- ◆第17話「危うし舞! 走る独眼竜トップガンダー」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:高久進)
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今回の見所は、流星さん、サックスを吹く。
帰ってきたトップガンダー抹殺に動くクロスランダー。そしてメタルダー撃破の為に共闘するガマドーンが舞を拉致。写真撮影で舞と
一緒に居た八荒はガマドーンに殴りかかるが、あっさりのされるという、今回も果てしなく情けない役回り。
その頃、スプリンガーと一緒にトップガンダーを探していたメタルダーは、クロスランダーの銃撃を受けた所をガマドーンに襲われ
苦戦するが、姿を見せたトップガンダーに窮地を助けられる。
これまで何をしていたのかという流星の問いに、
「山中のあちこちを彷徨い歩いた……悟りを開くためにな」
……どうしてそっちへ。
しかし、血の匂いが欲しいという高ぶりを抑えきれず、帰還したというトップガンダー。
どう転んでも危ない人ですが、流星は握手を求めトップガンダーもそれに応える。
舞を懸命に探していた八荒は、ガマドーンのアジトに連れ込まれた彼女を見つけだす事が出来ず、仕方ないので叫んでメタルダー
を呼ぶ。メタルダーの関係者という事で八荒をマークしているクロスランダー、奴が必ずそこに待ち構えているに違いないと
トップガンダーはメタルダーを止める(ダー、ダー、多いな!)が、
「僕は助けを求めている者を見捨てる事は出来ない」
とメタルダーは出撃。
女戦士回でも口にしてしましたが、全方位博愛主義がシナリオ上で無理が出てきたので、メタルダーの基本倫理は、ここに置く事にした
模様。
…………感情回路の発達の結果だと考えると、色々と、黒い。
もっと発達すると、イッタイドウナッテシマウノカ。
行き着く所は、「ミスターをつけたまえ、ハスラーくん」になってしまうのか(おぃ)
待ちかまえていたクロスランダーの銃撃をトップガンダーが防ぎ、戦闘はメタルダーvsガマドーン、トップガンダーvs
クロスランダーの二局に。
対峙するクロスランダーを、「二丁拳銃、ぷっ、恥ずかしい」「一発必中じゃない奴なんてガンマンじゃ
ねーよ」と罵倒しまくるトップガンダーさん。
いやあなた達、基本的に役割(銃の種類)違うじゃないですか……。
存外、クロスランダーがひねた性格になってしまったのは、こういう嫌な同僚が居た為かもしれない。
対決はトップガンダーの勝利に終わり、更にクロスランダーの卑怯なやり口を見抜いていたトップガンダーは、部下の陽動と頭部の
隠し銃も華麗に回避し、クロスランダーを撃破。
一方、罠にはまりピンチに陥っていたメタルダーだったが、唐突に戦闘回路がブーストし(その前の流れで、野ウサギを罠にかけていた
事に対して怒っているが、それに対する反応としては、かなり遅すぎる)、ガマドーンの粘着液を突破。演出がパワーアップした
レーザーアームでガマドーンをずんばらりんすると、追い打ちのGキックも炸裂。
ガマドーン、
「このもの、か弱い動物をいたぶった罪」
により、番組史上かつてない壮絶な爆死。
明らかに、舞を拉致した事よりウサギをいたぶった事に怒りを燃やす、剣流星、孤独な超人機であった。
戦い終わり、合流するメタルダーとトップガンダー。
「メタルダー、俺の生き方は決まった。ゴッドネロスとは綺麗さっぱり手を切り、俺は独立する。そしてネロス帝国がこれ以上非道な
振る舞いに及べば、俺は戦う。この命を懸けて」
かくてメタルダーとネロス帝国の戦いに、頼もしい同志が加わるのであった。
……ただしよくよく考えると、ネロス帝国のスナイパー(暗殺者)→フリーのスナイパー(暗殺者)になっただけの気もするので、
本当に手を組んでいいのか、よく考えようメタルダー! 血に飢えているし!
そして北八荒は、今回も激しく役に立たず。
まさかこのまま、二枚目なのにコメディリリーフという、意味不明なテコ入れキャラになるので
ありましょうか(^^;
まあ突然、謎の科学力でパワーアップしたりしても困るのですが。何とかなるのやら、ならないのやら。
- ◆第18話「舞の秘密情報・プールサイドの罠」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:高久進)
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今回の見所は、超久々の「私を夜の闇に包め」。会長、素敵。
なんか変なテンションの音楽とともにゴーストバンクでゴッドネロスに迫るメタルダー。回転式レーザーアームで群がる敵を撃破!
