■『宇宙刑事ギャバン』感想まとめ2■


“走れ 叫べ 転がれ 飛べ
   おお 蒸着せよギャバン”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『宇宙刑事ギャバン』感想の、 まとめ其の二(11〜20話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ3〕  ・ 〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕


◆第11話「父は生きているのか?謎のSOS信号」◆
 次回予告で盛り上げた割には、ぐだぐだ回。
 宇宙刑事専用のSOS信号をキャッチした烈。果たしてその信号は、父ボイサーからのものなのか、それとも、ハンターキラーの罠なのか?! 

 あ……ありのまま 今起こった事を話すぜ!
 『烈がSOS信号の発信源を探しに行ったところ基地に置いてきたミミーが途中で無理矢理乗り込んできたのに、 マクーの地雷原を突破する羽目になったら「もう嫌!」と途中で一人で帰りやがった! 山の中がいきなりウェスタン村に変わったと思ったら 酒場の客に襲われ、そこを突破したら埠頭の工場地帯でまたも襲われ、途中で拾った犬を連れてなんとか逃げ出したら、 川原でミミーが烈を治療していやがった! しかも通りすがりに助けた女がボイサーの知り合いでボイサーが居そうな場所を知っているという!  おまけに拾った犬には何の意味もない!』
 な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何が起きたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……予算が足りないだとかロケ地の都合だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしい脚本の片鱗を味わったぜ……

 なお、この回の監督の趣味だったのか、依頼していた楽曲が出来あがったのか、唐突に挿入歌祭。
 冒頭から戦闘まで、新しい挿入歌が3つほど入りましたが、率直な所、戦闘シーンは主題歌がはまりすぎるので、 他に要るかといえばあまり要らない。

◆第12話「遊園地へ急行せよ!UFO少年大ピンチ」◆
 昼間っから堂々と編隊を組んで飛行しているマクー戦闘機。
 今回は、小山ゆうえんちコラボ企画。
 遊園地のタワー(父親がそこのレストラン?で働いている)から、望遠鏡を覗くのが趣味の少年が見たのは、秘密基地に日本沈没計画の 資材を運ぶマクーの活動であった。
 コラボ企画という事で、やたら具体的な地名に存在する秘密基地ですが、大谷観音・大谷資料館(石切場)ロケは、いかにもマクーの 秘密基地がありそうな、いい絵になりました。
 たまたま(もうこのパターンには眼をつぶってください)、アバロン乗馬クラブの子供達の親戚だった少年は、「UFOを見に来ない かい?」とクラブへ手紙を出す。行きたがるクラブの子供達だったが、会長に「夏休みになってから」としごく当然の事を言われる。
 それに対して、
 「君たちの代わりに俺が見てきてやる」
 斜め上だな、烈……
 勿論、「給料、半分にするぞ」と怒られるのですが、ここでもはやコピーロボットか生け贄か状態の、小次郎さんを乗馬クラブで働かせる事 で、小山ゆうえんちへと向かう烈。しかし少年とその父には、戦闘機を目撃された事を察知したマクーの手が既に伸びていた。脅迫を 受けた彼等はUFOを見たのは出鱈目、と口にするが、烈はその態度をいぶかしむ。
 一方同じ頃、先週出てきたボイサーを知る女(月子)、がなぜか2週連続で登場し、ミミーとペアで行動。烈の後を追う二人は、少年と 接触するが、目の前でベムモンスターに少年をさらわれてしまう。今回の怪人(ヤギ?)が凄いデザイン。格好悪い中にそこはかとなく 狂気をにじませ、ヤギっぽいのに何故か口から用途のよくわからない白い粉を噴く、というあまり子供の頃には見たくなかった着ぐるみ。
 後は遊園地バトル→石切場潜入→少年救出→魔空遊園地バトル、でギャバンダイナミックでフィニッシュ。今回も挿入歌祭で、 ドルギランのテーマ?の変な巻き舌が面白かったです。
 事件解決後、倦怠期にでも入ったのか、2週続けて、ミミーを置き去りにするギャバン。
 ……ギャバンはデフォルトでモテ人生送ってきたので、女性に気を遣う、という技能が欠落しているタイプだよなぁ、多分。
 「え? 女の子に声をかけられるのって当たり前じゃないの?」的な。
 ところで今週のドン・ホラーの台詞、
 「装置を完成させるまでは、深く静かに潜行せよ」
 似たような事を言う悪の組織がどこかにあったような気がしたのですが、思い出せない。『超光戦士シャンゼリオン』のダークザイド か……?
 なお、舞台となった小山ゆうえんちは、2005年2月で閉園との事。
 〔小山ゆうえんち公式〕

