■『機動刑事ジバン』感想まとめ6■


“ニードリッカー 鋼の爪
パワーブレイカー 牙むく黒豹
オートデリンガー 火を吹く要塞”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『機動刑事ジバン』 感想の、まとめ6(41〜46話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆第41話「脱線!じゃじゃ馬婦警」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:荒木憲一)
 妙にスカートの短い婦警が活躍するが、ちっとも可愛くないので嬉しくない話(おぃ)
 先輩も基本タイトミニですし、本来ツッコミ所では無いのですが、なまじ婦人警官の制服である為に、 妙にコスプレぽさ(偽物ぽさ)が強調されてしまい、ゲストキャラの婦警に焦点を当てる話としては、 演出的にもマイナスになってしまった気がします。
 研究中に偶然、アルコールと反応すると猛毒を生み出すビールスを開発してしまった博士を捕らえ、 そのビールスを手に入れようとするバイオロンは、飲めば飲むほど強くなるウワバミノイドを派遣。
 逃走中の博士をスピード違反で切符切ろうとしたゲスト婦警がこれに巻き込まれ、 何故か自分が囮になってバイオロンを引きつけようとする。一応ウワバミノイドに襲われてはいるのですが、 ゲスト婦警が「どうして自分が囮として成立すると思ったのか」の描写が一切無い為、意味不明な展開に(^^;  貴重な人員(洋子)を暴走する身内(婦警)の監視に割こうとするのも、さっぱり意味不明。もろもろ流れが悪いので、 婦警がバイオロンの誘導に成功するも村松のミスで応援が遅れて……というサスペンスも、盛り上がらず。
 物語、演出、両面で冴えず。
 敢えて注目点を挙げるとすると、中心となる視点の置き所がゲストキャラの婦警というのは、 どちらかといえば後の《レスキューポリス》シリーズに近く、堀長文参加後の、 次作以降に繋がる一つの萌芽ではあったのかもしれません。

◆第42話「怪物ロックンロール!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
 見所は、電気回路のショートに意外と可愛く驚くドクターギバ。
 ここに来てヒロイン力が急上昇です。
 巨大かつ凶暴なティラノザウルスノイドを育てるバイオロンだが基地の発電量では足りず、 ナマズノイド(なぜか吸血鬼風の人間体)が電気を盗んで育てる事に。ナマズノイドは大胆にも東京都心の電力を強奪し、 新宿や渋谷で謎の停電事件が発生する。
 ナマズと戦ったジバン、電力を吸われ思わぬ大ピンチに。
 普通にバッテリーで動いていたのか。
 ジバンはなんとか基地に戻って再充電し、警察署では突然、お茶くみ子が直人を心配して涙を流していた。
 まあ確かに、周囲から見れば直人は、地下でナマズに突っ込んだまま行方不明という状況ではあるのですが…… そこはツッコんではいけない所では無いのか(^^; そして前回今回と村松のシリアス時間がやたらに長いのですが、 そろそろ死ぬのか。
 事件に関わった洋子お気に入りのアマチュアロックバンドが、ギバ様を馬鹿にした替え歌でナマズの誘き出しに成功。せめてここで、 ボーカル役に串田晃本人起用とかすればネタ回として成立したのですが、そんな事も無し。
 ジバンは久々にダイダロスを使用し、電力を吸い取るナマズの髭を切断すると、ナマズを抹殺。 ダイダロス付けたままでのパーフェクト装備での戦闘は、頑張りました。 餌である電力供給のストップによりティラノザウルスノイドの幼生は消滅し、 アマチュアロックバンドはメジャーデビューを果たして大団円。
 ……なのですが、音楽プロデューサーに評価されたギバ様おえおえとかいう曲でデビューしてしまったので、 さすがに本気でバイオロンに消されるのではないかと心配です。
 クライマックス展開前の一休み期間という事か、コスモさんもお休みで、特に大きな動きの無いボトルショー2本。ここまで来て、 キャラの掘り下げとか物語構造の奥行きとか一切無いので、単純にエピソードの質で勝負するしかないのですが、 揃って非常に厳しい出来。ううむ、25年前に終わっている作品だけど、どうすれば良かったのか、『ジバン』(深刻)。

