■『爆竜戦隊アバレンジャー』感想まとめ1■


“アバレた数だけ 強くなれる
アバレた数だけ 優しさを知る”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『爆竜戦隊アバレンジャー』 感想の、まとめ1(1〜8話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・ 〔総括〕


◆第1話「アバレ恐竜大進撃!」◆ (監督:小中肇 脚本:荒川稔久)
 通常OP抜きで、異世界での戦闘シーンから始まるという、なかなか凝った入り。
 もうこの頃(2003年〜)には、こういう事できたのだなぁ。
 砂地を駆ける黒の戦士に向けて、主題歌とともに敵の攻撃が始まる所など、格好いい。そのまま、一通り、ブラックの能力見せ。 そして時空の割れ目に飛んでいく巨大要塞。
 場面変わって、現代日本の東京で暴れ回る巨大な恐竜達。
 とにかく金かけて夜間ロケして、意気込みが窺えます。
 いちいちそういう所に感心するのもあまり良くない癖ですが、『クウガ』の盛り上がりと熱量を消してはいけない、 と気合いの入った出来。
 特定の人間に聞こえる謎の声に導かれ、交差点で出会う、異世界の黒い戦士・アスカ、はっちゃけ気味の女子高生・笑里、 恐竜マニアの老人・竜之介。
 非常に都合良く無理のある展開なのですが、この3人が戦隊で戦ったら面白いなー(笑)と思わせるのがポイント。
 しかしブレスレットは受け取ったものの、笑里と竜之介は変身に失敗。爆竜の声を聞くだけのダイノガッツを持った二人だったが、 スーツを着用するには、肉体能力が足りないのであった。危機に陥る3人であったが、そこに現れる、函館から来た整体師と福岡から来た自転車乗り。 二人はそれぞれ青と黄色の戦士に変身し、トリケラトプスとプテラノドンが正気を取り戻す。 最後に残ったティラノサウルスも、病院で寝ていた青年が赤の戦士となる事で敵の洗脳を解き、揃い踏みする3人の爆竜戦士。
 彼等の戦いを観戦していた笑里が、「ユニット名決めた!」と、3人を「アバレンジャー」と名付ける、というのが、 物凄くポスト・クウガのリアリズム。
 伝説の鎧を身につけた侵略者エボリアンの戦士に苦戦するアバレンジャーだが、その時、3人のダイノガッツがスパーク。

 「怒る!」

 スーツが強化モードとなった3人は、荒ぶる肉弾攻撃で敵を圧倒、退ける。
 そしてそこに姿を見せる超巨大恐竜……。
 あらゆる説明を後回しにして、とにかく敵が来て破壊が起きて戦隊が揃って退ける、という極めて基本的な戦隊1話を金かけて丁寧に作りました、という構成。
 細かい所はさておき、街を破壊しまくる恐竜が味方になり、それでもティラノサウルスを止められない所で3人目の戦士が登場して揃い踏み、 敵幹部に苦戦した所で「怒る!」モード発動で撃退、と、非常にカタルシス的によく出来た作り。

