■『特捜エクシードラフト』感想まとめ5■


“地獄の街へ 勇者を乗せて
急げ急げ 駆けつけろよ バリアス7”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『特捜エクシードラフト』 感想の、まとめ5(21〜25話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆第21話「わたしはサイコ1」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一/細野辰興)
 新ツール登場、そして衣替えの季節。
 拳の衣装が、赤と黄色のストライブのシャツで胸にチームのワッペンというほぼイジメ になっているので、早く何とかしてあげてください。
 新レスキューツール・ビルドライバーは、アタッチメント付け替えで、ディスクソー(丸ノコ)とドリルの2モードを使用可能という、 便利工具 スーパーツール。エクシードラフトに「レスキューを最優先」とか言われても、 正直あまりピンと来ませんが(^^;
 ある日のパトロール中、運転手が意識を失った暴走車を止める隊長と拳。意識不明の女性を警察病院に運び込むと、
 「この患者は、人間ではありません。人造人間、ロボットです」
 なんと彼女は、極めて精巧なロボットであった。第3話にも出てきましたが、ヒューマノイドロボットの研究開発は非常に進んでいる模様。
 そして何故か、「以前にどこかであったことがあるような……しかし顔に見覚えはないし」とこの女性ロボットに既視感を感じる隼人。 意識不明のままの女性ロボットは、調査の為にロボット刑務所の大林博士の下へと送られ、構造とデータのスキャンを受け、 1×1というコードネームが判明する。

 怖いよロボット刑務所
 壊れたロボットの表現なのでしょうが、牢の中のロボット達の姿が、超露骨に精神病棟。
 機能停止状態にあるかと思われた1×1だったが、実は犯罪組織IASCOによる、意図的なロボット刑務所への潜入作戦であった。 所内で目を覚ました1X1は、収監されていた産業スパイロボットを口封じ目的で破壊すると、更に大林博士を銃殺し、組織の車で逃亡。 しかし、所内で受けたスキャンの影響か、脳裏によぎるノイズ映像……そこに浮かんだのは、隼人と、中年女性の顔だった……。
 大林博士の遺した1X1の分析データから、彼女の頭脳回路の半分は、禁止されている人間の頭脳が用いられて事が判明する。 現在は人工頭脳が生身の頭脳部分を制御しているが、何かのきっかけで生身の部分が目覚めてしまうかもしれない…… 更に1X1のデータから、彼女の暗殺対象があと二人居る事、そのうちの一人が悪徳不動産業者・赤塚キョウゾウである事がわかり、 赤塚不動産へと向かったエクシードラフトは、1X1と接触。赤塚を抹殺しようとした1X1は、隼人の顔を見てその動きを止める。
 1X1「やめてー! たすけてー! 隼人さん!」
 隼人「まさか……」
 1X1「負けない……サイコには……負けない」
 隼人「彩子……」
 耕作「さいこ?」
 拳「なんのことだいったい」
 その隙をついてエレベーターで逃げようとした赤塚だが、爆発でエレベーターが停止、炎と煙に包まれる。1X1はその場を逃走するが、 赤塚の救助を優先し、エクシードラフト実装、新ツールのお披露目シーン。
 ……うんなんか、凄く豪華な日曜大工、みたいな(^^;
 ドリルと丸ノコで一生懸命にエレベーターの壁を破るのですが……もう少し、このツールならでは、というのは無かったのでしょうか。 ドリルとノコの使い分けも、キリで穴開けた後に糸ノコ使って……みたいになっているのですが、丸ノコだから、 最初のガイド穴の必要はあったのだろうか……とか色々と悩ましい。
 まあコンセプトはともかくとして、実質レスキュー要素はおまけ、という状況が長らく続いていましたし(純然たるレスキュー活動、 がクライマックスに来る機会は非常に減っている)、どうもレスキューシーンの演出そのものが盛り上がりません (盛り上げてほしいのですが)。エレベーター閉じ込めは定番な上に、今作でも1話でやっているし、 せめて状況にもう少し凝って欲しかったところ。
 しかしこう見ると、ウイング一つで飛行と壁切断できたウォルターって、高性能でした。
 ビルドライバーの力もあり赤塚は救出したものの、1X1は取り逃がしてしまったエクシードラフト。その本部に、 ロボット刑務所から、1X1に使用されている人間の脳が誰の者か判明した、という情報がもたらされる。それは、 1X1に謎の既視感を覚えていた隼人の、予想通りの名前だった。
 隼人「さいこ……小川彩子ですね」
 今回の事件の黒幕でもある国際的暗殺結社IASCOは、1年前、インターポールの捜査情報を得るために、 当時パリで捜査官をしていた隼人に一人の工作員を接触させていた。それが、小川彩子。
 民間人を装って隼人と知り合い、きゃっきゃうふふする仲になる彩子……転がされている!  隊長思いっきり転がされている!!と思ったが、そこはさすが隊長。彩子の正体に気付いた隊長は彼女を説得し、 組織を抜けて自首を決心させる。