◆第43話「ジバンを刺した洋子……!」◆ (監督:小西通雄 脚本:藤井邦夫)
 何故か背広姿のギバ様、クイーンコスモと外部で接触。基本、恰幅のいい西洋人のおじさまなので、無駄に似合うスーツ姿(笑)
 コスモがギバに渡したのは、どんな金属でもサビつかせる宇宙ビールス。ジバンにそのビールスを打ち込む為、 バイオロンは洋子を襲撃する。
 「不便なものね。非番の日には拳銃も持てないなんて」
 あ、一応その一線、守られていたのか(笑)
 これまでになく追い詰められた洋子を守るべく参上するジバンだったが、コブラノイドの笛に操られた洋子が、 ジバンの腰にビールスを注入。本人もコブラノイドに打ち込まれたビールスにより、高熱を出して倒れてしまう。 内部メカの不調で撤退したジバンは、通常の手段では除去不能な細菌が自身の体内に打ち込まれた事を知り、 ハリーボーイにワクチンの開発を急がせる。
 ……と、この時点でオチまで判明してしまうという困った構成。
 何の前振りもなく最後に唐突に出てきたワクチンで治るよりは幾分マシかもしれませんが、結局ハリーボーイの超科学で治るのでは、 どうにも盛り上がりようがありません。
 わざわざギバ様が、「人類の科学力を越えたもの」としてコスモからビールスを手に入れたのも、台無しです(^^;
 悪印象に輪を掛ける要素として、ハリーボーイが便利なのは仕方ないのですが、 ハリーボーイは便利な時しか出てこないのは作品全体でもう少し是正して欲しかった所(要するに、愛嬌が足りない)。
 ハリーとボーイを悪魔合体させた結果、人類の科学力を越えた存在になっているというのは、 そこはかとない説得力はありますが(笑)
 この後、ジバン用のワクチンは人間には強すぎて洋子先輩には使えないという事が判明するのですが、 そこでジバンと洋子のどちらを優先するのかという「選択」を迫る展開にでもなるのかと思いきや、 洋子先輩のワクチンは「コブラノイドの毒を奪ってそこから血清を作ろう」→つまりジバンが元気になってコブラを倒せばいいんだ!  で解決してしまう為、やはり盛り上がりなし。
 提示された「問題」に対して、如何にして「解決」するかでドラマが生じるわけですが、その辺り、全面的に杜撰。
 そして1人、悲壮なヒロインモードに酔う洋子先輩はマッドガルボとコブラノイドに突撃。今回、 マッドガルボが久々にアクションを見せるのですが、何故かコブラノイドと一緒に戦う為、盛り上がらない事、甚だしい(^^;  マッドガルボは本当に、何がどうしたくてこうなったのか。 ギバ様のヨイショ係が増えただけで全くテコ入れになっていないのが凄まじいのですが、 テコ入れに失敗した時点でリタイアして盛り上げるわけでもなく、かといって存在意義を作られるわけでもなく、 むしろ秘書ズの方が前線で出張ったり、本気で意味がわかりません。
 ……凄く、着ぐるみにお金かけてしまって、引くに引けないのか。
 「警視庁秘密捜査官警視正・機動刑事ジバン。対バイオロン法第5条。人間の信じる心を利用し、悪の為に操るバイオロンと認めた場合、 自らの判断で処罰する事ができる!」
 いきなり第5条が発動し、ジバンはコブラノイドの毒袋を奪った上で抹殺。先輩は勢いでジバンに抱き付いてみるが、果たして、 ヒロイン最終決戦の勝者は誰になるのか。

