- ◆第1話「急げ!百鬼魔界へ」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
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歌も絵も抜群に格好いいOP。
メタルダーのメカニック描写から入って、一転、浜辺で日本刀を振り回す主人公。
そして迫り来るネロス帝国の大軍団、背景に巨大なゴッドネロス。
実に格好良くて面白そう。
…………OPは(^^;
アメリカから帰国し、かつて太平洋戦争で戦死した息子の墓参りに訪れたロボット工学の権威・古賀博士(上原謙!)。
だが彼の真の目的は、ゴッドネロスの野望に立ち向かう一つの希望、自らの手で作り出し、そして封印した一人の青年を目覚めさせる事にあった……
その名は、剣流星!
桐原コンツェルン総帥・桐原剛造。日本のみならず世界経済に多大な影響を与える巨大グループを統べ、二人の美人秘書をはべらせながら、
人を人とも思わぬ己のエゴ満載の活動を続けるその正体は、世界の闇に存在するネロス帝国の支配者・ゴッドネロス。
「余は神……全宇宙の神。その名をゴッドネロス」
「私を夜の闇に包め」の言葉とともに、スーツの似合う精悍な中年男性から、怪異な老人へと変貌するゴッドネロスは、
その根拠であるゴーストバンクに配下の4大軍団を集め、全軍をあげて古賀博士の抹殺を命ずる。
ゴッドネロスの凝ったメイクに、4大軍団の着ぐるみ大集合。
OPでも強調されていますが。特色と掴みでこれがやりたかったでしょうが、ここは格好いい。
しかしゴッドネロス様は、“全宇宙の神”を自称している割には、やっている事は
配下に石油プラントを破壊させて石油を値上がりさせるとか、その絡みで株の大暴騰
を引き起こすとか、経済と政情不安を蔓延させて戦争を状態を引き起こし、武器と食料を売り捌こうとか、確かに
悪い事をやっているのですが、神の割にはせせこましい。
なんだろう、大がかりな経済ヤクザ?
まあ、経済に関わる悪事が単品ではなく、世界規模で連動して、戦争も食料もエネルギー問題も全てが密接に関わっている、
というモデルを子供番組に持ち込んで語ってみせた所はなかなか面白いのですが。
その頃、ネロス帝国機甲軍団の襲撃をなんとか逃れた古賀博士は旧・日本軍大本営跡に辿り着き、そこに眠る、
戦死した自分の息子と瓜二つのロボットを起動させていた。彼こそ、敗戦濃厚な太平洋戦争末期において、
戦局の打開を目的として開発されたものの遂に世に出る事なく終わった旧日本軍の秘密兵器、超人機・メタルダー!
ところで誰が、その、てかてかした服を着せたのか。
古賀博士より「剣流星」という名前を与えられた青年だが、古賀博士の口にした「茨の道」という言葉を「茨の道?」
と呆然と聞き返すレベルで、目覚めたばかりの頭脳はぽんこつ。そんな流星に一般常識とか基礎教養ではなく、
生と死について「ワシが、この身を持って教えよう」と外へ出た古賀博士は、追いかけてきた敵を基地から引き離し、
「つるぎ・りゅうせぐわぁぁぁ」と、死亡。
高い、ハードル高すぎるな、博士……。
その光景に感情の高ぶるよまに駆けだした流星は敵の部隊と接触、ぼてくりまわされている内に腹が立ってきて……
「怒る!」
の言葉とともに瞬転。
メタルダーとして目覚め、慣れない戦いながらも敵部隊を蹴散らすが、ヨロイ軍団の鎧聖・クールギンの剣の前に敗れ、落下。
左肩に大ダメージを受けたものの全壊には至らなかったメタルダーは、夕陽に向けて叫ぶ。
