- ◆第25話「ペットがいない!ラーメン小母さん大奮戦」◆ (監督:岡本明久 脚本:高久進)
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山地家の飼い犬、クロが失踪。
そしてすっかり忘れ去っていたヘンリー学珍が再登場。
……続発するペット誘拐事件を占っただけで、特に深く話には関わりませんでしたが(^^;
最終的に、世界忍者・占忍ヘンリー、とかだったら面白いんだけどなぁ。
クロを探す山地兄妹は、数多くのペットと一緒にラーメン屋台を引くおばさん・カヨと出会う。聞くとおばさんは、
捨てられていたペットを可哀想だとついつい拾ってはアパートで飼っている内に、アパートを追い出されてしまったのだという。
そんなおばさんを道場に連れて行き、「ペットが飼える所が見つかるまでうちにどうぞ」と迎え入れる山地家。
……ク、クロは?!
この後の展開も見ると、どうにもクロを真面目に探しているのは学だけです。
まあ更に後まで含めて考えると、どうも闘破もケイも、クロなら日本アルプスの山中に一匹で置き去りにしても
熊を倒して帰ってくるぐらいの扱いっぽいですが。
山地家にお世話になる事になったおばさんは、家事を担当。
山地闘破、25話にして、炊事洗濯掃除から解放される。
「オヤジ、奥さんもらったら?」
「ば、ばかな事をいうな!」
という会話は好き。
日常シーンでちょっと哲山が慌てたりすると面白い、というのは今作の非常に良い所。どうして誰よりも父さんがキャラ立っているのか、
というのは無くも無いですが(笑)
こうやってじわじわと亡き妻のネタに触れておけば、後に物語に絡んだ時に(絡まない事はないと思うのですが……)
唐突さや不自然さが無くなりますし。
そしてまたおばさんは、学にとって、ほとんど覚えていない母親の温もりを感じさせる存在となるのであった。
そんなおばさんは、実は行方不明の夫を探していた。夫はアパートを追い出された際に、「動物の飼える土地を探しに行く」といって、
そのまま行方不明になってしまったという、困った社会不適格者。
一方、ペット行方不明事件は収まる気配を見せず、マンション中のペットが行方不明になったという話を聞いた山地兄妹&おばさんは、
再び本格的なペットの捜索に乗り出す。
その最中、闘破に襲いかかる黒い影!
姿を見せたのは世界忍者・獣忍マクンバの兄!
の兄!
まさかこのネタを、かぶせてくるとは思いませんでした(笑)
しかもまた、テロップで堂々と、「獣忍マクンバの兄」扱い。
おそらく、一部の忍者一族は、正統後継者のみが世界忍者名を名乗れて、他の親族は皆、「○○の○○」扱いという、
厳しいルールをもって、上下関係を徹底するとか、そういう掟があるのでしょう。NINJAの世界は厳しいのだ。
「俺は、弟の仇を討つために日本に来た!」
「おまえもアフリカの密猟者か!」
「だったらどうした」
(中略)
「卑劣な密猟者は倒す!」
密猟者=卑劣=殺害認可
恐るべし、高久理論。
NINJAの世界は厳しいのだ。
密漁どころか動物の頭を吹っ飛ばしそうな威力のショットガンをふるう「の兄」をジライヤは撃退するが、「の兄」は
「ジライヤ……ダダがおまえを倒す!」
と言い残して姿を消す。
その頃、別行動をしていたケイ&学&おばさんは、クロと再会。クロは実は、ペット行方不明事件をに関係していると思われる、
怪しい人物を追っていたのだ。
「学ちゃん、犬の言葉がわかるの?」
「クロは忍者犬なのよ」
クロ、山地一家とかなり詳細に意思疎通が出来る事が発覚。凄いぞ忍者犬。
ところがクロを追う3人が見た動物誘拐の犯人は……おばさんの失踪した夫だった。車で逃げ出した夫は、
「の兄」が潜む洞穴へと逃げ戻る。そこでは妖魔一族の協力を得た「の兄」が集めた動物たちに悲鳴をあげさせる事で、
原始アフリカの邪神ダダの力を目覚めさせ、儀式により弟マクンバの魂を復活させていた!
父さんの解説を受け、動物達の解放とダダ像の破壊を目指す闘破達。
ジライヤは、毒斎・の兄・亡霊マクンバに囲まれ大ピンチ。恵美破達も妖魔一族に行く手を阻まれるが、その時、
毒斎に金で雇われマクンバ復活シーンを見て気絶して倒れていた夫の姿を目にしたおばさんに、呼びかける声。
――力が欲しいか?
暴力はいいぞォォ!
