■『ブルースワット』感想まとめ5■


“出発の時が来た 平和を目指して さあ
グッドラック グッドラック グッドラック
インザファイト”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『ブルースワット』 感想の、まとめ5(27〜32話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ4〕 ・  〔まとめ6〕 ・ 〔まとめ7〕 ・ 〔まとめ8〕


◆Volume27「BS(ブルースワット)同志討ち!!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
 見所は、
 「甦れ、ショウ!」
 と、記憶を失ったショウを火炎放射器であぶるシグ。
 特殊な高性能爆薬C11を強奪したエイリアンを山中に追っていたブルースワットは、エイリアンを追い詰めるもムッシュの攻撃を受け、 巻き込まれた少女・ちひろをかばったショウが川へ落下。
 「奴等が……あいつらが俺を殺そうとした!」
 その際に頭を打って記憶の混濁したショウは、スワット2と3が自分を射殺しようとしていたと思い込んでしまう。 記憶を失い気絶したショウは、ちひろの家へと運ばれるが、実はちひろの父・籾山博士こそが、 エイリアンがC11を渡した科学者であった。ニトログリセリンの数百倍の威力を持つが極めて不安定なC11を固体化する研究を行っていた籾山博士だが、 その研究を危険視されて学会を追われ、遂にはエイリアンと取引していたのだった。
 3話続けて地球人の科学者がエイリアンに協力しておりますが、ドラマを作りやすくする為に、現地の協力者パターンにしていくのか。
 セイジの情報から籾山博士の家を訪れるシグとサラだが、一足違いで、ショウの身柄は博士によってムッシュのアジトに運び込まれてしまう。 アジトの壁にブルースワットの盗撮写真が飾られており、某スーパーサイエンスネットワークを思い出します(笑)
 「丁度いい。この体にも飽きが来た。次はおまえにインヴェードしてやる」
 さらっとトンデモない事を言い出すムッシュ。
 “ムッシュが気分でザジの体を捨ててもいいと思っている”のは、 少年の体にこだわっている理由が無い現状、非常に問題だと思うのですが(^^; 本来はむしろ、適性上、 ザジの体が馴染む馴染むぞーなのを強調しておかないといけないよーな。
 これでブルースワットを壊滅させてやる、と景気づけにスワット1のブロマイドを破壊したムッシュはショウの体にインヴェードしようとするが、 ショウが記憶を失っていた事で、ブルースワットの情報が手に入れられない事がわかり、インヴェード中止。
 そこで目覚めたショウが、壁に貼られたスワット2と3の写真を見て射撃、というのは変なネタかと思ったらスムーズに話が繋がって面白かったです(笑)
 シグは籾山家でC11の空アタッシュケースを発見し、ここで流れるバイオリンのBGMや、 ショウの記憶の混濁がらみで用いられるピアノの効果音など、久々に三ツ村監督の音楽使いの巧さが炸裂。 父が悪事に手を貸しているのではないかという不安の的中を悟ったちひろが、優しかった父との思い出を語るシーンはお約束もお約束なのですが、 音楽で上手に盛り上げています。
 そこへムッシュからブルースワット宛ての挑戦状が届き、こちらはすっかり、悪い形でパターン化してきてしまいました……。
 罠を承知で向かうスワット2と3だが、その前に、二人を敵だと思い込んだ上にムッシュに乗せられたショウが現れ銃を向ける。
 「やられる前にやってやるぜ、やってやるぜ!」
 ショウの怒りに応えて、ゴールドプラチナムさんが宇宙の彼方からやってこないか、凄くドキドキします。
 スワット2と3はショウの銃撃を受け、更に、事前に地雷として設置していたC11を起爆する籾山博士。
 …………うわこの人、私は私の研究をしたいだけなんだーを通り越して、 自分の研究成果を確認する為なら人間の1人や2人ぐらい吹き飛ばしても構わない人だ。
 難点は、C11の爆発が割と大した事なくて、むしろ後半のジスプの火炎攻撃の方が爆発が派手だったりする事。 前座とクライマックスの差別化ではあったのでしょうが、今回のキーアイテムのインパクトが薄くなってしまいました(^^;
 爆破の衝撃で混乱が増したショウは姿を消し、父を止めようとやってきたちはるが爆発に巻き込まれた事で、 ブルースワットはちはるを病院へ。ところが博士への人質としてちはるがエイリアンにさらわれてしまい、 更にショウのスワットスーツのメンテナンスコールがキャッチされる。 ブルースワットは敢えてメンテナンスコールをエイリアン側にもキャッチさせた上でショウの元へ向かい、 介入してきたエイリアンを倒しつつショウの記憶を取り戻し籾山親子も助けよう、という賭けに打って出る。
 一応、娘を人質にされているという体裁なのですが、C11を利用したリモコン爆弾(見た目はホーミングバレット)の引き金を、 何の躊躇もなく引く籾山博士にはまったく人の心が感じられません。
 ムッシュの攻撃からショウを守ろうと飛び込んできたちはるを助ける事で、ショウは完全に記憶を取り戻し、 エイリアンへの反撃スタート。正体を現したジスプに対し、挿入歌で盛り上げてメットも装着、さあヒーローの時間だ!  と盛り上げてくるのですが、エイリアン軍団に撃ちまくられて手も足も出ず大苦戦の末、
 「許さねえ、許さねえぞ! エイリアン野郎、許さねぇ!!」
 もう、笑いと涙が一緒に止まらないよ……。
 そしてみんなのヒーロー、ゴールドプラチナムがやってきた!!
