- ◆第19話「武神館を占領せよ!」◆ (監督:折田至 脚本:高久進)
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仇敵・哲山がアメリカで開かれる世界忍者大会に出席する為に日本を離れている間に武神館を乗っ取ろうと、
毒斎は変装の名人・化忍パルチスを呼び寄せる。
パルチスは放射状の赤黒縞縞
という、また奇天烈なデザイン。
しかしまあそれはそれとして、世界忍者大会が気になります。
発音を聞く限り、「世界・忍者大会」ではなく、「世界忍者・大会」なのがポイント。
武器の展示会みたいに政府や要人などに忍術を披露して売り込むイベントなのか、同窓会ノリで各国の奇天烈な忍者達が
談笑したりするのか、サミットぽく世界忍者憲章とか国際忍者ルールとかを話し合う会議だったりするのか……本編よりむしろ、
そちらを映像化してほしい(笑)
とりあえず、哲山が日本のニンジャマスターとして世界的に有名な理由は判明しましたが。
毒斎様はたぶん……招待状が届いていない(泣)
そんなある日、不良にからまれていた近所の中学生・カズヒコを助ける学。学の強さに感嘆したカズヒコは弟子入り志願して
武神館にやってくるが、そこにカズヒコの父親である佐々木不動産の社長が訪れる。マンションを取り壊して再開発するのでと
立ち退きを求められ、何故かいきなり社長の胸ぐらを掴む闘破。
……相手は一般人だから、落ち着いて。
佐々木社長はカラス天狗と協力すると、煙玉の悪戯や、山地家の生ゴミを転がしたりと、地道な嫌がらせ。
この騒ぎでマンション住民から総すかんを食らい、遂には「出ていってください」と言われてしまう闘破達。
せこい、せこいけど、現代社会では凄く有効な作戦ですよさすが毒斎様!!
そして山地家は、屋上で鳩飼ったり犬飼ったり、胡散臭い道場を開いていたり、変態が尋ねてきてはガラスを割ったりと、
普段からそうとう怪しまれている模様。
まあ、無理はありません(笑)
本当は自治会で抗議に行きたいけど、普段は“なにかよくわからないが危険な雰囲気を漂わせる男”=山地哲山、が居るので、
誰も文句を言えない、一種の治外法権一家なのでしょう。
更にとどめとばかりに、カラス天狗がマンションの一室に空き巣に入り、盗品を道場に投げ入れていき、
山地闘破、窃盗容疑で逮捕。
哲山不在の山地家、脆い、脆いなぁ……。
取調室で胴着のポケットに入れていたボードも押収されてしまい、「おまえたちは泥棒一家だ。必ず刑務所に送ってやる」と大ピンチに
陥る闘破達だったがその時、
馬!
警察署の前に、馬!
壁をぶち破って、馬!!
白馬に乗って駆け付けたのは、毒矢を受けて滝壺に落下して哲山の台詞で始末されてしまった筈の、フクロウ男爵であった!
フクロウ男爵の攻撃を受けた刑事の正体は、化忍パルチス。警官達もカラス天狗の変装であった。パルチスを一蹴するフクロウ男爵は、
やたら強くて無駄に格好いい。
あの時、川の下流に流れ着いて愛馬に助けられたフクロウ男爵は山の洞穴で体を癒し、その後は妖魔一族の動きを追っていたのであった。
男爵から妖魔一族が「マンションのピープルたちをけしかけて泥棒騒ぎを起こした」という情報を得た闘破達は、
奪われた武神館を取り戻す為に突撃を決意する。
男爵「相手は毒斎だ、罠を仕掛けてあるに違いない」
……「手強いぞ」、とかでは無いんですね(笑)
万全の小物クオリティでみんなの期待に応える毒斎様は、札束で従えていた佐々木父にマンション住民を道場に集めさせ、
人質として利用する奸策を巡らせる。それを知った息子のカズヒコは、「このままでは、父さんは駄目になってしまう」
とジライヤ達に協力を申し出、勇気を奮って偵察役として道場に入り込むと、妖魔一族の罠の内容を盗聴する事に成功。