◆第13話「危うし烈! 大逆転」◆
 ……なるほど、ダブルマンに色々なデザインがあるのは、“色々な星の宇宙人”という設定だったのですね。(映画『スター・ウォーズ』 の影響との事)
 ギャバン相手に苦戦の続くマクーはそんなダブルマンの中から、ドン・ホラーに反抗的な為、牢に閉じこめていた者を選出。このまま 処刑されるのを待つか、ギャバンを倒した手柄で無罪放免になるか、どちらかを選べ、と迫り、出撃させる。だが、勇躍出撃したダブル マンもギャバンに撃退される。「この腰抜けめ!」と再び牢に入れられる所であったダブルマンだが、「儂とモンスター を合体させてくれ!」と提案。これを「画期的なアイデア」と評価したドン・ホラーにより、マクーは生体転送装置を研究する 香月博士を誘拐・脅迫し、生体合体装置の開発を要求する。
 ……地球人の技術頼りなのか(笑)
 つまり、『ザ・フライ』のあれで、最初から意図的に『ザ・フライ』しようという計画です。
 博士が行方不明になった事を知り、現場を訪れる烈。警察の現場捜査中に平然と立っているのですが、あれか、いつも着ているそれ は、ステルスジャンパーだったのかもしかして。(なお、この後に警察の捜査に立ち会ったり協力したり といった展開は全く無いので、この回のちょっとした暴走だった模様)
 更に家族の元を訪れる烈であったが、そこへマクーの脅迫に屈した香月博士が帰宅。「マクーですか?!」と詰め寄る烈はちょっと オカシイというか、今回の烈は、随所でブレーキが外れ気味。
 香月博士の態度を怪しんだ烈は、彼の子供との約束を盾に、博士の研究室へ侵入(鍵開け技能を披露)。普通に大迷惑な居座り 作戦を決行する。
 一方、ミミーと月子(2週前から登場の、ボイサーと面識があると主張する娘)は、香月博士の妻子のガードとして、テニスサークルに 参加していた。そこへギャバンの目を博士の研究室から逸らす為、妻子をさらいに現れるマクー。

 勿論、なんの役にも立たない二人

 博士の妻子が攫われた事をギャバンに報告しに来たミミー、香月博士の前で鳥から人間に戻っているのですが、もう何でもありですか 今回。
 ギャバンとミミーが慌てて外へ出た隙に、生体合体装置でダブルマンとベムモンスターを合体させるハンターキラー。そして遂に、 “ダブルマンの知能とモンスターの力を併せ持つ”(ナレーション談)ダブル モンスターが誕生する!
 陽動に気付いて引き返した烈は、マクーの手から逃げ出した博士と家族を助けるが、その前にダブルモンスターが姿を現す。圧倒的な パワーで、烈を苦しめるダブルモンスター。
 ここでのダブルモンスターの怪力アクション演出は非常に秀逸。爆発的なパワーと、翻弄される烈の苦戦ぶりがよく出ています。
 特に、
 車のドアを外して投げつける×2→烈を放り投げる→ドアの外れた車内に飛び込む羽目になる烈→反対側から脱出しようとすると ドアを蹴り飛ばされる→烈ごと車をひっくり返す→引きずり出して再び投げ
 は格好良かった。
 電柱を破壊し、壁をぶち壊し、大暴れするダブルモンスターだったが、ギャバンダイナミックにより何とか撃退には成功する。しかし 戦いは痛み分けといってよく、前途に大きな影を落とすのであった。
 夕陽に向かって誓う烈、「どーんと来い、マクー!」
 蒸着せよ、ギャバン!