 プラチナムは明らかに手加減攻撃(武器破壊など)してブルースワットにトドメを譲っているのですが、これは、いわゆるひとつの、 パワーレベリングなのか。
 「サンキュー! 助かったぜ、プラチナム」
 基本、プラチナム登場と成敗!について反応を示さず、たまたま怒りメーターが振り切れて召喚してしまったのか、 ピンチに意図的に呼んでいるのかさえよくわからないショウですが(扱いとしては、本人の思うようにならない超パワー、 という所なのでしょうが)、今回初めてプラチナムに礼を言うというアプローチ。
 ムッシュと六角は異次元規格外の飛来に泡を食って逃げ出し、籾山博士は抱き合って“娘に”謝罪する……この博士は、 絶対すぐにまた道を踏み外すと思います。
 ところで今回、冒頭でエイリアンを追い詰めたシグが、
 「私たちの目的はC11だ。おまえの命じゃない!」
 と説得を試みるシーンがあるのですが、1ミリも信用できないのですが。

◆Volume28「あぁ無情母の命」◆ (監督:小西通雄 脚本:酒井直行)
 小峰裕一が「ザジの声」だったり「ジスプの声」だったり、佐野茂(ザジ役)に、役名がついたりつかなかたり、 OPのクレジットが一向に安定しないのはいったい何なのだろう。
 危篤状態の中年婦人を見舞うセイジ――女性は、セイジの親友・真也の母親であった。 真也はセイジも一目置くシステムプログラムの天才であったが、 母親が運転していた車で交通事故に遭って下半身麻痺となった事で留学が取り消しになり、失意のまま失踪。その後、 母親が悪性の腫瘍で倒れ、セイジは必死に真也の行方を捜しているのだった……と、こんな悲しい事件がありました、 と全部セイジのナレーションで説明してしまう、というのは好きではない手法(^^;
 死期の迫る真也母の為に真也を探し出したいセイジだが、ブルースワットは謎の怪電波を追って作戦行動中であり、ショウは協力を拒否。
 「俺たちの使命を忘れたのか! エイリアンを倒す事だろうがよ!」
 据わった目で使命感を強調するショウの姿には最近の展開からすると少々違和感があるのですが、今回、 全体的に初期の雰囲気を意識した作りになっており、これは今作初登板の脚本の影響か。
 謎の怪電波の正体は、スペースマフィアの、UFO透明化マシン。……以前のスペースワープ装置の時もでしたが、 どうもこの人たち、UFOは目立つので気軽に地球に降りてくると撃墜される前提で活動するようになっていますが、 米軍にでも痛い目に遭わされたのでしょうか。
 セイジはこの現場で、エイリアンに協力してUFO透明化マシンを作成していた真也の姿を発見。 真也がセイジの知人である事を知ったムッシュは、呼び寄せていた死刑囚エイリアンを真也にインヴェードさせ、 更にセイジにインヴェードさせる事でブルースワットの情報を得ようと、真也エイリアンをセイジに接触させる。
 死刑囚エイリアンは、高い戦闘能力を持ちながら殺戮行為を悔い改め、 敵前逃亡の末に戦闘放棄の罪で獄に繋がれていたというスペースマフィアの変わり種。だがムッシュはそんな死刑囚を薬で凶暴化させ、 エイリアンはセイジへのインヴェードを食い止めようとしたブルースワットと戦闘に。
 適当にレーザーやミサイルを撃ち込むが無効で、フル装備の3人の後ろに、 武器運搬係で生身の2人が立っているというのは実に今作らしい間抜けな絵(^^; 金色さん云々を抜きにしても、 どのみち目指した方向に対して個々の描写が粗すぎる、というのが改めて浮き上がります。
 強力エイリアンに追い詰められる3人だったが、薬の効果が切れたエイリアンは戦意を喪失すると真也にインヴェードして逃走。 自ら死を望むその姿に、追いかけたブルースワットは銃を収める。
 「たとえエイリアンでも、改心している者を」
 「殺す事はできないわ」
 「逃がしてやるよ。どこかスペースマフィアの手の届かない遠い所へ」
 ショウ、物凄い安請け合い。
 ブルースワットは基本、コネクションもなければ余裕もなく、目的以外の事には無責任を貫くヒーローチームなので、 ここはさすがに、綺麗事が半年分の描写から乖離しすぎました(^^;
 なんというかこういう、力技の説得力を持たないヒーロー、というのはコンセプトからしてつくづく難しいなぁと思う次第。
 後、一応今作においては、「エイリアン」=「スペースマフィアの構成員」という一種の固有名詞扱いのようですが、 異星人であるシグがエイリアンを「たとえエイリアン」呼ばわりするのも実に苦しい所で、 根本的にもう少し色々どうにかならなかったのか、と思う所です(^^;