待ち受ける罠の情報を得た山地兄妹は、勇躍、奪われた武神館へと乗り込んでいく。
ところで、いつの間にやら、持ち出されている磁光真空剣。
生身チャンバラは格好いいのですが、せっかく“道場が占拠されている”というシチュエーションなのだから、
メインウェポン無しでの工夫を見たかったところです。妙にリアルに隠してしまったので、そうすると、刀を取り出すシーンを入れるのが
難しいためにやむなく、という事だったのでしょうが。
闘破達3人は見事な連携プレイで人質を解放、毒斎の仕掛けた罠を逆に利用してカラス天狗を撃退。ジライヤは天井を利用した戦闘法で、
妖魔一族を一蹴。社員総出でもジライヤにざっくり撃退される妖魔一族、弱い、弱すぎる……(^^;
何故かたすきがけでやる気満々だった佐々木父も改心し、マンションの人達とも和解。山地一家は日常生活を取り戻し、
「ワールドの平和のためには、喜んで駆けつけよう。シーユーアゲイン、ジライヤ」と最後まで男爵語を駆使しながら、
フクロウ男爵も去っていくのであった。男爵は完全に、強力助っ人キャラとして定着してしまいました(笑) まあ、
馬というインパクト的切り札を持ち、格好良くかつ強いので、割と好きですが。
使い勝手の良さそうな化忍パルチスは、契約分の仕事を果たしたらあっさり帰還、というのは今後の使い道もあるでしょうし、
この作品らしい使い方で良い。
おそらく変装の術のミスディレクションとして用意されたであろう佐々木父は、大雑把な使われ方になってしまいましたが。
ほとんど「操られていた」レベルの変心でしたが、本人の言動を聞くとそういうわけでも無かったようですし(^^;
やっぱりこの世は、金の力ですよ!!(あれ?)
- ◆第20話「ハロー!雷忍ワイルドは陽気なガンマン」◆ (監督:折田至 脚本:中原朗)
忍者vsガンマン!
脚本は、1話以来の、中原朗。
本来なら今作のメインライターになる筈が諸事情で降板して、結局、高久−藤井コンビがメインでやる事になったそうなんですが、
いったい何があったのか。プロデューサーの折田至が単独名義で監督復帰していたり(調べたら10年ぶりだった)、
『ジライヤ』のスタッフは、『メタルダー』終盤の混乱の余波もあったのでしょうが、色々あったのだろうなぁ……感が満載。
――舞台はアメリカ。
時代錯誤なウェスタンな街並みに、賞金首の手配状を貼って回るカラス天狗。
そこに書かれていたのは、
WANTED JIRAIYA! 100,000$
というジライヤの似顔絵。
どうやらジライヤとの戦力差を認めて、金の力で他力本願する事にした模様。
やっぱりこの世は(以下略)。
その手配状に近付く馬上の男が一人。
迫る手裏剣を次々と撃ち落とす拳銃の名手、その名は、雷忍ワイルド!
「じゅうまんどーる、いっつまいーん」
…………たぶんこの世界では、男爵語は実力者の証明なのだな、うん。
その頃、日本。今月も大赤字の家計に頭を悩ませる闘破は、「背に腹は代えられん」と、哲山不在の間に道場でエアロビクス教室を
始めてしまう。
名付けて、ニンジャ・エアロビクス。
後のボクササイズのはしりである(嘘)
予想外に客を集める戸隠流エアロビ教室だったが、そこへ、父帰国。
何を考えているのかと一喝を受け、家庭の窮状を訴える闘破。
「親父みたいの、武士は食わねど高楊枝、て言うんだよ。人間は空気だけでは生きられない。誰かが稼いで何とかしなきゃ、
山地家は成り立たないんだ」
切・実
正直ここは、闘破が正しい気はします(笑)
もっとも哲山は普段家に入れていないだけで、昔の仕事や様々なコネクション絡みで入手した黒いお金とかあちこちの隠し口座に
唸るほど持っていそうですけど。
哲山の帰国により道場を追い出された闘破は、めげずに近所の公園でエアロビ教室を開催するが、そこに襲いかかる銃弾の雨!