こういう映像を見ると、誰か『メタルヒーロー無双』を作ってくれないかな、と割と本気で思う。
そしてゴッドネロスに向けて集団レーザーアームを振り上げるメタルダーだが…………もちろん、夢でした。
ロボット軍団、烈闘士ザーゲンの。
その頃、流星は舞から、旧日本軍関係の秘密資料が米国から返却されるという情報を得ていた。もしかしたらその中に超人機の情報、
ひいては古賀博士と、彼の過去に関わるというゴッドネロスの情報があるかもしれない。
と、凄く久々に、流星、古賀博士の過去を追っていた事を思い出す。
なお、情報の入手元は、ワシントンで新聞社の駐在員をやっている舞の父より。…………この父は、重要な情報を教えてはいけない
タイプの人では。
同じ頃、プールサイドで水着の美人秘書をはべらかす桐原会長もまた、秘密資料返還の情報を得ていた。己の過去に繋がる情報を一切
残してはいけないと危惧するゴッドネロスに、ザーゲンがその資料を利用した囮作戦を提案する。
いよいよ資料返還の日、舞の父からFAXしてもらった資料の運搬役の顔写真を元に、空港で待ち受ける流星達。
……外交資料を近所のお使いみたいに返還しないでくださいアメリカ合衆国様。
だが彼等の目の前で、男はネロス帝国に拉致される! バイクで車を追うが機甲軍団の攻撃を受ける八荒。気軽に追跡を頼むメタルダー
ですが、その人は割とぽっくり逝ってしまうから、本当にそのお使いを頼んで良いのか、良く考えてください。
遅れて追跡したメタルダーは、廃工場でザーゲンと交戦。資料の入った鞄を入手するが、運搬役の男が何故かロボット人間だった事に
不審を抱く……そう、その運搬役と拉致事件は、全てザーゲンによるフェイク。鞄の中身は秘密資料などではなく、彼が仕掛けた爆弾で
あった! が、さすがに露骨すぎて、ぽんこつ流星も罠の可能性を勘繰り、リモコンによる遠隔操作で鞄を開き、爆発を回避。
トラップが失敗に終わった事を知ったザーゲンはゴッドネロスに改造を直訴。体内に自爆装置を埋め込み、もろともに果てようと
メタルダーに再戦を挑む!
一方、、正しい資料を入手していた桐原会長は、それに目を通していた。
そこには42年前の日本最高の科学者の名前が記されていたが、その中に桐原の名前は無かった。というのも、桐原は当時、別の名前を
名乗っていたからだ……と、すらすらとナレーションされるのですが、そもそも、桐原が科学者だと語られた
事がない筈なのですけど(確かに自分で軍団員を作ってはいますが)。
「名前は無かった」というナレーションで、「桐原が科学者だった事」「日本軍に関わっていた事」「42年前から第一線だった事」が
明かされるという、ミラクル叙述トリック!(たぶん違う)
そして、整形手術を重ねていたが僅かながらも手がかりになるかもしれないと、資料の中に一枚だけあった若き日の自分の写真を
抹消し、桐原は秘密資料から自分の痕跡を消し去る事に成功する。
その頃、「メタルダーは、敵の手がかりを求めて廃工場へ向かった」(ナレーション)
何故。
だが、やはり何故か待ち受けているザーゲン。
メタルダーと組み合ったザーゲンは、体内の自爆装置について滔々と語る。
「さあ、俺のこの胸におまえの必殺拳を叩きこめ!」
男らしいというか、間抜けというより、明らかに、自分の境遇に酔っています。
「なぜ、必殺拳を使わないのだメタルダー!」
と出鱈目なキレ方をするザーゲンですが、いくら流星さんがぽんこつだからって、わかっていて自爆に巻き込まれたくありません。
メタルダーは苦戦の末、最後は自らの右腕を切り落とさせ、間合いを外してその右腕を投げつける
という、ザーゲンに輪をかけて出鱈目な戦法で勝利を収める。
そういえば、メタルダーには一貫して、飛び道具がありません。必要を感じないぐらい、戦闘力が高いわけですが。
あと最近、他軍団の横槍が入らなくなったのは、面倒くさくなったのか、中の人達を頼む予算が寂しくなってきたのか、
「わかりにくいと視聴者に不評だから」とでも言われたのか。基本的に鬱陶しいのですが、入らないと入らないで寂しい(笑)
そして流星さんは今日もサックスを吹き、貴重な資料が手に入らなかった事を、笑い飛ばすのであった。
メタルダーの明日はどっちだ!
本当にどっちだ?!
