■『特捜ロボ ジャンパーソン』感想まとめ1■
“JANPERSON
FIGHTS
FOR
JUSTICE”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特捜ロボ ジャンパーソン』
感想の、まとめ1(1〜6話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕 ・
〔まとめ5〕 ・ 〔まとめ6〕
〔まとめ7〕 ・ 〔まとめ8〕 ・ 〔まとめ9〕 ・
〔まとめ10〕 ・ 〔構成分析〕
- ◆第1話「謎の新英雄(ニューヒーロー)!」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
-
OP、円形のトンネルの壁から天井を疾走する車、の絵はなかなかの迫力で格好いい。
ジャンパーソンのデザインは……その内、慣れる……だろうか。
海外旅行でかかった新種の伝染病で緊急入院した少女・由美。国内にはこの病気に対抗するワクチンが無い為、
海外から緊急輸入が行われる。事件を報道するテレビジャパンのキャスター・若林アキ、
「これからワクチン輸送車は東洋医科大学付属病院に向けて出発します」
という台詞をしっかり言い切ったのは、なかなか凄い(笑)
一方、2億円を強奪して逃亡する銀行強盗事件が発生。緊急配備されたパトカーで犯人を追うのは、
自称“桜田門のバットマン”こと小森好二郎警部と、その部下、高井戸志郎。
傍若無人な感じの上司と無体を受けながらも付き従う部下、とこの二人は少々コミック的なキャラ付けになっており、70年代的な、
物語のテンポを崩しまくる滑ったコント展開とかやられたら困るなぁ……と思ったのですが、そこまでは暴走せず。
「ここがお前の終点だ!」
と格好良く逃走車の前に立ちはだかる小森警部だが、いきなりバズーカで撃たれる(笑)
「伏せろ!」
と部下をかばって、意外といい人だ(笑)
しかも、
「追うぞ!」
と刑事としての根性も見せた!
強盗犯・蛭田は、ワクチン輸送車と報道のバンを停車させると、若林さんを人質に、ワクチン輸送車に乗り換えて逃走。
走って追いかけてきた小森警部達はTVクルーを追い出して報道のバンでその後を追跡する、と若干のドタバタ系要素も、
悪くない感じで入りました。
蛭田の乗った車にはワクチンが積まれたままであり、その接種タイムリミットはあと1時間!
“少女の命が危ない”という、わかりやすい要素をシンプルに使う事で、サスペンスとしてもオーソドックスに展開。
若林からワクチンの話を聞いた蛭田は、むしろ警察が手を出せない為に好都合、と車を港へ走らせる。“組織”を裏切り、
逃亡資金の為に銀行を襲ったと言う蛭田……その時、いきなり歩道橋の上から逃走車の屋根に飛び移る男!
一瞬ヒーローかと思ったら、世紀末が似合いそうな黒い鎧にスキンヘッドの男は、素手のパンチで車の屋根を突き破り、
更に腕の先からは金属の刃が! それは、蛭田を狙う暗殺ロボットであり、すっかり巻き込まれて大変な事になる若林さん。
更に2体の暗殺ロボットが、ワクチン輸送車を追う小森達の車に併走する形で登場する。
レスキューポリスシリーズにあってもおかしくないような導入でスタートを切り(演出のテンポはあげていますが)、
視聴者を油断させた所で、ここで畳みかけるようにトンデモワールドへ加速。2体のロボットは銃を撃ちまくり、流れ弾で大爆発する、
ガソリンスタンド、高架橋、雑居ビル! もはや逃走車、
というより人間台風状態のワクチン輸送車は物凄い数の機動隊とパトカーに囲まれる事になるが、暗殺ロボット軍団、それらも強引に突破。
と実に派手な、1話らしい1話。
停車したワクチン輸送車(蛭田)を狙う暗殺ロボット軍団は民間人も気にせずに銃を撃ちまくり、街は大騒ぎで、阿鼻叫喚の地獄絵図。
たかが裏切り者一人始末するだけだったのに、宇宙からの侵略者が地球に宣戦布告してきたレベルの大騒ぎに。
そして、少女の命を救うワクチン接種まで、タイムリミットはあと30分……
「最悪だ、絶望だ、神も仏もないのか!」
「助けてぇ、誰か、助けて!」
――その時、響き渡るサイレン。
地平線から姿を見せる、黒と紫という若干イカれた配色のスーパーカー!
風を切るJPカード!
車の中から出てきたのは、ジャンパーを着たずんぐりむっくりロボット?
いや、脱いだ!
そして、ゴーグルはめた!
最初、ロボット刑事Kとジライヤとロボコップを亜空間合体させたような少々危険なデザインで、どうなる事かと思いましたが、
ゴーグルはめたら多少マシになりました。
教えてくれ 君は誰だ?
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」
Aパート最後にようやく登場したジャンパーソンは、紫ベースという割と衝撃的な配色。
……とはいえまあ、シャリバンの赤とシャイダーの青、
メタルダーの青と赤、ファイヤーの赤とブレイバーの青、
と考えると、
赤+青は新世代のメタルヒーローとして当然の帰結……なのか?!
ジャンパーソンは敵ロボの武装を認識するとノーガードで跳ね返し、ダッシュして手持ち武器を取り上げるとパンチ一発で叩きのめす。
回転して地中に潜り、相手の足下から飛び出して投げ飛ばす。
相手の攻撃を空中浮揚でかわし、光線銃ジャンデジックで撃破。
と大暴れ。
ジャンデジックを取り出す際の動きなどは滑らかではなく、モーター音を出しながら段階的に動いて、ロボットぽさを強調。
敵ロボットも簡単にやられずに車を投げつけてくるが、それも弾き返すジャンパーソン。
燃える車を手で持ち上げて叩きつける、というアクションシーンはなかなかの迫力。
なんか色々振り切れたのか、小西監督も気合いの入ったパイロット版。
戦闘はビルの内部にもつれこみ、ジャンパーソンは左腕に装着されたバックレットコントローラで壁の向こう側をサーチすると、
敵をビルから叩き落としてそこから空中での銃撃戦。対して、火を噴く敵ロボ、爆雷を放つ敵ロボ。
……ジャンパーソンも凄いのですが、敵ロボもかなり凄い(笑)
最後はジャンデジック乱射で撃破……したかと思われたが、首だけになっても動く敵ロボットはジャンパーソンの腕に噛みつき、
しかし最後は引きはがされて爆発。ジャンパーソンはワクチンを必死に守っていた若林と、強盗犯を爆発寸前の車から助け出すが、
薬のタイムリミットはあと5分……もう駄目なのか、その時、無言で若林からワクチンを奪い取ったジャンパーソンは、
愛車ダークジェイカーに乗り込む。だが、走り出したダークジェイカーに迫る、本当にしぶとい敵ロボの火炎弾。
ジャンパーソンさんは強いのですが、この1話を見る限り、“追い打ちを入れる”とか“トドメを刺す”とかいう機能がついていない模様。
ダークジェイカーはジャンパーソンの乗り込む飛行ユニット・スカイジェイカーと、単独で動く地上ユニット・ランドジェイカーに分離し、
スカイの機銃とランドのビーム砲で今度こそ敵ロボを完全に撃破。ジャンパーソンはワクチンを通信カプセルで病院に届け、
由美ちゃんは無事に回復するのであった。
後日、逮捕された蛭田が、自分が抜けだした組織について自供する……その名は、<ギルド>!
