■『ブルースワット』感想まとめ3■


“Dance dance dance!
あいつは合図で愛を”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『ブルースワット』 感想の、まとめ3(14〜19話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆Volume14「極悪スター誕生」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
 通常、予告ナレーションを誰が書いているのか知りませんが、扇澤脚本回の次回予告(一つ前の回の予告)は、 全部本人が書いているのではないだろうか、というぐらい『特警ウインスペクター』以来、5年に渡って妙に統一感があるなぁ……(笑)
 「しかし、その薬には、意外な副作用が。ヘイ! カモンベイビー! ロックンロール! その、 エイリアンの回復力と副作用に困惑するブルースワットは……」
 いや、困惑しているのは視聴者です、的な。
 インヴェードされた職員が何かを作っているとおぼしき薬品研究所を見張っていたセイジは、 門前で喧嘩するパンクな男と派手めな女のカップルを目撃。
 「うじうじ、未練たらしく間抜けな夢にしがみついていやがって」
 あ、扇澤さんだ(笑)
 彼氏に平手打ちを炸裂させた気の強くて派手な女は、なんとブルーリサーチに彼氏の夢を諦めさせてくれるように依頼。
 「早くあの馬鹿の目覚まさせて、ロック止めさせて欲しいわけ。……一緒になりたいんだよ、あいつと」
 ここで、きつい彼女に関する印象を一転させてくる、というのは巧い。
 ところがそこへセイジからの連絡が入り、相談者置き去りで研究所へと向かうブルースワット。一度は追い詰めるも、 エイリアンは研究所で作成していた薬品、回復力強化薬を使って復活。だがその薬には、回復力に強制的に全エネルギーを消費する為、 脳や精神の機能が弱まってしまうという副作用があった!
 「うわぁ〜、どうしちゃったの。あ、頭が、意識が妙にぼんやりする」
 扇澤×三ツ村コンビで、どうしてここまで頭の悪い台詞になってしまったのか(^^;
 今回のエイリアンは、エイリアン体でも流暢に日本語を操るようになり、エピソードに合わせて言動もややコミカルなのですが、 突然の「面倒くさい事はもう止めよう」という指令に現場が混乱しているような気がします。
 エイリアンは研究所で倉庫係?のバイトをしていたパンク彼氏に憑依するが、薬品の副作用によりその精神を制御する事が出来ず、 男の強い意識が暴走した、エイリアンでも彼氏でもない第三の人格になってしまう。暴走彼氏は奇矯な衣装に身を包み、 異常なテンションの赴くまま、商店街でギターを熱演、ロックの魂を叫ぶ。
 「体制に組み込まれた人間は、豚になるんだ。髪の毛伸ばせ」
 ロッカーの時代設定が『コンクリート・レボルティオ』(1960〜70年代前半)なのですが(笑)
 ちなみに扇澤脚本では『機動刑事ジバン』第42話「怪物ロックンロール!」(監督:三ツ村鐵治)、 『特捜エクシードラフト』第15話「前略金銀息子さま」(監督:簑輪雅夫)でもゲストに売れないロックバンドが登場しており、 単純に好きなのか、体制に順応できず社会に対して疎外感を抱えている存在、として使いやすいモチーフという事なのか。 なお両方とも出来が良いとは言いがたいのですが(^^;
 ブルーリサーチが依頼を受けて、彼氏を説得する為に研究所へ来てくれたのだと勘違いした彼女は、事務所でスミレと話し、 ここで彼女の妊娠が判明。彼女は生まれてくる子供の為にも、彼氏を田舎へ連れ帰ろうとしていた。
 「東京離れりゃ、エイジもロック諦めると思ってさ」
 この、都会が人を惑わせるのだ、というような要素も、上記の「前略金銀息子さま」、 『ジバン』第38話「故郷だよ、おっ母さん!」(監督:小西通雄)に用いられており、とにかく今回、面白い面白くないとは別に、 扇澤成分が超濃厚。
 「てめえらは怖いんだ。愛と自由を歌われるのが怖いんだ。そうだろう」
 「やれやれ、もう駄目ですね」
 ブルースワットの前で座り込み、撃ってみろ、と叫ぶ彼氏だが、そこへやってくる彼女。
 「おまえも奴等の味方か。俺からロックを奪う、化け物野郎が!」
 意志だけが暴走し、記憶すら混濁している彼氏を、ブルースワットはショック弾の一斉射撃で気絶させ、 ようやくエイリアンを引きずり出す事に成功。さんざん無駄弾撃った上で、ウィークポイント聞いたら一発で倒してしまうなど、 非常におまけ感に溢れる戦闘ですが、やはり、敵のデザインがひたすら似たり寄ったりというのは厳しいなぁと思う所です。
 エイリアンを撃破したブルースワットは、今までのは悪い奴がそそのかした悪夢だったんだ……的に彼女を言い含めて、 通りすがりのヒーローぽく去って行くのですが、激しく、無理があるような。
 憑依時の叫びが彼氏の本音だと考えた彼女は、彼氏に別れを告げて去ろうとするが、 憑依時に願望が暴走した事でエイリアンと一緒に夢という名の憑き物も落ちた彼氏は、未練をきっぱりと捨てて彼女を引き留める。
 「のんびり行こうや。お腹の赤ん坊と3人でさ」
 「エイジ……」
 「タバコもうやめろよ」
 冒頭の喧嘩の際の台詞が、実は彼氏も妊娠を知っていたのだった、と繋がるというのは扇澤さんらしいテクニカルなやり取りですが、 全体の出来としてはあまりよろしくないのが残念(^^; 基本、救われない者は救われず、夢はかなわない時はかなわないものであり、 むしろ人間は分相応の幸せを手に入れるべき(しかし、その中で懸命にもがくから人間は美しい)、というのが扇澤ワールドで、 導入からオチまで扇澤節全開なのは、扇澤浴みたいな楽しさはありましたが(笑)
 しかし、作品コンセプトからこれだけガタガタだと、さしもの扇澤さんでもひっくり返せないのか、 と暗澹たる気持ちになってきますが、次回、トンデモの香り漂う予告で、斜め上に飛翔するのか、斜め下へ墜落するのか。 CM作戦の行方はどっちだ!

