※31話と32話が簡易気味なのは、エピソードの内容の問題ではなく、筆者が視聴時に高熱を出していた為です。
- ◆第31話「天使の歌が聞こえる 人形にされた王女」◆
- 新たに地球にやってきた宇宙刑事アラン。彼の使命は、マクーの陰謀に巻き込まれて地球へ逃げてきたビーズ星のリン王女を救出 する事にあった。魔女キバ直属の部下であるワーラ(潮健児再び!)は、着ぐるみ軍団を率いてリン王女を捕らえると、彼女を 人形の姿に変えてしまう。
大葉健二×宮内洋×潮健児による、豪華共演スペシャル。
大場健二と宮内洋が並んで赤いジープに乗っているだけで、なんか笑える(おぃ)
ニセ早川健のような服装の宇宙刑事アランのメイン武器は、何故か先込め式単筒のような古式銃。
射撃だけではなく、殴るのにも使います。
最後は人形に変える催眠術を解き、アランとリン王女は無事にビーズ星に。何故かメリーゴーランドに乗りながら。
- ◆第32話「謎の地底迷路 ターゲットはWX−1」◆
- ミミーさん、実家へ帰る
お母さんの見舞いで、バード星へ。ストーリー的に伏線なのか、女優のスケジュールの都合か、マリーンさんにちょっと出番を企画 なのかは不明。
一方、ギャバンに連戦連敗で、いい加減に焦りの見えてきたマクーは、ギャバンを宇宙空間におびき寄せて戦う作戦を決行。
宇宙ステーションを襲撃してギャバンを誘い込むが、ドルギランに撃破される。
……というか、ドルギランと一緒の方が強いのに、何をしたいのか、サン・ドルバ。
ところで宇宙ステーションといえば第1話でマクーに破壊された筈ですが、30話ほどかかって修復された模様。スペースシャトルの 発進シーンなど見覚えがあるので映像は使い回しっぽい。
円盤部隊を壊滅に追い込まれ、ドン・ホラーも遂に「まともに戦って勝てる相手ではない」と、事実上の 敗北宣言。
そこで今度は、地上のビルに罠をはって待ちかまえる事に。
魔空空間的ビルで烈を散々苦しめますが、「蒸着」すれば力尽くで脱出してしまえるのが、ギャバンクオリティ。
まあ、宇宙刑事無双なので仕方がない。
コンバットスーツ着ていれば大気圏脱出も出来るし、真空中でも戦えるし。
ギャバンは、70年代以前からの傍若無人系ヒーローの系譜をまだかなり引きずっているので、ヒーローの中でも、相当に凶悪な部類。
罠を脱出したギャバン、さすがに色々と頭に来ていたのか、ダブラーを戦車メカで砲撃した上で、轢きにいく。
それにしても、魔女キバが怪演&目立ちすぎで、サン・ドルバが既に、100%どうでもいい存在になりつつあります……。
- ◆第33話「新怪物誕生 エイリアンを拾った少年」◆
- キバとサン・ドルバは、ダブルマンの染色体とモンスターの染色体を合わせてダブラーの卵を作り出し、それを汚染された 地球の環境で孵化させようとする計画する。環境汚染の進む地球は卵の成育に適しており、孵化後も、猫や犬、果ては人間まで、豊富な 餌があるからという判断であった。そして孵化したダブラーは、数時間で60mに巨大化し、街を破壊する……筈。
工場からの廃水の流れる川に卵を沈めるマクーだったが、その後移動中に烈に発見され、最初に沈めた1個以外の卵を失ってしまう。
マクーが乗っていた、という理由で、中も確認せずにシルバービームでワゴン車を破壊する、ギャバン、恐ろしい刑事……!
