■『仮面ライダー電王』感想まとめ4■


“こぼれ落ちるゴージャスは プリンスゆえ止められない
誇りと美の Double-Action
今日も 明日も 世界は私の為”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『仮面ライダー電王』 感想の、まとめ4(21〜27話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。そこはかとなくジーク風味。

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◆第21話「ケンカのリュウ儀」◆ (監督:石田秀範 脚本:小林靖子)
 Let'sイマジン、今週最初のお便りは、東京都在住Mさんから!
 えー、なになに、「俺さ……じゃなかった、最近、職場の事で悩んでいます。以前から、横暴な上司、口だけは達者な後輩、 図体のでかい後輩に悩まされていましたが、最近入った新入りが、生意気で人の言う事を全く聞かないばかりか、 私に対してひどく冷たい扱いをします。先日も、危うく職場から追い出されそうになりました。今の仕事が一番長いのは私なのに!  雇用主は本当にいい人で、雇用主の為にもこの仕事を頑張って続けたいと思っているのですが、 最近は雇用主も身内の悩み事が多くてあまり気にかけてくれません。唯一の楽しみだったクライマックスも、 マントをつけた変なのにかっさらわれたり、ストレスの多い毎日で、このままでは胃に穴が空きそうです。 本当に今の仕事を続けていて良いのでしょうか。何かアドバイスをお願いします」
 いやー、イマジン色々、悩みも色々。生意気な後輩には、一度ガツンと言ってやりましょう。そうすれば貴方を見る目が変わる……かも?  ラッキーカラーはピンク。早起きは三文の徳。それでも駄目な時は、お風呂にでも入ってスッキリするのがお薦めです!
 そんなわけで今回最大の見所は、デンライナーには風呂があった!
 そして、イマジンは入浴する!
 なお、入浴シーンはありませんでした。
 冒頭、前回のおさらいで改めて見ても、無意味な落雷パフォーマンス。
 そして卑怯な攻撃はカットされた(笑)
 「侑斗くんが変身したのは、ゼロノス
 緑色の牛ライダーは仮面ライダーギュウマじゃなかった、仮面ライダーゼロノス。オーナーによると、 「デンライナーにおける電王のようなものです」という事らしい。
 ……って時の列車とセットだったのかライダー、てまあ言われてみれば運転席に専用バイクついているし、 対暴走イマジン用の武装もライダーに対応しているし、そう考えるのが素直か。
 オーナーは、おそらく桜井侑斗は
 「十数年前の若い頃の“桜井さん”」
 であろうと語るが、あまりにもイメージが違うからか、それを否定する良太郎。ここで、一連のオーナーの語りと、 リュウタロスのダンスを合わせた演出は秀逸で、石田監督のこの辺りのセンスはやはり巧い。
 その頃、デネブに地獄突きを放って逆に突き指した侑斗は、ミルクディッパーに向かう途上で、 人助けに巻き込まれていた。
 「僕は桜井侑斗、困った人を助けるのが、趣味です」
 と語るのは、もちろんD侑斗(笑)
 怒りの侑斗はデネブを放置し、デネブは着ぐるみを着て路上でお菓子を販売する事に。その背後ではデネブの気付かぬ内に、 道に(飲み過ぎで)倒れてD侑斗に助けられた販売員の男がトータスイマジンに憑依され、「課長のバカヤロー、 こんな仕事回しやがって」という寝言を望みとして契約?されていた。
 トータスは、カメはカメでも……リクガメ?