 今作の場合、これ以外にも「スペースマフィア」を筆頭に、固有名詞と一般名詞と自称と他称がぐっちゃぐっちゃなわけですが。 発想としては恐らく、『機動戦士ガンダム』において、主人公達の母艦「ホワイトベース」を敵側はその外観から終始「木馬」と呼ぶ、 みたいなリアリティを持ち込みたかったのでしょうが、全く上手くいっていません。
 薬の影響により、真也が半日は目を覚まさない事を知ったセイジは、エイリアンに真也へのインヴェードを頼み、 恩返しとしてそれを承諾するエイリアン。真也が心の奥に秘めた母への想いをエイリアンが感じていた、 というのはインヴェードの設定を巧く活用しました。
 真也エイリアンが真也母と面会中、裏切り者の抹殺の為に放たれたエイリアン軍団を病院前で迎撃するブルースワット。 例えばここで、地の利を活かした作戦を立てるなりすれば、また別の面白さも出せたと思うのですが、 凄く雑な集団戦になってしまうのがつくづく勿体ない。
 真也母は息子とのかりそめの再会を果たして笑顔で事切れ、戦闘の気配に気付いて飛び出した死刑囚エイリアンは、 ブルースワットをかばってエイリアン軍団の攻撃を受け、死亡。
 「許さねぇ。戦いをやめた者までも、利用するだけ利用しやがって、その挙げ句がこれかよ! 許さねぇ……許さねぇ!!」
 母子の本当の再会はかなわなかったけれど、自らの過去の行いを悔いるエイリアンが、 最後に人の心を救う事で自らもわずかに救われて死ぬ、という展開にショウの怒りを繋げてしっかり盛り上げてきたのですが、 どんなに格好いい展開で格好いい台詞を言っても全く格好良くならないという、無慈悲なゴールドプラチナムシステム。
 取り繕いようの無いレベルでショウ達のヒーロー性をズタズタに切り裂くプラチナムですが、 どこで出てくるかが固定化されているという事もあり、なんだかもう、出てくる度に変な笑いがこみ上げてくるようになってしまいました(笑)
 突然の愛の奇跡や、突然の神の力は突発性大惨事になるのに対し、用意された大惨事であるが故に、 笑いに昇華されてしまったというか。
 ゴールドプラチナムという名のデウス・エクス・マキナの投入により、全体が喜劇になってしまったという、悲劇。
 かくしてエイリアン軍団はブルースワットの経験値になり、六角エイリアンは逃走。病室では意識を取り戻した真也が、 母の手に残ったぬくもりに心を入れ替えるのであった……。
 シグ「親友っていいですね」
 ショウ「おいおい何言ってんだよ、俺たちみんなそうじゃん」
 サラ「そうよ今更!」
 と、真也の車椅子を押すセイジの姿を見ながらの会話は良かったです。
 ところで、最近の“地球人の頭脳がスペースマフィアに協力している”という形式と、 “法治でも人治でもなくエイリアンを倒せればそれでいいチーム”であるブルースワットが化合した結果、 「罪を憎んで人を憎まず」を通り越して俺たちにはそんな事はどうでもいいオチが続いているのですが、これが後々、 特大の地雷にならないかどうかは不安です(^^;
 次回、夏の怪談回で何かが起こる!?

◆Volume29「夏休み悪霊退治」◆ (監督:石田秀範 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
 今は使われていない火葬場に運び込まれる棺、片目の飛び出した不気味な老人、猫、鳥の群れ、煙突から流れる赤い煙……と、 古典的なホラー演出でスタート。謎の変死事件を調べていたショウとスミレは、子供サポーターの少女と再会し、 不気味な噂のある火葬場を調べに行く事に。
 子供サポーターは、少年2+少女1、という構成は変わらないのに、何故か少年2人は新キャラに。確か少女役は、 そこそこ有名な子役?だったとは記憶していますが。
 この調査でショウがお化け関係が苦手だと発覚し、子供達よりも怖がって大騒ぎ、というのはいつもと違う面を見せて引き出しも広がり、 割と面白かったです。この辺り、コミカルな描写は石田監督の味か。
 一度は退散するショウ達だったが、後日再び火葬場へ向かったスミレと少女が姿を消してしまう。 武装して火葬場へ向かったショウ達は謎の怪奇現象に次々と襲われ、その目の前で火の中にくべられてしまうスミレと少女。 ブルースワットは謎の毒鱗粉により撤退を余儀なくされ、煙突からは血のような赤い煙が噴き上がる……スミレと少女は、 哀れにも灰になってしまったのか……?