おばさん、殺意の波動に覚醒。必殺の太極拳でカラス天狗を瞬殺すると、
ラーメン忍法によって紅牙と烈牙を足止めし、その間に学が石像を破壊、亡霊マクンバは消滅する。
珍しく恵美破を追い詰めた紅牙と烈牙だが、クロを筆頭に解放された犬の攻撃を受け、撤退。クロはジライヤの元にも駆けつけ、
クロに気を取られた隙に銃を取り落とした「の兄」は、磁光真空剣・真っ向両断のサビとなる。
こうして「の兄」の復讐は失敗に終わり、夫を見つけたおばさんは、哲山に広大な土地持ちの弟子を紹介され、
夫と共に引っ越していくのであった……。
まさかのクロ主役回に、学を中心に母子の物語もプラス。
内容は色々とすっ飛ばしすぎでしたが、描かれた要素は面白い回でした。
あと実は、前々回のド派手な活躍、前回の出ても良いのに出番なし(冒頭に、「行川で怪しい動きが……」とか哲山に言わせておけば
導入の不自然さは多少減った筈)、という流れに、もしかして何かの事情で哲山しばらくお休み? という危惧を抱いていたのですが、
普通に出番があって良かった哲山。やはり今作は、哲山が居なくては締まりません。
- ◆第26話「おしゃれと危険!ケイと恵美破」◆ (監督:岡本明久 脚本:藤井邦夫)
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忍者刀を封印し、抜け忍として姿を消した紙忍・折破とその恋人・かすみ。雇われ管理人として山中湖のペンションに落ち着いた
二人から「遊びに来て」という手紙が届き、ホテルのプールでウェイターのバイト中の闘破を置いて、ケイと学の二人は山中湖へ。
観光回……というよりケイちゃんコスプレ祭り。
サブタイトルも、時々流れる、ケイのテーマソングより。
女子高生でもNINJAの世界は厳しいのだ。
楽しく夏休みを満喫する二人は、ウサギを助けた青年が絡まれている現場に出くわす。
空き缶をぶつけたウサギに対して、
「うまそうだとは思うけど……可哀想だとは思わないな」
ウサギを一目見て出てくる感想が「うまそう」とは、ずいぶんワイルドなちんぴらです。
ケイと学はちんぴら達をあっさりと叩きのめすが、そこへ、青年を狙ってカラス天狗が姿を現す。戦闘の中で、
紅牙の毒の刃を受けてしまう恵美破。折り鶴の監視網で異変を察知した折破が駆けつけるがわずかに遅く、
恵美破と青年は吊り橋から川へと落下してしまう……。
青年の正体は、考古学研究者・矢坂慎太郎。伝説の竜宮城と思われる古代遺跡を発見し、その後に謎の失踪をしていた人物であった。
妖魔一族は竜宮城の遺跡にレジャーランドを建設しようとする開発会社の依頼を受け、竜宮城の場所を聞き出すべく矢坂を
追っていたのであった。
毒斎様が謎の翁面の男(開発会社の偉い人)にお茶を点てているのですが、門に<妖>の提灯ぶら下がっていたし、妖魔一族の本拠?
妖魔一族の本拠はどうやら、富士山近隣にあり!
そういえば以前にボードの偽情報で富士山の辺りを掘っていたし、パコの在処は富士山周辺ではないかという研究成果でもあるのかしらん。
かすみから恵美破が行方不明という連絡を受けた闘破は、山中湖へと向かう。そして折破は再びあてどない逃避行を続ける事になっても……
と忍者刀の封印を解き、紙忍としての力を解放するのであった。
折破は強いのですが、どうしても、やっぱり、紙おむつに見えます。
翌日……矢坂の煎じた薬草で毒から回復したケイは妖魔一族に襲われるが、折破によって助けられる。しかし、
かすみと学が人質にされてしまい、二人の命を助ける代わりに……と、投降する矢坂。矢坂が拘束され、
かすみと学が始末されそうになったその時、やってくるのは ズバッカー ブラックセイバー!
折破と恵美破はかすみと学を救い出し、更にジライヤ参上。
自ら仕込み杖を振り回す開発会社の偉い人!
開発会社のエージェント扱いかと思われるのですが、黒スーツ&覆面の男達が拳銃を撃ちまくって忍者と戦う、というのも変わった趣向。
忍者vs一般人(裏社会)って、それこそマクンバの回以来……か?
「毒斎! きさまの悪運も尽きたな!」
とうとう、悪運扱いされてしまう毒斎様だが、本日も磁光真空剣を身代わりの術で回避。
「ジライヤ! 勝負は預けた!」
と勝手に預金して帰っていくのであった。
……いやホント、ここまで頻繁にヒーローに叩きのめされる大ボス(???)、て斬新(笑) すっかり、
戦隊におけるへたれ幹部ポジションになってしまった、毒斎様の明日はどっちだ?!
出来れば“真の黒幕”とか出てこないで、毒斎様には最後までラスボスポジションを貫いてほしいなぁ。
或いは、“宇宙的巨悪”が登場して、共闘展開なら、愛される悪役として、それはそれで有り。
「ジライヤ、俺は忍びの、本当の戦いがわかったよ!」
えーと……悪・即・斬とか?