「風よ、雲よ、太陽よ、心あらば教えてくれ。なぜこの世に産まれたのだ」
……うーむ、ゴッドネロスさんは、メタルダーを今の内に懐柔すればいいのでは(笑)
刷り込みし放題のような。
- ◆第2話「余は神・ネロスなり」◆ (監督:小笠原猛 脚本:高久進)
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いきなり美人秘書二人に、メタルダーについて語り出す桐原剛造。
「最も恐れていた事が現実になった。私を夜の闇に包め!」
#台詞の最後に「私を夜の闇に包め」をつけると何でもゴッドネロス
みたいな、Twitter大喜利に使えそうだ(おぃ)
どんな小さなトラブルの芽でも事前に摘み取る事で帝国を巨大にしてきたと語る、やっぱり妙にせせこましいゴッドネロス様は、
メタルダーが完全に破壊されたかどうかの確認を指示。
一方、基地へ戻ったメタルダーを待ち受けていたのは、ロボット犬・スプリンガー。
なぜか、言葉遣いが下町のおっちゃん風。
スプリンガー(『キャシャーン』オマージュ?)は、見た目(犬の体に張りぼての外装がついている)と声と演技(?)が、ちょっと
ちぐはぐ。既にこう、無理に犬にしなくても良かったような予感。
基地でボディを修理した流星は、スプリンガーからサポートマシンなどの説明を受け、サイドカー・サイドファントムに搭乗。
「メタルダーにならないと機能は充分に発揮されない」「わかった、テストドライブだ!」と、場面変わるといきなりメタルダーに
瞬転しているのですが……「怒った」? 犬に悪口でも言われたのでしょうか。
楽しくドライブ中に、機甲軍団の飛行メカと戦闘になるメタルダー。迎撃成功後、巻き込まれた女カメラマン・仰木舞を拾った流星は、
人間の柔らかさと暖かさを知る。そんな彼の視界に入ったのは、メタルダー撃破の為に新たにマシン軍団から送り込まれた刺客。舞を
置いて、敵の元へ猛然と駆け出す流星。
ナレーション「剣流星は、本能的に悪を追うハンターであった」
ああ、本能ならまあ、ゴッドネロスも懐柔できなくて仕方がないか。
……しかしそもそも、米軍と戦う用に作ったのではありませんでしたっけ(笑)
…………つまり、米軍は悪
作った時代が時代だけに仕方ないですが、現代社会で米軍兵と接触したらどうなるのか、ドキドキが止まりません。
敵メカとは、格闘戦。機能の一部を破壊されたメタルダーが、パワーモードに入って、敵の関節を次々と粉砕し、首を吹っ飛ばす
戦闘演出は面白い。
しかし、吹っ飛んだ首のあとから出てくる大砲(笑)
最後は砲撃を切り抜けてレーザーアームを一閃。しかしメタルダーもダメージの大きさから倒れる。倒れ伏すメタルダーを見て、
勝ち鬨をあげるが、そこで力尽きて倒れる敵。おもむろに機能を回復したメタルダーはその姿を見て、「死とは何か」を知るので
あった……。
高久脚本にはそもそもあまり期待していませんが……それにしても、雑な流れ、やたらな説明台詞、全てを誤魔化すナレーション、と
いつもながらのクオリティ。同じ雑でも、上原大先生に比べると“狂気”が弱いんだよなー。
全体的に、デザインは秀逸。
メタルダーは格好いいし、クールギンは格好いいし、ゴッドネロス様もなかなか雰囲気出ていますし、変身前の桐原剛造も実に格好いい。
有名な意欲作でハードボイルドな路線自体は面白いのですが、物語そのものの、先が気になる、という魅力は今ひとつ。
ぽんこつ主人公の成長物語という要素があるわけですが、ひとえに主人公がぽんこつすぎて、どうも思いこみの取っかかりの