 む し ろ 転 が し か え し た

 だが彩子は、「日本でやらないといけない事があるので、3日待ってほしい」と言い残して、それっきり姿を消してしまう。 彩子を拘束する事でIASCOの情報を得るチャンスをみすみす失った事を追求される隼人だったが、 桂木本部長のフォローで失職は回避する。
 「桂木本部長がフォローしてくれなかったら、俺はとっくにクビになっていた」
 という事なのですが、桂木本部長は先日までインターポールの特命で出張していましたし、本部長と隊長は、 現在も所属はインターポール扱いなのでしょうか? この辺りは、かなり謎。
 彩子が心臓の悪い母親の為に日本へ戻った事までは掴んでいた隼人だったが、彼女はどうして姿を消し、 ロボットの脳にされてしまったのか……空白の1年間に何があったのか、そして1X1の頭脳にインプットされた、 最後の暗殺の標的は?!

 昔の女、というこれまでのレスキューシリーズに無かった切り口。
 『ソルブレイン』後半からろくな事が無い連名脚本でしたが、レスキューシーンの見せ場も入れつつ、 ミステリーとアクションのバランスも取ってうまく転がしました。
 どこかで見た顔だなぁと思ったら、小川彩子役は、『鳥人戦隊ジェットマン』のマリア/リエ役、丸山真歩。……まあ何というか、 幸薄い系の顔ですよね……。

◆第22話「わたしはサイコ2」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一/細野辰興)
 彩子の頭脳と、ロボットの頭脳……両者の支配関係がせめぎ合い、混乱する1X1/サイコ。IASCO、エクシードラフト、 双方を攻撃したサイコは、IASCOの下っ端を脅して、車で逃走。アモーレの力で燃え上がる隊長、 歩道橋からダイブして、逃走車の屋根に張り付く。
 走行する車の屋根に張り付いたまま、彩子が支配権を握るサイコと昔語りを始める隊長。
 1年前……日本に戻ろうとした彩子は母親に会う事なくIASCOに捕まってしまい、 裏切り者への見せしめとして暗殺ロボットの素材にされてしまったのだった!
 サイコの手が緩んだ隙にIASCO下っ端が車から飛び降りて脱出し、崖にぶつかって爆発する車。寸前、 サイコと共に脱出に成功した隼人だが、足を怪我してしまう。エネルギーが残り少なくなっていたサイコは、 彩子の意識が支配的である内にどうしても母親に会いに行きたがるが、隼人は二人の手を手錠で繋ぐ。
 「君は嘘を言ってない。信じるよ! だがそれは出来ないんだ」
 「一年前の事があるから?」
 「そうじゃない! 俺がエクシードラフトの隊員だからだ!」
 ……隊長、それだと、インターポールの時だったらどうでも良かったと聞こえます(笑)
 1X1の中には、まだ解析されていない暗殺目標も存在する……それを危惧する隼人だったが、 サイコの必死の願いを聞く内にサイコに彩子の姿を重ね合わせてしまい、遂に手錠を外す。母親と会ったら、 ここに戻ってくる事を約束し、足の怪我で動けない隼人を置いて母親の元へと急ぐサイコ。遅れてそこへ、耕作と拳が駆けつける。
 「1X1は……?」
 気まずそうに手錠を隠す隊長(笑)
 「まさか……」
 「隊長!」
 事情を説明して二人の理解を得ようとする隊長だったが、
 「馬鹿な、ロボットを信じるんですか!」
 耕作の肩にかけた手を邪険に振り払われる(笑)
 耕作「いくら命令でも、俺はそんな指示は聞けません」
 拳「隊長の気持ちはわかります。わかるけど。こればっかりは俺も」

 本部へ連絡を取ろうとする耕作、それを殴り飛ばす隼人。

 だが、耕作はひるまず連絡を取り、
 「行き先は……」
 と、通信機を隼人に突きつける!