- ◆第19話「夏休みはゴーストバンクへ冒険ツアー」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
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夏だ海だ水着回だ! というわけで海で遊んでいる流星・舞・八荒の3人は、キャンプに来た親子連れと知り合う。男二人が水着を
履き分けているのは、無駄に細かい(笑) 八荒はやっぱり、ブーメランパンツ。
楽しく遊ぶ3人と家族連れだったが、父親が釣りをしている間に山の方へ遊びに行った娘・マリコが、訓練中のヨロイ軍団・暴魂
チューボが開けっ放しであった秘密通路から、ゴーストバンクへ入り込んでしまう。
少女が入り込んだゴーストバンクは、コウモリが飛んでいたり蜘蛛が蠢いていたり毒々しい液体プールなど、お化け屋敷っぽい演出。
そして彷徨う少女は、かつて戦闘回路を取り付けられてメタルダーと戦った事のある音楽ロボット・ラプソディと出会う。
この再登場は、ちょっと嬉しい。
軍団員とすれ違うたびにヴァイオリンを弾いて誤魔化しながらマリコを親元に帰そうとするラプソディだったが、訓練を終えた
チューボと出会ってしまう。「秘密を知った子供を返すわけにはいかぬ」とすごむチューボ。
更に、ゴッドネロス様、出てきちゃう。
4大軍団長も、揃っちゃう。
ラプソディ、大ピンチ。
つい先程までマリコちゃんがあちこちを彷徨っていた間、ほぼ無人だった事を考えると、恐らく皆、慰安旅行の熱海から
バスで帰ってきたところ。
一方地上では、マリコの不在に気付いた大人達が彼女を捜し、スプリンガーに匂いを追わせていた流星は、チューボが戸締まりを
忘れていた秘密通路と、地面に落ちたマリコの帽子を発見。覚悟を決めて、スプリンガーと共にゴーストバンクへと突入する。
「世の帝国を覗いた者は、たとえ誰であっても許すわけにはいかん」
少女を助けてほしいというラプソディの懇願を当然はねつけるゴッドネロス。マリコに処刑の刃が迫るその時……剣流星が現れる!
夏休みの閑話休題バラエティ回かと思って油断していたら、出会ってしまう二人。
恋におちてゆく二人 愛を重ねる二人
別れてゆく その日を 知っていたように
あんなに急いで 二人(待て)
だが流星はマリコを人質にされて捕まってしまい、逆に処刑の危機に。チューボの刃がその首に振り下ろされる直前、流星の後から
潜入したトップガンダーの放った銃弾が、その危機を救う! 混乱の隙をついたラプソディがマリコを解放し、流星はメタルダーに瞬転。
戸締まりの不注意から割と真剣に危機に陥るネロス帝国
ゴッドネロスに迫るメタルダーを阻む四大軍団長、そしてクールギン。
敵味方入れ乱れての着ぐるみ集団バトルは、なかなかの迫力。戦闘機能を持たない筈のラプソディが華麗に蹴りとか決めているのは少し
気になりますが(笑)
あと、強化後もさくっとトップガンダーに敗れたクロスランダーはスクラップ行きになっているかと思われましたが、しれっと混ざって
いました。まあ着ぐるみの都合で混ざっていただけで、話にはもう絡まないかもしれませんが。
マリコを連れてラプソディがゴーストバンクを脱出し、ゴッドネロスに逃げられたメタルダーとトップガンダーもそれに続くと、
後を追ってきた軍団員を引きつける囮となる。その中から、メタルダーとの決着を一人でつけるべく進み出るチューボ。
「全て俺の不始末から起こった」
……自覚あった模様(笑)
トップガンダーを制し一騎打ちに応えたメタルダーは、激しい戦いの末に、新技メタルトルネード(Gキックのパワーアップ版?)で
さくっと爆殺。
そのデザイン(わかりやすい鎧兜)もあって1話から比較的目立っていたチューボさん、
「このもの、戸締まり不注意の罪」
により、遂にリタイア。
1話で古賀博士を囲んでいた軍団員の一人(ただし、惨殺シーンは描かれず博士の悲鳴だけだったので、誰がとどめを刺したかは不明)
だったのですが、さくっと流されたので、博士の仇、というわけでは無かったのか……?
かくて親子は無事に再会、ネロス帝国と完全に縁を切ったラプソディは、遊園地に再就職して幸せに暮らしましたとさ。
中盤の着ぐるみ大投入の集団バトル、後半のメタルダーvsチューボの一騎打ち、と二つのバトルが対比もあって面白く、ラプソディと
少女の絆なども巧く描かれていて、予想外な秀逸回。……いやだって、予告があれで、サブタイトルがあれで、冒頭が海ではしゃぐ3人
とか、面白くなりそうな要素が一切無かったのに(笑)
すっかり、メタルダーが敵の滅殺に躊躇なくなってしまったのはどうにも気になりますが、これはもう、前半の事は忘れて受け入れる
しか仕方なさそう。それでも、前半で生き延びたキャラクターを絡ませてくる意地は評価。
次回、バンク映像でミサイル撃つのが主なお仕事で個性不足を囁かれていた機甲軍団に、ついにスポット……?!