付けようが無いのが、少々厳しい。なぜ取っかかりが無いかといえば、とにかく古賀博士が困った人すぎて。
この世に困った博士は数多いですが、いきなり玉砕して全開で放置プレイと、物凄くタチが悪い(^^;
なお、劇中BGMが後の『特警ウインスペクター』で大量に流用されるのですが、先に『ウインスペクター』を見ていたので、非常に
不思議な気分(笑)
- ◆第3話「野兎への愛にハンマー男ベンKが涙する」◆ (監督:冨田義治 脚本:高久進)
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『メタルダー』も、サブタイトル長い路線だったのか。
ところで今作のOPは、ある意味では大日本帝国の亡霊である所の主人公が、日本刀を振り回して物量主義の悪の帝国に
立ち向かう姿だと思うと、色々と際どい。
前回の戦いにおける損傷を修理した流星は、野山を駆けて戦闘訓練で、メタルダーの簡単なスペック紹介。その後、車に乗っていきなり
街へ。
もう少し学習してからにしようよ
スプリンガーは、メタルダーよりも訳知りっぽい割にメタルダーの修理を行う以外に全く役に立っていないのですが、やっぱり40年
ほど寝ていたから仕方ないのか、それとも犬の頭脳の限界なのか。
スプリンガーの「マシンの体について人間に知られてはいけない」という忠告を胸に街に出た流星は、前回もらった名刺で舞に電話を
かけてみる。そんな流星の姿を物陰から見る美人秘書(のどっちか)。
「剣流星を見かけました」
「急いで私を夜の闇に包め」
……意外と大変、ゴッドネロス様。
軍団同士のメタルダーへの挑戦権をかけたバトルは、毎回やるのかしら。
今回はデザインの凝り方に差がありすぎて、始まる前から勝負決まりすぎでしたが。(笑)
舞と合流するも「何か用?」と聞かれて、「何もない」と答える流星さんは、ただの危ない人。
そんな流星を見ながら、
(銀河の彼方から来たエイリアン……それとも、E.T?)
それは同じものだと思います、舞さん。
ううーん、ここまで明らかにただの危ない男である流星に、舞が興味を持つニュアンスがいまいちなのがどうも厳しい。
そこへベンKが流星に襲いかかり、足に受けた傷跡から見えるマシン部分に気付く舞。流星は戦闘の被害が広がるのを避けるべく、郊外へと
車を走らせる!
ここで割と普通の道路っぽい所でミサイル攻撃で火薬炸裂させまくっているのは、なかなか凄い。
瞬転したメタルダーはベンKをGキックで撃破。ベンKのハンマーを拾ってとどめをさそうとするが、その時、自制回路が作動。
古賀博士の「汝の敵をも愛せよと」という想いの詰まった回路の作動によりメタルダーは敵といえども安易に命を奪う事を選ばず、
「たった一つしかない命、無駄にするな……」とベンKを見逃し、去っていくのであった……。
そして残されたベンKは涙を流す……。
で、いいのだろうか、本当に。
メタルダーは「怒る!」で瞬転するのが格好いい分、性能試験とかでざっくり変身してしまうのは、実に勿体ないところ。
いったいどんな罵詈雑言システムが搭載されているのかスプリンガー。
- ◆第4話「魚雷アグミス対海軍少尉メタルダー」◆ (監督:冨田義治 脚本:高久進)
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前回メタルダーにとどめを刺されなかったベンKはゴーストバンクに戻って始末されたり再改造に送られているのかと思いきや、
スルー。ううーん、あれで改心して終わり……?