「汚いぞ親父! 飛び道具まで持ち出して!」
えー……闘破の哲山観が、よくわかります(笑)
だが襲撃者は哲山ではなく、ジライヤの賞金に目を付けてアメリカからやってきた雷忍ワイルドだった! ワイルドは銃撃で
ジライヤを翻弄すると、ケイと学を拉致。その銃撃の冴えに、闘破はジライバスターを前に考え込む。
ここで、劇中非常に唐突な登場だったジライバスターが、“山地家伝来の銃”であり、カートリッジの入れ替えで
様々に使い分けする事ができる、という設定がようやく判明。スミス博士が作ったわけではありませんでしたが、
未来っぽい銃が山地家秘伝の品というのも割と謎です。
にしても前回、毒斎様は必要以上の搦め手を使わずに、普通に刑事に変装したパルチスに家宅捜索をさせたら、
盗品どころではない真っ黒で弁解のしようのないアイテムが色々と出てきたのでは。
道場の落とし穴から、過去の侵入者の白骨死体とか。
翌日、ワイルドにさらわれていたシロを用いた伝書により、日光ウェスタン村へ呼び出されるジライヤ。
一度は牢屋を脱出したが再び捕まったケイと学は縛り首の危機に陥り、ワイルドの銃さばきに絶体絶命の危機に陥るジライヤだったが、
一瞬の身のこなしで立場逆転、ワイルドに拳銃を突きつける。その様相に、「二人とも撃ってしまえ!」とワイルドを捨て駒にする毒斎様。
ジライヤとワイルドは周囲からの銃撃を回避すると共闘。ケイと学も哲山が救い出す。
「バッファローを放て!」
という毒斎様の声に応え、突っ込んでくる巨大バッファローオブジェ(笑)
言ってしまえば、今回の磁光真空剣の刀のサビなのですが。
ジライヤとワイルドの圧倒的な戦闘力の前にカラス天狗は全滅、毒斎達は這々の体で退却するのであった……。
戦い終わり、
「君は俺に勝っていた。どうして一発で仕留めなかったんだ」
「ユーは一発で倒すには惜しい。それに、卑怯なやつは大嫌いだ」
にこやかに認め合う、ジライヤとワイルド。
どうやらワイルドさんの中では、「エアロビ教室中に一般人を巻き込んで狙撃する」・
「妹と弟を誘拐する」・「飛び道具を揃えて集団で待ち受ける」などは、
卑怯な事ではない模様。
危険だ、この男、危険すぎる……!
しかしまあ、主人公がゲスト忍者に実質的に敗北を認めるというのは、この作品らしくて面白いところ。
いずれ、片や剣、片や銃、ともに馬にまたがり男爵語を操る、二大実力派世界忍者の共演は見たいなぁ。
ちなみに哲山による世界忍者大会の感想は、
「さすが、フロンティアの国だ。忍法への関心は年々高まり、優れた後継者が次々に生まれている」
と、
フロンティア関係あるの?!
忍法への関心って何?!
優れた後継者ってなんの?!
と全段落にツッコまずにはいられないという恐ろしいもので、これはおそらく、世界忍者大会の全容を一般人に伝えない為に、
適当な事を言って煙にまく詐術の類だと思われます。挿入された写真もNINJAファンサークルのオフ会みたいでしたし。
間違いなくカモフラージュ。
次回、神の怒りで石油危機?!