 という事でサブタイトルの「大逆転」は、「マクーが宇宙刑事に大逆転」の「大逆転」でした。

◆第14話「愛と悲しみの別れ とどめの一撃!!」◆
 ダブルモンスター出現の報に、わざわざバード星からギャバンの筋トレ指導に地球にやってくるコム長官。
 富士山をバックに、いつものキラキラした服のまま、剣と盾を構えたコム長官がギャバンと戦闘訓練を行う場面は名シーン。
 更に二人で戦闘記録を検証し、ダブルモンスターの弱点が、執拗に盾でガードする右胸にあるのではないか、と結論づける。「おそらく ヤツの心臓は右胸にある!」…………いや、心臓だったら、分析するまでもなく誰でも弱点のような(笑)
 ……そういえば長官も長官だけに、昔は宇宙刑事だったのかもしかして……この人もつまり、バリバリの超武闘派なんだな、 きっと。
 あと基本的にギャバンは、盾持っている敵が苦手。
 そんな二人の特訓を見ながら、
 「このままパパやマリーンと一緒に帰りましょう、バード星へ」
 とのたまうミミー。

 まさかの職場放棄宣言

 本当にやる気ないな、ミミーさんは!

 さすがに烈と長官にたしなめられますが、もう、この娘、連れて帰れ長官。
 一方、ギャバンとの決着を望むダブルモンスターは、地球でギャバンの姿を探していた。
 ここで人間態が出てくるのですが、なんと、いうか、何故か、というか、シルクハットに黒マントでステッキ持った 奇術師ルック! そして演ずるは、潮健児!
 降臨したビッグゲストが牛の匂いに誘われて辿り着いたのは、犬にミルクをやっている月子さん。いつの間にやらアバロン乗馬クラブ に入り込んでいる月子さんですが、このままセミレギュラー化なのかしら。正直、小次郎さん一人でも割と鬱陶しいんですが(笑) ミルク をやっていた犬が、月子登場回で烈が拾ってきた犬なのかどうかは、いまいち不明。そもそも、乗馬クラブでも犬飼ってますしね……。
 牛の匂いと牛乳の匂いを混同するダブルモンスターも大概ですが、何故かそのまま、月子をナンパ(笑) 逃げ出す月子。120% 危ない人なので、それはもう、仕方ない。
 ギャバンが特訓しているに違いないと考えたダブルモンスターは、自身も魔空要塞で構成員相手に戦闘訓練。
 「一暴れしたら腹が減った! 牛だ、牛が喰いたい!」
 と、再び地球へ。
 本当にダブルマンの知能残っているのか……?
 というか、マクーも、ステーキぐらい基地で用意してやってください……。
 牧場に入り込み、牛をたいらげるダブルモンスター。翌朝、この事件を知ってこれを見に行った烈が、綺麗にたいらげられた牛の骨と、 モンスターの足跡を調べるシーンはちょっと演出が変な事に。牧場に骨がそのまま置いてあって、後ろを普通に牛が歩いている、というの はどうなのか(^^; 今回は面白いのに、ここだけ非常に残念なシーンでした。牧場ロケにこだわらずに、骨だけ空き地に転がして おいても良かったのに。
 迫る決戦の時、遂に、ダブルモンスターから烈に果たし状が!
 それを受け取った烈は、物凄く真剣な表情で、ミミーに「金を貸してくれ」と迫る。
 宝石箱を持ち出すミミー。以前の回でマリーンも宝石を売って現金を作っていましたが、バード星の宝石は地球で売り捌くと一つ一千万円 ぐらいになる模様。……大丈夫か、換金に行った先で、逮捕されないか、烈。
 最後のお別れになるかもしれない、とミミーからの借金で乗馬クラブの子供達を多摩動物公園に連れて行く烈。同僚の当山と、なぜか 月子も同行。
 変なドーパミンでも出ているのか、ジャンパーの下から札束を幾つも取り出した烈は、「俺は用があるんで、これで子供達にうまいもの でも食わせてやってくれ」と月子に100万円を渡してジープに乗って去っていく。子供達が「烈さん、ありがとー!」と超手を振って いるが、それはそうだ。
 やりすぎて、微妙にいいシーンで無くなってしまいました。
 ミミーに貰ったお守りを手に、ダブルモンスターとの決戦の場へ赴く烈。岸壁に立つ謎の奇術師(潮健児!)、そして蒸着するギャバン!  とここは素直に格好いい所。で、てっきり一騎打ちかと思ったのですが、空気を読まないドン・ホラーが魔空空間を発動。マクー 戦闘機も出撃で、バトルはいつも通りな感じに。というか前回がイレギュラーで魔空空間無しだったので、その分、今回は定番バトル 入れないといけなかったのでしょうが。
 最後は回転切りによってパワーを増したギャバンダイナミックで、ギャバン大勝利。
 しかし生体合体装置を手に入れたマクーは、ダブルモンスターを生産可能に。いよいよ戦いは激しく……の前に、借金返済の為に、 働けギャバン! 早く返さないと、どんな書類に判子を捺すよう迫られるかわからないぞギャバン! 労働せよ、ギャバン!