ゴッドネロス様が闇に包まれたら、4軍団が誕生パーティの準備中でした。そして踊り子さん達と踊り出す軍団員たち。
「やめよ!」
「理由をお聞かせ願いたい」
儂が楽しくないからだ
そんな言葉をぐっと飲み込み、各軍団の精鋭を繰り出してメタルダーを始末せよ、と命じるゴッドネロス。
というわけで4軍団から一人ずつが出撃。
マシン軍団のトップガンダーは明らかに狙ったデザインだなぁ、と思ったらやはりちょっと、目立つ扱い。
その頃、流星は舞の契約している出版社を訪れ、舞に向けて車の中から二本指を振る流星。
どこで覚えた
古賀博士は色々と、人工頭脳の開発に際して情報のインプット方法に疑問がありすぎます。
舞に「どこへ行くの?」と聞かれ、「あてはない」と返す流星さんは、本当に何をしたいのか。
前回に続いて、明らかに危ない人な流星に何となく付き合う舞さんも舞さんですが。
舞の場合、好奇心もあるのだろうけれど、どう見ても、顔が好みというのが最大の理由に見えて仕方がありません
(笑) まあ、主人公特性のモテスキルとして有りだとは思うのですが、なにしろ流星の場合、それを上回って余りある
危なさなので、それを押しても……という所が弱いのがどうも残念。
そして突然、本当に突然、自分が機械の体であると告白する、流星
前振りを
もっと前振りを
一応前回、足に負った傷を舞に見られているわけですが、流星側がそれを認識していたかは微妙な所ですし、前回はスプリンガーに「
マシンの体について人間に知られてはいけない」と注意されてそれを守っていたのが、この数日でいったい何があったのか。
その辺りの葛藤を含めて、現代社会についてもっと知りたいと色々と思い悩んだ末に舞に告白するとかいうのならともかく、完全に、
朝起きたら思いついたレベル。今作の重要なドラマ部分の筈なのに、どうしてこうなるか(^^;
「博士の事を知りたいんだ」という流星の言葉に、二人は図書館に向かい、新聞の縮尺版で42年の歴史をインプットする流星。そして
自分の写し身、太平洋戦争で亡くなった博士の息子の事を知った彼は「海を見たい、波の音を聞きたい、潮の香りを嗅ぎたい」と言いだし、
二人は海へと向かう。それを見ている美人秘書(のどちらか)!
美人秘書の情報によりメタルダーが港に向かった事を知った襲撃部隊は先回りして待ち伏せを図るが、「待ち伏せ……卑劣な手段だ」
と嫌悪を示すトップガンダー…………ライフル持っているのに?(^^;
結局作戦を抜けるトップガンダーは、コンビのモンスター軍団員に「遺言はないのか?」と聞くのですが、4人の作戦なのに勝手に
一人で抜けて連携崩したのだから、もし彼が死んだら、原因の一部は貴方のせいではないかと。
余談ですが、複数の着ぐるみを乗せる為に、無理矢理窓を取り払った感じの車がひどくイカす(笑)
この後、メタルダーと戦闘になったモンスター軍団員は、モンスター軍団は卑怯、というスタイルを確立
してメタルダーを苦戦させるも、電気袋をメタルダーに破壊され、敗北。
メタルダーの内蔵抜きは、ちょっと『必殺!』シリーズっぽい。
そして戦いの趨勢を海で見ていた機甲軍団の魚雷アグミスはメタルダーもろとも粉砕しようと戦場となっていたタンカーに特攻、爆死。しかし間一髪、超聴力で魚雷メカの接近を感知したメタルダーは、脱出に成功していた。
……あ、あれ、サブタイトルのやつ、自爆特攻して終わり?
そしてアグミスの死は「武人の鏡」と讃えられ、一方、敗残の姿をさらしたモンスター軍団員は笑い者にされた挙げ句に軍団長によって
再改造を命じられる……職場放棄した人が、バカにする輪に加わっているのはどうなんでしょう、色々、どうなん
でしょう。
次回その、職場放棄男トップガンダーがメタルダーに挑む!
しかしまあ、主人公が神風特攻隊の一員として戦死した事が明かされる回で、特攻魚雷の敵が讃えられるとか、どこまでも際どい
路線。
コンセプトは割と良いと思うし、要素要素は面白いと思う所もあるのですが、ここまでとにかく、一つ一つのエピソードが面白くない
なぁ(^^; 基本、ネロス帝国がメタルダーに襲いかかってくるだけで、その補強としての4大軍団のキャラ付けはネタとしては面白い
のですが、流星と舞側のドラマがぽんこつすぎて、どうものれない。
なにしろ主役に行動理念と目的意識が皆無で、“それを探していく”所にドラマがある筈なのに、そこが物凄く適当。もう少し、何とか
してほしい。
全体的に色々ネタの空回り感が激しいというか、もっと色々、面白くなりそうなのになぁ……。
ところで明らかに今のところ、ゴッドネロス様の対メタルダーの正解は、メタルダー放置でした。
ヒーローに余計な知識と動機を与えてしまっただけな気がしてならない……。
- ◆第5話「耐える!百発百中のガンプレイ」◆ (監督:折田至/小笠原猛 脚本:高久進)
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なぜか、基地で『コンバトラーV』を見ているスプリンガー。……再放送?