蛭田の始末に失敗した<ギルド>のアジトでは、組織の支配者・ベン藤波が怒りを燃やしていた。
人間そっくりのロボットを密かに社会に侵入させていく事で日本を、ひいては世界の乗っ取りを企む<ギルド>は、
その障害として突如現れたジャンパーソンに逆恨みの照準を向ける!
市山登(現:市山貴章)さんが、こんな凄いデザインで悪の組織のボスをやっていたとは、知りませんでした。
ドラマ重視に偏っていった《レスキューポリス》シリーズから打って変わって、原点回帰的な大アクション祭。
しかしその中で、TV局や警察の存在を前に出し、社会的な事件と絡めるという、ハイブリッドな構成。
街を破壊して回る暴走車と強力なロボット、という組み合わせは『ウインスペクター』1話に通じるものもあり、意識した上で、
更にトンデモにしてみた、という部分もあるのかもしれません。今後どう転がっていくか全くわかりませんが、
インパクトは強烈。
細かい所では、一歩間違えると意図した以上に嫌な感じになってしまうTVキャスターを、終始何よりワクチンの心配をさせる事で、
印象が悪くならないようにしたのは、良い配慮。警察コンビの方はまだまだ未知数ですが、
あまり嫌な感じにならないで描かれるといいなぁ。そしてやりすぎてコメディ要素が滑りっぱなしにならなければ(笑)
次回、「ギルドとのファイナルバトル!」
え? あれ?
サブタイトル、「俺が正義だ!!」
……なんでしょうこの、危険すぎる匂いは。
- ◆第2話「俺が正義だ!!」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
-
ジャンパーソンを敵と見定めた、悪の組織<ギルド>。そののロボットは、深く静かに社会に潜行していた……飛行機のパイロット……
新幹線の運転手……更には国会議員……社会の様々な階層の人々が、周囲にそれと気付かれずに、
人間からロボットに入れ替わっていたのだ。
ある日、小学生の透は、道で時計に似た妙な機械を拾う。怪しげな男二人組の話を聞き、
思わずそれを持ち去った透少年が道行く人々に機械の光をかざすと……警官、ファーストフードの店員、
遊園地を楽しむ家族の父親……人間に擬装したロボットの正体が、透には見えるようになる!
という、『ゼイリブ』展開。
そうこうしている内に、怪しい動きを察知されたのか、擬装市民ロボットに囲まれて逃げ出した透少年は、
たまたま警察の捜査現場に紛れ込んで難を逃れる。なんとそこは、ジャンパーソンによる無差別殺人事件
の現場であった! 真っ黒に炭化した死体の数々……小森警部はジャンパーソンを逮捕してやると意気込むが、そこにやってきた若林は、
「何か理由があった筈、もしかしたらこの前の暗殺ロボットの仲間では?」と主張。
若林さん(ヒロイン?)は、前回命を助けられた事もあり、“正義の味方”としてジャンパーソン特集を組もうとするなど、
ジャンパーソンに肩入れモード。TV局のデスクに「ジャンパーソンが無差別殺人事件を起こしたからこんな特集は没!」
と原稿を突っ返されるのですが、むしろ事件を起こしたタイミングだからこそ、「ジャンパーソンは正義か悪か?!」
みたいなセンセーショナルな特集で視聴率稼げるよーな(笑)
学校へ向かった透少年だが、今度は教師に機械を取り上げられそうになり、先生もロボットなのか?! と再び街へ逃亡。
機械は転んだショックでか動かなくなってしまい、声をかけてくる人々が全てロボットに見える透は必死に逃げ惑う。
遂に透が教師に追い詰められたその時、風を切るJPカード!
「逃げろ!」
普通に喋った!
なんかもっと片言で、一方的に自分の事しか喋らないのかと思っていました(笑)
一応、コミュニケーション機能が、ついていたのか。
果たして教師も正体はロボットであり、JPさん、問答無用でパニッシュ!
更に透少年を狙っていた他の市民ロボットも消し炭にしまくるジャンパーソンだったが、これにより<ギルド>に捕捉される。
それにしてもJPさんは、武器の威力を調整してロボットであるという証拠を残すぐらいの融通は利かないのか(笑)
利かなそうだけど!
倉庫に逃げ込んだ少年はまたもロボット軍団に囲まれるが、そこへ刑事コンビと若林がやってきて、パトカーに保護される。
その後からやってくる、ダークジェイカー。そして更に後ろからやってくるパトカーに乗っていたのは……
ジャンパーソンを追っていた刑事コンビと若林。透少年を乗せたパトカーに乗っていたのは、<ギルド>のロボットだったのだ!
説明するのが面倒くさいJPさん、とりあえず、周囲を取り囲むロボットを次々パニッシュ!
ジャンパーソンに撃たれた市民ロボットは吹き飛んだ後、残った頭部などが、更に爆発。……なるほど、
ジャンパーソンが手加減できないのかと思っていたのですが、消し炭になるのはロボットである事を隠す為の、
市民ロボットの偽装機能だった模様。どちらにせよジャンパーソンに、“うまく証拠をあげて社会に真実を曝そう”みたいな意識は、
欠片も無さそうですが。
キルゼムオール!