正直、何がわかったのかさっぱりわからなかったのですが、何かすっきりした折破によって開発会社の面々も降参し、
ここに竜宮城を巡るレジャー開発の陰謀は絶たれたのであった。矢坂は再び、未知なるものを探す為の旅へと出発。
別れ際に矢坂に何かを告げようとしたケイであったが、その言葉はバイクのエンジン音にかき消されてしまい、矢坂は走り去って行く。
「さよなら」
矢坂を見送るケイの横にならび、そっと言葉をかけるかすみ。
「……初恋?」
「うん」
……藤井さんは多分、これがやりたかっただけだな!(笑)
にしてもケイちゃん、とっぽそうだけどやる時はやる、みたいなタイプに弱いのね。
軽いエピソードが3話続きましたが(そして毒斎様の格と評判が加速をつけて下落した)、次回、危険な香りのする男が登場!
- ◆第27話「闘破の敵は磁雷矢」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:九鬼隆/小池剛)
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ケイちゃんの学級費の為に蕎麦屋でバイトに励む闘破めがけて迫る手裏剣。またも新たな敵なのか……
闘破はこれまでの数々の戦いを思い出す……と何故か、戦闘シーンの回想。
「今日は命がけのバイトだなぁ」
と出前に向かう闘破に、またも不意の攻撃。
「ボードを守るこの俺が、出前の蕎麦一つ守れないでどうする」
と華麗に宙返りでそれをかわす闘破だったが、出前先の玄関で三度目の攻撃、ムチに足を引っかけられて蕎麦をひっくり返してしまう。
「二度ある事は三度ある言うぞな。なめよったらいかんぞ」
そこへ姿を見せたのは、野性味溢れる謎の男(演:大葉健二!)。
闘破の攻撃をかわした男は姿を消し、蕎麦屋のバイトをクビになった闘破はすごすごと武神館へ帰るが……
なんと道場の中にジライヤの姿! ジライヤスーツを「勝手に拝借」していたのは、先ほど出会った謎の男。その名を、
伊予野二郎(いよ・やじろう)。四国から瀬戸大橋を渡って腕試しにきた、という野二郎は闘破にジライヤスーツを賭けた勝負を挑む。
ケイと学の見守る前で、野二郎に挑む闘破だが、圧倒的な運動力と体捌きの前に、なす術もなく敗北。
相手が悪い。仕方ない。
「約束じゃけん、ジライヤスーツと磁光真空剣は、土産にもろうて帰る」
…………え?
磁光真空剣については一言も触れていなかった気がするのですが。
遡って、問題の発言を確認してみました。
「もしワシが勝ったら……(中略)……このジライヤスーツは土産にもろうていくぞ」
触れてないっっッ!
一言も、触れてないっっッ!
恐るべし、これが忍者の詐術かッ。
ショック状態でまるめこまれた闘破だったが、スーツと刀を手に立ち去ろうとする野二郎に「もう一回だけチャンスをくれ」と頼み込み、
なんとか再戦の約定を取り付ける。とはいえ、野二郎は恐るべき強敵。思い悩むところへ「闘破、おまえは負けたのじゃ。
もはやジライヤの資格はない」と、不意に現れてダウン状態への追い打ちをかけるスパルタ哲山えげつない。
自室に引きこもった闘破を心配したケイと学……ケイは一冊の日記帳を闘破の前で広げてみせる。
「これは、勝利の日記でしょう」
闘破、几帳面に戦闘日記をつけていた事が判明。
しかも、予想外な達筆。
そういえば、家計簿もつけていました。
そこから、序盤の回想シーンへ。どうやら今回、半分総集編だった模様。
ジライヤとしてケイちゃんを助けた時の事を思い出す第1話の回想シーンでは、毒斎様が哲山を負傷させるという、
今では夢でも考えられないシーンが(笑)
……今思いついたのですが、1話の毒斎様こそ哲山と匹敵しうる真の毒斎様で、2話以降の毒斎様は何らかの理由で、
へたれな影武者にすり替わっているのかもしれない。これぞ、驚愕のお面トリック!
とか夢とか希望の成分を少し増してみたい。妖魔サイドに。
回想シーンのBGMはEDで、
「そうとも おれはジライヤ」
という歌詞のところで回想シーンから戻って闘破の顔のアップになるところは、演出としてはまりました。
続けて、学が磁光真空剣を奪われて、紅トカゲから取り戻す回……と回想シーンは続き、それぞれの回想ごとに別々の挿入歌をかける、
という回想&挿入歌祭り。こうして続けて並べると、『ジライヤ』の挿入歌は、なかなか格好いいものが多いです。
「しかし違う、何かが違う。……だが俺も男だ。野二郎にここまで虚仮にされて、おめおめ引き下がれん」
戦闘日記を手に 世界中の変態忍者 数々の戦いを思い返した闘破は、これまでの自分を乗り越えるべく、修行を決意。
「野二郎に勝つには自然に帰って野生の特訓、また特訓をするしかない」
古式にのっとり、山に籠もった闘破、自ら視覚と聴覚を封じて危険な特訓に励む……そして、対決の日が来た。
それぞれ木刀を構え、激突する闘破と野二郎。
仲間がいる 敵がいる 夢を取り合う ライバルたちも
一度負けた 悔しさは 次には勝つ 強さに変えろ
飛び越えろよ 昨日のお前を 明日は もっと広いのさ
ここで流れる、OP2番の歌詞が、激はまり。
山ごもりの成果を見せるも、野二郎の繰り出す多彩な忍術、鋭い体術に徐々に追い詰められていく闘破は、
このまま普通に戦っても勝てないと、特訓の時と同様に自ら視覚と聴覚を封じる捨て身の策に打って出、返し技を炸裂させる。
この一撃を受け、目隠ししている闘破が気付かぬうちに、こっそりとジライヤスーツを身につける野二郎。
真剣も抜いちゃう(おぃ)
気配の変化に野二郎がジライヤスーツを身につけた事に気付いた闘破、目隠しを斬られて目を開き、
振り下ろされる磁光真空剣に斬られる寸前、刀の間合いの内側に入って当て身を食らわせ、見事に磁光真空剣を取り返す。
「磁光真空剣!」
「待った!」
レーザー刀の輝きを見て、野二郎、降参。
野二郎に邪悪なものは感じなかったのか、あっさりと刀を納める闘破。
危うく、生身で生身を斬り捨ててしまう所でした。
連れだって道場に帰った二人を迎える山地一家。
哲山「野二郎くん、ありがとう」
野二郎「宗家」
そう、実は野二郎は元戸隠流一位の実力者であり、全ては、哲山の差し金だったのだ!