◆第2話「誕生!アバレンオー」◆ (監督:小中肇 脚本:荒川稔久)
 超巨大恐竜は、アスカのパートナー、ブラキオであった。移動要塞であるブラキオは3体の爆竜を格納し、アスカ達はとりあえず、 竜之介の経営するレストラン、「恐竜や」で話し合う事に。
 かつて隕石の衝突による時空の断烈で、二つにわかれた地球、アナザアースとダイノアース。ダイノアースでは恐竜が生き残って爆竜へと 進化し、人類のパートナーに。だがそこに侵略者集団エボリアンが出現。エボリアンは爆竜達 を奪うと、次の侵略目標をアナザアースと定め、行動を開始。それを追ってきたアスカは、爆竜と通じ合うダイノガッツの持ち主を探し、 今ここに爆竜の声を聞ける5人が集ったのであった。
 と、アスカさんによる設定の説明。
 これからエボリアンと戦おう、と息上がる面々だが、一人、それに賛同しない青担当。
 自称年収4億の彼は、命を賭けて戦う対価としてそれを払えるかとアスカに迫り、アスカが言葉を 濁すと、ブレスレットを外して去っていく。
 ひねポジションで一時離脱した青ですが、通りすがりに潰れた家の外でごそごそしている子供の姿を見て車停める時点で、 言い訳のしようがなく物凄くいい人。
 もう駄目だ。
 エボリアンの空中要塞が街を攻撃、伝説の鎧男の攻撃で赤と黄が苦戦する所に、戻ってくる青。名乗り上げとともに3人揃い踏みし、 合体武器攻撃で伝説の鎧男を撃退。そして爆竜と3人が融合し、アバレンオーに爆竜合体。赤の無茶な作戦が功を奏し、空中要塞の弱点 である上部を攻撃し、撃破に成功するのであった。
 弱点である上空からの攻撃の為に爆竜合体を勧めておいて、爆竜合体したら「合体しても羽は生えません」とのたまうアスカさん(笑)
 むしろ、合体したら羽が無くなった気がする。
 貴方どうやって、爆竜合体から上空への攻撃に繋げるつもりでしたか。
 現状アドバイザー的ポジションながら、アスカさんはあまり深く考えてなさそうなのですが、まあもともとは単騎特攻ひゃっはータイプ の戦士っぽいから仕方ないか。
 竜之介さんもただのカレーポジションぽいので、この監督不在ユニットの行く末は色々と心配です。
 あと、1話で近所の一家に娘?を預けたまま、超放置プレイ中の赤。
 全体的に、自由人すぎる(笑)
 アスカが青の人にどんなにかかっても4億を必ず払う事を約束し、名乗り合う赤、青、黄。
 一方、エボリアンの本拠地では、伝説の鎧の人が、赤い女の人にずんばらりん。そして一人の少女が目覚めていた……。
 ……あれ、鎧の人、わざわざ中の顔出しまでしたのに、これでリタイア……?(^^;
 構造的には非常にオーソドックスな1話・2話ながら、赤が子持ちで丁寧語で素性が一番不明、変身能力を失った異世界人の黒、敵の 大ボス?が少女、など、中の人物配置で色々とお約束外しを試みており、ここからどう転がしていくか期待。

◆第3話「子連れヒーローアバレ系」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久)
 凄く面白い、というわけではないのだけど、実は00年代の戦隊ってきちっと最後まで見た事がないので、付き合ってみようと思います。
 とりあえず、OPで思わせぶりなアスカさんとジャンヌさんの関係次第で物凄くテンションとモチベーションが 変化するので、その辺り、よろしくお願いします(私は荒川稔久を信じている!)。
 メンバー、恐竜やに引っ越し中。
 舞ちゃんと凌駕の関係が、凌駕の兄夫婦の忘れ形見である、姪っ子だと判明。
 そんな舞ちゃんの保育園の父親参観に向かう凌駕だったが、トリノイドが出現。必ず戻ってくると約束して保育園を離れる凌駕に、 「子供にとって親との約束は絶対だ」から、きちんと約束を守れ、と声をかけてくるティラノ。実はティラノにも子供が居たが、 ダイノアースのエボリアンとの戦いで死亡したのだという。
 今回は、爆竜のキャラ立てもしつつ、赤と舞ちゃんの親子話。戦いへ行く赤→保育園へ戻る赤→再び戦いへ行く赤→腹を立てて保育園を 飛び出してしまう舞、と、赤から見た物わかりのいい舞と、本当は寂しい舞、というのを対比させつつ展開したのですが、どたばたした 割には最後、「ティラノが遊んでくれたから許してあげる」と……それでいいのか?
 凌駕話というより、むしろ、ティラノ話(笑)
 なんだかんだで行方不明になった舞ちゃん探しに普通に参加している幸人さんは、いい人すぎて、もう駄目だ。
 あと、変身しないで敵一般兵を普通にしばき倒すアスカさん熱いなー。
 誰か早く、アスカさんに私服をあてがってあげてください。

