■『ビーファイターカブト』感想まとめ1■
“超重甲!!”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『ビーファイターカブト』
感想の、まとめ1(1話〜6話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
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〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕 ・
〔まとめ5〕
〔まとめ6〕 ・
〔まとめ7〕 ・ 〔まとめ8〕 ・ 〔まとめ9〕
- ◆第1話「2代目は高校戦士」◆ (監督:東條昭平 脚本:宮下隼一)
-
東映側プロデューサーが、『特警ウインスペクター』以降6作品に渡って担当していた堀長文から、
前作にも参加していた日笠淳に一本化。関係者いうところの“堀学校”が終わりを迎え、《メタルヒーロー》シリーズも、
今作を持って一つの節目を迎える事に。
物語の舞台は、ジャマールの侵攻を退けた前作から5年後――アースアカデミアは発展継承されてコスモアカデミアと名前を変え、
見るからに規模の大きくなった日本支部ビートルベース職員の、青いつなぎの制服が、
凄く超力基地に見せるのは気のせいでしょーか。裏で三浦が糸を引いていると考えると、
急速な組織拡大にも納得がいくのですが。
真相はさておき、ニューヨーク本部の開発主任となっていた甲斐拓也は、未知の侵略者への対抗策として、
老師グルの協力を得て新たなビーファイター計画――ネオインセクトアーマーを完成させていた。
5年の歳月の表現として、拓也はオールバック+眼鏡で登場。向井博士が研究を進めていた昆虫魂抜きの発展型プロトアーマーではなく、
引き続き昆虫魂にずぶずぶのインセクトアーマーが次世代型アーマーとして採用された影には、凄絶な政治的暗闘があったに違いありません。
ああ! 向井博士の運転する車が蛾の群れに囲まれて交差点に突っ込んだーいったいなにがあったんだー(棒)
半身をサイボーグ化し復讐に燃える向井博士がムカイダーJ9部隊(リーダーは大作)
を率いてネオインセクトアーマーと戦うとかなったら熱いなぁ(おぃ)
そんな折、深海で発見された巨大な何物かが浮上、そして突如、ムカデ状のメカ怪物が市街地を蹂躙する大破壊が巻き起こされる!
「我が子よ……メルザードの子らよ、地球は我ら2億年の眠りから醒めた、メルザード一族のものだ」
深海から浮上した巨大生物要塞メルザードスに君臨する女帝、その名をマザーメルザード。
「抹殺せよ! 地上に生きる全ての生命を!」
それこそが、地球の生命に対する新たな敵の、出現であった――!
箱物系のマザーメルザードは、デザインや色彩からすると、女王アリのイメージか。
石炭みたいなものを取り込んだ女帝が出産するという形で怪人エレバンモスが誕生するのですが、
幹部はどちらかというと怪奇寄りのデザインなのに、怪人の目がつぶら(笑)
また、「地上に生きる全ての生命を抹殺せよ!」という女帝が、滅びた種を怪物として復活させる、
というのが組織コンセプトとしてもう一つしっくり来ず。この辺りは次回以降で説明されるのかもしれませんが、何となくちぐはぐ。
ちぐはぐといえば、前作の敵が異次元からの侵略者で、それを意識して次世代アーマーを開発していたら、
敵は地球の中に居たというのも、何となく噛み合っていません(^^; ……というか、メルザード一族は5年前に、
あわやガオームホールに飲み込まれる所だったのか(笑) まあ、その影響で封印が〜とか繋げてくるのかもですが。
コスモアカデミアでは、新たなビーファイターとして、環境捜査員の橘健吾、電脳工学研究員の鮎川蘭が選抜される。
最後の1人が見つからないまま街へ向かった健吾と蘭は、そこで、
ムカデメカを《挑発》して市街地から引き離すスポーツ万能の高校生・鳥羽甲平を目撃。
そして学校に現れたマンモス怪人に立ち向かう甲平の姿を、延々と傍観。
甲平を目立たせる都合はわかるのですが、2人とも、何をしに来たのか。
「動物は自由に野を跳ね……走り回る。昆虫は、空を飛び、花は、美しい姿で……人間に、安らかな心を与える」
「何もかも一緒に踏みつぶしてやる!」
「自然と人間が調和している地球を、破壊する事は許さん!」
マンモス怪人に立ち向かう甲平の特攻精神に昆虫魂が反応し、変身アイテム・コマンドボイサーが甲平の元に飛来。
「なんだこれ?」
「まさか、あいつが、あの高校生が!」
「嘘? あたし達の同志?」
ずっと傍観していた健吾と蘭、甲平が同志と確認されたので、ようやく助ける(^^;
健吾と蘭の動きも酷いのですが、甲平の姿に対するアースアカデミアのリアクションを挟んでシーン切り替わったら、
学校から全く別の場所に移動してしまっていたのが大失敗。戦闘の都合による場所移動というのは頻繁にありますし個人的にはほぼ気にしないタチですが、
甲平がマンモス怪人の凍結ガスで妹ゆいが凍らされてしまった怒りで我武者羅に立ち向かっている、
という重要な感情の流れ――学校という場で戦っている事に意味がある――が、プツンと切断されてしまいました。
とにかく全体的にすっごく雑で、東條監督のパイロット版としてはショックなレベル。
3人は変身アイテム・コマンドボイサーにカードをインプットして、超重甲!
