■『特警ウインスペクター』感想まとめ6■


“ガガガガガ ギガストリーマー
クライム ジ エンド”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特警ウインスペクター』 感想の、まとめ6(31〜36話)です。登場人物など紹介を付記。また文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。 日記掲載時にいただいたコメントが感想に反映されている箇所もあります。ありがとうございました。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕 ・  〔まとめ4〕
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ7〕 ・ 〔まとめ8〕 ・  〔総括〕


◆第31話「哀しみの最強ロボ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:杉村升)
 なぜか夜景の遠景から入ったと思ったら、舞台はニューヨーク。
 逃げ回るいかにもなギャングシルエットの集団を撃ちまくるのは、機械仕掛けの刑事!
 「俺の名はロボット刑事ブライアン。
 日本の警視庁電子工学研究所で生まれた
 アメリカ連邦警察殺人課所属」

 ハンドガンの他に、胸にガトリング砲まで付いており、それを容赦なく撃ちまくるという、凄い飛ばしっぷり。
 日本はなんてものを輸出しているのか。
 ――舞台は移って、日本の警視庁電子工学研究所。
 年に1回のメンテナンスの為に帰国したブライアンを見た朝比奈博士(荒木しげる)は眉をひそめる。

 アメリカさんに勝手に改造されたらしい

 メンテナンスで帰国させる癖に、許可を取らずに強化改造(主に凶悪な方向に)とか、アメリカ連邦警察が凄すぎる。
 「俺は後悔はしていない。俺は去年1年間で253人の凶悪犯を抹殺した」
 すっかり、ハードボイルドになってしまったブライアン。
 出兵前のブライアンと友人と言っていい関係だった博士の娘・夏美(小学校低学年ぐらい)がブライアンに会いに研究所にやってくるが、 今のブライアンに会わせるわけにはいかない、と適当に誤魔化される。バイクル、ウォルターの兄弟機であり、 かつては命を大切にする性格だったブライアン。
 しかし、戦争は、人を変えるのだ。
逃ゲル奴ハ犯罪者ダ!
逃ゲナイ奴ハヨク訓練サレタ犯罪者ダ!
ホント、アメリカハ地獄ダゼ!

 「治安に対する考え方が違うのでやむを得ない」と一定の理解を示す正木だが、どうやらセーフティシステムが外されているらしいという事には、 懸念を示す。その時、都内全域に怪電波が発生。メンテナンス中だったブライアンが、それに操られて研究所を飛び出していく。
 「セーフティシステムが外されていた為、簡単に誘導電波に引っかかったんだ」って、アメリカ、おいアメリカ。
 街に出たブライアンは、
 「ターゲット モーターバイク」
 と何故か道行くバイクを次々と攻撃。
 その様子をモニターして、「悪党をかばうやつはみんな悪党だ」と笑う謎の男。
 ブライアンを制止しようとした特警だが、ブライアンの圧倒的な戦闘力の前に次々と倒れ、ファイヤー、 シリーズ初のダメージによるスーツの強制解除。ブライアンはいずこへともなく去り、 更にブライアンに襲われたバイクの若者が死亡した事から、正木はブライアンの破壊許可を連邦警察に取ろうとする。
 というか、米軍に責任取ってもらった方がいいのでは
 それを必死に止めるバイクルとウォルター。
 警視庁電子工学研究所で数ヶ月前から開発中の、ファイヤー用の新装備を視察に行く正木。
 従来のドリルアームウェポンより遙かに強力な新兵器は、更に「マックスキャリバーをジョイントして、 プラズマ光波弾を毎秒60発連射可能にする計画」であったが、「発射時の衝撃と熱にボディが耐えられず、 冷却システムに一考の余地」がある為に、未だ完成していなかった。
 ……いや、そんなオーバーキルなスペックを付けなければいいのでは
 警視庁電子工学研究所は、いったい何を想定して、新兵器を開発しているのか。
 まあ確かに、暴走族が火炎瓶でひゃっはーしてきたり、ギャングがドラムマシンガン連射したり、 死の商人が対戦車ロケットランチャー撃ち込んできたりする、危険が一杯の日常ですが。
 しかし明らかに犯人確保とは目的が180度かけ離れていそうな兵器に税金を投入している人達を誰か止めた方がいいような。
 今回も実験に失敗した新兵器の完成を朝比奈らに託し、研究所を離れようとした正木に声をかける朝比奈。実は事件の犯人かもしれない男に、 心当たりがあるのだという。
 男の名は、広崎。研究所で博士の片腕だった天才科学者。しかし半年前に娘ゆかりがバイクに轢かれて死亡し、 2ヶ月前に研究所を辞めて姿を消していたのだった。彼なら、ブライアンを操る誘導電波を開発してもおかしくないという。
 娘の形見の青い服の人形に語りかけながら、アジトでブライアンに指示を出す広崎。
 「ブライアン、日本中のバイクをぶっ潰せ!」
 再び街でバイクを襲撃するブライアンの前に現れ、止めようとする夏美。
 「ごらんゆかり。おまえと大の仲良しだった。夏美ちゃんだ」
 その姿をモニターで確認した広崎は、狂気の果てに恐ろしい事を思いつく。
 「そうだ、おまえも天国で一人っぼっちで寂しいだろう。夏美ちゃんを連れてきてあげるからね」
 ブライアンに拉致される夏美。バイク襲撃事件の現場に向かっていて、ブライアンが夏美をさらう所を目撃した竜馬はそのまま追跡、 広崎のアジトへと突貫する。
 「おまえは正常じゃない。正気に戻るんだ!」
 狂人に一番言ってはいけない事を(笑)
 上司も部下も、本当に説得スキルが無い(^^;
 着化したファイヤーを、ものともしないブライアン。
 応援に駆けつけたバイクルとウォルターも交え、ここの戦闘は、メタルヒーローvsメタルヒーロー的な愉しさ。 窮地に陥るファイヤーだが、広崎に捕らわれた夏美の呼びかけに、ブライアンの動きが止まる。苛立った広崎は、 ブライアンに先に夏美を始末するように指示。夏美を工場の屋根から投げ落とそうとするブライアン。 そこへ製造されたばかりの新兵器を手に正木や朝比奈も駆けつけ、トタン屋根の上に揃う面々。
 正木から新兵器・ギガストリーマーを受け取ったファイヤーは、意外とタメなく、背後から一撃。もろともに落下し、 夏美の救出に成功する。ダメージを受けながらも立ち上がるブライアン。もはややむを得ず、 竜馬はギガストリーマーにマックスキャリバーをセット。マキシムモードの射撃により、ブライアンを撃破する。
 まあ、数ヶ月前から開発中だったという事は概要は竜馬さんも聞いていたという事なのかもしれませんが、 迷わず躊躇わず投げ渡された新兵器を使ってみせるのが、ヒーローの心意気。
 ここで凄まじい爆風の中で、吹き飛んだファイヤーのヘルメットがギャラリーの足下に転がってくる演出は格好いい。
 ダメージにより正気を取り戻したブライアンだが、駆け寄ってきた夏美に離れるように告げると、自ら距離を取り、爆発。
 なんだかんだで竜馬さんは、相手がロボットの場合は、割とざっくり破壊やむなし。
 そしてスーツ着て顔出しの竜馬さんは、本当に顔色が悪い。
 疲労を示す為に、わざと疲れメイクしているのかしら。
 こうして、暴走したロボット刑事ブライアンは、ファイヤーの新兵器の前に倒れた。だが、ブライアンを操っていた広崎は混乱に乗じて逃亡。 果たして特警は、彼を捕まえる事が出来るのか……?!
 というわけで、爆発も色々と派手だったパワーアップ編は、次回へ続く。
 ゲスト的にも、風見志郎(V3)と城茂(ストロンガー)が共演していたり、力の入った1本でした。