 CM明け、2人を救えなかった怒りから荒野で銃を乱射するショウに届く、宇宙からの黄金電波。
 「ショウ……ショウ……。諦めるなショウ。絶望は何も生み出しはしない。怒り、そして信じよ、ショウ、ショウ……」
 ゴールドプラチナムは語り口は優しげなのに、やたらに「怒り」を推奨するので、段々、 イケない宗教の教祖みたいに見えてきました。いずれ、定期的に怒りを爆発させないと生きていけない体質になって、 壺とか買わされてしまうのです。
 一方、地球人の心霊や呪いの概念が理解できないシグは図書館で関連書籍を調べている最中に、 少女のかばんに付着した粘液に気付いた事から真実を悟り、ブルースワットはフル装備で火葬場へ集う。
 レギュラーキャラとゲスト少女があっさり焼死、は無いだろうにしても、一応Aパートをシリアスに締めたにも関わらず、 スミレの死(?)に対するサラとセイジのリアクションが省かれているのは手抜かり。……なにぶんブルースワットなので、 ショウ以外は徹底的にドライすぎて画面に出せなかったのかもしれませんが!
 またも宙に浮かぶドクロなどの攻撃を受ける3人だったが……
 「宇宙に霊や呪いは存在しません。これが現実です」
 シグ、断言(笑)
 スワット3がエイリアンの機械装置を破壊し、全てはスペースマフィアの陰謀であった事が露見する。 マフィアは火葬場を隠れ蓑に地球の空気組成を変更する実験を行っており、連続した変死者はその実験の犠牲者だったのだ。
 「俺たちは、俺たちの空気を汚されてたまるか! 許さねえ! 許さねぇー!!」
 信徒の怒りの叫びに応えて教祖様が光臨し、いつもなら信じる者はグラビオンする所ですが、 今回は予告の通りにここから新パターンになり、プラチナムが照射した光を浴びたショウが銀色の姿に!
 「シルバニックギア、それを付けて、おまえはハイパーショウとなるのだ」
 シルバニックギア――それは、エネルギーを放出する事で完全に敵の攻撃を無効化すると共に、 スワットスーツと連動する事でショウの攻撃力を爆発的に引き上げるマジックアイテムなのだ!
 「怒れ、戦え、ハイパーショウ。ハイパーショウ!」
 宇宙の神秘により全ステータスが跳ね上がったハイパーショウは、怒りの打撃で次々とエイリアンを粉砕。 更に《全攻撃反射》属性の装甲がエイリアンの攻撃を跳ね返し、次々と消滅させていく!
 ナレーションの説明によるとシルバニックギアは使い捨てタイプのリアクティブアーマーという事で、 攻撃を反射する度に各部の装甲(腕×2、足×2、胸)が消えていき、通常のスワットスーツ姿に戻っていく、 というのはアイデアとしても映像としても面白いとは思います。
 ただ、エイリアンの撃破方法が攻撃の反射というのは、ヒーローとして激しくどうかとは思いますが。 ……幾らマジックアイテムにずぶずぶでも、せめて、能動的に倒してほしい(笑)
 というわけで、再起不能になっていたブルースワットのヒーロー性を立て直す為にスワット1に強化装備が与えられたのですが、 第29話にして何の努力も研究もなく宇宙の彼方から降ってくるという驚愕の展開。 そしてシルバニックギアの《全攻撃反射》は使い切りなので毎回新しく支給されるよ! とナレーションで説明していたのですが、 えー……今後はつまり、絶対許さない→黄金超人光臨→ギア配給、という形になるのでしょうか(^^;
 なんかもう、ハードルの基準をどこに置けばいいのか完全にわからなくなってきました(基本、土の中)。
 エイリアン軍団を撃破したブルースワットはマフィアの研究施設も破壊するが、救出した筈の老人がいつの間にか、 目玉だけを残して消えてしまう……不気味な老人は本当に亡霊だった?でオチ。
 過去3年に渡り、壮絶な実績を誇る鉄板の駄目脚本として名高い、「宮下隼一/鈴木康之」の連名回でしたが、 この組み合わせにしてはそこまで酷くはありませんでした。……というか、『ブルースワット』自体が大惨事すぎて、 このぐらいの出来ではもうビクともしないというか、もう破壊する建物が残っていないというか。
 シルバニックギアの根本的問題とか、主役のパワーアップ回のサブタイトルが「夏休み悪霊退治」とか、 いったいどこまで駆け抜けてしまうのか。
 次回――
 「もはや人間の体などいらん! 決着をつけてやる。息の根を止めてやる、ブルースワット!」
 さっぱり地球侵攻作戦を進められないジスプ、いよいよ最後の戦い?!