ビーファイタークワガー(黒)・ビーファイターテントウ(紫)・ビーファイターカブト(金)
て、凄い配色。
前作がボディビルダーを彷彿させたのに対して、今回は甲冑を思わせるデザインで、「カブト」という名称もそこからでしょうか。
怪人軍団を蹴散らしたBFカブトが前作には無かったバイク型マシンを召喚し、それぞれ槍系の武器を構える、
というのも騎馬武者のイメージを感じます。
長物を手にマンモス怪人に突っ込んでいって、すれ違いざまに一閃×2、最後に金が正面突撃で撃破、
という必殺攻撃は変化球で格好良かったです。……撮影が面倒そうなので、早晩なくなりそうな来もしますが(^^;
戦い終わって妹の無事も確認し、部活が忙しいし受験もあるしとヒーロー活動に及び腰な甲平に、
「地球の平和は任せた。頼むぞ!」
と物陰から押しつける気満々の拓也(笑)
まあ、昆虫魂に選ばれたから、仕方ないですね……。
「遂に……遂に誕生した。若き戦士達。邪悪なメルザードの侵略から地球を守れ。地球に生きる全ての命を守れ。
ビーファイタークワガー、ビーファイターテントウ、ビーファイターカブト」
そして、強引にまとめるコスモアカデミアの小山内博士。
新生ビーファイターが3人並んで波止場を歩くというお約束のシーンまで入ってしまっているのですが、博士の妄想なのか、
反論など無かったかのように甲平が取り込まれてしまったのかは不明。次回果たして、この要素は引っ張るのかどうなのか。
雑な部分が目立ち、正直あまり面白くない第1話でしたが、今後に期待する要素としては、敵の指揮系統が、恐竜長男+カマキリ女、
魚次男+アンモナイト爺、という2派閥で対立している様子な所。恐竜兄貴からは絶妙にへたれ臭が漂っているので、
ただの乱暴者ではなく、残念王子路線に進んでくれるといいなぁ……(笑)
あと、今回ラストを締めた小山内博士が実質的にナレーション兼任なのか予告を担当しているのですが、
劇中でまだ一面識もない女子高生(甲平の妹・ゆい)にデレデレ、みたいな調子の予告が、正直、気持ち悪い(^^;
近年はとんと見ないノリですが、96年だとまだ許されていたのか。
- ◆第2話「三葉虫は放課後誘う」◆ (監督:東條昭平 脚本:宮下隼一)
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地上攻略に功績が大きい方を後継者、劣った方は食料にする、と兄弟に告げ、派閥争いに油を注ぐマザーメルザード。
しかし怪人はマザーに強制的に与えられるようなので、結構、当たり外れが大きいような(笑)
学校でビーファイターのマニュアルに目を通す甲平は、帰ってきたテストが38点で、スポーツ万能だけど成績はあまり良くない様子
(勉強どころではなかった発言があるので、普段はもう少しマシ――少なくとも、勉強はしている、と思われますが)。
前回ラストの抵抗むなしく、権力の横暴に負けてコスモアカデミアに組み込まれてしまった甲平は、
授業中に何の配慮もない呼び出しを受け、妹(両親が仕事でアメリカに居て2人暮らしの為に何かと兄の面倒を見ている設定)
に後のフォローを頼んだ事で口論に。
「何よその言い方! 勝手に正義の味方なんかになっちゃって!」
「勝手じゃねえ! 選ばれちまったんだ。仕方ねぇだろ」
断ると、毎晩窓ガラスに昆虫の群れがガンガン体当たりしてくるので、仕方ないですね。
にしても、高校生らしさを出したいという意図だったのかもしれませんが、一週間経ったら完全に割り切っているのなら、
前回ラストの甲平の反駁は特にいらなかったような。むしろ一体全体、
前回と今回の間にどんな 脅迫 説得が行われたのか、コスモアカデミアと昆虫界の闇だけが深まります。
昆虫魂に選ばれたからには、コスモの為に命を捧げよ!