ゴッドネロスについてデータを収集するが、見つけられない流星。そこへ、古賀博士の息子の形見である日本海軍の短剣を持ってスプリンガー
が姿を見せる。ちゃんと、日本刀を設えてあるのが、細かい。
一方、流星への新たな刺客に選ばれる、職場放棄男トップガンダー。
かつて友に裏切られた過去を持つ彼は、「勝利こそ正義、しかし正義はフェアプレイで手にいれなければならない、それが俺の殺しの
美学」という、ちょっと面倒くさい人であった。
ちなみに、「帝王がゴルゴ13に似たヒットマンをインプットして作った」(台詞まま)らしい。
桐原会長は、リイド社と小学館の株を持っているに違いない。
「ゴルゴの新刊が出る。私を夜の闇に包め!」
モンスター軍団の横槍などを撃破したトップガンダーは、遂にメタルダー・剣流星と対峙。話し合いを望む流星だが、トップガンダーは
一騎打ちを迫る。
流星「争いを好まぬ僕に武器はない」
…………あなた、「URYYYYYYY!! 俺は本能で悪を狩るハンタぁぁぁぁぁぁ!!」とか叫びながら(一部嘘)、通りすがりの
マシン軍団員、複雑骨折させた挙げ句に頭吹き飛ばしたのお忘れですか。
……自制回路が成長しているという事なのかしら?
最初の一騎打ちはトップガンダーがわずかに上回るも再びモンスター軍団闖入で水入り。改めての戦いでは、メタルダーが投げた
古賀息子の形見の短刀がトップガンダーの右肩に突き刺さり、メタルダーが決闘を制する。
正々堂々としたトップガンダーの振る舞いに思う所あったのか、
「早く傷を治せ。僕はいつでも相手になる」
と立ち去るメタルダー。
「メタルダー、俺はおまえを恨むぞ!」
絶叫するトップガンダーも、雪辱を誓うのであった。
刀!刀!
形見の刀、刺しっぱなし!!
ところでメタルダーが変身すると、急に声がハンターキラーさんこと飯田道郎になるのは何故なのだろう。
- ◆第6話「怒る!ヘビー級王者ガルドスをKOせよ」◆ (監督:折田至/小笠原猛 脚本:高久進)
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前回、一騎打ちにこだわりモンスター軍団を狙撃した事が問題になり、反逆罪で銃殺刑になる事になったトップガンダー。素直に刑に
服するのかと思いきや、処刑寸前、前回の小刀を広島弁(モンスター軍団長)に突きつけて、その場を脱出。彼には、軍団長に迷惑をかけ、
生き恥をさらしてでも、メタルダーに雪辱を果たす、という目的があった!