まあ、道場に入り込んでジライヤスーツを身につけていたり、いつの間にか磁光真空剣を持ち出している時点で哲山の関与は
(視聴者には)読めるわけですが、それにしても、山地哲山汚いえげつない。
野二郎が戸隠流の人間だと知ると、先の「どさくさ紛れに磁光真空剣もいただいていく話術」も、違った重みを持ってきます。
汚い、戸隠流、汚い。
真相がわかって和やかなラストシーンで、背後から打ちかかる学の不意打ちを鮮やかにかわしてみせ、
最後まで格好いい所を見せる野二郎。
敢えてビッグゲストを招く事で、その存在感の濃さにより“新規分は基本的には、ひたすら戦っていただけ”という事を感じさせずに
話の中身があったように見せる、という鮮やかな総集編(それほど回想シーンが長かったわけではないですが)。
回想への入り口という形で闘破と家族の繋がりを改めて描いたのも作品らしさを出せて良かったですし、なにより、
音楽の使い方が素晴らしかった。
実にいい、総集編でした。
こっそりと、主人公の変身なし、変身したのはゲストだけ、とお約束破りを入れているのも面白い。
「夏休み、遊びに行っていいぞなもし?」
次回、まさかのこのまま四国編?
……と思いきや海ではなく山へ向かうようですが、なんだろうこの、芸能系週刊誌みたいなサブタイトル(笑)
- ◆第28話「あぶない戸隠流・闘破は誰の子?」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
大物忍者T・Yに大スキャンダル?!
忍者界激震
旧友D氏、独占告白
みたいな。
闘破が養子である事は1話で明確に言及されておりますが。
というわけで、今回の舞台は、信州・戸隠村。
戸隠流忍法発祥の地であり、現在では信州ちびっこ忍者村や戸隠流忍法博物館などの施設がある観光地……
しかしそれはあくまで表向きのカモフラージュ。戸隠流の忍者達は、現代でも連綿と活動を続けているのである。
そんな戸隠村の長老(先代宗家)から急報を受け、「遂に来るべき時が来た」と闘破をともなって村へと向かう哲山。
ケイと学は 財政的都合で 妖魔一族から武神館を防衛する為、お留守番。
17年前――戸隠流忍者の血統に連なる千代という忍者が、甲州忍者で邪悪忍法の使い手、
杉谷悪之坊の襲撃を受け、千代と乳飲み子を守って、夫の半蔵は死亡。若き日の哲山(髭が無い! どうやらこちらが素顔の模様)
らが駆けつけて悪之坊は退くが、千代も既に致命傷を負って長くはなかった。
悪之坊が狙っていたのは、千代の一族が代々守り伝えてきた、大宇宙の秘宝パコへと繋がるボード。宗家の命で哲山は、ボードと、
千代の忘れ形見である子供を預けられ、男の子を養子にすると、忍びの道を叩き込む。
そう、それこそが山地闘破。
17年前、ボードを狙う杉谷悪之坊に殺された半蔵と千代の夫婦こそ、闘破の実の両親なのであった。
今再び、杉谷悪之坊が戸隠村周辺に姿を見せた。長老と哲山は17年前の出来事を闘破に伝えると共に、
母の形見として残されたガラガラと手鏡を闘破に渡すのであった。
と、そろそろ半分だしみたいな勢いで、いささか唐突に明かされる、
闘破が哲山に預けられるまでの顛末と、両親の仇、杉谷悪之坊。
悪之坊さんはこの前のシーン(長老からの電話のきっかけ)で、崖が大爆発して出現したので、
てっきり若き日の哲山らの戸隠流忍法で封印とかされていたのかと思っていたのですが、回想シーンでもの凄く普通に退却していたので、
この17年間、何をしていたかは謎です。もしかしたら、戸隠流と戦う為に、地道に戦力集めとかしていたのかもしれません。
両親が命を落とした古戦場で、墓参りをする闘破に襲いかかる悪之坊の軍団。
墓の前で形見の手鏡を取り出したところで鏡に敵の姿が映って襲撃に気付く、というのは三ツ村監督らしい小粋な演出。
カラス天狗とはひと味違う悪之坊軍団の連携攻撃と、悪之坊のミサイルキャノンに危地に陥るジライヤ。
駆けつけた哲山が華麗な立ち回りで悪之坊を退けるが、ジライヤは深傷を負って長野市の病院に運び込まれる……。
悪之坊は、戦隊の幹部みたいな衣装ながら、武器は片鎌槍、となかなか面白いデザイン。ついでに付けている飛び道具がやけに強力
(威力としては、バルスキーさんの切り札だったハンドキャノンを思わせる)でしたが、哲山は存在自体が凶悪でした。
今回も父さんは格好良すぎ。
特殊な血液型の為、輸血ができない闘破……哲山は東京のケイに柳生麗への連絡を頼み、長野に駆けつけた麗から輸血を受ける事で、
闘破は持ち直す。その夜、悪之坊軍団が病床の闘破を襲うが、それは麗破の仕掛けた囮であった。
「闘破の為、邪悪な忍法集団を、斬る!」
変なテーマ曲で、貴忍・麗破、久々の登場&活躍!