「迷うな。俺達の命は、地球上全ての命を守る為にこそある。たとえ誰かが倒れても、最後の一人まで、戦って、
戦って、戦い抜く。それがビーファイターだ!」
(甲斐拓也)
開発者、こういう思想に骨の髄まで染まっているので。
かくして全体主義の英雄候補として世界を守る生け贄に選ばれた甲平はコスモアカデミアに出勤し、連続女子高生行方不明事件について聞かされるが、
「たーいへんだスケジュール調整。さっそくマネージャーに」
どうして蘭は、巻き込んだ民間人をいきなり煽っているのか。
脚本上では、場を和ませる軽口という意図だったのかもしれませんが、女優さんの演技の問題もあって、割と普通に腹が立ちます。
街での聞き込みから新任教師が怪しいと目星をつけた3人は甲平の学校に向かい、ゆいやその友人が謎の繭に囚われた事を知る。
地下の隠し部屋を見つけるも蘭がさっそく触手に捕まってぎゃーぎゃーわめき……この女、個人的に、
某先輩女性刑事(序盤)を思い出して、物凄くイラッとするんですが。
BFは蘭を救出して超重甲し、戦闘員ポジションが恐竜派と魚派で顔パターンが数バリエーションある、というのは凝っていて面白い所。
三葉虫はさらい集めた女子高生達の生命エネルギーで巨大化し、さんざん生命力を吸い取られた女子高生達が自力で繭からよろよろ出てきた所を助ける、
という第2話にしてヒーローとして異常に格好のつかないビーファイター(^^;
ただ巨大三葉虫が市街地を派手に破壊し、逃げ惑う市民を戦闘員ポジションが襲って虐殺する、という二段構えはかなりエグく、
よくある映像にワンポイントを加えて面白くしてきました。
基地の人工知能が巨大三葉虫の弱点を見つけ、カブトの攻撃により巨大化エネルギーを消し飛ばして元のサイズに戻った所に、
ランスアタック。巨大な触手に食らいついて攻撃を仕掛けるカブト、の画はなかなかの迫力なのですが、ランスアタック炸裂までの間、
黒と紫が一切戦闘に関わらないのは、どうしたものか(^^; 弱った三葉虫へトドメを刺す一斉ビーム攻撃の所だけ出てきて、
やる気が全く感じられません。
要塞へ戻った魚とアンモナイトはマザーのお仕置きを受け、前回に続いて、マザー短気。
「我が子らよ……メルザードが地上を制し、覇者となるその日まで。憎め、競え!」
両派閥の戦闘員達が殴り合いを始め、凄く駄目そうな組織なのですが、
構成員の小競り合いが頻繁に煽られるというのは、ネロス帝国(『超人機メタルダー』)オマージュ?
三葉虫を撃破した事で女子高生達は生命エネルギーを取り戻し、兄のヒーロー活動を応援しようと思い直す妹。
(そうだよね。選ばれちゃったんだよね、お兄ちゃん。ちょっぴり寂しいけど、OK。ゆいも頑張って、お兄ちゃんの、
ビーファイターのマネージャーしてあげる)
受け入れないと、毎晩窓ガラスに(以下略)なので、仕方ないですね。
「ナイスファイト! その調子で、追試も頑張れよ」
女子高生にきゃーきゃー囲まれて戻ってきたカブトに、物凄い他人事エールを送る、ビーファイタークワガー。
「いくら名マネージャーでも、代わりに試験は受けられないもんね。頑張れ、お兄ちゃん」
甲平が爽やかに追試へ向かうので救われていますが、大人2人が高校生に配慮する気配が全く無くて、
凄く最低な感じ。
コスモアカデミアも国際的な組織っぽいのに、学業関係の対応は本人に丸投げしており、何この腐った組織。
前作も立ち上がり手探り感が強かったですが、昆虫魂+科学の融合であるインセクトアーマーというポイントは存在していたのに対し、
なまじ世界観を繋げて設定を踏襲してしまった為に変身システムにポイントを置けず、独自性とインパクトをどこで出すか探っている内に、
これといった売りのないパイロット版になってしまった、という印象(^^;
敢えて言えば主人公が高校生という所なのでしょうが、現段階ではむしろ、話の足を引っ張ってしまっています。
甲平に対する周囲の態度があまりに酷いのですが、社会人達の対応は改善されてくれるのか。集団ヒーロー物の1−2話で、
主人公以外のメンバー(博士含む)に、ここまで好感持てないのって、なかなか無い気が。
思い返せば同じく完全続編であった『特救指令ソルブレイン』も立ち上がり散々でしたが、東映ヒーロー物の作り方と、
完全続編というのがあまり相性が良くないのでは、と思ってしまう所。
おまけ:余計なノイズを無くして物語にスッキリ入れるようにとちょっと調べてみたら、メルザード一族が眠りについたという2億年前は、
地球の地質代区分でいうと、中生代−三畳紀(約2億5千万〜2億年前)。
一つ前にあたる古生代−ペルム紀(約3億〜2億5千万年前)の末には、地球史上最大規模の大量絶滅があったと考えられているそうで、
これを意識した設定でしょうか。
……まあ、マンモスが生息していたのが約500万年前〜約1万年前頃だそうなので、
眠りについていた間の動物もチャージしてあるのがやはり謎ですが、
生物種が絶滅すると自動的にメルザード保管庫にDNA情報が送られてきて記録されるシステムなのでしょうか。
……深読みするとなんか怖い。
そういえば前作で7代前の昆虫界の長老が残したメッセージでは、
約6500年前(中生代−白亜紀)の大絶滅の際にセントパピリアが飛来して地球に新たな命をもたらしたという事でしたが、
2億年前にも同じような事があった……という形で前作と繋がるのかなぁ。
こういった大絶滅は地球史上でこれまで5回起きているそうで、もしかしたら、その度にやってきているのか蝶々。……なんだか、
余興を見てから帰りたくなった気分もわかるようなわからないようなわかってはいけないような。
ついでに気付いた事として、第1話の甲平の
「自然と人間が調和している地球を、破壊する事は許さん!」
という台詞が、あくまで甲平視点ではありますが、前作では存在していた環境問題に対する意識を示さず、
調和している前提で重要な決め台詞にしてしまう事にちょっと首をかしげていたのですが、「コスモアカデミア」という名称に、
「アースアカデミアの発展系めいた雰囲気+コスモポリタン」に加えて「コスモス(調和・秩序)」がかかっているとすると、
「調和」というのを、今作のキーワードにするつもりで台詞にしたという事だったのかも。
そして5年の間に世界は、科学と昆虫魂が手を組んだ力により、着々と作り替えられているのかもしれない。
つまりコスモアカデミアの真の目的は、
全人類に昆虫魂を注入する事で意のままに制御する新帝国ビートルの建設だったんだよ!!