とにかく汚いモンスター軍団、やけに男らしい戦闘ロボット軍団、など、メタルダーと絡めて焦点の当たるキャラ(トップガンダー)を
ひとり置いた事で、敵組織の群像劇が、ようやく盛り上がってきました。
戦闘に気付いた流星は、元仲間に追われ、激しく損傷したトップガンダーを回収。スプリンガーの反対を押し切って修理する。目覚めた
トップガンダーは、自分は「裏切り者になる気はない」とゴッドネロスに関する情報提供は拒否するが、代わりにメタルダーの秘密基地を
ネロス帝国に教える事はせず、そしてゴッドネロスについて知りたければ、「亡くなった古賀博士の足跡を辿れ」とヒントだけを伝える。
あー、古賀博士とゴッドネロスの関係については、ストーリーを引っ張るミステリー要素とする為に、あえて触れていなかったのか。
物語の掴みが意味不明で非常にわかりにくい要因だったので、良いのか悪いのか、といったところですが。
またここで、機甲軍団のマリンロボ2号が、ベーリング海で原潜を撃沈、と、メタルダーとの戦いとは別にネロス帝国の暗躍が世界規模
で展開しているというシチュエーションを挟んできたのは面白い。
あとトップガンダーさんが、短刀をちゃんと返してくれました。
メタルダーを倒す為、どこかで修行をするぜ、というトップガンダーを見送った流星に襲いかかる、マシン軍団の暴将ガルドス! その
圧倒的パワーに苦戦するメタルダーだが、戦闘頭脳が働き、「こいつの弱点は……頭だ」といきなり、謎の構え(鶴拳?)で反撃。激戦の
末に撃破する。
しかし本当に、目覚めた頃にうまく説得すれば、メタルダーは戦闘ロボット軍団の優秀な団員になった気がする(笑)
メタルダーとトップガンダーの間に戦士としての友情(「強敵」と書いて「とも」と読むアレ)が芽生え、そこを起点に4大軍団の
キャラクターがぐっと立ち、対メタルダー戦とは全く別にネロス帝国の活動が行われているという描写、そして「ゴッドネロスの正体を
突き止める為に古賀博士の足跡を追う」という主人公の行動目的が確定、と作品の構造がここで成立。
ようやくちょっと面白くなってきました。
トップガンダー周りを除いては、通常2話ぐらいまでにやっておくような事を6話まで引っ張ってみた結果、率直なところ掴みは
大失敗だと思うのですが、今後の浮上に期待。
おまけ:前回と今回の舞さん
犬と話せる流星のメルヘン能力を見せつけられる。
思い出の浜辺をぶらぶらしていると、「危ないから帰れ」と全力で放置プレイを受ける。
…………負けるな舞さん、めげるな舞さん、その危ない男の首に鈴をつけられるのは、最終的にもしかしたら貴女だけかもしれないから!
- ◆第7話「ゴールを決めろ!タグ兄弟との炎の決闘」◆ (監督:冨田義治 脚本:山崎晴哉)
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街で人間観察をしていた流星は、飛んできたサッカーボールを反射的にオーバーヘッドで蹴り返した事から、少年サッカーチームに
コーチを頼まれる事に。舞の協力を得てサッカーの知識を促成で学習した流星は、意外な名コーチぶりを発揮する。だがその身辺に迫る、
ネロス帝国の諜報網! 流星が少年サッカーのコーチに勤しみ、「兄弟」というものに興味を持っていると報告を受けたゴッドネロスは、
刺客としてヨロイ軍団の兄弟戦士、タグスキーとタグスロンを指名する……。
なぜ流星の興味にゴッドネロスが合わせたのかは、謎。
ゴッドネロスが幼少より育てあげたという二人は、兄のタグスキーは柳生石舟斎宗厳の剣技を仕込まれた柳生新陰流の使い手。弟の
タグスロンは、源平合戦の橋合戦にその名を知られる浄妙明秀の型を習得した薙刀の使い手。
…………ゴッドネロス様、読んでいたマンガ(小説)に出てきたんですね?