◆第4話「完成!秘密アバレ基地」◆ (監督:諸田敏 脚本:荒川稔久)
 いきなり2023年、過去に思いを馳せるノーベル賞科学者……彼にきっかけを与えてくれたのは、20年前のある女性との出会いで あった……とらんる話。
 アスカさん、待望の私服を入手
 お約束のヒーロー衣装(各色ジャケット)は、「恐竜やの制服」という設定で理由付けをしてきました。
 気に入らない、と一度は脱ごうとするが、舞ちゃんに見とがめられて、やっぱり着直す幸人さん。
 本当にもう駄目だ
 そして恐竜やが大改装で、カウンターの奥にモニターや通信設備を整えられ、秘密基地化。てっきり竜之介さんがハッスルしてしまった のかと思ったのですが、提案者は幸人。トリノイドの動きを掴むべく、「国内のあらゆる監視カメラと連動」って、幸人さん何者 ……。
 にしても、店の上に4人+舞ちゃんを住まわせたり、明らかに店は趣味でやっている感だったり、介さんは引退して趣味に生きている 資産家で、特技:《土地転がし》《先物取引》《株式売買》とかだったりするのでしょーか……と思ったのだけど、むしろスポンサーは、 年収4億の男の方か?
 便利だ、年収4億。
 脱税とかしていないか不安になるけど。
 あと多分、幸人がスポンサー=アスカの借金が増える。
 話は、冒頭登場の科学者の少年時代と、らんるの交流話。失敗する事を恐れ、何をやっても駄目駄目な勇気と自身の無い少年は、 らんるの言葉を受けて、失敗してもくじけない勇気を手に入れる……という筋で、らんるの言葉を受けて恐竜やへと走る少年が、いつも 脅えて飛べなかった池の上(材木置き場?)を飛ぼうとして、落ちる、というのがいい。
 言葉で手に入れた勇気で飛べてしまうのではなく、飛ぼうとして落ちる、しかしそこから這い上がる、というのが良かった所。
 そしてらんるが思いつき、少年に託した情報を元に、アバレンジャーがスナイパー怪人を大逆転。従来作のバイク的なアイテムにも、 爆竜を持ってきた、というのは面白い。
 巨大ロボ戦ではアバレンジャーは怪人を瞬殺するが、怪人は最後の力でらんるを狙撃。弾丸を受けたらんるはアバレンオーの肩から 落下して……クライマックスの前にED、と、本作以外にも何作かでやっていたかと思いますが、この、“オチはEDの後で”演出は、 どういう都合で始めたのかわかりませんが、基本的には演出のテンポが非常に悪くなってよろしくない。
 ED明け、地面に横たわるらんるに涙する凌駕……だが、不意に目を開く、らんる。“趣味で着込んでいた防弾チョッキ”のお陰で、 大丈夫だったのだ! ……て、問題は、狙撃ダメージよりむしろ、

 落下ダメージだったような。

 なんでもマニアキャラ(現時点で、自転車、自動車、恐竜、鉄道、通信、武器)のギャグではあるのですが、ちょっとやりすぎた感。 あと上記の番組構成上の都合により、やはり、テンポが悪い。
 3話、4話と見る限り、どうも毎回、敵の攻撃を分析して反撃する、というネタを入れていきたいみたいですが、分析が役にたっている 感じが今ひとつしないのは、ちょっと残念なところ。
 怪人が奇抜でも、戦隊側が結局パワープレイでマウントポジションでタコ殴り、みたいな部分にメスを入れたい気配が窺えますが、 今のところは、空回りか。徐々にうまく転がっていく事に期待。
 余談。途中でらんるに「せからしか」という台詞があるのですが、2話では凌駕が「えらい」(中部弁の「疲れる、辛い」)って凄く さらっと言っていて、相変わらず荒川稔久は、方言ネタが好きらしい。

