■『仮面ライダーオーズ』感想まとめ2■
“偉い人も 強い人も 大人になっても
絶対勝てない筈 過去に置いてきた悔しさに”
ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『仮面ライダーオーズ』感想の、
まとめ2(第7話〜第12話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。
戻る
〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ3〕 ・
〔まとめ4〕 ・ 〔まとめ5〕
〔まとめ6〕 ・ 〔まとめ7〕 ・
〔まとめ8〕
- ◆第7話「ダメ亭主と罠と大当たり」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子)
ガメル、徹底して萌え路線。
ウヴァ、超チンピラ。
緑色が綺麗だし、複眼をゴーグルで表現した顔の造形は、個人的に大好きなオルタナティブゼロ(『仮面ライダー龍騎』)
を思い出させて格好いいのだけどなぁ。
カザリはアンクを潰す為の策を巡らし、外で駄菓子を食べていたガメルが自分の額にセルメダルを投入すると、
牛ヤミーがガメルの体内から出現……と、各グリードのヤミーの出し方は全てバラバラに。特色を出せるといえば出せますが、
使い分けが面倒くさいような気もして、さてどちらに転びますか。
夫婦喧嘩で妻が投げつけた靴が駄目夫に直撃する様子を見たガメルから生まれた牛ヤミーが足を踏み鳴らすと、
周囲で靴や鞄などが勝手に動き出して人間に激突する現象が発生し、それを見てガメルは「大当たり〜」と大喜び。
今回、全体的にCGを多用してコミカル表現3割増しなのですが、靴、タライ、一斗缶、
が飛び回る映像で徐々にギャグをエスカレートさせているように見せながら、やがて、人間そのもの、事務机、看板、
が飛び交い事態が深刻になっていく、という見せ方は秀逸。
こけしの顔をCGで変えてギャグにしたり、などの演出は好きではないのですが、諸田監督は割と、
ギャグに振る時はCGネタを好む印象。シリアスな絵作りも十分に出来る監督なので(近い所だと、
前年『W』の第11−12話「復讐のV」などは、『W』屈指の好演出回)全体的に演出は軽快路線の今作で、
早い内に幅を確認しておこうという意図だったのでしょうが。
その頃、パンツの大将@放浪中無宿は、クスクシエのマスター知世子に拾われサムライコスプレに身を包んでいた。
どうやら旅好きらしいマスターに「理想の旅人生活」とスナフキンのような扱いを受けた映司は、
しばらく住み込みで旅費を稼いだらどうかと勧められるが、それを固辞。ところが、マスターの知り合いの夫婦喧嘩
(ガメルに閃きを与えた夫婦)に巻き込まれ、仲裁に入っている内に牛ヤミーを目撃し、オーズ変身。
一方、ネットでコアメダルらしき情報を得たアンク@基本チンピラは、メダルを拾ったという男に1人で因縁をつけるが、
それはウヴァの人間体であり、まんまとカザリの罠にはまってしまう。
オーズの方にはガメルも参戦し、別行動を取っていた2人、それぞれピンチに……そういえば今回、
最初から最後まで映司とアンクが同じ画面に居ないのですが、何か、スケジュールの都合でもあったのか。
追い詰められるオーズの元へバイク便の人@パーマがやってくると、
鴻上会長からのガタキリバ発動記念プレゼントとして新たなコアメダルを受け取り、ライオン・トラ・バッタ!