次回、現在、好感度が−50点ぐらいの蘭話になるようなので、好感が持てるようになるといいなぁ……。
- ◆第3話「目覚めよ!! 新(ネオ)マシン」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
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「誰だ! 人間が作り出した、驕れる都市文明を破壊するのは、誰だ!」
マザーメルザードが生み出した新たな怪人、ディノザーラはティラノ顔が三つ頭という、なかなか面白いデザイン。
あと今回気付きましたが、魚次男は顔のサイドに魚眼があった上で、正面は人間の顔に似た目鼻口があって異形ぶりが面白い。
にしても、「儀式だ! マザーが新たな兄弟をお産みになる!」はどうしても、エゴス(『バトルフィーバーJ』)
を思い出してしまいます(笑) マザーメルザードが兄弟を生み出すというのも、サタンエゴスの御子として生まれるエゴス怪人、
となんとなく雰囲気重なりますし。
「今こそ、地上を原始の姿に戻してやる。人間どもが信頼するコンピューターだの、ネットワークだの、その全てを破壊し尽くしてやるのだ!」
2億年眠っていたという割にはリサーチの早いメルザード一族ですが、この人達の言う眠っていたって、
海底に引きこもって食っちゃ寝していた(封印などで外に出られなかった?)という事でしょうか。そして地上侵攻の動機は本当に、
怠惰な生活を満喫している間に見覚えのない生き物がデカい顔していて不愉快! レベルなのか?(笑)
地上に出現したディノザーラは都市地下に張り巡らされたネットワーク回線をズタズタに引き裂き、交通インフラが大混乱。
「私のプログラムが!」
警察や官公庁などにも協力して様々なプログラムを提供している天才プログラマーにして、カリスマゲーマーでもある蘭は、
信号機の故障などで引き起こされた街の惨状を目にして公衆電話に駆け込むが、その際に助けを求める少女の叫びを聞き逃してしまう。
公衆電話のISDN回線を用いてプログラムを修復しようとするのが時代を感じますが、
回線が切断されるとプログラムが異常を起こしてパーキングチケット発券機が爆発するって、いったい蘭は、
交通管理プログラムに何を仕込んでいたのか。
これも、コスモアカデミアによる新帝国ビートル建設の為の陰謀なのか。
日本の交通インフラは、既にコスモアカデミアによって意のままにされていた!
今回も割とド派手に市街地が破壊され、そこに姿を見せる兄者とカマキリ。
「我らは、マザーの偉大なる力で、人間以前の絶滅種より、甦った。今こそ、地上に生きる全ての生命を、絶滅させてやる」
「ふざけるな! 誰がさせるか!」
「ビーファイターが、この地上の生命たちを守る!」
メルザード一族の位置づけが補足され、命を守るビーファイターと、「有り難く思え。絶滅タイムだ」
のメルザードという対立軸も明確になりましたが、これはマザーは、
種を絶滅させる事で支配下における――甦らせて意のままに出来る――、つまりメルザード的には、絶滅させる=マザーの支配下に置く、
という目的意識と見ればいいのか。
兄者が言うところの「人間」を「現生人類(ホモ・サピエンス)」とすると、その発生がおよそ25万年前とされており、
マンモス(約500万年前〜約1万年前)といきなり矛盾している気がしたのですが、兄者の台詞の要諦は「人間以前に絶滅」ではなく、
「人間以前に発生(して後に絶滅)」という事でしょうか。究極的には、「この世界では……」論法で、何とかなりますが(笑)
そして、「人間以前の絶滅種」と明確に区切られているので、メルザードが人間にこだわるのは現在の地上の支配種である、
という以外の意味もありそうですが、〔Wikipedia:人類の進化〕によると、
7万年前から7万5千年前に、インドネシア、スマトラ島にあるトバ火山が大噴火を起こして気候の寒冷化を引き起こし、
その後の人類の進化に大きな影響を与えた。
(中略)
現生人類も、トバ事変の気候変動によって総人口が1万人までに激減したという。
かろうじて生き残った現生人類も人口減少によってボトルネック効果が生じ、その遺伝的多様性は失われた。現在、
人類の総人口は70億人にも達するが、遺伝学的に見て、
現生人類の個体数のわりに遺伝的特徴が均質であるのはトバ事変のボトルネック効果による影響であるという。
だそうで、この影響により気候が寒冷化し、ヴュルム氷期(最終氷期)に突入する事も合わせて、
仮にこの時期にセントパピリアの介入があったとすると、何らかの作用でそれ以後にマザーの力が地上に及ばなくなっており、
兄者が指しているのはそれ以後の特殊な性質を有した「人間」――すなわち、この世界の現生人類は、
もしかしたらホモ・サピエンスでは無いのかもしれません。
宇宙からのメッセージ! 人類は、7万年前に一度絶滅していた!!