- ◆第20話「ターゲットは仔犬? 火をふく機甲軍団」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
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悲しむ娘の目の前で山の中の木にロープを縛り付けて犬を捨てた後で河原遊びに興じ、娘が犬が心配だという
ので「様子を見てくるよ」と言って車に乗ったと思ったら夏の盛りに車のトランクの中に放り込んでいた子犬3匹を人気の無い場所に
追加で捨て、何事もなかったのように戻ってきて河原で娘と遊んでいる父が外道すぎる
のですが、もしかして普段はネロス帝国で働いていて、タグ兄弟の中身とかではなかろうな(笑)
(もっとも、いっけん犬を可愛がっている娘の方も、知っていて車のトランクの中に仔犬を入れっぱなしだったりで、要するに親子
揃って酷い)
人間の醜さに触れた流星さんが「怒る!」でレーザーアームを発動してしまい、衝撃の
新展開ルートが発生しかねないレベル。
メタルダーの基地見学に向かう途中で舞と八荒がこの捨て犬を見つけ、流星が犬から「仔犬が3匹居る」という話を聞いた事から、
捨てられた仔犬を探す3人は親子と接触し、父親がこっそり3匹を捨てた場所へと向かう。
だが何とそこは、ネロス帝国機甲軍団の演習場だった!
新型の自走ロボット砲デスターX−1を闇の武器商人にプレゼン後、その後かたづけを行っていた機甲軍団員ブルチェック(前半から
バンクでよく出る戦車頭)は、捨て犬の入った段ボール箱を発見し…………近所の牧場に侵入して絞りたてのミルクを与えるなど、
めろめろ。
しかし演習場に、犬を探しに流星達が現れた事で状況は一変する。
砲撃をしのいだメタルダーに対し、ブルチェックの上司は都合が良いと犬を囮にするように命令。ブルチェックは拒否をするが、
同僚のミサイル頭も上司に同調して2対1では命令を受け入れないわけにはいかず、仔犬達の入った段ボール箱は地雷網の中に設置され、
更にデスターX−1がメタルダーを待ち受ける。
今回の演出で、機甲軍団は「アーマーパックを装着する」という設定であった事が発覚。犬と戯れたりしないといけない話の都合な
気もしないでもないですが、ようやく戦闘ロボット軍団と仕様の違いが明確になりました。
待ち伏せを見破ったメタルダーは、サーチ機能により地雷原も回避。だがメタルダーが箱を手にしたその時、箱の中の一匹が地雷原の
中へ駆けだしてしまう。咄嗟に犬を助けるために走り寄ったブルチェックが地雷に接触し、犬と共に爆発の炎の中へ。メタルダーは
無事だった2匹を舞に預けに戻るが……
「八荒は?」
「仔犬たちを探しに」
「なにー?」
本気で不愉快そう
ミサイル頭と接触した八荒はポーズを取りながら「怒る!」を決めてみるが、もちろん何も起こらず。今回もこのまま役に
立たずに終わるのかと思われましたが、熱源に対して自動攻撃をしかけるデスターX−1を攪乱する為に自ら囮となり、メタルダーを
サポート。へたれなりに、巧いバランスでいい所を見せました。
デスターX−1を撃破したメタルダーは、ミサイル頭を
「このもの、か弱い動物の命を弄んだ罪」
により、今回も新技プラズマパンチで処刑。
そして地雷の爆発に巻き込まれたかと思われたもう一匹の仔犬も、ブルチェックによって守られていた。
「動物は、みんなかわいい……その命を吹っ飛ばすなんて俺にはできねえ」
ブルチェック、顔はいかついけど心は優しい戦場帰りの男、みたいなキャラに。
そしてメタルダーは、動物好き仲間として、ブルチェックに敵ながら奇妙な友情を感じる――
ナレーション「剣流星は、ネロス軍団の中にも、動物を愛するものがいる事を知り、爽やかな気分に包まれていた」
一番大事なのは、そこですか。
チューボさんだって、チューボさんだって……部屋でハムスターを飼っていたんだよ?!(未確認情報)
今後メタルダーと戦う軍団員には、飼っている動物(自己申告)の写真を胸に貼り付ける事を推奨したい。
こうしてメタルダーが罪もない犬達を横暴な飼い主と機甲軍団の魔の手から救い出すのに成功した一方、デスターX−1がメタルダーに
破壊された事により商談決裂の憂き目にあったゴッドネロス様は激怒していた。
「なに、新型自走ロボット砲デスターX−1の商談に失敗しただと。
嘆かわしい。どうして余の軍団員には、己の本分を忘れるものが多いのか」
クールギンさんが、もみ手で布団圧縮袋を売り込んだりしている姿を想像すると、ちょっと時めく。
なお今回、メタルダーの基地で流星と出会った八荒が、「剣流星=超人機メタルダー!」と認識。誰にとってもどうでもいいネタでは
ありましたが、余計な面倒事にならない内に、手早く処理された感じ。
- ◆第21話「大都会ミステリー・ホタルを呼ぶ美少女」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進)
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夏だ花火だ怪談回だ!