翌日、哲山は目覚めた闘破と麗に、二人の血にまつわる秘密を告げる。
遙か昔、地球に飛来した秘宝パコ――それには、パコを地球まで導いた、異星人のパイロットが乗り込んでいた。
そのパイロットは地球人の娘と結婚し、子孫を残す……そう、闘破も麗も、パコをもたらした異星人の血を引いていたのだ!
サブタイトルの「闘破は誰の子?」なんて鼻で笑って吹き飛ばす勢いで、正味15分で次々と明かされていく闘破の秘密。
おまけに思わせぶりだった麗の秘密。もっとも麗は闘破よりは訳知りっぽかったですし、ここまでの言動と行動を見る限りでは、
自覚的に宇宙忍法を使っていたようにも見えましたが……謎の特殊能力だと思っていたけど、
宇宙人の血の為という事は知らなかったという事なのか。
だが、衝撃の真実はそれだけにはとどまらない。
闘破が受け取った母の形見であるガラガラ、その中に隠されていた古文書の示す社の中に保管されていたのが、
ジライヤスーツと磁光真空剣(言及されていないけど多分ジライバスターも)であった。
そう、ジライヤスーツとはもともと、宇宙人のパイロットスーツだったのだ!
今ここに、世界と忍者と宇宙
が繋がる、ゴールデントライアングル。
一気に、「レーザー刀」の秘密も解き明かされてしまいました。
やっぱりパコは、バード星人による産業廃棄物の不法投棄ではなかろうか。
衝撃の事実が次々と明かされたところへ、長老が悪之坊に襲われたという知らせがもたらされる。両親の事、宇宙の事、
レーザー刀の事、自分のルーツを知ったジライヤは決意も新たに、「加勢は無用、俺が一人で倒す!」と悪之坊との戦いに挑む。
「母さん……見ていてくれ。たとえ肉を斬られようとも……奴の骨を断つ!
戸隠流正統、ジライヤ!!」
超立体的で格好いいジャンプから、ジライヤvs悪之坊の戦闘は開幕。
戸隠村を駆け回り、アスレチック施設などで激闘を繰り広げるが、さすが古強者、悪之坊の槍の一撃がジライヤの胸を貫く!
だが致命の筈の一撃は、ジライヤが懐に忍ばせていた、母の形見の手鏡を割って止まっていた。
母の形見に命を救われたジライヤはプロテクターを装着、悪之坊の片鎌槍を叩ききり、磁光真空剣・真っ向両断!
見事に悪之坊を討ち果たし、両親の仇を討つのであった……父親の事も少しは触れてあげて、闘破!
次回予告から記憶喪失ネタかと思わせておいて、戸隠流ルーツの地で、闘破が自分のルーツを知る、という展開は良かったです。
色々、もの凄く、何もかも唐突でしたけど(笑)
ラストは、ちびっこ忍者村の様子を見ながら、幼き日の修行の日々を思い出す……て、闘破、ちびっこ忍者村で修行していたの?
背景のアスレチック施設の子供達、遊びに来た観光客だとばかり思っていたけど、もしかして、
全国各地から集められた忍者の卵?!
な……なんて堂々とした、少年兵訓練施設なんだ!
この完璧な偽装、武装テロ組織も真っ青です。
こうして、日本の治安を守る為、日々、戸隠村で忍者が量産されているのですね。
つくづく恐るべし、戸隠流。
それは抜けた毒斎様も、世界有数の悪の組織を個人で築き上げるわけです。相手が悪すぎる為に小物感ばかり目立つ毒斎様ですが、
戸隠流の工作術を存分に使っているに違いありません。
次回……も、回想シーンの匂いがぷんぷんするのですが、果たしてどうなのか。
ダイビングスーツを加工しただけっぽい世界忍者(シルバーシャーク)
再利用世界忍者(マクンバの兄)
そして回想祭……と、予算節約キャンペーン中?