◆第15話「幻?影? 魔空都市」◆

 傑作回

 今回は、獣星帝国の建国記念日スペシャルというわけで、マクーさんが超気合い入った攻撃で、 ギャバンを苦しめます。
 高熱で倒れた少女を道で助けた烈は、少女を家に送り届け、医者を呼んでこようと病院に向かうが、いきなり看護士達に取り押さえ られ、診察台にくくりつけられる。何がなんだか視聴者もよくわからない内に、動きを封じられた烈に迫る、天井からのプレス台。 間一髪、押し潰される寸前に脱出した烈だったが、それは激しい戦いの始まりだった――。
 今回は、全編が擬似的な魔空空間という設定らしく、烈がジャンプする度に、激しく場面転換します。もう、 ジャンプするな烈、という感じですが、一条寺烈、宇宙刑事として大袈裟に跳ばずにはいられない男。
 病院からの脱出シーンにおける、
 大ジャンプ→途中で送電線に掴まってロープアクション→屋根を2段転がって着地→「あー、びっくりしたぁ」で済ます
 に始まって、全編アクション大盤振る舞い。大葉健二の生身アクション8割増し、鬼才・小林義明の気合いの入った演出で、 ひたすら、アクション・アクション・アクション! 刀持っての立ち回りもあり。
 しかし何を考えていると、電話ボックスから飛び出してくる山伏、なんてシーンを撮れるのか(笑) まあ真骨頂はその後の、 烈を取り囲む3体の着ぐるみ、執拗に挿入される手毬歌、の方なんですが。
 空間転移に悩まされながら、ひたすら烈がマクーの襲撃を切り抜ける、という内容で、ストーリーは全く無いのですが、基本、大葉健二 のアクション見るのが楽しい今作なので、特に問題はありません(笑) むしろ下手にあるよりげふんげふん。まあ、毎回こういうわけ にはいかないでしょうが、思い切った脚本と演出で、非常に面白かったです。
 中でも、日傘を差した和装のミミーさんが出てきて、「このくそ暑いのに、なんて格好してんだよ」と呼びかけた烈に、
 キレて銃撃するシーンは最高
 勿論、マクーの変装というか幻像なのですけど、折角おめかしして出てきたのに、いつも茶色の皮ジャン着ている男に「このくそ暑いの に、なんて格好してんだよ」とか言われたら、それはミミーさんもキレるさ!
 最終的には、ダブルモンスターを倒した後、少女と和気藹々して終わるのですが、でも医者呼ぶのに失敗したよね……とか結局いつから 魔空空間? とかツッコミ所が残ったので、倒し終わったら、そもそも少女と出会ってもいなかった、というか少女との遭遇自体が マクーの仕掛けであった、でも良かった気がするのですけど、そこだけちょっと残念。