◆第5話「アバレ治療!ジャジャジャジャーン」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久)
 謎の失踪扱いになっているカリスマ整体師。
 父さん母さん、立派なフリーターになりました。というかこの人はどうして、律儀に「恐竜や」を手伝っているのか(答:いい人だから)。 整体師の治療費はいつもニコニコ現金払いみたいですが、秘密基地作るのに手持ちの現金使いすぎた?
 そんな「恐竜や」で、アバレピンクを目指し、筋トレに励むエミポン。
 首を痛めた介さんの具合を見た幸人は、その凝り方から「他にも仕事をしているか?」と見抜くが、笑って誤魔化す介さん。そんな介 さんは幸人に首を治してもらった後、「2,3週間留守にする」と店を放置して出かけてしまう。
 やっぱり、土地とか株とか大豆とか転がしているのか? まあ、土地とか株とか大豆とか転がすなら自宅でも出来そうなので、 あの風体と外出期間から想像するに、古本の背取りとか、していそうな気もする。
 或いは、あの大きな鞄の中身は愛銃のレミントンカスタムで、凄腕のスナイパーとか、それでも可。
 凌駕も子連れの割りに前職不明だし、らんるは存在が怪しげだし、アスカさんは街中で剣を振り回すし、あれ、「恐竜や」、もしかして 結構、怪人の巣窟…………?
 学校に遅れそうになったエミポンをサイドカーで駅まで送った(紫蘇町駅とか無駄に細かい)幸人は、男達に囲まれる。それは、 かつて幸人が治療したF4レーサー・本多さやかの使いだった。レース中の事故でマヒした足を幸人は完全に治療した筈だが、その足が また動かなくなったのだという。治療は完璧、もう一度治療してほしいなら金を払え、と幸人は出ていこうとするが、そこに巨大怪獣出現 の報が入る……!
 エボリアンの新たな侵略モンスター、ギガノイドが登場。
 敵幹部の作曲家の方が作るこちらは、いきなり巨大。
 ロックオンした対象にサイコロを投げつける事で、出た目の場所に転移させる?という能力持ちで街で大暴れ。
 幸人はさやかの前でアバレブルーに変身すると、現場に駆けつける……いきなり躊躇い無く一般人の前で変身しましたが、あまり そういう事は気にしないスタンスなのか、アバレンジャー?
 サイコロの直撃を受けたブラキオが爆竜出撃の為のハッチを開けなくなり、アバレンオーを使えないアバレンジャーはピンチに陥るが、 ギガノイド「運命」は仕掛け時計の時報の音を気にして、それを破壊すると一時撤退する。3人だけに戦いを任せている心苦しさに、 爆竜の卵を探しに一人出ていくアスカ。ブラキオの状態をモニターした幸人は、サイコロの直撃で首の骨が歪んだ結果ハッチが 開かなくなった事を見て取り、「二人分の治療をする」と恐竜やを出ていく。
 ダイノガッツにより爆竜捜索中に、遂にジャンヌさんとニアミスするアスカだが、直接の接触はなし。そこへ1・2話で登場した伝説の 鎧が襲いかかり、助けに入る赤と黄。圧倒的な剣技で赤と黄を追い詰める伝説の鎧だったが、突然苦しみだして撤退。そしてアスカは、 爆竜の卵の回収に成功する。
 一方、幸人はさやかとその愛車を強奪。彼女を助手席に乗せて走り出すと、街に出現したギガノイド「運命」を、録音した仕掛け時計の 音で引きつけながら疾走する。
 「おまえ確か、レモン色が好きだったな」
 「え?」
 「たった今おまえは、アバレモンに決まった」
 幸人さん、見た目そんなに好きではないのですが、キャラクターは圧倒的に面白いなぁ(笑)  だが逃走中、障害物に突っ込んだ幸人は足を負傷。さやかを無理矢理に運転席につけると、足が動かないと言う彼女に、恐怖心を 振り払って本能のままに走れ、と諭す。ギガノイドの巨体が車を踏みつぶす寸前、さやかはアクセルを踏み込み、間一髪で走り出す車。 彼女の足は確かに完治していた……だが、事故の恐怖心を乗り越えられずにいただけだったのだ! とここはベタな荒療治。
 個人的には実は、治療中に幸人さんにときめいたさやかさんが、足が動かなくなったと偽って幸人を呼びつけたパターンに違いないと 勝手に物語を捏造していたので、本当に心的外傷だったのかとビックリしました(笑)
 さやかの運転で港にひきつけられたギガノイドに絡まるワイヤー。そしてその一方の端には、なんとブラキオ。
 敵巨大メカの動きで、恐竜の首を整体するという、素晴らしく馬鹿馬鹿しいネタ。
 さやかの足、ブラキオの首、二つの整体を鮮やかにやってのけた幸人はアバレブルーに変身するとトリケラバンカーで治療の最後の 仕上げ(ツボ刺激?)。アスカ達も合流し、アバレンオーでギガノイドを撃破するのであった。
 巨大ワイヤーの用意に関して、「アメリカ国防総省のお偉いさんにちょっとした借り」があると理由付けしたのは、無理にしなくても 良かったかなぁ……理由付けをしようという姿勢自体は悪くないですが、理由そのものが適当すぎるというか、その調子でやると既に 充分便利キャラな幸人があまりに便利キャラになりすぎるので。
 ただ、ビルの上から顔を出したアメリカさん風3人組が無言でサムズアップ、というシーンは面白かったです。
 話としては、ここまでで一番面白かったです。最初から巨大、という敵を出した上で、その巨大さをいかしたブラキオ整体ネタ、に繋げた 馬鹿馬鹿しさはお見事。最初から巨大メカ、という扱いの難しいネタを用いながらそこにがっちりドラマを組み込んでくる辺りもさすが。
 そして2話にして、もはやひねキャラでも何でもなくなっていた幸人さんが、いい人街道驀進中。
 というかこのパーティは、純然たるいい人、が多い。まあ全員、社会的に自由すぎる感じなので、 その辺りのバランスという面もあるのでしょうが。すっかり「恐竜や」のバイトに収まっているけど、らんるはともかく、凌駕なんて 子持ちの癖に前職の気配が全く無いしなぁ。本当に何して暮らしていたんだ、凌駕。