◆Volume30「さらば!! 魔少年(デーモンキッド)」◆ (監督:石田秀範 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
 ザジが身元不明の少年として海岸に打ち上げられ、病院に運び込まれた事をニュースで知ったブルースワットは医者の変装で病院に潜り込むが、 それは勿論スペースマフィアの罠で、既に病院はエイリアンによって支配されていた。一気にブルースワット殲滅を目論むジスプだが、 突如、ザジが意識を取り戻してその出現を妨害し、混乱の中で走り去ってしまう。 それを追いかけるブルースワットだったがUFOの強襲を受けてショウの車が大破し、セイジとスミレがそれを修理改造する事に。
 「お、俺のストライカーが……」
 とショウが愛着を口にするのですが、1話からここまで、単なる移動手段以上の存在であった事が無いので、 大破しても何の感慨も湧きません。
 そもそもショウの愛車は、銀輪1号ではなかったのか!(笑)
 (そういえば、前年の戦隊である『五星戦隊ダイレンジャー』も第1話で自転車が強調されますが、当時ブームでもあったのかしら)
 ムッシュが失踪してアジトで右往左往していた六角@夏の二の腕仕様の前には、突如、青い鎧をまとった女が姿を現す。
 「あなた方の地球侵攻作戦の停滞に、ことのほか御心を痛めておいでです。――クイーンが」
 「マドモアゼル・エバ、どうしてこんな所へ」
 半魚人のようなデザインの鎧を着込んだマドモアゼル・エバは、こういう姿の宇宙人なのか、 地球人にインヴェードした上でわざわざ愛用の鎧を身につけたのかさっぱりわからないのですが、とりあえず、 スペースマフィアの更なる上層部として「クイーン」という名前が登場しました。
 その頃、生命の危機を感じて本能的にジスプを体内に閉じ込めたザジは、ジスプと主導権を争いながらさまよい歩き、川に落下。 ジスプは強引にザジという肉体の器を破壊してしまおうとするが、その叫びを感知したシグにより、ブルースワットが駆けつける。 ジスプの発する熱で川が沸騰しているという表現はちょっと面白かったのですが、唐突にシグが光の戦士パワーを発揮し、 ザジに組み付くと説得ロールに成功。ザジの抵抗が弱まっていよいよ外へ出ようとするジスプだが、 UFOとエイリアン軍団が襲来して大乱戦となり、そこへセイジが改造を終えた新車が到着する。
 車体に武器が付き、青と金のカラーリングでヒーローメカらしくなったその名もブルーストライカーは、 これといって説明の無いまま屋根についた火砲でUFOを撃墜するが、ザジの身柄を確保しようとしたスワット3の前には、 宙に浮かぶマドモアゼル・エバが姿を見せる。
 「残念ですわムッシュ・ザジ。地球侵攻作戦停滞の原因が、あなた自身にあったとは。クイーンの御心を悲しませる者は、 誰だろうと許しません!」
 …………スペースマフィア上層部も、ジスプの事を「ムッシュ・ザジ」と呼んでいるのですが、惑星侵攻計画行程表を提出する際に、 「現地ではこのコードネームを名乗ります」という書類申請とかあるのでしょうか。
 ザジの体を守ろうとしたスワット3がエバの攻撃を受け、ここでようやく、ジスプ登場。
 「抹殺してやる! 貴様等全員抹殺してやるぅ!」
 「ムッシュ……ザジ……」
 外に飛び出た際の攻撃で、いきなり死にそうになっているエバ(笑)
 「我が名はジスプ。もはやザジではない!」
 設定の齟齬を強引に葬り去ろうとして亜空間で火炎放射した!
 そしてジスプのファイヤービームで、マドモアゼル爆死(笑)
 なんだかもう、(笑)を付ける以外に、この惨状をどんな精神状態で見つめていればいいのかわかりません。
 スワット3はザジの体を取り戻すも、ジスプ率いるエイリアン軍団に追い詰められるブルースワット。
 「この親子に手を出すな! この俺が許さねぇぜエイリアン野郎! 許さねぇぜー!!」
 さあ、みんなだいすきゴールドプラチナムの時間だよ!