逆に、次回あれだけのメンバーが勢揃いしたら凄いですが。
- ◆第29話「0点小僧の忍者オリンピック」◆ (監督:辻理 脚本:小池剛)
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世界忍者大量投入で、OPのキャスト表記が凄い事に。
武神館を訪れる、学の担任教師。
(なんでこちらのお宅は、自宅の応接間ではなく、道場の方に通されるのかしら……?)
と内心疑問に思いつつ先生の切り出したところによると、学はテストはオール0点。あまつさえ「出席は体育だけ。
あとは忍法とかで抜け出す始末」なのだという。
「あいつ、忍法をそんな悪い事に」
ただでさえ怪しげに思われている山路家の評判がますます悪く……!
そこへ、自作の忍者スーツを着て現れる学。いつかジライヤのような強い忍者になるのが目標の学は、勉強なんて必要ない、
と突っぱねるが、説教集中砲火。
哲山「忍者たるもの、強いだけじゃ駄目だ。心技体、全てが揃ってこそ、一人前なんだぞ」
学「「オール0点だって、クラスで一番強いんだ」
闘破「おまえそれじゃ、頭からっぽのただの乱暴者だ」
ケイ「学校も忍者も落第ね」
先生「学くん、さっそく明日から補習よ」
この、奇天烈家族の忍者語りを聞き流して普通に会話している先生は、もう、色々、山地家については諦めているのか(笑)
実際、新任の先生が間違って担任になって家庭訪問とかした日には、教師として再起不能になりそう。
なお客人をまず道場に通す理由は、いざとなったら罠を発動させるからです、先生!
「今に見ていろ、俺はジライヤより強くなるんだ!」
飛び出した学、トラックの荷台に乗り込んで修行の旅に。
「いつだって兄ちゃんばっかりなんだ」
ここから、回想シーンに。
予告から予想された回想祭でしたが、何が凄いって、回想祭(27話)と回想祭(今回)の間に、
超重要(だった筈の)伏線を解明する回(28話)がある事(笑)
というか、今作における闘破の出自の重要性がどの程度のものか、逆説的に窺えます。
たどり着いた山林で修行に励む学。ちゃっかり真剣を持ちだして竹を切ったりしているのが、さすが山地哲山の血、恐るべし。
その頃、闘破とケイは、少し言い過ぎたかも、と二人で学を探していたが、まさかトラックに乗って山まで行っているとは思わない。
山寺に入り込んで休む学は、いつまで経っても探しにこない、と実に小学生らしく拗ね始め、空腹に山地家での食生活を思い出す。
「月に半分は店屋物なんだから」
……闘破よ、だから家計が苦しいのではなかろうか。
まあ多分、闘破が生計を稼ぐ為にバイトで遅い時は店屋物、という事なのでしょうが、もの凄い悪循環なので、
闘破は山地家の経済改革の為に、何としても哲山とケイに料理を覚えさせるべきだと思います(笑) 父さんはまあ、
キリングマシーンだから今更無理かもしれないけど! きっと昔、父さんに料理させたら兵糧丸が出てきたとか、
そういう事件があったと憶測。
「優しくしたって、もう騙されないぞ」
こじれまくる学、兄の負け戦を振り返る(笑)
よくよく思い返すと、けっこう負けているジライヤ。
……では、世界一の忍者は誰なんだろう?
もやもやーっと、学のドリームシーンに、6人の世界忍者が登場し、次々と激突する。
鉄忍ガメッシュvs雷忍ワイルド……ワイルド、銃撃で判定勝ち
漢忍緑龍vs爆忍ロケットマン……ロケットマンのビームで、緑龍消滅
爆忍ロケットマンvs風忍馬風破……馬風破の手槍でロケットマン倒れる
鉄忍ガメッシュvs城忍フクロウ男爵……フクロウ男爵、ガメッシュをずんばらりん
雷忍ワイルドvs風忍馬風破……馬風破、早撃ちでワイルドを撃破
そこで切り込んでくるフクロウ男爵。
膠着状態になった所で、やおら立ち上がったロケットマン、ミサイルで全員を吹き飛ばす(笑)
だが、爆炎の中で生き残る馬風破。ロケットマンも力尽きて倒れ、馬風破が優勝。
やはり子供心に、サイボーグはときめくのか。
「俺は馬風破の弟子になるぞぉ!」
翌朝、目を覚ました学が寝泊まりしていた寺の外に出ると、なんとカラス天狗と遭遇。お互い偶然に驚くが、
折角だからと学を捕まえて人質にしようとするカラス天狗。さすがに学には負けないカラス天狗だっが、通りすがりの馬風破が現れ、
カラス天狗を撃退。家まで送るという馬風破だが、学はそれを拒否するどころか、馬風破にある事ない事を吹き込む(笑)
「兄ちゃんいつも言っていってるよ。あの時、情けなんてかけてやるんじゃなかったって」
「何だと? ジライヤが?」
「今度会ったらあんな機械野郎、真っ向両断だって」
「むぅ、聞き捨てならん」
煽る学、弟子入り志願し、馬風破はそれを受け入れる。
一方、カラス天狗から報告を受けた毒斎様は策を巡らし、紅牙さん、馬風破と特訓中の学の足袋とタオルをこそこそ盗む(笑)
キャプテン・クックの財宝にかまけて2週お休みしていた妖魔一族ですが、再登場して初の活動が
小学生をさらおうとする・小学生の私物を盗むと安定のクオリティ。もはや感動を覚えるレベル。
学を探す闘破めがけて打ち込まれる矢文。それには学のタオルと、
「弟は預かった。返してほしくば俺と勝負しろ 馬風破」
というメッセージが。一度は「だがあの馬風破が……?」と首をひねる闘破だったが、
再び今度は足袋が打ち込まれてきた事で怒りを燃やし、指定の場所(学と馬風破が特訓中の場所)へとブラックセイバーで突撃する。
なおここで、闘破がフランス人観光客に道を聞かれて困る(最後にもちょっと登場)というシーンが入るのですが、
シナリオ的には全く意味がなく、どんな意図だったのか、不明。当時の人気タレントの特別出演とか……?(※フランス人タレント・
ドロテさんの特別出演でした。詳細は後述)
闘破と馬風破、誤解から交戦する二人。学が事前に馬風破を煽っていたのが、微妙に効いているのは巧い(笑)
ぶつかり合う刀と刀、その時、二人を砲撃する妖魔一族の巨大砲!