- ◆第21話「聖忍アラムーサ・怒りの手裏剣を放て!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:寺田憲史)
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首都圏各地で、車のガソリンが消滅し、後には手裏剣が残される、という怪事件が次々と発生。街は大パニックに陥り、
首都圏の交通はマヒしてしまう。哲山によれば現場に残された手裏剣は、砂漠に住み代々神に仕える聖忍一族が用いる“月の怒り”
という特殊なもの。だが、神に仕え、自然を尊ぶ聖忍一族が、どうして世間に無用な混乱を起こすのか…………はい、
妖魔一族に騙されてましたー。
聖忍アラムーサ(そこはかとなくコンドールマン)に「文明に冒された日本人を救う手段」だと吹き込み、
聖忍法でガソリンを消滅させていた妖魔一族は、ガソリンを確保したければ……と東京都知事に50億を要求。
正直、日本の経済活動に深刻なダメージを与えているので50億では安すぎるというか、
一歩間違えると国家が傾くレベルだと思うのですが、特撮史的に見ても、
かなり日本に致命的なダメージを与えた作戦のような。
実行犯、一人なのに(笑)
聖忍アラムーサを誘き出す為に、ガソリンスタンド新装の芝居を打つ、闘破達。都知事に50億の支払いを飲ませた妖魔一族は
もはや用済みのアラムーサをジライヤにぶつける事とし、激突する二人。
アラムーサはサンドブリザードで磁光真空剣を砂鉄で覆い、重力虚脱の術で空中浮揚、更に額からビーム
を放ってジライヤを苦戦させるが、闖入した妖魔一族の煽りを聞いている内に、「あれ? おかしくね?」と気付きだしてしまう。
更に、ガソリンスタンドを経営するケイの友人の父親の怒りのタイヤ攻撃、そんな彼らを攻撃する妖魔一族の姿に、
ようやく自分のしでかした過ちに気づく。
「はははははっ、ばれたら仕方がないアラムーサ」
紅牙の投げた毒サソリ・サンドスコーピオンからジライヤをかばって刺されたアラムーサは全身が砂化。
しかしそんな状態でも彼は己の過ちを償う為に、妖魔一族が50億を手に入れようとしている事をジライヤに教え、
50億円を手にウハウハの妖魔一族の前に立ちはだかるジライヤ。
「心優しき聖忍を欺し、我々の大事な金を奪う毒斎、このジライヤが許さん!」
……間違ってはいないけど、正義のヒーローの台詞に「金」の一文字が入ると、何故か間抜けです。
一方、哲山のもとに運び込まれたアラムーサは薬湯による治療を受けると、ガソリンを消し去り社会を大混乱に陥れた自分を
親身に心配してくれる日本人の姿に感激し、生きる気力を取り戻して毒を打ち破る。
砂化の毒は、虚ろな目で砂風呂に入っている、としか表現できない間抜けな映像なのですが、妙に格好いい挿入歌とともに劇的に復活。
どういうわけかアラムーサ、やたらに女子高生受けがいい(笑)
その頃、毒斎と激突するジライヤ。
毒斎様の蹴りが入った!
更に、手甲が可変するギミックでジライヤスーツを切り裂く毒斎様。
これがッ、50億のッ、力だッ!!
絶好調の毒斎様ですが、えー……戦闘で見せ場あったの、1話以来……?
紅牙の放ったサンドスコーピオンに囲まれて大ピンチに陥るジライヤだったが、その時、女子高生の涙で復活したアラムーサ、
そして恵美破が駆けつけ、形勢不利とみて妖魔一族は撤退。血税50億は無事に守られ、首都圏のガソリン不足も解消されるのであった。
「国に帰ったら、文明を一族で見直します」
と去って行くアラムーサですが、「文明」という言葉の使い方が終始おかしくて、なんだか不思議なやりとりに。おそらく、
「自然」の対義語として「文明」を使っているのでしょうが、色々おかしい。
また、妖魔一族に欺された世界忍者がジライヤと戦う、というのはこの作品では一つのパターンと化しているのですが、
そこに何のひねりもない上に、いくら何でもアラムーサの性格と行動が適当にすぎます。“ころっと欺されてしまう浮き世離れした
キャラクター”として描きたかったのでしょうが、うまく表現できたとは言いがたい。
旧来の敵味方のパターン構造に囚われず、物語のプロットで奇をてらえる所に魅力がある作品だけに、これだけひねりがなく、
世界忍者の人物造形も外しては、ちょっと苦しい。まあ20話もやってくると、段々とバラエティ性を保つのも難しくなってくるかとは
思いますが、頑張ってほしいところ。
- ◆第22話「花咲け!美しきくのいち忍法」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:九鬼隆)