夜の街で、ホタルの光を追って行方不明となった子供達。ニュースで失踪前の子供達を最後に見たのが八荒だと知った流星は、彼と
ともに子供達をの行方を追い求める……と、何故か唐突に流星と八荒のバディものという、不思議展開。
そしてこれまた唐突に襲い来る、ヨロイ軍団・激闘士ジャムネのロケットパンチ。
「大都会の夏のミステリーはネロスの仕業だったんだ」
妙にノリノリな、メタルダー。
その夜、八荒が前夜に出会った不思議な美(?)少女・蛍子を探す二人。人工ホタルの怪しい光に誘われた八荒は怪しげなビルの中で
ジャムネに捕まり、ネロス帝国に脅されて協力している博士の手で、若い細胞のエキスを吸い取られてしまう。八荒が運び込まれた部屋に
転がる、意識を失った沢山の少年少女達。ネロス帝国はモンスター軍団の強化の為に、催眠光線を出すホタルを使って子供達をさらい、
若い細胞のエキスを集めていたのだ!
モンスター軍団の強化に関わる作戦をヨロイ軍団が主導しているのはこれまでの展開を考えると少し疑問ですが、なんだかんだでヨロイ
軍団員と戦闘ロボ軍団員の出番が多いのは、もしかしたら、やや複雑な作戦を指揮できるのは、ヨロイ軍団員か戦闘ロボ軍団員だけ、
という事なのか。モンスター軍団員は目前の欲望に忠実ですぐ横道に逸れそうなので、長期的な視野の作戦を展開するのには不向きそう
ではあるしなぁ……機甲軍団は市街戦向きでないし。
ゴッドネロスは、博士の娘である蛍子を使ってメタルダーを誘い込むように指令。父(人工ホタルの開発者)は娘を人質にされてネロス
帝国に従い、娘も父の為にやむなくホタルを放つ役をしていたが、蛍子は帝国を裏切り、流星に助けを求める。ジャムネを追って
ビルへ乗り込んだ流星は一度は罠にかかるが、メタルダーに瞬転して脱出。
檻をレーザーアームでずんばらりんしたら、一歩出た所に落とし穴、という二段構えの罠は秀逸(笑)
そして、美人秘書ズとの初の交戦。
パンチ一発で、あっさりとねじ伏せましたが。
美人秘書ズが倒れた事で解放された博士も帝国と訣別、博士が細胞エキスを再注入する事で息を吹き返した八荒が蛍子を助け出し、
メタルダーは新技メタルボンバーでジャムネを撃破。海に吹き飛んで爆発しなかったので、もしかしたら生きてる……かも。
飛び交うロケットパンチの映像は、なかなか面白かったです。
悪の組織の陰謀にヒーローが気付いてそれを阻止……と今作としては珍しいオーソドックス展開ですが、話としては特に面白いところは
なし。まあ、夏の八荒プッシュ回と見るべきか。段々こちらも、八荒の存在に慣れてきましたし。実際どうだったのかはわかりませんが、
いかにもテコ入れ然とした追加キャラとしては、ほどほどにうまく使っている方かとは思います。この辺りは、わざわざチェンジグリフォン
を器用した甲斐があったというか、役者さんが現場の空気に慣れていて、色々うまくやってくれている感じ。
- ◆第22話「空飛ぶローラー! 赤いイルカの襲撃」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:高久進)
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ドライブで横浜をぶらぶらしていた流星は、ホッケーマスクにローラースケートの集団に襲撃を受ける。トンファーやヌンチャク、
手裏剣を使いこなす彼等に手傷を負わされるも、人間相手に反撃できない流星は逃亡。更にそこを戦闘ロボ軍団・雄闘ジャースの砲撃を
受けるが、何とか切り抜ける。
彼等の正体は、ネロス帝国に雇われていたローラースケート集団、レッドドルフィン(演ずるは、プロのローラースケートチームらしい
レッドドルフィンズ。調べたけど、今ひとつ詳細わからず)。
ゴッドネロス様曰く、
「今の世の中、金が全てだ。大人も若者も、そして子供達までも」
バルスキー「特に今の若者は、金に目がありません。金のためならどんなことでもいたします」
ゴッドネロス「余は、若者のその心に目を付けた。エネルギーが有り余っている若者をメタルダー暗殺に差し向けたの
だ」
そして相手が人間なら、メタルダーは必殺技を使う事はない……!