◆第32話「警視庁を占拠せよ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:杉村升)
 新兵器ギガストリーマーの使用訓練に勤しむファイヤー。
 いつもの特訓場(採石場)で皆で見守りますが、なぜか純子さんが、ハワイ土産みたいなシャツを着ている。
 通常モードではそこそこに使いこなせるが、マキシムモードでは威力が強すぎて、照準を上手く合わせる事が出来ないファイヤー。
 ……明らかに、欠陥兵器ではないでしょうか、これ。
 無駄にオーバーキルですし。
 肉体制御の為に、クラステクターの出力アップを進言する竜馬。
 だが正木に「クラステクターの出力を上げると心臓への負担が大きくなって、命に関わると止められる。
 ……
 …………
 ………………警視庁電子工学研究所の連中は、全員土下座
 竜馬さんと国民の皆さんに土下座
 色々と疑念のあった『ウィンスペクター』世界ですが、先週と今週で、特警のメカニックのバックボーンとなっているっぽい 警視庁電子工学研究所(野々山はそこから出向か)が、かなりのダメ組織である事が発覚。 税金の使い方に責任感が見えません。
 まあ、民間がダメなので官も同様にダメというか、本気で治安が悪いので、一年戦争末期のジオン軍みたいな勢いで 実験兵器を送り込まないといけないぐらい追い詰められているのかもしれませんが。

 いのちをだいじに

 この星がこんなに青く美しいのは、どんな命も同じまぶしさと重さで生きているからですよ?!

