■『機動刑事ジバン』感想まとめ7■


“吹き飛ばす 闇を
機動刑事ジバン”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『機動刑事ジバン』 感想の、まとめ7(47〜52話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕
〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕 ・  〔総括〕


◆第47話「激突!クリスマス決戦!!」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
 終盤に向けての準備か、ギバ様、再びナメクジ姿に。そもそも意味がわからないので、全く意味はわかりませんが。
 いそいそと郵便局の私書箱から封筒を回収する秘書ズ。それは、マッドガルボの発案で子供達から募集した、 バイオ怪物のデザイン案だった!
 てっきりギバ様の思いつきかと思ったら、ガルボさんのアイデアでした。ろくに仕事しないと思ったら、そんな企画の為に、 募集要項とか一生懸命タイプしていたのか。
 「この絵を当選と決定し、さっそくバイオ怪物、ユニコーンノイドを誕生させよう」
 恐らく企画回ではないかと思われるのですが、ノリノリのギバ様、その内の一枚を採用。 完成したユニコーンノイドは過去のジバンの戦闘を研究し、年末進行なのか、そこはかとなく過去映像で尺稼ぎ。
 その頃直人さんは、ひとりもの悲しくジバン基地にクリスマスツリーを飾っていた。洋子先輩、 寂しい女なので押せばデートぐらい出来そうだけど、直人さん、成人女性に興味無いからなぁ(待ちなさい)。
 工場地帯でユニコーンが暴れだし、迎撃に出るジバンだったが、ユニコーンノイドの体内にはその設定通り、 デザインを応募した少年が人質として捕まっていた。そこへマッドガルボがサイドカーで乱入し、手出しできないジバンは大苦戦。 年末なのでメカ軍団が総出撃し、ガルボはヘリにやられて撤退(笑)
 多分、ヘリは今作最強の存在です。
 ジバンは接近戦でユニコーンの腹を裂いて少年を救出すると、心置きなく対バイオロン法を読み上げ、 パーフェクトジバンのテーマ曲をフル活用して、歌詞に合わせて武器を叩き込み、締めはファイナルキャノンで抹殺。
 少年の父が軍事評論家で、少年は父の集めた資料を盗み見てユニコーン怪獣を考えたのだ、という話が入るのですが、 結局のところ子供のイラストなので特に物語上で深い意味はなし。なにか説得力を付加した方が良いと思ったのかもしれませんが、 今更、ギバ様の行動に説得力とか求めていないですし(笑) むしろ、出鱈目でてきとーな方がギバ様らしいというか。
 しかしパーフェクトジバンは、追加装備だけでなく、なんとかスーツも新調できなかったのかなぁ……装備としては格好いいだけに、 本体の外見も変わればまたちょっと、盛り上がりも違ったのですが。

◆第48話「年忘れバイオロン退治!」◆ (監督:小笠原猛 脚本:扇澤延男)
 山中で金を掘り当てようとしていた2人組の若者が、地震による崖崩れでバイオノイド量産工場の入り口を見つけてしまう。 突入したジバンを待ち受けていたのは、ツリガネノイド!
 「苦しめジバン、これが俺の除夜の鐘攻撃だ。108つ目が鳴り終わる時、貴様の体は粉々に吹っ飛ぶ!」
 悠長な(笑)
 釣り鐘から両手両足が伸びている、というそのものズバリなツリガネノイドは自らの体を叩く事で発生する超低周波攻撃によりジバンを追い詰める。 マクシミリアンの射撃と斬撃、更に大抵の敵は貫いてきたニードリッカーまで通用せず、ふざけた見た目とは裏腹に、 これまでで最強クラスの力を見せる釣り鐘!
 「108つまであと3つ。ジバン、冥土の土産に教えてやる。まゆみという娘は、とっくに三途の川を渡ったぞ!」
 ジバンは怒りの逆襲に転じ、
 「108つ目の鐘は、貴様の体で突かせてもらう!」
 と手足を引っ込めて、鐘状態で体当たりを敢行してきた釣り鐘をカウンターパンチで吹き飛ばす。
 「ツリガネノイド! 最後の鐘は私が突く!」
 問答無用の抹殺兵器ファイナルキャノンが炸裂し、釣り鐘は大爆死。
 色々と疑問はありますが、勢いだけは面白かったです(笑)
 Bパート前半でバイオ怪人をデリートしてしまいこれからどうするのかと思ったら、 まゆみちゃんが既に死んでいるという情報の腹いせに、証拠の確保とかどうでもいいので、時限爆弾で工場を吹っ飛ばそうとするジバン。 ところが爆弾を仕掛け終えた所で、殺されたと思われていた2人組の片割れがまだ生きていた事が判明し、 危うく不注意から一般人を木っ端微塵に吹き飛ばしかけるが、無事に救出。そして助け出した青年が、 まゆみちゃんについて「情報を吐くまで殺すわけにはいかない」と喋っていたのを小耳に挟んでおり、 釣り鐘の言葉はただのブラフだった、という判明してエンド。
 少々ひねった構成でしたが、間抜けな青年の救出シーンをクライマックスに持ってこられても、何も嬉しくない(笑)
 今回の『ジバン』視聴の8割方の目的だった扇澤脚本回のチェックもそろそろ終わりかと思われますが、 『ジバン』では特に面白くなかった、という結論になりました(^^; 後の方向性も含め、 光るものがあったのはせいぜいヤギノイド回ぐらいか。
 次回、まさかのモンスターズにスポット。