 そんな侑斗に嫉妬の炎を燃やすリュウタロスは、風呂上がりのカメちゃん(ウラタロス)・クマちゃん(キンタロス)に、 「婚約者」とは何か、について情報収集。これ以上、リュウタロスの殺意をこじらせるとまずいと誤魔化すウラタロスであったが、 しつこく聞かれたキンタロス、つい、
 「そりゃあ、女が男に惚れるんは、強いからに、決まっとる」
 「「ああ!」」
 「へ〜、あいつって強いんだ。だから好きなんだ。やっぱりあいつ嫌いだぁ!」
 と、ガロン単位で油を注ぐ。
 なお、口出ししようとしたモモタロスは、
 「うるさいよ。モモタロスは黙っててよ」
 と、物凄く邪険な扱い。
 ナオミに言わせると、ウラとキンは動物カテゴリなので、リュウの対応が柔らかいらしい。
 ……モモさんはやっぱり、標準的なイマジン風に名前をつけると、ピーチイマジンなのか。
 それとなく目を逸らしていたけど、やっぱりネクターなのか。
 それで傷つきやすいのか。
 背後の殺意をつゆ知らず、ミルクディッパーで「桜井侑斗」の名を名乗るも、愛理さんに華麗にスルーされた侑斗は、 綺麗さっぱり名前も忘れられている、と思ってご機嫌斜め。そこへ良太郎とハナがやってきて出くわすと、リュウタロスが良太郎に憑依。 R良太郎は一足先に出て行った侑斗を追いかけていく。
 「今の、良太郎じゃなかったような。気のせいかしら……」
 デネブのもとに戻って販売員がイマジンと契約した事に気付いた侑斗は販売員の監視をデネブに任せるが、その前に姿を現すダンサーズ。 路上バック転など華麗なアクションを決めるダンサーズに囲まれた侑斗の前でR良太郎はガン電王に変身し、 「どっちが強いか決める」戦闘を一方的にスタート。
 またも、一般人(?)を撃ちまくる、ガン電王。
 にしても、“お姉ちゃんに近づく邪魔な男を殺っちゃう”のではなく、“どちらが強いかを見せつけて振り向いてもらう” という方向になっているのは、リュウタロスの成長なのか、良太郎の精神的影響が出ているという事なのか。
 ……まあ、やっている事はサーチアンドデストロイなのですがッ。
 そこへ、侑斗から“消えた時間”について聞きたいハナがやってきてガン電王を止めようとするが、 ヒロイン力の低いハナの制止などガン電王は聞く耳持たない。
 変身できる回数が決まっているために逃げ回ってやり過ごそうとしてた侑斗だったが、 ハナが戦闘に巻き込まれたのを見て、変身。ここにガン電王vsゼロノス、激突!
 ……その頃、デネブは着ぐるみ姿で走っていた。
 一方、契約に基づいて販売員の上司を襲撃してきたトータスイマジンだったが、過去への扉は開かず。 寝言だったから契約不成立という事なのかどうなのか。なおトータスイマジンは、分裂してテンションの高いもう一体が出てくるという仕様。 デザインといいやたらに跳ねている所といい、ウサギとカメ、のモチーフか。……それで、販売員も寝ているのか?
 個人的には、わかりやすくイマジンでギャグをやろうとしている時は、いまいち面白くない印象。好みの問題もあるかと思いますし、 石田監督の、ややシュールなギャグを繰り返す演出が、個人的に合わないというのもありますが。
 ガン電王とゼロノスは互いのバイクで激突し、デネブ(着ぐるみ)は走り、イマジンはすっかり無視されたまま、以下、 次回――果たして職場ヒエラルキーの底辺を這いずるMさんに復活の目はあるのかっ?!
 「ゼロノスだとか侑斗だとかそんなものどうでもいいけど、何かあったらやばいことになるのは良太郎だぞ」
 という辺りはもうすっかり、古女房の貫禄で泣かせますが。