 時空を越えて飛来した教祖の光を受け、今後のバンクになりそうな映像で、ショウ、ハイパー化。
 ナレーション「シルバニックギア――それは、あのゴールドプラチナムが、ショウに与えた、リアクティブアーマーである。 敵の攻撃を無力化して弾き返す能力を有し、新たな戦いの度ごとに、時空を越えて転送され、ショウをパワーアップするのだ」
 これまで呼ばれて飛び出るスペース掃除人だったゴールドプラチナムですが、今後はスペース運び屋になるのでしょうか。 作品構造としては、第30話にして「変身」のカタルシスが組み込まれたという事になるのですが、 29話分の蓄積と何も関係のない「変身」なので、限りなく薄いカタルシスです。何しろ、 ゴールドプラチナムがショウにマジックアイテムを与える理由すら、劇中に存在していないので。
 ハイパーショウとエイリアンの多対一の格闘戦が始まり、幾らここしばらく肉弾戦重視になっていたにしても、 第28話までとあまりのスタイルと温度の違いに、映像が心に浸透してきません(笑) 空気になりかけたサラは、 ハイパーショウに殴られて弱ったエイリアンを射撃で始末するゴミ拾い。 シルバニアは六角のスペースソード光線もジスプの炎も跳ね返すが、六角とジスプはこの期に及んで撤退し、 命は無事だったもののザジは再び意識不明に戻ってしまう。
 「ショウ……ショウ……ゆけ」
 プラチナムの投げキッスに導かれたメンバーはやたら壮大なメロディのBGMで謎の洞窟に辿り着き、 プラチナムは光のカプセルを作り出してザジの肉体を安全に保管。シグは、いずれ地球からスペースマフィアを駆逐した時に、 必ず迎えに来る事を誓うのであった……。
 ひとまずザジの問題が解決するのですが、ジスプも六角も生き延び、マフィアの権力者として示唆されたクイーンは光の球体で誤魔化され、 大山鳴動して鼠一匹、実に物語の進行に対して覚悟が見えない展開で、面倒くさい要素を放り捨てたかったようにしか見えません(^^;
 その上で扱いに困ったザジの肉体は奇跡の黄金超人が奇跡の力で一時保管してくれるという奇跡のだだ甘大盛りで、 壮大なBGMで格好だけ誤魔化そうとしましたが、折角のシグの抱える因縁と感情も、その中に埋没して溶けて消えていってしまいました。
 更に予告でさんざん煽ったブルーストライカーの活躍は、出会い頭にUFO撃墜しただけで、新メカ登場編としても全くやる気のない展開。
 ハッタリの為だけに出てきてあっさり爆死する鎧の人など、何もかも糸が繋がっておらず爆発四散しており、 普通なら年間ワーストクラスのエピソードだと思うのですが、 第23話以降の今作は基本的に何もかも千切れ飛んで要素の積み重ねとか時空の断層で無意味なスクラップ扱いなので、 いつもの『ブルースワット』に見えてしまう所が一番恐ろしい。
 これだけ底なし沼にどっぷりはまっていたら、次作が、鉄板モチーフ+戦隊寄りの3色チーム+思い切った古典踏襲、 に走るわけだとしみじみ思い至ります。

◆Volume31「異星人(エイリアン)純情す・・・」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
 OPにシルバニア追加。
 どこかの星で大暴れしているエイリアン・ゲドンを止めに入る、恋女房の女エイリアン・ハル。だがゲドンは、 スペースマフィアで名をあげるのだと、その手をふりほどく。
 「それを邪魔しやがるんならハル、おまえとの腐れ縁もここまでだ。あばよ」
 「あんたーーー」
 べべん、崩れ落ちたハルは、あ、悲痛に叫ぶのでありました。ところかわって舞台は地球、べべん! ……という感じで、 任侠物の講談というか浪曲というかをエイリアンでやるという体裁なのですが、全編の馬鹿馬鹿しさが3周ぐらい回ってなんか面白い事に。
 過労で倒れたという設定でスミレがお休みし、病院の帰りに目にした派手な夫婦喧嘩に割って入るブルースワット。 会社が倒産してローンが払えなくなり家を手放そうとする夫に対し、妻が「あなたは洞穴で暮らせばいい」と言い放つ展開に、 前回の扇澤脚本である松下老人回の悪夢がよぎりましたが、そこまでどぎつくはならない内にシーンが移ってホッとしました(^^;
 「まさかホントに洞穴に住む事になるなんてなぁ……」
 旅装姿の夫は山の中に向かい、見ているこちらがビックリです(笑)
 一方、ジスプに呼ばれて地球にやってきたゲドンはブルースワットを襲撃。光線銃も効かずウィークポイントも見つからないゲドン (まあそもそも、最近その設定でエイリアン倒していませんが……)に追い詰められる3人だが、ゲドンが突然苦しみだし、 その右手が石化。逃げたゲドンに容赦なく追い込みをかけるブルースワットだったが、山中でその姿を見失ってしまう。 こんな山の中ではインヴェードする人間も居ない筈……と思いきや、シグはそこで一枚の写真を拾う。
 「居たんですよたまたま人間が!」
 「あの亭主、マジで来たのかよ洞穴に!」
 不調に苦しむゲドンは男の家に戻るが、そこへやってきたハルが妻の肉体にインヴェードし、ゲドン夫を宇宙生物研究所へと連れて行く。 そこでわかったのは、ゲドンの体が宇宙バクテリアに冒されており、あと半月の命という事であった。