市民ロボット達を蹴散らしたジャンパーソンは透を追ってダークジェイカーで走り出し、警部達も慌ててその後を追う。
「来い、来い、ジャンパーソン、おまえの墓場へ!」
しかしそれは、<ギルド>のリーダー、ベン藤波の罠であった! 透を追うジャンパーソンを待ち受けるロボット軍団、人質にされる透、
風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」
とりあえずこのくだりをやっておけば大丈夫、みたいな。
「カードが飛んでくる」という演出は、「風車が飛んでくる」とか「ギターの音色でヤツがやってくる」みたいなもので伝統に則っておりますが、
シンプルゆえに格好良く、また瞬間的に空気を切り替えるスイッチとして効果的。
今作で凄いのは、カードの意味が全く語られないという事ですが。
正直なところ、主題歌に歌われていなかったら、まっっったく意味がわかりません(笑)
逆に言うと、主題歌の歌詞に入れてしまう事で、劇中で説明無しでも通せるという、恐ろしい力業。
正義の裁きを下そうとするジャンパーソンだったが、特殊合金の鎖で四肢を囚われ、集中砲火を浴びてしまう。
追いかけてきた小森警部達もピンチに陥るが(若林さんは、2話連続で、なかなか派手なアクション。小森警部は通算5回目のゴミ箱芸)、
ジャンパーソンはスカイジェイカーを呼んで鎖を破壊すると、ロボットも撃破し、警部達も救出。しかし、
突然の地割れに透が飲み込まれてしまい、それを追って<ギルド>の地下本部へ突入する。
待ち受けるベン藤波と暗殺ロボットは透を人質にジャンパーソンを始末しようとするが、
ジャンパーソンの謎の足引っかけ空中乱射攻撃により、あっさり蹴散らされてしまう。
更に本部のコンピュータが破壊された事でデータに不具合が生じ、地上各地で機能を停止する市民ロボット達。
……物凄い勢いで追い詰められる藤波さん。
なんというか、呼び込んだ相手が悪すぎました。
ジャンパーソンは透少年を救出し、ロボット軍団とバトル。スカイジェイカーが暗殺ロボットを吹き飛ばし、
ランドジェイカーが謎の巨大装置をスクラップにして、変な光線を放ったベン藤波も、ジャンパーソンの必殺射撃を浴びる。
前傾姿勢になって相手を「サーチ!」し、光線銃に数字が浮かび上がった後(前回と違う数字だった)、
相手を撃つというジャンパーソンの必殺攻撃は、いまのところ通常の射撃と何が違うのか意味不明。まあ、
「意味不明」と言ってしまうとジャンパーソンは全てが意味不明なので、身も蓋もないのですが。
ベン藤波は壮絶に自爆、ジャンパーソンもろともに果てようとするが、ジャンパーソンは吹き飛ぶビルから透少年を連れてあっさりと脱出に成功し、
ここに悪の組織<ギルド>は、たった2話で壊滅してしまうのであった。
死して屍拾うものなし!
ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!
機能を停止したギルドのロボット達は回収され、ロボット刑務所に収監。
……て、この世界にもあるのか、ロボット刑務所(^^; 今回の展開を見る限り、人間に擬装できるレベルのロボットは特殊なようですが、
それなりに高性能なロボットは刑務所が必要なレベルで存在するという世界観なのでしょうか。
なんだか前作の設定に少し引きずられてしまったような感じもしますが、ジャンパーソンも“存在が意味不明”な所を除けば、
ロボットとしては“それほど奇異ではない”設定なのか?!
そして、
「特捜ロボ・ジャンパーソンは、正義のヒーローである」
ナレーション、強引に断定(笑)
次回、3話にして「世紀の決戦」。
この勢いで、どこまでいくのか『ジャンパーソン』。
基本のやっている事が全く同じなので、1話ほどのインパクトは無い2話でしたが、
3年続いた《レスキューポリスシリーズ》の事を忘れさせるにはこれぐらいの荒療治が必要なのか、という壮絶な1−2話。
ただひたすらに圧倒的な暴力で行使される正義
ジャンパーソン・イズ・ルールブック
正義とは何か?
罪とは何か?
人の心を救うとは何か?
俺が正義だ!!
《レスキューポリスシリーズ》がはまってしまった行き詰まりを打ち破る為に思いっきりハンマーを振り回したら、
空いてはいけない穴に突き抜けてしまった、みたいな。
何が凄いって、
「フォー・ジャスティス」
と
「俺が正義だ」
の間には結構な距離がある筈なのに、劇中の主人公よりも過激な台詞をサブタイトルで宣言しているという(笑)
そして、一切説明無し。
戦隊シリーズなどでは、1話−アクション&インパクト、2話−説明展開、というのが黄金パターンですが、2話にいたっても、
JPさん、
基本・無言。
そして、バトルの匂いを嗅ぎつけてやってくる為、周囲の人にも追求する余裕がありません。
挙げ句、成敗完了すると、速攻で帰宅。
付け入る隙が無い!
そんなJPさん、本日の語録。
「逃げろ!」
「そうだ」
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」
「跳べ!」
「隠れろ!」
「サーチ!」
……自分の事以外は基本、小学生に命令しかしていない……(笑)
もしかしたら、「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」
より長い言葉は喋れないのかもしれない。
んー、神出鬼没・正体不明・問答無用・傍若無人・会話があまり成立しない・一応ジャスティスって、
何かにイメージ似ているなぁと思っていたのですが、あれか、『黄金バット』か!
とりあえずこの世界観で、どんな扇澤脚本が炸裂するのか、楽しみです。
- ◆第3話「参上!ロボ狩人(ハンター)」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
-
立て続けに基地を襲撃され、武器弾薬を強奪される自衛隊。迷彩服の人達を吹き飛ばし、意気揚々と逃走をはかる襲撃団だが、
そこへやってくるジャスティスなあいつ。
猫まっしぐら。
「やめろー! なんのつもりだぁ!」
バズーカによる砲撃をものともせず、真っ正面から突っ込んでくるダークジェイカーに怯え、
思わずハンドルを切ってしまった襲撃グループの車は、急停車。手に手に武器を取り、謎の車を迎え撃とうとする襲撃グループ。
だが……
風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
JPカードは前回もなんか光っていましたが、今回はっきりと「まぶしい」事が判明。
「武器を捨てろ」
と一応、降伏を勧告するJPさん、人間相手には最低限の優しさを見せる模様。
それにしても、なんか正面から突っ込んでくる→カードが光る→正義を名乗る→攻撃が効かない→制圧される、
という圧倒的な問答無用感、怖すぎます。
ジャンパーソンは犯人グループをあっさり制圧すると、現場に落ちていた1枚のカードを拾い、
後を駆けつけた警察に任せてその場を去って行く。そのカードこそ、犯人達が厳重な自衛隊基地のセキュリティを破るのに利用した、
万能カードキーであった。
貴重な証拠品を持ち逃げ
……まあ、勢いで消滅させるよりマシか。
一方、「謎のジャンパーソン大活躍」という新聞記事に捜査意欲減退中の小森警部は、署内で若林と接触。3話にして、
小森警部と若林さんは、顔を合わせると角突き合わせる仲に。この辺りはステレオタイプというか適当というか、お約束だよね、
みたいなノリであまりこだわっている様子はありません(^^; まあ、今作は周辺キャラクターに関しては、
コミック的な定番配置を志向しているっぽくはあるのですが。
そこへ、「お父さんを探してください」と万能カードキーの制作者かもしれない人物の子供が二人やってくるが、
口喧嘩に紛れて無視されてしまうという酷い展開(^^; 90年代前半なので過渡期と言えば過渡期ですが、
なんだか物語を転がす要素の差し込み方まで、70年代に戻ってしまっています(笑)
そして、ジャンパーソンに迫る新たな黒い影――それは、日本有数の巨大企業グループ・帯刀コンツェルン総裁、帯刀龍三郎!