が発動……挿入歌はタトバですが、気にしない方向で。
ラトラバは迫り来る車を両断してガメルと牛は撤退するが、夫婦喧嘩はまだ続いていた……。
一応、セルメダルに関する利害関係を設定してはいるのですが、物語の都合上、
鴻上の目的――セルメダルを集めて何をするのか――が不明な事で、“オーズを助けて鴻上が利益を得る構図”が先送りにされている為、
どうしても一方的に助けられているように見えて鴻上の存在がオーズにとって都合が良すぎるので、その辺りは早い内に、
バランスを調整して欲しい部分です。
(自販機バイクに使うセルメダルも、バイクのエネルギー源になっているのか、或いは使用料であって後で回収されているのか、
など不明ですし……メダル剣を考えると、セルメダルが何らかのエネルギーを秘めていると思って良さそうではありますが)
バイク便の人は元警察関係者だった事が本人発言で判明し、
警察を辞めて世界を救う企業に就職した筈が俺はなぜ派手な格好の女に顎でこき使われながらバイク便のお兄さんをやっているのかじっと毛先を見る、
と順調にストレスが蓄積中。
そしてアンクは、ウヴァにぐりぐりされていた。
- ◆第8話「サボリと無欲と休憩中」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子)
-
「ウヴァ! その目先の事だけで一杯になる頭を、どうにかした方がいいぞ!」
アンクは2枚のコアメダルを奪われるもウヴァから身を隠す事に成功し、超捨て台詞なのですが、とても納得(笑) しかし、
アンクとウヴァがメダルの取り合いをしていると、画面が完全にチーマーの抗争で困ります。
アンク、性格のねじれ方はともかく、自分で思っているほど頭脳派扱いでいいのか疑問ですし(笑)
傷の回復が遅い事から新たな寄生先を探そうとするアンクだが、小学生の集団に遭遇し、投石を受けてすごすごと撤退。
先日はアイスの盗み食いなどしてしましたし、ギャグに振りつつ、いい具合に酷い目に遭った感。
グリードアジトでは、メズールの仲裁でウヴァとカザリがコアメダルを交換し、胸部装甲を回復。また今回、
鴻上会長の語る800年前にグリードを封印したオーズの武勇伝シーンで、4体のグリードのフルアーマー状態が登場しました。
「いい子ね、2人とも」と、メズールはやや余裕のあるポジション。
今のところグリードは、
脳が動いている2人:カザリ、メズール
脳が動いていない2人:ガメル、ウヴァ
で、凄く極端(笑)
妻が川に投げ捨てた当たりくじを探して濡れ鼠になった駄目夫と映司は河川敷でサバイバル生活をし、
パンツ一丁の主人公がパンツをかわかす姿が延々とお茶の間に流れるヒーロー作品は後にも先にも今作だけになりそうでしょうか。
ここで映司のパンツへのこだわりは、「男はいつ死ぬかわからないから、パンツはいつも一張羅はいとけ」という爺ちゃんの遺言と判明。
アンクから連絡が無い事を心配した映司は鴻上会長からセルメダルを前借りすると、地面に転がっていたアンクにそれを投入。
心配して来て無条件でチャージと言っていますが、わざわざアンクを見下ろすように座っており、
心の奥底にふつふつとマグマのように煮えたぎる何かを感じます。
「ま、今日のパンツじゃ死ねないだろうと思ってさ」
「意味わからんが……おまえが使える馬鹿なのは間違いない」
「いやーおまえも結構、使えるグリードだと思うよ?」
人生コンティニューに成功したアンクを連れだった映司は、ガメルの怒りの衝動のままに暴れ回る牛ヤミーと対決し、
タトバ→タカキリバ→ライキリバで、これを撃破。
映司のちょっとズレた仲立ちで夫婦喧嘩も解消し、満たされてしまった欲望の先へ向けて、再びカメラを手に取る夫。
「アンクー。欲望って、人間には必要なんだな。だから面倒だし、おまえ達も食いっぱぐれないってわけだ」
「おまえのパンツまみれの欲望なら、いらないがな」
バイト代を握りしめてクスクシエを後にしてきた映司だが、それを追いかけてきた比奈が、アンクと物理で交渉。
アンクが鴻上会長にやろうとして失敗した事を、比奈がアンクに対して成功させるという酷い構図で、傲慢で好き放題だったアンクが、
物凄い勢いで下界へ引きずり下ろされていきます。
比奈からアンクを遠ざけようとしていた映司だが、比奈の決意と腕力を目の当たりにし、住み込みでクスクシエで働く事になるのであった……。