 耕作えぐい

 隊長(怪我でハンデ有り)と耕作のリアルバウトに期待したのですが、そこまでの展開にはならず。 逡巡しながらも通信機を受け取った隼人の告げたサイコの向かった先……そこは、母親の入所している南台サナトリューム。 しかし母親は、既にIASCOの手に落ちていた。本部の連絡を受けた隼人は、部下二人に止められながらも、サイコの後を追う。
 基本ドライな隊長が、部下に無茶を言いまくるというのはなかなか面白い。ただ、顔面パンチまでしたのに、 シーン変わったら耕作が何事もなかったかのように隊長に接していたのは、かなり残念。非常に面倒くさくなってしまうので、 しこりを遺せ、とまでは言いませんが、隊長がそうとう踏み越えていただけに、部下二人には何らかの、 通常と違うリアクション→後のシーンで改めて見直す、という流れが欲しかった。
 耕作もなんだかんだでかなりいい人なので、隊長が迷いながらもサイコの行き先を告げた時点で男らしくスッキリしたのかもしれませんが、 それならそれで、そこはもっと印象的に演出してほしかったです。
 IASCOのアジトに乗り込んだサイコは、始末されそうになっていた母親を救出するが、 銃撃に追い詰められアジトの一室に閉じ込められてしまう。毒ガスを投入され、苦しむ母親。そこへ突貫してきたエクシードラフトは、 構成員達をまとめて逮捕。二人が閉じ込められている事に気付くと、ビルドライバーで壁を切り開く……!
 なんかこう監督の、
 「格好良く撮れねーーーよ!!」
 という、魂の叫びが聞こえてくるな、ビルドライバー(笑)
 頑張って格好良くして下さい。
 基本、“格好良くないものをどうやって格好良く撮るか”というのが、特撮の監督の腕の見せ所だと思っているので。
 母親を助けたサイコは、「いかなくちゃ……いかなくちゃ……」と呟きながら走り去って行く。その身につけたイヤリングを見て、 彼女と彩子の関係を感じ取る母親……。
 ここは、お母さんがサイコの正体に気付くシーンと、どさくさ紛れにサイコが逃げるシーンをうまく両立できなかったのでしょうが、 あからさまによたよたと逃げていく1×1を、エクシードラフトが3人揃って見送るという不思議シーンになってしまったのは残念。
 現場の処理と母親をブルースとキースに任せ、ターボユニットを起動するレッダー。
 どうするのかと思ったら、わざわざ、約束の場所に先回り。

 隊長、思いの外、ロマンチック

 しかしここも、ブルースとキースがレッダーの単独行動をあっさり認めてしまうのは、前半の流れが全く生かせず、残念だった所。 隼人×サイコの関係性に注力した結果、隼人×部下二人の方がおざなりになってしまいました。わざわざ“殴る”までやった割には、 インパクトだけで覚悟が足りないというか、切り口の面白いエピソードで超人系の隊長がブレるという展開も良かったのに、 そのブレに対する周囲のリアクションが面白く描けませんでした。
 こういった展開は、周囲のリアクションまで描いてこそ真に面白いのです。
 そこが出来てない。
 約束の場所で待ち受ける隼人、そこへ向かうサイコ。だが再びサイコの中で、二つの頭脳が支配権を巡ってせめぎ合う。 そして――本部長から隼人へ、暗殺命令の最後のターゲットの判明が告げられる。それは、叶隼人! 耕作と拳が来るまで身を隠すんだ、 という本部長からの指示を拒否した隼人の前に姿を見せた1X1/サイコ/彩子は、隼人へ向けて銃を向ける。
 だが……
 「あなたに近づくためだった、偽りのパリ。でも、今の私には、サイコには、あなたと、たった一つの思い出のパリ」
 ロボットの体にも関わらず、涙を流すサイコ/彩子。
 「私は、彩子よ。私は、彩子よ」
 マシン頭脳の指令を押さえ込んだ彩子は銃を下ろし、一歩一歩、隼人に近づき、そしてエネルギー切れで停止する。
 硬直したサイコと向き合う3人を横から、という凄いラストカット。
 しかしこう…………なんだかんだで、近づいてくるサイコに自分から歩み寄らないし、最後も距離開けたままなんだよなー隊長。
 自爆装置を警戒したのかもしれませんが。
 ……というか当然、爆発すると思って見ていました(笑)
 まあ、あそこまでやった女性キャストを爆発させるのは、さすがに忍びない、という判断も働いたのかもしれませんが。
 駆け寄ろうとする隊長を耕作と拳が必死に止めて、その前で爆発、という展開でも良かった気もしますが……少なくともそうしておけば、 隊長のブラック度は上がらなかったと思います(笑)
 上述しましたが、これまで無かったという点でも切り口は良かったし、筋としては悪くなかったのですが、詰め足りず。もう一歩、 二歩と、エクシードラフト側の人間関係に踏み込んで欲しかった、というか、そこまでやらないと、物語として完成しないのです。 『エクシードラフト』は全体的に、プロットは力が入っているけど肝心な所が抜けている、というシナリオが多いのですが、 残念ながら今回もその範疇に。
 さて、
 次回予告ナレーション「エクシードラフトの真価を問う、心を救うレスキュー」
 大樹さんの事は、もう、許してあげてください(涙)

◆第23話「死をよぶ愛の説得」◆ (監督:小西通雄 脚本:扇澤延男)
 拳銃密造組織を追っていたベテラン刑事・高田が刃物で滅多刺しにされた他殺死体で発見される。たまたま行き会った現場で、 耕作は事件を担当する警察学校時代の助教(剣道、柔道、逮捕術の教師役の事の模様)・イヌイ刑事と再会。 かつては本庁のエリートコースを歩んでいたイヌイだが、ある理由で出世コースを外れ、 現在では殺された高田と同じ城南署で一刑事として勤務していた……それから数日後、エクシードラフト本部に、 神父?と釣り人?とおかま?という見るからにけったいな中年の男3人組がやってくる。
 彼等は
 「3人とも」「むかし」「泥棒だったのよ」
 7年前、高田刑事に捕まり足を洗った3人は、高田が殺された事を知り、何としても仇討ちをしたいと城南署に協力を申し出たが 門前払いを受け、それなら、と“正義の味方”エクシードラフト本部に押しかけてきたのであった。
 必要以上に距離の近いおかまによる説明に、