◆Volume15「侵略CM大放送」◆ (監督:小西通雄 脚本:曽田博久)
 見所は、
 「デスキーラってそんなに凄いのか」
 「ハッキリ言って凄すぎます」
 そんな頭の悪い台詞を、TVに寄りかかりながら超格好良く言うシグ(笑)
 そして畳みかけるように繰り出される
 スペース標準語!
 スペース通信波!
 スペース通信機!
 凄く、80年代前半の空気がほとばしります(笑) まあ元々、スペースマフィアにスペーススワットな世界観ではあるのですが…… 「いわばスペーススワット」みたいな言い回しだった記憶があるので、問題の根幹はシグのボキャブラリーかもしれない。
 セイジがスミレに指揮車の設備の説明中、偶然エイリアンの映った謎の映像をキャッチ。スペース標準語で語られる内容(マフィアは、 マフィア語で喋っていたのか?)をシグが翻訳した所、恐るべき事実が判明する。
 「地球良いとこ一度はおいで・緑のそよ風青い空・地球はエイリアンのパラダイス・地球で稼ごう大もうけ・インヴェードも最高!」
 地球に行くなら鳩屋、鳩屋に決めた!
 それは、スペース通信波により流される、様々なエイリアンを地球侵略に誘うスペースマフィアのCMであった!
 …………て、無血占領が目的ではなかったのか、エイリアン。
 加速をつけて作品コンセプトが崩壊していきますが、ブルースワットの妨害による度重なる失敗でマフィアが方針転換したのか、 今回がおかしいのか、今ひとつ掴めない為に話に入りにくいのが困った所(^^;
 CM内でインヴェードされた女子高生の顔に見覚えがある、 とセイジとショウが事務所の本棚に隠した秘蔵の『制服図鑑』を取り出してニヤニヤするシーンも、誰もツッコミを入れない為、 ギャグが成立しておらず反応に困ります。
 その女子高生から糸を辿り、エイリアンに依頼されて侵略CMを撮影する自称映画監督に辿り着くブルースワットだが、 完成したCMは発信され、宇宙の賞金稼ぎデスキーラ率いる総勢200人の部隊を地球に招き寄せてしまう……。
 関係者を警察ノリで詰問するブルースワット、 セイジどころかスミレまで最前線に連れてきてエイリアンの攻撃からそれをかばうという無駄なシーン、など、 今作の問題点がわかりやすく出たシーンが目白押し。
 要所要所でちょっとした理由付けや工夫があれば全体が面白くなっていきそうな所で、その理由付けや工夫を省く為に、 すべからく雑な方へ雑な方へ転がり落ちてしまっています。
 迫り来るデスキーラの部隊をどうすれば止められるのか……エイリアンのアジトからスペース通信機を回収したシグは、 賞金稼ぎを失望させる為の逆PV作戦を思いつき、その撮影を自称映画監督に依頼する。 うまい話に目がくらんで道を踏み外しかけた駄目男は、エイリアンの銃弾から自分をかばった彼女の姿に目を覚まし、立ち上がる!