トールギン「今度の作戦は、奴の弱点をつかれたのですね」
広島弁「帝王の考えはいつもお見事。恐れいりまするです」
急に会長をヨイショしだす軍団長達。
しかし、こんな時でも喋らない機甲軍団長。
先日、デスター−X1のプレゼンの時に喋りましたが。
そんなレッドドルフィンに美人秘書ズが「この男を使ってメタルダーをおびき寄せろ」と渡した写真は、またしても、八荒。
なんか段々と、舞さんはネロス帝国の真の黒幕説が真実味を帯びてきました。むしろ、
2000年代なら実際にやりそう。
そんな舞さんは前回お休みだった分を取り返す為か、謎のBGMとともにハンバーガーを食べたり、ソフトクリームを食べたり。そこへ
現れた八荒に襲いかかる手裏剣。「メタルダーを呼び出せ」という矢文ならぬ手裏剣文を見た八荒は何故か「俺が相手だ、かかってこい」
と指定された場所に赴くがレッドドルフィンに翻弄された所を、トップガンダーの狙撃に助けられる。
相変わらずおいしいトップガンダー。帝国を裏切った割にはメタルダーが全然協力を求めてくれないので、「おかしい、こんな筈では
なかった」とか言いながら、地味にスニーキングでもしているのか。
逃げ出すレッドドルフィンのメンバーの一人が、車にぶつかって気絶したところを助けて病院へ運ぶ八荒。意識を取り戻した彼女の名は、
レイカ。中国からのボートピープルであった彼女は漂流中に行方不明になった弟を捜していた所、得意のローラースケートで
レッドドルフィンと意気投合し、彼等と行動を共にしていたのであった。流星は彼女を説得し、レッドドルフィンのリーダーとの話し合い
を求めると、問答無用の攻撃に耐え、彼等にネロス帝国の存在と脅威を語る。
「ネロスは自分の帝国の利益を守るためなら、動乱や戦争をを引き起こし、平然としている。レイカさんは戦争が生んだ落とし子だ。
僕は彼女の気持ちがよくわかる。なぜなら、僕も戦争が生んだ落とし子だからだ」
急に社会問題を持ち出してどうするのかと思ったら、なるほど、こう繋げてきましたか。
夏休み展開の派手な客演回かと思いきや、いまひとつ腰の据わってなかったメタルダーが、“ネロス帝国と戦う理由”を遂に
明確に口にする、といういきなり物凄い重要回。
どうして、ゴッドネロス様との邂逅に続いて、夏休みの間にこんな重要エピソードが立て続けに(^^;
レイカの口添えもあり、「よし、この目でネロスの正体を確かめてやる」と美人秘書ズと交渉に向かったレッドドルフィンが受け取った
札束を地面に叩きつけると、現れる怪人達。そこへメタルダーが現れ、ジャースと戦闘。ジャースの強力な砲撃に苦戦するメタルダー
だったが、敵の足場を蹴り飛ばして崩す、という力業で自分の間合いに持ち込むと、メタルボンバーを炸裂させる。
「このもの、いきなり砲撃してきた罪」
により、ぞんざいに爆殺。
焦点がレッドドルフィンに当たっていた事もあり、ろくに何もしないまま始末されてしまいました。
これからは金の為に暴力に手を出すような事はせず、レイカの弟を一緒に捜す事にしたという、レッドドルフィン。
「俺達が役に立つ事があったら、いつでも呼んでくれ。どこへいても、メタルダーの応援に駆けつけるよ」
レッドドルフィンが仲間に加わった!
そしてナレーション
「――いつの世も、若い力とエネルギーが、悪を砕いていくのだ!」
と、ちょっぴりフォロー。
……次回、何だかとても凄そう。
或いは、駄目そう。
- ◆第23話「トップは誰だ?!ピンからキリの大運動会」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:中原朗)
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株や輸入の利益が先月の3倍で大喜びのゴッドネロス様。
「だが、金の力だけでは世界は征服できぬ。必要なのは命がけで戦うという気力だ」
「余はここに、全軍対抗競技大会の開催を宣言し、皆の者の戦意を高めたい」
ゴッドネロス様肝いりで、『風雲!ネロス城』開催のお知らせ。
だが、「メタルダーも倒せないのにそんな事をやっている場合か?」と、ヨロイ軍団の爆闘士・ロビンケンが進言し、それならば、
とロビンケンはゴッドネロスより特別任務を与えられる。
かくて競技大会へ向けて訓練に余念のない各軍団員達。モンスター軍団だけが、「なんでもええ、勝てばええんじゃ」と、お食事タイム。
その頃、出版社に子供達が持ち込んだUFO写真を見た舞は、それがネロス帝国の軍団員ではないかと疑い、流星に相談。子供達が
UFOの墜落跡だという現場を見に行き、流星は写真を解析。
流星「墜落したのは……バーベリー」
八荒「ネロス軍団のか?」
…………誰?