◆第49話「あばかれたジバン基地」◆ (監督:小西通雄 脚本:鷺山京子)
 マッドガルボさん、まゆみちゃんが適当に落書きしたジバン基地の入り口の地図に騙される(笑)
 爆発現場で破り捨てられた地図を目にした直人と洋子は、バイオロンがまゆみからジバン基地の場所を聞き出そうとしている事を知る。
 「まゆみちゃんはジバン基地が狙われている事を知らせようと、わざと偽の地図を書いたんだ」
 ああ成る程、敢えて偽地図を書いてバイオロンを動かす事で、それが直人に伝わる可能性に賭ける、と、 記憶を取り戻したまゆみちゃんは、相変わらず優秀。
 まあ、バイオロンがまゆみから情報を聞き出そうと監禁を続けている、という時点で、直人には自然にそれぐらい警戒してほしいものですが、 部下のポンコツ加減までパーフェクトに把握した、素晴らしいボスぶりです。
 まゆみの根性の太さに業を煮やしたバイオロンではまゆみに自白装置をしかけ、イメージの中でジバン基地に行くように誘導するが、 まゆみは何故か基地に辿り着く事が出来ない。
 (わからない……)
 ジバンの秘密を守りたい一心で心を閉ざしている……とロマンの男・ギバ様はメルヘンに解釈しますが、これ、またあの爺が、 孫の脳内にセキュリティ埋めているとしか思えないのですが。
 今作を貫いているのは愛とか真心とかではなく、狂気と退廃です。
 ギバ様は、賑やかしモンスターズを使って精神をリラックスさせたらどうだろう、と思わぬ変化球を投げ、 賑やかしモンスターズと一緒に閉じ込められるまゆみ。会話が盛り上がってきた所で秘書達が猿芝居でまゆみが脱出する機会を与え、 まゆみは賑やかしモンスター達を丸め込み、一緒にバイオロンのアジトから脱出する。
 「これでいい。ニセハハノイド!」
 ギバ様、おい、ギバ様!!!
 だから、徹夜明けに怪人作らないで下さいって言ったのに!
 最初から自爆装置内蔵という覚悟の決まったニセハハノイドは、まゆみ母の姿に変身すると、 ジバン基地爆破の使命を帯びてまゆみの後を追う。
 逃亡したまゆみが、賑やかし怪物とほのぼの、というやり取りと展開は、今作にしては面白い。 ここまで取り立てて特徴づけられていなかった賑やかしモンスターズを「母親」というキーでまゆみと繋げ、 それなりにキャラクター性を与えている辺りは、巧みです。
 トラックの荷台に隠れて遂に五十嵐家へ辿り着くまゆみだが、そこは、
 「危険立入禁止 警視庁」
 という看板の立つ廃墟だった(笑)
 まあ……

 売 地

 よりマシか。
 そこへ現れた偽母は、家はバイオロンの攻撃を受け、隠れ家も襲われてパパが捕まったのでジバン基地へ連れていってほしい、 とまゆみが何とかジバン基地の入り口を思い出すように誘導。一方、ヘリメカがまゆみの姿を見つけ、駆けつけようとしたジバンの前には、 時間稼ぎでマッドガルボが立ちはだかる。
 あ、なんか、下手すると初登場以来で、ガルボさんが役に立っている。
 まゆみの動向を追跡していたハリーボーイが偽母に気付いてジバンに連絡するが、 自爆装置の遠隔起爆装置を手にしたガルボがまゆみを人質に取り、ピンチに。 しかしジバン基地の入り口について強硬にまゆみに迫る偽母の態度に賑やかしモンスターズが体当たりを敢行した事で、 偽母の正体が判明。噛みつきによって起爆装置が故障した事で、反撃の糸口を得たジバンはガルボを振り切ると現場へ急行し、 群がるモンスターズごと、偽母を轢く。
 そういえばジバンは刑事だけにか、ここまであまり、轢かないヒーローでしたが、この最終盤で見事にやりました。
 (まあルーツといえるロボット刑事Kは、力強く交通事故とか誘発していたけど)
 まゆみを救出したジバンは偽母と戦闘になり、秘書に折檻を受けるモンスターズ。
 「この裏切り者めぇ!」
 というか作戦、伝えておいて下さい(笑)
 思わずそれをかばいに走ったまゆみは結局またさらわれてしまい、怒りのジバンはパワーブレイカーで怪人を投げ上げると、 落下の加速度付きでニードリッカーで貫くというデッドリーコンボから、オートデリンガーにより抹殺。直人は現場に残された、 まゆみのハンカチを握りしめるのであった。
 勢いで始末されるかと思ったモンスターズはまゆみと一緒に収容され、わざわざ拾って帰ったのか、秘書ズ。
 いよいよラストが迫る所で、賑やかしモンスターズに焦点を当てるという変化球から、バイオロンと五十嵐博士の駄目さ加減が輝き、 今作としてはまとまりのいいエピソードとなりました。次回……予告は面白そうですが、さて。

