■『特警ウインスペクター』感想まとめ3■
“パニックロードを(Go!Go!Go!)
ダッシュファイヤー ウインスコード”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特警ウインスペクター』
感想の、まとめ3(13〜18話)です。登場人物など紹介を付記。また文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
日記掲載時にいただいたコメントが感想に反映されている箇所もあります。ありがとうございました。
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〔総括〕
- ◆第13話「竜馬が死んだ!?」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
◆第14話「死神モスの逆襲!!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
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初の前後編で、パワーアップ展開。
日本の里村植物研究所に保存されている、稀少な7万種に及ぶ種子を狙い、死神モスの異名を持つ人物が率いる世界的な犯罪組織が動き出す。
研究所の所長である里村博士が正木の友人であった縁もあり警戒にあたっていたウィンスペクターだったが、
組織の繰り出してきた赤いスーパーカーにいいように振り回された挙げ句、パトカーを破壊され、竜馬が意識不明の重体に陥ってしまう。
組織のスーパーカー(どうせなら変な名前でも付ければ良かったのに)は、マッハ号かボンドカーというノリで、
宙を舞い、階段を走り、勿論ミサイル発射。速度とコーナリング能力にも優れ、
圧倒的な性能差でバイクルの追撃を振り切り、竜馬さえも叩きのめすというインパクト。
竜馬を欠く特警だが、歩みを止めている時間はない。
研究所の警備には機動隊の協力を要請し、この恐るべき敵に対して装備の強化を図り、
まずはバイクル専用バイク・ウィンチェイサーがロールアウト。
バイクル専用バイク。
…………バイクル専用バイク……
どうしてバイクルにバイク
……と思ったのですが、よく考えるとこの時点でのパワーアップは企画段階から折り込み済みの筈なので、
むしろ滑走能力を持っているからバイクルなのではなく、バイクとセット活躍するからバイクル、だった模様。
とすると、ウォルターはどうなのか、という話になりますが、もしかするとあれか、
壁(ウォール)か!?
弾よけの壁だからなのかっ!?
実際、今回のエピソードでウォルターだけパワーアップ無しでちょっと可哀想。
新キャラ(メカ)のデミタスもバイクルの相棒扱いですし。
デミタスは野々山(特警の白衣眼鏡)が制作した缶コーヒー大のミニロボットで、会話機能とジャンプ移動能力、
他に溶接ビームなどを使用できる事がこの前後編で判明。小さな体にやたらな高性能で、今後、色々と都合良く使われそう。
今回は、これまで、バイクルとウォルターの発進シーンぐらいしか仕事の無かった野々山が急にクローズアップ。
バイクルとウォルターのメンテナンス以外に、新装備の企画開発も担当していたようで、デミタス、ウィンチェイサー、
そして新パトカーと、次々と登場。
初期パワーアップなので、ここまでの伏線無しでも別に構わないと思うのですが、デミタスを何故作ったのかだけは、
説明を入れて欲しかった所。バイクとパトカーは純粋に戦力強化なので理解出来るのですが、デミタスだけは、作成の意図が不明。
「サポートロボです」ぐらいの大雑把な事でもいいから、野々山の口から言わせないと、ただキャラが増えただけ、になってしまいます。
そこに最低限でもいいから理由付けをする事で物語の奥行きが増すので、いい加減に処理すると勿体ない。
国民の血税で開発しているわけですし。
デミタスに限らず、13・14話は随所で繋ぎと詰めが雑で色々と勿体ない構成。
脚本が悪いのか演出が悪いのか両方悪いのか、CM開けたらBパート冒頭にいきなり新バイクとか、
竜馬が意識不明で久々に正ヒロイン(竜馬妹)が登場したのに、昏睡する兄の見舞いだけで、二人の絡みが無いとか。
竜馬が悪夢にうなされるシーンの後、本部長が危険を承知で新パトカーのテストに乗り込もうとする所に「もう大丈夫です!」と現れる所も、
主役の復活なのに一切のタメ無し。そもそも映像の繋ぎだけ見ていると、前日まで意識不明だったようにしか見えないのですが、
目が醒めた時点で一回妹さんと絡ませるシーンとか入れないで、何の為に妹さんを出したのか。
前回の同脚本家による「爆弾犬」の回のような明確な話の筋の破綻は無いものの、全体として盛り上がらない事、甚だしい。
他の脚本陣が意欲的に色々とやっている中、正直、高久進だけが、80年代から全く進歩が無い。
もともとあまり感心した事のない脚本家ですが、前回の正木回に続いて、なぜこんな重要回を担当しているのか。
メインライターだったら仕方がないですが、一応今作のメインライターは杉村升だと認識していたのですが、
この時期は他と掛け持ちとかだったのか……? 15話の方も、里村博士を人質に取ったモスの部下が電話連絡してきた場所を逆探知し、
ウォルターがそこを偵察に行くが迎撃に合う→里村博士の命を救う為に種子を組織に渡す取引現場に張り込む竜馬と女刑事と何故かウォルター→
あれさっき、倉庫でやられていなかった?