◆第6話「アバレアイドル老け娘」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:浦沢義雄)
 凌駕が大ファンだというアイドル、リリアンと元同期、実はかつてアイドルをしていた、とらんるが爆弾発言。サインが欲しいという 凌駕を連れてTV局へ向かうが、そこをトリノイド・ザクロバキュームが襲撃。巻き込まれたリリアンは、若さのエネルギーを吸われ 老婆と化してしまう。
 「こりゃ面白い。作戦変更だ。アナザアース中の娘から若さをバキュームして、老け娘だらけにしてやる」
 え……なぜ、女性限定……?
 熟女専……?(おぃ)
 ザクロバキュームは街へと駆けだしていき、とりあえずリリアンを恐竜やへ連れて変える凌駕とらんるだが、老婆になった自分に ショックを受けたリリアンは、「あたしは生ゴミよー」と叫びながらゴミ清掃車に突撃をかけ、平手打ちでそれを止めるらんる。
 物凄く困る、清掃局の人達。
 一方その頃、前回入手した爆竜の卵を抱えながら、河原で黄昏れていたアスカはおもむろにハーモニカを吹き出した所を、伝説の鎧に 襲撃され、慌てて逃げまどう羽目に。
 大量の若さエネルギーを吸い取ってパワーアップしたザクロバキュームに苦戦する赤と青。
 合間にエヴォリアンの本拠のシーンを挿入して軽いコメディを挟むのは、いかにも浦沢脚本といった感じ。
 自分を心配して恐竜やへ残ったらんるの姿に、彼女がただアイドルを辞めたのではない事を知ったリリアンは、「恐竜のようなスター になる」と空元気ながらも立ち上がり、その姿へ、戦いの場へ赴く黄。3人揃ったアバレンジャーはザクロバキュームを撃破し、吸い 取られた若さは無事に人々の元に戻るのであった……。
 最後は、爆竜達もリリアンにサインを貰って、大団円。
 ……
 …………
 ………………ん?
 その頃、すっかり存在を忘れられていたアスカさんは、長石階段で鎧に追い詰められていた。
 ……あー、ごめんなさい、私も忘れていました。
 危うしアスカ! という所で、次回へ続く。
 んー、リリアンとらんるの過去の因縁が有りそうでさして無く、リリアンの立ち直り方も友情とかあまり関係ないので、この二人を 同期アイドル、とかにする必要性が全く無かったような。単なる導入の為の設定だけになってしまい、残念。