 という展開自体は熱いのですが、彼女が集中治療室で生死の境をさまよう手術中に、ノリノリで演技に駄目出しする監督、 いっぱしのメイクを気取るサラ、餓死者役で転がっているショウ、とPV撮影のメタシーンでコミカル要素を入れられると、 とても難しい気持ちになります(^^;
 完成した逆PV(環境破壊ネタ)を宇宙へ向けて流すブルースワットだが、それに気付いたマフィアの襲撃を受けてしまう。 ブルースワットがエイリアンの攻撃を必死に食い止める中、果たしてPV送信は間に合うのか……というスペクタクルそのものは面白いのですが、 エイリアン幹部(ムッシュに怒られていた男)が何故か正体を現さず、ピストルやロケットランチャーなど地球製の武器で攻撃してくるのが、 凄く冷めてしまう所。
 第10話は、ブルースワットが《レスキューポリス》シリーズっぽい事件に巻き込まれる、という構造でしたが、 今回は悪い意味で《レスキューポリス》シリーズを引きずるような絵を作ってしまいました。
 この幹部はもしかしたら戦闘向きではない頭脳派エイリアンなのかもしれませんが、 とにかくそういう“決まってない要素を有耶無耶な形で先延ばしにしてしまう”事で、 エピソードの説得力を著しく弱めてしまうのも今作の困った点です。
 スペースマフィアの妨害をかいぐぐって遂にデスキーラに逆PVが届き、地球を酷い星だと信じたデスキーラの部隊は退散。 それを知った真ん中分け幹部も引き下がり、ブルースワットは残ったエイリアンを撃破して勝利を収めるのであった。このエイリアン戦、 素早い動きの強敵をショウとシグが身を挺して動きを止めた所に、攻撃を受けながらもどっしり構えたサラが弱点を射撃して撃破する、 というのは3人の連携が今作らしい形でまとまって格好良かったのですが、エピソード内容が内容だっただけに、何だか勿体ない感じに。
 ラストは無事に彼女の手術は成功し、改めて映画監督への情熱を燃やす彼氏、 二人の元をブルースワットの面々が見舞いに訪れて大団円……なのですが、秘密のレジスタンスとして基本、 トラブル終了後のゲストには関わらなかったブルースワットのスタイルが崩れてしまったのは、残念。というか、 禍根が色々残っている場合は知らぬ存ぜぬなのに、丸く収まった時だけ姿を見せるとか、 判断基準が現金すぎるぞブルースワット(笑)
 途中でセイジとスミレを意味なく最前線に連れ出すというのもありましたが、この、 最後に無駄に全員集合させたがるというのはどうも『ソルブレイン』の時の悪い癖(とにかく無駄に全キャラを画面に収めたがる)が戻ってきてしまった気がします(^^;
 残念といえば、スペース美女回でエイリアンと地球人の美的感覚が違う所を描いたのに、 今回のCM内部でエイリアンが地球の女性に囲まれてご機嫌、という絵があったのは、異質な知的生命体との戦い、 という折角のポイントを削ってしまい残念。
 そして今回一番の問題は、デスキーラが来る来ないにマフィア幹部が一喜一憂しすぎて、 スペースマフィアの存在が非常に矮小になってしまった事。ブルースワットvsスペースマフィアの戦いは、 広大な宇宙の片隅の出来事に過ぎない、というのは設定としてはそれでも良いですが、物語として、それでいいのか。
 次回、「サラがさらわれた」……って、ナレーションさんが。

◆Volume16「激突!! 暗殺カー」◆ (監督:小西通雄 脚本:小林靖子)
 ……いつの間にかサブタイトルのパターンが変わっている事に今回気付きましたが、第14話(「極悪スター誕生」)からか。 第14話からエイリアンがコミカルに喋るようになったりもしましたが、第13話のスミレ参戦とムッシュ覚醒を節目に、明確に、 路線修正なのですね……(^^;
 セイジを荷物持ちに買い物に興じるサラとスミレ……やはり皆、個人単位ではお金を持っている疑惑(除くショウ)。
 ところが、警察に追われるケチな詐欺師の原田の逃走劇に巻き込まれ、サラが人質にされてしまう。更に、 逃走用に通りがかった運転手を引きずり下ろして乗り込んだ車の中には、エイリアンの高性能爆薬が!
 「相手はあのサラだぜ。酷い目にあってるとしたら犯人の方だろ」
 「冷たい! 心配じゃないんだ!」
 「心配なのは、むしろ警察」
 慌てて事務所に戻ってきたスミレに対し、平然とした様子のショウとシグは、サラが警察に保護されたり、 逆に犯人を制圧してマスコミ沙汰になったら、自分たちの身元が割れて爆弾犯として逮捕されてしまう、もとい、 ブルースワットの存在を敵に知られてしまう事を危惧していた。
 「無駄な心配はしない。それがプロです」
 確かにサラ、沈黙の○○みたいな扱いだと思われるのですが、今作ここまでの描写が描写だけに、信頼、というより、 ドライに見え、スミレの怒りが正しい気がして困ります(笑)
 一方、拳銃を突きつけられて逃走車を運転していたサラは、某国大統領来日の関係で都内に張り巡らされていた警察の検問を強引に突破。
 「私も警察とはお友達になりたくないのよ」
 サラがあっさりと人質になった理由をショウとシグの推測通りに今作の根幹設定と繋げ、ここからひたすら、サラ格好いい話。 拳銃を握る男相手に、終始目が据わっているのがいい味を出しています(笑) ロス時代は、物陰から急に手榴弾を投げつけられたり、 週に3回はスナイパーライフルで狙撃されるのが当たり前だったから!