◆第50話「二人を結ぶ点と線」◆ (監督:小西通雄 脚本:荒木憲一)
 もはやどう足掻いても正ヒロインの座が転がり込みそうにない事を認めたのか、
 「でもわからないな。直人がまゆみちゃんを思う気持ちが」
 洋子先輩、地獄の釜の蓋に手をかける。
 「前からそう思ってたんだけど……」
  成人女性に興味ないの?
 具体的に言うと、先輩美人刑事とか先輩美人刑事とか先輩美人刑事とか!
 「ううん、大切にするのはわかるのよ。でも……まるで本当の兄妹みたいなんだもん」
 「実は……いつか言おうと思っていたんですが……僕には本当に妹がいたんです。名前も同じでまゆみという妹が」
 あまりに直人が変態っぽいからか、ラスト目前で、強引に過去が創造されました(笑)
 実は直人の両親と妹は、10年前、田舎の親戚の家に出かけてそのまま消息不明になっていたのだった……とここに来て浮かび上がる、 思わぬ壮絶な過去。そしてそれが、いつか自分の手で家族を見つけ出せるかもしれない、と直人が警察官になった理由だった。
 まゆみちゃんにそんな妹を重ね……どころか、一目見た時からあまりにも妹の面影を宿すまゆみちゃんが、 居なくなった実の妹に見えて仕方がない直人は、公権力の力で、密かにまゆみちゃんの事を色々調べていたと告白。
 むしろ、より変態ぽくなってしまった……!
 一方その頃、警視庁からジバン計画のファイルが盗まれ、いきなりだが、 機動刑事ジバン=ヘボ刑事田村直人という正体がバイオロンに掴まれてしまう。
 盗まれたジバン計画ファイルナンバー4の内容を確認する直人だが、何故かそこに、直人の妹・まゆみの写真が。
 「ハリーボーイ、スイッチを切れ!」
 柳田(笑)
 「どういう事ですか柳田さん! どうしてここに僕の妹の写真があるんです」
 昭和55年1月23日――写真に添付された10年前の五十嵐博士のメモには、既にこの頃から、 後のバイオロン犯罪の予兆と思われる奇妙な事件が日本各地で続発していた事が記されていた。 バイオロンは生体実験の為に地方の寒村などで集団人さらいを行い、田村一家はこれに巻き込まれて失踪していたのである。
 そして北海道のバイオロンアジトと思われる工場へ突入した柳田と五十嵐博士は、既に撤収済みのアジトの奥で、小さな女の子を発見。 それこそが田村まゆみ――そして五十嵐まゆみだった。
  二人はまゆみの身元を必死に調べるが結局判明せず、博士はまゆみを娘夫婦に預け、それから10年……思わぬ運命の悪戯で、 引き裂かれた兄妹はバイオロンに立ち向かう機動刑事と少女ボスとして再会したのだった。
 何とか最終盤を盛り上げようと激しく時代がかった展開を盛り込んできましたが、このまま緩やかに絶望的な死を迎えるよりは、 思い切って良かったと思います。
 柳田自身もこの事実に気付いたのはつい最近であり、五十嵐家の親子関係もあるので直人に切り出せなかった……と言い訳するのですが、 それなら写真が明るみに出た時点で「すまん、実は……」とか切り出せばまだ好感度が上がるものの、 そこから全力で隠蔽しようとする辺りに、根の酷薄さを感じさせます。
 マッドガルボから挑戦状が届き、小娘一人より地球を優先しなくてはならんだからこの件は伏せておきたかったのだよ田村くん、 と柳田から制止されるもそれを振り切り、ジバンでも刑事でもなく、兄として罠へ飛び込んでいく田村直人。
 「まゆみちゃん、今助けに行くからな、まゆみちゃん」
 Bパート冒頭、ここでいきなりのOP使用は格好良かった。
 呼び出しの場所に向かったジバンを待ち受けていたのは、ジバンと瓜二つのジバン!
 それは、手に入れたジバン計画のデータを元にギバ様が作り上げた、あらゆる数値でジバンを上回る強化ジバン装甲を身に纏ったマッドガルボであった。
 ここに来てのジバンvsジバンという状況は面白いのですが、マッドガルボの戦力的存在理由はまた一段と無に近づきました。 もともと、ジバンに匹敵する能力ではなかったのか……しかも、一応スペースパワーで強化されている筈なのに……。
 自然にロボットぽい動きになるように、もしかしたらスーツの可動域に故意に制限でもつけてあったのか、 妙にぎこちない動きのジバンガルボ(ジバンとしてはおかしくないけど、ガルボだと思うと滑らかさに欠ける)は、 その高い性能でジバンを追い詰めていくと、より強力なコントロール波で3大メカを操るという、伝統の『バビル2世』展開。
 三つのしもべに命令だ! や!
 集中砲火を浴び、絶体絶命に追い込まれるジバンだがその時、この戦いを見せつけられていたまゆみの叫びがジバンに届くと、 虚空から迸った謎の閃光が強化ジバン装甲を消し飛ばす!

