■『ウルトラマンG』感想まとめ2■


“グレート oh グレート
地球は君を待っていた”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『ウルトラマンG』 感想の、まとめ2(7話〜13話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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◆第7話「森の守護神(the forest guardian)」◆
 煽りの映像で、像とアルマジロを合わせたような巨大怪獣が出現するのは大迫力。
 今回は地元の警察からやたら高圧的に文句を言われるユーマは、 怪獣に追われる内に土地の聖域となっている森に迷い込んでしまった少女を捜索に向かう事になり、 人命優先(ユーマ)か怪獣退治優先(地元警察&軍部)かが対比されるのですが、後者の代表が何故か「警部」なので、どうもちぐはぐ。
 対立の構図としてはわかりやすいものの、市街地でびゅんびゅん戦闘機飛ばしているユーマが、 地元警察に大きな顔で嘴を挟まれる描写にはどうにも納得がいかず、前回に続き、ユーマ描写における 〔基地と戦力の規模・権限の範囲・隊員の素性と技能〕の不安定さ故に、他組織との縄張りと主導権争いの類いが、 作品として狙っているほどドラマチックにならず。
 この手の構成は、ユーマ組織の劇中立ち位置がある程度しっかりしていてこそ面白くなるわけですが、私の認識だとむしろユーマこそ、 怪獣を見たらとりあえず撃ってみる人たちなので……この辺り、 ジャックの影響でユーマが徐々に変質しているという事なのかもですが、話数の関係もあって、 そう解釈するにはだいぶすっ飛びすぎていますし。
 あと単純に、繰り返される隊長と警部の口論が感じ悪いだけで面白くならず(これはまた、吹き替えだと印象の変わる部分なのかも)。
 先行したロイド−キム班と合流したジャック−ジーン班は、少女を発見。金属を追う性質を持った怪獣から逃れる為に金属製品を捨て、 謎の少年の案内で洞穴から脱出を試みるが……誰かさんが、胸から金属製のペンダントをぶら下げていた。
 外部では、軍による攻撃のタイムリミットが迫り、行方不明の少女の母親の前で、「怪獣ごと森を焼き払ってやる。 ざまぁみろ!」みたいな調子の警部がただの人でなしですが、仮にこれが日本を舞台にした作品だった場合、 凄くわかりやすい悪役顔のキャストだったりして納得度が上がる、みたいな可能性もあったのだろうか、とはちょっと考えてしまうif。
 ジャックは自ら囮役を引き受ける事で、ペンダントを捨てろと言われるのをどさくさ紛れに回避し、 まだ衛星軌道で待機していたらしいグレートさんに変身。
 ……大丈夫かな、森、燃やさないかな、その人……。
 心配されたグレートは打撃による攻撃に終始するも、怪獣の往復ビンタを受けている内にタイマーが鳴り始める大ピンチ。
 「やられたわ」
 「彼を軽く見てはいかん」
 外野の声に、ショーはこれからだ、と立ち直ったグレートは怪獣を洞窟の中に押し込むと、土砂崩れを引き起こして封印…… というと聞こえはいいけど、生・き・埋・め。
 そしておもむろに巨石を持ち上げ、わずかに外に出た怪獣の頭部に向けてレッド・ファイト!
 ……はせずに、丁寧に隙間を塞いで、完全に生き埋め。
 ナレーション「森の守護神は、地下のねぐらに戻された」
 の?!
 ナレーション「人間の残した爪痕が消えた時――守護神は再び現れ、森を楽しそうに歩き回るだろう」
 基本、「自然を大事に」路線のグレートなので、自然に属する怪獣は殺さない方針が貫かれるのですが、考えてみると今作、 ポップカルチャーにおける環境テロリストテーマ花盛り?の時期(80年代後半〜90年代前半)の作品であり、 「オゾン層」などのキーワードに象徴されるように、振り返ればゴーデスもそういうったテーマ性を背負っていたのか、と納得。
 ……それはそれとして、「人間の残した爪痕が消えた時――守護神は再び現れ、森を楽しそうに歩き回るだろう」って、 人類滅亡後の話なのでは感が物凄いのですが、道路開発→守護神の出現→怪獣なんて森ごと焼き払え! の憎まれ役を、 地元警察の警部一人に背負わせるのは無理があり(なので、チャーリーが警部を戦闘機に乗せて曲乗りで振り回すのも、 スカッとするというより、余計なシーンに見える)、ユーマ側はユーマ側で、別に自然との共存や未来への展望を語るわけでもないので、 対立の構図が最後まで面白みに繋がらないのが、物足りない部分でありました。
 少女を助けた謎の少年に関しては、本当に謎のまま終わり、 “森の精霊”的なファンタジックなものとして受け止めておけば良いのかもですが、少女の「あの子は?」という問いに、 ユーマの大人一同が一斉に「そんな子は居なかった」と声を揃えるニュアンスがいまひとつ掴めず……実際に大人組で見えていた (言葉を交わした)のは、グレートでもあるジャックだけだった、という理解でいいのやら。

◆第8話「姿なき復讐−昆虫の叫び−(bitter harvest)」◆
 当初の全6話予定から話数が伸びたそうで、今回からシーズン2扱いという事なのか邦題のパターンが変更となりましたが、 原題が大変格好いい(「苦い収穫」、といったところでしょうか)。
 大干ばつだ!