2話完結形式とはいえ、第8話にしてようやく、拠点が定まり住所不定から解放。比奈の立ち位置、
マスター知世子の存在もピースがはまり、アンクはじわじわ馬鹿の領域に引っ張り込まれ、と、構造が落ち着いてきました。
意識的に変化をつけてきたのでしょうが、この辺り、落ち着けてくれた方が、個人的には見やすいです。
「欲望」を軸にした世界観の説明に加えて、足場が落ち着いていない事があってか、
流れはともかく個々のエピソードとしての面白さはもう一つ、というのが続いていましたし。
- ◆第9話「ずぶぬれと過去と灼熱コンボ」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:小林靖子)
-
「狭いが……ねぐらが出来たのは良しとするか」
映司がクスクシエに住み込む事になり、ちゃっかりセットでついてきたアンクは、屋根裏部屋でふんぞり返っていた。
わざわざ高い所にソファをしつらえて赤い布を敷いてあるのがこだわりですが、アンクはともかく、
役者さんは微妙に怖そうなセットだなぁ(役者さんはずばり、高所恐怖症だったとの事!)。
態度は大きいアンクだが、比奈には魂レベルで上下関係を叩き込まれ、知世子からは可哀想な目で見られ、
鴻上ファウンデーションからは前借りしたセルメダルの取り立てを受け、実質的な劇中ヒエラルキーは現在、
バイク便の人と同じぐらい。
ここで里中にメダルを返してアンクが苦しむ、というのは、どうしでも刑事ボディとアンク腕を同一視してしまう中で、
見た目は人間でもセルメダルこそがエネルギー源であり構成要素になっている人外の存在である、
というのが改めてわかりやすく明示されて良かったです。
クスクシエがハロウィンパーティで盛り上がる中、突然響く爆発音に飛び出した映司は、過去のトラウマを揺り起こされる。
「俺……旅の途中で内戦に巻き込まれた事がある」
ここまで繰り返し挿入されていた映司の心象風景は、かつて内戦に巻き込まれた村で、
仲良くなった少女を救えなかった時の出来事……とかなり大きなトラウマが、ストレートに盛り込まれてきました。
ヤミーの親は、メズールにメダルを投入された爆弾魔で、オーズは地中を泳ぐサメヤミーと戦闘。
そしてそれを見つめる怪しげな眼鏡の男……。
サメを追ってメズールとガメルの襲撃を受けたオーズはライオン・トラ・チーターの黄色コンボを発動し、
灼熱範囲攻撃で一挙にメズールのコアメダルを4つ入手し、サメヤミーをチャージクローで撃破。
黄色コンボはガタキリバほどトンデモではありませんでしたが、強烈な熱を放つようで、よく戦う鉄橋下の川が数秒干上がる、
という演出は面白かったです。メズールに大打撃で、威力も十分に表現されましたし。
そこにまたも現れた眼鏡の男は、ヤミーの親とオーズの力を観察している、と肩に乗せた人形に話しかける。
凄くわかりやすい変人演技で個人的な好みから言うとちょっとやりすぎなのですが、インパクトはあります。
「おまえ、何者だ?」
「人は、その人生を真っ当するまで何者でもありません。終わって初めて人として完成する。互いに良き終わりが訪れん事を」
不穏な言葉と共に立ち去った男が向かったのは……設立10周年を迎える、鴻上生体研究所。男の名はドクター真木。
鴻上会長の下でメダルシステムを完成させた、天才科学者であった……!
- ◆第10話「拳と実験と超バイク」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:小林靖子)
-
怪人体+ゴルフクラブのウヴァ、超ヤクザ。
スケジュールの都合で撮影を全て一部屋で済ませる為の苦肉の策だろうとは思われるのですが、
鴻上会長が里中の持つ巨大ディスプレイで登場する、というのは馬鹿馬鹿しさと傲慢さが同居して良いアイデアだったと思います。今回、
ディスプレイ持ち運び用カートが登場したのも素敵(笑)
そしてドクター真木との会話で、鴻上会長の目的は「メダルを集め、無限を越えた力を実現させる」
というのが明言され(以前に「∞」+「O」で「OOO」というのは示唆されていましたが)、怪しげな新キャラ登場に合わせる形で、
鴻上サイドの事情がややスッキリ。ここがもやもやしていると少し面倒だったので、早い内にハッキリして良かったと思います。