 「へへへっ、笑っちまうぜ。どこの星でバクテリアにとりつかれたのか見当もつかねぇ。そりゃそうだ。この手で、 襲った星は数知れねぇんだからよ」
 「行こう、あんた……」
 「え?」
 「どこでもいいから、遠くへ。二度と戦わないで済む所へ。残された時間、静かに過ごせる所へ」
 「あるかな、そんな場所……」
 「見つけるのよ。2人で」
 なんだろうこの、スペース・バクト・ファンタジー。
 一方ゲドンの行方を追うブルースワットでは、先の長くないゲドンを探すのはもうやめようとシグが提案していたが、 そこへハルを人質に取られたゲドンが襲いかかり、ブルースワットはゲドンの事情を知る。 わざとゲドンにやられた振りをして待ち受けるエイリアン達からハルを取り戻そうとするが、マフィアは2人をまとめて始末しようとし、 それを止めに入るブルースワット。
 この戦いでブルーストライカーは遠隔操作可能と判明し、そのままセイジのリモコン操作で攻撃するのかと思ったら、 やってきた所にショウが乗り込むという、何とも言えないテンポの悪さ(^^;
 再びハルが捕まってピンチに陥り、爆発するショウの怒り。
 「その2人に手を出したら、俺が許さねぇ! 許さねぇぞ!!」
 ちわー、毎度ー、プラチナム屋でーす! お届け物にあがりましたー!
 と黄金超人がやってきたと思ったら、今日は一発グラビオンからのシルバニア。 今のところシルバニアのテーマっぽく使われている挿入歌は格好いいのですが。
 ブルースワットはエイリアン軍団を撃破し、声が西尾徳エイリアンだけ逃亡しましたが、前から居るキャラでしたっけ……?(^^;  ただでさえ個体認識が難しいので、登場回で強い押し出しが無いと、正直把握できません。
 金色さんは謎の力でハルが乗ってきたUFOを召喚し、前回に続いてクライマックスを強引に盛り上げようと流れ出す壮大な挿入歌だが、 ゲドンは一緒についてくれば宇宙バクテリアはハルをも犠牲にするだろう、とその同行を拒否。
 「なろうよ石に。遙かな宇宙で、あんたと私、2人揃って、石にさ」
 だがむしろハルはそれを望み、2人は宇宙へと旅立っていくのであった……。
 「星になるんだな、あの2人は」
 「いつまでも、空に輝く夫婦星に」
 あっけらかんと見送って、いい話みたいに脳内処理するブルースワットが、相変わらずドライ。
 そしてインヴェードされていた夫婦は自宅の庭で目を覚まし、お互いを見つめ直し、手を取り合ってやり直す事にするのであった、でオチ。
 さすがにプラチナムが神秘のパワーでバクテリア治療、というオチにはならなくてホッとしましたが、 その結果としての永遠の旅立ちも含めて、悪人が改心する姿を描く気はなくて、 最初から最後までゲドンとハルは“2人の世界”に居るだけ、というのが扇澤さんらしいといえばらしいタチの悪い(いっけん)人情もの(^^;
 次回、ショウ爆発まで1時間! そして刃物に目覚める仲間達。
 「無残ショウ爆死」
 サブタイトルが一番面白かったらどうしよう……。

◆Volume32「無残ショウ爆死」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:浅香晶)
 シグは寺の境内で日本刀を振り回し、ショウは上半身裸でトレーニングに励み、サラはコンバットナイフを握って自然破壊に勤しみ、 トレーニング中の3人の元に次々と現れて復帰をアピールするスミレ……という微妙に困惑するシーンからスタート(笑)
 映像的には今回の伏線を兼ねているのですが、前回スミレはもしかして、 スケジュールの都合とかではなくリアルに倒れていたのだろうか(^^;
 そんな和やかな空気の中、セイジが新型爆薬を完成させ、ミサイルの試し撃ちで地形を変える。
 防衛局で開発中の新型兵器の製造方法をハッキングで入手したとの事ですが……最近この人たち、道を踏み外しすぎでは。
 セイジは元々ハッキング野郎で遵法意識は薄いですし、エイリアンを倒す為には四の五の言っていられねぇ!  どうせ俺たちゃ戸籍もねぇ! というのはブルースワットの特質ではあるのですが、目的の為に敢えて法を犯しているという意識が皆無 (銀行強盗回はそれがあった)というのはやや引っかかります。先日は偽刑事に扮して聞き込み(して遺族の心を苛む) とかやっていましたが、この人たち、段々、慣れて麻痺してきているのでは。
 そこに葛藤が無いと逆に特質を消してしまうような気がするわけで、いっそアウトローヒーローならアウトローヒーローで良いのですが、 そうするとスミレの存在が致命的に矛盾するという、この根本的地雷設定。
 無機物にインヴェードする能力を持つメカ寄生種族、銀河傭兵・モーグがブルースワットに決闘を挑み、 無人の自動車が3人を攻撃したり、光線銃や電車に憑依して翻弄する、とのこの手のアイデアストーリーは好きなのですが、 相変わらず決闘の場に平気でセイジとスミレを連れてきたりするのが、話の都合丸出しでどうにも間抜けです。
 そして、登場3回目にして敵に奪われるブルーストライカー。
 セイジはそれに対して、開発した新型爆薬を持ち出す。
 「これ一発で十分だよ」
 ……え、ブルーストライカー消し飛ばすの?
