- ◆第25話「とびだせ!ジャック電撃応援団」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
-
リアル放映時は、今回から、放送時間が日曜朝9時30分に変更になりました。
というわけでか、<新規視聴者歓迎JAC祭あわよくば視聴率を稼ぎたいスペシャル編>。
クールギンに始末されそうになっていたネロス帝国の裏切り者・時田青年を助けた流星と八荒は、危篤の母をどうしても見舞い
に行きたいと願う彼の為に、山梨県にある故郷の村まで同道する。
「僕は剣流星、メタルダーだ。今、ネロス帝国と戦っている」
という流星の自己紹介は、
「私はトムです。これは鉛筆です」みたいなノリ。
山梨県へと向かう途中、謎のデコトラ軍団にからまれる流星達。ネロス帝国の追っ手かと思われたが、それは八荒の先輩達、かつて
八荒と、オートバイに夢を賭けた仲間達だった。
という所で、錚々たるゲストメンバー登場。
……えー、物凄い超訳を挟んでいますが、つまり元暴走族の皆さん? というか、元ヒーロー達の登場が、こんな形
でいいのか首を捻るレベルの悪質なアオリ(^^; “後輩へのお茶目”で済ませられる時代だったのか……、下手すると、流星さんが
「怒る!」で無差別にずんばらりんする所でしたよ!
八荒の先輩の経営するハイウェイ沿いのレストランに入った一行だが、今度は本物の追っ手が迫り来る。その場をレストランのマスター
に任せ、ヤンチャーズの面々も、流星達の旅に同道する事に。
「そんなに戦争ごっこがやりたいか!」
とネロス帝国の追撃部隊を華麗に蹴散らすマスター役は、春田純一(ゴーグルブラック/ダイナブラック)!
店の前に現れた追っ手を見て、無言でエプロンを外すシーンが超格好いい。そして素敵すぎるハイキック。
ここからは、執拗に襲い来るネロス帝国の追っ手と、ヤンチャーズを交えたアクション編。
メタルダー(声がハンターキラー)
大葉健二(バトルケニア/デンジブルー/ギャバン)
渡洋史(シャリバン/ブーメラン/スピルバン)
山田一善(海坊主/メタルダーの中の人)
澄川真琴(ダイアナ)
田中澄子(イエローフォー)
河合宏(チェンジグリフォン)
という、鼻血ものの超豪華共演。
まー、このメンバーと暴走していたなら(女性二人は違う模様)、それは初登場時の八荒は調子に乗っている筈だし、メタルダーの
強さを見た途端に変わり身早く下に付くわけだわー(笑)
ちなみに男性陣よりも、自動車に食らいついて時田を救い出した女性二人の方が強そうです(笑)
ネロス帝国の攻撃を受けながらも、「乗りかかった船だ」と協力を惜しまない気持ちのいい連中が揃う中、わざわざクールギン自ら
始末しようとするなど「おかしい、何かある」と独り時田への疑念を捨てられない流星。
襲撃部隊を指揮し、何故かボウガンで攻撃をしてくるタグスロンを相手に、時田への疑惑、暑苦しい男達の急激な増加、など色々と
ストレスが溜まっていたのか、「タグスロン、許さん!」といきなり怒り心頭のメタルダーは、新技メタルトルネード(回転チョップ攻撃)
→スクリューボンバーのコンボで、
「このもの、しつこく矢を撃ってきた罪」
により、爆破・滅殺。
あー……
殺ってしまいました
中身が人間である事は以前にサーチ済みの筈な上に、わざわざメタルダーの方から名前を呼んで認識を上書きした上で、
120%言い訳の効かない大爆殺。
前回と前々回の爆発無しは何だったのか……(^^;(もはや単純に火薬代をケチった疑惑)
スッキリして帰ってきたメタルダーだが、ネロス帝国の襲撃で八荒が重傷を負っていた! 出血多量でこのままでは八荒の命が危ない
……そして迫り来る、クールギンによる更なる波状攻撃。果たして流星とヤンチャーズはこの窮地を突破する事が出来るのか?!