「オーズ――私はオーズに決めたよ、ドクター!」
そして鴻上は、その力を集める器として、オーズを利用しようとしていた。
やや不満げながらも表向きそれに賛同したドクターは、自室で一枚の絵を見つめる。
「祝うとするなら終わり。終末ですよ」
鴻上のテーマソングが「HappyBirthday」なのに対し、ドクターが流すのは「レクイエム」(モーツアルト)と、
両者の価値観を色分けして上手くパイロット版から繋げており、ここからが『オーズ』第2章という所なのでしょうか。
タカメカにドクターを追わせていた映司は研究所へ向かい、そこでヤミーの親が研究所の所員であり、
メダル研究の為にドクターが故意にそれを泳がせていた事を聞かされる。
爆弾による被害を毛ほども気にする素振りを見せず、人間は遅かれ早かれ死によって完成すると主張するドクターの思想のベースは、
ハイデガー『存在と時間』でしょうか(物凄く大雑把に言うと、「現存在(人間の存在)は例外なく「死へ向かう存在」であり、
死を迎えて初めて全体として完結する。その交換・代理不可能な死(の可能性)を直視し立ち向かう時に、現存在は本来性を確保するので、
人が本来性を持って生きる為には死の可能性と自覚して向き合う先駆的決意性が必要となる」といったような哲学)。
「彼も理解の出来る人間ではないですね。……終わりの大切さを」
映司はタカメカに追跡させていたヤミー親を追い、かつてのトラウマと重なり合う恐怖の中、ギリギリの爆弾解除に成功。一方、
研究所内部にあったヤミーの巣からサメヤミーが大量に誕生して所員達を襲い、研究所に来ていたバイクの人が微妙に活躍……
しているようなしていないような。
研究所に取って返してきた映司にドクターは新しい缶メカを渡し、爆弾で大被害が起きたかもしれない事も、
所内で進行中の惨劇も全て気にした様子もなく、その使用方法を淡々と説明。
前回は露骨な変人描写がいきすぎて感じた人形との会話でしたが、この局面でも映司を全く見ないで肩の人形へ向けて淡々と喋るのが、
“自分の世界に他者を入り込ませない描写”として機能し、ここで活きました。
怒りの映司は、ドクターの首根っこを掴んで拳を――壁に叩きつける。
「ありがたく使わせてもらいますけど、これ以上俺に話しかけないでもらえます。……ね?」
ここまでどちらかというと、出来るだけ状況を丸く収めようとする傾向のあった映司が、どんな時に本気で怒るのか、
を見せてくれたのは良かったです。やっと映司の中身が少し見えてきたというか。
まあ、しっかり新アイテムはいただくのが、映司なんですが(笑)
映司はオーズ変身し、缶がバイクと変形合体するが、オーズを置いて暴走し、勝手にサメを轢いたりバイクでロデオ状態に。
そこにしれっと出てきて平然とアドバイスするドクターは結構素敵(笑)
ドクターのアドバイスを受けたオーズは黄色のコンボ・ラトラータを発動してバイクの力を押さえ、バイクからのメダル剣で、
今日もメダルの雨が降る。
「オーズを器にメダルを……それで本当に訪れるのでしょうか。世界を――歴史を完成させる、良き終末」
力か、正義か、終末か――欲望のメダルを前に人間達の望みも入り乱れる中、次回、正義の人に終末の危機?!
- ◆第11話「旅人とアゲハ蝶と有名人」◆ (監督:金田治 脚本:米村正二)
-
スマホレッド! コズルイエロー! ヤクザグリーン! ワカヅクリブルー! ダガシブラック!
欲望戦隊・グリードV!
というネタが降りてきたのですが、使いどころがわかりません。
「太陽から貰ったエネルギーが、明日のパンツの活力になるんだ」
格好良く言っても駄目だぞ、映司。
なお比奈ちゃんはお兄さんと2人暮らしなので、トランクスの一つぐらいでは1ミリも動揺しません。それはそれとして、
マスター知世子は店の看板にパンツを干そうとする映司の後頭部を麺棒で3回ぐらい殴打しても無罪だと思います。
映司は旧知の旅人・筑波敬介(やたら露骨なもじりですが、この時期何かあったのかしら)と再会し、
旅ブログを本にしたいという筑波の出版社への持ち込みに付き合うが、筑波の原稿は編集者に突き返されてしまう。
人気の旅ブロガー・澤田への嫉妬に燃える筑波はウヴァにメダルを投入され、ヤミーの親に。
ヤミーが澤田から何かを吸うとアゲハヤミーが誕生し、鱗粉に乗せて澤田の文章力が筑波にコンバート……て、えー(笑)