 復讐を止めた警察機構に怒りの矛先が向くのではと、逃亡した広崎に対する警戒を強める特警。
 なんとなれば広崎は警視庁のコンピューターシステムを作った中心メンバーの一人であり、システムの手の内を知り尽くしているのである。
 警戒する特警を嘲笑うかのように、警官に変装した広崎は警視庁に潜入。偽造IDや変声機を駆使してセキュリティをくぐり抜け、 ウインスコードを強奪! 追跡する竜馬達だが、時速200キロを超えるウィンスコードに、普通のパトカーでは追いつけない。
 こんな深刻度の高い回なのに、純子さんの花柄の服を見ると笑ってしまう。
 おかしい、衣装班、おかしい!
 振り切られた竜馬と純子を置いてウインスコードを追ったバイクルとウォルターだが、 どこかで見たようなアジトで広崎の待ち伏せを受けて捕まってしまい、通信が途絶。
 果たして広崎がウインスコードを奪った理由はなんなのか?
 純子は積み込まれたクラステクターではないかと推測するが、
 竜馬「いや、クラステクターは全て僕に合わせて作られている。他の人間では絶対に着化できない」
 ……まあ、着たら普通に死にますしね。
 正木はウインスコードに搭載されているマドックスの端末が目的ではないかと気付く。マドックスは警視庁のコンピューター全てに繋がっており、 仮にマドックスの制御を奪われれば、警視庁のシステムは完全に広崎の手に渡ってしまう。そして正木の推測が的中し、 ウインスコードの端末からマドックスへハッキングを仕掛ける広崎。
 ここで、ハッキングを受けたマドックスのコンソールから火花が散るのはご愛敬。
 表現手法としてのCGが発達しているわけでも、それほど身近にコンピューターがあったわけでもない時代の子供向け特撮番組では、 こういう風に表現するしかないのです(^^; 要するにまあ、凄い出鱈目マシンの一部、ですから。勢いで雰囲気を伝えるのが優先。
 「頑張れマドックス! アクセスさせるな!」
 コンピューターに精神論を説く正木
 だが正木の激励(笑)や野々山の手助けにも関わらず、マドックスは広崎にシステムの制御を奪われていく。
 正木の咄嗟の指示でハッキング元を探知しようとし成功するが、それを音声として伝える前に沈黙。
 というか、自分の制御が奪われるまでをカウントダウンなんてしなければ伝えられたような(笑)
 バイクによる轢き逃げで娘を失い、バイクを復讐の対象としていた広崎だが、その憎しみと狂気は更に拡大。 竜馬達の予測通り、自分の復讐を妨害した警察に向けられ、更にそれを通じて日本中のバイクを排除しようと目論んでいた。
 ううーん、
 警察+バイク

 バイクル、大ピンチ

 手始めに警視庁のシステムを介して首都圏の信号機の機能が奪われ、街では交通事故が多発する。
 前回今回と、色々派手。今回はけっこう、部分的に使い回しの映像を使っていますが。
 そしてマドックスを完全に掌握した広崎は、コンピューターから人間の脳に直接ダメージを与える謎の超音波を放射させ、 警視庁を機能停止に追い込む。どさくさで負傷する純子。正木は執務机に収めていた、やたらにごつい銃を取り出し、 竜馬と共にマドックス頭脳センターを目指す。その目的は、マドックスがギリギリで入手したハッキングの通信元、広崎の居場所の情報を、 頭脳センターに保管されているデータから直接読み出す事。
 だが!
 竜馬「危険です! 手続きを踏まず室内に入れば、入り口の非常ハッチが閉じ、防衛システムが作動して攻撃を受けます!」

 ま た そ れ か

 だが手段は他には無い。頭脳センターに侵入し、防衛システムに撃たれまくる本部長。超音波停止の為に頭脳センターの主電源を落とすと、 防衛システムに撃たれまくりながら、ディスクの形で保管されているデータをセンター内部のコンピュータで読みとる事に成功。 竜馬にそれを伝えるが、出血多量の為か、気を失って倒れる。
 ……これは最終的なセキュリティとして、頭脳センター内部に、マドックスとネットワークを繋いでいない旧式のパソコンを置いてある、 という事なのかなー。ツッコミ所が色々と多すぎてツッコミきれませんが(ツッコミに更にツッコミを入れざるを得ない多重ツッコミ状態)、 雰囲気としては嫌いではなかったり。
 まあそれより何より、防衛システムが過激すぎですが。
 この世界では普通なので、仕方ないといえば、仕方ない。