 そんなサラの前に、車を返せ、とエイリアンおじさんが現れ、 何とかそれを振り切ったサラは車に積まれていた鞄の中に爆薬が収められているのを発見。 警察無線を傍受してショウとシグに逃走車の情報を伝えていたセイジが車の持ち主を調べ、おじさんは帝都ホテルの支配人だと判明する。 エイリアンの狙いは、大統領爆殺による停戦条約の締結妨害だったのだ!
 と、それぞれの分業も確立。
 今回、綺麗にメンバーの作業分担がされているのですが、少なくとも、宮下・扇澤・曽田・鷺山の4人にそれが書けないとは思えず、 虎の子の新人脚本家の為に、今回は妙な全員集合縛りを外してもらったのでは、とか考えてしまいます(^^;
 「あのね、もう人質ごっこをやってる暇はないの」
 既に立場逆転気味だった粋がっているチンピラから、あっさりと拳銃を奪い取るサラ、はアクション的にも格好良く決まりました。 仲間との合流を図るサラだが……ショウとシグは、検問にぶつかってていた(笑)
 ここをきっちり拾ったのはとても良かった所。
 ショウとシグが検問を迂回している内に、再びエイリアンの襲撃を受けるサラ。 屋根ダイブしたり轢かれたり走行中の車のドアに掴まったりと、今回はカーアクションで大奮闘……エイリアンが(笑)  1エピソードの中で、これだけ怪人役がカースタントを決めるのも珍しいような。この辺り、 今作のエイリアンが着ぐるみというよりスーツに近い比較的シンプルな構造なのを活かした展開。
 装備も無く原田をかばいながらの戦いで、奮戦虚しく爆弾を奪われてしまったサラは、事務所へ連絡。装備を運んでもらって、 改めてホテルで合流する事に。
 セイジ「ガバナーじゃ検問に引っかかるから、スミレちゃんお願い」
 スミレの意味も作った!
 連絡を受けたショウとセイジも、車を諦めてメットを抱えて自分の足でホテルまで走る事に(ショウが妙に嫌そうなのは、 アーマーがちゃんと重いという設定なのか(笑))。
 ……どっちにしろ、検問には引っかかりそうな格好だけどな!
 「あんた怖くねえのか! 殺されるかもしれねえのによ!」
 「――怖いわ。泣き出したいぐらい」
 エイリアンに驚愕する原田の言葉に、表情は変えぬまま返すサラがまた格好良く、サラは今回、非常にいい話が回ってきました。
 「……代わるよ。俺が運転してやる。さあ!」
 負傷をおして車に乗り込むサラの姿に、運転を買って出る原田。
 ここ、いいシーンなのですが、ショウとセイジがマラソンを決意する所から流れ出すマーチ風の音楽が場面と非常に合ってなくて、 毎度の小西演出です(^^;
 サラを乗せて車を走らせる原田だが、警察の網にかかってしまい、覚悟して車を止める。
 「ここからならホテルまで走れる。行けよ! サツの狙いは俺だけだ。……俺よ、ガキん時から、 切羽詰まるとすぐ腰抜けちまう根性無しでよ、それを、ツッパって誤魔化してきたんだ。けど……自分から逃げてたって始まんねえや。 あんた見てそう思った。だから行けよ。強がってんじゃない。俺、本気でやり直そうって思ってんだ。本気であんたを行かせたいんだ!  行け。行くんだ! ……行くんだ!!」
 虚勢を張って拳銃を握り、でっかい事をしてやるんだ、と粋がっていた男が、 ここで地球の為に(自分が思っている以上に)本当にでっかい事をやる。 毎年のようにちんぴら役で登場している気がする若き日の小山力也が、熱演でクライマックス前を引き締めました。
 原田は警察に捕まるが、ホテルへと走る3人、サラの装備を運ぶスミレ……支配人エイリアンは鞄を手にホテルへ到着してしまうが、 地下駐車場でその前に立ちはだかるスワット1と3!