◆第22話「ハナせない未来」◆ (監督:石田秀範 脚本:小林靖子)

 チャンプ、着ぐるみを装着。

 虎だ! おまえは虎になるのだ!
 鳴り物入りで登場したゼロノスと互角の戦いを演じるガン電王、強し。まあ、ゼロノスの本領はデネブと合体してのヴェガフォームのようですが。
 戦闘に乱入したハナに気を取られて動きの鈍ったゼロノスを追い詰めたガン電王だったが、 いい所で良太郎が何とか主導権を取り返し、リュウタロスはデンライナーへと弾き飛ばされる。 “消えた時間”について教えてほしいと食い下がるハナに対し、侑斗はデネブの代わりをやったら質問に答えてやると交換条件を持ち出し、 チャンプ、路上販売に挑戦する事に。
 一方、販売員とイマジンの契約は、やはり寝言(販売員に契約と“望み”の記憶がない)の為に、成立していなかった。 怒りのトータスイマジンは販売員にも甲羅ボールをぶつけまくり、販売員は病院へ。虎の着ぐるみにフォームチェンジしたハナを残し、 良太郎はデンライナーで体育座りモードのリュウタロスと接触。
 ……話が脇にそれますが、体育座り=いじけている、という記号の発祥はいったい何なのでしょうか。 使いやすすぎてチープになる危険性もありますが、実に良く出来た記号だよなぁと感心する次第。
 「お姉ちゃん、あいつが好きなんだよ。ボクの方がぜったい強いのに」
 「強いから好きなんじゃないよ」
 「でも、クマちゃんが言ってた」
 良太郎、キンタロス睨んだーーー(笑)
 姉さん絡んでいる時の良太郎は本気(と書いてマジ殺意)なのでKさん(バンカラ)は以後、発言には細心の注意を払うように。
 お姉ちゃんが止めても侑斗を狙うのをやめない、というリュウタロスに対し、どんな事をしても――一緒に消えるような事になっても―― 絶対に止めてみせる、と宣言する良太郎。
 そういえば、良太郎とリュウタロスが膝を詰めて話すというのは珍しい。……もしかして初?
 リュウタロスの説得に完全成功はしなかったものの、決意を告げた良太郎は、イマジンを追いつつハナの手伝いをする為に、 イマジン達に協力してもらう事に……というわけで、ウサギとゾウの着ぐるみ姿で、入院した販売員の病室を見張るウラとキン。 ……砂、着ぐるみ、着られるのか。
 そして孤独な路上販売にいそしむチャンプの元には、良太郎とナオミが参上。
 ……て、ハナさんハナさん、着ぐるみは首が見えないように常に顎を引かないと!
 というのは昔、ミッ○ーの中に入った事がある人に聞いた着ぐるみ豆知識。
 こんな所でハナの着ぐるみ素人ぶりを表現するとか、無駄に芸が細かい(笑)
 そんなハナはむしろ顔出しするべし着ぐるみ不許可、とてきぱきと物事を進めていく、売り子性能の凄まじく高いナオミの協力もあり、 盛況になっていく路上販売。それを見つめる、星明子 侑斗とデネブ。
 その頃、課長と同じ病室に運び込まれた事で販売員は契約内容を思い出し、やや強引に扉を開いたトータスイマジンは過去へと跳ぶ。 それは、2006年11月29日。販売員が展示会に遅刻し、別の仕事に回されるきっかけとなった日。 ウラタロスからの連絡でそれを知った良太郎は、ロッド電王に変身して過去へ跳び、侑斗もそれに続く。
 侑斗の目的は、過去の桜井……? だが過去の桜井は侑斗の呼びかけを無視し、侑斗も敢えてそれを追わない。
 ウサギとカメに分裂したトータスイマジンとロッド電王との戦いに参加する侑斗。ゼロノスへ変身するカードの残りは――あと8枚。
 「多いのか少ないのかわからないけど、変身」
 2話に1回変身するとしてもあと1クールちょいしか保たないので、メタ的には少ない(笑)
 にしても、ここで残り枚数を明言してきたのはビックリ。
 小林靖子らしい感もあるといえばありますが。
 ロッド電王&ゼロノスvsトータスイマジン(カメ&ウサギ)の2vs2変則マッチは、終始押し気味で仮面ライダーパワーズが勝利。 2体のトータスイマジンはそれぞれ暴走するが、1体はロッド電車のカメがガ○ラばりの空中戦の末に撃破。 もう一体はゼロライナーが撃破。
 「凄いというか……もう電車じゃないよね、あれ」
 ゼロライナーは最初はドリルで倒すのかと思ったら、何故かヘリコプター風味のプロペラが出てきて、 空を飛んだ上にプロペラでイマジンを細切れにしました(笑)
 作り手もバランスを気にしたのか、久しぶりにロッド電王が最初から最後まで大活躍。まあウラタロスの場合は、 “充分に戦えるけど、やる気がない”というスタンスなので、あまり戦闘で出張らなくてもそれほど気にならない、 というのは設定の巧いところ。
 なお、やる気だけはある方の今回のお仕事は、リュウタロスの見張りでお留守番(底辺)。
 ……あ、あ、あと、ハナとナオミに絡んできたチンピラを投げ飛ばして叩きのめしました!
 大活躍だね!