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女子高生不良軍団を容赦なく叩きのめすケイちゃんに、山地家の血を見るの巻。
絡まれていた資産家の少女・小川さつきを助けたケイは彼女と友達になる……て、導入が地上げ作戦の回と一緒なんですが(^^;
何故かその後を追っていた妖魔一族は、ケイに叩きのめされて逆恨みに燃え上がる不良女子高生軍団と手を組んで、なにやら悪巧み。
どうやら、父と兄に勝てないので、標的を妹に変更したらしい毒斎様(笑)
……もう貴方、小物すぎて最高です。
さつきの誕生パーティに招かれる事となったケイだが、着ていくお洒落な服が無い事に思い悩む。
ケイ「着るものは無し、プレゼントする金は無し」
闘破「うちはごぞんじ貧乏忍者」
哲山「身分相応のお付き合いをしなさい」
正義って、儲からないものですね……(涙)
そんなケイの様子に、洋服をプレゼントしてやろうと、日雇いのバイトを計算する闘破。28、000円を稼ぎ出すと、
ケイにこっそりと服をプレゼント。
は良いんですが闘破さん、いくら義理の妹とはいえ、乙女のクローゼットに勝手に服を入れるのはどうかと思います。
おめかししたケイの姿に
「ケイ、母さんも綺麗だったが、おまえはそれ以上だ」
珍しく、親ばかぶりを見せる父さん。
母親に触れるのも、珍しい(というか初?)。
ところがその頃、ケイを待っていた小川家は不良少女軍団とカラス天狗軍団によって占拠され、
再登場した化忍パルチスがさつきに変装してケイを待ち受けていた。そんな事とはつゆ知らず、
車でケイを小川家へ送っていった闘破と学だが、その帰路、ブラックセイバーのセンサーで車体に時限爆弾が取り付けられている事が判明。
慌てて周囲に被害の及ばない河川敷へ車を走らせるが、そこで爆弾が爆発、二人は炎の中に姿を消してしまう……。
一方、パルチスの変身を見破ったケイ(さつき母に化けたところを見破るのですが、理由は説明されず。
髪飾りに注目しているような演出があったので、同じ髪飾りだったとか?)だったが、さつき一家を人質にとられ、
囚われの身となってしまう。
ジライヤと学は爆死し「磁光真空剣とジライバスターは手に入れました」というカラス天狗からの報告と、
ケイを捕まえた事で調子に乗った毒斎様、「ボードを持ってやってこい」と、山地家へ電話。
「娘可愛さに必ずここへやってくる」
と高笑いするのですが、哲山はそんな甘い男ではないと思います。
(ここは娘に甘い毒斎様が自分基準で考えているのかと思うと、なかなか微笑ましい)
そこへ磁光真空剣とジライバスターを持ってやってくるカラス天狗。毒斎がそれを受け取ろうと手を伸ばした時、一閃する刀、
それを受け止める毒斎。身を翻したカラス天狗は、ジライヤの変装であった!
ここは話の展開としては読めた上で、一瞬の逆転の演出が非常に格好良かったです。
恵美破も捕縛を脱し、更に、哲山が参上。
完全武装で(笑)
まあ学も武装しているので、学から二人が無事だったという報告を聞いた上で……という事なのでしょうが、でも哲山は、
そうでなくとも完全武装の上でもっとえげつない奇襲をかけてきたと思います。
なお、闘破と学が無事だった理由は「車が頑丈だったから」という、身も蓋もないもの。
父さんと学は小川家を逃がし、ジライヤ、恵美破に、毒斎様、紅牙、烈牙、パルチスが入り乱れての乱戦に。
紅牙さんと烈牙、すっかり恵美破以下の戦闘力で落ち着いてしまったなぁ(^^;
色々と出来る紅牙さんはともかく、烈牙はほぼ、カラス天狗に毛の生えた雑用係状態。
ジライヤはパルチスの変化の術に不意を突かれてアーマーを切られるなどするものの、プロテクターを身につけての反撃で妖魔一族を撃退。
毒斎様は身代わりの術で磁光真空剣・真っ向両断を回避すると、退却していく。
「まだまだだジライヤ! 忍法の奥は深い! そう易々とおまえら若造に討ち取られる俺様ではないわ!
ははははははは!」
駄目だ……駄目すぎて、面白い。
なおパルチスも、ごく自然に一緒に退却。
追おうとしたジライヤであったが、「闘破にもしもの事があったらどうするの」というケイの言葉に、
深追いを止めるのであった……と、ケイちゃん、ようやくヒロインフラグを多少進めました。前回もちょっとヒロイン位置だったし、
この辺り、ケイちゃん強化キャンペーンかなにかだったのか。
そしてさつきの誕生パーティは無事に行われ、「ケイとさつきの友情は、これからも長く続くだろう」……
レオタード忍者に瞬間転身とかしたのに、引かれなくて良かった(笑)
……まあ、不良女子高生軍団もカラス天狗を普通に受け入れていたし、割と一般人が奇天烈な格好の世界忍者と普通に
会話したりしているので、この世界では電車の中吊りに「君も紙忍にならないか?