たぶん、機甲軍団ぽいですけど、誰のことやらさっぱり(^^;
出版社に写真を信用してもらえなかった事から、UFOの欠片でも無いかと探しに来ていた子供達の一人だが、どういうわけか墜落
現場近くの山腹で地面に偽装していたロビンケンにさらわれてしまう。悲鳴を聞きつけ、追いかけるメタルダー。
一方、ネロス帝国では運動会がたけなわであった。
ここで、本邦初登場、「ネロス軍団のテーマ」(笑)
しかし、案の定ですが、テロップ無しだとヨロイ軍団と戦闘ロボ軍団は区別がつかなくて困ります(^^; 戦闘ロボ軍団にまた、
機甲軍団寄りのが居たりもしますし(^^; 今だったら、軍団ごとにデザイナーを変えるとか、豪華仕様もあったりするのでしょうが。
目玉競技である障害物サバイバルラリーでは、こすいだけかと思いきや、意外とモンスター軍団が特殊能力で健闘。
また、先日の裏切り者(ブルチェック)が割と普通に参加しています。
……愛犬無罪?
まあこれまでを見ても、意外と、他の軍団にさえ見つからなければ、身内では誤魔化し効く感じですが……目撃者はメタルダーに爆殺
されているし。
(※機甲軍団は量産可能という設定なので、先日の裏切り者とは別人格のブルチェック2号かもしれない、との事)
逃げたロビンケンをメタルダーが必死に追っている頃、レースはいよいよ、最後の山場、崖登り。とにかく気合いで登っていくヨロイ
軍団、クローを崖に引っかける戦闘ロボ軍団、その足下にしがみつくモンスター軍団、そして飛行ユニットで空飛ぶ機甲軍団……
に突き刺さる銃弾。
クロスランダー、草むらから味方を撃つ(笑)
まさか生き残っただけではなく、物語に絡むとは。
クロスランダーは更に、第二の飛行ユニットでやってきた機甲軍団を、再び、狙撃。誰か気付いて止めろよレベルですが、キャラクター
性を貫いたまま、思わぬ大活躍。もしかするとスタッフの中で愛されキャラになってしまったかもしれず、今後の注目かもしれない。
そんなこんなで激闘の末、崖上のゴールに一番乗りを果たしたのはモンスター軍団。優勝した軍団員を軍団長ゲルドリングが祝福し、
そこに立体映像で現れるゴッドネロス様。
「最後の難関を突破してこそ真の勝者。ゆけ、ゲルドリング」
最後の難関?
首をひねる二人のもとへ向こうから近づいてくるのは、子供を抱えて走るロビンケン、そして……
ジャーン ジャーン!
げげーっ メタルダーッ?!
それを追ってやってきたメタルダーだった!
ゴッドネロスの特命を受けたロビンケンは、レース“最後の難関”としてメタルダーをおびき寄せるべく行動していたのだ。
ゲルドリング思わぬ大ピンチ、メタルダーも崖下に勢揃いしたネロス帝国にどっきり。
まさかの軍団長と直接対決かと思いきや、ゲルドリングは部下を突撃させる(笑) 少年を人質にされて苦戦するメタルダーだが、
隙を突いて子供を助け出し、戦闘をお預けして虎口を脱出。戦闘頭脳の優秀さ故なのでしょうが、そういえばメタルダーは一貫して、
形成不利な時に躊躇なく逃亡するのは一つ特徴的です。
ロビンケンはこのまま、山の中に隠れて子供をさらってランニングしただけ、という事になるのかと思いきや、「競技会の優勝なんて
どうでもいいから、俺がメタルダーを殺ってくるぜ!」とメタルダーを追撃。
迷彩デザインのロビンケンの得意技が、森の中でメタルダーに襲いかかるブービートラップ、というのはなかなか新機軸で面白かった
です。
メタルダーを得意の戦場に誘い込み善戦するロビンケンであったが、あまりにも相手が悪く、レーザーブレードですんばらりん。
「このもの、森の中に穴を掘った罪」
により……あれ、爆発せず。
メタルダー、ここに来て突然、手加減攻撃を覚えた?