 クライマックスだね!(涙)

 こうして、それぞれ(除くリュウタロス)の活躍もあり、七夕お菓子は無事に完売。約束通り、侑斗はハナに、 “消えた時間”について話す。だがそれは、“消えた時間”については何も知らない、ゼロライナーの持ち主にも会った事はない、 というものだった。
 しかし……
 「これだけは言える。ゼロライナーは確かに一度消えた。でもそれが今はあるって事だ。それだけだ」
 “消えた時間”が再生する可能性がある……?
 それは、新たな謎と、ほんのわずかな希望を生むのであった……。
 次回、またなんか変なの、降臨。

◆第23話「王子降臨、頭が高い!」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 OPにゼロノス参加。
 トレーニング継続中でへろへろランニングを頑張っていた良太郎、記録更新直前に、子猫を見つけたリュウタロスに乗っ取られてしまう。
 一方、デンライナーでは他の乗客から動物の鳴き声がすると苦情が相次ぎ、食堂車で発見される子犬。 逃げ回る子犬を追いかけたハナ達は動物だらけ、羽毛だらけの変な部屋に……そこは、リュウタロスが拾ってきた動物などを世話していた隠し部屋であった。 部屋には子犬や子猫のみならず、白い大きな鳥……ていうか、
 「鳥ってまさか……これの事?」
 「おまえたち、無礼だぞ。私の前では、礼節をわきまえてもらおう」
 「イマジン」
 「それと、赤ちゃん!」
 赤ん坊を抱く、白いイマジンが居た。

 チャンプ、遂にリュウタロスにストレートを炸裂させる。

 「我が名はジーク。呼ぶ時は、気軽に、プリンスでかまわん」
 やたら偉そうなイマジンはチャンプをお手伝い扱い。赤ん坊の為にとこらえるチャンプがどうにかこうにか事情を聞き出すと、 赤ちゃんはどこからか連れてきたわけではなく、「最初から一緒に居た」と言う……なんとジークは、年端もいかない赤ん坊と契約しているらしい。 しかしこれでは色々やりにくい、と良太郎に憑依し、「降臨」するジーク。モモタロスが良太郎の体を取り返そうとするがすり抜けてしまうなど、 ジークは実質、(本人にその気は無いものの)良太郎を人質に取った状態に。
 もともとの傲岸不遜な性格に、赤ん坊と契約しているという特殊な状況が重なってか、すっとぼけた新たなイマジンの登場でデンライナーは大混乱。 天然でタチ悪い、という点では、キンタロス寄りか(笑)
 ジークの話によると本来は半年ほど前、赤ん坊の母親に憑依。その母親と契約したかについてはよく覚えていないが、 憑依生活を楽しんでいる内に眠りに落ちてしまい、気がつくと生まれた赤ん坊の中、しかも病院でも家でもなく、 どこかトラックの中で覚醒。仕方が無いので実体化して赤ん坊を連れて外に出たところ、そこで徘徊中のR良太郎と遭遇し、 今に至るのであった。
 「動くのは私ではなく……世界の、方だ」
 「家臣一同、一丸となって母を探すのだ」
 どこまでも偉そうなジークはイマジン達を家臣扱い、もちろん反発するモモタロス達だが、ジーク良太郎が頭が高いと指さすと、 何故か揃って小型化。
 オーナーによるとどうやらジークは、“2007年に「生まれる」という形で現れた事”で、 存在する力が他のイマジンより強い特殊なイマジンらしい。
 とまあ今回は、ジークの強烈なキャラクター性で強引に持って行く部分の多いエピソードで、シナリオはやや粗め。 ジーク良太郎も演技というよりは、奇抜な衣装と仕草で無理に特徴づけているというか、 さすがに役者にも限度があるというか。なんという、主演俳優の無理使い。
 しかしまあ改めて、2クール目に入る辺りから、“各イマジンが憑依して言動や仕草が変わる”というギミックに 全く何の違和感も無い辺り、恐るべし佐藤健(&スタッフ)。
 ジーク良太郎とハナは赤ん坊の母親を探しに外へ出るが、ハナがミルクディッパーへ情報を聞きに行っている間に、 記憶の一部を取り戻したジークが、母親の家である鷹山家に向かってしまう。新聞から鷹山家の情報を手に入れて慌ててハナが向かうが時既に遅く、 屋敷に居た警官に誘拐犯と間違われてしまうジーク良太郎。更にジーク、無責任に憑依を解除(笑)
 一方、鷹山家から赤ん坊をさらって脅迫状を送っていた本物の誘拐犯・増田と契約したスコーピオンイマジンが、母親・鷹山栞を襲撃。 イマジンの気配に増田を見張っていた侑斗とデネブは鷹山家の前で警官に囲まれていた良太郎を救出し、 良太郎はソード電王に変身すると栞をさらったスコーピオンイマジンを追う。
 侑斗/ゼロノスは、がっちりカードの残り枚数を切った事で、物語上でもメタな捉え方でも、積極的に変身しない理由を明確にしたのは、 巧いところ。
 また、イマジンによる過去の改変は阻止したい→しかしカードは節約したい→野上をうまく使おう
 と、事件に絡むけど決定打はギリギリまで打たない、という侑斗の立ち位置が絶妙に収まりました。
 どうしても出たり出なかったりがエピソードに都合良くなってしまう(広義の)お助けキャラに対し、 大きな物語上のルールによって制約をかける事で、都合の良さを減じさせるというのは、実に小林靖子らしい設定の組み方。
 過去の作品を踏まえた上で、それを茶化すのではなく、どんなルールを持ち込めばより合理的な物語を展開できるのか、 こういったものを見せてくれるのは、いい所であります。
 で、