というか、ここにウォルター出てくるなら、ウォルターは何のために単独で倉庫へ向かったのか。
など、明らかに繋ぎと展開の不自然なシーンが幾つかあって、脚本も演出もガタガタでおかしい。
そんなわけで、折角のパワーアップ前後編ですが、今ひとつ、盛り上がれませんでした。
竜馬の新パトカーファイヤースコードは、真っ赤で割と格好良くて好きですが。
ファイヤースコードも、字幕は「ファイヤースコード」と出ているのに、ナレーションは「ウインスコード」と言っていて、非常に謎。
(※ファイヤーの新パトカーは、マシンそのものの名称が「ウインスコード」、SPカードで着化した状態が「ファイヤースコード」、
変形前の白い状態が「パトロールスコード」との事。Beniさん、ありがとうございました。)
しかしまあ、見ているだけだとちっともわからないどころか、頭上に疑問符が舞い飛んで非常に困ります。
全体的に、制作時になんかトラブルがあったとしか思えないレベルでしたが、次回以降の巻き直しに期待。
- ◆第15話「竜馬!正木を射て」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
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前回のパワーアップ展開を受けて、OPがバージョンチェンジ。
ウィンスコードがクローズアップされています。
爆弾魔・勝田の潜伏先の情報が、「昔、正木に世話になった」と称する謎の人物からもたらされる。だが調査へ向かった竜馬が見たのは、
縛り付けられて体に爆弾をくくりつけられた勝田の姿だった! タイムリミットぎりぎりで爆弾を取り外す事に成功した竜馬だが、
爆弾の爆発に巻き込まれ、頭を強打、一時的な記憶喪失に陥ってしまう。
混乱というか錯乱した竜馬は、駆けつけた純子に拳銃を突きつけ射撃、
ウインスコードへ乗り込んで走り去る。
自分の名前も忘れている割には、何の躊躇いもなく怪しげなパトカーに乗り込んで走り去っていくのですが、ここは少し、
躊躇うような演出を入れても良かったよーな。
逮捕された勝田は、八神という男の依頼で爆弾を製造していた事を白状する。八神巌――7年前に捜査1課時代の正木が逮捕し、現在、
仮出所中の殺し屋であった。復讐の為に正木の部下を次々に抹殺しようと企んでいた八神は、竜馬の様子を見て作戦を変更。
竜馬に「正木は君の家族を皆殺しにした憎き仇だ」と吹き込んで、特警抹殺の尖兵に仕立て上げる。
物凄く行き当たりばったりな八神ですが、あっさり洗脳される竜馬。
これ、単純に、なんか凄い装置で洗脳するという展開で良かったと思うのですが、どうしてたまたま記憶喪失になったのを利用する、
などというプロットになってしまったのか。
お陰で竜馬さん、銃を振り回して、近づくものを全て撃つという、記憶喪失とか脇において、
ただの危ない人になってしまいました。
また、射撃の達人である筈の竜馬が、今回は話の都合により至近距離から外しまくるのですが、これはむしろ、
竜馬の無意識が超高精度で故意に外している、とでも解釈するべきか。
八神の鉄砲玉として喫茶店にカチコミに来た竜馬は、後で誤魔化すの大変そうな勢いで撃ちまくるが、
良太少年の説得などもあって一時撤退。竜馬が耳にイヤホンを差し込み、誰かに操られているようだと隠密同心から聞いた正木は、自ら街に出て、囮となる。
ここでまた、変なテンションの謎の挿入歌。
もうこの歌、ダメオヤジのテーマ(7話使用時)として脳内に刻まれているのですが(笑)
あの破綻した音階は、我らが宮内洋かなと思ったら、どうも「燃やせ瞳を!」という挿入歌らしく、
本当は女刑事と二人で歌っているのに、何故か女刑事のソロパートが無い為に、ほとんど宮内洋の歌と化しているそうです。
相変わらず、安定した破壊力。
超弄っているのに、この破壊力。
宮内洋の歌は、もう「宮内洋」というジャンルなので仕方がない。
街中で竜馬と接触した正木は、「ここでは市民を巻き込む、自分の死に場所は自分で決めたい」と、竜馬とともに、