というわけで、JACスペシャルは、次回へ続く。
サブタイトルの「ジャック電撃応援団」は『ジャッカー電撃隊』に掛けているようなのに、特に『ジャッカー』からのゲスト出演は
無いなぁ……と思ったらしごく単純に、「JAC」からという、メタなネタ(^^; 劇中ではこの呼称は用いられません。次回予告
ではなぜか、「ジャック野郎」。
- ◆第26話「ぶっちぎり!炎のジャック野郎」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
-
時田を連れて村に向かっているのか、瀕死の八荒を病院で運ぶ為に街に戻っているのか、さっぱりわからないのが凄い。
そして弟の仇を取る為に出撃したきたタグスキー、まさかの
地雷で爆死。
あんまりだと思って念の為に何度か確認したのですが、地雷で爆死。見る度に笑ってしまう。……あー、
この前のアクションシーンで、吹き飛ばされた雑魚兵士が唐突に大爆発していたのは、仕掛けた地雷に触れたという伏線だったのか。
刀を投げ捨てたと見せかけて脇差しと合わせて攻撃してくるなど、アクションはなかなか面白かったのですが、呆気ない最期と
なりました。
時田が地雷網に気付いた事から、
「君は、ネロス帝国からわざと脱走した。僕をおびきだし、罠にはめるために」
と詰問するメタルダー、波風を立てるだけ立てて、ヤンチャーズが時田に殴りかかると止める偽善ぶりというか、ヤクザの恫喝術
みたいな(^^;
強面に囲まれても結局口は割らない時田。……まあ、状況証拠としては真っ黒ですが。本心からやっていたのが改心したとか、脅迫
されて仕方なくやっていたとか、その辺りの背景を描くのが面倒くさくなってすっ飛ばしたのではないか疑惑。
病院に運び込んだ瀕死の八荒はその時田からの輸血などもあり、一命を取り留める。混濁した意識の中で都合良く舞の妄想など見ている
八荒だが、枕元には剣流星。割と唐突に友情パワーできらきらする二人ですが、流星さん友達少なそうなので、微笑ましいといえば
微笑ましい。また後半へ向けて、流星と八荒の友情を補強したのは良かったと思います。
時田の母を人質に取ったというクールギンからの矢文を受け、彼と共に水力発電所へ向かうメタルダー。罠にはまり閉じこめられて
しまうが、駆けつけたヤンチャーズによって救われる。
ヤンチャーズの見せ場なので仕方ないのですが、閉じこめられたメタルダーが時限爆弾を手にうろうろしているだけ、というのは何とか
ならなかったのか(笑)
大暴れジャック野郎達&オートバイギャルズは、文句なく格好良かったです。
時限爆弾の投棄に成功したメタルダーは、遂にクールギンと一騎打ち。
「クールギン、敗れたり。勝って帰るならなぜ鞘を捨てた」
と、(たぶんTVで見た)宮本武蔵の真似を始めたメタルダーは、落ちていたボートの櫂を拾い、打撃、そしてレーザーアーム、の
二段攻撃でクールギンをずんばらりん。
クールギン、まさかのリタイア?!
と思ったら、鉄仮面割れたーーーーーっ
そして出てきた中身が格好悪かった!!!