 昆虫の異常発生だ!
 農薬の濫用が悪いんだ!
 と、直球の環境破壊テーマからスタートし、見所は、巨大イナゴを鷲掴みにするジーン。
 そして、カードゲームで遊んでいる男どもに向かって、投げた!
 前半戦は、〔人間による環境破壊 → ゴーデス細胞の影響 → 怪獣出現〕といった形で、 間に挟んだゴーデスの存在を怪獣誕生を加速させる触媒としていた今作ですが、ゴーデス退場により(その到来が状況を進めた、 と解釈してもいいかもですが)、〔環境破壊 → 怪獣〕がストレートに結びつけられ、『G』世界は割と“愚かな人類”に厳しい。
 シリーズ過去作が環境テーマとどのような距離感だったのかはわからず(現在見ている『80』は、環境テーマの取り込みは少なめ)、 舞台が日本からオーストラリアに変わっているのでそのまま対比できるものではありませんが、 限られた話数の中で環境テーマへのフォーカスが強い(今のところほぼメインテーマといって良い)のは今作の特徴となっており、 ノリとしてはいっそ――
 「今、地球は、その星に住む一部の人間達によって汚され続けている。光は陰り、大地は砕かれ、そして海は死んだ。 これらは全て自分の利益だけを求める、人間達の仕業であった。そして、その人間の醜い欲望から、モンスター一族が生まれ出た」
 ――『正義のシンボル コンドールマン』で、どこのどこのどこの誰から頼まれた!
  「大地が助けを求めてる」
 ……との事です。
 「どうしろと?」
  「手を打て。敵が潜んでいる」
 「どこにだ?」
  「奴の方から、やって来るさ」
 久方ぶりな気がするグレートさんからの脳内通信には、立ち位置を改めて描く意図もありそうですが、飛行中に突然話しかけられると、
 「気味が悪い」
 「彼の独り言は災いの前兆よ」
 ただでさえ低い同僚からの視線の温度がますます下がるので勘弁して下さい!
 ユーマは謎の墜落事件の調査に向かい、調査現場に近付いてきた住民にいきなり銃を向けるのが凄くユーマですが、 不審な農場主は農場主で猟銃ぶっ放してくるので、オーストラリアの治安が《レスキューポリス》。
 劇中でハッキリ説明されないのですが、後ろ暗い所があるらしい農場主の言行から想像すると、産業廃棄物 (現在は違法となった古い農薬?)の不法投棄をしているらしく、それを餌に育った巨大昆虫怪獣が農場を襲撃!
 空中でセスナを襲うシーンの合成はちょっと微妙な感じでしたが(全体的に縮尺が合っていなくてスケール感が不安定)、 農場に頭突きするシーンは大迫力で、荒野のど真ん中で卵を守るように座り込んでいるシーンも印象的。
 ユーマは地元住民の強力で昆虫怪獣の巣へと辿り着き、前回あれこれ言っていた気がするのですが、 怪獣を発見した途端にばかすか撃ちまくるのが、大変ユーマです。
 Hey、虫野郎、頭が大きすぎて足下がお留守だぜ、と華麗に足払いを決めるグレートだったが、 転ぶ間際の怪獣の反撃を受けてひっくり返され、逆にクローと毒液攻撃を受ける事に。なんとか体勢を立て直すと、 光線エネルギーを腕に纏ったウルトラ手刀で怪獣のクローを切断し、卵を爆破。卵を守ろうとする怪獣に向け、 チャーリーが開発した毒素の中和剤が振り掛けられ、泡に埋もれた巨大昆虫にグレートがトドメを刺して、 事態はひとまず収束を迎えるのであった……。
 人間の業の被害者でもある、という事で昆虫怪獣の死に様は一抹の哀切が漂う形で描かれたのはテーマに沿っていて効果を発揮し、 途中でフェードアウトした農場主は、毒薬を満載したトラックに乗って逃亡していたので、 怪獣に襲われるシーンがカットされたりしたのでありましょうか。
 シーン切り替わる度に、行どころかページ単位で話が飛びがちなのは相変わらずですが、ヒロイン力を発揮するジーン、 本部で農薬の分析に集中するチャーリー、などキャラクターの役割分担が明確にあったのは、見やすかった要素。 その上で(その上だからこそ)、遂に隊長が戦闘機で出撃、も格好良くなりましたし。
 ……それはそれとして、
 「ぼくは色男だが戦士じゃない」
 とか言い出すチャーリーは、ゴーデス細胞に汚染されている可能性が浮上しましたが、それに対する隊長の
 「頭を冷やせ」
 が、多分、本来の意図と違った意味で面白かったです(笑)

◆第9話「バイオス計画−植物都市−(the biospherians)」◆
 生物工学の殿堂サザン大学で行われているバイオ都市計画に疑念を抱いたユーマは、謎めいた巨大植物が、 異常な量の酸素を生成・放出している事に気付く。
 「酸素が15%増せば、全ての有機体は自然発火する」
 もしこのまま巨大植物が繁殖を続けたら、現在の地球の生態系は、根本から壊滅しかねない…… 大学の実験園に飛び込んだユーマが眼にしたのは、宇宙植物×コンピューター!