彼が記憶を失った勝田のアジトへと移動し、八神を誘い込む。
ここの俯瞰で、工場のトタン屋根の上を走る隠密同心、のカットがそれとなく入っているのは格好いい。
その後色々あって、「こうなれば皆殺しだ!」と八神が手榴弾をばらまき、爆発に巻き込まれた竜馬が記憶を取り戻し、
良太を人質に逃げる八神を逮捕して、終了。久々に高速移動も披露。
こんな展開なのに、妹、今回も関わらず。
締めにナレーションで「助けを求める声が、特警ウィンスペクター隊長、香川竜馬の記憶を呼び戻した」とか綺麗にオチを着けるのですが、
あまりそういう感じにならなかったのは残念。
全編通して、竜馬がひたすら、
銃を撃ちたい、
ストレス溜まっているんだなぁ……
としか思えない回(笑)
ところで以前から、犯罪者がハンドワッパーをかけられた途端に物凄く大人しくなるのは、あれ、
手錠がかかると同時に手首から何らかの薬物を注射しているのではないかと、気になって仕方がありません。
- ◆第16話「大好きウォルター」◆ (監督:小西通雄 脚本:杉村升)
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交通安全週間のキャンペーンで、子供達に風船を配るバイクルとウォルター。それを遠巻きに眺める少女が気になった純子は声をかけるが、
少女は「ウォルターなんて大嫌い!」と走り去ってしまう。他の子供達から少女が転校を繰り返している為に友達が居ないという話を聞いた純子は、
少女が落としたウォルターの手作りフェルト人形を、ウォルターに届けさせるという事を思いつく。
本部長曰く「お人好し純子」…………いつそうなりましたか?!
本部でにこやかに「ウォルターも一人で子供と接する訓練になるかもしれない」など、今日の特警本部はアットホーム。
というかもともと刑事ドラマ志向の今作なので、こういう「刑事部屋でのやりとり」みたいな中でキャラクター性を少しずつ積み重ねていく、
というのは本来やりたかった方向性なのでは、という気がします。パイロット回のライター登板で、少し軌道を修正した感じ。
こうして純子の差し金で少女・宏美の元へ花束を手に落とし物を届けに行く事になったウォルター。「困りました……私はゆっくり、
女の子と話した事がありません」など、堅苦しいウォルターらしい独白が入ったりしつつ、少女の家へ。最初は花束も断られるが、
部屋に写真を飾るぐらい実はウォルター大好きな少女と徐々に打ち解け、二人は「友達」として遊ぶ事になる。
「世界中の子供達が友達」と製造時にインプットされているというウォルターが、少女とのつたないやり取りの中で、
徐々に学習領域を広げていく流れなどは秀逸。
だがそんな二人を、大型トラックで尾行する怪しい影があった……ウォルターをさらって外国に売り飛ばす事で、一攫千金を目論む、
小崎孝と、大木春男。「国立大学電子工学科中退の腕前」により、ウォルターと本部との通信を妨害電波で遮断した二人組は、
謎の光線銃とクレーンによる攻撃を仕掛け、更に宏美を人質にして、ウォルターの身柄を確保する。
その頃、たまたま六角刑事が野々山に話を聞きに来た事で、高度な電子機器の窃盗が相次いでいる事を知った特警は、
無線妨害とこの窃盗が関わりがあるのではないかと推測し、ウォルターの行方を追って出撃する。珍しく、野々山もパトカーへ同乗。
無線の通じなくなったウォルターがなぜか港に向かったり、
行方を追跡できていない筈の特警が真っ直ぐにそこでウォルターと少女の拉致された痕跡を発見するという事は、特警で、
緊急時の集合場所でも決められているのでしょうか。それはそれで、なんか楽しい。
アジトでウォルターをバラバラに解体しようとする小崎だが、それによって、ウォルターの自爆装置が作動。
二人がハッタリだと聞く耳を持たない為、せめて宏美だけでも逃そうと、ウォルターは左手を取り外し、
少女を閉じこめられた部屋から解放すると、指先で地面に字を書いて、ウィンスペクターへの連絡を頼む。
……鬼太郎?