クールギンは撤退するが、死闘により精も根も尽き果てたメタルダーは、その後ろ姿を見送る事しか出来ないのであった……。
流星と八荒の友情強化、メタルダーとクールギンの因縁強化、とJAC祭スペシャル編ながら、終盤に向けて丁寧に人間関係を補強。
……筋はぐだぐだでしたが。
割と見るモチベーションの一部になっているクールギンさんが、スペシャル編の勢いで始末されなくて良かったです。
- ◆第27話「助けて!愛しのゴリちゃん逃亡日記」◆ (監督:小笠原猛 脚本:扇澤延男)
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OPのタグ兄弟の姿に、涙が止まりません……。
ゴッドネロス様肝いりの研究所が爆発し、研究の素体であった生物が逃亡。その生物は体内に特殊なカプセルを埋め込まれており、
カプセルの溶解にともない、巨大・凶暴化。初めは大人しい性格であるが、やがて人間を襲い出す。
その時、
「全ての人間どもは恐怖におののき、全能なる余に救いの手を求める事になる……
名付けて、ゴリゴン計画」
………………まあ、ゴッドネロス様のネーミングセンスが微妙なのは過去の軍団員達の名付けで判明している事ではあります。
このシーンは台詞だけ抜くとなんだか間抜けですが、迫真のイラストを背景にして、なかなかそれらしいリアリティを出しています。
……しかし随分と、ゴッドネロス様及びネロス帝国が前面に出るのが前提の計画ですが、世界を影から操る経済
ヤクザを卒業する事になったのか、これはネロス帝国による世界征服プロジェクトが新たな段階に入ったという事なのか。どこまで
意図的かは計りかねますが、もし後半戦の布石として、作戦の性質を変化させてきていたとしたら、面白い。……たぶん、そんな事、
無いような気はしますが。
ゴッドネロスの命によりヨロイ軍団・ウォッガー2(記憶に無いけど、再生戦士?)が、逃亡した3匹のゴリゴンの捜索に向かうが、
その内の1匹(ゴリゴンA)が、林業を営む父を持ち、山中で暮らすユキという少女と出会ってしまう。
ユキが鳥のお墓に林檎を供えて、目を閉じて手を合わせて居る間に林檎が消えている、というのは好演出。
最初はゴリゴンの風貌に驚いたユキだが、蛇に襲われそうになった所をゴリゴンに助けられた事から仲良くなり、機甲軍団の姿に、
洞窟に姿を隠す。
少女を山暮らしとした事で、山中での行動に説得力を持たせているのは良いところ。どう見ても、毎日学校まで山の中を1時間、とか
歩いてそうな場所だしなぁ……後半のゴリゴンとの逃亡シーンでは、小川を渡って足跡と匂いを消していたし、プロ……?
山中での謎の爆発を追っていた流星達は、ゴリゴンB・Cがウォッガー2に捕まえられた所に闖入して救出を計るが、機甲軍団の横槍で
失敗してしまう。その後、ゴリゴンAを少女から強奪(にしか見えない)、体内に毒素の詰まったカプセルが入れられている事を発見。
ゴリゴンの行方を追うネロス帝国の追っ手に少女の自宅が襲われ、救援に向かうメタルダーとゴリゴン。あんな着ぐるみでバック転する
ゴリゴン!
「このもの、森林破壊の罪」
により、ウォッガー2はメタルボンバーで大爆死。
流星の手術によってゴリゴンのカプセルは取り除かれ、ユキ親子と楽しく暮らしていくのでありました。
えー……あれ、BとCは、機甲軍団の爆撃で消し飛んだのか。
怪人と少女の交流話、という如何にもな次回予告でしたが、そのままの内容でした。
ひねったといえば、最後に怪人が「幸せに暮らしましたとさ」となる所と、凶暴化のくだりが前ふりだけで全く本編に使われなかった
事か。
次回、ここに来て定番ネタの怪盗もの。
……と考えると、怪人と子供の交流話、も定番なので、定番シリーズ?
- ◆第28話「可愛い盗賊・きらめくダイヤに乙女の願いを!」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:藤井邦夫)
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最近、舞さんは八荒との絡みが多いけど……まあ、それぐらい役得がないと、哀しい役回りだからなぁ、八荒……。
あと、トップガンダーさんはどこへ行ってしまわれたのでせう。
街を騒がすレオタードの女怪盗・レッドパンサー!