 ……また、拾った子供に何仕込んでるんだ、爺。

 いつもの姿に戻ったマッドガルボは、レゾンの好アシストもあって反撃に転じたジバンのオートデリンガーがかすって撤退。 からくも窮地を脱したジバンだが、果たしてまゆみはどんな力を秘めているのか……。
 ナレーション「まゆみの、強い愛情が、ジバンの絶体絶命の危機を救った」
 ………………………………れっきとした伏線なのか、いつものメルヘンなのか、 『ジバン』だけに全く判断が付きません。
 キチガイ爺が、ジバンの危機に反応して発動する緊急プログラムを仕込んでいた可能性が一番高いですが。
 ひたすら地獄の底を転がっていた今作ですが、最終回目前で直人とまゆみの関係に焦点を合わせ、強引に山を作る事に成功。 まあ結局、「血縁関係」という手段を用いるしか、盛り上げようがなかったとも言えますが。 後はギバ様がどれだけ派手に散ってくれるかに期待です。
 正義と愛vsロマンとデカダン、勝つのはどっちだ!

◆第51話「幻のマユミを斬れ!」◆ (監督:岡本明久 脚本:杉村升/荒木憲一)
 何がよろしくないって、このクライマックスにおいて、聞き覚えのある別作品(主に『ギャバン』)の音楽が流れまくるので、 劇伴が作品から浮いて聞こえてしまい、物語に入りにくいのが非常に辛い。まあ、 数年のスパンがあるのでリアルタイムだとオリジナルに聞こえたのかもしれませんが……。
 とうとうバイオロンは街中で直人に直接攻撃を行い、前回、無様に逃げ出したマッドガルボもサイドカーで登場。
 「ジバン! いくら戦っても私には勝てん!」

 え?