更にマクーにとってのアクシデントは続き、川に沈めた卵を、通りがかりの少年に拾われてしまう。たまたま、小次郎の住居の近所に 住んでいた少年は小次郎と行き会い、見た事もない一抱えもある巨大な卵を、ガスレンジにかける。
急速に暖められた事で孵化した卵から飛び出した怪物は、小次郎の腕に噛みついた後、行方不明に。
夜を徹して怪物の行方を捜索する烈は、小次郎のアパートの近所で、飼われていた犬ジョンが居なくなった事を知る。ジョンのものと 思われる血のついた獣毛を発見し、付近の倉庫に辿り着いた烈に襲いかかる、成長したダブラー。怪力に苦戦しつつも退けるが、再び 見失ってしまう。
その頃、魔空城ではキバとサン・ドルバが、「そろそろ巨大化してもいい頃」「出来損ない?」と額を突き合わせていた。
「どんなダブラーになる事やら……」…………台所のシンクの下から出てきました!
まあとにかく、ダブルマンの知能は持ち合わせていなさそうです。
デザイン的には、ノミかケラっぽいですが。
割と攻撃力は高いダブラーでしたが、駆けつけた烈にダブラーは退治され、めでたしめでたし。
翌日、烈がジープで流していると、包帯だらけの犬と散歩している少年と出会う。昨夜、行方不明になってすっかりダブラーに食べ られたものと思われていたジョンは、怪我をしていたものの、無事に帰宅した事が発覚。
ジョンに負けたのか、ダブラー(笑)
巨大化云々以前に、色々と駄目だった事が発覚。
なお今回の話では、小次郎さんが家を引っ越しているのが小さなポイント。
流石に、隣室に不法侵入を図ったマンションは追い出されたらしい。
- ◆第34話「思い出は星の涙 父のない子 母のない子」」◆
- 人間の記憶を操作し、意のままに操る装置を開発するマクー。宝石店の支配人に数億円の宝石を横流しさせたり、国防軍の警備隊長 を操って武器をマクーに譲らせたりと、大胆な活動を展開する。
「警備隊長、マクーと結託」
と新聞に掲載されているのは、けっこう衝撃(笑)
勢いでやったネタだと思いますが、この世界のマクーの認知度はさっぱりわかりません。
着々と作戦を進行するマクー、そしてマクーが洗脳に使っている研究所にたまたま入り込んでしまった陽一が、口封じの為に、2年分 の記憶を装置によって消されてしまう。2年の記憶を失った事で、2年前に死んだ両親が生きていると思い込み、父と母の姿をを求めて、 るるるー状態になってしまう陽一。
ここに来て、乗馬クラブの姉弟の両親は既に死亡しており、それで祖父に引き取られていた事が発覚。
まあ、ドラマ的にはどうでもいいといえばいいのですが、突然、孫が両親との思い出に引きこもってしまい、独り寂しく川で釣り糸を 垂らす祖父・豪介の図は、ちょっとしんみりするいいシーン。
……しかし、2年分の記憶を失っていたら、烈とか、知らない怪しい人もいい所だと思うのですが(笑)
陽一の途切れ途切れの記憶から、マクーの洗脳装置がある研究所へ辿り着いた烈だが、逆に罠にはまって記憶を上書きされてしまいそう になる。必死に抵抗する烈。
その時、烈の精神波が装置に逆流した! (ナレーション談)
ギャバンが恐ろしいのは、体力と攻撃力ばかりでなく、精神力も強靱な所。
装置を破壊した烈は、ダブラーを撃破。かくてマクーの陰謀は絶たれ、陽一の記憶も元に戻り、乗馬クラブにも祖父と孫の笑顔が戻った のでありました。
ハンターキラーさんが追放されてからテンション下がり気味なのですが、次回少し、盛り上げ展開な感じの予告だったのでちょっと期待。
- ◆第35話「マクーの若獅子 サンドルバの反抗」◆
- ダブラーを模したロボット相手に戦闘訓練に余念のな無いギャバン。
そう、いかに宇宙刑事無双といえども、いや、無双ゆえに、ギャバンに慢心は無いのです。
ミミーさん里帰り続行中(本当に母親の見舞いなのかマリーン辺りにそそのかされた恋の戦術なのかは不明)の為、今回もギャバンを サポートするマリーン。地球へ来て以来休みなしの彼女に、「たまには地球でショッピングでもしたらどうだ?」と気遣うギャバン。
「私はギャバンの助手よ。ここでこうしているのが任務だわ」
それはあれですか
ミミーさんへのあてつけ
ですか。
一方そのころ魔空城では、サン・ドルバがダブラーの戦闘訓練を見物しながら、寝そべって、女侍らせて、 酒をかっくらっていた。
ベクトル違うけど、某ハイル・カ○ドさん並の駄目人間だ!!