経験者優遇」ぐらいの広告は出ているのかもしれません。
ところで今回、毒斎様の声を演じる飯塚昭三さんの演技が少し変化しているのですが、妹を狙うというあまりにあまりな作戦内容に、
少し毒斎様の演技の方向性をシフトしたのでしょうか……より小物っぽく。とはいえ毒斎様は、
“声は大物・行為は小物”がいい所なので、できれば前の方向性がいいなぁ。
……それとも次回、君は生き残る事が出来るか?
そおいえば前回、不自然な(おぃ)見せ場がアッタシナァ…………。
たぶん大丈夫だとは思うのですが、毒斎様大好きなので、書いている内に割と心配になってきたゾ(笑)
そんなわけで次回、スミス博士を狙うCIAからの刺客(たぶん)、鉄忍参上! 突破も参上! 妖魔一族の立場はどっちだ?!
- ◆第23話「毒斎より怖い?! 鉄忍ガメッシュ」◆ (監督:辻理 脚本:寺田憲史)
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国際科学平和シンポジウムに出席する為に来日していたイギリスのブラウン博士、ドイツのシュミット博士、二人の科学者が、
立て続けに誘拐される。その背後にあるのは、世界征服を企む忍者一族……鉄忍ガメッシュ!
「前々から察知していたのだが」
とか、さらっと口にする父さん。
実にさらっと。
なお鉄忍一族は、
「妖魔一族とは違って(中略)恐ろしい組織だ」
との事。
哲山の命で、闘破達は会議のシンボルとも言えるスミス博士をガードする事になる。
ところかわって、妖魔一族会議室。ブラウン博士とシュミット博士の動向情報を鉄忍一族に流していたのは、
やはり情報収集能力では忍界随一、鉄忍ガメッシュから「世界に名をとどろかせる犯罪組織」と持ち上げられる、妖魔一族であった。
あー、裏社会的には、そういう扱いなのですね(笑)
「恐るべき忍者集団」とか、そういうのではないんだ、みたいな。
鉄忍一族は妖魔一族に気前よく大量の金の延べ棒を支払うと、「いずれ科学の力で妖魔一族に匹敵する力を得た暁には世界征服のために
手を組みたい」と電話会談を終了。
しかし……
ガメッシュ「最後に笑うのはどちらかな、毒斎……」
……あ、あれ? こちらも割と小物っぽいぞ?(笑)
声が西尾徳さんというのがまた(^^;
二人の博士を誘拐したガメッシュの真の狙いは、彼等とスミス博士の3人がかつて開発した、「人間の脳に直接指示を与える機械」
であった。もともとは医療用に開発された装置であったが、使い方次第では、大量の人間を言いなりに操る事が出来る、
恐怖の洗脳装置となる。ガメッシュは3人の博士にこれを再び作らせ、世界征服の為の兵力を手に入れようとしていたのだった!
国際科学平和シンポジウム会場へ向かうスミス博士(+護衛の闘破と学)を奇襲する鉄忍一族。だがスミス博士は身代わりの人形で、
これは囮作戦。しかし鉄忍一族も烈牙率いる妖魔一族の変装であり、本命の襲撃部隊ではなかった。
戦闘シーンの場所となった道路の背後の壁に、ピーポくんが描かれているのが無性に笑えます(笑)
一方、何の説明もなく再登場した突破にガードされて会場へ向かう本物のスミス博士だったが、その前に本物のガメッシュが姿を見せる。
ガメッシュの飛び道具を受け、あっさりやられる突破。
つ か え な い。
一方、鉄忍一族の雑魚を普通にしばき倒すスミス博士。
……そういえばこの人は、哲山の直弟子でした。
だがさすがにガメッシュにはかなわず、さらわれてしまう。しかし博士には発信器をつけており、
その電波を追って港へと向かうジライヤ。なお負傷した突破は一緒についていこうとしたものの、ケイちゃんと哲山から
「つかえねーから黙って寝ていろ」(意訳)と言われ、同行を拒否されました。もはや間違いなく恵美破より弱いので、仕方がない。
その頃、船を待って鉄忍一族の本拠に連れ去られようとしていたスミス博士らだったが、あっさり縄抜けしそうだなぁ……と思ったら、
本当にあっさり縄抜けするスミス。
ガメッシュに蹴り飛ばされて気絶したふりをしたりとか、とにかく今回、スミス博士が面白すぎます。
鉄忍一族の雑魚をやはりあっさりと撃破して逃亡をはかる博士だが、影に身を潜めていたガメッシュに倒され、
発信器にも気づかれてしまう。発信器を破壊し、潜伏場所を変える鉄忍一族は移動中に警察の検問に引っかかる……ところがそれは、
妖魔一族の罠であった。鉄忍一族を裏切り、博士達を強奪しようとする妖魔一族。
この戦闘の音に気づいたジライヤはこっそり戦場へ近づくと、博士達を逃がそうとするが、途中で気づかれてしまう。呉越再び同舟、
まずはジライヤを倒そうとジライヤと博士達を包囲する妖魔&鉄忍一族。スミス博士が格好良くポーズを取っているものの、
さすがに多勢に無勢、進退窮まるジライヤにガメッシュの鎖鎌が迫るその時――鎖鎌を吹き飛ばす、手裏剣の一撃!