すなわち、現生人類=蝶人類(ホモ・パピリア)!
だからこそメルザード一族は、まずは現生人類(仮称:ホモ・パピリア)を絶滅させる事で状況をリセットしようとしているのかも。
まあまだ第3話ですし、個人的にもこねくり回して弄んでいるだけですが、続編としてセントパピリアの存在前提で考えると、
この辺りはちょっと面白い。
メルザードは航空戦力(微妙にわかりにくいけど、芋虫メカの別形態?)も繰り出し、蘭が見落とした少女を救った男二人は、
ジャミングビームを放って一時撤退。公衆電話からプログラムを修復しようとするも失敗に終わった蘭は、
病院に運び込まれた少女の姿を目にして打ちひしがれる。
「まったくいい加減にしろよな! 命とプログラムとどっちが大事だと思ってるんだよ?!」
「蘭、おまえは今、ただのプログラマーでも、ゲーマーでも無いんだぞ!」
かなりの不測の事態でしたし、蘭はあくまで被害の拡大を止める為に自分で出来る事をしようとしていたわけなのですが、
ヒーローになった身であるからこそ余計な言い訳をせず、“起こってしまった結果”に対して少女に謝る、というのは良かったです。
会話の流れからすると、蘭があまり嫌な感じにならないように演出した結果で、脚本ではもう少し、
状況判断を見誤ったというニュアンスが強かったのかもですが。
「蘭さん、蘭さんって、ビーファイターだったんだ。すごーい」
「……私は今、ビーファイター。……あの時、何をおいても、超重甲しなきゃ、戦わなきゃいけなかったんだ」
「がんばって、蘭さん。みんなを助けて、守って、お願い」
パイロット版ではかなりおざなりだったヒーローの自覚を蘭が得て、ここで少女と約束する事で、
BFカブトとは如何なるヒーローなのか、という位置づけが示されたのも良かったです。
力だけではなく、ヒーローとしての自覚を強くした新たなビーファイター達だが、
暴れ回るディノザーラの影響はビートルベースにまで及び、火を噴く基地のコンピューター。
異常を起こしたコンピューターが爆発する、というのはまあお約束なのですが、ネットワーク回線を切断されただけで、
本体が熱暴走しているわけでも何でもないので、蘭が何か仕込んでいたとしか思えません(笑)
セキュリティ! セキュリティですよ! 自爆はセキュリティの基本なのです!!
完成間近だったネオビートマシンも出撃不能になってしまうが、
蘭が生き残りのコンピューターを使って即席で緊急発進プログラムを組み上げる事を思いつき、
発電機代わりに変身を要求されるカブトとクワガー(笑)
変身して気合いを入れると電気が発生するという物凄い力技ですが、昆虫魂なら、ありそう。
また、蘭がプログラミングしている間に男二人がアーマーの負荷に耐えながら発電している姿を挟む事で、
棒立ちになるのを回避したのは、良いバランスになりました。
サポートAIのビットにも意味が与えられ、完成したプログラムでいよいよ出撃するネオビートマシン。
今回も気合いの入ったメカ特撮で、背後で流れる挿入歌は、主題歌より格好いい(笑)
よく聞くと、
地球は新しい創世記
とか、若干危ない歌詞ですが、全ては新帝国ビートルの(以下略)
新マシンはメルザードに対抗する為に先代ビートマシンに改良を加えたという事で、
テントウメカが両翼にカブトとクワガタを搭載して戦場まで輸送するという新機軸を織り込み、
そこから離脱したカブトメカが翼を広げて短時間なら飛行可能、というのは驚きもあって特に格好良かったです。
しかし、クワガタンクは酷くないですか。
テントウのステルスジャイロも開き直りが凄いですけど。
カブトロンだけ、主役メカという事で外さないようにした感じ(笑)
ディノザーラはステルスジャイロに撃たれて弱った所を刺殺されそうになるが、そこに立ちはだかる恐竜兄者。
「俺と勝負しろ。一騎打ちだビーファイター!」
「なにぃ?!」
「どうした。三人がかりでないと、怖いのか?」
「ふざけるな、勝負だ!」
挑発に乗った金が突撃し、性格として納得できる因縁付けに……という所でなんと、つづく!
だいぶ事故気味だったパイロット版に対して、問題点が色々と補われて印象はかなり改善。撮影スケジュール上、
通常3−4話は1−2話の完成映像を見る前に作る事になるそうですが、
『特警ウインスペクター』以来のメタルヒーロー参加となった東條監督のパイロット版よりも、
ローテ監督として10年近くシリーズを支え続ける三ツ村監督が、このぐらいの案配だろう、と撮った結果、
『ビーファイター』らしくなった、というのはあったのかも。
- ◆第4話「誓え!! 熱きクワガタ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
-
ところで金色の主人公についてなのですが、ビーファイターカブト、と書くと作品タイトルと重なるし、カブト、
だと前作の白い奴や総てを司る仮面ライダーを思い出して何となくややこしいので(下手すると、
前作の白い奴が出てきて混乱というネタは本編でやりそう)、今後、カブト+金で「カブトン」表記にしようと思います。
そんなわけで前回ラストの続きから、クワガーの制止を聞かずに単身で突撃してきたカブトンを素手で圧倒する恐竜兄者だが、
一発蹴られてムッとしたので、口元にマスクをつけたバトルモードを発動。同じくバトルモードを発動したカマキリ娘が黒と紫を足止めしている間に、
宙を飛ぶ剣がカブトンを切り刻む!