日本の表社会をほぼ手中に収めたと豪語する帯刀は裏社会の支配をも目論んでおり、その手始めとして、
自衛隊から奪った武器を各地の犯罪組織に流そうと計画した、今回の事件の黒幕であった。
帯刀龍三郎は会社の会議では極めて謹厳で有能そうな実業家でありながら(席が上座で無いよーな気がして、微妙に気になった)、
総裁室で一人(+秘書2)になると幼児性を剥き出しにする、という二面性と変態っぽさの強調された、奇矯なキャラ。
今作のベースには『バットマン』の影響が強いらしいので、変な笑い声を強調している所など、イメージモチーフは、
その有名悪役ジョーカーなのでしょうか。
セーラとマヤという二人の秘書をはべらかせたり、実業家の顔と闇の顔を持っていたり、
明らかにゴッドネロス(『超人機メタルダー』)は入っていますが。
今作は全体として暴走しつつも、レスキューポリスシリーズの積み重ねを一応踏まえていたり、
ここで『メタルダー』を思わせる要素が出てきたり、メタルヒーローシリーズ全体の流れを取り込んでいるのは、興味深いところ。
暴走しているが故のフック、という感もありますが。
「ほほほほっ、ほほほほっ! 強いなぁジャンパーソン、格好いいなジャンパーソン! でもでも、僕の邪魔は許せないなぁ!」
テンションの変動が激しい帯刀はジャンパーソン抹殺の為に、その首に1千万ドルの賞金を賭ける!
高額の賞金に誘われて、
変なガンマン、来日する。
変な中国人兄妹も、来日する。
変なNINJAもやってくる。
というかそれ、『ジライヤ』のBGM(笑)
ガンマンの名は、バウンティキラー・ジャンゴ。
その武器は、拳銃、ショットガン、そしてロケットランチャー(笑)
サイで走行中の車をぶったぎる中国人兄妹は、ストリートファイターの珍大光と珍小光。
そして地中を自在に動き回り二刀流で大爆発を起こすのは、風魔忍者・怒鬼!
更に秘書マヤが、険悪な雰囲気になる賞金稼ぎ達を前にバトルスーツ姿を披露。登場時から表情の動きも少ないのですが、
もしかしたら、サイボーグか。
「終わりだ。ジ・エンド。遺言を書いておくがいい、ジャンパーソン」
ジャンパーソンを誘い出す為に、父親が見つかった、と偽の婦警に連れていかれる例の姉弟。その正体は珍小光……かと思ったら、
わざわざ女装した忍者! 女装した忍者!
忍者はまんまとジャンパーソンを誘い込むと、人質を連れて停車した偽パトカーの床抜け大忍術。そうとは知らず、
追跡してきたジャンパーソンがパトカーのドアを開けると、そこにあったのは座席に突き刺さった手裏剣――大爆発! だが、
パトカーを吹っ飛ばした爆炎の中から、「ん? 今なにかあった?」といった悠々とした足取りで姿を見せるジャンパーソン!
連○のMSは、化け物か!
姉弟はそのまま人質にされ、先に捕まっていた、帯刀コンツェルンに騙されて万能カードキーを作らされていた父は、その成り行きを、
超説明。
こういう伏線の転がし方といい、説明の挟み込み方といい、勢い重視でラフにやっているにしても、宮下隼一は基本的に上手くないよなぁ、
と思わざるを得ない(^^;
人質を盾にジャンパーソンを囲む、4人の刺客と、コンツェルンの見届け人。
忍者がジャンパーソンに向けて賞金首の人相書きを投げつけるのですが、そこに、特捜ロボジャンパーソンと書いてあるところを見るに……
帯刀さんが勝手に名付けたのか!
何が「特捜」なのかと思われていたジャンパーソンですが、「特装ロボ」の
変換ミス疑惑(笑)
賞金稼ぎ達が人間である事を確認し、光線銃をホルスターに収める、心優しきジャンパーソン。そしてこの戦いは録画され、
総裁室に中継されていた。
「始まる始まる!」
とペロペロキャンディを口にしながら中継を見つめる帯刀。変人の部分を押し出しつつ、録画映像は後で闇のマーケットに流すのだ、
と商売と示威行動を兼ねた描写にしているのは、良かった所。帯刀のキャラクターに関してはまだ、シナリオ・演出・演技、全て模索中、
といった感じはありますが(^^; 割と役者さん頼りという感じで、微妙にしっくりこず、これから馴染んでくるのに期待……
あの正義執行人を相手に何話生き残れるのかわかりませんが(笑)
「楽しいなぁ 最高だなぁ!」
いよいよ始まる、ジャンパーソンvs賞金稼ぎ達との戦い。
世界中の変態達の攻撃を正面から受けるジャンパーソン。
全く効いているように見えません(笑)
基本ここまで、ジャンパーソンの強さの見せ方は、古典的スーパーロボットのそれで、まずは攻撃無効。……やっぱり、
特装ロボな気がしてなりません。
人質の為に殴り返せないジャンパーソンは、遠隔操作でスカイジェイカーを起動。自分を取り囲む賞金稼ぎ達の攻撃タイミングをはかると、
一斉攻撃を受けたその瞬間、爆発に紛れてスカイジェイカーに乗り込むという頭脳プレイ。賞金稼ぎ達は見事にジャンパーソンを見失い、
更に一斉攻撃の流れ弾で珍小光が死亡。
ジャンパーソンはスカイの機銃攻撃で人質を救出すると、責任問題で揉める賞金稼ぎ達をランドで砲撃(笑) 人質の親子を車に乗せ、
JPカードで賞金稼ぎ達の目をくらますと、人命優先でその場を逃走するのであった。
今回判明した恐ろしいジャンパーソンルールは、直接人間に手を下すのは不許可だけど、
間接的に未必の故意で手を下すのはあくまで事故で当方としても遺憾であるが仕方ないという事(笑)
明らかにタイミング狙っていたし、珍小光の件でジャスティスに一切責任が無い、という答弁は法廷では通用しないと思います!