?!
?!
!!
皆の視線が集まった、高い所に黒い影!
「戸隠流正統、山地哲山。科学を邪悪な忍法に、利用しようとするその方達、許せん!」
……おかしい、おかしいよ、どうして、哲山が一番ヒーローポジション?!
格好良く飛び降りた哲山の乱入で、途端に形勢は逆転。突破を倒したガメッシュブーメランカッターも華麗に回避する哲山。
これを見て「オヤジ!」とジライヤが割って入るのですが、どう見ても、そのまま放っておけば哲山がガメッシュを始末した気が(笑)
ガメッシュの放った磁気嵐の術に苦戦するジライヤ。それを見たスミスは、ポケットから一本の万年筆を取り出す。
「やむを得ない……これを使う以外、無いでしょう」
それこそが、悪用される事を恐れて、開発はしたもののスミス博士が自ら封印し秘蔵していた、脳波コントロール装置だった!
「ジライヤ、君が負けてはいけない」
装置の光線をガメッシュに向けて放つスミス博士。
なぜか、ここで流れ出すOP(笑)
脳波コントロール光線の影響であぱぱ〜となって苦しむ鉄忍ガメッシュを、ジライヤ、ざっくりと斜め両断。
戸隠流の前では、卑怯者に人権はない!
こうして鉄忍ガメッシュは東京湾の藻屑と消え、妖魔一族は撤収、スミス博士らは無事に国際科学平和シンポジウムの開会に間に合い、
山地一家の人知れぬ活躍により、世界の脅威は未然に防がれたのであった。
スミス博士、という新たな脅威は明るみに出たが!
次回予告で煽った割に、蓋を開けたら
小物vs小物
そして、
スーパーオヤジフェスティバル
という斜め上すぎる展開。
哲山はともかく、スミス博士まであんな事になるとは(笑)
………………え? とっぱ? 誰ですか、それ……?
ちなみにちょっと確認したら、カラス天狗の声も西尾徳氏でした。わからなかった。
- ◆第24話「海賊キャプテンクックの金貨」◆ (監督:辻理 脚本:高久進)
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房総行川アイランド協賛回。
施設の職員にまぎれて監視をする山地兄妹、そして何故か施設内部をふらふらしている妖魔一族。貴重な、
烈牙さん人間体はちらっと写るも、本当にちらっとで顔も確認できず、少し可哀想。
そしてホテルには、どういうわけか竜と麗。
麗は未だに記憶喪失……というよりも、詳細な描写をはばかる可哀想な人状態。
「やはりこの行川アイランドに何かが起こる気配だ」
というのもだいぶ意味不明ですが、どうしてそんな所に、連れてきたの……?