「絶滅した恐竜たちの積もり積もった2億年の怒り、憎しみ。それこそ我が力の源。たっぷりと味わえ」
…………逆恨み?
或いはやはり、超古代文明人による、恐竜の乱獲があったのか。オーレ!
なおトリケラトプスは白亜紀後期マーストリヒチアン(約7210万年前〜約6600万年前)に活動していたとされるそうなので、
2億年分は積もっていないような気がするのですが、度重なるセントパピリアの介入により、この世界の生物種の歴史は、
我々の世界とはかなり異なるのかもしれません。
兄者は悠然と歩を進めながら高速移動でカブトンの攻撃を軽々かわし…………あれ、割と普通に格好いい?!(笑)
太陽を背にして目をくらませるなど、カブトンを戦闘技術でも翻弄する兄者だったが、
カマキリを振り払ったクワガーが背後から不意打ち。しかし一騎打ちにこだわる金と揉めている内に、二人まとめて反撃を浴びてしまう。
「おまえが飛び出してくるからこんな事になったんだ!」
「なにぃ?! おまえこそ下手な戦いしやがって!」
紫がジャミングビームを放って撤退し、兄者はビーファイターを退けた戦果にご満悦。
「よくやった、ディノザーラ。おまえとは同じ恐竜族として、かつて地上に君臨した仲。どうだ? メルザード一族の繁栄の為、
命を懸ける覚悟は出来ているか? 兄弟」
役者さんの声も良くて、なんか思ったより格好いいぞ兄者。
そもそも急造のチームワークに大きな亀裂が入るBFだが、健吾がパトロールに出ている間に小山内博士から、もともと健吾が、
カブトンの装着者を目指してハードな戦闘訓練を積んでいた事が語られる。
だが実際に健吾が選ばれたのは、作戦能力に長けたクワガタアーマー。
「その結果に多分、自分でもまだ戸惑っているんだろうな……」
健吾はパトロール中に女子高生と接触し、前回、基地に差し入れに来て既に馴染んでいるというシーンがありましたが、
ゆいの健吾への態度は、年上の格好いいお兄さんにそこはかとなく憧れているといった雰囲気。
今のところは使うアテの定かではない布石の一つでしょうが、近作には無かった要素なので、掘り下げて行ってくれると面白くなるかも。……この手のネタは、あまり期待はしない方向で(笑)
「健吾さん、お兄ちゃんの事、よろしくお願いします!」
「え?」
「乗せられやすくて、お調子者で、カチンて来る事もあると思うけど、でもあいつ、すっごくくいいヤツなんです、すっごく。熱くて、
正直で、真っ直ぐで」
健吾の態度に何かを察したゆい@ブラコン気味は兄をフォローし、社会人、ようやく、
素人の高校生を命がけの戦いに連れ回している事を自覚。
再びディノザーラが暴れ出し、集うビーファイター。健吾が怪人の手術痕に気付いてカブトンがビートスキャンすると、
改造手術を受けた怪人の頭部には爆弾が埋めてある事が判明。
ディノザーラの狙いが自爆特攻にある事を見切り、チームとして戦う事の意味を改めて学ぶビーファイター。
「やっぱチームワークって、大事なんだよな!」
「そうだ、そうなんだ。甲平にはカブトの……蘭にはテントウの、俺にはクワガーとしての役割があるんだ!」
「うん」「うん」
「俺はビーファイタークワガーだ!」
3人はがっちりと手を組み合わせ、追い求めた理想とは違っていたけど、
“大人として”自分に出来る役割を全うする事を受け入れる健吾の心情がしっかりとこの台詞に集約。
第1話の傍観事件は拭いきれませんが、前回今回で社会人二人は最低限のリカバーがされ、それぞれの色分けにも成功。
厳しい戦闘訓練をこなしてきた上に参謀役な健吾のスペックが少々高すぎる気はしますが、蘭は特化型の天才、
甲平は戦闘能力に秀でたカブトンアーマーでフォロー、と3人のバランスとしては悪くなさそう。
テントウがハイパービートスキャンで爆弾の威力を推定し、市街地から外へと誘い出す作戦で、
カブトンがまたも《挑発》スキルを使用。成功率が物凄く高いのですが、甲平、もしかして、
某ブルースワットのショウと血縁関係があるのでは…………て、アレ? 鳥羽? もしかして、
あのエクストリーム賞金稼ぎの鳥羽の親戚だったりするの?!(《挑発》はきっと、エクストリーム賞金稼ぎ達の基本スキル)
今回もネオビートマシンと芋虫メカが激突し、流れる挿入歌は、投入早いし、やたら格好いいし、
SE抑えめでたっぷり聞かせてくるしで、主題歌候補とかだったりしたのでしょうか。
ネオビートマシンはバトルフォーメーションを発動し、微妙に変形。カブトロンは地中攻撃モードを見せ、
クワガタがキャタピラロボっぽい形状になったのは格好良かったです。フォーメーション、というのに、各機が個別に変形するだけで、
特に連携しなかったのは肩すかしでしたが(^^; なお、少なくとも今回時点ではジャイロだけ何も変形せず。
一機だけ変形しないというのも奇妙ですし、これはもう一つ、隠し球の合体攻撃などがあるのか。
ディノザーラを追い詰めるBFだが、その真の狙いは、自爆は自爆でも、ネオビートマシンの爆破にあった! ……これすなわち、
昆虫魂に対抗する、恐竜魂!
