■『特捜エクシードラフト』感想まとめ10■
“エクシードラフト おれたちのゴールは いつも未来さ”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特捜エクシードラフト』
感想の、まとめ10(46〜最終話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔総括〕
- ◆第46話「魔獣を飼う美少女」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
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フリーのルポライター・本田カツアキが刺殺される。どうやら本田は取材で手に入れたネタをもとに恐喝まがいの事をやっていたらしく、
軍事に転用できる特殊大型車両を輸出していると噂の真壁重工業に手を出して消されたらしい。真壁重工業に捜査の手を入れようとした矢先、
「肩がぶつかって揉めた勢いで刺し殺した」と自首してくるチンピラ・井上。隼人は井上を「徹底的にしめあげよう」とするが、
今度はその井上が、取調室で常識ではあり得ない無残な死を迎える。そして、真壁重工業の社長も……。
炎の中で全身八つ裂きになった死体、響き渡った猛獣の声。
「常識を越えた、超常現象による殺人か……」
超能力研究所で話を聞いたエクシードラフトは、生まれてから10年間、昏睡状態で眠り続け、生命維持装置に繋がれている本田の娘・
恵子が超能力を発現させて二人の人間を死に至らしめたのではないか、と疑いの目を向ける……。
今作の世界観では超能力の存在は実証されているので、この展開自体は有りです。
なにしろこの研究所、国の正式な研究機関!
本田家を訪れた研究員達は恵子を調査、昏睡状態の彼女から強い念動波を感知するが、
その母・弓子は恵子を研究所へ連れて行く事を拒否する。
この10年、本田夫妻は娘の為に様々な病院や研究所を訪れてきたが、国を始めとして、誰も助けてくれるものは居なかった。
月200万かかる生命維持装置の費用を払う為、本田は大手新聞の記者を辞め、時に汚い仕事に手を染める身となり、
それでも夫婦は恵子がいつか目覚める日を夢見て、必死に娘を育て続けてきた……だというのに
弓子「自分達で見捨てておきながら、今になって研究させろなんて、どうしてそんな勝手な事を国はおっしゃれるんですか」
博士「……管轄の違う話はわからん」
耕作「でもやっぱり、調べさせていただかないと。二人の人間が現に殺されているんです」
弓子「おっしゃるとおり、心の中に憎しみは抱いたかもしれません。でも、この子は相手に指一本触れちゃ居ません」
拳「だからその憎しみが超能力になって」
弓子「人が憎しみの心を持ったら、犯罪ですか? あなたも、あたなも、あたなも、人を憎んだ事はないんですか? あなたは、
一度も殺したいほど誰かを憎んだ事がありませんか」
耕作「しかしお嬢さんは」
弓子「歩けない、喋れない、ただひたすら眠るだけの人間には、人を憎む権利もないんですか?」
もうすっかり超能力殺人でその気になっている耕作と拳と、対する母親がが微妙に噛み合っていない所も含めて、
オカルトネタから地に足のついた社会派テーマにずらして着地させるという、このやり取りを書けるのが、
扇澤脚本の巧さ。
また、今作ではエクシードラフト個人の踏み込んだエピソードを幾つか展開していた事もあって、「あなたも、あたなも、あたなも、
人を憎んだ事はないんですか?」という台詞が意味を持って機能しています。
隼人はその場を引き上げさせ、弓子の言葉に思い悩んで黄昏れる。
(我々に、人の心の中まで裁く、権利があるのだろうか……)
そこへ飛び込んでくる、恵子が拉致されたという連絡。真壁重工業の手先となっていたヤクザものたちが
エクシードラフトの後をつけて恵子の存在に気付き、自分達で利用しようと考えたのである。ヤクザものたちは真壁重工副社長の秘書を
超能力で襲撃させ、副社長を脅迫。そこへエクシードラフトが突貫するが、騙されやすい恵子は、ヤクザに
「父親殺しの本当の犯人はエクシードラフトだ!」と吹き込まれ、エクシードラフトを攻撃する!