まんまとジャンパーソンに出し抜かれ、総裁室でかんしゃくを起こす帯刀。
よだれを拭いたり、倒れた鉢植えを直すセーラさんが素敵(笑)
今回のJPさん語録。
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
「武器を捨てろ」
「人間」
3回しか喋ってない(笑)
毎度の話ですが、がらっと世界観が変わると、演出陣もリフレッシュして楽しそうなのは、いい所。……予算もあるし(笑)
- ◆第4話「牙むく最強軍団」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
-
情報操作により、自衛隊基地連続襲撃事件の黒幕を引きずり出そうとする警視庁は、テレビジャパンに加賀美博士
(前回助けた万能カードキーの制作者)の病院収容と事情聴取について報道させ、意図的な偽情報を流させる……と、
ゆるゆるな警察とずぶどろなマスコミの姿が描かれるのは、これも3年続いた《レスキューポリス》との差別化を印象づける為か。
それをあっさり警察の罠と看破するも、ジャンパーソンを倒す事を最優先する帯刀は敢えて誘いに乗り、賞金稼ぎ達を向かわせる。
「ダブルトラップ。罠は二重がいい」
という意味ありげな言葉とともに。
警察の張った罠は、病院の厳重警戒に加え、加賀美博士の病室のベッドでは身代わりの小森警部が待機しているという、コント的なもの。
コント的なものながら、地味に命がけだったりする小森警部は、勇気だけならヒーロー級。
今回も小森警部と掛け合い漫才を行っていた若林アキ(情報操作に協力)は、病院内で光り物を身につけた看護師に不審を抱き、
高井戸とともに病室へ戻るが、特に異常はなし。ここで、アキに指摘されてダブルトラップでロッカーの中に潜ませていた制服警官が、
無言で飛び出してきて背景に無言で佇み、二人が去るとまた無言でロッカーの中に戻っていったのは、
まさしくコントなのですがちょっと面白かった。
ところが、二人が去ってしばらくして、そのロッカーの中から異音が響く。小森が扉を開けると、倒れてくる警官。
そしてロッカー裏の壁を突き破って病室に侵入してきたのは、妹の復讐に燃える、珍大光。
「殺す相手、誰でもいい。ヤツさえ出てくれば」
小森危うし、というその時、風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」
ジャンパーソンに猛然と挑みかかる大光だったが……
「ほう? 貴様の国では、この程度のものを“攻撃”と言うのか?」
「?!」
「ぬるい、ぬるすぎるな……どれ、一つチャンスをやろう。正面から、ここを打ってみるがいい」
「くっ……!」
「ふはははははは、どうした、妹の仇が憎くないのか? んん? 妹があの世で泣いているぞぉ、お兄ちゃん、
お兄ちゃん、となぁ。貴様の怒りとはその程度なのか、あぁん?」
「おのれぇぇぇ、ジャンパぁぁーそぉぉぉんん!!」
「くくくっ、これ以上、貴様のような虫けらと遊んでいても時間の無駄のようだ。土産に、
本当の“攻撃”というものを教えてやろう。――ただし、20%だ」
「ぶげぇぇぇぇぇっっ?!」
ジャンパーソンに手も足も出したけど全く通用しなかった大光は、妹の形見のサイを握りしめて背後から突撃をしかけるが、
果たせず自爆。ジャンパーソンは遺されたサイを、木の根元に突き刺さって大光の遺品となった大刀の横に銃で弾き飛ばし、
兄妹の武器を墓標として寄り添わせる、という小粋な始末。
……まあ、ジャンパーソンさん無感情なので、洒落た事をやると、むしろえげつなく見えるのですが。
立ち去りかけたJPを背後から吹き飛ばす、ジャンゴのロケットランチャー。崖から滑り落ちたジャンパーソンは、
更に仕掛けてあったトラップで岩の下敷きになってしまう。
しかし、
「貴様は今までに裁いた悪党の人数を覚えているか?」
「?!」
右上腕部を有線で飛ばすワイヤーパンチが、ジャンゴに炸裂。ジャンパーソンに引きずり寄せられて武器の間合いを封じられたジャンゴは、
死なばもろともと、ジャンパーソンに組み付き自爆。
……どうして皆、そんなに男らしいんだ(笑)
高額賞金の代わりに、帯刀コンツェルンに何か仕掛けられたのかもしれませんが(^^;
ジャンゴ決死の至近距離自爆を受けたジャンパーソンであったが、
「俺の強さは、泣けるでぇ」
やはり、無傷。
最後に残った怒鬼が地中から不意打ち、またも崖から落下した所に稲妻を放つが……
「腐った生ゴミ以下の存在である貴様に、この俺に裁かれるという価値を与えてやる」
「なん――だと……?!」
「いいか、貴様にはこれから三つの選択肢がある。土下座して死ぬか、泣きながら死ぬか、命乞いしながら哀れに死ぬか、
だ」
ワイヤーパンチの直撃を受け、内臓破裂で助からないとでも思ったのか、忍者、割腹自爆。
………………1話の暗殺ロボット、滅茶苦茶強かったのでは。
賞金稼ぎ達を完封で抹殺したジャンパーソンは、病院に戻ると、そこに時限爆弾が設置されている事に気付く。
「病院に、時限爆弾が」
沢山喋った!
若林が不審を抱いた看護師の正体は、秘書セーラの変装。この時限爆弾こそが、帯刀の命じたダブルトラップであった。
警部達が入院患者などを退避させている間に、爆弾の解除へ向かうジャンパーソン。隠し場所を発見するとそれを手にスカイジェイカーで海上へと移動、
投棄した上で機銃で破壊、とやや強引にメカアクションを入れて、時限爆弾を始末。
かくて帯刀のジャンパーソン抹殺作戦は、またも失敗に終わるのであった。
静かな怒りをたぎらせる帯刀に、怯えるセーラ。
「忘れないでセーラ、今の言葉、二度と聞きたくないからね」
この手の番組の秘書キャラは色々微妙な事が多いのですが、セーラさんはぎりぎり許せる範囲なので、出来れば長生きしてほしいなぁ。
一方……
黒服の男達を従え、ジャンパーソンの盗撮写真を見つめる一人の男の姿があった。
「ジャンパーソンか、どうやら我々の野望達成の為には邪魔な存在になりそうだな」
その男こそ、ロボットマフィア・<ギルド>と共に2話でパニッシュされたベン藤波の腹違いの兄にして、
<ネオ・ギルド>首領・ジョージ真壁!