そういう特殊能力の怪人、と言われればそれまでですが、ここまでのヤミーが単純な行動しか出来ないロボットか、大暴れする怪獣か、
みたいな存在がほとんどだったので、あまりに便利すぎて困惑します(^^; ウヴァが作ると無駄に喋るという事なのかもしれませんが、
明確に人格を持つヤミーからして第1話以来ですし。
「何故おまえのような、いい加減な奴がオーズになった」
「俺は目の前で困ってる人が居たら助けたい。それだけ」
「小さいな。俺が見ているのは――世界だ」
アゲハヤミーにあっさり逃げられてしまったオーズに突っかかってくる後藤さん、ここまでの扱いがあまり良くないので、
強い信念が行きすぎて誇大妄想になりかけている痛い人みたいになっていますが、
今作のコンセプトに平成ライダー第1期のリビルドがあるとすれば、髪質といい天の道を行き総てを司る人を少し意識しているのか。
澤田の文章力を奪い、その代理としてラジオ出演まで果たした筑波に、「どうすればもっと有名になれる?」と問いかけ、
サポートに余念の無いヤクザグリーンは、演出もあって、寓話系ホラーに出てくる不幸の案内人みたいな感じに。
当惑しながらも筑波が口にした、新たな旅ブログ1位のお笑い芸人から喋りの能力がコンバート。
「……あ、なんか、喋れるような気ぃしてきた」
何故か、大阪弁に(笑)
ヤミーの気配に向かうオーズだが、メズールの為に自販機の下を漁ってメダルを探すなど、どこまでも萌え路線のガメルがその前に立ちはだかる。
タトラータでぐるぐる回ってガメルを蹴ったら何故かメズールのコアメダルが2枚飛び出してガメルに奪われてしまい……わかりにくいのですが、
蹴った拍子に背後に浮かんでいたアンクの手にぶつかったという事でいいのか。
オーズはヤミーを優先して走るが、そこではバイク便の仕事にやり甲斐を感じられない後藤がバズーカ背負って戦っていた。が、
一方的に叩きのめされていた。
「しょせん人間ではこの程度ですか。後藤くんにも良き終わりが訪れん事を」
心の隙間につけ込んで後藤を煽ったドクター、見限るの早すぎ(笑)
オーズはタカキリータを発動してアゲハヤミーの羽を切り裂こうとするが、後藤が背後から放った必殺後藤バズーカが、
オーズとヤミーにまとめて炸裂。一方、筑波が出演するというトークライブ会場でウヴァ人間体の姿を目撃してしまった比奈に、
その凶刃が迫っていた……。
なお今回のアンクの見せ場は、比奈に耳をちぎられそうになるです! 過去に『電王』では,
イマジンの憑依した良太郎にハナが思わず打撃してしまう、はネタとして消化されていましたが、比奈ちゃんは、
アンクのボディは実のお兄さんの物である事を忘れてますよね?! 或いは、
兄へのこれぐらいの折檻は泉家では常識だったのか。
映司は、アンクと一緒に泉家へ上がり込んだ事がある件について、死ぬまで沈黙するか、パンツ1枚で土下座を慣行するか、
早めに覚悟を決めた方が良いと思います。
- ◆第12話「ウナギと世界と重力コンボ」◆ (監督:金田治 脚本:米村正二)
-
ナレーション「前回の3つの出来事。 (中略) ――そして三つ、後藤が、誤ってオーズを撃ってしまった!」
……あ、わざと、というか、当たっちゃってもいいやぐらいの勢いだと思っていたのですが、純粋に誤射だったのですね後藤さーん。
そして割と、バズーカでダメージをうけるオーズ。
一方比奈は、凄く普通にヤクザグリーンと戦っていた。素人に消化器噴霧で逃げられるヤクザ、
虫頭だから仕方ない。
オーズはタトバでジャンプ攻撃を浴びせるもアゲハにはまたも逃げられてしまい、後藤を助け起こすが、その手を払いのけられる。
「俺、後藤さんがオーズでもいいよ」
「なに?!」
「俺は今やれる事をやるだけ。……そうだ、一緒にやろうよ」
「おまえ……俺を馬鹿にしてるのか」
「このバカ!」
後藤と一緒に怒るアンクがお茶目(笑)
「封印を解いたおまえ以外、オーズにはなれないんだよ」
「え、そうなの?!」
アンクがなんだかんだ映司を使わざるを得ない事情が明確にされてはいなかったのですが、突然明かされる重要事項(笑)
アンクとしてはこれ、交渉材料として言いたくなかったという事なのか。
「いや素晴らしい……私に無断でヤミーを倒そうとするなんて、新しい後藤くんの誕生だよ!! おめでとう!!」
会社に帰った後藤、褒められる。