テロップまで出て、怪人扱い(笑)
次々とダイヤを盗み、報道をにぎわす彼女に、
「ひょっとするとネロス帝国と関係あるかもしれんな」
最近の流星さんはやたらと積極的。
切断されていた大事な回路が戦闘時の衝撃で繋がったりしたのかもしれない。
盗まれたダイヤはどれも、かつて伊集院コレクションと呼ばれ、高名なダイヤコレクターの手にあったもの。ダイヤはその死後に
売り払われ散逸していたが、実はその背後にはゴッドネロスの影があった。伊集院はかつてネロス(普通の人間時代)の協力者であり、
その経済センスでネロスの資金調達に協力。しかしネロスの帝国建設の野望に気付いて袂を分かち、その後は個人で事業に成功。
だが自分の過去に繋がる全てを神経質に抹消して回るゴッドネロスの手によって殺害され、その血筋全てが、抹殺されていたのだ。
伊集院さん何者だ、という感じですが、ゴッドネロス様の冷酷さと徹底ぶりが表現されているのは良い。
怪盗の背後に伊集院コレクションへの執着を感じたゴッドネロスは、唯一手元に残していたコレクション最後の一個ゴールドアイを
餌にレッドパンサーを捕らえるように命令し、かつて伊集院一族抹殺作戦を指揮したモンスター軍団・豪将ブライデイがその任に就く。
狼男型のブライデイは、黒コートの人間体に変身し、なかなか格好いい。
まんまと誘き出されたレッドパンサーに襲いかかるブライデイ、それを助ける、通りすがりの剣流星。女の落としたダイヤ(ゴールドアイ)を
拾った事から伊集院コレクションとレッドパンサーを結びつける流星だが、彼女が名乗った「伊集院ゆい」は、7年前に死んでいる。果たして
彼女はいったい何者なのか――翌日、女の元を訪れて直球で尋ねる流星。
「君はレッドパンサー?」
「あーこりゃ、完全にぷっつんだわ」
はい、ぷっつんです
仕様なのでクーリングオフできません
誤魔化し続ける女であったが、再びブライデイの襲撃を受けた事から、真実を語る。彼女は、死んだ伊集院ゆい(ネロスに協力していた
伊集院の孫)の親友であった。亡き友の夢を叶えるという約束の為に、女怪盗として伊集院コレクションを集めていたのだ。
ネロス帝国の事など露ほども知らぬ彼女であったが、再び襲い来るブライデイと、美人秘書ズ。レオタードに早変わりしたレッドパンサー
は美人秘書ズを撃退。メタルダーもレーザーアームを炸裂させ、
「このもの、大量殺人の罪」
により、ブライデイは液化して蒸発。
メタルダーはゴールドアイをレッドパンサーに託し、約束を果たしたら他のダイヤは持ち主に返すんだ、と彼女を諭すのであった。
てっきり偽物を餌にしているのかと思ったら、どうやら本当に本物らしく、ゴッドネロス様、無駄に律儀。
そしてある夜、歩道橋から街の夜景を眺めていた流星は、バイクを走らせる八荒と出会う。今夜は街のあちらこちらにレッドパンサーが
出没しているという。
「それがさ、今度は今まで盗んだダイヤモンドを、返し回っているらしいんだよ!」
その背後をサイレンを鳴らしながらパトカーが走り抜けていき、それを追いかける八荒。
微笑を浮かべた流星に、不意に横から突きつけられる拳銃。
「あなたには私の秘密を知られてしまったわ」
レッドパンサーが引き金を引くと……
GOOD LUCK!
という玩具の旗。
「正義の味方としては油断大敵、ってとこね。じゃあね!」
流星に旗を渡し、夜の闇に去っていくレッドパンサー。
ナレーション「――――その夜以来、レッドパンサーは二度と現れる事はなかった」
……という、洒落たオチ。
この番組にこういう引き出しがあったのか、とちょっと驚きました。
八荒の横をサイレンが通り過ぎていく、という演出が好き。
全体に渡り、陰影を強調したり、ハンディカメラを交えてみたり、映写機に映る少女時代のゆいで幻想的な雰囲気を出してみたり、と
意欲的な演出で面白かったです。ここまで特にそういう事はしていない監督がどういう風の吹き回しだったのかはわかりませんが、やはり
ローテ監督の内一人ぐらいは、ときどき映像的にちょっと変わった事をしてくれた方が面白い。
なぜ、狼男の頭上に蜘蛛が出てきたのかはわかりませんでしたが。
(※もともとブライデイは蜘蛛と狼の能力を持つモンスターで、よく見ると最初から着ぐるみの背中に蜘蛛が張り付いているとの事!