ブルース、キースがヤクザと取っ組み合っている間、ひたすら超能力の炎に焼かれまくるレッダー。それでも必死に恵子に呼びかけ続け、
恵子の元に辿り着くと、恵子は一瞬目を開き、その両目から涙がこぼれると共に、見えない魔獣は姿を消す。
「隊長の声が届いたんですよ!」
「恵子ちゃんの心から憎しみが消えたんです」
「俺には、最後まで、あの子の心を救えなかった……」
「だって猛獣は消えたじゃ……」
生命維持装置のパネルは、恵子の脳波の停止を示していた――。
超能力殺人が立件できるかはさておき、実際に二人殺しているし、エクシードラフト側に恵子の説得材料はないしでどうするのかと思ったら、
凄い弾をぶち込んできました。
またも完全敗北なのか、という所ですが、『ウインスペクター』『ソルブレイン』両作の最終回と少し違うのは、隼人が恵子を
“救おうとしていた”事。前2作の最終回で最も致命的だったのは、対峙した悪を“救おうともしていなかった”
(少なくとも、そう見えなかった)事なのですが、そこからは一歩前進しました。
とはいえヒーローの敗北に代わりはなく、レスキューシリーズをシナリオ面で大きく支えてきた扇澤延男が、
その最後に真っ正面から書いたのが、“レスキューポリスの限界”だったというのは、
色々と考えさせられます。
シリーズとして見た場合、シビアな逮捕とかが初期は面白みになっていたのが、
最終的には綺麗事を許さない縛りが強くなりすぎたよなーと。そしてそれが当たり前になりすぎてしまった事で、
シナリオ上で面白く使えなくなってしまった。色々と試行錯誤はありましたが、ヒーロー性と社会派ドラマのバランスとして見た場合、
結局、『ウインスペクター』が一番、よく出来ていた、というのも後半厳しくなってしまった点か。
で、憎しみは何から生まれるのか?
それは愛からではないのか?
という要素を仕込んで、これまた何となくシリーズの総括的な物を含んでいる辺りは、さすが。
身も蓋もない事を言ってしまえば“人の心には踏み込めない部分がある”という事なのですが、それでも出来る限り、
人の命と心を救う為に戦い続けるんだ……とラストの展開でまとめてくれれば、シリーズ的なリアリティにおける敗北を含みつつ、
綺麗に収まりそうなのですけど、予告を見る限り、神と悪魔の最終戦争が始まって、それどころではなさそうだなぁ(^^;
実質的な(《レスキューポリス》)シリーズ最終回、と言っていいエピソードかと思われます。
なお隊長のサイクロンノバのノルマは、叫びながら空へ向けて乱射して達成(笑)
- ◆第47話「正木リターンズ!!」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
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相変わらず、美香の夢にうなされまくる隊長。
「あと、20日……?!」
前回決裂したのに、相変わらず隊長に電波を送りまくるのは、明らかに美香ちゃんの嫌がらせ。
そして何故か愛も、美香の姿を見ていた。
「あなたは、主の神の子を宿したのです」
いきなりの処女受胎?!
「神の子? 馬鹿馬鹿しい、寝ぼけちゃって」
そんな日向家を見つめる犬……大門。
愛の身に起きる異変、迫る最終戦争の時、その兆候は世界各地でも発生し、インターポールでは極秘会議が行われ、
日本からは“ある人物”がそれに出席していた。
「彼が出向いた以上、世界的規模で、なにか重大な事件が起きたとみて間違いはないだろう」
「あの人が……」
「我がエクシードラフトの前身母体、ウインスペクター、ソルブレインの」
「創立者であり、本部長であった」
すっかり伝説の男扱いとなっている、あの人。
まあ、得意の寝業で無理矢理に私的捜査機関を作り上げ、数多の不祥事を闇に葬ってきた人物なので、
警察内部で“伝説”なのは間違いないでしょう。警察庁に籍を置いていたその男は、パリから帰国後、
エクシードラフトと合流する事になる。
そう、
世界観のリセットすら無かった事にして、時空を超えてあの男がやってきた!