 が、レトロフューチャー感溢れていて(放映当時はそういう意図では無かったかもですが)、 今作ここまでのアイデアでは最高にツボ(笑)
 ……というか、これぞまさしくバイオコンピューター?
 ……まあ、地球環境の再生の為に人類を絶滅させようとする環境テロリスト植物が、人類文明の産物と融合するのはどうなのか、 というのはありますが(笑)
 宇宙植物に騙されていた事を悟った教授(隊長と旧知だったらしい描写)がコンピューターと相討ちとなるが、実験園を吹き飛ばして、 巨大植物怪獣が出現。
 暴れ狂う植物ゴンだが、バッハの旋律を聴かせる事で大人しくさせる事に成功し……おい、宇宙植物。
 音楽を聴かせると果物や花の生育が〜……という話から来ているのでしょうが(科学的に実証されているのかどうかは知りませんが)、 宇宙植物としてのプライドは無いのか。
 人類文明に屈しかける宇宙植物――そういう意味では、星の環境を破壊する人類が、 宇宙植物をも魅了する「文化」を作り出す二面性を描いているとも取れますが、最後まで音楽が効果を発揮するわけではないので、 プラスすぎる解釈になるような――だが、調子に乗っていたチャーリー機が捕まり、音楽がストップ。
 ジャックはグレートに変身してチャーリーを救出すると、闘争・勝利・根絶、が合言葉! 戦闘民族ウルトラ人の文化を叩き込んでやる、 と肉弾戦に持ち込むが、植物ゴンの往復ビンタを食らって苦境に。反撃の正拳突きを叩き込むも逆に感電させられて倒れてしまうが、 今回もカウント9で立ち上がると華麗なスナップを利かせたウルトラ指パッチンの連打により怪獣を葬り去り…… 一見では取り留めの無い光線技は割とシリーズの特徴な気はしますが、今回は何をどうしてこんなモーションになったのか(笑)
 人類絶滅を目論む植物コンピューター、が好き方面のネタだったのに加えて、隊長不在をいい事に、 一度やってみたかったんだとニヤニヤしながら隊長の椅子に陣取るも、 いざとなると人命のかかった判断を次々と下さなければならないプレッシャーに視線が泳ぎがちになるロイドの姿も面白く、 そんなロイドの思考を見透かして、事件の解決後に隊長が「机に足を乗せるな」と見ているように指摘するオチも洒落が効いていて、 なかなか秀逸回でした(毎度ながらの『グレート』作劇なので、 教授が宇宙植物に騙されていたと気付く理由がごっそり落丁しているとかはありましたが)。

◆第10話「異星人狂想曲(エイリアンラプソディ)(tourists from the stars)」◆
 見所は、ピチピチ縞々タンクトップで、ジーンと動物園デートをキめるジャック・シンドー。
 並の変Tを小指一本で弾き飛ばす純粋な映像の暴力といった趣きで……私服、それが私服なの?!
 ジーンはジーンで、毒々しい花柄のワンピースが視覚的に凶悪なのですが、なにぶん30年前のオーストラリアが舞台なので、 このぐらい騒ぐほどのものでもないのか、判断に困ります。
 そんなジーンは、隕石の調査中に横槍を入れてきた情報部員(第2話に登場した人物?)の顔面にストレートを叩き込み、 好戦的な軍人どもには任せられないのです!
 ハンディ掃除機みたいな見た目のエイリアン探知機(だいたい、『80』と一緒のノリ)に反応さえあれば、 個人宅への不法侵入も人類の平穏の為なのです!
 探知機がジャックに激しく反応、と小ネタを挟み、ジャックは室内に潜んでいた宇宙人とこっそり会話をして危険性の無い事を確認するが、 地球人に擬態していた宇宙人妻・ベロニカにチャーリーが岡惚れした事から、一騒動。
 「あの女は怪しい」
 「そこがいい」
 恋人に別れ話を切り出された直後でベロニカにご執心のチャーリーは身内から一斉に責め立てられ、とうとう停職処分に。
 つい先程まで一緒になって批判していたのに、隊長が勢い余ると(おいおいなんつーことしてくれてんだ) と抗議の視線を向けるジーンだが隊長は強引に取り繕い、基本的に、血の気の多い職場です!