彗星恐竜さん、ありがとうございました)
- ◆第29話「ある哀しいのら犬の物語」◆ (監督:伊東寿浩 脚本:中原朗)
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ムキムキマンと花嵐は、もうこのままフェードアウトなのだろうか……。
犬犬パラダイス回。
スプリンガー、舞の飼い犬マミーに加え、ゲスト野良犬ジョージの3頭立てで、撮影が大変そう。
どれも賢そうでしたが。
家畜やペットのモンスター化をはかるゴッドネロス様、動物を分子レベルに分解後、モンスターのエキスを入れて、再構成して
モンスター化を計る。
……だが。
装置から誕生した猫型モンスターは広島弁の足下にじゃれつき、戦意のかけらもない。
「ええい、詰めが甘かった!」
新開発の装置自体は機能したが、素材が悪かった。
「元は野獣だというのに……家畜たちは骨の髄まで人間の家来に成り下がっている」
どちらかというと経営者サイドで、家畜とか死ぬほど好きそうなのに、やたらに野生を求めるゴッドネロス様。
「恐れながら……」
広島弁、野生を残した獣を探す事を進言。……モンスター軍団は別に動物の専門家では無かった気がするのですが、実は元々はそういう
設定(それぞれ動物の能力を付与された)だったのでしょうか? 今回の広島弁はすっかり、動物博士のような扱いです。
「獣の心を失っていない家畜を探せというか……」
激しく本末転倒になってますよ、ゴッドネロス様!
飼い主に酷い扱いを受けて殺されそうになり、人に媚びない野良犬として生きてきたシェパード・ジョージとマミーを介して知り合った
流星。だがジョージは野生を残した家畜を求めるネロス帝国の手により、へっぴり腰の美人秘書ズに捕まり、改造手術を受けてしまう。
「おまえこそ、言うがままに操られてきた家畜を解放し、従え、人間どもに刃向かう最初の指導者となるのだ」
しかしネロス帝国には従え、と言外に含んでいる時点で何かオカシイというか、今回の作戦は根本的な所で間違っていると思うんですよ
ゴッドネロス様! というかどうして自分は人間の範疇から外れているんですかゴッドネロス様! 神だから? 神だから?
ドグギャランと命名された元ジョージは、その力で、家畜達の野生を取り戻させる。
ナレーション「飼い慣らされたペット達が野生を甦らせ、本来の獣の姿に立ち返った!」
各地の家庭で起こるペット達の反乱、飼い主に噛みつく金魚!
サファリワールドでドグギャランと戦うメタルダーは、マミーによってそれが、ジョージの改造された姿だと知る。「獣には獣の、
誇りがある筈だ!」メタルダーの叫びと、マミーの声に正気を取り戻したジョージだが、広島弁の溶解液を受け、死亡。ネロス帝国の
恐るべき計画は失敗に終わったが、流星と舞は人と動物が良きパートナーとして過ごしていける世界を祈るのであった。
- ◆第30話「守れ!秘密基地」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
-
シルバーカークスへの帰り道、落石で崖を滑り落ちた男を助けた流星。男の息子が一人で峠の山小屋まで助けを呼びに行った事を聞き、
男を麓の病院に運び込んだ後で少年を捜す事にする。
下手をするといきなり、「メタルダーだ!」と言いながら探しに行ってしまうかと思いましたが、一応、流星の姿の時は人間離れした
行動をしないように気を付けているんでしたっけ……? その辺りの設定はなぁなぁなので、どうだったか自信無くなってしまいました。
後半少年に、流星の姿のまま「僕はメタルダー」とか名乗っていましたが、流星のアイデンテティはどの辺りにあるのか何とも
いえない。
その頃、ご機嫌斜めのゴッドネロス様は、わざわざ
「余は……大いに機嫌が悪いぞ」
と宣言。
口に出さないとわかってくれない部下ばかりで、大変そうです。
「メタルダーの基地を見つけて余の機嫌を直せ」という言葉に戦闘ロボット軍団が進み出て、これまでの戦いから疑わしげな地域の
捜索を開始。完全に二次遭難した少年を捜す地元消防団と流星と、山狩りをする戦闘ロボ軍団がバッティング。
よく見ると、凄いモブの雑魚キャラみたいに、クロスランダーが混ざっています(笑)
なんかもう、着ぐるみの都合で生かされている気がしてきました……。
そんな中、たぶん山で再び悟りの道を探っていたトップガンダーが少年を見かけ、銃声で
メタルダーを呼ぶ。
……大雑把な(笑)
そして何故か、がっちりと握手を交わすメタルダーとトップガンダー。
おそらく、真の友情のアピール。
……先生大変です! 八荒さんが、八荒さんが部屋の隅で膝をついたまま動きません!