その名は、正木俊介!!
帰国した正木のアップの上にサブタイトルが出た所で、流れ出す『ウインスペクター』主題歌。
MAY DAY! MAY DAY!
成り行きはともかく、この演出は燃えます。
そして正木の活躍中心の回想シーン。
やっぱりファイヤーはいいなぁ。
なお回想シーンで正木を血みどろにしているのは、警視庁の防衛システムです、はい。
続けてソルブレイン編も。
憎しみに負けて殴っちゃう回とか
心を救えずに爆死される回とか
だからもう、大樹さんの事は許してあげ(涙)
………………いやまあ、誰が許してないって、私が許してないのですけど(真顔)
(※しかしここでがっちり回想やられてしまったので、正木は時空を超えているけど、基本パラレル世界、
と言いにくくなってしまったのは困った(^^;)
正木がインターポールの極秘会議から持ち帰った情報。
それは、世界各国で原因不明の女性の変死事件が大量発生している、という事であった。
その数、半年で863名!
被害者の女性に共通していたのは、全て妊娠の初期状態にあった事だった。それも本人達に自覚が無い事が多く、しかしその多数が、
殺害前に、天からまばゆい光を浴びる体験をしていたという……。
正木の言葉に、自分の体験を思い出し、動揺を隠せない愛。
驚天動地のキーキャラ昇格に、見ているこちらもビックリです(笑)
事件の調査の結果、浮上したのは大門コンツェルン総帥・大門巌。エクシードラフトに与えられた指令は、
日本にある大門コンツェルンの本社を探る事であった。大門……その名前に、嫌が上でも隼人の鼓動は早くなる!
(大門……悪魔!)
隊長、あなた疲れ(以下略)
早速、大門コンツェルンに向かう3人。先行するバリアス7を追うスクラムヘッドの車中では、耕作と拳が愛の火花を散らしていた。
「まったく……俺たちが気付かないとでも思ってるのかよ隊長!」
「何か隠しているのは間違いないな」
「俺たちじゃ助けにならないって事かよ? このままじゃチームワークにも影響を及ぼすぞ!」
「いや、きっと隊長なりに考えがあってのことだ。俺は隊長を信じる……今までそれで間違いがあったか」
「確かに。この一年間一緒に行動してきて、隊長の素晴らしさはわかってるつもりだ。俺だってな」
愛が止まらない。
その頃、大門コンツェルンの情報を集めようとしていた本部では、
「地獄へ堕ちろ 神の子と一緒に」
というモニターに浮かぶ謎の文字列を見て、愛が逃げ出していた。愛はそのまま産婦人科医に駆け込んで自身の妊娠を知り、
産婦人科の前で電信柱に隠れている正木は、愛の身に起こった異変に気付く。
(まさか……彼女も身ごもったマリア)
というか、おまわりさん、不審者です。
一方、エクシードラフトが踏み込んだ大門コンツェルンの内部は、既にもぬけの殻だった。
「ようこそ、エクシードラフトの諸君」
という大門の言葉とともに、歓迎のビル大崩壊。3人はなんとか脱出に成功し、耕作と拳に問いただされた隼人は、
遂に電波体験を皆に話す事を決断する。
「神と悪魔の戦い?!」
「最終戦争……ハルマゲドン」
「つまり、ここ数ヶ月の間に起こった数々の謎の事件の背後には、その神と悪魔の戦いがあったという事か」
聞くだけ聞いて簡単には信じない耕作と拳だったが、その時、その場の全員に見える形で、美香が本部に現れる。
奇跡の力でシムを操ると、スクリーンに映し出されたのは悪魔の手先に襲われる愛のピンチであった。
愛を守って、怪しい老人軍団と戦う正木アクション祭。
果たしてエクシードラフトは、愛を、神の子を守る事ができるのか?!