 スコーピオンイマジン、弱っっっ

 ソード電王に、もう一度、ソード電王に、もっと大きく、ソード電王に、叩きのめされるスコーピオンイマジンだったが、 その攻撃で瓦礫が落下。アックス電王にフォームチェンジして栞を救う事に成功するが、その間にスコーピオンには逃げられてしまう。 そして変身を解除した良太郎はハナが連れてきた赤ん坊を受け取ってその場に残るが……駆けつけた警官により、 遂に逮捕されてしまうのであった。

◆第24話「グッバイ王子のララバイ」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 野上良太郎、重要参考人として任意同行。
 しかし、未成年なので名前は出なかったし顔にもモザイクがかかった!
 良かった! 本当に良かった!
 愛理「これはさすがに、初めてのパターンですね」
 取り調べを受ける良太郎にモモタロスが憑依して刑事と一触即発になるが、ウラタロスが慌てて交代。 Mさんの暴挙は海に流して……ひたすら出鱈目の経緯を語りまくる。
 刑事「確かに辻褄はあっているが……」
 合わせた、凄いぞ(笑)
 「キンちゃん、あとよろしく」
 そしてK良太郎にチェンジして、ひたすら寝てやり過ごす作戦(笑)
 ここは良太郎の為にそれぞれのイマジンが特技を活かして(?)、面白いシーンとなりました。特にウラタロスは、久々に話術炸裂。
 一方、デンライナーでは憑依を解いて後は知らんぷり、身勝手なジークに、チャンプの右ストレートが炸裂。
 「今まで、殴ってまで私を戒める者などなかった……心から、嬉しいと思うよ、姫」
 「……姫?」
 「今から君は、私の姫だ。やはり世界は、私のために」
 変な道に目覚めた王子、チャンプに抱きつこうとして、もう一撃食らってノックダウン。そういえばここまで、 殴られてご褒美だと思うイマジンは居ませんでした……いや、レギュラーで居ても困る気はしますが。
 にしてもジークは本当に、2007年に来るまでは家臣が居たのか、それすらも王子妄想なのか、色々と謎は深まります(^^;
 ここ最近の流れとしては、いい加減どうにかしないと、と思ったのか、ハナを可愛くしようキャンペーン展開中なのですが、その上で、 結局殴るのが格好いいよ、チャンプ!
 これで思うところあったのか、ジークは契約者である赤ん坊の口を借りて、「助けたのは野上良太郎」と母親に吹き込む事に成功。 栞の証言もあって良太郎は無事に釈放され、鷹山家に招かれる事に。
 「我が母、我が兄弟」
 さっそく降臨したジーク良太郎は、日本有数の資産家である鷹山家のご馳走に舌鼓をうち、しばらく滞在する事に……だが、 その体には異変が起きていた。
 「イマジンの基盤は、いつも記憶です」
 指先から、砂になっていくジーク。元来、契約者のイメージで成り立っているのがイマジン、契約者が幼すぎて、 イマジンとしての存在が維持できないのであった……と、どさくさにまぎれて、オーナー、けっこう重要な事を喋る。
 日々塗り変わっていく赤ん坊の記憶の中で忘れ去られ、存在が消えていくジーク……苦しみながらも “我が兄弟”に指先を伸ばすジーク良太郎の耳に、栞の悲鳴が響く。
 赤ん坊の代わりの人質に母親をさらってくる、という増田との契約にしつこく忠実なスコーピオンが再び栞を襲撃。 警護にあたっていた侑斗が駆けつけるその前に現れたのは、ジーク良太郎。そして何とジーク良太郎は、電王へと変身する!