◆第44話「子供になった天才科学者」◆ (監督:小西通雄 脚本:鷺山京子)
 不思議な蝶の鱗粉を浴び、眠る人々。それは、宇宙バイオを組み込んだ蝶を用いた、クイーンコスモによる陰謀であった。 さすがのハリーボーイも宇宙バイオの資料が足らず、宇宙バイオについて詳しい、 NASAの科学者ドクター・イハラの名前がピックアップされる。
 「よし、警視庁のメインコンピュータにアクセスして、ドクター・イハラを日本に呼び寄せるんだ」
 ……凄いな、警視庁のメインコンピュータ(笑)
 そんなこんなで、一体いかなる不祥事をでっちあげられたのか、凄く不満げに来日した博士は、村松と洋子の警護に厳しく注文をつけ、 自分に憧れてサインを求めるヒロキ少年も冷たくあしらう。
 うん何というか、厳重に警戒されるべき博士に身元不明の少年が至近距離まで近づいて接触している時点で、もうダメだ。
 宇宙バイオによる眠り病がバイオノイドにまで影響を及ぼす事を知ったギバ様は、コスモに対抗する為、博士を襲撃。
 「だから防弾ガラスにしろと!」
 博士のおっしゃる通りです。
 スイトルノイドによって記憶を吸われそうになる博士だったが、色々あって、逃亡中に偶然再会したヒロキ少年と記憶が入れ替わる事に。 ジバンの活躍もあって救出される2人だが、それぞれの記憶(人格)が入れ替わってしまった事で病院と家から逃げだし、 真相に気付かない周囲の人々は大混乱。
 いちはやく真実に気付いたジバンは、コスモの襲撃から博士(少年)を救い出し、一方、事情をわからぬまま、 バイオロンに追われる少年(博士)を助ける洋子先輩。
 (あの人は、私の為に命を投げだそうとしている。私が天才科学者だからではない。1人の人間だからだ)
 洋子の覚悟に打たれた少年博士は、傲慢になっていた自分を恥じ、囮になった洋子を助けるため、記憶をやろう、と自ら飛び出す。 記憶を吸われている所にジバンが登場し、少年博士を助けると、一同勢揃い。
 「警視庁秘密捜査官警視正・機動刑事ジバン!」
 ああなんか、久々に綺麗に収まったなぁ。
 ジバンはスイトルに強制アクセスすると、ハリーボーイの助けを借り、2人の記憶を元に戻す事に成功。後は用無し、 とオートデリンガーによってあっさりと滅却する。
 博士の開発した薬で人々は無事に目覚め、ヒロキ少年にサイン本を贈る博士。
 「頑張れよ。待ってるぞ」
 ねじれてしまった中年男性と、純粋な少年との交流話としても綺麗にまとまり、文法の綺麗な鷺山さんらしい、比較的好エピソード。
 ……バイオロン基地で、秘書ズが眠ったままな気がするのは、ご愛敬(笑)
 この後ギバ様が! 凄く頑張って! 治療しました!!

◆第45話「恐怖の人間スルメ作戦!」◆ (監督:岡本明久 脚本:荒木憲一)
 イカ名言三連発。
 「スルメの恨みは人間達にぶつけろ! その怒りがおまえの強さなのだ!」
 (ドクター・ギバ)
 「苦しめ! あえげ! スルメの気持ちをおまえにわからせてやる!」
 (イカノイド)
 「ジバン、イカやスルメは火に弱い! 火で攻めるんだ!」
 (ハリーボーイ)
 街に黒煙をばらまく、白黒半分こスーツ(W!)のライダーが出没。ライダーの正体はバイオロン怪人イカノイドで、 その黒煙を浴びた人間は精神を骨抜きにされてダメ人間になってしまうのだった!
 イカだけに骨抜き……というのにBパートでやっと気付きました(笑)
 白黒半分こ衣装で人間体が狂った感じのイカノイドは、どちらかといえばウニのような頭部で、 口以外にイカの要素が見受けられないのですが、元からイカのつもりのデザインだったのか……?(^^; 元々イカだったとしたら、 かなり斬新な解釈。
 せっかく人間体が狂気を前面に押し出しているのに、同族の仇としてスルメを売る人間に怒りを燃やしている、 というギャグ要素は要らなかったのでは……と思ったのですが、教え子を墨まみれにされて怒る熱血教師の実家が乾物屋で、 その先生と繋げる為だったという事で、まあ納得。
 教え子との約束でイカノイドを倒そうと、売り物のスルメを焼いてイカノイドを誘い出す先生だったが、逆に捕まってしまう。 怒れるイカは先生を人間スルメにしてやると猛り、どうするのかと思ったら……普通にロードローラーで轢くのか(笑)
 間一髪で先生を救うも、攻撃の99%を吸収するイカの弾力ボディに苦戦するジバンだったが、ハリーボーイの助言でイカをあぶり、 熱を受けて固くなった所へパーフェクトコンボからファイナルキャノンで滅殺。
 イカスミは消え去り、教え子も立ち直って、空回り気味だった熱血先生も見直されて大団円。
 ナレーション「こうして事件は無事解決した。だがバイオロンは、次にどんな作戦に出てくるかわからない」
 うん、ホントにね……。