「まんまと罠にはまりおったわ!」
……早い、早いよ毒斎様!
せっかく相打ち作戦を仕掛けたのだから、二人がもう少し消耗するのを待ってください。まあそこで我慢できないのが、
毒斎様が天下取れない理由かと思いますが。
謀られた事を知った二人、ジライヤは砲撃から学を守り、馬風破はバイクで突撃。
ここの爆発×疾走シーンは格好良かった。
傷を負った馬風破に学を託し、続いてジライヤ突撃。
磁光真空剣・飛翔斬りで、巨大砲(たぶん、以前にも登場した紅牙さんお気に入りのヤツ)を撃破。
もはや敵ではない紅牙と烈牙を文字通りに一蹴し、毒斎めがけて繰り出す磁光真空剣・十文字斬り。これで左腕を切られた毒斎は撤退。
基本、発動すると文字通りに必殺である(意図的に仕留めに行かなかった時は別)磁光真空剣を防いでみせるのだから、
強い事は強い筈なのですが、毒斎様。ガード/回避専門という噂もありますが……。実はジライヤが毒斎様に手傷を負わせたのは、
今回が初のような気がします。じわじわと差が埋まっている……のか?
足の傷を気にする学に、
「俺はサイボーグだ。こんな傷、一日で治る」
と言い、バイクにまたがる馬風破。
「この傷が治った時、俺はみたび挑戦する。それまで弟を大切にしろ」
それはつまり、明日まで、て事ですか馬風破先生?!
こうして馬風破はまたも、風のように去って行く……闘破と学も仲直りし、学は改めて兄を尊敬しなおすのであった。
冒頭の展開から回想祭かと思いきや、途中はごく普通に展開したのですが、何故か最後にまた、回想で尺稼ぎ。
今度は学が兄の勝ち戦を思い浮かべる、という形で、負け戦を思い出した時との感情の変化を表現しており、27話同様、
回想の使い方としては秀逸。
闘破の斬殺ヒストリーみたいになっていますが(笑)
後半戦を前に、兄弟の絆を描くエピソードが挟まれたのも良かったです。馬風破があまりに適当に出てきたので、
もしかして学の夢オチかと思ってドキドキしていたのですが、馬風破、けっこう適当にフラフラしている模様。
時期的には回想で予算節約したというよりもむしろ、『ジライヤ』のわかりやすい魅力を回想を交えて見せにいった、
ある種のテコ入れだったのかな……?
- ◆第30話「忍法・ハナちょうちん!」◆ (監督:辻理 脚本:扇澤延男)
-
国の重要施設が爆破されるという事件が続発。
闘破と学が現場に落ちていた“黒い茨”を拾うと、それを手に取り「黒い茨……やっぱりヤツが」と呟く謎の老人が姿を見せる。
いつの間にやらブラックセイバーに乗り込んでいた老人、
「早く連れてってくれや、哲山のとこへ」
「あの、貴方は?」
「ふふふふふふ」
老人の正体は、忍びの世界の長老と謳われる老忍者・越山玄斎(演じるは、特別出演:多々良純!)、
あの哲山が上座を譲るほどの大人物であった。
玄斎が見定める連続爆破事件の犯人は、かつての愛弟子、黒い茨(演:河合宏!)。玄斎が全てを教え込んだ忍者であった黒い茨だが、
母の死をきっかけに邪道に転落。4年前、「世の中全て、金なんだ」「誰が泣こうと構わない、この俺だけが笑えばね!」
と黒い欲望に身をゆだねた弟子を玄斎は斬った、斬ったはずだった……。だが今回の事件と、現場に残された“黒い茨”に、
玄斎は弟子が死んではいなかった事を悟る。わずかな情が切っ先を鈍らせたのか、黒い茨は生きていた……そして今、
政府をテロで恐喝すると共に、玄斎への復讐を目論んでいるに違いない。
話を聞いて、玄斎への協力を申し出る山地兄妹。だがこの会話を盗み聞きしている、毎度お馴染みカラス天狗の姿があった……。
黒い茨によるテロ恐喝の情報を得た妖魔一族、尻馬に乗っておいしい所をいただこうと計画する。
「なるほど、漁夫の利というやつですな」
「濡れ手に粟か、ふっふっふ」
プライドなんてものは、犬にでもくれてやれば良いのです。
金と命、あってこそ我が人生。
一方、山地家へ逗留中の玄斎は暢気にケイ達と遊んだり昼寝をしていた。前作『メタルダー』に引き続き、またも流れる
『超電磁ロボ コン・バトラーV』。ちょっと調べてみたら、東映テレビ事業部(原作:八手三郎名義)で初めて製作した
テレビアニメという事で、東映内部で記念的作品という扱いなのかしら。
それにしても、ケイちゃんと学が一緒にリビングで『コンV』見ているのは少し無理がありますが(笑)
緊張感のない玄斎の様子に、何を考えているのかと焦れる闘破だったが、黒い茨がTV局に送りつけた脅迫ビデオを見て、
老忍者の様子は一変。ビデオの撮影場所から黒い茨の隠れ家がかつての修行場所だと見抜いた玄斎は、闘破を連れてその洞窟へと向かう。
「老いるとは、醜いものだな」
「獣のごとき、目になりおって」
姿を見せる、黒い茨! なんというか、演歌大好きだったのに、4年の間にパンクロックに染まってしまった黒い茨!