そんな息子を呼び出すドン・ホラー。
「この腰抜けめ」と一喝。
仕事もせずに毎日昼間から飲んだくれていては、それは父さんも説教の一つもしたくなります。
「私の力でギャバンを倒してみせる」と反省もせずに鼻息を荒げるサン・ドルバは「ギャバンを倒すまでは魔空城へ帰らない」と出撃。 もちろん過保護な魔女キバは一緒についていき、二人はギャバン打倒の為の策を練る事に。
とにかくギャバンの必殺技を防がなければ勝ち目はないと、額を付き合わせる二人。
……数秒前までは鼻息荒かったですが、もう、弱腰です。
ギャバンダイナミックを使わせない為の作戦を考えた二人は、ショッピング中のマリーンと月子を拉致し、ギャバンを呼び出す。
呼び出しに応じた烈に次々と襲いかかる罠また罠。
この辺りは以前のアクションてんこ盛り回を思わせる展開。前は修験者風で襲ってきたマクー構成員が、イスラム風の扮装で円月刀 振るって襲ってきたり、久々に洞穴で巨大岩石に追われたり。たぶん、トータル3回目くらいの巨岩。ここで、洞穴の壁をぐるりと螺旋を 描くように火柱が回るという火薬の使い方は非常に格好良かったです。
ところで、ギャバンを誘導する餌として出てくるマリーンと月子(後でマクーの自爆ロボットだった事が判明)が、「ぎゃばーん」 「助けてぎゃばーん」と叫びまくるのですが、月子、烈がギャバンだって知っていたっけ? そこで偽物だと気付かないかなと 思いましたが、その後、月子の前で気にせず変身しているし、この辺りの扱いは非常に不透明。私も細かく覚えていないので、月子の前で 変身した事が過去にあったか、はっきり記憶はないですが。……まあ、月子は根本的に存在自体が謎だらけ なんですけど。
立て続けの攻撃を切り抜けたギャバンの前に遂に姿を現すサン・ドルバ。十字架に磔にした月子とマリーンを人質に、レーザーブレード を手放す事を要求する。
結局、人質作戦
なんかもう、サン・ドルバは、あらゆる点で駄目すぎ……。
レーザーブレードを失ったギャバンはダブラーに苦戦するが、それでも接戦を演じる。とどめの一押しをする為に、キバの助言で ギャバンを魔空空間に引きずり込もうと、魔空城へと呼びかけるサン・ドルバ。
しかし、
「いやおまえ、一人で何とかするって言ったじゃん?」
父上、魔空空間を拒否る
このゴタゴタの隙を突き、レーザーブレードを取り戻したギャバンはマリーンと月子を救出。ダブラーをギャバンダイナミックで打ち 破り、サン・ドルバを迎撃。なんとか戦いに勝利するのであった。
そしてマクーでは、父と子の間に微妙な反駁の空気……? というかキバが煽っておりますが、というか今からでも遅くないから、 息子を更迭してハンターキラーさんを現場復帰させた方がいいと思います!