と、盛り上げてはみたのですが、ハラハラドキドキするというよりも、呆然と成り行きを見つめる感じに。
最大のネックは、大門の、巨悪としての描写不足。
ここまで大門がやった悪い事といえば、湯田を操ってトライジャケットのエクシードラフトを叩きのめした事ぐらいないのですが、
本来、この世界の悪は、エクシードラフトへの攻撃ではなく、一般市民を脅かす事で描かなければなりません。
そこが欠けているので大門にラスボスとしての存在感が弱く、むしろ美香の方が危険に見えてしまう(最後の審判を下すのが神の側である、
という点では間違っていないのですが)。
おそらく、神と悪魔の戦い、という構図を持ち込んだ時点で、悪いのは悪魔に決まっている、と作り手がその気になってしまい、
“決して神の側が無条件に人間の味方というわけではない”という方だけ書けば多層構造を描ける、と思ったのかもしれませんが、
それは大間違い。
ある程度は強引な軌道修正だったのでしょうが、それにしてもここに至る構成が悪すぎて、何の為に前振り回を入れたのか、と。
- ◆第48話「決戦!最後の審判」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
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それにしてもどうして、大門はゴルフウェアなのか。
悪魔の手先に追い詰められる正木と愛だったが、そこにエクシードラフトが駆けつける。シンクレッダーは敵を打ち払うが、
姿を隠した子供大門に刺されそうになる愛。しかしその愛を守って美香が刺され、「神の子を、守って、お願い」と言い残し、
美香は消滅。
えー……なんかもう、本当にどうすればいいのか。
視聴者的に。
この辺りで、ごく普通についていけなくなりました(^^;
ネタとして受け入れるとかそういう段階も限界を超え、割と本気でどうすればいいのかわかりません。
「もはや猶予は無い。我らが攻勢に出る時がきた」
美香の消滅を見届け、高笑いする大門。
正木はこの事態を受け、再びパリへ飛ぶ事になる。
パリでハルマゲドン問題をインターポールの会議にかける為に。
あーまあ、宇宙人が当たり前だし、本部長が「見えない巨人の仕業」とか言い出すし、基本、この世界の捜査関係者の上層部って、
心が強くて広いですが。
エクシードラフトは大門の新しいアジトを発見し、突貫。だが大門は幻影の罠で、耕作と拳の心の隙間に忍び込む!
「悪魔はなんでも知っている。君が本当は隊長、叶隼人を憎んでいる事もね」
今、愛がためされる!!
というか凄く普通に、大門が「叶隼人を愛している事もね」と、子供番組では不適切な発言
をしてしまうのかと思って、ドキドキしました(おぃ)
空振りに終わったアジトの捜索だが、ここで大門の目的が判明する。
なんと、オゾン層が急速に消滅に向かい、その影響で世界各地の紫外線率が急上昇しているというのだ!
本部へ戻った3人の前で、モニターに姿を現す大門。「人間がオゾン層を破壊してくれていたので、最後の一押しで消し去れたのだ」と、
急に盛り込まれる環境問題。
これはレスキューポリスシリーズとして通しのテーマではあるのですが、通しのテーマであるだけに、
例えば美香に「人類の環境破壊が悪魔に力を与えている」と言わせておくとか、そういった細かい仕込みの不足が残念でなりません。
とにかく、ちょっと丁寧にすればだいぶ印象の変わる部分があるのに、展開と構成が雑すぎます。
正木の乗った飛行機は消息を絶ち、大門の催眠洗脳により、愛に銃を向ける耕作と拳。
愛が足りてない?!