玄斎をかばい、黒い茨と戦うジライヤ。だがそこへ、妖魔一族の横槍が入る。
「ボードと20億の金、まとめて我らのもの」
と奇襲をかける妖魔一族であったが、ちょっと奇襲かけたぐらいでジライヤと黒い茨にかなうわけもなく、あっさりと撤退。
黒い茨もまた「水が入った……」と姿を消す。
黒い茨は必ず玄斎を狙ってくるだろう……闘破は夜を徹して玄斎のガードに入り、短い間にすっかり玄斎に懐いたケイと学は、
帰ってきたら食事を作る、と約束して学校へ向かう。そして朝食の席で、
「玄斎どの、ここで一緒に暮らしませんか?」
と声をかける哲山。
答を保留した玄斎であったが、彼は山路一家に置き手紙を残し、姿を消す。
「独りで生まれ、独りで死ぬのが忍びの定めなのだ」
山地家の暖かさに心で涙を流しながらも、その温もりを胸に忍者として最後の仕事を果たすべく、独り山へと向かう玄斎。その前に、
歪んだ悪鬼と化した黒い茨が姿を現す。
「おまえ一人のせいとは言わぬ。儂が育てそこなったのだ」
なにを間違えたかというと、ネーミングだと思います。
一方、あえて玄斎を止めなかった哲山は、それぞれ帰宅した子供達に責められる。黒い茨が生きていた事を知った時点で、
玄斎は死の覚悟を決めた。その上で、「忍びは孤独と知りながら、最後の最後に家族のぬくもりに触れたくなった」のだろう……
それが痛いほどわかるから、哲山には玄斎を止められなかったのだ。
闘破「オヤジ!」
学「でも、おじいちゃんはおじいちゃんなんだ」
ケイ「そうよ、忍びだから好きになったわけじゃない」
哲山「そうだな」
ブラックセイバーを駆り、玄斎の元へと向かう3人。だが、既に玄斎は黒い茨の刃を受けて倒れていた。
怒りの3人はそれぞれスーツを身につけ、黒い茨と戸隠流がここに激突。黒い茨の拘束忍術に動きを封じられるが、
飛び道具を駆使して追い詰めると、最後は磁光真空剣・真っ向両断。邪道に堕ちた忍びは、ここに力尽きる。
そして玄斎もまた、闘破達3人に囲まれて、息絶える。ここで、「死んだふりは得意技」という言葉に学が喜びの表情を見せるのと、
傷の具合からそれが嘘だと悟る闘破とケイの表情の差の見せ方が好演出。
シリーズ初登板の扇澤延男でしたが、まあ、水準レベル。特にこれという面白みはありませんでした。
もの凄く欲まみれの人達がレギュラーの為、黒い茨が「世の中全て、金なんだ」と言っているものの、
金に狂っている感じがそれほどなく、ゲスト悪役としてパンチが弱かったのは失策。
爆破テロも妖魔一族の以前の作戦とかぶってしまいましたし、演出的にもどちらかといえば戦闘マシーンぽい描かれ方になっており、
黒い茨の目的は、なにか他のものに設定した方が良かったかとは思います。
相手が若造だろうがなんだろうが、いざとなったらいつでもケツまくって逃げる覚悟があってこそ、
堕ちるというのです(おぃ)
次回、あのあまり反省している感じのしなかった危険な刀剣マニアが再登場、そして、謎のくノ一……って、もしかして、
前回出てきたフランス人?? だとしたら素晴らしく無駄な伏線ですが、ブラックセイバーに乗った闘破に追いついていたしなぁ……。
→〔その6へ続く〕
(2013年3月17日,5月9日)
(2018年1月14日 改訂)
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