 自爆しないだけ警視庁はまともだと思いたい

 警視庁のメインシステムが強制停止した事に気付かれたら、次に広崎がどんな手を打ってくるかわからない。 正木の言葉を受けた竜馬はギガストリーマーを手に、広崎のアジトへと向かおうとする。
 純子「まさか一人で乗り込むつもりじゃ!」
 竜馬「今警視庁を救えるのは、僕しかいないんだ!」
 (君が変なシャツ着ているからな)
 まあ、手に持つのがギガストリーマーでなくても良い気は多分にするわけですが。
 新武器アピール回と言えばそれまでなのですが、前回がしっかりと、先にブライアンの圧倒的強さを描く事で、 新兵器でなければいけない理由をアピールしていたのに対し、今回そこの踏み込みが足りなかったのは残念。
 広崎のアジトに突入し、防壁をギガストリーマーマキシムモードで打ち破る竜馬。だが広崎は、狂気の嗤いを収めない。
 「マドックスを簡単にハッカーする事ができた、コンピューターの本体がこれだ。成長する事は勿論、意識を持たせる事だって出来るんだ!」
 元の台詞まま。今だと普通「ハッキング」と言う所だと思いますが、1990年当時だと「ハッカー」でもおかしくなかった?  ……そんな事、無いと思いますが。専門用語を勘違いしたのか、なんか変なわかりやすさ優先(たまにある)の大人の事情か。
 コンピュータの頭脳部分に、娘の形見の青い服の人形を座らせる広崎。
 「ゆかりの命を奪ったのは科学だ! 悪いのは科学だ! だから日本中のコンピューターにアクセスして、 新幹線も飛行機も全てぶっ潰してやる!」
 「馬鹿な真似はよせ!」
 「さあゆかり、好きなだけ暴れるがいい。日本中の科学をぶっ飛ばすんだ!」
 起動するも、火花を噴くコンピュータ。
 「ゆかり! どうしたんだ?!」
 「わからないのか! コンピュータが意識を持ったため、科学を否定されたことで、自分も否定されたと思って混乱しているんだ!」
 「やめろゆかり、やめてくれぇ!」
 コンピューターの防衛システム(だからなぜ銃を付けるか)に撃たれて、娘の名前を叫びながら絶命する平崎。
 コンピューターに接続する為に置かれていたウインスコードに乗り込み、着化する竜馬。 ギガストリーマーマキシムモードを放とうとするが、少しでも照準がズレれば、バイクルとウォルターを直撃してしまう。 竜馬は二台の命を守る為に、クラステクターのエネルギーを強化する!
 「自分の命はどうなってもいい!」
 ……いや、良くないですから(^^;
 バイクルとウォルターは直る(多分)けど、ファイヤーは後継の選出に困るので勘弁して下さい。
 決死のファイヤーの放ったプラズマ光波弾はコンピューターの防御システムをかいくぐり、直撃。コンピューターは爆破炎上し、 バイクルとウォルターも解放される。その場にぽつんと残された、ゆかりの青い人形。
 ここで物言わぬ人形と広崎の姿を見て、綺麗事でまとめないで、竜馬が無言のまま、というのはいい。
 最後は勢いとしては格好いいのですが、やはりマキシムモードの必然性が薄かったのが残念。
 そしてこんな回なのに、デミタス空気
 (一言喋って、マドックスの爆発に吹っ飛ばされている)。
 主人公パワーアップ編という事で、濃い前後編でした。大量のツッコミ所も含めて、面白かった。