 凄く嫌そうな隊長。

 城南署が追っていた拳銃密造組織は何度も捜査の手を寸前で逃れており、警察内部から情報がリークされている可能性さえ噂されていた。 エクシードラフトは独自に捜査を開始する事を決め、耕作は放っておくと何をするかわからない3人組のお目付役になる事に。
 「高田刑事って、そんなにいい人だったの?」
 「罪を憎んで人を憎まず。どんな犯罪者の事もさ、ちゃんと人間として扱ってくれたもんね」
 「警察官なら、当然だろうが」
 「違うね。あの人のは……本物だった」
 扇澤脚本は、アベレージ高いしテクニックを普通に評価していますが、こういう悪質な事をやる所も、好き(笑)  自分も前作関わっているのに、しれっと書く所がたまりません。
 高田に世話になったもう一人の男を仲間に加えたいと言う3人だったが、その男、遠藤は仇討ちの仲間入りを拒否。 怒ってその場を離れる3人だったが、遠藤の様子に不審を感じた耕作は、高田が殺されたその日に、遠藤が高田と会っていた事を聞き出す。 誰かを尾行している様子だった高田は「誰にも言うな。思い過ごしかもしれないから」と尾行を続け、その後、死亡。 遠藤の協力によって作られた尾行していた男のモンタージュの顔は……イヌイ刑事。
 「あのイヌイさんに限って」
 旧知の教官を疑えない耕作。そこへ3人組から、怪しい人物を追っているという電話がかかってくる。
 前2作には登場した記憶が無いので、なんらかのオーバーテクノロジーを除くと、メタルヒーローシリーズ初携帯電話、 か? 軽く調べたら87年にレンタルサービス開始で、今作の放映されていた92年7月にNTTドコモ誕生。使用料金は1万円台っぽく、 まだ高級品だけど、お金のあるビジネスマンなら持っていてもおかしくない、ぐらいのレベルでしょうか?
 情報屋とも繋がっていたり、おかま、恐るべし!
 しかし3人は、ある会社の倉庫に入った尾行相手によって捕まってしまう……その男は、やはりイヌイ。
 遠藤の証言をもとに、イヌイの周辺を洗いに動く隼人と拳。イヌイと旧知の耕作は、遠藤と一緒に、 高田がイヌイらしき男を追っていたという辺りの捜査に回される。その途中、ふと、足を止める遠藤。
 「刑事さんと歩くの、これで二度目だな、と思って」
 高田と歩いていた頃を思い出す遠藤。
 「いい刑事だったんだってな! あの3人から聞いたよ」
 「非番の日、何日も何日も、一緒に歩いてくれました。俺の働き口探して」
 「俺だって……それぐらいはするさ」