◆第16話「初恋は宝石の輝き さようなら銀河特急」◆
 アバロン乗馬クラブの子供である、わかばのクラスに転校してきた少年、雨宮三郎。彼の正体は、レイク星人の科学者Dr.バーンズの 息子、ベンであった。母星をマクーに襲われた博士は、息子と共に地球に亡命していたのだ。博士の開発した放射能クリーン装置を狙う マクーの魔手から二人を守ろうとするギャバンであったが……。
 三郎にほのかな恋心をいだくわかば、が物語の軸の筈なのですが、遭遇→苛められている所を助ける、以外の描写が全く無く、次に出て きたらいきなりデート、という超展開で全く意味不明。
 しかも三郎側の視点が一切ないので、宇宙人の少年がぶらり立ち寄った地球で、地球人の少女の純情を 弄んだとしか表現のしようがない。
 一方なぜか、Dr.バーンズ宅に忍び込む烈。
 そこでDr.バーンズが既に死亡し、息子のベンが研究を引き継いでいた事を知るのだが、帰ってきたベンに警戒されて、 危うく爆死させられそうになる。
 ……それはまあ、帰宅したら知らない男が家の地下に居て、ニコニコしながら「宇宙刑事ギャバンです」と近づいてきたら、
 正当防衛として許される範囲。
 逃げ出したベンに迫るマクーのダブルモンスター。ここで、三郎少年の母親を偽装していた護衛アンドロイドが、40がらみの普通の 主婦ルックなのにキレのあるアクションでマクー構成員を撃退して格好いい(何者?)。しかも目からビーム。とどめは、善戦する もダブルモンスターに投げ飛ばされて、大爆発。今回、最大の見せ場。
 最後は駆けつけたギャバンがダブルモンスターを撃破し、ベンとしての正体に戻った三郎少年は、宇宙へと帰っていく。……特に別れの 挨拶とかもないままに。いったいぜんたい、今回の話にわかばちゃんを絡めて、初恋がどうとかやる必要があったのかといえば全く無い上 に、やるならちゃんとやってあげなさいと、非常に酷い話になりました。
 ところで15話以降は何の説明もないまま敵はダブルモンスター、という事になっているようなのですが、アクション的には確かに、 ギャバンが少し苦戦するようになっていたり。

◆第17話「走る時限爆弾!白バイに乗った暗殺者」◆
 街で知り合った白バイ警官(二枚目)にちょっぴりときめいて、手を繋いでデートしたり、イチャイチャするミミーさん。
 その警官(ダイジョウジ・ゴウ)に兄として紹介された烈は、状況がいまいち飲み込めず、コム長官に相談する。
 ……いやお父さん、遠い地球で知らない男と娘がイチャイチャしている話なんて聞きたくない から!

コム「ギャバン、ミミーは、大人になったんだよ」
ギャバン「何を言ってるんですか、コム長官。ミミーはとっくに大人ですよ」
コム「いや私がいいたいのは……そういう、意味では、ないんだよ」
ギャバン「じゃあ、どういう意味だっていうんですか?」
マリーン「ギャバンね、ミミーは恋をしたのよ」
ギャバン「ええ?! 恋!」
マリーン「春の目覚め」
ギャバン「なぁんだ、そういうわけだったのかぁ……(ぽむ!)……長官、ひとおもいに結婚させちゃいますか!」
コム「おいおいギャバン、いくらなんでもそいつは乱暴すぎるよ」
ギャバン「じゃあ、別れさせるんですね」
コム「待て待て。それじゃミミーが可哀想じゃないか」
ギャバン「じゃあ、どうするんですか?!」
マリーン「ギャバンったら、男と女の心理がからっきしわからないのね」
ギャバン「わかってりゃこんなこと相談しやしないよ!」
マリーン「ギャバン、ミミーが本当に好きなのはあなたなのよ」
ギャバン「俺かぁ………………え?!
マリーン「つまりミミーはね、彼を好きになったふりをして、あなたの気を引いてるのよ」
ギャバン「はは…………難しいんだなぁ、女心って」