トップガンダーのお陰で少年を発見する事ができたメタルダーだが、銃声を聞きつけた戦闘ロボ軍団にも気付かれてしまい、安全の為に
ひとまず少年を山中の秘密基地シルバーカークスへ連れて行く事になる。
凄く落ち着かないベッドで一晩を過ごした少年は、「基地の場所を秘密にする」と、流星と約束をかわすのであった。
翌朝、少年を連れ帰った流星だが、遭難からの救出劇にマスコミに取材されてしまう。TVに映った流星と少年を見て、メタルダーが
基地に一晩匿ったのでは? と推測したネロス帝国は少年をさらう。
追撃シーンで、サイドファントムへの乗り込み方が新アクションで格好良かったです。
「メタルダーと約束した。だから僕は言わない」
軍団員に脅されながらも、堅く口を閉じる少年。追いすがるメタルダーだが、少年を人質に取られてサンドバッグ状態。戦闘回路が
損傷するほどのダメージを受けるが、一発の銃弾がその危機を救う。
現れたのは、久々の登場で、相変わらずおいしい所をいただいていくトップガンダー。
先生大変です! 八荒さんの目から涙が止まりません!
反撃に転じたメタルダーは、ガルドスの胸のギミックによるまさかのレーザーアーム破りに一撃を損じるが、横薙ぎの追撃で
一刀両断。
「このもの、未成年者略取及び誘拐の罪」
にて、6話のリベンジならず、ガルドスは敢えなく爆死。
メタルダーと少年の交流、心の強さを得る苛められっ子の少年、とオーソドックスな内容ながら丁寧な構成で良かったです。高久脚本は
普段なんというか、もっと辻褄適当ですが、高久脚本にしてはしっかりと手順を追っている。意欲的なコンセプトを持った『メタルダー』
でありますが、高久さんとしても、力入っていたシリーズだったのかなぁやっぱり。
そんな『メタルダー』も残すところ、あと一桁!
次回なんだか凄い予告になっていましたが、そろそろ管理職の首も危ないか?!
- ◆第31話「瞬転を狙え!愛を夢みる少女」◆ (監督:小笠原猛 脚本:藤井邦夫)
-
街で出会った流星につきまとう謎の幼女・夢。
八荒「流星さんにひとめぼれでもしたのかな?」
流星「冗談言うな!」
夢「このタイプって、私の好みなの!」
流星「ええっ?!」
今日の流星さんは、妙にテンション高めで人間くさい。
今作はこの辺りの流星の人格的変化を、あまり計算しないで書いているのが、勿体ないところ。
自分の名前以外、家族の事も思い出せないという夢が記憶喪失ではないかと疑った流星達が彼女を医者の所に連れて行くと、その通り
という診断。とりあえず舞の家に連れて行く3人だが、一行を見張る黒い影があった……実は夢の正体は、ゴッドネロスの作ったロボット
だったのだ!
