張れるネタとはいえ、 後者は出来ればしっかり描いてほしかったところ。アバレンは話の大枠は綺麗だけど、中が詰め足りないのがどうも目立つ。

→〔まとめ3へ続く〕

(2012年10月26日)
(2019年10月26日 改訂)
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