 お父さん、色々な意味で涙目

 ギャバン、本当に最悪

 ところでこのシーン、あくまで仕事ではなくプライベートな語らい、という事を演出したかったのか、スクリーンの向こうでコム長官と マリーンが何か食べながら話すのが、とても気になる。執務室でなに食べてるんだあれ……。
 そんなある日の事、ダイジョウジ・ゴウがミミーの前でマクーにさらわれる。指定の場所に駆けつけた烈は、ハンターキラーの声で、 「ダイジョウジ・ゴウを助けたければ車に乗れ」と、用意された自動車に乗ることを要求される。エンジンを掛け、走り出した烈。 ところが、その車はブレーキが利かず、更に、30分後に爆発するという! 制御不能の車に乗ったまま、ダイジョウジ・ゴウが囚われて いるというサファリパークに30分以内に辿り着かなければならなくなった烈は、ひたすら街を暴走。
 車はクラッシュするわ、明らかに怪我人が出ているわ、なかなかきわどいです、ここ。
 で、前々回のアクション回に対応する形でカーアクション回をやりたかったのか、ひたすら暴走。最終的には、崖から落ちて爆発する のですが、カーアクションありき、といった脚本で、結局、マクーが何をしたかったのかは、よくわからず。次回 予告では「車を止めたらミミーが死ぬ!」みたいな煽りをナレーションしていたのですが、そんな設定は全くなく、単純にブレーキが 利かないだけなので、烈はもうちょっと何とか出来た気がするだけに、ネタのコンセプトを生かし切れなかった印象。
 そんなこんなで、ぼろぼろになった烈はサファリパークに駆けつけるが、マクーの人質だと思われたダイジョウジ・ゴウの正体は、 ダブルモンスターだった! 烈を罠に仕掛ける為にミミーに近づいたダブルモンスターに、ギャバン、怒りのレーザーブレードが唸る!
 最後は、元の鞘に戻ってめでたしめでたし、でエンド。まあ、元鞘もなにも、ミミーさんからの一方的な鞘当てだったわけですが、 むしろ、ギャバン最悪、本当に最悪、というのが浮き彫りになった回でありました(笑) ナチュラルなモテはこれだから困る。

◆第18話「乙姫様コンテスト ハチャメチャ竜宮城」◆
 浜名湖畔で、女性達の水着写真を撮影しまくる小次郎さん、目つきが通報寸前。
 そんな小次郎は、一緒に遊びに来ていた当山と共に水難事件に遭遇する。その頃浜名湖畔では、若い娘が水中に引き吊り込まれて行方 不明になる、という事件が続発していた。これはマクーのオオガメダブラーが、乙姫様を捜している為だった。
 さらってきた水着の娘に催眠術をかけ、「乙姫様ならこの靴がぴったりな筈……」と、用意した靴を履かせようとするオオガメダブラー。
 …………なんだ今回は、ギャグ回とか水着回とか通り越して、変態回なのか。

 「こんな道楽をやっている場合ではないだろう!」とさすがにキレるハンターキラーさんに、
 「私の生き甲斐」と返す、オオガメダブラー。
 早く何とかして、ギャバン。
 そんなマクーの真の目的は、

 タイムマシンで竜宮城に行く事であった

 ……ホントなのよ、今回ホントにそういう話なのよっ?!
 竜宮城の財宝を奪う事を目的とするマクーであったが、未完成のタイムマシンで辿り着く事が出来ず、引き続き、開発を急がせることに なる……が、それよりも乙姫様探しに熱心な、オオガメダブラー。
 あれか、もしかして、生体合体装置の副作用……?  一方その頃、小次郎の連絡を受けた烈は、なぜか月子とともに浜名湖へと向かっていた。途中でミミーが現れるが、「マクーの罠がある かもしれない……」と言うと、「怖いの嫌!」と鳥になって飛び去ってしまう。
 うーん、ミミーさんはミミーさんで、本当にダメだ
 小次郎の撮った写真でマクーのモンスターの存在を確認した烈が、月子とともにボートを走らせていると、オオガメダブラーに襲われる。 その襲撃は撃退するが、月子を「乙姫様だ!」と見定めたオオガメダブラーは、催眠術で彼女をさらっていく。
 オオガメダブラーの、「乙姫様」とか、「竜宮城」とか、の言葉を手がかりに……調査を進める烈。
 なんか、ナレーションもなげやり。
 湖畔にあった祠を調べると、浦島太郎の物語の書かれた絵巻物が!
 よその星の信仰など知った事ではない、という勢いで、巻物を持って帰る烈。マクーの基地を探るべく、オオガメダブラーをおびき寄せ ようと、浦島太郎に扮装する
 ……ホントなのよ、今回ホントにそういう話なのよっ?!
 オオガメダブラーを騙し、マクーの基地の潜入に成功した烈。さらわれた女性達を助け、タイムマシンを破壊すると、マクーの陰謀を 阻止するのであった。
 ちなみに乙姫様の役は、月子も不合格で、結局最後に乱入してきたミミーさん(帰ったのでは……)がヒロイン力を見せて勝ち取ります。
 今回は完全に作っている方もふざけているので、ちょっと酷い回でした。……なんだろう、どういう夏休みスペシャルだったのか(^^;
 それにしても、本編通してのミミーさんの頓珍漢ぶりは、「ギャバンが好きだから」で許されないレベル。そんな娘にだだ甘のコム長官 は、そのうち不正経理内部告発とかされて、宇宙警察が内部崩壊しそうで心配です。 ……しかしこの後、3部作という事を考えると、コム長官はそうとう巧く隠蔽しているのだろうなぁ。