◆第7話「アバレ赤ちゃん爆竜」◆ (監督:小中肇 脚本:荒川稔久)
 アスカにとどめさを刺す寸前、また勝手に苦しみだして撤退する鎧。
 どうやら、鎧に拒否られているらしい。
 一方、鎧の下のジャンヌの顔を見たアスカは、ロケットに入った瓜二つの女の写真を見ながら「似ていた……」と呟く、と、何やら 訳有りの様子。
 エボリアンでは、新トリノイド、磁石+シャクナゲ+ゲンゴロウで、ジシャクナゲンゴロウが、誕生。
 ……長。
 一方、凌駕のダイノガッツを受けて爆竜の卵が孵化し、中から新たな爆竜、バキケロナグルスが、誕生。
 ……長。
 未だにエボリアンの着ぐるみ幹部2体の名前も覚えられないのに!
 そして卵の中にあったエネルギーで、アスカの変身キーが直り、アバレブラック復活の予兆。
 街に現れたジシャクナゲンゴロウは、磁力の反発作用によって様々なものを吹き飛ばし、アバレンジャー3人も、 大気圏外まで放り出されてしまう。結果、黄はオーストラリア、青はロシア(ロシア語会話が出来る事が判明)、 赤は名古屋(生まれ故郷である事が判明)に着地し、黄と青を急いでプテラが回収しにいく羽目になる。
 また名古屋かはもう荒川稔久のお約束として生暖かく放置するとして、スタッフはなにか ロシアに恨みでもあるのでしょうか。路地裏で酔っぱらいが潰れていて「ペレストロイカ万歳!」っ て叫ぶとか、なにあの、悪意のあるロシア(笑)
 3人の代わりに出撃したアスカの前に、伝説の鎧の着用方法を聞き出す為に姿を見せるジャンヌ。
 正面から見たその姿は間違いなく……
 「やっぱり、マホロ」
 「そういえば、そんな名だったわ、私がこの世から消した女は」
 「マホロを殺して、体を乗っ取ったというのか」
 怒りのアスカから、頬の爪を触れ合わすと記憶を読める竜人族の特性により、鎧に関する知識を引き出すジャンヌ。アバレブラックに 変身したアスカだが、ざっくりと撃退されてしまう。名古屋からヒッチハイクで戻ってきた凌駕とともに戦うアスカだが、 どうしたわけか、かつてのような力が出せず、メンバーから足手まとい扱い。
 ジシャクナゲンゴロウはプテラが回収してきた青と黄の合流により撃破に成功するが、アスカはひたすら落ち込むのであった。
 凌駕、アラスカで銛を使って鮭を捕った事があるのが発覚。
 ますます何者なのか。
 そしてジャンヌさんは、ここまでほぼ一言芝居だったので嫌な予感はしていましたが…………早くこなれてくるといいですね。

◆第8話「アバレブラックこの1発」◆ (監督:小中肇 脚本:荒川稔久)
 問題のアスカとジャンヌ(マホロ)の関係は、エミポンの台詞より「元恋人」と判明。なぜかアスカから直接の言及は無いのですが、 アスカがくどくど説明するよりは、事情を聞いたエミポンの台詞にまとめた方が無難、という判断か。
 ひたすら黄昏中のアスカさんは、子供達に大人気の銀河のヒーロー、ギャラクシアンイグレックの癒しビームを真似た舞ちゃんの励まし も邪険に扱うという深刻なレベル。
 基本、武力一本槍のひゃっはー系だから、逆境に弱いなぁ。
 そんな時、ギガノイドが出現。幸人は冷たく「3人でいい」とアスカを拒否り、前回に続き、腰は低いもなんだかんだで「残っていて ください」という凌駕が酷い(笑) 姿を見せたギガノイドは、以前に倒した筈の第1番「運命」。首をひねりつつもアバレンオーの到着 を待つ3人の前に、空を走る光が!

 ……あれは何だ?
 鳥か?
 爆竜か?
 ――いや、ギャラクシアンイグレックだ!!