- ●番外編:月子に関するエトセトラ●
- 35話の感想で「存在自体が謎だらけ」と書いた月子に関して、「ものかきの繰り言」の 方にBeniさんよりこんなコメントをいただきました(多謝)。
月子は、ボイサーの友人・星野博士の娘です。
星野博士が発明したプラズマエネルギー発生装置がマクーに狙われ、博士夫婦は死亡。死に際の博士の言葉に従い、以後、月子はボイサー を頼るようになりました。
ボイサー行方不明後に博士が襲われたのか、博士が襲われてからボイサーが行方不明になったのか、時系列がはっきりしないのですが、 たぶん博士襲撃→ボイサー行方不明だと思います。初登場時の月子は、庇護を求めて行方不明のボイサーを探していたわけです。
いずれにしても、星野博士を介して面識があるのは間違いなく、ボイサーにとっては、ある意味で「もう一人の子供」のような扱いです。
このあたりの設定は月子の登場話で軽く触れられているのですが、月子のセリフと回想、あとはナレーションですませているため、11話 の少々ちぐはぐな演出とあいまって印象に残らなかったのだと思います。
月子がその後の捜査活動に協力しているところを見ると、ボイサーの知り合いということでギャバンも正体を隠す必要がなかったのでしょう。
……はい当時、11話が予告で盛り上げていた割にはがっかり回で、最後、犬と戯れていた事しかほぼ覚えていませんでした(笑)
そんなわけで月子は、ボイサーネタのちょっとした振りキャラで、単発ゲスト、せいぜい後半でまた出てくるぐらいかと思って見ていた ので、次の回で普通にミミーさんと一緒に出てきてビックリ。
その後、あれよあれよとセミレギュラー化するわけですが、それなら11話で「これから私も協力させて」ぐらい、言わせておいて くれれば、その後の展開や顔出しも色々と納得できたのですが(主に遊んでいるように見えるのはミミーさんも似たようなものですし)、 もうその時点の解釈から間違っていたレベルです(笑)
本人があまりに軽いのも合わせて失念してしまいたが、根っこには両親の仇、マクーへの復讐、という思いがあったりする月子…… 劇中で描かれないけど。
というか月子は要所でその辺りをちゃんと描いたら、もっといいキャラになっていたのでは。やりすぎるとミミーさん差し置いて 正ヒロイン化しかねないので、バランスが難しい所ですが。もともとあまり詰める気は無かったのでしょうが、ミミーさんと月子も、 もうちょっと絡めて話を作ればお互いのキャラクターも活きたと思うので、その辺りは実に勿体ない。
『ギャバン』は全体的に、主人公・一条寺烈は非常に魅力的ですし、そこを描く事には力を入れているのですが、その分、周辺キャラが 詰め足りない所が今見ると勿体ない。それ故に、烈がひときわ輝いているという面はありますし、多分、戦隊との差別化という意図が強く 出過ぎたのかな、という所はありますが。
というわけで、終盤に向けて、ちょっと月子を見直す事にしました……まさかのヒロインの座デッドヒート展開とか来てもこれで 大丈夫!(それは多分、ない)
しかし、烈がやたらに地球に順応しているのは、地球育ち(?)というのもあるけど、陰に月子の協力もあったりするのかとか考える と、その辺りは面白い。スーパーの特売の日とか教えてくれているに違いない。
……ただ月子には、本命は烈な上で、当山と小次郎を微妙に天秤にの乗せて弄んでいる、という若干の悪いイメージがあったりします が(笑) 当山といえば、ダブルモンスター初登場編で、烈から受け取った札束をどうしたのかが気になります。
- ◆第36話「恨みのロードショー 撮影所は魔空空間」◆
- フランスの新聞に、
「映画『ギャバンへの復讐』、東都映画撮影所で特別試写会」の広告。
罠にしても意味不明すぎる
まあ、以前にも劇中に烈がフランス語の新聞で情報収集しているという謎描写が入っていたので、マクーが烈の情報源をしっかり下調べ していたという事なのでしょう。或いはハンターキラーさん情報で、「宇宙刑事はフランス語の新聞を愛読している」という現地ルール 情報があったのか。それとも、実はフランス語は銀河共通なのか。もしかすると、烈のマクーの会話 は全て、フランス語で行われているのかもしれない。
罠とわかっていても、躊躇わずに乗り込むのが、ギャバン。
よろしく勇気。
もちろん、罠。
案内された試写会場に入った途端に、席に拘束される烈。
そしてスクリーンに流れ出すフィルム、『ギャバンへの復讐』のタイトルが現れ、ナレーションが流れ出す。
宇宙刑事ギャバンは、我らマクーの敵である。しばらく、過去映像でギャバンとその兵器の無双ぶりが流れます。
見よ、ギャバンの悪辣非道なる残虐行為を。
(2012年1月5日)