とはいえそれ以上の盛り上がりは特になく、怪人は3連続個人必殺技であっさり撃破。
ところが爆発に背を向けてヒーローらしく歩み去るビーファイターに、背後から恐竜ヘッドが猛襲!
というのは一ひねりで面白かったのですが、これもさっくりクワガーが撃墜して今度こそ完全終了。……兄者、
下手に強力な爆弾を内蔵してしまった為に、助けに入れなかった疑惑(笑)
「ライジャ! 作戦を立て直せ。優れた作戦を!」
「ははっ」
「ふっははははは、次は俺だ。俺の優れた作戦で、ビーファイターを葬り、地上を制してやる!」
恐竜武人と昆虫剣士は皇祖女帝に回収され、それを嘲笑う深海魚人と石貝侍従。どうやらメルザード一族では、
作戦の出来の良さが査定対象になるようですが、それは「もっと面白い作戦を」という東京フライパン路線では……?!(笑)
いきなりの前後編展開で兄者が連続登板したのは驚きでしたが、期待以上に格好良くなったので、次回、
魚次男が性格の悪い所を見せて差別化がはかられてくれる事に期待。
戦いを終えたビーファイターの元には、妹が差し入れにきて、和気藹々とエンド。
ゆいが兄を蔑ろにして健吾や蘭と楽しそうな姿をコミカルに描く事で、第2話の時点では、
蘭の心ない厭味(妹に世話してもらってんの? いーわねーーー)みたいだった「マネージャー」という発言が、
「(私たちの)マネージャー」というニュアンスにシフトしたのは、好材料。
「どうやらネオビートマシンと一緒に、チームワークという新戦力も勝ち取ったようだな。これからも頼んだぞ、ビーファイター」
小山内博士のそこはかとない他人事ぶりが、ちょっと引っかかりますが(^^;
今回、それとなく模型作りをしている姿でキャラの肉付けをしているのは良かったのですが、そこは司令部なので、
高校生のフォローはしない、一番偉いので堂々とサボる、というシンプルな駄目人間の気配(笑) 個人的に、
最初の次回予告で凄く印象が悪くなってしまったのですが、予告はパラレルだろうとはいえ、
下手すると本編よりも予告の方が喋っている時間が長いのでどうしても印象が予告に引きずられてしまい、率直に現状、
予告ナレーションを兼任させたのは失敗だったような。
ところで、1999年に『燃えろ!! ロボコン』で監督デビューを果たし、現在ではすっかり戦隊のローテに定着、
2016年は『動物戦隊ジュウオウジャー』で非常に良い仕事を見せた加藤弘之の名前が(チーフ)助監督に見え、
20年という歳月の蓄積を感じます。
- ◆第5話「大逆転去りゆく君へ」◆ (監督:石田秀範 脚本:扇澤延男)
-
「誰だ、目障りな人間どもをこの世から始末するのは……誰だ……」
マザーはやはり、蝶人類を特別敵視しているのか?
「俺は人間どもが憎い! 絶滅させられた者の、怨念がわかるか」
とアルケロンの化石から生まれたカメ怪人が発言しているので、
超古代、超力文明人による乱獲があった可能性も日に日に高まっていますが。
食べれば健康になると巷で大人気の缶詰、ホネ元気。だがそれは、食べた人間をカルシウムの塊にしてしまうという、
メルザード一族の恐るべき策謀であった。カルシウム化の原因は、カメ怪人の甲羅に含まれた成分……とかではなく、
甲羅にこもった怨念パワー。
凄く、ネオギルド魂を感じます、メルザード一族。
この事件に幼なじみ達が巻き込まれて怒りの甲平だが、必殺のランス攻撃を防がれて大ピンチに。
規模の小さい作戦にシフトしたメルザードの動きを縦糸に、甲平とゲストヒロインの不器用な青春を横糸に展開し、
社会人二人のキャラクター基盤が出来上がった所で甲平の掘り下げ、シリーズ史上最速の扇澤さん登板、
予告の雰囲気からも期待していたのですが……残念回(^^;
昔は仲が良かった幼なじみの4人が今ではほとんど付き合いがなくなり、
引っ越しをきっかけに甲平に秘めた想いを告げるゲストヒロイン・遠藤が、
「……いつの間にか、みんな変わったよな。戦わないですいすい調子よく生きる小器用な人間にさ」
と嘆息するのですが、変わってしまった幼なじみの表現として、不良グループで喫煙はともかく、
中年男性にしなだれかかって物をねだる女子高生、となると幾ら何でもやりすぎ感(^^;
また遠藤も、大人びて冷めた少女、というわけでなく、気っ風のいい真っ直ぐな少女、といった描写なので、
どうも台詞も噛み合いません。
劇中、甲平が遠藤の事を「とんがった」と評するのですが、それそのものが2016年現在の視点からピンと来ないのであって、
90年代に、70〜80年代の不良少女の系譜として見ると、そこまで違和感はなかったのかもしれませんが。
20年という時代のギャップなのか、そもそも脚本と演出段階で微妙に捉え方にズレがあったのか。
見所は、カメ怪人の甲羅にカブトンランサーを跳ね返され、対抗策を検討した末に出た結論。
「弱点は……お腹よ!」
違う! そういう事を聞いているのではない!!