 ギガノイドの前に降り立ったのは、黄金に輝く巨人(派手なウルトラマン的な存在と思いねえ)、銀河のヒーロー、ギャラクシアン イグレックだった! イグレックは円○プロに怒られそうな派手な立ち回りの末、子供達の声援を受けて、ギガノイドを撃退。再び 飛び去っていく。
 当然怪しむ幸人だが、その他のメンバーは、いい宇宙人に違いない、と安穏とイグレットの存在を受け入れ、TVニュースも好意的。 用心の為にイグレックの後を追ったプテラも、次々とイグレットの善意の活動を目撃し、ビルにサインを入れて喜ばれるイグレックの姿も 報道される。
 巨大恐竜とか巨大怪獣に次々に襲われた為に、皆、何かにマヒしてしまっている模様。
 ……だが、勿論、イグレックの正体はM7○星雲から来た光の巨人などではなく、エボリアンのギガノイド第2番「英雄」であった。
 1番、2番とクラシックタイトルからの名付けになっていますが、これはいいネーミング。ここまでのところベートーベンに偏って いますが、そうすると次は…………「田園」? オフィス街を農地に変えていくギガノイド「田園」! 意外と脅威な気もしてきた。
 その夜、舞ちゃんの耳に響くイグレックの声。良い子のみんなに、日曜の朝に会おうと約束するイグレック。そしてその足下で不敵に 笑うジャンヌ。深夜にエボリアンの反応を見て現場へ駆けつけたアスカだが、ジャンヌにぼこぼこにされる。
 ここ数話のアスカさんは、ゴミクズのよう。
 そして約束の朝、子供達の前に現れたイグレックは、「手を使わずにあのビルを持ち上げてみせよう」とビルを持ち上げ、 破壊。更にガスタンクを持ち上げ、破壊。とギガノイドの本性を 現して大暴れ。慌てて出撃したアバレンオーもイグレットの前に苦戦に陥る……ここまで圧倒的だったアバレンオーが急に苦戦する理由付けは、演出上で 欲しかった所。単純にイグレットが強い、でもいいのですが、もうちょっと絵で表現してほしかったなぁ。
 姿を見せたジャンヌは、伝説の鎧を着こなす力を得る為に、子供達の哀しみの心と、絶望の涙を吸い集める。今回の迂遠な作戦は、 それが目的だったのだ!
 その光景をモニターで見ながら、立ち上がる事の出来ない、どん底状態のアスカ。だが、ブラキオの説得、そしてバキケロナグルスの 励ましを受け、自分が憎しみの心だけに囚われていた事に気付く。
 「マホロ、おまえの事は忘れない。だが今は、お前のためには戦わない!」
 戦士の心を取り戻したアスカに甦る正義のダイノガッツ、今ここに“無敵の竜人魂”アバレブラック、 完全復活! 圧倒的な力で一般兵を蹴散らすと、敵とはいえ元彼女の顔をした相手に、思い切りフライングクロス チョップ。
 更に荒ぶるダイノガッツの赴くままに、もう巨大化してしまえば、という勢いの必殺技乱舞で、まさかのギガノイド「英雄」撃破。
 子供達の目の前で、イグレックを残酷に灼き尽くしました。
 こうして、TVを通して全国の良い子達の心に、一生消えないトラウマを刻んだアバレブラックであった。
 ……あー、この世界の、『ギャラクシアンイグレック』の制作関係者への二次被害は深刻そうで、涙が止まらないレベル。
 結局、アバレブラックは、ダイノガッツが憎しみの心で曇っていたので本領発揮できなかった、という事でいいのでしょうか。 吹っ切れたら、アバレンオーより強い、という事が判明してしまいましたが(笑)
 色々と深刻な爪痕を残したものの(子供達のドリームとか、バン○イの経営とか)、ギガノイド第2番は撃退された…… 爆竜バキケロナグルスも人間大に成長し、喜びに沸き返る恐竜や。だが一方で、戦闘後、気絶するように眠ったアスカがそのまま滾々と 眠り続けて目を醒まさない、という事態に陥ってしまう。果たして、アスカの身に何が起きているのか?!
 次回予告を見る限り、凌駕の前職は、冒険者

→〔まとめ2へ続く〕

(2012年10月26日)
(2019年10月26日 改訂)
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