真壁は顔など普通に人間ですが、檻みたいなものをかぶって、背中の辺りから常に煙が出ている、という、
ロボットぽさをそれとなく出したデザイン。兄なのに組織名が<ネオ・ギルド>なのは、「弟の復讐ではない」
と言いつつ弟の意思をその名に残してあげたい、優しいお兄さん疑惑。
更に……
妙に優雅な音楽をBGMに、白衣の女がバラで囲んだジャンパーソンの盗撮写真を見つめていた(笑)
女の名は、スーパー・サイエンスネットワーク首領、綾小路麗子!
「科学こそが全ての存在の頭上に君臨すべき哲学なのよ。それを証明し、世界を我が手にする為には、
どうやらあたなが邪魔になりそうだわ」
ここに3つの悪の組織が姿を見せ、それぞれの目的の為に、ジャンパーソン抹殺に牙を研ぐ。
しかし、一番ラスボス臭が強いのは、どう考えてもジャンパーソンだ!
果たして、日本の運命や如何に?!
今作のいい所は、無感情な超法規的存在が主人公になると、それに感情を教える少年少女と出会って〜……
という展開をベースにしてしまいそうな所を、とりあえず現状、回避している事。この先どうなるかわかりませんが、
JPさんがひたすら無感情に我が道を貫いている所が、いい。どうせならジャンパーソンは悪の組織の標的ではなく、
あくまで悪の組織の作戦行動に、独自のモラルで乱入してくる、という方が好みではありますが。
悪の組織の並行投入というのは、面白く使ってほしい要素で、期待。
またこの展開だと、2話で<ギルド>を瞬殺した事が、作品全体にいつ何が起こるかわからない緊張感をもたらす良い作用で機能しており、
各人の奮闘に期待する!
- ◆第5話「飛べ俺の胸に!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
♪♪♪
「「<ネオ・ギルド>TVショッピング!」」
「今日お薦めの商品は、このメタルボール! こうやって手の中で転がす事で、手の平のツボを刺激、脳の活性化をはかり、
ストレス解消、背中からぷしゅぷしゅ煙が出るようになります!」
「わー、持ち運びしやすいのが便利ですね」
「そうなんです。文字通りの手の平サイズですので、TVを見ながら、研究のブレイクタイム、通勤中や外出先でも気軽に使う事が出来るんです」
「いざという時の、護身用にも使えそうですね」
「はい。手首のスナップをきかせて投げつけると、ほらこの通り! 厚さ3cmの鉄板もぶちぬけますよ!」
(※個人差があります)
「こんなに便利なメタルボール、おいくらなんですか?」
「はい、今回このメタルボール2つセット二組と、さ・ら・に、ボール投擲練習の標的にもぴったりな噂のジャンパーソン盗撮写真セット5枚組も付けて、
3,980円! 3,980円でのご奉仕です」
「3,980円!」
「今すぐお電話下さい!」
♪♪♪
登場して早々、「これは復讐ではない」と、今回も強調する真壁さん。
いわゆるツンデレ、なのか。
或いは弟(ベン藤波)より無能で、弟(<ギルド>)が倒れた事でこれ幸いと組織の残存戦力を乗っ取って世界征服レースに参加したので、
弟にコンプレックスがあって何かと気にしているのか。
なんとなく後者のような気もするのですが、常に背中から煙を出しているのが、段々面白くなってきてしまいました(笑)
どうもこう……ぽんこつの気配しかしないぞ!
そんな真壁率いる<ネオギルド>はロボット刑務所を襲撃。囚人ロボット達を脱獄させ、街で暴れ回らせる。
謎の施設・ロボット刑務所ですが、“犯罪を行ったロボットや、壊れて犯罪行為に走ったロボットを収容している”そうですが、
描写的にも『エクシードラフト』を引きずっており、やはりあまり深く考えずに出してしまったのではないか感満載。
あくまで短時間の収監に過ぎず、この後ロボット法廷で、「解体!」とか「改造!」とか「保護観察!」とか、
処分が下されるのでしょうか。……順番が逆な気もしますが。ロボットを黙ってぶち込んでおいてもどうにもならない事は確かですし……
「刑務所」というのはあくまで世間的に通りのいい名称で、地下では子供向け番組では表現できないようなあれやこれやが
行われているというのが、一番真実に近いような気もします(笑)
コンビニや銀行を襲撃した脱獄ロボット達は、逃走中に車椅子の少女・さなえを人質にし、その母親の車で逃亡。
さなえは交通事故で歩けなくなったが手術は成功……もう完治している筈だが精神的な恐怖から一歩を踏み出せず、
それを懸命に励ます母親……と、何とかドラマ要素を入れようとした結果、極めて記号的なエピソードを物凄く説明的に入れてしまって、
滑りまくっています。
警官隊を追い散らす脱獄ロボだったが、そこ迫り来るジャスティス!
風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」
西部劇風の新BGMで登場しましたが、これは少々合っていないよーな。
「その子を解放しろ!」
脱獄ロボに集団で襲われるジャンパーソンだが、相変わらず、一応火花は散るものの、ダメージは受けている感じは無し。
だが脱獄ロボ達の攻撃は、ジャンパーソンの性能を測る為の<ネオ・ギルド>の作戦であった。ジャンパーソンは脱獄ロボ達を蹴散らすが、
その戦闘データを、新型ロボ・オメガDXに打ち込むジョージ・真壁。
「ジャンパーソンのあらゆる攻撃パターンは掴んだ。オメガDX、出動!」
ワイヤーパンチで人質の少女を救出しようとしたジャンパーソンだが、暗殺ロボットが奇襲を仕掛け、
生き残りの脱獄ロボ2体が少女を人質にしたまま逃走してしまう。大ジャンプから車の屋根張り付きを披露するジャンパーソンだったが、
そこへ現れるオメガDXの砲撃で、車が炎上。
〔爆発寸前の車 : 少女 : オメガDX : ジャンパーソン〕
という位置関係になってしまう。
少女を車の爆発から救う為には、オメガDXを倒すしかない。しかし、入力された戦闘データにより、
ジャンパーソンの攻撃パターンを先読みするオメガDXは、ジャンデジックを打ち落とし、ワイヤーパンチも発射前に迎撃。
「スキャンしていたのはこのためだったのか」
……遂に、「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス」以上の文字数を喋った!