 マッドガルボは奪ったファイルによりジバンの行動パターンを把握していると主張し、ジバンは一時退却。前回、 マッドガルボが泡を食って逃走したという事実が、ガルボさんの記憶どころか、劇中の時空レベルで消え去っている空気なのですが、 50話と51話の間にいったい何があったのでしょうか。
 基地へ退却した直人は、周囲の人々を巻き込まない為、敵に把握された行動パターンを乗り越える為、一つの決断をする。
 「方法は一つ。田村直人を捨て、自分の心さえも捨て去る事です」
 直接攻撃を避ける方法と、マッドガルボとの戦闘対策を一つの台詞にまとめてしまった為、何か得体の知れない発言に。
 「全ての人間と関係を絶って、心を無に出来るよう修行してきます!」
 敵に動きを読まれない為には無念無想の境地に達するしかない…… 目的と手段と方法論が色々とちゃんぽんになって混沌としたマリアージュを生み出した結果、 とち狂った直人は主題歌で山籠もりを敢行(笑)
 とうとう、改造した脳の副作用が、手遅れの段階になってしまったようです。
 もはやジバン恐るるに足らず、と大攻勢をかけるバイオロンは、遂に日本侵略作戦を決行。東京の重要拠点を制圧すると共に、 ジバン基地の殲滅を目論んで動きだす。
 ジバン基地の留守を預かる柳田は、通信電波を発信する事で敢えてジバン基地を発見させてバイオロンにミサイルを撃たせ、 その発射位置の特定によりバイオロンの基地を逆に見つけ出す、という捨て身の作戦を敢行。バイオロン基地の発見に成功するも、 ハリーボーイもろもとも、基地の爆発に呑み込まれてしまう。
 柳田とハリーボーイの命がけの通信を受け、基地に戻った直人が目にしたのは、機能停止するハリーボーイと、 事切れる柳田の姿であった。
 …………ハリーボーイのボディ、借り物では。
 思えば平和を愛するプロパガンダロボットだったのに、暴力の味を覚えた挙げ句に警視庁の手で悪魔合体の犠牲となり、 別の人格となってバイオロンと戦った末に最期を迎えるという、数奇な運命でありました。 折角ボディを手に入れたのに結局ほとんど基地に居ただけで、ボーイ→ハリーボーイとしたのも、本当によくわからないテコ入れでしたが(^^;
 そして今更、柳田の死で盛り上げられても苦笑しか浮かばないのですが、早川といい、とりあえず殺しておけば盛り上がるだろう、 という実にぞんざいな扱い。
 怒りと哀しみのジバンは、先に柳田が基地を脱出させていた3大メカを敢えて置き捨て、 ダイダロスを装備してバイオロンのアジトへと単身カチコミを決行。
 まあ、任侠物と時代劇が東映ヒーロー物のベースにあると考えると、実に由緒正しい展開ではあります(笑)
 「柳田のオジキの仇じゃぁぁぁぁぁぁ!!」
 だが、結局山籠もりが中途半端だったジバンは心を無にしきれず、待ち受けるマッドガルボと秘書ズに苦戦し、 更に人間の脳である事を弱点として突かれ、まゆみや洋子の幻像で攪乱される。
 「幻影とわかっていて何故斬れないんだ。これが人間の優しさなのか。じゃあ、心を捨て去るという事は、 その優しさを捨てるという事なのか」
 「バカな! 優しさで地球を滅ぼしていいわけがない。そんなのはまやかしだ!」
 「わかったぞ! 心を捨て去るという事は、まやかしの優しさを捨て去り、本当の愛の為に非情になる事だ!」
 山籠もりの成果が出たのか、危ない回路と危ない回路がスパークし、 この最終局面で戦士として格段のレベルアップを遂げたジバンはまゆみちゃんや洋子先輩の幻をばったばったと切り刻む。
 「マッドガルボ! 俺は鬼となったのだ! 大きな愛の為に、鬼となったのだ!」
 「大きな愛の為に鬼?!」
 「貴様にはわかるまい! バイオロンの怪物に、本物の愛がわかってたまるか!」
 愛とか全く関係ないのですけど、一応最終的に今作のテーマという事なのか、凄く強引に「愛」と紐付けした結果、 果てしなくよくわからなくなりました(笑) 書き取りの上で10回ぐらい読み返してようやく言わんとしている事がなんとなく繋がったのですが、 流れの中で言われるとかなりぽかーんで、バイオロンの怪物でなくてもよくわかりません(^^;
 〔バイオロンに正体がばれた→田村直人として生活できない〕+〔バイオロンに行動パターンが読まれている→ 心を捨て去り無念無想の境地に達するしかない〕=「全ての人間と関係を絶って、心を無にする」 という出発点がまずおかしかったのですが、そこから
 山に籠もる→結局心を無にできない→幻影にまどわされる→これは優しさなのか?!→いやそれで地球が滅びるのはおかしい→ つまりこの優しさは間違っている!→本当の優しさとは幻を斬れないという薄っぺらな自己欺瞞などではなく、 時に鬼となる事だ!→それこそが本当の愛!→その愛の為、ジバンは心を捨て去った無の境地に到達する!
 せめて「愛」か「無」かどちらか一つにしておけば良かったのですが、成り行きとテーマの都合でその二つを混合した結果、 直人さんの論理的飛躍が激しく狂気と神秘体験をともなうものに。
 若干、後の『特捜ロボジャンパーソン』に繋がる萌芽を感じる所でもあります(^^;
 瞑想で精神を研ぎ澄ませていた所に、幻覚を見せられるという神秘体験を経て覚醒を遂げたジバンは、 ジバンラブエンドによりガルボを撃破。最後の意地を見せて立ち上がるガルボだったが、ファイナルキャノンの直撃により大爆発。
 鳴り物入りでライバルキャラとして登場した次の回で出刃亀に転落し、 その後長らくギバ様のよいしょ要員だったマッドガルボですが、最後までどうにもライバルキャラとしては盛り上がりませんでした(^^;  敢えて女性型にしたのも、ギバ様の趣味という以上に、さっぱり物語の中で活きませんでしたし。
 遂にマッドガルボを抹殺したジバンは、まゆみを取り戻す為、ドクターギバの元へと向かう――次回、最終回。
 今回の地味に凄かった事1:ジバンの命令に従い、本当に一切助けに来なかった三大メカ。
 今回の地味に凄かった事2:最終回1話前だというのに、幻影でしか登場しないまゆみちゃん。

◆第52話「愛の最終決戦!!」◆ (監督:岡本明久 脚本:杉村升)
 基地の奥でドクター・ギバと対面するジバン。最終話まで生き残った秘書ズは、ギバ様にあっさり粛清されてしまう、 ともう使い所が無かったのでしょうが、冴えない最期になりました。サブキャラの中では最も存在感を発揮して面白かったのですが、 今作の陰の功労者。
 「ドクターギバ! 貴様、自分の部下の命さえも!」
 「命? ははははは、命など、人間だろうが怪物だろうが、私にとっては虫けら同然だ!」
 「なに?!」
 「ふん、虫けら扱いしているのは、人間も同じだな。今更驚くにはあたるまい。そう、私も人間の手によって誕生したのだ!」
 五十嵐博士が所長を務めていた国立科学アカデミー・バイオ研究所の廃液処理場の中で、偶然から誕生した怪物、 それこそがドクター・ギバ――ギバノイドの正体であった。
 この最終回で遂に明かされる、