挙げ句、ビートマシンの銃撃を甲羅で弾かれたカブトンが敢えてマシンから飛び降り、
落下の勢いをつけた一撃で甲羅を貫いて撃破してしまい、対抗策そっちのけ。
一応、過去の遠藤の「諦めるなよ。諦めた時が負けなんだからよ」という台詞に励まされてと繋げてはいるのですが、
そもそもカブトンがそこまで追い詰められているように描写されていなかった為(人体カルシウム化のタイムリミットなどがもっと煽られていれば良かったのですが)、
流れが巧く集約されず、ただ単に作戦より根性に見えるという頓珍漢な事になってしまいました。
ラスト、駅での甲平と遠藤の別れのシーンは、石田監督の趣味っぽい叙情的な描写なのですが、
お互いがお互いに子供の頃から変わらない真っ直ぐさを見ているけれど年月は二人も確実に変えているから二人の気持ちは噛み合わないまま別れの時を迎える……とか、
投げっぱなし気味に見せられてもなぁ、というのが正直(^^;
あと、カルシウム化に苦しむ遠藤の気持ちを知り、それに今まで全く気付かなかった事を反省する甲平がせっかく健吾と一対一のシーンがあったのに、
年上の健吾からこれといった言葉をかけるわけでなく、キャラの関係性の掘り下げが全く進まなかったのは、凄く残念でした。
次回――蘭、大食い大会へ。
- ◆第6話「桜祭りで大乱戦!!」◆ (監督:石田秀範 脚本:浅香晶)
-
脚本が浅香さんなので先に書いておくと、今回は悪くなかったです(笑)
新年度がスタートし、甲平は追試追試を乗りきってなんとか進級……という妹の説明を蘭が軽く聞き流しているのですが、
それはビーファイター活動の影響なのでは。
まあ最悪、コスモアカデミアが公権力で就職を世話してくれるので仕方ない。
下手すると、いっそ留年→中退しても、コスモアカデミア的には何の問題もない、と考えていた疑惑も。
メルザードではマザーが新たな怪人を出産。
「絶滅種モグラから生まれたモゲラードは……」
第6話にして、超大雑把になったぞ(笑)
そして魚次男が
「最強の怪人を是非わたくしに!」
と発言しているのですが、“兄弟”に対して、「怪人」呼ばわりは良いのか(^^;
多分これまではしていなかったと思うのですが、格差があるのは確かなのでそこを明確にしていくのか、或いは、
兄者(今回も「兄弟」発言)と次男で、部下の扱いを色分けしていくのか。
ところが誕生したモグラ怪人は、お腹が空いて動けない、と絶滅活動をサボタージュするギャグ寄りの怪人。
食糧として古代の女神桜を探す事になり、真面目に付き合うカマキリ娘(笑)
新入社員の職場環境を整えるのも、上司の務めです!
鳥羽家でやたら豪勢な昼食をご馳走になっていた蘭がその食欲を見込まれて地元の祭の大食いコンテストに出場する事になるが、
商店街の守り神として地元住人に親しまれる桜の古木こそが伝説の女神桜であり、
人間に化けたカマキリ娘も成り行きで大会に出場する羽目に。
桜餅の大食い大会でギャラリーがやたらに盛り上がっているのですが、裏で賭けでも横行しているのではないか。
運営側のおじさん達がやたらに蘭を持ち上げているのは、胴元の工作なのでは、これ。
ひとり真面目に桜掘り返し事件の調査に向かっていた健吾がモグラ怪人と接触し、メルザードの目的が判明。
ビーファイターとして祭の中止を要請する健吾だが、それを止める蘭。
「桜祭は、私が守ってみせる!」
地球を守る為には、そこに住む人々の笑顔を守れなくては、と綺麗に繋げてきて、浅香さんとしてはまとまりの良い脚本。
商店街のおじさん達がやたらに蘭にデレデレしている演出が微笑ましい通り越してちょっと面倒くさかったですが、
コミカル寄りのエピソードとしては、踏み外さない範囲。
蘭回と同時に、カマキリ娘フィーチャー回だったのですが、正体を見せておじさん達を人質に取ったカマキリの、
「卑怯者? 恥知らず? 私には最高の褒め言葉だな」
というのもスタンスが明確に出て良かったです。
中途半端にプライドを発揮するより、こういう性格の方が好き(笑)
モグラは結局、目的のエネルギー源を入手して活動的になるも、サングラスを破壊されて太陽光に狼狽した所をテントウランスで成敗。
前回今回と、怪人を撃破した時に素体となった化石にヒビが入って砕け散る演出が追加。
1つ気になったのは、モグラを追いかけて走るBFがやたらよたよたしていた点ですが……ネオアーマー、
重い?(^^;
次回――予告からするとアンモナイト爺が活躍?
→〔その2へ続く〕
(2017年9月29日)
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