 「1つの種が他の種を支配してるなんて。全ての生物が死に絶えてしまうわ」
 「見てきたように話すね」
 変身能力を持つ異星人夫婦を中心にしたコミカルなやり取りの中に、異星の客の視点を通した地球人への風刺的な要素が織り交ぜられ、 キャラクターの個性を活かした切り口は面白かったです。
 だがベロニカの確保に動く情報部が銃を手に異星人カップルを包囲し、それを止めようとするユーマ。……毎度毎度の事ですが、 ベロニカ夫妻を一方的に敵性宇宙人とみなす情報部とは違うんだ、というスタンスを主張しつつ、 足取りの情報を得るやいなや戦闘機を発進させるのがユーマスピリットで、 人類の縦割り行政に皮肉を向けると、焦点が明後日にスライドしていきます。
 「君は何者だ?」
 「旅を続ける限り何にでもなるわ」
 「じゃ、今は?」
 「友達よ」
 は、良いやり取りだったのですが。
 野蛮な地球人の暴挙に我慢ならなくなった宇宙人夫・リュグローが巨大生物として姿を現し、本部の9分割ディスプレイは、 いつ見ても大変、見づらそう……。
 ジャックはグレートに変身して、君もピチピチタンクトップを着れば地球人の素晴らしさがわかる筈だ!  と交渉を試みるも失敗。リュグロースラッガーであわや首ちょんぱの危機に陥るが、正しい行いをする事で愛を示せ、 と再度の《説得》にクリティカル成功し、怒りを鎮めたリュグローは地球人の男性に擬態すると、グレートが巻き起こした砂埃の中を、 妻と共に去って行くのであった……。
 「奴も、いい趣味をしてるよ」
 映像からはいまいちわかりにくいですが、キャラクターの反応からするとどうやら、チャーリーをモデルに擬態したという事の模様。
 お騒がせ宇宙人との文化衝突から、郷に入っては郷に従えといった着地となり、今作にしては珍しい 、キャラクターの個性を押し出した軽妙な一篇でした。本格的には戦闘しないながら、巨大リュグローは面白いデザインで印象的。
 それにしても、「木っ葉微塵にすればいい」というわけではありませんが、限られた話数の約半分ほどが、 怪獣(ポジション)を倒さない話、なのは今作の興味深いところであり、今見るとこういうシリーズとしてこれはこれでアリかとも思えますが、 90年当時には、もう少しバッサリスッキリ弾け飛ぶ話を求められなかったのだろうか、とは気になるところです。
 これはこれでアリかとも、とはいってもやはり、総合的にカタルシス不足気味なのは正直なところですし…… 逆にそこに意図的なチャレンジがあったとすると、今見ると伝わりにくくなっている面もあるかもですが。
 そして、結果的に強調される、ゴーデスだけはたとえタンクトップを着ても許さない姿勢。

◆第11話「第47格納庫(the survivalists)」◆
 アメリカでいうところの「エリア51」(宇宙人を捕まえているとか共同研究しているとかいった類いの噂話で有名な米軍の秘密基地) のイメージと思われる「第47格納庫」が登場し、そこには本当に、未知の乗り物が秘匿されていた!
 そのUFOに近付いた不審者を確保するユーマだが、男は特殊な洗脳技術によって脳死状態で操られており、 同様の洗脳技術を用いて過去に事件を引き起こした、過激な環境保護主義者にして狂気の天才科学者ノルバーグの存在が背後に浮かび上がる。
 UFOを調査した帰路、その技術を我が物にせんとするノルバーグの配下によってジーンが誘拐され、 いつの間にかその情報をユーマが把握しているのが、凄く『グレート』ですが、 甲高い声でまくし立てる車椅子のマッドサイエンティストの造形は秀逸。
 「人類の敵は人類自身だ。その敵が今こそ姿を現す。時は来た。我が軍団は、あの宇宙船の技術を使い――最後の聖戦に臨むのだ」
 「それは侵略者の考え方よ」
 「我々は生き残る」
 ジーン救出の為、ノルバーグの病院に潜入役を買って出るジャックだがまんまと敵の手に落ち、 洗脳技術によって作り出されたピチTコンバット軍団の一員に加えられてしまう(勿論、 グレートさんの能力に守られてており、洗脳は偽装)。
 世界をピチピチのタンクトップで埋め尽くすのだ!