 壮大なマッチポンプ

 五十嵐博士は後どのぐらい、世界に災厄の種を蒔いているのか。
 「人間共も、科学の名の下に平気で命を弄び、自分の欲望だけを満たそうとしている。この地上で、 誰も命を大事にしているものなどいない。バイオロンとどこが違うというのか!」
 「ふざけるな! この地球では、生きとし生けるものが全て命を尊び、大切に育んでいる!」
 ジバン、反証になっていない(笑)
 ギバノイドは、さすがに途中で見せたナメクジモードだとまずいと思ったのか、ドクロやカニや蜘蛛や触手など、色々と混ぜ込んだ、 異形の怪物。通常の1.5倍ぐらいのボリュームながらそれなりに動き、頑張りました。
 「負けてたまるか! 俺には地球を守る義務があるんだ!」
 最後の最後で、ヒーローの戦い、義務に(笑)
 元来、直人自信は率直な正義感の持ち主なのですが、最近は「まゆみちゃーん、まゆみちゃーん」 と私情しか口に出さないので、直人の持つ責任感と使命感がそういう言葉になったというより、 脳改造時に組み込まれた強制プログラムが発動したとしか思えません。
 ギバノイドのパワーに苦戦するジバンだったが、飛び込んできたレゾンがギバ様を轢き、窮地を脱する。しかし、 ギバノイドの攻撃を受け、レゾン、殉職。
 続けて突っ込んできてギバノイドのビームからジバンを守り、バイカン、殉職。
 至近距離から放ったファイナルキャノンを受けたギバノイドはまゆみを人質に取ると飛行艇で逃走し、 バイオロンのアジトは自爆装置によって壊滅する。逃走する飛行艇までジバンを送り届けるも、砲火を浴び、 スパイラス、殉職。
 80年代富野アニメみたいになってきた(笑)
 ギバノイドは、地上にバイオロン帝国を作り上げ人類を抹殺するのだと、飛行艇に備えられた人類絶滅ミサイルのスイッチに手をかけ、 愛の為に鬼になったのならまゆみごと斬ってみろ! とジバンを挑発。
 そこはヒーローとして乗り越えるべきだと思ったので良いツッコミでしたが、さてどうするのかと思ったら、 ジバンはギバノイドにじりじりに近づくと、寸前の見切りでギバノイドだけを貫く、という正面からの力技で解決。……確かにこう、 心は強くなったのかもしれない。ジバンは落下したまゆみをダイダロスを用いて救出し、洋子にまゆみを預けると最終決戦へと挑み、 ここでようやく、本作オリジナルの挿入歌(^^;
 炎上する飛行艇の中での戦いは正直全く盛り上がらず、地上墜落後に延長戦があるのかと思って構えていたら、 ギバノイドは墜落した飛行艇と一緒に大爆死した扱いとなり、ジバンが無事に戻ってきた所で大団円に雪崩れ込んでしまい、 呆然(^^; ギバ様は本作の面白さの9割近くを担っていたキャラなので、せめて、 末期の台詞ぐらい与えてあげて欲しかったのですが。
 なお、ギバ様の正体や最終目的がクイーンコスモと被り気味だったのは、そもそもテコ入れに際して、クイーンコスモの正体に、 ギバ様の初期設定を流用したのではないか、と推測されます。序盤、秘書の正体が宇宙生物(謎のヒトデ)みたいな描写がありましたし。
 というわけでバイオロンは壊滅し、まゆみと実の兄妹であった事を確認し合った直人は、警察を退職して世界世直しの旅へ。 世界にはまだまだ命を大切にしないものが数多くあり、そこにはきっと悪がある、 まゆみちゃんが大人になるまでにはきっと世界を平和にして戻ってくる、とえらいロングスパンで悲壮な決意を固めている所から見るに、 間違いなく五十嵐博士の負の遺産の後始末です。
 賑やかしモンスターズは五十嵐家に回収されてまゆみのペットとして暮らし、セントラルシティ署は、相変わらずだった。
 (直人……きっとあなたがジバンだったのね……さよなら、ジバン)
 先輩、なんですかその、ジバンには男として興味があったけど、正体が直人なら興味が失せた、みたいなの。
 洋子先輩は序盤のゴミっぷりからするとかなり立て直されたとは思いますが、 どだいヒロイン化は無理だったものの終盤はほぼモブと化してしまい、もう少しドラマをあげてほしかったです。
 滑りまくりのコメディリリーフだった村松は終盤いきなりまともになりましたが、特に転機があったわけではなく、要するに、 サブキャラの使い方はひたすら適当。
 そして、お茶くみ子は最後まで謎の存在でありました。
 旅立ちの前、五十嵐博士、柳田、ハリーボーイの墓に花を供える直人。