 逃走したエイリアンの透明化からの触手攻撃に武器を落としてピンチになる二人だったが、そこにスワット2の銃弾が炸裂。
 「私が居ないと駄目ね、二人とも」
 「うわぁ言ってくれんじゃねえの!」
 3人揃ったブルースワットは見事にエイリアンを撃破し、爆弾の回収に成功。
 (ツッパリくん、やり直せるわ、きっと)
 サラは心の中で、間接的に地球の、少なくとも戦争に苦しむ二つの国の苦難を救う事になった原田にエールを送るのであった。
 シグ「今回は我々ではなく、人間がエイリアンに勝ったともいえますね。戦争をやめるという事で」
 ショウ「おまえその台詞、俺が今決めようとしてたのによ!」
 セイジ「早いもん勝ちでしょ」
 スミレ「早いもん勝ち……?」
 サラ「バーゲン!!」
 停戦条約の締結を知って喜ぶ事務所、忘れていた大事なミッションを思い出した女二人が飛び出していったのを呆然と見送る男三人、でエンド。
 今作の設定上の問題点(死んだ事になっている筈だけど何だかあやふやとかスミレの扱いとか) をしっかり取り上げてシナリオに組み込み、冒頭から必要な伏線もさりげなく盛り込んで、エピソードの重要ギミック (大統領来日と停戦条約)から派生した事柄(検問)を全編に活用、 秘密の戦いを知ったゲストキャラがそれによって得た「変化」が物語に影響を与えてヒーローを勝利に導き、 冒頭と繋げた笑いでラストを締める、と完成度の高いシナリオで、今回は面白かったです。
 これは小林靖子が、さすがの片鱗を見せてお見事でした。
 デビュー3本目でこれだけ書ければ、それは外されそうになった時に現場が誤魔化してでもかばうわけです (※後に東映サイドからの体制変更があった際、鷺山京子名義の小林靖子脚本回があったりするとの事)。
 プロット自体は、前回参加した第10話と同じく、人間の犯罪事件にブルースワットとエイリアンが巻き込まれる、 というものなのですが、この辺りやはり《レスキューポリス》フォロワーの部分なのか。
 次回、なんだかまた、不安を誘う予告(^^;

◆Volume17「ズッコケ新隊員」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:浅香晶)
 防衛局のメンバーにインヴェードし、衛星監視システムを狙うエイリアン。その頃ブルースワットは、 OPテーマをバックに激しい戦闘訓練の真っ最中であった。
 なかなか派手な映像に加え、高所からのジャンプ→着地→ガンアクションで3人の違いを台詞無しで表現する所などは面白いのですが、 BGMが1分前に聞いたばかりのOPテーマというのが惜しい(^^; 《メタルヒーロー》シリーズは例年、 途中から急に挿入歌祭になりますが、今年はまだ、出来ていないのか。
 そしてこの訓練シーン自体は、1クール目の前半ぐらいに欲しかったと思う所。
 そこへスミレがやってきて訓練に参加しようとするが、3人はそれを拒否して模擬格闘をスタート。……真面目な話、 スミレとセイジには最低限の訓練をつけるべきだと思うのですが、3人とも単純に他人の指導とか出来ないだけな気もしてきました。
 方向を間違えてミサイルランチャーをメンバーに向けてぶっ放してしまったスミレは、今度は指揮車を適当にいじると、 謎の人工衛星にアクセス成功してしまう……て、つい最近も類似のネタをやったような気がするのですが。
 謎の衛星は、ブルースワット基地の壊滅以降、強力すぎるステルス機能の為にアクセス不能になっていた秘密探査衛星SS−17であった。 ショウ達に連絡しようとセイジが席を離れている間に、 衛星内部のデータバンクに残っていたブルースワットの隊員教育プログラム・ブライアンに接触したスミレは、 それを秘密にする為に衛星へのアクセスコードを隠してしまう……。
 邪険な扱いを受けるスミレがメンバーを見返してやろうという感情はわかるのですが、 背後でSS−17が重要な存在であるという深刻な話をしているのに、スミレが自分の事しか考えていない為、 存在意義がますます問われる事に。
 そもそもメンバーがスミレを邪険に扱う事からして問題なのですが、今作のガタガタぶりだけが浮き上がっていきます。
 密かにブライアンと通信を重ね、教育プログラムをこなしていくスミレだが、防衛局がこの謎の通信波を傍受し、 SS−17にエイリアンの魔手が迫る。防衛局にハッキングして(急にハッキングするのはおかしいので、 日常的にハッキングしていると思われます)これを知ったセイジの言葉を耳に挟むも、 この期に及んで自分の事しか考えないスミレは、ブライアンの制止を振り切り、 偽の電波で防衛エイリアンを誘き出すがあえなく掴まってしまう。
 事ここに至ってようやくブライアンと接触したショウ達は、事態の真相を知ると、ブライアンの協力によりスミレの居場所を発見し、 出動。
 同じ隊員教育プログラムを受けていたというショウが、 プログラムであるブライアンをごく自然に「先生」と呼ぶのはちょっと面白かった部分。
 スミレを助け、防衛エイリアンと戦う3人だが、そこへ指揮車で駆けつけたセイジが「スミレ捜索の為にエネルギーを消費しすぎたせいで、 SS−17のステルス機能が無効化されたー」とどう考えても余計な事を大声で叫んだ為に、 エイリアンはUFOを召喚してSS−17の破壊に向かわせようとする。
 ショウとスミレがそれを追いかけ、今回も発動するショウの<挑発>スキルにまんまと引っかかるUFO。
 これまでも疑問があったのですが、今作におけるUFOとは、エイリアンの乗り物では無く、 スペースマフィアの使役する円盤生物の事だと思って良さそうです。
 まあ、広義の未確認飛行物体という点では、間違っていない。
 ショウの励ましを受けたスミレの大活躍でUFOとエイリアンを撃破するブルースワット。ここで、 現場でスミレを怒っている内に更なるピンチに、という馬鹿の上塗りをしないで、 やってしまった事は仕方ないから訓練の成果を見せてみろ、と持っていたのは今回の数少ない良かった所。