◆第33話「目覚めた浦島太郎」◆ (監督:新井清 脚本:扇澤延男)
 OPにマキシムモード登場。
 立て続けに発生している金庫破り犯の使う、特殊な溶解液の分析と製造を行う野々山。悪臭ともうもうたる煙がたちこめ、 それを換気すると、何時の間にやら本部の中に立っていたのは、着流し姿の謎の男。
 「正木の旦那、お久しぶりです」
 男の名は、古沢。傷害罪で正木に10年前に逮捕された、本人いわく“古いタイプの任侠”であった。渡世の義理で罪を犯したが、 服役中も親身になってくれた正木のお陰で更正。出所後、未来の社会で人生をやり直そうと考えた彼は、 パラダイス生命延長財団による人体の冷凍保存に全財産を支払い、100年後の未来での目覚めを待って、眠りについた……筈だった。
 「100年は眠り続ける筈じゃなかったのか?」
 「手違いで9年で目が醒めました」
 と、サブタイトルと合わせてどんなトンデモ話かと身構えていたので、「冷凍睡眠だったらまあいいか」と思える不思議(笑)
 カプセルの故障で目覚めてしまった彼は、丸一日の修理の間に、お世話になった人々に改めて挨拶回りをしようと、 まずは特警本部にやってきたのであった。
 刑務所に届いた手紙で、正木、渋谷区恵比寿に住んでいる(た?)のが発覚。
 なぜか竜馬をドライバーに(9年ぶりの娑婆に放置すると古沢が余計なトラブルを起こしそうだと正木が配慮したっぽい)、 まずは“沼田の親分”とやらの元へ向かう古沢だが、彼は前年、糖尿病で他界していた。 甘い物が大好きだった親分の為にお土産にケーキを買っていた古沢は、墓石の前で泣き崩れる。
 続いて、孫を産んだ娘の元を訪れるが、「9年前に親子の縁を切った筈」と追い返されてしまう。
 続けて……竜馬「え、まだ行くんですか」 ちょっと素が(笑)
 訪れたのは、松岡ローン(どう見ても闇金的なサラ金)。事務所のソファにつつましく腰掛けている竜馬さんが凄く可笑しい(笑)  どうやら元舎弟?か何からしい社長に、「あんた」呼ばわりされて、思わず頬を張り飛ばして竜馬に止められる古沢。
 すっかりめげて特警本部へ帰ってきた古沢は、「結局あっしは、中途半端な浦島太郎なんですねぇ」と、 大人しくパラダイス生命延長財団へ帰ってカプセルの修理を待とうとするが、そこへ、 一連の金庫破りの容疑者が固まったという報告が飛び込んでくる。
 その名は、秋吉誠。
 男の名前と写真に激しく反応する古沢。製造の過程で強烈な匂いと煙を発する溶解液を作る為にどこか人家の無い所で行動している筈だという推理に、 古沢は竜馬をある山へと案内する。そこは9年前、出所した古川がたまたま万引き現場を見つけた高校生時代の秋山を、 連れていって諭した思い出の場所だった。
 「正木の旦那、やっぱり、あっしなんかの説教じゃ駄目だったのかねぇ」
 車中で嘆く古沢に、「遠回りしたおまえだから、伝えられる事もある」と励ます正木。
 はたして、古沢の案内で訪れた山で、不審な煙の流れ出る洞穴を発見する特警。
 ……あ、バイクルの嗅覚機能が役に立った。
 竜馬と純子が洞穴内部に踏み込むと、机の上に現ナマを並べながら(見ながらニヤニヤしていたのか? まあ、この人が犯人ですよ、 というわかりやすい演出なのですが(^^;)溶解液を作っていた秋吉は逃亡。溶解液を射出する銃を使い、 反対側から追い詰めにかかったバイクルとウォルターを射撃。機構を溶かされて倒れるウォルターに銃口を向け、 「跡形もなくドロドロに溶かしてやる」と、ロボットを人質に取るという斬新な展開
 なぜ金庫破りなどになったのだと問いかける古沢に向けて、秋吉は叫ぶ。
 「9年前の夏、あの日から、俺はあんたを探した。必死に探したんだ。俺はあんたに会いたかった。聞いてほしい話が山ほどあった。 信じてたんだ。あんたを!」
 「あんたは俺を見捨てたんだぞ!」
 「親も兄弟も居ない俺は、ずっとあんたのことを思い出していた。あんたに相談にのってもらたいくてさ」
 「見捨てるんなら、情けなんかかけないでほしかったよ。初めから!」
 激昂する秋吉の一瞬の隙を付き、バイクルがその足下を攻撃。パトカーへ走った竜馬は着化し、 溶解液を受けながらもケミカルディスチャージャーを起動して消化剤まみれになった秋吉を逮捕する。
 ……ホント、この攻撃(?)は体に悪そうで色々と考えます。
 例の研究所の作品だろうしなぁ…………。
 古沢に問われ、金庫破りは、面倒を見ている孤児達の一人の、肝臓手術の費用を手に入れる為だったと告白する秋吉。
 「俺、自分と同じような、身よりのない子供達の面倒を見ているんだ」
 「ならおめえ、面倒見てる子供を救う為に盗人になったのてかい。昔からの夢だった、科学者の仕事も捨てて」
 「へへっ。だって……一度面倒見てあげるって決めたんだから、途中でおっぽりだしたら可哀想じゃないかよ。 俺はあんたとは違うんだ!」
 慟哭する秋吉を、抱きしめる古沢……黄昏時の特警本部、秋吉が気に掛けていた孤児の少女は、国際保険機関の援助により、 手術が受けられると決定。秋吉の持っていた少女の写真を手にしていた古沢は、笑顔で立ち上がる。
 「こうしちゃいらんねぇ」
 「財団に帰るのか?」
 「仕事を探しにいくんですよ」
 時代から逃げるのをやめる事を決める古沢。
 「正木の旦那。あっしはもう、あの馬鹿野郎を見捨てねぇよ。何年かかるかしらねぇが、あいつが出てくるのを待っててやるんだ」
 ――自分と同じ、浦島太郎を作らない為に。
 ラストは、娘夫婦とも和解でエンド。
 娘の夫が孫を「抱いてやってください」とか、やり抜きました。
 冷凍睡眠9年、を挟んではいるものの、プロットとしては完全に、 長いお務めを終えて娑婆に帰ってきたものの時代に置いて行かれてしまった男が世話になった刑事のもとを訪れて…… という刑事ドラマの黄金パターン。その上で、冷凍睡眠という特撮ヒーロー物的ガジェットを、後の展開の伏線として機能させているのが、 非常に秀逸。
 また、刑務所で更正した男が一発で他者を救うのではなく、再び失敗して、しかしそれを知って改めてやり直す事を選ぶ、 という40男の成長ドラマになっているのも良い。
 完璧な人情話で、約20分(+戦闘シーンあり)で、よくやりました。
 お見事。
 前半コミカルなタッチながらも後半に向けてドラマがしっかりと結実し、次回予告がちょっと怪しい感じの時はむしろ意外と秀逸回が多い、 という伝統芸も炸裂(笑)
 シリーズ後半に入っても、この路線を忘れず持ってきたのもすばらしい。
 さて、こんないい回だったのに次回予告が、

やっと出た
生まれて初めての休暇
(中略)
だがそこに、婆さん誘拐事件がふってわいた

 酷い(笑)
 ずっと「ばあさん」呼ばわりなのも酷い。
 にしても、『ギャバン』の頃からそうですが、どんな間抜けなサブタイトルでも酷い次回予告でも、 政宗一成さんが格好良く読んでしまうんだよなぁ。ギャップがまた笑えたりするので、政宗さんもひたすら真面目に格好良く読んでくれるのですが(笑)