 妙に対抗意識を燃やす耕作。

 「そいつがどんな事件の犯人でも?」
 遠藤は4年前、二人の人間を死なせ、高田によって逮捕された。
 「俺が死なせてしまった二人っていうのは……高田さんの奥さんと、娘さんなんですよ」
 通り過ぎていく列車の音。
 もうここは完全に、刑事ドラマの演出。
 イヌイの足取りが不明となり、隼人は耕作と合流。耕作が一度は口を濁したイヌイの過去を問いただす。
 「彼はなぜエリートコースから落ちこぼれたんだ?」
 1年前、イヌイは本庁で大きなミスを犯した。
 「功を焦り、絶対にやってはいけない捜査を」
 「囮捜査をしたのか?!」
 世界観をリセットしているから構わないし、世界観をリセットしているからこそ出来るのですが、それにしても、 攻撃的(笑)
 その囮捜査で囮に使った女性が死亡。イヌイは出世コースを外れ、そして、転落した……
 「一度堕ちたヤツはな、ただひたすら堕ちていけばいいんだ。開き直って、俺みたいにな!」
 組織と連絡を取ったイヌイは、捕まえた3人組を密造拳銃の試射の的として始末させようとするが、自らも組織に切り捨てられる。
 「堕ちて堕ちて、最後に堕ちる先は、地獄か……」
 イヌイに銃口が迫るその時、別行動の拳から密造拳銃取引の情報を得た隊長達、イヌイの足取りから海辺・川沿いの工場に的を絞り、 現場へ突貫。組織を逮捕し3人組を助け出すが、イヌイはどさくさに紛れて拳銃を手に逃げ出し、それを追い詰めるブルース。
 なぜ高田を殺したのか? ヘルメットを外して問いかける耕作に、イヌイは情報横流しがバレた口封じの為だったと答える。
 だが……
 「口封じなら拳銃を使えばいい。だが高田刑事は刃物で滅多刺しにされていた。あれは怨恨の手口ですよ。あの夜、 二人の間に何があったんですか?!」
 ここは見事なトリック。冒頭にするっと提示された情報(死因)が鮮やかにここで浮かび上がる。
 「言ったんだあの老いぼれ、偉そうに、でたらめを!」
 あの夜……イヌイを呼び出した高田は、自分がイヌイの周辺を調べていた事を語り、遠回しに自首を勧めていた。
 「食らった所で3年だ。君なら、また必ずやり直せるさ」
 だがそれが、追い詰められたイヌイに最後の一線を踏み越えさせた。
 イヌイは持っていたナイフで高田を刺殺。
 「何がやり直せるだ。口先だけのあの嘘つきが許せなかったんだ」
 「口先だけのそんな人間なら、どうして彼等が命がけで仇討ちまで決意するんですか?!」
 3人組に遠藤を加え、居並ぶ4人を指し示す耕作は、イヌイに向け、高田と遠藤の過去について語る。
 4年前、高田の妻子は、当時17歳で無免許だった遠藤の運転する暴走車の事故によって死亡した。高田は執念の捜査を続け、 遂に遠藤を逮捕。そして……
 「裁判の時、高田さんは証言台に立ったそうですよ。少年側の、弁護証人としてね」
 高田刑事は、あくまで、己の信念に従った。
 「最愛の、家族を失った者として、私は、もちろん犯人が憎い。憎くて、たまりません。しかし裁判長……」
 「どんな人間も、必ず立ち直れる。それを信じ、どうぞ、この被告の少年に、寛大なるご処置を」 
 人を信じ、少年の減刑を願ったのだ。
 「見るんだ、この立派に立ち直った4人の姿を!」
 イヌイは拳銃で自殺をはかるが、耕作はそれを阻止し、イヌイを逮捕する。
 「やり直せますよ、イヌイさんも、必ず」
 それこそが、今は亡き、老刑事の願いでもあるのだから。
 「高田刑事か……一度でいいから、会ってみたかったですね」
 「俺たちが、高田さんの遺志を継がなきゃな」
 こうして事件は解決、人を信じ続けたベテラン刑事の思いを知り、それを受け継ぎ、エクシードラフトは平和の為に戦い続ける!
 ううむ、凄い。
 扇澤延男、改めて、恐るべし。
 非常にストレートな刑事ドラマなのですが、1時間枠にもなりえるプロットを20分弱に圧縮して、(一応)戦闘も入れて、 ここまでまとめるテクニック!
 お見事。
 高田刑事役の好演もあり、裁判の場面は、非常にいいシーンとなりました。
 惜しむらくは、一方のイヌイ刑事の声がやたらに軽くて、勿体なかった。
 前作でやらかした「罪を憎んで人を憎まず」「人の心を救う」というテーマを改めて拾っているのですが、非常に優れていたのは、 そのテーマを語る説得力を持たせる為に高田というベテラン刑事を持ってきた事。
 どだい前作が、簡単には扱えないテーマを軽く中心に持ってきすぎたのですが、そこで生じていた主人公サイドの説得力の薄さを、 「ベテラン刑事の過去の実績とする」というウルトラCで解消しました。
 また同事に「実績をともなっている高田刑事」と「志はともかく口先だけの耕作」を対比させる事で、 「人の心を救う」とはどういう事かを改めてあぶり出し、その重さを増させる事により、高田刑事の説得力を、 劇中でも補強。
 裁判シーンの前にも十分に高田刑事に説得力を持たせた事により、クライマックスの裁判シーンが活きました。これが重要で、 クライマックス前にしっかり積み上げているから、クライマックスが機能し、それ故に、イヌイへの耕作の言葉にも力が生まれる。 ここに至る過程でしっかりと積み上げをしてこないと、どこかで空虚になってしまいます。クライマックスだけで急に説教初めても、 説得力は生まれないのです。
 とにかく扇澤脚本は、(概ね)この積み上げがしっかりしている。
 とはいえ今回の構成は、正直なところ、裏技ではあります。説得力を他のキャラに仮託する事で、 ある意味ではヒーローが当て馬になってしまっている、というのは手放しに褒めていいものではありません。特に被害者なのは耕作。 ただしこれは、刑事出身で過去にスリ師とのエピソードなどもある耕作だからこそ活きる配役でもあります。
 そしてこのシナリオが正しいのは、ラストに、そんな高田刑事の遺志を受け継いでいこう、というシーンが入っている事。
 特に「俺だってそのぐらいやるさ」という態度だった耕作が「会ってみたかった」という形で高田という刑事を認め、 エクシードラフトが刑事として目指すべき志をそれぞれ胸に思い描く。
 ここが無いと、いい話ではあるものの、ヒーロー不要のエピソードになってしまいます。
 これがあった事で、『エクシードラフト』として、締まりました。
 思うに前作『ソルブレイン』は「人の心を救う話」ではなく、「人の心を救うにはどうすればいいのかを見つけ出す話」 になるべきであったかもしれず、今回はそれを果たせなかった前作に対する、一つの回答であり雪辱、 そんなエピソードであったかもしれません。
 「次週必見!」
 て予告が言った(笑)