 だが、防衛局のシステムを遠隔操作したエイリアンの最後のあがきにより、SS−17に向けてミサイルが放たれてしまう。 自分が消えれば、その分生まれるメモリの余裕でステルス機能を回復可能だ、と告げるブライアン。
 「母なる星、この青い地球を守る特殊部隊。それがあなた達、ブルースワットの名前の由来なのですよ」
 ここで、地球を守るという部分が強調されるのは、今作の持つ『ジャンパーソン』以前(つまり《レスキューポリス》シリーズ) への回帰意識を改めて感じます。
 ブライアンに促され、悲しみをこらえて特殊コード〔MOTHER−BLUE〕を打ち込むスミレ。
 「マザー・ブルー、いつまでも、青く、輝いて」
 これによりブライアンは消滅するが、ステルス機能を回復したSS−17はミサイルを回避・撃墜し、 ブルースワットはブライアンを失うも、貴重な極秘データと情報衛星のバックアップを受けられるようになるのであった。
 「おまえも立派なブライアンの卒業生だ。もう一人前のブルースワット隊員。俺たちの仲間だよ」
 正直、今まで迷惑だと思っていた、というショウの本音が。
 「ありがとうショウさん。ありがとうみんな。……ありがとうブライアン。あたしの素敵な先生」
 地球を守る為に自ら消滅を選ぶブライアンと、それを飲み込む事で戦士としての階梯を一段上るスミレ、 にブルースワットの由来を絡めたラストの雰囲気は悪くないのですが、そもそも問題の原因がスミレの自分本位な行動にあるので、 そこをまるっきり無視して最後綺麗にまとめたからOK、というのは非常に疑問を感じる構成です(^^;  スミレの好感度ブースト編の筈なのに、どうしてむしろ下がりそうな内容なのか。
 またスミレの身勝手な行動の遠因は、ショウ達の配慮不足にあるので、やはりそこに一切触れないまま、 チームの結束が高まった様に描かれるのも、問題を感じます。あなた方は本当に、半ばこうなる事をわかっていて、 どうしてスミレを雇ったのか……という塞いだ筈の傷口をまた無駄に開いた感。
 スミレのポジションを修正するにしても、もう少し、やりようがあったと思うのですが……。

◆Volume18「強盗犯は英雄(ヒーロー)!!」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:中野睦)
 平和な街で突如発生する銀行強盗……その正体はなんと、ブルースワット。
 遂に、活動資金が限界に達したのだ!!
 ……わけはなく、エイリアンの仕掛けた時限爆弾を探す為のやむを得ない作戦であった。
 折角プロットは面白いのに、そこに至る経緯を全部モノローグで説明した上で、更に3人の会話で説明をくどくど重ねてしまったのは、 非常に残念。
 銀行の貸金庫に収められた、あるワクチンを消滅させる為にエイリアンが仕掛けた時限爆弾を探し回る3人だが、 サーチセンサーにも引っかからず発見する事が出来ない。更に、入手したエイリアンの計画書によると、 もう一体のエイリアンが作戦のフォローの為に現場に居る筈だが、果たして人質の中の誰がエイリアンに憑依されているのか……?!
 (駄目だ、わかんねぇ、わかんねぇぞ……)
 心を鬼にして作戦を決行したブルースワットだが、爆弾もエイリアンも発見する事が出来ないまま、 いたずらに時間だけが浪費されてしまう。
 密室劇での犯人捜しというサスペンスの中に、人質にされる人々の心情を慮りながらも、 地球を守るプロに徹する鉄の意志というブルースワットのヒーロー性をしっかり盛り込んでおり、面白い展開。
 交渉役の本田刑事(演じるは前作で時実博士を演じた森田順平)とは一種の信頼関係を築いたショウだが、 そこへエイリアンに憑依された警察署長が突入を強行し、自ら銀行内部に乗り込んでくると銃を抜く。
 「撃てよ。私も撃つから」
 緊迫したその時、人質を守る為に飛び込んできた本田刑事が署長を拘束。
 強盗ショウに向けた、
 「その女性に手荒な事をするなチンピラ」
 という台詞の言い回しが、さすが格好いい。
 署長に憑依していたエイリアンが出現し、凄い勢いで警察の皆さんが目撃するが、ブルースワットは煙幕の中でそれを撃破し、 機動隊は銀行内から一時撤退。
 折角のサスペンス展開だったのにここで戦闘を挟んでしまったのは流れが崩れて勿体なかった所。 ラストから逆算して本田刑事の活躍の場を作る必要があったのでしょうが、何とか戦闘無しでやってほしかった部分です。
 「最後の手だ。俺たちが人質を解放するか、エイリアンが逃げ出そうとするか、勝負だ」
 セイジの工作により、逃走用のバンに運転手として乗り込んできた婦警コスプレのスミレを交え、人質の解放を宣言する強盗ショウ。 行員の一人がトイレに行きたいと騒ぎ出し、強盗シグがその見張りに離れた瞬間、突然の停電が起き、 逃げ出そうとした警備員に憑依していたエイリアンが出現。
 …………うーん、誰がエイリアンなのか? というサスペンスでここまで引っ張ったのに、 肝心の所で特に伏線もなく物凄く雑にエイリアンが正体を現してしまったのは、これまた非常に残念。 プロットも展開も面白く来ていたのに、徹底しきれませんでした。
 「駄目です! 殺しては駄目です! 時限爆弾のありかを吐かせるんです!」
 あなた方、そんな器用な事が出来るのか。
 3人はスワットスーツに早着替えし、銀行内部(第1話と同じセット?)でのバトルは、人質の背広に火が燃え移ったり、 破れた水道管から水が噴き出したりと、狭い室内とモブの存在を活用して、なかなか秀逸なパニックアクション。
 混戦の中で人質の少年が危機に陥り、スワット2が結局エイリアンを射殺。これを誰も責めない、 というのはブルースワットらしい割り切りで良かった所。
 何か手がかりが無いかとエイリアンが憑依していた警備員の体を探ったショウは、男が携帯していたスペースバリア発生装置を発見する。
 またシグが、適当な翻訳を……!