 ノルバーグは狂信的な自身の思想に基づいてUFO強奪の為に行動を開始し、ジャックの発信器が素通し (ユーマ隊員は体内にインプラント型式で埋め込まれたりしているのでしょうか……)とか、 ユーマ丸出しの車で追跡するバックアップメンバーとか、全方位に雑。
 「似合いの車ね」
 「ゴミは、使い捨て社会へ怒りをぶつけに戻ってくる」
 テロ部隊を乗せた改造車(ゴミ収集車ベース)についての皮肉の応酬は、エコテーマとも繋げて面白かったのですが…… 第47格納庫を襲撃し、UFO奪取を目論むピチT軍団と警備兵のドンパチは正直やっすい映像で、普段、 オーストラリアの広大な大地を活かした絵作りに独特の迫力がある分、悪い方向に落差が目立ちます。
 不意を打って寝返ったジャックはジーンの救出に成功し、バックアップのチャーリーとキムとも合流するが、ノルバーグはUFOに融合。 狂ったように笑いながら地上を攻撃するとその矛先を、ユーマ本部へと向ける。
 本部を空襲するノルバーグと隊長には何やら過去の因縁があるらしく(隊長の知り合いはマッドサイエンティストばかりなのか……)、 降伏を迫る博士に悠揚と対応する隊長は格好いいのですが……
 ・これといった布石の欠片もないまま「UFOを手に入れた博士がユーマ本部を狙う」のが隊員の共通認識になっている
 ・気がつくとピチTコンバット軍団がユーマ基地を制圧している
 ・隊長はどうやら時間稼ぎをしているらしいが狙いが全く不明
 と、毎度の事ながら落丁と乱丁が酷すぎて、話の展開がしっちゃかめっちゃか。
 隊長とロイドの間に「諦めたと見せかけて勝負に出るか」という会話があるのですが、これは「ジーン救出作戦の展開中で、 博士が第47格納庫を襲撃する前」の段階のやり取りにも拘わらず、 UFO強奪という極めて大きな状況の変化があった後の展開に何故かそのまま繋げられてしまっており、結果として、 事態の激変に全く対応しないまま隊長が基地で時間を潰しているように見える大変奇妙な成り行きに。
 破綻を承知で強引に話を繋げると、「敢えてUFOを確保させた上でユーマ本部で迎撃する作戦」という事になるのですが、 特にユーマ本部に切り札があるわけでもなくUFOに蹂躙されるがままなので、まるっきり無駄な損害となっており、 お陰で隊長を軽くからかうオチも、本当に無為無策で卓球ゲームをしていただけなので、どういう目で見ていいのかわからず。
 いつの間にやらピチT軍団がユーマ本部を半ば制圧しているのも脈絡が皆無なのですが、 第47格納庫を襲撃した部隊は割とあっさり撃退されているので、普通に火力で迎え撃った方があらゆる面で良かったのでは……。
 「強い者が生き残る。おまえは進化の落伍者だ」
 「勘違いするな。進化は力でなく調和の産物だ。おまえには分かるまい」
 「憎まれ口も今のうちだ」
 「人間は独りでは生きられん。人類が滅びればおまえも死ぬ」
 スタッフも勿体ないと思っていたのか、隊長と博士のやり取りは、 ゴーデス編ラストをわかりやすい形に再構築して繰り返したといった感じ。
 やり取りの間にUFOが強化変形し、内部の博士は完全に取り込まれて消滅。外からはUFOの爆撃、 内部では帰還したジーンたちとピチT軍団の白兵戦が描かれ、ここで使われるBGMが大変格好いいのですが、 物語の流れがあまりにも段取り皆無で、事態の咀嚼と欠落したページの穴埋めで手一杯で盛り上がりようがないのが、 実に悪い時の『グレート』。
 殿を勤めていたピチTジャックがグレートに変身するも、カニUFOに全く攻撃が通用せずに苦戦。それを見ていた隊長の命令で、 チャーリーとジーンの乗り込んだハマー戦闘機が支援の為に出撃し、つい先程まで基地内部で白兵戦をしていた筈のピチT軍団が気がつくと排除されていて、 とにかく目が白黒する展開が続きます。
 白兵戦そのものも、ロボトミー的な洗脳技術により“ゾンビのような状態”と言及されてはいるものの、 見た目一般人を射殺する映像はどうかと思ったのか、互いに照準の狂った銃を撃ち合っているだけなので緊迫感は無いに等しく、 物語のサスペンスとして全く機能していないので、色々な意味で必要があったのかレベル。
 ハマーの支援を受けたグレートは、拘束リングを打ち破ると渾身のファイヤー波動拳を叩き込み、カニアーマーを解除したUFOは、 地球を飛び去っていくのであった……。
 「狂信的環境テロリスト率いるピチTコンバット軍団が地球外のオーバーテクノロジーを入手しようとする」という、 《レスキューポリス》×『ジャンパーソン』×《ウルトラ》、みたいなエピソードの構成要素は悪くなかったのですが、 『グレート』名物の印刷ミスで、比喩表現抜きで“筋書きの無いドラマ”になってしまったのが、残念でありました。

◆第12話「その名は“滅亡(ほろび)”−伝説2大怪獣登場−(the age of plagues)」◆
 「plague」は、「疫病、伝染病、大災厄」などの意味との事で、原題をそのまま訳するなら「災厄の時(代)」といったところでしょうか。
 オゾン層修復プロジェクトの為にユーマの衛星が宇宙へと打ち上げられるが、ジャックやジーン、キムはそれに反対しており、 どうして打ち上げまでした後に、まだ隊員レベルで揉めているのか……。
 「地球は我々、人間だけの星ではないんです。必ず報いが来ますよ」
 「もう一刻の猶予もならん。計画を遂行する」
 そしていきなり、台詞回しが環境テロリスト化する隊長(笑)
 それは、これから、人類を滅ぼす人の言い方です!