◆第19話「午前6時蒸着!Zビームチャージ完了」◆
 恐竜ダブラーとの一騎打ちで、コンバットスーツのエネルギー装置を破壊されたギャバン。レーザーZビームとレーザーブレードの 二大必殺技が使用不能に陥り、大苦戦を強いられて負傷する。
 冒頭の、ギャバンジープvs恐竜人間態バイク、のカースタントが格好いい。
 ……だけに、変身した恐竜ダブラーの格好悪さが非常に勿体ない(笑)
 ミミーからの報告を受け、コンバットスーツ修理の為にわざわざやってくるコム長官&マリーン。
 無事に修理が完了し、しばらく、動作テストにかこつけて、ギャバンだいずかん状態。
 完全復活したギャバンは、負傷して逃亡中の自分を助けてくれた家族が、マクーの配下にさらわれた事を知る……というかカメラ位置的 には、明らかに烈が、負傷の手当を受けて立ち去る前に、監視カメラを仕掛けています
 猪苗代湖などでのボートアクションもあり、最後は見事、ギャバンダイナミックで完全勝利。
 エネルギー回路の破壊に関して、「ダブラーのパワー、恐るべし」という指摘が作中にあったり、怪人がダブラー化してパワーアップ してからは、ギャバン(烈)の苦戦描写が増え、結果的に戦闘がより面白くなったのは非常に成功しています。
 ところで今回も挿入歌祭。
 中でもドルギランの歌が、けっこう耳について困る。
 倒せダブルメェ〜〜〜ン♪ 砕けモンスター♪

◆第20話「なぞ?の救急病院!人類の大滅亡が迫る」◆
 少年が拾った美しい石は、摂氏60度に達すると周囲の酸素を吸収してしまうという、恐ろしい隕石・鬼火隕石の欠片であった。 隕石の本体を求めるマクーは、酸素欠乏で重体となり病院に運ばれた少年をさらい、脳の記憶から隕石の場所を探り出そうと画策する。
 少年の身の安全を守ろうと、月子さん、ナースコスプレ。
 しかし、全然ときめけない
 せめて、ミミーさん……。
 結局少年は手術室からさらわれてしまうのですが、手術室に裏口があって、そこから通路で繋がった病院の隣のビルの地下に秘密 基地が建設されている辺り、マクー、相変わらず、恐るべし。
 少年の記憶を読みとり、隕石本体があるとおぼしき場所へ向かうマクー。しかし何故、ケラダブラー。いわゆるオケラも、 今よりずと、ポピュラーだったのですかねぇ……。確か『仮面ライダーBLACK』にも、オケラ怪人が居たような気が。
 最後はダブラーの爆発に反応し、彼等が探っていた岩山そのものが鬼火隕石であった事が判明。危険な隕石はドルによって宇宙空間で 破壊され、少年も無事に回復、マクーの陰謀は阻止されたのであった!
 最後に、病室の少年達を見舞うシーンでミミーが意味もなく和装なのですが、これは演ずる叶和貴子さんが「和服美人」として売って いたそうなので、特に何の意味もなく、そういうサービスなのだろうなぁ。確かに、叶和貴子さんの着物姿は綺麗。
 今週は大先生がお休みで、脚本が松下幹夫。初めて聞いた名前。この時代の特撮見ていて、全く覚えのない名前が出てくる、というのも 珍しいというか、そういう場合は大概、スタッフの変名だったりするのですが、調べてみたものの、ほとんど情報なし。『新・実録おんな 鑑別所 恋獄』という作品に脚本としてクレジットされていたぐらい(同一人物かどうかは不明)。あと『太陽戦隊サンバルカン』22話 にも名前があったので、監督の誰かか、東映関係者かなぁ……。内容は特色もなく、なんというか、いつも通りでしたし。

→〔まとめ其の三、へ続く〕

(2012年1月3日)


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