嘘の診断を信じさせる為に偽医者を用意したり、尾行に美人秘書ズが参加したりバルスキーさんまで投入されたりと、今回の作戦は
かなり大がかりかつ、高コスト。
夢が記憶を取り戻さないかと、流星、遊園地デート。ここで夢が普通の人間ではないことを暗示する描写が幾つか入るのですが、
次回予告で見せすぎていたような(^^; 駐車場で美人秘書ズと監視ロボに襲われ、さらわれた夢を追う流星の前に姿を見せる
バルスキー。流星が瞬転しようとしたその時、
(心が……心が苦しい)
と倒れ伏す夢。バイクで駆けつけた八荒とともに夢を連れて窮地を脱した流星は、夢の正体が、エレクトリックアイでも検知不能な
特殊素材の皮膚でコーティングされたロボットだったと知る。そして彼女の目的は、流星がメタルダーに変身するその瞬間、放たれた
エネルギーに反応し、変身プロセスにおける0.001秒の一瞬の無防備状態に、至近距離で爆発する事。だが、ゴッドネロスが
メタルダーを油断させる為に組み込んだ、人間の心の回路が爆弾に拒否反応を起こしたのであった。
流星とスプリンガーの技術力ではその爆弾を取り外す事は不可能……自分を狙う刺客とはいえ、作られた存在である夢に同情した流星は、
「楽しい思い出で記憶回路を一杯にしてあげるだけだ」と夢と海辺で戯れるが、そこにバルスキーが再び姿を現す。
一般兵の攻撃で右往左往しながら夢を抱えて八荒が頑張るのですが、夢ちゃんあんなだけど、たぶん八荒よりは強いのではないか(笑)
夢の爆発を避ける為に瞬転できず危機に陥る流星だったが、流星に負けてほしくないという夢の感情が募った結果、心の回路のオーバー
ヒートで、夢、自爆。
割と唐突で、正直、あれー……? という感じでした。
もっと盛り上げ所だったと思うのですけど。
「何の罪もないロボットを兵器にするおまえたちを、僕は絶対に許さない!」
怒りの瞬転で次々と雑魚を蹴散らすメタルダーの前に立ちはだかるバルスキー。
「バルスキー、おまえもロボットなら夢ちゃんの死を悲しめ!」
「うるさい。俺に心の回路は不要だ」
「許さん!」
いやでも、心の回路が組み込まれていないのはバルスキーさんのせいじゃないしなぁ実は。
ロボットの心の問題に踏み込んだ結果、戦闘ロボット軍団もまた“そういう風に作られた存在でしかない”部分を、バルスキーが悪い
みたいに誤魔化して、吹っ飛ばしてしまいました。
むしろ“戦闘ロボット軍団こそメタルダーが助けるべき存在”であった事が浮き彫りにされると同時
に全力でスルーされるという、アクロバットな構図に。
特に今作の初期のコンセプトがそこにあった事を思うと、これは脚本家の無念の叫びなのか、たまたまこうなっただけなのか。
……まあ、心の回路が組み込まれていない割には、好き勝手ですが、戦闘ロボット軍団。
“人間の心”とは別に“ロボットの心”というものがあるのかもしれませんが、戦闘ロボット軍団にプログラム以外に発達した
“ロボットの心”があるのだと考えると、ゴッドネロス様の技術力、恐るべし……。
以前に、「古賀の開発したメタルダーを研究したい」みたいな発言がありましたが、全く必要ないよーな(笑)
参考資料扱いかもしれませんが。
バルスキーの放ったド派手な花火で吹き飛ぶメタルダーだったが、新技・死んだ振りからレーザーアーム、でバルスキーの右手首を
叩き斬り、バルスキーは退却。そしてメタルダーと八荒は、残骸の中で夢ちゃんの心の回路がまだ動いている事に気付く……。
自爆メカの心の回路を、わざわざメタルダーを吹っ飛ばすほどの爆発に耐えうる材質で作るなんて、ゴッドネロス
様の思いやりに
全米が泣いた(あれ?)