 「降臨。満を持して」
 ウイング電王、ここに誕生。
 トマホーク&ブーメラン二丁斧を振るうウイング電王は飛び道具による一撃をスコーピオンに炸裂させるが、ジークの存在が既に限界に近く、 変身が解除されてしまった間に栞をさらわれてしまう。
 「良太郎……我が母を……頼む……」
 契約完了し、2002年2月22日、増田が鷹山グループの会社をクビになった日に跳ぶスコーピオンイマジン、そして良太郎。 色々ここまで時間がかかりましたが、スコーピオンイマジンは、ロッドからアックスで瞬殺。
 今回ウラもキンもけっこう本気モードなのですが、「double−action」Kモードの、良太郎の気の抜けた歌声が、 全ての印象をかき消す恐ろしい威力(笑)
 おれの おれの おれーの強さに〜 おまえが泣いた〜〜♪
 そしてジークは、ハナによって運び込まれたデンライナーで消えていこうとしていた……。
 その姿が、何となく身につまされるらしいイマジンカルテット。
 「皆の物、ご苦労だった。感謝する」
 ジークは最後の力を振り絞り、姫の教育による感謝の印として、“ねぎらいの言葉”をかける。そこへ駆け込み、 オーナーに一枚のチケットを見せる良太郎。それは良太郎が、栞に当てたカード。半年前の憑依の時、 ジークは確かに栞と契約していたのだ。
 「やっと授かったんだもんねぇ……無事に生まれますように」
 “赤ん坊が無事に生まれるように”
 それが、ジークと栞との契約であった。
 この契約の完了に基づき、ジークが栞の過去へと跳べば、現在の契約者である赤ん坊との関係は断たれ、 ジークは存在を維持する事ができる。オーナーの了承を得たデンライナーは1997年6月1日、栞の結婚式の日へと跳び、 ジークは下車。
 「やはり、世界は私の為に、回っていたなぁ」
 お別れの抱擁を決めるジークに炸裂するチャンプの握り拳。
 栞の投げたブーケと共に、ジューンブライドの空に黄金の羽が舞うのであった……と、少々トリッキーないい話。
 元来イマジンの目的が、“契約完了して過去に跳んで時の運行を変える事”とすると、良太郎達はともかく、 オーナーがジークの過去への滞在を許可するのは甘過ぎな気もするのですが、これはジークが“特殊” (2007年に改めて生まれた事で、イマジンラジオとの接点が切れてる? 実際、行動に目的意識は無かった)かつ、 “電王になった”辺りに、理由があったと見れば良いでしょうか。今回、オーナーがしれっと重要な事を説明してしまうエピソードだっただけに、 詰め不足というか、肝心な所の説明不足は気になりました。
 物語構造としては、契約者の心の隙間につけこむイマジンに対して、良太郎らの善意の連鎖が最終的に世界を少しだけ良くする、 という前半の構造に対して、前回の駄目社員、今回の逆恨み誘拐犯と、あまり同情すべき背景が存在しない契約者が続き、 契約者のドラマよりも、良太郎とイマジン達のドラマにシフトしているのは、面白いところ。
 それから今回の23−24話は恐らくかなり意図的に、イマジン達を改めてフラットに使おうとした気配が窺えるのですが、 結論としてはやはり、事あるごとに全イマジンを画面内に入れようとするとどうにもうるさいな、と(笑)  画面内における適切な人数ってあるなぁ、と改めて思ったのでした。キンちゃん警戒色だから、色彩的にも幅取るし。
 次回は……夏休み閑話休題?