◆第24話「傷だらけの迷走」◆ (監督:小西通雄 脚本:中野睦)
 高校の頃の友人・名取(ゲスト:若松俊秀!)と再会した拳は、非番の日に二人でドライブへ行く事になるが、 それを聞きつけた勝が強引についてきてしまう。
 「駄目、子供連れでドライブにいけるかぁ!」
 男二人もどうかと思いますが。
 今では青年実業家という名取は、待ち合わせの場所にキャデラック(見るからに高そうでありますが、 アメリカにおける高級車の代表的ブランド、との事)で登場。
 「だめだめだめ! だめだめったらだめ、だめ! キャデラックだよ、キャデラック。子供は乗れないの」

 ……ナンパでもいくの?

 結局、勝を乗せる事になり3人でドライブ中、暴走族に煽られた名取、「なにすんだこのやろう!」と、 思いっきり車をぶつけに行く(笑) しつこく絡んでくる暴走族の襲撃を受ける名取達、 拳が飛び蹴り回し蹴りで彼等を蹴散らして逃げ出すが、その様子を見つめる一台の車があった……。
 箱乗りで暴れ回るチンピラ達が、地味に凄いアクション。
 名取が鉄パイプで殴られ、車を盗まれそうになった事から拳は傷害事件として本部に連絡しようとするが、なぜか名取はそれを止める。 しかしそれを押し切って拳が連絡しようとするが、通信機が機能しない。時同じくして、東京東南部で広域の通信障害が発生していた……。
 爆発するパソコン
 は、まあこういう時のお約束なので仕方ないとして、TVゲームが出来なくなっているのですが、実はネトゲなのかあれ。
 悪い事は重なり、拳銃乱射事件発生の報に出動する隼人と耕作。犯人を取り押さえた隼人はコインロッカーの鍵を押収する。 一方、本部との通信が途絶したままの拳たちは、再び暴走族の襲撃を受けていた。執拗な追跡と取り出した拳銃に、 彼等がただの暴走族ではない事を確信する拳。そして防弾仕様であった事が判明するキャデラック、この車はいったい何なのか……?
 その頃、取調室。
 「名前、おばけのきゅうたろう、住所不定」
 「ふざけるなっ」
 乱射事件の犯人から鍵について聞き出そうとして、警察を虚仮にするその態度に、胸ぐらつかんじゃう隊長。
 「名前、おばけのきゅうたろう、住所不定。年齢84歳。ふはははははは」
 「きっさまぁ……」
 色々スーパーな隊長ですが、尋問スキルに関しては、前本部長レベルである事が判明してしまいました。 そして隊長が尋問で役に立たない事は本部ではわかっていた事だったのか、コンピュータの解析によって、 鍵がどこのコインロッカーのものであるか判明する。ロッカーに向かった隼人と耕作は、そこで駐車場の預かり証を発見。 ところが預かり証の駐車場に向かうと、問題の車は、駐車場の従業員によって持ち出されてしまっていた! その従業員の名前は…… 名取浩司。
 「隼人……どうやら事件の全貌が見え始めたぞ」
 通信不能地域が移動している事から、その原因が車に搭載されているのではないかと推測した本部長達は、 アメリカの兵器産業が作り出した情報攪乱カーが日本に持ち込まれていた事を突き止める。 周囲4キロ四方にオンラインを含めた強力な通信障害を発生させるその恐るべき車は、国際的な産業スパイグループに奪われていたが、 “おばけのきゅうたろう”ことモリノタケシはその横取りを目論み、組織と争いになっていたのだった。
 ここで、苗字の一致だけで、「拳の友人の名取」と「車を持ちだした名取」が同一人物かも……というのはちょっと無理筋ですが、 これは仕方のない所か。
 「名取、おまえいったい何をやったんだ!」
 追っ手を引き離した拳は、名取を詰問し、キャデラックが彼のものではないという真実を知る。
 「俺の肺の中は、排気ガスで真っ黒なんだよ!」