 「ストロンガーバーリア」(1974年)と同じセンスですが、シグがいったい、何を教材に地球語を学習したのか不安になります(笑)  ……まあシグの立場からすると、細かく説明するよりも「スペース○○」=「エイリアンのオーバーテクノロジー」 というのがわかりやすいだろう、という意識なのでしょうが、物語的にはガックリと腰が砕けます(^^;
 時限爆弾はそのバリアーの作用によりサーチ不能になっていた事がわかり、装置を解除する事で地下の爆弾を発見した3人はその停止 (ラジコンのコントローラをOFFにするみたいな形で超あっさり)に成功。
 いつも思うのですが、スーツの機能によるサーチとシグの超能力センサーが演出上でごっちゃになっているのはどうしてなのか(^^;
 事件を解決したブルースワットは、何故か爆弾を手に正面玄関からスワットスーツ姿で堂々と登場し、世間にその姿を見せつける。
 「ここで何が起きたんだ? さっきのあの化け物は? おまえ達……いったい何者なんだ?」
 「ただのチンピラだよ。ありがとよ、タフガイのおっさん」
 3人は煙幕弾を放ってマンホールから逃走し、その鮮やかな手際と金銭的な被害が全くなかったという事実に何かを感じ取った本田刑事は、 思わず笑い出すのであった。
 「ふははははは、やるじゃないかチンピラ」
 洒落たやり取りでラストを飾りたかったのはわかるのですが、話のプロットがブルースワットの隠密性を巧く活用していただけに、 それを自ら壊しに行ってしまったのは、統一性を欠いてしまい少々やりすぎだった感。ゲストの格好良さで強引に誤魔化しましたが。
 本田刑事は実に格好良く、エイリアンを目撃した辺りも含めて、今後時々出てきて事件に絡んでくれたりすると嬉しいですが、 無理かなぁ……。
 前作で伝説の<ジーザス・エンド>編を書いた中野睦が初登板。割と面白かったのですが、冒頭のモノローグには目をつぶるとしても、 エイリアン捜しに絞ってサスペンス展開を貫き切れなかったのが、非常に惜しい。
 閉鎖空間のサスペンス展開を20分程度で構成するのは確かに難度高いのですが、ここは一つ、挑戦してみて欲しかった所です。
 改めて、そんな閉鎖空間でのサスペンスを絶妙なさじ加減で特撮ヒーロー物と融合してみせた 『鳥人戦隊ジェットマン』第12話「地獄行バス」(監督:東條昭平 脚本:井上敏樹)は名作で、 井上敏樹×東條昭平の力量に唸らされます。
 次回、ムッシュ・ザジ、起つ。

◆Volume19「魔少年(デーモンキッド)の正体!!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
 ザジの声:小峰裕一
 しょ、正体ってそういう事なのーーー?!