かといって生きている描写もされず、このまま生死不明というのも、それはそれで酷いですが(^^;
こうして、思わぬ遭遇戦を突破したメタルダー。しかし、
ナレーション「帝王ネロスの恐るべき策略はとどまる事を知らない」
恐るべき……? 策略……?
どちらかというと、身内相手の孔明の罠のような。
色々と疑問はあるが、明日も頑張れメタルダー!
そろそろ、放映時間変更だメタルダー!
次回、プリンセス降臨
- ◆第24話「プリンセス天巧VSガラドーの魔術合戦」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
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アップ出版社の協力する、プリンセス天巧のチャリティーマジックショーを見物する流星達。
ショーの映像は実際のステージ映像の録画だと思われますが、客席は随分エキストラ集めたなぁ。そして流星と八荒が巨大で、客席で
物凄く邪魔そう。
ショーの最中、段取りを外して天巧に斬りかかる鎧にマントの男。後を追った流星が槍による攻撃を受けた事から、次のステージでは
監視を強める流星達だったが、同じマジックの最中に、今度は流星が攻撃を受ける。鎧マントの中身は本来なら天巧の助手・沢村の筈
だったが、追跡する流星の前に正体を現したのは、ヨロイ軍団・爆闘士ガラドー。
「ネロス帝国きっての大魔術師だ」
忍者じゃなかったのか
………………まあ、いいでしょう、百歩譲って、忍者で魔術師、そういう事もあるかもしれません、そこまでは認めましょう。
「俺の使命は、天巧の魔術を破り、同時に貴様を抹殺する事だ」
ど う し て
あれですか、北の(以下検閲)とのコネクションを手に入れるとか、そういう目的ですか?
かつて某宇宙的犯罪結社が、
〔引田天功にマジックで勝って日本一のマジシャンとして有名になる→マジック学校を建てる→マ○ー流のマジックを
教える→魔術を使って銀行や宝石店を襲う→集団催眠とかで世界も支配できるかも☆〕
という目的でプリンセス天巧にマジック勝負を挑んだ事はありましたが、今回は一切目的が説明されないというぶっ飛びぶり(ただし、
理由があればいい、というわけでないのは、前例の通り)。
既にプリンセスの助手一同を監禁して部下ともども魔術団とそっくり入れ替わっていたガラドーは、更に舞と八荒を人質にし、
プリンセスとマジック対決をする事に。
「私とマジックの勝負をしない?」
「その言葉を待っていた」
ガラドーの用意したタネも仕掛けもない道具を使い、見事に流星に対するギロチンと電鋸による人体切断マジックを成功させる
プリンセス。マジック対決に敗れたガラドーは舞と八荒をさらって流星を誘き出し、鋼鉄の檻に捕まえる。更にそこに撃ち込まれる、
機甲軍団からの放火の雨に、剣流星、絶体絶命!
だが、砲撃を食らう寸前に瞬転したメタルダーは、スピンで地面を掘り抜き、脱出に成功。地中から現れて、舞と八荒を解放する。
「今度の脱出のアイデアは、引田天巧さんから教わったんだ」
……え?
回転して、自分ドリルで地中から脱出するのを、プリンセスから?
すっかり忍者を捨てたガラドーの眩惑マジック攻撃をサーチ能力で打ち破ったメタルダーは、レーザーアームでずばっと一撃。
ガラドー、直撃を受けて崖から落下までするも、今週も爆発せず。
ううーん……敵を理由をつけて明確に生き延びさせないけど、かといってハッキリと殺害の描写をしない事でどちらとも取れるようにし、
物語序盤との矛盾を誤魔化す、というのは非常にすっきりしない、良くない妥協案。後半に向けて敵キャラクターを少しずつ整理したい
事情もあるのでしょうが、これでお茶を濁す事にしたのだとすると、残念。
囚われていた助手達は無事に助け出し、最後は天巧のショーを見物して、大団円。
しかしよくよく考えると、周囲すっかり入れ替わっていたのに全く気付かなかったプリンセスは意外と注意力が散漫なのか、それだけ
ガラドー以下の成り済ましが完璧だったのか。
マジック対決になる成り行きの意味不明さなど、プリンセス天巧が客演でマジックをする、というネタありきで、展開は全編無茶苦茶(^^;
おそらく、流星とプリンセスには、手品の話を聞くとか、もうちょっと会話があったのがカットされたっぽいですが。
あと、以前(『ギャバン』)より、プリンセスの演技が棒になっている気がしたのですが、これは気のせいかもしれない。
→〔まとめ4へ続く〕
(2012年10月31日)
(2017年6月9日 改訂)
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