「後藤くんへの誕生プレゼント。……それは、罰。しばらく謹慎。以上」
やっぱり、駄目だった。
落ち込む後藤をドクターがまた煽り、“メダルを人間の力で使えるようになるシステム”について繰り返し言及されますが、
これは2号ライダーへの布石か。
アゲハヤミーの能力により、ウヴァの思惑通りに筑波は人気者になり、その欲望は果てしなく広がっていく。
「有名になってどうするんですか?」
「見返したんねん」
映司の旅の体験談をネタとして譲ってほしいとまで言ってくる筑波だが、そんな筑波に更に力を与えようと、
有名人の集まる撮影所にアゲハヤミーが飛来。映司はヤミーとの戦いに走り、比奈はその光景を筑波に見せる。
「俺が内戦に巻き込まれた話、筑波さんの話にしていいですよ。有名になる為でもなんでもいい。争いがどれほど人を苦しめるか、
伝えられるなら。……大事なのは、何をしたかだと思うし」
映司の言葉と、自分の欲望から生まれた怪人の姿を見た筑波は正気に帰り、
実は世界放浪旅日記は妄想ブログであった事を告白。筑波の状況理解がちょっと早すぎるのですが、内心、
自分に謎の変化(大阪弁になったり)が起きている自覚はあったという事か。
そして後ろに立っていた後藤(謹慎中なのに力強く背負っているので、どうやらバズーカは私物)も、
自らの手で何も為していないのに、世界を護っている気になっていただけだと気付く。
「俺も今やれる事をやるのみ。それがやがて、世界を護る事に繋がる筈だ」
無駄なプライドに振り回されて出来る者を妬むのではなく、今の自分が出来る事をやる――割とあっさり宗旨替えした後藤ですが、
これまでの約1クール分、妄想ブロガーと同一レベル扱いにされ、結構酷い(笑)
後藤は援護射撃のバズーカを放つと新アイテムの拘束電気ウナギ缶を渡し、割と続々出てくるお助けメカ。
流れとしては前作を汲んだ動物ガジェットなのでしょうが、『オーズ』ってメダルのイメージがあまりに強かったので、ちょっと意外。
アゲハヤミーの動きを封じるオーズだが、そこにウヴァとガメルが乱入し、一転大ピンチに。
空中で激しく回転するアゲハの攻撃などで追い詰められるもカウンターパンチでガメルのコアメダルを3枚ゲットするのですが、
ここがかなり適当になったのは残念。3対1で大苦戦という状況だったので、もう少し頭を使って反撃して欲しかったです。
特にアンクは、アゲハを倒す為にガメルのコアメダルを狙っていた筈なのに、肝心のガメルが出てきたら丸投げであまりに無策すぎます(^^;
窮地を乗り切る為、オーズは手に入れたばかりの3種のコアメダルにより、サイ! ゴリラ! ゾウ! のサゴーゾコンボを発動。
ドラミング振動波でウヴァのメダルも1枚ゲットするとグリード達は逃げ出し、残ったアゲハは重力頭突きでせいやーーー!
玩具展開の都合もあったのか揃いのコンボも次々と見せてきますが、サゴーゾはサイヘッドが割と格好良くて、
ここまでのオーズのデザインでは一番好きかも。
「ラトラータに続き、サゴーゾにも耐えられる器とはな。やっぱり、おまえにはメダル集めの才能がある」
アンクはうそぶき、筑波は北海道まで自転車の旅へ。一方、ドクター真木の研究所には姿を消していたコズルイエローが現れていた……。
オーズのコンボにリスクがあるにしても、グリードの弱体化が激しいですが、果たしてカザリの存在は、そこに波乱を巻き起こすのか!?
2号ライダーへ向けての布石か、バイク便の人、一皮剥けるの巻。ここまで劇中での印象度はむしろ里中より下、
ぐらいのレベルでしたが、これから物語の中心に絡んでいけるのか。
『電王』『キバ』のサブ参加はあまりよろしくない出来だった米村正二ですが、今回は悪くないエピソードでした。
便利すぎるアゲハヤミーの能力も、最後まで見ると、筑波の本当の動機は他人の才能への羨望だったので、
それを吸い取る能力がヤミーに発生した、と解釈はできる範囲ですし。本当は中身の空っぽだった筑波が、
文章と喋りの才能を得る事で実際にメディアに持て囃されてしまう、というのもなかなか皮肉が効いてます。
クライマックス戦闘の成り行きが少し残念でしたが、これは監督とアクション監督がアゲハ大回転で盛り上がりすぎて、
話の流れを上手く処理できなかった感じ(^^;
→〔その3へ続く〕
(2016年6月13日)
(2017年4月24日 改訂)
戻る