オメガDXの強烈な砲撃を受け、倒れるジャンパーソン。ジャンパーソン危うし…………………………?
攻撃を先手で塞がれ、けっこう派手に砲撃を受けてもいるのですが、ジャンパーソン、いくら攻撃を受けても反応に変化が無いし、
見た目無傷(被攻撃時にどんなに派手に火花が散っても、カットが変わると新品のようにボディが綺麗になっている)なので、
ピンチ感が全くありません。スーツに軽く汚れぐらい入れても良いと思うのですが(^^;
素材的に難しかったのか。
以上の事から見るに、これまでジャンパーソンは、装甲が極めて分厚いのかと思っていたのですが、
どちらかというとナノスキン装甲(的なもの)による超回復なのかもしれない。
一方、燃え上がる車が爆発寸前でむしろ危うしな少女は、命の危機になんとか自力で立ち上がっていた。母親の「勇気を出して」
とか「自分を信じて」とかいう言葉が回想されるのですが、単純に命の危機だし待っているのにジャンパーソンは助けに来ないしで、
切羽詰まった火事場の馬鹿力という気がします。
生半可なロマンなど、正義という名の摂理の前では無力、それが『ジャンパーソン』世界!
少女が自力で立ち上がる姿に、流れる主題歌とともに自らも立ち上がり、ダークジェイカーを呼ぶジャンパーソン。
しかし、
「無駄だ、無駄だジャンパーソン、貴様の攻撃パターンは、全てお見通しだ。――遊びは終わりだ。オメガDX、
ジャンパーソンにトドメを刺せ!」
迫り来るスカイジェイカーを撃ち落とし、ランドジェイカーにも砲撃を浴びせるオメガDX。
だが、それはジャンパーソンによる陽動にすぎなかった。
おとうさん、本気 (@『宇宙家族カールビンソン』)
いつの間にか、重火器を装備しているジャンパーソン。
「な、な、なんだ、あれは、データに、あんな武器は無かったぞ!」
右手にはめた火炎放射器アークファイヤーが文字通りに火を噴き、大型剣ジャンブレーダーがオメガDXを一刀両断。
そのままジャンパーソンは少女を助けに走り、少女も自らの足でジャンパーソンに近づくと、最後の一歩をジャンプ。
車の爆発を回避する事に成功し、また、自力で歩く勇気を手に入れるのであった。
後日、母親の前で歩いてみせる少女の姿を、物陰から見守るジャンパーソン。
「ジャンパーソンのお陰よ、ジャンパーソンが私に勇気をくれたの」
……色々タイミングが良すぎると思いましたが、やはり全ての事情を理解した上で、少女が自力で立ち上がって歩く根性を見せるまで、
オメガDXをだしに使って放置プレイしていたな、ジャンパーソン……!
道に転がるボール紙レベルの踏み台にされた結果、、登場2回目(実質1回目)にして、ジョージ・真壁が
壮絶にぽんこつ化。
メタルヒーローシリーズにおけるサイボーグ(に類するもの)は、もはや、ぽんこつのフラグ。
そして――
ナレーション「ジャンパーソンはいずれ、ロボット刑務所そのものを調べる必要があると考えていた」
……え、まだ使うの?(^^;
もうこの設定は忘れた方がいいのではないかと思うのですけど。
というか、刑務所の地下で行われている非道な実験(脳内設定)を目の当たりにしたジャンパーソンが、「俺の真の敵は、人間だ!」
とか全ロボットの解放を目指して革命ロボットテロリスト化しそうで、怖いのですが。
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
ところでジョージ・真壁は河合宏に目元が似ているけど、クレジット見ると違う人(高橋和興)だよなぁ……と思っていたら、
芸名が変わっていました。同一人物でした。真壁さんから微妙にへたれ臭が漂いっぱなしなのは、キャスティングのせいではなかろうか(おぃ)
- ◆第6話「さまよう冷凍男(アイスマン)」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
-
買い物から帰宅した主婦が開いていた玄関に不審を感じながら冷蔵庫の扉を開けると……なんとその中に、中年の男。
続いて保冷車の中身を食い荒らして逮捕された男の名は、工藤助三。冷凍食品の倉庫で働いていた工藤は一時閉鎖する倉庫の中に事故で閉じ込められてしまい、
−50度の世界で1年間を暮らしていた結果、“触れるものを何でも凍らせる力”と“常温では生きていけない体”を手に入れてしまったのだった。
何故かいきなり刑事コンビが別人に変わっているのですが、工藤を「怪物」呼ばわりするシナリオの都合上、
セミレギュラーのキャラを配置しにくかったのか。
警察、そしてマスコミからの「怪物」扱いに戸惑う生来純朴な工藤は、スーパーサイエンスネットワークのドクター椎名によってさらわれ、
彼が生活可能な特殊な保冷車を用意される。
「一泡吹かせておやんなさい。貴方を怪物扱いするような世間に」
椎名の口車に乗せられ、銀行を襲撃、自分の能力に暴走していく工藤の前に、立ちはだかるジャスティス!
凍結能力、いきなり無効。
主人公がラスボスすぎて、何もかも台無しだ!
「俺が触っても凍らねえなんてよ。あのジャンパーソンこそ、怪物だよな」
ドクター椎名のラボに逃げ戻った工藤は、「本物の怪物になってみないか?」と椎名から冷凍能力を引き上げる改造手術を勧められる。
「冗談でねえ。おれ怪物になんかなりたくねえ」
と拒否する工藤だったが、事故で倉庫に閉じ込められた時にどうして誰も彼を探さなかったのか? そんな社会を見返したくないのか?
と椎名に劣等感を刺激される。
この辺り、社会に爪弾きにされた者の、孤独と悲哀を土台にしたコンプレックスを盛り込むのは、扇澤延男の十八番。
更に椎名の部下二人が、「おまえは虫けら以下」「見てると反吐が出る」……とジャンパーソンが言ってたぜ、
と発言を捏造。
微妙に本当は思っていそうな所が困った所だ……!