 ところがまたもセイジの余計な言動でこれに気付いたエイリアンが爆薬を奪おうとしている内に、その液体がショウにかかってしまう。 このままでは1時間後に浸透した爆薬が揮発してショウが大爆死してしまうが、それを洗い落とす中和剤は防衛局の研究所にしか存在しない。
 「はははは、とんだお笑いだ。自分の作った武器で、自滅とはな。ははははは……」
 いわば盗んだデータからウィルスだけ作ってワクチン用意していないとか、 自業自得すぎて本当にお笑いで困ります。
 再びブルーストライカーに憑依したエイリアンに追われてショウは20km先の研究所まで生身で走って行く事になり、 仲間達は研究所に先回りして中和剤を強奪しようとする。
 走るショウは駅前で自転車を盗むとまたがるが、それを妨害するエイリアン自動車。 撮影の都合か普通の乗用車に憑依変更しているのですが、何故かヘッドライトから飛び出すビーム(笑)
 自転車盗難、ダメ、絶対。
 そして、登場3回目にしてどこかの路上に放置されるブルーストライカー。
 スタッフは、ブルーストライカーに憎しみでもあるのでしょうか。
 自動車を振り切ろうと海パン一丁で川に飛び込むショウだがエイリアンに先回りされてしまい、 研究所目指して海パン一丁で走り続ける事に。裸足でアスファルトを走るという厳しい要求に役者さんも熱演し、 海パン一丁で走るショウの図は面白いのですが、そもそもあまりに自業自得すぎて、素直に盛り上がりきりません(^^;
 シグ達は中和剤の強奪に成功し、衛星を通して「ファイト!」のメッセージを受け最後の力を振り絞ったショウは合流に成功。 無事に中和剤を浴びたショウが着替えている間、エイリアンに立ち向かうスワット2と3は、刃物に走る。
 「そんなもので俺を倒せると思うのか!」
 「地球の武器を、甘く見てはいけませんよ」
 凄くどこかで聞いたような時代劇調のBGMの力を借り、シグは日本刀、サラはコンバットナイフ二刀流でエイリアンを切り刻む!  日本刀好きとしては盛り上がる展開ですが、シグはともかく、サラの最初からこれで良かったのでは感(笑)
 仲間が新武器&新アクションで時間を稼いでいる間にスワット1が復帰し、さあ3人で反撃だ! と盛り上がる流れなのですが、 そこは『ブルースワット』なので、「よくもやってくれたな! 許さねぇ! 絶対許せねぇ!!」からシルバニア装着という安定の台無しぶり。
 一応、毎度カウンターで倒すのもどうかと思ったのかウィークポイント検索から銃撃で倒してショウとセイジのコンビネーションを補強、 その光景に満足げな表情で帰還する金色さん。
 「互いを信じ助け合う、それがチームワークというものです」
 「それがエイリアンにはない、人間の最大の武器なのね」
 「特に、この2人は強く助け合わなくちゃね」
 なんか綺麗にまとめた!
 爆死寸前のショウを助ける為に、ショウ(水泳+自転車+マラソン、のトライアスロンアクション)とセイジ(研究開発+ハッキング) がそれぞれの得意分野を発揮し、仲間達がそれをサポート、チームワークと友情を確認する、 というプロットは悪くなかったと思うのですが、根本的に自業自得すぎるのが、どうにも引っかかりました(^^;
 ハッキングにしろ自転車泥棒にしろ妙に露悪的で、裏テーマは、泥棒、ダメ、絶対だったのか。
 テコ入れに次ぐテコ入れ、修正に次ぐ修正の影響と言ってしまえばそれまでですが、無関心・無責任・無法、のどれもが中途半端で、 作品として土台がしっかりしていない為に面白さに昇華されない、というのが今作の残念な所です。やろうとした事をやれなかったのに、 時々部分的に引っ張り出してくるので、いつまでもしっちゃかめっちゃか、という。
 次回――またまた宇宙からの贈り物。
 「ドラムガンナー最強モード、ドラムガンファイヤー!」
 のナレーションにドラム缶爆破の映像を被せているのは、凝ったギャグなのか。

→〔その6へ続く〕

(2017年2月1日)
(2018年8月11日 改訂)
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