 青年実業家というのも真っ赤な嘘。駐車場の職員として働く名取は、再会した旧友に見栄を張りたい一心で、 客の車を持ちだしてしまったのだった。
 「今のお前はエクシードラフトのドラフトキース様! 俺はどうすりゃいいんだよ? 車持ち出すしかねえじゃねえか!  笑っちまうよなぁ……ははははは。俺は人生の敗北者だぜ、人生の、はははは」
 「やめろ名取!」
 乾いた笑いを浮かべる名取を、殴り飛ばす拳。
 楽しいドライブが一転、現実の厳しさに目が点になる勝(笑)
 車のトランクを調べた拳は、そこに収められていた装置と資料から、キャデラックが情報攪乱カーである事に気付く。 ドライブ中に適当に入れたスイッチにより、情報攪乱機能が作動し、通信機を妨害していたのだ。
 ……どうしてわかった(^^;
 錯綜する事件と情報が一つに繋がっていく流れが面白かっただけに、ここは残念だったところ。特に拳の場合は消防あがりで、 ハイテクに詳しいという描写もこれまで無かったですし(これが隊長ならまあ有り得るし、キャラとしては許される)。
 勝の同行を許したのも、攪乱装置のスイッチを入れる流れも、名取がいいカッコを見せたいという延長線上でうまく描いていたのですが。
 拳は自分が囮となって追っ手を引き離し、その間に勝を連れて本部に連絡を取れる所まで向かってほしい、と名取に頼む。
 「おまえは人生の敗北者じゃない。自分で言ったじゃないか。やればできるんだって!」
 その言葉に、名取は勝を連れて走り出す。一方、拳が攪乱装置のスイッチを切った事により、シムが問題の車を発見。隼人達はそこへ急行する。
 …………この時点で、拳が通信機を使えば、連絡取れた? この後、名取が一生懸命走った末に現場へ向かっていた隊長達と接触するのですが、 その時点では拳は攪乱装置を再作動させた上で車に閉じ込められているので正確な位置を追えなくなっているとはいえ、名取さん、 あまり走った甲斐はなかったような。名取も拳と別れてだいぶ走ってきているので、名取の知っている拳の位置からずれている筈ですし。 せめて名取の情報をもとに拳の位置を特定するシーンがあれば良かったのですが、それが無かった為に、 名取のダッシュがどうにも拳と名取の自己満足になってしまったような(このエピソードにおいては、それはそれでよい、のですが)。
 拳は全て飲み込んだ上で、勝と名取を逃す為に、理由をつけて自分が囮になった、みたいな感じも無くは無いのですが。
 攪乱カーの自爆装置を起動するも、組織によって逆に車の中に閉じ込められてしまった拳だが、そこへ隊長達が到着して犯人グループを逮捕。 閉じ込められた拳を助け出す為、あと10秒で車が自爆するのに、丁寧にドアを四角に切る隊長(笑)
 ギリギリで拳は救出され、産業スパイグループは壊滅。そして名取は、もう一度立ち上がり、走り出す心を取り戻すのであった。
 ナレーション「走る事を忘れたランナーが、拳の友情で蘇った。もう決して、立ち止まる事はないだろう」
 ……まあ明日からしばらく、臭い飯ですが(^^;
 終盤の通信機周りに穴があるものの、くしくも前回と2話セットみたいな話で、過ちを犯した者が立ち上がる姿を描くエピソードとして、 双方秀逸でした。
 “拳と名取の姿を見て、サッカーチームに自分より上手い子が入ってきた為に練習をサボっていた勝も、やる気を取り戻す” という部分は、凄く付け足しのようになってしまいましたが(^^; 前半から伏線は敷いていたのですが、 せめて勝が拳たちにサッカーチームの話をするぐらいはしておきたかった所。
 次回、新マシン登場。というかこれまで、二人が特殊車輌に乗ると、もう一人は自家用車、という仕様だったのがビックリだ!
 ……にしても予告の、耕作と拳が頑張るけど、隊長がおいしい所を全て持って行くのでよろしく感、ヒドイ(笑)