 ところが起動した衛星の出力がダウンし、代わりにそれに呼応するかのような謎の地震が海底で発生。
 ナレーション「深海で“滅亡”という名の封印が解放されていた」
 に合わせ、海を泳ぐ巨影が画面を横切っていくのは、実に怪獣映画的で格好いい導入。
 怪獣から出現した巨大亀怪獣が漁船団を襲撃し、調査に向かったロイドとキムは、海面の変化と大量の魚の死骸を確認。それは、 酸素を根絶し、毒性を持つ藻の影響によるものであった……。
 「ただの藻とは訳が違うぞ。今までで最強の敵かも知れん。――背後に何かがいる」
 海中に潜む亀怪獣が撒き散らしていると思われる毒性藻により死の海が広がり続ける中、調査中に海底から引き揚げられた謎の円盤を、 ジャックがウルトラ解読。
 「“深海に閉ざされし者と――天空に追放された者が――眠りより覚めるだろう。そして第三の者が続く”」
 一度はジャックに、「筋肉の次はポエム自慢か?」と批判的な眼差しを向けるも、 博物館に引きこもって円盤の解読を進める隊長と軍部の対立が再び描かれる中、宇宙から新たな怪獣が飛来。 増殖を続けていく藻に対する決定的な対策も打てないまま、オゾン層修復プロジェクト再開の為にチャーリーは宇宙送りにされ、 そこからいきなりの、
 ナレーション「アイクは港の警備課に降格された」
 により、多分、リュグロー騒動などで登場した情報局員?の視点から、海の死による食糧危機、配給制や疎開、 ゴーストタウン化した港湾部で身を寄せ合うように暮らす(恐らく)貧民層といった、急速に悪化していく世界情勢が盛り込まれ、 脚本時点で意図されたものなのか、毎度ながらの『G』作劇が結果的にはまったのかはわかりませんが、 會川さん好みの映画的に切り詰めた見せ方になる事に。
 その一方で、あちらこちらに散らばった要素が物語規模のエスカレートを綺麗な上昇曲線で描けているとは言いがたく、特に、 「宇宙規模のプロジェクトを主導」「決行直前に文句を言う身内」「大規模な海洋汚染とその調査」 「博物館に隊長が引きこもって一人で円盤を調査」「軍部との衝突」「とりあえずチャーリーを宇宙に飛ばす」 「言い訳がましく登場する「ユーマ本部」という単語」といった、 最終エピソードでも相変わらずのユーマ組織の規模と権力の不安定な描写は、 物語に貫くべき芯を溶けた飴のようにしてしまい、今作全体の大きな短所となってしまいました。
 これは今作の「“怪獣”を単純な敵とする事を避ける」作風が一因といえますが、 エピソードによってユーマの対立存在を怪獣以外――「軍」だったり「地元警察」だったり「シャーマン」だったり―― に置く事を余儀なくされた結果、“ユーマの在り方”が対立存在に応じて不定形になってしまう事に。
 故に、ソロで置いておくと「ヒャッハー! 怪獣は的がデカいから当てやすいぜ!」みたいなノリなのに、 より好戦的な対立存在が出てくると「我々は調査・分析を重視するので、無闇な先制攻撃とかもっての他です」 みたいな矛盾が各所に発生し、作品としてのアプローチそのものは面白かったと思うものの、 志の高さが物語として設計しきれずに空回りしてしまった印象です。
 調整の為に衛星に乗り込んだチャーリーが宇宙から地球を見つめ、
 「ノミは象から離れなきゃ、象が生きてると――分からない」
 と、“一つの生命”としての地球の姿に感動を覚えるのは印象的なシーンなのですが、 そこでも「チャーリーは初めて宇宙から地球を見る」事にしなくてはいけないので「巨大組織の筈なのに(子飼いとはいえ) この局面で宇宙初体験の人物を単独で衛星に乗り込ませる」事になり「それを示す為に身内からも抗議させる」ので 「強権を振り回す隊長の行動が傍目に見てもおかしい」けれど「軍部の将軍よりは遙かに理性的な対応をしている扱いにしなくてはいけないので物語として擁護される」 多重衝突が引き起こされてしまっているのが、今作の欠点として象徴的。
 映像面では使える人数の問題など予算的な制約も影響したかと思われるのですが、 人類の罪と傲慢が絡む一大プロジェクト・それに呼応するかのように目覚める巨大怪獣・その存在を暗示していた古代の遺物!  といった個々の要素は悪くないのに、それを貫く芯の扱いが雑なので美しい構造物にまとまらないのが、勿体なさを感じます。
 軍部が、迫り来る宇宙怪獣に対して人工衛星連動レーザーで対策する案をユーマ本部に承認させる一方、海底怪獣が港に上陸。 ジャックはダイビング変身からグレートになると、鉄骨を振り回してルール無用の凶器攻撃を仕掛けるが、逆に顔を小突かれ、 往復ビンタ。更には光線ドッジボールに敗れてタイムアップとなり、完敗を喫してしまう。
 何故か感動のEDみたいな曲が流れ出し、深海と天空で目覚めた破滅の使者の到来により、迫り来る地球最大の危機!