「困っている時に助け合うのが、本当の友達」というウォルターの言葉を胸に、勇気を奮う宏美だったが、男達に見つかってしまう。
そこへ突貫してくるウインスペクター。謎の光線銃や爆発をくぐり抜け、自爆装置の作動前に、ウォルターの救出に成功する。
またここで、デミタスに謎の新機能、「シークレットメダル」が発動。体内からメダルが出てきて、それをバイクルが投げるだけ(笑)
玩具の連動ギミックか何かでしょーか。
珍しく外に出てきた野々山は、ウォルターの自爆装置を解除する役割なのかと思ったら、そちらはあっさりと、
隊長が直してしまいました。最後に、ウォルターが自ら外した左腕を修理しただけで、出てきた意味、あまり無し。
無理にアジトを爆発させないで、ファイヤーが野々山を守りつつ、野々山がギリギリで自爆装置を解除する、
という展開で良かったと思うのですが、この辺りは、派手さ優先の大人の事情か……?
というわけでラストにさくっと隊長が自爆装置を解除してしまうのが少し盛り上がりに欠けたものの、
クオリティがやや下がり目だったここ数回と比べると、割と出来の良かった回でした。
刑事部屋的なシチュエーション、久々の六角刑事の登場など、少しバタバタしすぎたここ数回に対して、一度基本に戻した、
というような構成のエピソードで、ゲストヒロインの少女役も好演。パワーアップ展開でスルーされたウォルターに焦点が当たるという事で、
全体のバランスも取れました。
序盤の出来があまりに良かったというのもありますが、今シリーズにはやはり、これぐらいを最低水準で期待したくなってしまいます。
次回、なんだか凄い変化球。
- ◆第17話「怖い宇宙の贈り物」◆ (監督:小笠原猛 脚本:杉村升)
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山深い山村の外れに、小型の人工衛星ファルコン2が落下。調査・回収に向かったウインスペクターは、
現場近くでリゾート開発を進める男性が、奇声をあげて倒れるのを発見。竜馬と純子は衛星の調査をバイクルとウォルターに任せ、
男性の娘ととともに彼を村の住宅まで送り届ける。リゾート会社が村ごと買い上げた事により、
数人の社員を除いてほぼ無人の村……家を出た時には全くいつも通りだったという男の身に、何が起こったのか?
一方、衛星を調査中のバイクルとウォルターは、ゲル状の謎の生物に襲われる。ウォルターのデータベースにも存在しない謎の生命体は、
宇宙からやってきた存在なのか……? 住宅を取り囲む、スライム生物の群。突如、家族に襲いかかる男。銃弾も通じず、
人間を操る宇宙生物を、ウインスペクターは、突破できるのか……?!