◆第46話「好き!二人のお兄ちゃん」◆ (監督:岡本明久 脚本:杉村升)
 サブタイトルから迸る、実にどーでもいい感。
 本当にどうして、まゆみちゃんヒロイン展開で行けると思ったのだろう……。
 せめて早川と一緒に行動する事に説得力があれば良かったのですが、全く皆無ですし。早川は早川で、好青年なのはわかるけど、 好青年である以上に非常識で変質者なので、視聴者として好感を抱ける要素がほとんど無いですし。 早川にヒーロー要素をつける努力を、もっと何とかして欲しかった所です(この辺り、後の『五星戦隊ダイレンジャー』でも見られますが、 杉村升はセミレギュラー的なキャラに好感度をつけるのが下手な疑惑あり)。
 川で黄昏れていた早川良(無職・指名手配)とまゆみ(住所不定)は、クイーンコスモが月から来た隕石と会話しているのを目撃。 それはコスモの仲間である月生命体であり、コスモは次々と人間の生命エキスを奪うと、それを月生命体の卵に与える事で成長させ、 地球侵略の最終フェイズへと準備を進めていた。
 まゆみちゃんヒロイン展開と、クイーンコスモという、今作の二大どうでもいいが組み合わさってしまった、 スーパーどうでもいいエピソード(^^;
 危険人物と知らずにコスモを追ったまゆみと早川だが、まゆみは捕まり、早川は崖下へ。 目撃情報からコスモを追っていた直人は早川と接触し、まゆみとの関係をようやく説明すると、 早川からの情報を得てコスモのアジトへと突入。洞穴での戦いでジバンの攻撃が月生命体の卵を全滅させ、 怒りのコスモはジバンを痛めつけると、指輪爆弾を強制起動させる。
 「爆発まであと60秒……」と、また他人事のカウントダウンを始めるハリーボーイ。
 大きなダメージを負いながらもジバンは「一番細いレーザー光線で、指輪を外す」と、精密射撃でまゆみから指輪を外す事に成功…………て、 散々引っ張っておいて、まゆみちゃんが変に動かなければ良かった、とまた酷い始末の付け方。
 だが、指輪爆発のカウントダウンは続行され、何とかまゆみだけでも逃がそうと戒めの鎖を破壊しようとするジバンだが、 コスモによって受けたダメージにより、照準を合わせる事が出来ない。駆けつけた早川が鎖を外そうとするが人の力では壊す事が出来ず、 意を決した早川は爆発寸前の指輪を掴むと外に飛び出して投げ捨て、しかしその余波で派手に吹っ飛んでしまう。
 早川が飛び出していった後、おもむろに手で鎖を破壊するジバン。
 裁判に持ち込んだら、容疑者の「早川良への殺意」が立証できそうな気がします。
 まゆみは外に飛び出すと、頭から血を流す早川に駆け寄る。
 「まゆみちゃん。僕はもう駄目だ……」

 え(笑)