 最後にキムが拾ったのは、港で出会った少年を気に掛けていたアイクのサングラスでしょうか……? 死なれても気分が悪いし、 かといって生死の謎をサスペンスにするような扱いのキャラでもないしで、むしろジャックの心配をさせるべきでは……と困惑しながら、 つづく。

◆第13話「永遠(とわ)なる勇者−伝説2大怪獣登場−(nemesis)」◆
 ジャックとアイクは消息不明となり、残されたのはアイクのサングラスのみ……こ、これは、 アイクが新たなウルトラマンGになる展開ですね!!
 と期待していたら、浜辺にフワフワしていたところを、アイク&少年にあっさり助けられました。
 一方、円盤の解読を進めていた隊長は、衝撃の真実に辿り着く。
 「3匹目の怪獣は――この地球だ」
 謎の円盤に記されていた第三の怪獣とは、地球そのもの。その先触れたる深海怪獣と宇宙怪獣は、 地球自身が人類排除の為に呼び出した“ネメシス”――戒めの使者であった!
 「災厄は我々が悟る最後のチャンスだ。痛みに泣き叫ぶ地球の声が銀河の向こうに届き――怪獣たちが現れ出たのだ」
 刻一刻と状況が悪化していく中で、滅びに救済を見出す狂信的な扇動家が現れ、それに熱狂する、一部避難民。
 「我々は裁かれ、平和を見つけるのだ。神をも恐れぬ者たちから未来を取り戻さねばならん」
 軍を抜け、避難民サイドに立って行動するアイクも熱に浮かされたように拳を振り上げ、 避難民サイドの視点を提供する役割になるのですが、そもそも前編の描写だと、避難民サイドがイレギュラーな存在 (あえて港湾部に残っている貧困層?)に見えるので「『G』世界の一般大衆の代表」になりえず (もしその意図で描写しているのだとしたら、見せ方に首をひねります)、「一部の極端なカルト出現」 (世紀末的な世相の暗示の意図もあるのでしょうが……)に最終回のみスポットを当てるのが、まるで効果的にならず。
 「3匹目の怪獣は――この地球」を中心に、二大怪獣に勝てるのか?、人類と地球の関係、暴走する軍部、 取り残された人々とカルト的指導者の登場、と残された時間にやりたい事を端から詰め込んだ結果、 全くまとまりがない率直に残念な内容。
 あちらもこちらもと手を広げている内に、アイクと関わった少年は雑にフェードアウトするなどキャラクターの行動に奥行きが不足し、 一切の刈り込みをせずに全ての枝に花を咲かせようとした結果、養分が足りずに全ての花が枯れてしまう事に。
 「彼らは“ネメシス”なんです。戒めの使者です」
 「一体、誰を戒めに来たんだ?」
 「人間さ」
 「君の人生観に興味はない」
 グレートと一体化している影響かとは思われますが、妙に高みからものを言うジャックは「グレートに変身する」 以外は事態の解決に全く役に立たず、生き残る為に足掻き続ける将軍の方がまだ好感度が上がってしまうぐらい(笑)
 「これを捧げる」
 「ついていけません」
 アイクはアイクで、隊長から強奪した円盤を怪獣に捧げようとする扇動家をあっさり見限り、 取り返した円盤をユーマ本部に持ち込むキーマンになるのですが、話の都合で動いているだけの上に、 アイク以外にもっと焦点を当てるべきユーマ隊員が居たのでは、と目が点。
 前後編の構成なのに、後編ぽっと出の扇動家が事態を引っかき回す事そのものがどうかと思いますし、 立ち位置もUFO生物回のマッドサイエンティストと被り気味で、丁寧な蛇をこそ描けば良かったのに、 角を生やしたり脚を生やしたりした結果、龍にもなれず蛇にも戻れない出来損ないのキメラが地面をのたうっている感。
 「どうやって地球と戦うんだ」
 「戦いません。敵の正体は――我々自身ですから」
 円盤を奪われた責任者であるところの隊長は、諦観を口にするか、部下に癇癪を飛ばすか、 特に何も対策は取らないけど将軍には反対するか、と腰の据わらない支離滅裂な言行を繰り返した挙げ句、 アイクがユーマ本部に円盤を持ち込むと突如「これで作戦が立てられる」と言い出して将軍を追い出し、結局、 円盤を填め込んだ謎のビームライフルで怪獣と戦い始める錯乱ぶり。