◆第34話「逆転ばあちゃん」◆ (監督:新井清 脚本:山田隆司)
 そんなわけで、正木本部長から休暇を勝ち取り、本部長の別荘がある河口湖方面へと向かうバイクルとウォルター。
 90年当時の世相が何とも言えませんが、恵比寿に割と広い庭付きの家を持っていて河口湖近辺に別荘がある、 というのはどれぐらいのステータスという設定だったんだろうなぁ。 恵比寿は再開発前だったのでオサレタウンというよりは都心の古い住宅地だと思われるので、たぶん、昔からの家持ちだと思うけど。
 河口湖へと向かう電車の中で、桃山銀子という、押しの強い老婆と(半ば強制的に)知り合いになるバイクル、ウォルター、 ちゃっかりデミタス。そんな彼女がつけている高価そうな指輪に目をつけたのは、サラ金に追われて逃げている二人組。 老婆を資産家と誤解した二人、借金返済に利用しようと、河口湖駅でバスに乗り込んだ彼女の後を盗んだ車で追う。
 「ゴルフがしたい」と割と素っ頓狂な希望を持っていたバイクルとウォルターだが、銀子から遊園地の割引券を貰って、 お馴染み富士急ハイランドへ向かう事に。その代わりに、銀子の暮らす老人ホームへの慰問を要求されて、 デミタスを人質に取られる。
 役に立った、展開の中で物凄くデミタスが、役に立った!
 ホームで、二体と写真を撮る権利、を500円で販売する銀子(笑)
 遊園地を堪能した二体は予定時刻に老人ホームへと向かおうとするが、迷子を発見、出発が遅れてしまう。その間、 なかなか来ないバイクルとウォルターにじれて玄関先で外を見ていた銀子は、ホーム前で張っていた二人組にさらわれてしまう。
 役に立たなかった、デミタスはやっぱり役に立たなかった!
 ……というか、バイクルとウォルターは、デミタスに直接連絡を取る機能は付いていないのか?
 迷子の相手でそれを思いつきもしなかったのかもしれませんが。
 迷子の親がようやく見つかったところ、デミタスからの緊急連絡を受けた正木経由で銀子が誘拐された事を知った二体は慌ててホームへ。 ホームへは二人組からの脅迫電話が入り、竜馬と純子も銀子の息子夫婦を連れて河口湖へと向かう。
 2000万円の要求に対して「あんな人の為には一銭も出す気はない」から始まって姑への愚痴を言いまくる息子嫁。さすがにキレる夫。 一方、嫁の尻の下に敷かれた息子は金なんて出さないだろうという銀子に「親を心配しない子供はいないんだよ」と、 自分の息子を妻の友人の家に匿ってもらっている事情を吐露してしまう犯人。
 しかしこの二人組、若い方(ちなみに、俳優デビュー3年目ぐらいの小山力也)が年嵩の方を「マスター」と言うので、 なにがしかの店舗の店主と従業員の関係っぽく、従業員は実は借金の責任は直接無さそう。まあ、 とっぽくて頭がちょっと足りなそうな感じに描かれているので、一人ではうまくやれないし、面倒見てくれる兄貴分に付き従っている、 という感じですが。
 「問おう。貴方が私のマスターか?」
 という関係だったら、それはそれで困る。
 (すみません。使ってみただけで、『Fate』はよく知りません)
 再度の脅迫電話を受けて、ウォルターが逆探知で絞ったエリアの中から犯人の隠れ場所を探す竜馬達だが、 指定された現金の受け渡し時間が迫ってもなかなか見つけだす事が出来ない。その時、爆竹で遊ぶ若者達の姿を見た竜馬は、 脅迫電話の内容から、犯人がダイナマイトを扱う場所の近くに居るのではないかと、久々の超推理。探索エリア内の採石場へと向かう。
 しかし、採石場の発破を利用して犯人が仕掛けておいた、お手製の地雷に引っかかるバイクル。
 ウォルター「隊長、この一体は地雷原です」
 素人の仕掛けた地雷に引っかかりまくる二体。

 いいから飛べ

 ファイヤースコードで無理矢理に突っ切ろうとしたファイヤーだが、人質を前に出してきた犯人の投げたダイナマイトで吹き飛ばされる。 ようやく飛んだウォルターとバイクルは、逃亡を図る犯人車の中から銀子を救出。しかし、ダイナマイトで吹き飛ばされ、 更にクレーン車の鉄球を叩きつけられ、ぼこびこにされるバイクル。ウォルターは救出した銀子を抱えて無事に着地しているのに、 酷い差別(笑)
 危機に陥るバイクルだが、ギガストリーマーマキシムモードによって、ファイヤーが鉄球を破壊。犯人達も諦めて逮捕される。
 バイクルとウォルターの必死の救援、嫁を叱って2000万円をかき集めてきた息子の奮闘に、少し心を開く銀子婆さん。
 「人間、お金より、頼れる人の居る事のほうが大事だって事」がわかったと、大団円。
 守銭奴を引退して息子と共に暮らす事を決めた銀子は、犯人に対しても「真面目に罪を償ってあたしのところに来たら、金を貸してやる」と、 ちょっといい所を見せる。
 こうして事件は無事に解決……しかし、嫁と姑の和解は遠そうだなぁ。
 犯人にしても、お勤めを終えて出てきた時には、息子との再会がどうとか言えるレベルでなく家庭崩壊していそうなわけですが。
 『ウィンスペクター』は、ここまで積み上げてきた作品世界の為に、「あはは」「うふふ」「なんとなく大団円でこれでいいのだ」 が通用しない所が、長所であり短所。
 色々、考えてしまう事が多い(笑)
 そこが作品として一つの魅力なので、良いのですが。
 今回はそんなに面白かったわけではないけれど、ど派手なパワーアップ展開の前後編の後に、2話続けてこういう渋い話を持ってくるのがまた、 シリーズの格好いい所であります。