 映像からはそれほど致命的には見えなかった上に早川を殺しても全く面白くなるわけではないので、 本人がその気になっているだけかと思ったら、息も絶え絶えに直人について説明し、まゆみちゃんへの愛を語るなど長い台詞で、 あれ……マジ死亡?
 そしてこのショックにより、甦るまゆみの記憶。
 「思い出した! みんな思い出したわ、ジバン!」
 だが再会も束の間、まゆみはガルボと秘書ズに捕まってしまい、倒れる早川良を発見したジバンは、飛来したクイーンコスモと激突する。
 「警視庁秘密捜査官警視正・機動刑事ジバン! この電子手帳にかけて、おまえを許すわけにはいかん!」
 さすがに対バイオロン法を読み上げ始めず、ホッとしました(笑)
 「黙れ! 私はお前達人間が、宇宙に捨てた廃棄物から生まれたのだ。これが私の本当の姿だ!」
 遂に正体が判明し、隕石怪人へと変貌するコスモ。地球から月面にゴミを廃棄しているとか、この終盤に来て、 実にアグレッシブな世界観である事が判明しました(笑)
 隕石コスモは人間型ではなく、終始浮いているとうのは、ちょっと面白い。追い詰められるジバンをモニターしながら、 悲嘆にくれるハリーボーイ。
 「答えてコンピューター。どうすればクイーンコスモに勝てるの?」
 とりあえず、パーフェクト化してみれば良いのでは。洞穴の戦いではムーンパワーでジバンを圧倒していましたし、 設定上も劇中最強クラスの筈のコスモですが、何故かジバンがパーフェクト化しない為、今ひとつ、「強い!」という感じが出ておりません。 もしかしたら、コスモの攻撃によるコンピューターの不調でパーフェクト化出来ないという事だったのかもしれませんが、 その辺りは先に説明が無いと、これまでの劇中の表現からはさっぱりわかりませんし(^^;
 いよいよジバン絶体絶命のその時、突然ジバン基地のコンピューターが煙を噴いて暴走すると、都内の発電所の電力を無断で拝借し、 ジバンへと送り込む。
 ナレーション「ハリーの願いが届いたのか、コンピューターが勝手に動きだしたのだ」
 いや、どう考えてもそんなメルヘンな現象ではなく、あのキチガイ博士が仕込んでいたと思われるわけですが。 そして後で、対バイオロン委員会に物凄い額の請求書が送り届けられ、闇の公権力は特別法によりその請求書を破却し、 電力会社が涙を呑むのです。
 「力が、力がみなぎる!」
 パーフェクト化したジバンはパワーブレーカーで隕石コスモの動きを封じると、その土手っ腹にニードリッカーをぶちこむ!
 「ジバン、こんな事で勝ったと思うな。人間が宇宙を汚す限り、第二、第三のクイーンコスモが生まれ、人間に復讐にやってくる。 そしていつか地球は、我々の手で支配されるのだ」
 あがくコスモだったが、トドメのファイナルキャノンで大爆死。宇宙の神秘の力も、キチガイの備えの前には、通用しなかった!
 忘れた頃の……というか前振り無用の環境汚染ネタでしたが、最初から最後まで物語との連動性ほぼ皆無のキャラクターでありました(^^;
 「ははははは、クイーンコスモが死に、まゆみが手に入ったか! いよいよ決戦の時が迫ってきたなジバン!  貴様を鉄屑にする日まであとわずかだ」
 そもそも一度確保した身柄をロマンの為に爆弾つけて放流したわけですが、退廃に生きる男は、過去など振り返らないのだ。
 そして、本当に死んでいた早川良の墓に手を合わせる直人。
 (早川良……君が居てくれたお陰でどれだけまゆみちゃんが勇気づけられたか。君の死は絶対に無駄にはしない。 必ず僕の手でまゆみちゃんは取り返してみせる)
 ……や、普通に警察に届け出てくれれば、こんな事にならなかったし、本人も死なずに済んだわけですが……まあ代わりに、 指輪爆弾で色々吹っ飛んだかもしれないけど(^^;
 全く死ぬ必要の無いキャラクターが、その方が盛り上がるかなぐらいの感じで殺されてしまい、終盤に加速していく作品的絶望感。
 特に作劇として致命的なのは、前半は“有能な少女ボス”としてそれなりにメリット/デメリット双方に意義のあったまゆみちゃんが、 完全に“敵味方問わず周囲の人間を破滅させる呪いのアイテム”と化している所。 ある意味ではまごう事なき正統派ヒロインの姿ですが、そういった方向性の物語でもない限りは、 誉められらものではありません。
 ここから新たな方向に舵を切って持ち直した『特警ウインスペクター』は本当に凄いなぁ……。
 次回、ギバ様、ぼくのかんがえたさいきょうのバイオロン怪人だいぼしゅう。

→〔まとめ7へ続く〕

(2015年4月10日)
(2019年12月27日 改訂)
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