 三大メカと早川良は完スルー。

 早川はともかく(何故か直人に身元不明みたいな墓を勝手に建てられていましたし)、 ハリーボーイと3大メカの扱いの差は酷いと思います! そもそも、殉職の必要が全く無かったけど(^^;
 ラストは主題歌の2番とともに、1年間の回想。……主題歌は、格好いいのですががが。正直、主題歌と内容の落差は、詐欺レベル。 Bパートのかなりをエンディングとして時間を取り、クライマックスバトルからなし崩しに終わるより本来なら好きなパターンなのですが、 肝心のクライマックスバトルがマッドガルボ戦より盛り上がらないというあまりに酷い扱いだったので、 クライマックスバトルをもっとしかっりやって欲しかったとしか言いようがありません。
 えー……
 実は生き別れの肉親だった!
 支援要員の死亡!
 明かされる意外なラスボスの正体!
 愛とか人類とか主語の大きい事を語る!
 次々と倒れる仲間!
 発動される人類絶滅計画!
 と、ラスト3話、定番の盛り上がり展開を思いつく限りという感じで突っ込んでみたものの、 ほぼ全ての要素がここまでの物語的積み重ねとは連動せず、迷走に迷走を重ねた末にガードレールを突き破って大クラッシュする、 という今作らしいといえば実に今作らしい完結を迎えました。最終的には、直人とまゆみが実の兄妹であった事さえ、 特に物語に影響を与えなかったというのが凄い(直人の行動や態度が、血が繋がっていてもいなくても全く変わらないので)。
 長編の物語としては、最後に強引に盛り上がりっぽいものを作って終わる、というのは80年代作品ではままありますが、 単発のアベレージが低すぎるので、とても言い訳が出来ません。途中からほぼ諦めて見ていましたが (主目的が扇澤脚本回のチェックだったので)、正直非常に残念な作品でした。
 基本的にはスケジュール上のトラブルに端を発したのでしょうが、まゆみちゃんが放浪モードになる、 という連続ネタが背後に常に存在している、というのは使いよう次第ではもっと今日的な物語構造を組める可能性もあったと思うので、 その辺りは、惜しい所ではありました。
 詳しい敗因分析などは、一応、総括でやりたい予定。

◆最終話感想・追記◆
 最終回、あまりにあまりなクライマックスバトルに呆然として、そのダメージが残る中でとりあえず感想はまとめたのですが、 少し落ち着いた所で、“ヒーロー物としてのジバン”について、若干の追加考察を。
 ヒーロー物としての『ジバン』を見る時、最終回の一つ大きなポイントは、
 「人間共も、科学の名の下に平気で命を弄び、自分の欲望だけを満たそうとしている。この地上で、 誰も命を大事にしているものなどいない。バイオロンとどこが違うというのか!」
 「ふざけるな! この地球では、生きとし生けるものが全て命を尊び、大切に育んでいる!」
 というギバノイドとジバンのやり取り。
 ジバンの反論の後に、ギバノイドが「じゃあどうして俺が生まれた?」と返すとジバンが詰んでしまうという実に情けないやり取りで、 今作の物語的積み上げの足りなさを決定的に証明するトドメの一撃となりました。
 せめてこの辺り、誤魔化す構成にしておけば良かったのに、何故か正面から突撃した事で、ジバンが大クラッシュ。一応51話で、 これまでずっと便利用語として使ってきた「愛」を、「本当の愛とは薄っぺらい優しさを切り捨てる事!」 と一昨日の方向に独自の定義づけを行ったのですが、方向が一昨日だったので、勿論、テーマ的なものとは全く関わりませんでした。
 ジバンは一応、「愛」とか「命」を定期的にお題目として掲げてはきたのですが、物語中においては延々と 「バイオロンを抹殺する為のヒーロー」であり、その中で語られた愛は「まゆみちゃーん、まゆみちゃーん」 という私情にまみれた愛であり、むしろそれが終盤になればなるほど強調されてしまった為、 全人類的なアガペーと肉親に対するラブが、当然作劇の中で噛み合いませんでした(ゆえに、まゆみちゃんを実の妹にしてしまったのは、 本当に大失敗)。
 内実の違うものを便利用語にまとめようとして破綻する、というままある話なのですが、物語の説得力も、ヒーロー個人の説得力も、 共に持ち込めなかった、というのが残念ながらヒーロー物としてのジバンの着地点でありました。
 そんなジバンはラストでは、まゆみちゃんへの手紙の中で、世界にはまだまだ命を大切にしないものが数多く存在する、 とギバノイドに対する自分の発言を否定(^^; だが何故ならそこには悪があるからだ、と強引に修正。 そして世直しの旅へ――という旅立ちエンドは定番ではあるのですが、ジバンの場合そもそも公権力を背景としたヒーローだったので、 ここで権力を捨てて、個のヒーローとして新生する、というのはちょっと面白い。
 今後、抹殺行為の法的根拠が無くなりますが。
 ジバンの公権力ヒーローというコンセプトは、結局、公権力と巧く噛み合わなかったのが残念な所。 クイーンコスモ戦を経て最終的にはバイオロンと戦うヒーローではなく、地球を守る為に戦うヒーローにすり替わってしまいましたし (それも直人自身の意識の変化ではなく、柳田の台詞などで外堀から変えられてしまっている)。
 また、前半曖昧にしていたツケで、最後まで警察関係者がバイオロンについてどのぐらい把握しているのかよくわからなかったのも (最終的に少なくとも洋子先輩と村松は認識していましたが、さすがに何度も怪人に遭遇したからですし)、マイナス。 情報認知の線引きをハッキリしなかった事で、物語そのものが不安定になってしまいました。
 この辺りの失敗は、明確に警察組織の一部署となった次作『特警ウインスペクター』などに活かされる事になり、 後の『特捜ロボジャンパーソン』で法と公権力が吹き飛ばされる事になります(笑)
 『ブルースワット』がまだ未見なのでそこまで繋がっているのかわかりませんが、『ジバン』〜『ジャンパーソン』 までは目に見える流れがあるな、とハッキリわかったのは、『ジバン』を見た数少ない収穫(^^;
 二つ遡るとメタルダーもそもそも税金で作られている筈なので、そういう視点では公権力と関わりの薄い『ジライヤ』 の異彩さが改めて浮き彫りになる所でもあります。
 というわけで、ロンリーヒーローへの道を歩み出した直人/ジバンですが、「この地球では、生きとし生けるものが全て命を尊び、 大切に育んでいる」という理想を現実にする為に、それ以外を悪と断じるという思想、『ジバン』の行き着いた着地点は―― “臭い物は、抹殺する事も許される”であるな、と(笑) まあそれはそれで、 今作のテーマとしては貫かれているという事なのかもしれません。
 さて、直人/ジバンは誕生編(第11話)において、改造手術の影響により「君の命はいつまで保つかわからん」と言及されており、 ラストの旅立ちは、まゆみちゃんの前で突然機能停止に陥るという悲劇を避ける為、敢えて残された余命で悪と戦い続ける道を選ぶ…… そしてまゆみちゃんとの間に「いつかの未来での帰還の約束」をする事で、田村直人/機動刑事ジバンは、 エターナルなヒーローとして昇華する、と考えると、ヒーロー性も増し、ちょっと切ない叙情感溢れるエンドになるのですが、 が、そういう格好いい解釈したくないなーというのが、『ジバン』に対する私の偽らざる本音です(笑)
 ここまでこれだけぐだぐだだったのだから、『機動刑事ジバン』は、どこまでも、ぐだぐだであるべき!(おぃ)
 で、kanataさんから日記で連載中に頂いた「……直人さん途中で既に一回もう死に直して、強化再生されちゃってますけどね!」 というコメントで閃きました。
 このスペースマッドガルボとスペースサイノイドの攻撃で死亡が断定され、謎コンピューターによって再生強化された時に、 改造手術の不具合による直人/ジバンの寿命の問題が解決された可能性があるのでは、と。
 まあこれは勿論、“こういう解釈の余地がないこともない”程度の話ではありますし、そもそもそれなら、謎コンピューターを隠し、 ジバンの不具合を修正できるのに修正をしなかった理由がわかりません。
 ――――だがしかし、それが最初から意図されたものであったならば。
 「ジバン計画」の問題点、それは人間の改造手術という些細な倫理上の問題などではなく、個人に強すぎる力を与えてしまう事にあった。 この、ジバンそのものの反逆と暴走という危険性を防ぐべく用意されたリミッターが「少女まゆみ」であり、「寿命」の問題だったのだ。 ジバンが機能停止の危険性を抱えているのは、瀕死の五十嵐博士による未完成の手術の結果ではなく、 ジバンの裏切りを防ぐ為に当初から仕組まれた計画の一端だったのである。
 そしてジバンが任務を真摯に遂行し、外付け良心回路であるまゆみがそれを一定数認めた時に、 ジバンに更なる力を与え寿命の延長を自動的に行う為に密かに建造されていたのが、謎コンピューター (恐らくボーイにはこの辺りの裏データがプログラミングされていたのが、ハリーボーイに悪魔合体した際に失われたのだと思われます)。
 そう、ジバンが改造人間として善行を積めば積むほど寿命が延びるという、すなわち……