◆第25話「クライマックスWジャンプ」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子)
 「いいからちょっと来い。手が足りないんだ。クライマックスシーンにな」
 パジャマ姿の良太郎、寝込みを侑斗に拉致される。目覚めた良太郎が見たのは……恐竜?!
 「説明はあとだ」
 スプレーを吹きかけられ、気絶した良太郎。それに近づくウラタロス……?
 「ゆうべ……侑斗とデネブが来たような。……夢?」
 自分の部屋で目覚めた良太郎だったが、やけに体の節々が痛い。違和感を覚えつつ部屋を出るが、ふすまに残る、謎の足跡……。
 本邦初公開・良太郎の自室は、和凧がぶら下がっていたり、そこかしこから何かが下がっていたり、割と謎。 そういえば良太郎の趣味などはここまであまり明かされていませんが……もしかして:凧コレクター……?
 ミルクディッパーを訪れた侑斗に昨夜の事を聞こうとする良太郎だったが、 そこに店の外で瓶を踏んで滑って転がったと称する羽虫Bが転がり込んできて、愛理は羽虫Bを連れて病院へ向かう事に。 店に残された良太郎は、午後からの貸し切りの為に星の飾り付けをする事になり……愛理を見送った良太郎が店内に戻ると、 にこやかなD侑斗が、手伝いを申し出てくる(笑)
 「自分はあくまで侑斗だ」と、“友達作り大作戦”として侑斗に人助けをさせようとするデネブだったが……勿論、 D侑斗である事は一目瞭然。しかしにこやかに良太郎を手伝うD侑斗の奇矯な行動(によるご近所での自分の評判)に根負けした侑斗、 デネブを追い出し、自ら良太郎を手伝う羽目になる。
 登場から7話を数え、乱暴でガキっぽくて突っけんどんでしかし何かを秘めている侑斗と、 ボディも面の皮も厚くてオカン気質でおまけに心も強いデネブのコンビも板に付いてきて、物語の中の立ち位置も落ち着いてきました。
 D侑斗時の無理な作り笑いが逆に面白い、というのは演出の妙。
 またこのミルクディッパーのシーンで、
 「苦くないコーヒー、研究しなきゃねえ」
 「無駄だと思うよ」
 と、常になく態度の硬い良太郎に愛理さんが苦笑を見せる、というのは、 単純に良太郎が男友達に対して珍しく負けん気を見せているのを微笑ましく見ているとも取れるし、 もしかたら当初“桜井さん”に対して良太郎はこんな態度だったのかもしれない……などとも想像できて、 地味ながら作品に奥行きを作るいいシーン。
 まあこの辺りは完全に個人的な想像で、今後劇中でどう語られるかはわかりませんが、 あれだけシスコンでかつ保護者兼だった愛理さんの彼氏に対して、 良太郎が最初から受け入れていたというよりは一悶着あったのではないか、リュウタロスはその辺り、 部分的に当時の良太郎の鏡として演出されているのではないかな、なんてことは見ながら思っています。
 (と、当たり外れとかではなく、想像させる、のが面白みを作るというもので)
 一方デンライナーでは、ナオミの新作・ゴールドジェントルマンコーヒーを飲んだモモタロスとキンタロスが、 ジェントルな顔と人格に変貌していた。
 「ハナさん……それは良太郎くんのドリームですよ、ドゥォリーーム」
 ……は、本筋と関係ないのでどうでも良くて(面白かったけど)、良太郎の夢?の話を聞いてデンライナーでウラタロスから事情を聞くハナだが、 ウラタロスにも良太郎に憑いた覚えはさっぱりない。そして、「侑斗と一緒に行動するなんて山に釣りに行くようなものであり得ない」 と至極納得の発言。代わりに侑斗から離れたデネブを拉致してくるハナだが、デネブにも良太郎の元に行った記憶はない…… 果たして全ては良太郎の夢なのか? それとも、誰も想像もつかないような事態が起こっているのか……?
 「君、僕にはわかっちゃうよぉ。君、嘘つけんタイプやからねぇ」
 なおキンちゃんはジェントルというより、変な客引きみたいに。
 ミルクディッパーでは、嫌々手伝いをする事になった筈の侑斗が、案外ノリノリで妙に凝った星の飾り付けをしていた。
 「もしかして……星とか、好きなの?」
 「別に」
 そこに先に荷物を置きに、貸し切り予約していた学生の一人、青木雅史がやってくる。 雅史がイマジンの契約者である事に気付いた良太郎と侑斗は、店をハナとナオミに任せ、雅史の後を追う事に。 雅史がスパイダーイマジンと契約した願いは、体が弱くて病床にある妹・真由に、星空を見せたいというものだった。 病院からさらってどこかの鉄塔にでもくくりつけよう、とぞんざいに願いを叶えようとするスパイダーは真由を見舞っていた雅史を吹き飛ばすが、 そこへ侑斗が駆けつける。しかし一緒に来ていて変身して戦う筈だった良太郎は病院の廊下で
 「ごめん、クライマックスだから」
 と、突然デネブにさらわれていた。
 「あれ……野上?」
 けしかけようとしていた良太郎がついてきていない事を知った侑斗、仕方なくゼロノスに変身する事に。 なおイマジンラジオの最新情報で、ゼロノスの情報も既に共有されている事が判明。
 「最初に言っておく。俺はかーなーり、機嫌が悪い」
 ゼロノスvsスパイダーイマジンは、蜘蛛怪人といえば糸という事でか、今作では珍しいロープアクション混じりでなかなか面白く展開。 地面に倒れたスパイダーを執拗に剣で叩きまくる所を、デンライナーから戻ってきたデネブに止められたゼロノスは、 ヴェガフォームにチェンジ。
 「最初に言っておく。……今日はもうさっさと終わらせて、帰りたい」
 ヴェガフォームはいきなりフルチャージでスパイダー瞬殺。ヴェガは砲撃仕様かと思っていたのですが、大剣の必殺技も発動可能で、 単純な上位互換? そもそもゼロノス/アルタイルフォームの大剣はなんか、侑斗が「でかい方が強そうで格好いい」 みたいなノリで選んだ感じで、変に使い慣れていない雰囲気だったりしますが。完全に間違ってはいないけど、 打撃武器みたいな使用法ですし(笑)
 ゼロノスによってざっくり惨殺されたスパイダーイマジンだったが……良太郎の姿は消えたまま。
 その良太郎はなぜか、ゼロライナーで時間の旅に巻き込まれていた。
 謎のライダーと戦うゼロノス、謎の忍者集団と戦うイマジン達。
 「また、夢……?」
 侑斗「言ったろ。クライマックスに手が足りないって」
 そして岩盤を破壊して現れる、新たな時の列車……。
 いったい何が起こっているのか?! 謎また謎すぎる中、次回へ続く。
 どうやら色々と錯綜しているのは、映画版の仕込みの模様。