工藤が冷凍倉庫に1年間閉じ込められて、今朝ようやく娑婆に出てきた所……と、
ジャンパーソンに関する情報を持っていない事も巧く使い、工藤は遂に椎名の改造手術を受けてしまう。
「俺はアイスマンだぁ! 逃げても無駄だぁ!」
冷凍能力を強化された工藤は吐く息で全てを凍らせ、街を襲撃。そこにパトカーが駆けつけるが、刑事二人も凍結。
同乗していた若林さんは、凄い華麗な前転アクションで凍てつく吐息を回避。
何者なんだ、この人(笑)
本当に、TV局のキャスターなのか。
しかし、工藤に好意的に取材していたその制止の声も届かず、アイスマンに追い詰められる若林。
「脳みその芯まで凍らせてやる!」
その時、風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
JPアナライズによると、工藤の表記はバイオモンスター。
「改造されている」と言及し、この後の展開も鑑みると、もはや人間ではない扱いの模様。
アイスマン工藤の凍てつく吐息を受け、凍ってしまうジャンパーソン。SSNの目的はジャンパーソンの生け捕りであり、
ジャンパーソンを痛めつけてから確保しようとするアイスマンだったが、ジャンパーソンはワイヤーパンチを伸ばして、
炎上するパトカーに自ら特攻し、氷を溶かす事に成功すると、アークファイヤーで容赦なくウェルダン。
ここまで“攻撃が効かない”系が多かったJPアクションに、新たな出鱈目な感じがうまく演出されました。
半分凍った刑事達も、大胆に火炎放射で救出したジャンパーソンは保冷車に一時撤退したアイスマンを追いかけ、
ぶつかり合う火炎放射vsアイスブレス。その衝撃の余波で工場の屋根が(いつもの映像で)崩壊し、
アイスマンは落ちてきた鉄骨の下敷きになってしまう。なおジャンパーソンも一発重いのぶつかりましたが、
何事も無かったかのように超回復。
ジャンパーソンは鉄骨の下敷きになった工藤を助け出すが、その体は既に炎上による周囲の温度上昇に耐えきれず、
工藤は足から溶けていってしまう……
「俺……本当は一年前に死んでたのかもしんね。冷凍倉庫の隅でさ。死ぬ間際に、長くて短い、不思議な夢、見てたのかもしんね。
そんな気するばい」
ジャンパーソンの手の中に抱き起こされながら、完全に溶け去る工藤。
刑事B「水になって……き、消えた……」
刑事A「やっぱり、怪物だったんだ……」
若林「そんな事ないわよ! そんな事、絶対無い!」
工藤を最初に取材した若林は、涙を流して叫ぶ。
若林「誰よ! いったい誰よ! 工藤さんを怪物なんかに作り替えて!」
工藤は、決して怪物などではなく、不幸な事故に巻き込まれただけの善良な人間だった。いったい誰が、
工藤を本物の怪物――アイスマンにしてしまったのか。若林の慟哭がこだまする中、
ジャンパーソンは残されたアイスマンのヘッドギアを拾い、歩み去るのであった……。
改造されたから怪人扱いなのかもしれませんが、Aパート明確に人間として描かれたゲストキャラが、
露骨な怪人の姿になるわけでもないまま、溶けて死んでしまうという、なかなか強烈な展開。今作初登板の扇澤延男が、
いきなり重い直球を投げ込んできました。
若林の叫びにより、真の悪を、工藤をアイスマンに変えたSSNとしてはいるものの、工藤を“怪物”に変えた背景には、
SSNの悪意だけではなく、社会の無関心、大衆の残酷さも存在している、と掛けている辺りが、テクニカルで扇澤脚本らしい。
もっとも、刑事がいきなり無神経に「怪物」と口にするなど、ことAパートにおけるキーワードの使い方はかなり安易。
工藤の口からジャンパーソンを「怪物」と言わせるなど、巧く繋げてBパートで盛り返してきてまとめましたが、扇澤延男のハードルを考えると、
もう一工夫欲しかった所です。
刑事コンビが新顔なのがどういう都合なのかはわかりませんが、この台詞をあてる為にセミレギュラーを使えなかったとするなら、
誉められた構成ではありません(脚本でそこまで左右できるとも思えませんが)。刑事コンビ二重体制だったらそれはそれで面白……
くもないかなぁ、どちらもコメディ要員ですし(^^; 絞ってくれた方が素直にキャラクターを深められそうですが、果たして次回、
小森警部の出番はあるのか。
そして――SSN本部では、作戦失敗して這いつくばるドクター椎名を、綾小路麗子が見下ろしていた。
SSNの首領・綾小路麗子は、今回から変な衣装と化粧に(わかりやすく言うと歌舞伎風)。……4話の顔見せ時はどうやら、
表の顔だった模様。
麗子に忠誠を誓い、自らの体に爆弾を埋め込んだ上でその起爆装置を麗子に預けているという狂信的な椎名の忠誠心を
「誇り」と呼びながら、ぽちっとな、と床の落とし穴を作動させる麗子様(笑)
「忠誠心があっても無能な者は嫌いなのあたし。暗い地の底で勉強し直すことね」
失敗を咎めて自爆装置を作動させてしまうと、それはそれで椎名が満足してしまうのでそうはさせない、
と麗子様のキャラクターがうまく出ました。割と派手に落ちましたが、台詞からは殺したとも殺していないとも取れるようになっており、
ドクター椎名は修行して再登場の目もあり? まあ、今後の展開次第で出しても出さなくてもどちらでも出来るように、
という事でしょうが。
独り荒野に佇むジャンパーソンは、ヘッドギアを空中に放り投げ、射撃で破壊。
ここでかかる音楽も西部劇風ですが、ジャンパーソンのデザイン/キャラモチーフには、西部劇な保安官イメージは入っているぽいので、
そーいう初期プロットによる発注でしょうか。出来上がりにはどうも、ウェスタン風味は無いのですが(笑)
まあもともと、時代劇的な超法規的人斬り主人公は西部劇の流れを汲んでいたりもするので、西部劇→時代劇→特撮ヒーロー、
と考えると、正統進化の果てに居るのかもしれないジャスティス。
工藤の死を看取ってからこのラストまでの流れは、ジャンパーソンは基本無言、という芝居が巧く活用され、いいシーンになりました。
今回は、かえすがえすもAパートが巧く転がっていなかった(刑事コンビの言動が幾ら何でも酷すぎた)のが、惜しい。
あと今作のベースに『バットマン』があるとすると、アイスマン工藤のモチーフはミスター・フリーズなのでしょうか。その辺り、
全然詳しくはないのですが(^^;
次回、留まる事を知らないラスボスの猛威! ジャンパーソン、更に本気!にシーユーアゲイン!
(なお若林アナは今回の出演を最後にパニッシュとの事。むしろようやくキャラ立ちしてきた所だったのに(^^;)
→〔その2へ続く〕
(2013年9月8日)
(2017年4月20日 改訂)
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