◆第35話「母と子のSOS!」◆ (監督:小笠原猛 脚本:宮下隼一)
 爽やかな笑顔で「やっぱり海はいいな」とパトロールをさぼっていた竜馬は、埠頭で手旗信号の練習をしている少年と出会う……が、 逃げられる。家への帰り道、轢き逃げ事件を目撃するその少年、関口タカシ。少年は母親に轢き逃げの目撃を告げて警察へ連絡してもらおうとするが、 少年が目撃した轢き逃げ犯が雑誌で見た事のある顔……開北中学理事長の息子、柴田タツヒコであった事から、事件は不穏な展開を見せる……。
 タカシ少年へ事故を目撃した事を黙ってるように言った母は、開北中学へと電話。タツヒコの母親に、目撃証言を黙っている代わりに、 息子を開北中学へ入学させるように、と裏取引を持ちかける……。
 3年前に父親が死亡し、母子家庭の関口家。
 「お母さんは隆の事を思えばこそ」「あの人のようには……お父さんのような人生だけは歩かせたくないのよ」 「安い給料で使われた挙げ句に、海の藻屑……」自分を懸命に育ててくれた母の期待に応えようと受験勉強に精を出すタカシ少年であったが、 本心では父に憧れ、いつか父のような海の男になりたいと思っていた。
 「海は正直だ。だから人間も海の前では嘘をつけない」という父の言葉を胸に、母の行動が何かおかしいとは思うものの、 母親を思うが故に黙っている事しか出来ないタカシ少年。
 一方、柴田家の母は息子の轢き逃げを躊躇わずに揉み消そうとし、典型的な駄目ボンボンである息子タツヒコも、 それが当然だと思っていた。
 と、二つの家庭が対比されながら、二人の母親の歪んだ愛情と欲望が交錯するという、渋い展開。
 両家への聞き込みなどから「当たってほしくない嫌な像像だが」と、事件の裏の構図をピタリと推測した竜馬の重ねての説得にも口を開かないタカシ少年だったが、 脅迫の根を断とうと変装したタツヒコが少年をさらう。
 母が送迎用に使う車を借り、サングラスに付け髭の変装で個別面接と偽ってタカシを廃ビルに連れ込んだタツヒコは、 睡眠薬を嗅がせた上で時限爆弾を仕掛ける。
 「遊びにはいったおまえが瓦礫の下敷きになった所で誰も怪しまないんだ」
 怪 し む よ (笑)
 せめてレンタカー……!
 ところが薬の嗅がせ方が悪かったのか、途中で目を醒ましたタカシ少年がタツヒコに体当たり。爆弾が暴発し、ビル内に閉じこめられる二人。 まだ多数の爆弾が仕掛けれた部屋で助けを求めるべく、お守りとして持っていた紅白の旗で、窓から手旗信号を送る少年。 それにウォルターが気づき、特警が駆けつける。
 救出に向かうパトカーの中で母は竜馬に全てを白状。竜馬は彼女に、タカシがこっそりと手旗信号を練習している事などを話し、 母親は自分がいつの間にか、本当の息子の気持ちをわかってやれなくなっていた事に気付く……。
 ラストは割とさくっと救出したのですが、ビルは意外と大爆発。
 相変わらずちょっとお金持っていると、高性能爆弾がその辺りで(?)買えてしまう『ウインスペクター』世界。
 こうしてタツヒコは逮捕。純子と一緒に居る母を見て、警察に証言をしなかったのは僕が言い出した、 と母をかばう少年は最後の最後までやたらにいい子。こうして親子は本当の絆を取り戻し、去っていく。
 「どうも、ご迷惑をおかけしました。これで失礼します」
 轢き逃げされた少女も意識を取り戻したという連絡が入り、大・団・円。


 ……


 …………


 ………………


 そんな事で済むかぁ!!  法 治 社 会(というか『ウインスペクター』世界) はそんなに甘くない

 恐喝は確定として、犯人隠匿とかは成立するのかなぁ…… 善意の第三者が善意を発揮せずに証言しなかった場合、犯罪に成り得ないような気もしますが、 それが個人的利益と密接に絡んでいる以上、犯罪教唆と絡めて適用されうるかもしれない。 2000歩譲って竜馬さんが腹に収めたとしても、タツヒコの轢き逃げと殺人未遂の裁判中に、間違いなくこの話題出るので、 逃げ場はありません。執行猶予ぐらいはつくかもしれませんが……まあ、地元には居られなくなるだろうなぁ……あ、 なんか小学生の子供が居るだけに、洒落抜きできついぞ今回(^^;