 滅茶苦茶ポジティブに解釈すると、「破滅を前に様々な人々の正解の無い意志が交錯している」ともいえますが、 ジャンルがカタストロフ物ではないですし、登場人物は単に行動の芯が無いだけで(良くも悪くも一本筋が通っているのは、 むしろ憎まれ役ポジションの将軍という)、ユーマの面々も妙に悟った事を言うばかりで、 では人類が生き残る為に何をするべきか? を掲げてくれるわけでなく、 落丁・乱丁はいつもの事ではありますが、特にジャックの生への足掻きがちっとも見えないので、 グレート最後の変身が全くヒロイックにならないのが致命傷。
 なんだかんだと地球人類の為に二大怪獣に立ち向かってくれるグレートさんなのですが、グレート本人は元より、 依り代であるジャックの破滅に抗う意志もこれといって劇的に描かれないので、物語が問いかけてきたテーゼに対し、 主要登場人物が誰もアンチテーゼをぶつけないけれど、とりあえず怪獣は物理で排除するという構成にただただ困惑します。
 海底怪獣は、円盤と謎のキャッチボールの末に爆死し、宇宙怪獣に火であぶられるグレートだったが、 最後の力でウルトラ手刀ビームを伸ばすと首を切り裂き、至近距離からの光線を土手っ腹に叩き込んで逆転勝利。 グレートは倒れた宇宙怪獣を持ち上げて飛び立ち、去りゆくウルトラマンからペッと吐き出されるジャック。
 「これで決着が?」
 「“炎と混沌が石に返った時――一人なる者に平和が訪れる”」
 「“されば地は報いを受けん。人 全て罰を受けるだろう”」
 隊長とジャックが円盤に刻まれた碑文を読み上げ、一同揃って宇宙を見上げて、おわり…………のところで、 右上のインフォメーションバーから「ゴーデス細胞との闘いは続く!」と伸びて、 僅かばかりの余韻が完膚なきまでに爆破されました(笑)  (※同時期にYoutubeで配信が開始された『ウルトラギャラクシーファイト』の宣伝だったとの事)。
 ……しかしまあ、ラスト2話だけでも無理矢理ゴーデス復活させた方が、まだまとまったのではないか感。
 日豪合作というやや特殊な制作体制の下、オーストラリアの大地を活かした映像には独自の面白みがあり、 後半は字幕も改善されてきてストーリー的な妙味も出てきたのですが、ラスト2話は、 とにかく手当たり次第に詰め込みすぎて頭からひっくり返ってしまい、じたばたもがいている内に場外でタイムアウト、という印象。
 あまりにも剪定が足りません。
 せめて最後にユーマメンバーが個性を活かして大活躍、とかあればまだ良かったですが、 そういう意識が見えなくは無かったものの特に劇的な展開にはならず、さして役に立たないまま宇宙から帰ってくる (あれだけ反対していた衛星レーザー攻撃を何故かチャーリーに主導させる隊長……)とか、突然特攻をかけようとするロイドとキムとか、 ジーンのヒロイン力は第11話がピークとか、ユーマの一員みたいな顔で立っているアイクとか、四方八方に断片が散らばるばかり。
 行どころかページ単位で成り行きが抜けがちなのは今作の通常運行ではありますが、前後編でこれはさすがに荒っぽすぎて、 残念な最終章になってしまいました。
 好きなエピソードは、植物コンピューター! 後、「第47格納庫」は素材は良かったと思うのですが…… 杉村升脚本に仕立て直して東條昭平の演出で見たいかなと(笑)
 時代性を反映した環境テロテーマなど90年代後半のシリーズ作品へ繋がっていくのかなという部分が見え、 今作の存在そのものの意味など、その後のシリーズ作品の礎になった面もあるのでしょうが、一つの作品としては (字幕版の問題も含めて)作りの粗さが気になり、惜しい作品でありました。

(2021年1月3日)

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