 『ぜんまいざむらい』システム!

 ……ハッ、真面目な話をするつもりが与太話にズレた挙げ句、恐ろしい真実に辿り着いてしまったかもしれない(待て)
 そしてこのシステムの発動キーが五十嵐博士の墓石に用意されていた事を考えると、五十嵐博士は実は生きている!!
 ……まあこれは、生前から墓石を用意して仕込んでいたと考える方が妥当でありますが。
 ちなみに、「五十嵐博士・真の黒幕説」は途中でちょっと思いついたけどベタすぎて面白くないので文章にはしなかったのですが 、本編見る限りほぼ黒幕だったという(笑) 廃液処理場から歩み去るギバノイドの姿を見つめる五十嵐博士、 というワンカットは、わざわざ役者さんを呼んでまで撮る必要があったのか。
 長年暖めていたジバン計画(改造人間の制作)の予算を確保する為に人類への悪意を見逃したようにしか見えなかったのですが。
 かくして世界各地で悪と戦う直人/ジバンは、その背後に共通する、“ある人物”の影を感じる。まさか五十嵐博士は生きているのか、 ならば何故姿を隠したのか、ジバン強化システムの真実、ジバン計画に秘められた野望、まゆみの秘めたる力の正体、宇宙を汚し、 命を弄ぶ、本当の邪悪が今、その姿を現す――。
 続きは、ジバン×ジライヤ×ファイヤー、3大ヒーロー競演の劇場版で!
 ……えー、ぐだぐだでオチがつかなくなてきった所で、こんな感じで。

→〔総括へ続く〕

(2015年4月10日)
(2019年12月27日 改訂)
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