暗躍する妖魔一族は、海賊の末裔にして七つの海を冒険したトレジャーハンター兼殺し屋、水忍・シルバーシャークと協力して、
この房総の海に眠るキャプテン・クックの財宝を我が物にせんとしていた。
邪魔なジライヤを片付ける為に、毒斎様、カラス天狗に爆弾をくくりつけるという非道な作戦を決行。
「ジライヤはカラス天狗を見つけると必ず追ってくる」
動物の習性みたいな扱い(笑)
まあ、カラス天狗はどうせ一週間弱で再生するので、作戦としてはかなり有用ですが。
で、わざとらしく徘徊するカラス天狗を発見したジライヤ一行ですが、爆弾を起爆させる為にその後を追っている紅牙と烈牙に
あっさり気付き、妖魔一族の作戦大失敗かと思いきや、やはりとりあえずカラス天狗を追う闘破、カラス爆弾に巻き込まれるが……
ダメージほとんど無し。残りの2匹が追撃してきて突破も交えて大爆発するも……やはりダメージほとんど無し。
正直もう、関わる全員が何をしたいのやら。
特に、カラス天狗を露骨に捨て駒として使うのは禁じ手だと思っていたので、こんな形でいい加減に
(そして何の役にも立たずに)使ってしまったのは非常に残念、かつ、作品の今後に悪影響を与えかねないレベル。
カラス爆弾攻撃に耐えきったジライヤ達だが、その時、毒斎がホテルでるるる〜していた麗を捕まえて登場。
ざっくり始末しようとするが、迫り来る毒斎を見た麗、宇宙ビームを放った時の記憶が甦り、復活。
戦闘はジライヤチームと妖魔チームとの乱戦となり、ジライヤ&麗破vs毒斎、突破vs紅牙&烈牙という構図で、一応、
毒斎様が持ち上げられたのは良かったものの、結果、烈牙の存在意義が本格的にカラス天狗レベルに。むしろ、
再生能力無いだけ使い勝手が悪い雰囲気さえ漂います。
妖魔一族は退却し、お宝の眠る洞穴へ進入しようとしていたシルバーシャークを追うジライヤ。
ホテルが吹っ飛びかねない威力の時限爆弾の爆発は阻止するものの、シルバーシャークはお宝をゲット。
磁光真空剣・真っ向両断を受けるもシルバーシャークは「いつかおまえと対決する!」と捨て台詞を残して撤退。
妖魔一族とシルバーシャークはお宝を確認して宝の地図を手に入れるが、それは風化してぼろぼろになって飛び散ってしまうのであった……。
最初から最後まで筋がぐちゃぐちゃで、登場人物の行動も全てシナリオ都合のみ優先、
という会心のダメ回。
いきなり行川に居る麗、海底洞穴の入り口を塞ぐ岩を壊したいだけなのに地上のホテルまで吹き飛ばしてしまうおかしな威力の時限爆弾、
(しかもジライヤサイドはこの爆弾の威力については知らないので、爆破阻止の動機が弱い)、突然行われる非道なカラス爆弾作戦、
紅牙と烈牙が怪しいと言いつつ何も対策を取らない闘破達、派手に吹き飛ばした割には何の意味もないカラス爆弾、
闘破と突破の前にわざわざ麗を引きずってきた上で別に人質に使うわけでもない毒斎様、
そんな毒斎様に迫られていきなり復活してしまう麗破、ゲットしたお宝を(よりにもよって)
妖魔一族に預けて突然ジライヤに戦いを挑むシルバーシャーク……と全面的にてきとーな上に、
個々の要素が全く絡んでいない、という典型的なダメシナリオ。
都合により、短時間で行川アイランドの出てくる回をでっちあげなければいけなくなった、としか思えない出来(^^;
まあ、とりあえず置いておいたネタ(※麗破の記憶喪失)
を流れで適当に解決してしまうとか、高久脚本ぽいといえば実にぽいんですが。
で、そんな回なのに、
ナレーション「飛鳥竜こと槍忍・突破は、新しい任務のため、日本を、しばし留守にすることになった」
ええっ?!
突破、思わぬ形で消された(笑)
まあ正直、助っ人キャラにしても、突破出てくるより、フクロウ男爵とかハブラムとか出てきた方が圧倒的に面白いので、
残念でもなんでもないのが困った所なのですが、にしても、酷すぎる扱い……(^^;
(※一説によると、怪我による降板でないか、との事)
終わりまで見ると「麗破が復活して、突破が日本を去る回」なのに、この二人にほぼ焦点が当たってないとは、
いったい誰が予想できるでせう(一応、突破に戦闘での見せ場は多少ありましたが)。
かくて麗破は、完全復活。どうせなら、ついでに私服チェンジしてほしかったのですが、衣装はあのまま。あの衣装はホント、
どうなのか。
→〔その5へ続く〕
(2013年3月17日)
(2018年1月14日 改訂)
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