◆第36話「バイクルのパパ」◆ (監督:小笠原猛 脚本:鷺山京子)
 ある夜、特警本部で待機中だった筈のバイクルが動き出し、銀行を襲撃して何故かその金を街中でばらまくという事案が発生。 事件の間の記憶が全くないバイクルだったが、そこへ一本の電話が掛かってくる。今の特警のシステムには欠陥があり、 自分の作ったシステムに変更しない限り、再びバイクルに破壊活動を行わせるというのだ――。
 電話の主は、荒井博士。かつて特警発足時にサポートロイドの設計プレゼンで朝比奈博士と争い、最終的に敗れた人物だった。
 その陰には、全てを完璧に計算し尽くす荒井の「純粋機能システム」に対し、プロジェクトに関わっていた技術者である西田(名古屋弁) が「心が無かったら、命とはいえんがね」と、そのあまりに余裕の無い設計に反対、それを受けた正木が朝比奈案を支持した、 という背景があった。
 西田はその後バイクルの組み立てを担当するが、高血圧で倒れ、完成寸前に退職。今は故郷の名古屋でバイク店を経営していたが、 「バイクル暴走」のニュースを見て、東京へと上京してくる。
 西田を演ずるのは、篠田薫(バイクルの声優)。故に、バイクルの声の人がバイクルに話しかけるという、なんだか不思議状況。
 荒井の逮捕へと向かう特警。バイクルは万が一を考え、野々山によって手枷足枷をはめられるが……一時的に機能凍結とか、 いっそ腕の部品を外すとか、もっとましな対策が幾らでもあるような……。
 既にもぬけのからであった荒井の家は爆発。荒井は特警からの要求拒否である、とバイクルに仕込んでいた時限プログラムを作動させ、 バイクルはあっさりと手枷足枷を外すと、野々山を投げ飛ばして外へ出ていく。 バイクルによるコンビナート爆破を阻止しようと駆けつける竜馬とウォルターだが、 バイクルの通信波を研究した荒井がリモコンから放つ謎の電波によりウォルターは火花をあげ、竜馬はウインスコードに拒否られる。
 そこへ駆けつける、西田・正木・純子。
 西田はバイクルに呼びかけ、手製のリモコンを作動させると、バイクルは正気を取り戻す。 しかし荒井がリモコンの出力を上げるとバイクルは再び荒井の支配下に入ってしまい…… いい年したおっさんによるリモコン合戦という凄く面白くない絵が展開(笑)
 ギャラリーの皆、後ろで取り巻いて見ていないで、その間に、さっさと荒井を捕まえてください(笑) ただの中年なんだから(笑)
 お互いのリモコンが出力を上げた事で相反する電波干渉が強くなり、煙を噴き上げるバイクル。 苦しむバイクルの様子に耐えかねた西田はリモコンを投げ捨ててしまい、 荒井の支配下に収まったバイクルはバイスピアを西田に向けて振り上げる! リモコンを拾い、その前に立ちはだかる竜馬。
 「バイクル、これを見ろ!」
 西田はなぜリモコンを捨てたのか、それは苦しむおまえの身を心配したからだ……と、竜馬さん、 まさかの大岡裁き!
 竜馬、そして西田の言葉に今度こそ正気を取り戻したバイクルは、荒井のリモコンを破壊。追い詰められた荒井は、 結局自分でコンビナートを爆破するが、純子に逮捕され、工場地帯の人々も無事に特警によって救出される。
 うーん……どこかで見たような工場と、要救助対象なのですが、まるまる使い回し、という事は無いよなぁ…… ロケ地の都合で同じような場所が頻繁に爆発するのは仕方ないとして、 女性事務員の制服が以前に工場が爆発した時とまるで同じ気がするのは気になる(^^;
 ロールアウト前のメモリーに残っていた記憶から、自分を丁寧に組みたててくれていた西田の事を完全に思い出すバイクル。 この騒動で血圧があがって膝をついてしまった西田を背負い、病院へ駆けていくのだった……。
 正木「荒井、わかるか。あれが人間とロボットの助け合う、本当の姿だ」
 竜馬「心がある……だから命がある。人間も、ロボットも」

 最後綺麗にまとめましたが、バイクルの名古屋弁の秘密が明かされる、という以外はなんともかんとも。 細かくやっているロボット刑事の成長エピソードとして、劇中一つ一つの要素自体はそれほど悪くないのですが、 それがうまく物語としてまとまらなかった感じ。
 特にリモコン合戦の所が酷かったですが、全体的に、脚本・演出ともに雑になってしまいました。
 せめてあの場面は、竜馬達が荒井に手出しできない状況、で展開しなくてはなりませんでした。リモコン合戦している内に、竜馬さん、 ダッシュして体当たりの一つでも決めて下さい、と。
 その癖、大岡裁きの時には凄い勢いでダッシュするし(笑)
 あと、荒井博士の目的が「特警に自分のシステムを採用させる事」なのに、 その為に自分で犯罪を起こすのは本末転倒も行きすぎだろうと(笑)  首尾良く朝比奈博士のシステムの問題と自分のシステムの優秀さが証明されたとしても、 どう考えても採用されそうにありません。まあそこまで含めて、既に狂気の域に達していた、 という事なのかもしれませんが。
 警視庁電子工学研究所の関係者は、こんな人ばかりなのか。

 次回、アマゾネス軍団、来襲!!
 遂に竜馬さんにも来るか、モテキ?!

→〔まとめ7へ続く〕

(2012年7月7日/2014年5月4日)
(2019年7月21日 改訂)
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