ここで数々の裏切り者を始末してきた二人の戦歴が紹介されるのですが、ネロス帝国、裏切り者、多すぎ。
意外と安いのだろうか、給料。
ゴッドネロス自らが奏でるヴァイオリンの音色に送られ、出撃する二人。サッカー大会の朝、迫り来る殺気を感知した流星は二人と
激突する。今回もサーチの結果、タグスロンの中身が人間だと判明するのですが、ヨロイ軍団は、人間入りという事なのかしら。
クールギンさんも中に人間入っているのかと思うと、なかなか気になる。
タグ兄弟のコンビネーション攻撃に苦戦するメタルダー、戦闘コンピュータの出した対策が、相手の一人を徹底的に
攻撃する事って、適切すぎて、ヒーローぽくない(笑)
一時は逆転するも、あわや倒れそうになるメタルダーだが、その時、サッカー少年達に伝えた、奥寺康彦の
言葉が脳裏に甦る。「ネバーギブアップ!」。
ダブルレーザーアームで兄弟のコンビネーション攻撃を撃破したメタルダーは、薙刀構えて脅かした後で二人の命を許し、何故か
「俺達は本当の兄弟じゃないけど、本当の兄弟以上に通じているのさ!」と自分たちの秘密を告白してタグ兄弟は撤退していく。
ううーん、メタルダーはこのまま、基本的にとどめを刺さない路線なのでしょうか。ネタとして意欲的だとは思うのですが、今のところ
単純な「命を大事に」だけであって、メタルダー自身がメリットとかデメリットとかの天秤に乗せていないので、「敵を救う事」のドラマ
性が薄いのが勿体ない。「敵をも救う」なら、そこにメタルダー自身の葛藤が仕込まれないと駄目だと思うのですが。
無差別な博愛主義の結果がより大きな悲劇を……! とかそんなネタを後で仕込んできたら凄いですけど。
タグ兄弟を退けたメタルダーは剣流星として試合の後半に間に合い、謎のサインで少年達は一気に同点に追いつく。人間とロボット人間
の違いに惑いながらも、子供達との交流を通して、確かな心の成長を得た流星であった。
そして、少年達にサッカーを教える男、というのがツボだったのか舞さんのときめき
メーターがぎゅんぎゅん上がっている(笑)
- ◆第8話「さらばバーロック!鉄仮面の秘密」◆ (監督:冨田義治 脚本:掛札昌裕)
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戦時中に古賀博士の助手だった大田博士に会いに行った流星だが、博士はモンスター軍団員にさらわれてしまう。博士を追って
モンスター軍団の不意打ちを受けるメタルダーだが、そこに乱入したヨロイ軍団のバーロックは「卑怯だぞ」とモンスター軍団員を攻撃。
「博士は必ず取り戻すので、互角の勝負をしよう」とメタルダーに告げたバーロックは約束通りに博士を連れ戻し、メタルダーとの勝負に
臨む。
なんかもう、ネロス帝国は、ネロス様の命令、本音では聞く気のない奴らばかりだ!!
激しく激突するメタルダーとバーロックの戦いに、今度はモンスター軍団が乱入。再び博士をさらい、砲撃をしかけ、結果的に裏切り者
の烙印を押されるバーロック。
……あーなるほど、ネロス帝国は、裏切り者が多いのではなくて、足の引っ張り合いの結果、裏切り者にされる事
が多いのか……。
砲撃で負傷し、焚き火を囲む、流星とバーロック(笑)
バーロックは、自分が学生時代、十種競技の選手であった過去を語る。オリンピック出場目前の成績を残しながら、どうしても勝てない
ライバルが居たバーロックは、ライバルの飲み物に密かに興奮剤を入れて密告。首尾良くライバルはドーピング違反で失格となり、
オリンピック選手として選ばれる事に成功する。だが、そのショックでライバルは自殺。自分の行為を激しく後悔したバーロックは闇社会
に堕ち、ネロス帝国の尖兵となった。
しかし、「ネロスに腕は売ったが、もう勝負に汚い手は使わない」。その自負ゆえに、再び大田博士の身柄を取り戻したバーロックは、
メタルダーとの再戦に挑む。
8話にして、自分のプライド優先キャラが既にインフレ気味(^^; この手のスタンスのキャラは、一年間の物語で、多くて二人
ぐらいが限界のような。
決闘はメタルダーの勝利に終わり、裏切り者のバーロックを始末するべく、ヨロイ以外の3軍団の包囲攻撃が開始される。バーロックは
メタルダーに大田博士を連れて逃げるように促すと、自らは囮として特攻し、「もう負け犬ではない!」と叫んで爆死して果てるので
あった……。
なんかこう、作品として意欲的ではあるのだけど、一つ一つのエピソードの面白さに欠けるのと、展開の先が読めすぎるのが、如何とも
しがたいところ。せっかく色々と挑戦的な要素を入れてはいるものの、見ていて、そう来るか! という展開が無いのが残念。
バーロックの鉄仮面割れて、目出し帽のおじさんの素顔出てきても、盛り上がらないしなぁ(笑)
→〔まとめ2へ続く〕
(2012年10月17日)
(2017年6月9日 改訂)
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