隼人と本部長はそれを寸前で阻止するが、内部で銃を乱射された事により爆発炎上、崩壊していく本部。隼人に愛を託し、
本部長は耕作と拳を押さえつける。
「ゆけぇ! 隼人、日向くん! この地球のために、人類のために生きてくれ! 二人とも生き抜いてくれぇ!」
炎の中に消えてゆく3人。
格好いいテーマで大崩壊する本部。
待って、耕作と拳が銃撃っただけだぞ(笑)
どれだけ普段から、オーバースペックな武装しているんだ、エクシードラフト。
なんとか脱出に成功した、隼人と愛。ぎらぎらと照りつける太陽に大門の嗤いを重ね合わせ、何故か色々な仲間の死を回想する隼人。
格好いい挿入歌(『未来を守る騎士たち』)で超強引に誤魔化す。
「悪魔……」
そして、気象異変によって崩壊していく世界の映像。
だが、叶隼人は、エクシードラフトは諦めない。パニックになる愛を叱咤し、隼人は立ち上がる。
「俺は命を、人間を、そしてこの地球を守る! その為にも生きる! 生き抜いてみせる!」
色々あれですが、隊長はやはり格好いい。
そして歩き出す二人……、とここでエンドマーク出たら、それはそれで突き抜けて格好良かった気もしますが……つづく。
- ◆第49話「さらば特捜警察(レスキューポリス)」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
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西暦199X年、地球は紫外線の炎に包まれた! だが、人類は死に絶えてはいなかった。
暴力が全てを支配する世界となったオゾン層破壊後の大地に今、救世主が立ち上がる!!
大門によるオゾン層の破壊、紫外線率の上昇により、文明社会は大混乱。人々は日中は屋内に身を潜め、
夜間のみ戸外に出るようになっていたが、都市機能は麻痺していき、各地で暴動や略奪が相次いでいた。大門のもくろみ通り、
無法地帯と化していく地球……そんな中、エクシードラフト本部爆破容疑で指名手配の身となった隼人は、愛、勝とともに、
地下に身を潜めていた。
散々ネタにしてきましたが、本当に世紀末TOKYOディストピアになるとは。
「僕は……お姉ちゃんを守る! だから、大丈夫だよっ!」
と、地下生活に、勝くんがちゃんと拾われたのは良かった。下手するともう、出てこないかと思っていました(^^;
そんな中、隣人に襲われたと言って地下へ逃げ込んできた一家を助けた隼人達だったが、その一家が急に豹変、攻撃を受ける。
彼等もまた、大門に洗脳されていたのだ。3人は大門に操られた人々によって追い詰められるが、紫の霧に包まれて、謎の空間に落下。
そこには死んだように眠る本部長、耕作、拳、そして何故かバリアス7とスクラムヘッドの姿があった。
「ようこそ諸君、我が懐へ」
背広姿の大門が現れ、隼人はシンクレッダーに実装するが、大門の圧倒的な力の前に打ちのめされ、吹き飛ぶヘルメット。
「叶隼人。ここまで抵抗したおまえに、チャンスを与えてやろう。戦え、私を倒せ!」
背広大門vs顔出しシンクレッダー。
体術においても圧倒的な大門に、叩きのめされる隼人。というか、ヘルメット外した状態だと、
バトルジャケットは単なるハンデになっているのではないでしょうか(^^;
「隼人や……なぜ意地を張る。私のものになれ、隼人!」
あ、あれ?
「神と悪魔、善と悪、光と闇、どちらでもいいではないか? 生きろ! 隼人! 死んでどうなる! 私とともに生きろ! 隼人ぉ!」
連続蹴りからの、熱い告白。
またか、また隊長のフェロモンなのかっ?!