◆第25話「発進! 超マシン」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
 エクシードラフトに新人加入?! 隊長自ら迎えに行ったと聞き、

 嫉妬の炎を燃やす二人。

 そんな耕作と拳は、防犯訓練に参加し、強盗役を務める事に。
 「結局俺たちには、こんな任務がお似合いだってか」
 スクラムヘッドで逃走後、人気の無い場所で段取りを確認しながらいじける二人の元へ、本庁からだと言って、一人の警官がフロッピーを届けにくる。
 スクラムヘッドで読み込むと、映し出されたのは……監禁された少女の映像、そして爆弾!
 フロッピーを持ってきた警官は偽警官であり、男は人質の少女と爆弾の遠隔起爆装置を見せつけ、 二人に「言うとおりに走れ」と要求する。男を取り押さえようとするが、爆弾には時限装置も仕掛けてあり、 14:00には自動的に爆発するという。本部への通信も遮断された二人は、少女の監禁場所を聞き出す為に、 やむなく男の指示に従う事になる。
 現金輸送車を襲撃、現金を強奪した二人は、少女の監禁場所を教えるという男との約束に従い、D地区の廃工場へと車を走らせる。 だが、時限爆弾のタイムリミットまで時間は残り35分。警察に事情を説明している暇はないと猛スピードでスクラムヘッドを走らせる拳、 障害となるパトカーを「仕方ない」と吹き飛ばす。
 ……「仕方が無い」のはいいとして、下手すると人死にがでそうな体当たりはどうかと思います!
 まあ、バンク映像の都合なのですけど。
 だが、スクラムヘッドを猛追する一台のパトカーがあった!
 そして……飛 ん だ
 スクラムヘッドの前に回り込んだ空飛ぶパトカーから降り立ったのは、隼人。隊長が迎えに行った新隊員とは、 エクシードラフトに新たに配備された最新鋭のスーパーパトカー・バリアス7の事だったのだ!
 隊長にフロッピーを託した二人は、急ぎ、指定された工場へと向かう。そこで待ち受ける、偽警官。
 「来たなぁ、14:00時ジャスト。なかなかのもんだ」
 現金を渡す代わりに少女の監禁場所を聞き出そうとする二人………………って、えー……………… 「14:00に時限爆弾が爆発する」という脅迫だったと思うのですが、今、14:00ジャストなら、もう、女の子、 お星様になってしまったのではないでしょうか。
 未だに起爆装置を手に脅迫している偽警官も、必死に監禁場所を聞こうとしている二人も、すべからくおかしい(^^;
 誰か、作っている最中に気付かなかったのか。
 一方、接触時のわずかな映像と、脅迫状のFDを解析した本部により、偽警官の素性が判明する。
 男の名は、高梨文夫、23歳。城南署の警邏係の所属だったが、半年前、防犯訓練に参加した際に金目当てで宝石を窃盗し、 懲戒免職となった元警官だった。
 不祥事続き、城南署。さよなら署長さん。
 そして監禁された少女の映像は巧妙なホログラムである事が判明。つまり、本当は人質など、存在しない。 これらの事から動機は金というよりも、警察組織への怨恨である事が推測される。
 情報を得た隼人は、耕作と拳を救出するべく、バリアス7・エマージェンシーモードを発動!
 がしゃこんがしゃこん、内臓装備が表に出てくるバリアス7。

 ハイドランドキャノン
 ブレイクレーザー
 グレネードシューター

 って米軍とでも戦うつもりなのでしょうか。
 目的はともかく、超カーのギミックとしてはデザインも合わせて格好良い。
 高梨の持ち出したバズーカの砲撃を受けて危地に陥る二人の元へ、倉庫のシャッターを破って突入するバリアス7。 レッダーはバズーカ砲に立ち向かい、二人は工場の奥に見つけた少女を救出に向かう。
 隊長が先に、人質はホログラムだと説明しないばっかりに、爆発に巻き込まれて大変な事になる二人。……隊長、 「特捜エクシードラフトだ! 高梨文夫、逮捕する!」とか見得切る前に、「人質は偽物だ!」ぐらい言ってあげて下さい(^^;
 少女を助けようとした結果、高梨の仕掛けていた爆弾により、工場爆破に巻き込まれる役となる耕作と拳。 ここでバリアス7のハイドランドキャノンが炸裂。幸い、キャノンの中身は消化剤でした。普段使っている消化銃がそもそも 「ハイドランダー」という名前だった模様。
 二人も実装して、爆発は鎮火。手榴弾をばらまきながら逃亡をはかった高梨だったが、 バリアス7とスクラムヘッドに挟み込まれて御用となる。「一度は警察官だった者として恥ずかしくないのか!」と一喝する隊長に、 自分勝手な弁解を行う高梨。そんな高梨に隊長は、真の警察官としての心構えを説く。
 「この二人を見ろ。自らの危険を顧みず、少女を救出したい、ただその一心で、炎の中に飛び込んでいったんだ!」
 「隊長……」

 誉められて、ドキドキする二人。

 隊長鮮やかに、自分の指示ミスを、いい話とすり替える。
 「恥ずかしくないのか!」
 「甘ったっれるな!」
 「警察官になる資格はない!」
 「おまえにその気持ちがあるか!」
 「心があるか!」
 隊長のハイパー説教コンボをくらい、うなだれる高梨。こうして、身勝手な男による復讐劇は、幕を閉じた……。
 最後にアピールされた「特捜手帳」は、これまでの通信機兼手帳の、バージョンアップ版(玩具)という事でしょうか?  名称はなんだか、「探偵手帳」みたいなグレードになってしまいましたが(笑)
 新車登場編を、久々に耕作と拳の隊長好き好き話と絡めて展開。というか愛さん、 男達が自分をチヤホヤしないからって、凄い悪質(笑) 二人も二人で、まんまとこじれすぎですが。
 新車にしっかりと見せ場を与え(この辺りの見せ場作りがおしなべてしっかりしているのは今作の長所)、 前半のサスペンス展開も良かったのですが、「14:00」だけ非常に残念、というか、『エクシードラフト』は本当、 大筋は悪くないけど肝心な所に大穴がパターンが多すぎる……(^^;

→〔その6へ続く〕

(2013年5月24日)
(2017年3月17日 改訂)
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