というわけで今回は、『人形つかい』(ロバート・A・ハインライン)辺りを思わせるSFホラーです。
話としては特に面白くなかったですが、ネタとしては面白かった(笑)
たまに、こういうエピソードあってもいいよね、的な。
完全に設定とシチュエーション優先にした為、突然現れる正木とか、サンプル運んだ研究所はどこにあるのか、とか、
リゾート会社の家族はわざわざ村に住んでいるのか、とか、細かい謎が多いのですが、まあ今回は設定劇として楽しむべきなのでしょう。
筋の中でほぼ意味の無い、途中でやってくる、封鎖の看板を無視して入ってきたカップルとか。
あれは2時間の映画だったら、途中で死ぬ役(笑)
それだけだとあんまりだと思ったのか、村に入ったリゾート会社が開発の為に大規模に農薬を散布したり木を伐採したりしており、
宇宙生物の襲来に関して、倒れた社員の娘が「神様が怒ったのよ」と、いきなりな環境問題を投げ込んでくるのですが、
脚本家の中でもそこがメインではないので、非常にぞんざい(笑)
せめて冒頭で、この少女が自然を大切にしているシーンでも入れておいたりすれば、もう少し全体が締まったかもしれませんが、まあ、
無理に付け足しただけなので、仕方がない。
なおこのゲスト少女は、バイクルと一緒にロープアクションしたり、ファイヤーと一緒に川に飛び込んだり、大活躍。
最終的に、酸性の成分を持つ宇宙生命体はアルカリ性の物質と触れあうと中和されて炎上消滅する事が判明し、
バイクルとウォルターが石灰を撒きまくり、宇宙生命体は全滅。事件をきっかけに、リゾート会社の社員も、
村の開発を考え直すのでありました……(と何となくテーマっぽく持ち込むが、無理矢理感満載)。
- ◆第18話「超能力!孝行少女」◆ (監督:小笠原猛 脚本:鷺山京子)
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今度は超能力少女。
超能力開発システム理論を発表し、学会から追放された三田博士は、自身の娘・ひとみでシステムを実験、
実際に超能力を発現させる事に成功していた。だがその開発システムは脳に悪影響を与え、脳波の異常や頭痛を引き起こしていた……。
超能力少女ひとみちゃん、箱の中に閉じこめられた状態で外の鎖や南京錠を破壊したり、迫り来る炎を消したり、
水の中に手を突っ込んでお湯を沸かしたり、分子運動とかに干渉できる模様。
学会を追放されて荒れていた時期に、父の振るう暴力に耐えかねて家を出た母に会いに行ったひとみは、
激しい頭痛に襲われて病院へ運ばれ、そこで父に連れ戻される。
母に会いたいと手紙を出しながらも、如何にもダメ人間な感じの見た目の父がやってくると、
父と共に行く事を選ぶ少女……と離婚した父母の間で揺れる少女を中心に据えた、久々に重い家族ドラマ。
頭痛を隠しながら、父の実験に協力し、
「パパの研究がうまくいくなら、なんでもお手伝いするからね」
このまま頭痛を放置しておくと危ないと語る竜馬に
「パパの研究が成功すればママも帰ってきて3人で暮らせるの」
と、ゲストの少女がひたすら健気。
一方、父の三田博士はいかにも学者バカ一直線。
そして学会を追放された彼を後援し超能力開発システムに投資していたのは、江藤五郎という怪しげな人物であった。
良太がひとみの超能力を目撃していた事から関わる事になった竜馬は、三田と一緒に病院に来ていた男が、
暴行障害・恐喝などで前科3犯の村川正だと知り、更なる調査から、江藤が国際犯罪組織と繋がりがある事が判明する。
江藤は超能力開発システムを悪用し、犯罪組織に売却しようと計画しているのだ!
いよいよシステムが完成し、江藤は犯罪組織の関係者を集めた超能力のデモンストレーションを計画する。
屋敷を出る江藤の車を、思いっきりパトカーで追う竜馬。
その追跡を部下に邪魔させる江藤。
それはそうだ……と思ったところ、安心した江藤の車を、横から出てきた隠密同心のジープが尾行。
と、この二段仕掛けの尾行ネタは秀逸。
人里離れた採石場で行われる、世界各国の悪い人達の前での超能力デモンストレーション。事ここに至って、
自分が利用されていた事に気付く三田博士。ひとみは箱の中に閉じこめられ、
木で組んだ台座に火が付けられる……普段ならそこから脱出できる筈だが、その時、激しい頭痛に襲われ、
ひとみは箱の中で気を失ってしまう。舞い上がる炎。そこへ駆けつけるウインスペクター!
世界中の悪い人達はバイクルとウォルターの催眠ミサイルにより一網打尽にされ、気を失ったひとみも、
ファイヤーが救い出して事件は解決。三田博士は深く反省し、夫婦はよりを戻して、家族はもう一度やりなおそうと故郷へ帰るのであった。
学者バカの父と健気な娘の物語としてはよく出来ていたものの、今ひとつ、クライマックスが盛り上がらなかったのが残念。
今クール入って、新装備のアタッチメントを使う縛りを、まだ各脚本家がうまく消化できていない感じ。
それにしても三田博士は、資料全部燃やさなくてもよかったような。
次回、竜馬さんが凄く爽やかな服装に!
夏服?
→〔まとめ4へ続く〕
(2012年6月30日/7月6日)
(2019年7月21日 改訂)
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