かくて流星の手によりボディを再構成された夢ちゃんロボ(多分、基地で状態を見た時に設計をスキャンしていた)は、無事だった
心の回路を埋め込まれ、ラプソディとともに遊園地で暮らすことになったのであった。流星は誓う、ネロス帝国との戦いに決着をつけ、
必ず彼女を迎えに来ようと――。
台詞も無いとはいえ、またもや出番のラプソディはなんだか愛されています。ストラディバリウスを人質(?)に戦う所とか、
迷い込んだ少女を前に見せた男気とか、割と好きなので嬉しい。
- ◆第32話「百年美人伝説」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:柳川茂)
-
「皆の者、余はメタルダーと戦って敗れ去ったものの事を思うと心が痛む。中でもモンスター軍団だ」
回想シーンの犬は、軍団長が溶かしましたけどね!
と思ったら……「一番勇敢ってことじゃな」という広島弁に
「一番部下を無駄死にさせたという事だ」
いきなりですが、広島弁、リストラの危機。
まあ、メタルダーさんの機嫌次第なので、運不運の要素も濃いですが。
残り少ない戦力で如何にメタルダーを倒すか思い悩むゲルドリングに、「花咲山の百年美人という幻の花の蜜を飲むと凄いパワーを得る」
と情報を与えるクールギン。
今まで、軍団単位で揉めはしても軍団長同士の直接的な絡みは少なかったですが、ここに来てクールギンが暗躍開始。ネロス帝国も
それだけ弱体化しているという事か……?
表向きは余計なお世話と言いつつうまい話に乗る事にしたゲルドリングは、二人の部下とともに花咲山へ向かうが、そこには百年美人を
取材しようとする舞とそれに同道した流星と八荒が訪れていた。百年美人の場所を知る少年に襲いかかっている所を、流星と遭遇戦になる
ゲルドリング。
八荒さんは、なんだかんだで子供を抱えて走れるから便利。
モンスター軍団の部下1名、メタルダーの一蹴りでぞんざいに爆死。
少年の祖父に協力を求める流星達だが、「ネロス帝国の怪人です」と言っても、もちろん相手にされるわけはない。
だが翌朝、少年がモンスター軍団員にさらわれてしまい、それを追う事に。
老人が百年美人を求める流星達に冷たい態度を取るのにはある理由があった。それはかつて、百年美人の蜜を吸った熊が凶暴化して
麓の村で大暴れしたという伝説がある事。そしてもう一つはまだ孫が小さかった頃、百年美人の毒気にやられたと思われる全身真っ赤な
怪物に襲われて、その両親が死亡した事。孫を抱えて必死に逃げた老人の前で、怪物は川の中へ溶けるように消えていったが、それ以来
老人は、百年美人を忌避して生きてきたのであった。
回想シーンの真っ赤な怪物は明らかにヨロイ軍団員で、クールギンが花について知っていた理由が判明。
老人の案内で百年美人のもとに辿り着いた流星達だったが、少年を脅して案内させたゲルドリング達が、一足先に辿り着いていた。
百年美人でパワーアップしたゲルドリングは、メタルボンバーとメタルトルネードを跳ね返し、目から変なビームを出したり炎を吐いたり
と大暴れでメタルダーを圧倒する。
惜しむらくは、過去にメタルダーとの対戦が無いので、「今までとは変わったんじゃい」と言われても今ひとつピンと来ない事。
メタルダーを追い詰めたゲルドリングだったが、川の中に入った事でパワーが落ちていく。老人の昔語りに登場した赤い怪人が、
川の中で力を失ったという話を思い出したメタルダーは水中戦に持ち込み、パワーの減退したゲルドリングを
「このもの、色々と鬱陶しかった罪」
により、水中レーザーアームで、斬殺…………?
倒したような演出にはなっていますが、シーンとして明確にゲルドリング爆死の描写がなく、寸前で液状化して回避した、なども
ありそう。軍団長の最期にしては呆気なさ過ぎるので、少し怪しい。
戦いの趨勢を見届けたクールギンは、かつて部下から聞いた百年美人の情報が、
「ゲルドリングの死に花を咲かせる事になるとは」
と呟き去っていく。
台詞は格好いいけど、相変わらずサイドカーはしまらない(笑)
ところで、モンスター軍団の部下一人、生き残ったような。
→〔その5へ続く〕
(2012年10月31日,2013年1月7日)
(2017年6月9日 改訂)
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