 スペースマフィア上層部からの特命により自ら動き出したムッシュ・ザジは、でこ男と六角を顎で使って、 バルボレラフーズ作戦を進行する。それは、地球人の肉体を苗床に育つバルボレラ菌を用いて、 エイリアンの食料となるバルボレラフーズの生産を準備するという恐るべきものであった。
 急速に矮小化していたスペースマフィアですが、ここで、今のところ現場で一番偉そうなムッシュ・ザジの更に上層部が居るという設定を付け加える事で、 地球上のスペースマフィアはほんの一部隊に過ぎない、という事を改めて強調。組織の転落に歯止めが利かなくなりそうだったので、 早めに手を打って良かったと思います。
 その頃、スミレの買い出しに付き合っていたシグは、リンゴの鮮度を超能力で透視。
 「元来、武器として備わったものじゃないんです。本当は、こんな使い方の方が、合ってるんですよ」
 素のシグ、が顔を覗かせて、いいシーンと台詞。
 スミレはそんなシグに、宇宙ではどんな食事をしていたのかを問いかける。
 「だってさ、シグも人間にインヴェードしてるわけでしょ? 本当はそういう顔や姿じゃないんでしょ。 栄養とかどうなってんのかなーと思って。でもそうなるとどうなっちゃうんだろ。そのインヴェードされた人の、生活とか家族とか」
 あ、急に凄く面白いボールが。
 てっきりシグは、都合良くこういう見た目の宇宙人なのだとばかり思っていたのですが、割と空気読まないスミレが、 非常に良い所を突っ込んできました。
 シグが「いずれ詳しく説明する」と答えた時、突然の悲鳴に外に出ると、そこでは肌に謎の斑点が浮かび上がった女が倒れていた。 女は救急車で運ばれるが、その救急車を襲撃するでこ男。後を追っていたシグの前に六角も現れ、 駆けつけたブルースワットの前で遂に正体を見せる指揮官エイリアン。
 それぞれ剣と鞭で武装したエイリアンはさすがにこれまでとは違うデザインで、ゾドー(六角)、リーガ(でこ男)と、 個体名も付きました。
 ……しかし、本当にもう、久子さん(仮)は出てこないのか…………。
 2体のエイリアンに苦戦するブルースワットだが、更にそこへムッシュが現れ、憑依していたエイリアン・ジスプも出現。
 ……?
 六角達は「ムッシュ・ザジ」と呼んでいるし、少年の姿を見たシグも「まさか……お前は、ザジ!」と叫ぶのですが、 エイリアンの本体は名前が違うという、困惑する展開(^^;
 他のエイリアンより頭一つ高いというデザインが面白いジスプは火球を自在に操り、 これまでと格の違う3体に追い詰められるブルースワットだが、何故か3体は人間の姿に戻ると、3人を置いて救急車で走り去ってしまう。
 エイリアンの目的……それは、通りすがりの地球人に手当たり次第にバルボレラ菌を注射し、 寄生に成功した個体をさらって来るべき日の為にバルボレラフーズの原料を冷凍保存しておく事にあった。
 今回、演出のテンポも良くここまで迫真の展開で、見ている時はあまり気にならなかったのですが、文章にすると、 杜撰だなぁ(笑) この人たち、むしろ救急車を襲うスリルに目覚めていないか。
 なおここの会話シーンで、スワットアーマーに傷表現があるのは、地味に秀逸で今作らしさと言えます。
 ムッシュ・ザジについて確認すべく病院へ向かったシグは、意識不明でベッドに眠る少年の姿を目にし、 「やはり見間違いか」…………で済ませていいのか(笑)
 シグの後を追っていたスミレは病院の地下に迷い込み、エイリアンと遭遇。 エイリアンはその病院のコールドスリープ医療施設を利用して、確保したバルボレラ人間を保管していたのだ。そしてスミレは、 一つのカプセルに、シグの肉体の主を発見する。
 それは、1984年からコールドスリープに入った男――広瀬剛。
 割と唐突に、冷凍睡眠施設が常識的なテクノロジーとして世界観の中に入り込んできますが、 『特警ウインスペクター』に冷凍睡眠をギミックに使った名作回(第33話「目覚めた浦島太郎」)があるので、 個人的にはすんなり受け入れてしまいました(笑) いや、世界観繋がってない筈ですが、納得感あるというか。
 でこ男に見つかったスミレの悲鳴を聞きつけて地下に向かったシグを妨害するレーザー発射装置も、 『ウインスペクター』では銀行に仕掛けられていましたし(世紀末のTOKYOでは一般的なセキュリティの一つです)。
 結構使い回している気がするのですが、この箱形レーザー発振装置の初出はどの作品なのだろう。
 シグの連絡を受けたショウ達もやってきて、病院の地下通路から伸びた倉庫で再び激突する、ブルースワットと3体のエイリアン。 戦闘の中で、シグはムッシュ・ザジへと躍りかかる。
 「エイリアン! ザジから出てこい! もう一度正体を見せろぉ!」
 「パパ……パパ、止めて、苦しいよ……パパ」
 子持ちだったー?!
 思わず手を緩めたシグは、憑依しているエイリアン本体にもダメージを与えるスペースナイフで刺されるが、何故かまた、 ブルースワットにトドメを刺さずに去って行くエイリアン達。だが3人は爆発する倉庫に取り残されてしまい、 更に追い打ちの時限爆弾が発見される。果たしてブルースワットの運命は。そして囚われのスミレは、 このままキノコ人間にされてしまうのか!
 導入で面白いボールを投げてきて、後半で明かされる衝撃の事実、と今作にしては盛り上げてきたのですが、 「ザジ」という名前への困惑や、不自然な撤退を繰り返すエイリアンなど、盛り上がりきれないのが今作らしい所(^^;  そしてシグはまた、秘密主義でいらぬ混乱を招いている気がしないでもないのですが、次回、この盛り上がりは維持できるのか?!

→〔その4へ続く〕

(2016年8月16日)
(2018年8月11日 改訂)
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