「ふざけるなぁ!!」
盛大に血を吹きながらも、反撃の正拳を炸裂させる隊長。
大門の最終計画、それは隼人の心を折り、人類を悪に染める事で、生まれ来る神の子に人類を不要なものとさせ、全てを無に還させる、
究極の破壊を引き起こす事にあった。それをさせまいと、あくまで立ち上がる隼人。
ここの隼人さんは、テンション上がりすぎたのか、一部、なにを叫んでいるのかわかりません(^^;
真の目的を見抜かれた大門はバージョンチェンジするが、愛が腹を押さえて苦しむとそこから飛び出した光の粒子が本部長達の上に降り注ぎ、
3人が復活?する。実装し、膝をつく隼人を大門の攻撃から守るブルースとキース。
もう割り切って、隊長格好いいからいいや祭にするのかと思ったのですが、そういうわけでもなくて残念。
急にヒロイン化した愛も、ヒロイン道を貫いてくれればまだ良かったのに、この最終回では物語の中心から外れてしまいますし。
ブルースとキースは吹き飛はされるが、その間にバリアス7に辿り着いた隼人は、大門の攻撃を受けながらもシムを遠隔操作。
まさかのシムビームが謎の建物の一角に炸裂し、宇宙空間?に吸い出されそうになる隼人と大門。隼人危うし、
というその時――
光の戦士きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
宇宙空間の暗黒を切り裂いて跳んできた青白い輝きが隼人から大門を引き離し、その中心に浮かぶのは、あの男の顔。
「デビッド秋葉! 光の戦士、生きていたのかぁ!」
愛!!
これが、愛!!
YOUはSHOCK!!
光の戦士のエネルギー放出を受け苦しむ大門に、シンクレッダー渾身のサイクロンノバが炸裂。
吹き飛ばされた大門は虚空の彼方へ消えていき、地球の異常気象は回復する。パリへ向かう飛行機の中で目を覚ます正木、
地上で意識を取り戻すエクシードラフトの面々……
「悪魔は滅びました」
そこに浮かび上がる、美香。人間の心の力があればもう、神の子は必要ない。神の子の生命エネルギーは人々の復活とオゾン層の再生に使われ、
世界は平穏を取り戻した。そして、地球の未来は神の手を離れ、人類自身に託された。
だが、大門との激闘で全ての力を使い果たし、目を覚まさぬ隼人……慟哭する本部長。隊長の格好いいシーン回想。でなぜか、
光に包まれたと思ったら結局なんとなく隼人も復活し、大団円。
いつの時点までどう再生したのかはよくわかりませんが、シリーズでこれまで積み上げてきたものを根こそぎ吹き飛ばす勢いで、
スーパーミラクル大団円。
……で、率直に正木は、何をしに出てきたのでしょうか。
話の核心に関わるのかと思ったら全くそんな事は無く、アクションの見せ場を貰ったと思ったらパリにとんぼ返りで、そのまま出番無し。
わざわざリセットした世界観を敢えて繋げるという禁じ手を使ってまで、正木を出した意味は全くありませんでした。
しれっとラストシーンに居たので、もう完全に、シリーズ完結のサービス、という事なのでしょうが。
サービスならサービスで、もう少し物語に組み込んでほしかった所です。
一番残念だったのは、隊長の言葉に、ここまで積み上げてきた40数話の物語がほぼ全く反映されていなかった事。キャラクター的には、
デビット秋葉、勝、なんとシムまで拾われて良かったのですが、1年シリーズ物の最終回としては、少々虚しいものになってしまいました。
隊長の謎フェロモン効果は最後の最後まで発揮されましたが。というか、秋葉はサイクロンノバでとどめを刺されて宇宙の塵になったのか?(^^;
しかし、前2作とは少し種類が違いますが、これでレスキューポリスシリーズは、
最終エピソードは全て酷いという事に(^^; こうなってしまうと、
かえすがえすも『ウインスペクター』を綺麗に単体で終わらせなかったのはくやまれる所です。作品世界は次作と繋げるにしても、
『ウインスペクター』は『ウインスペクター』でまとまった最終回が見たかったなぁ、と改めて。
年間通してのもろもろは、後でまとめた際に総括で。
また、《レスキューポリス》3部作まとめ、を何らかの形で行う予定です。
→〔総括へ続く〕
(2013年8月18日)
(2017年3月17日 改訂)
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