◆第26話「神の路線へのチケット」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子)
 新たな時の列車、それは――
 「あらゆる時間を支配できる列車……牙王ライナーだ。とにかくクライマックスにはおまえが必要なんだよ」
 またもスプレーで気絶させられた良太郎、今度の良太郎に近づくのは、キンタロス……。
 デンライナーでは、行方不明の良太郎を皆で心配中の所に、スパイダーイマジンが二つに分かれるタイプである事を知った侑斗が、 良太郎を探して乗り込んでくる。そこへおかしな格好かつぼろぼろの状態で戻ってくる良太郎。
 「侑斗、いったいどういう事?」
 「なんのことだよ?」
 「いきなりあんな、恐竜時代や江戸時代に連れていくなんて」
 侑斗/デネブにさらわれ、ゼロライナーで時の旅に巻き込まれた良太郎だったが、 病院でスパイダーイマジンと戦っていた侑斗には全く身に覚えが無い。
 「ホントに何しようとしてるわけ?」
 「何の事だか全然わかんないね」
 お互いの不信感が募り、ハナ達も止められない、珍しい剣幕の良太郎は侑斗を追ってデンライナーの外へ。残されたのは、 良太郎が置いていった戦利品の数々。
 日本刀を振り回すリュウタロスは、まさに――キチ○イに刃物。
 しかしいったい、様々な時間を旅行する事など出来るのか? そこへ現れたオーナーによると、“人の記憶に頼らず、 どんな時間にも行ける方法”が一つだけあるという……だがその方法は失われた筈で、真相は謎のまま。
 一方、愛理不在のミルクディッパーでは羽虫Aが学生達の集まりを合コンのノリに変え、 売り子属性の高いナオミがウェイトレスを見事にこなしつつも、地獄コーヒーを振る舞っていた。
 もう一体のスパイダーイマジンの襲撃を警戒し、病室の前で見張りをする良太郎と侑斗……を、廊下の隅から見つめる、 もう一人の侑斗……?
 だが、今回のイマジンはひと味違った。
 スパイダーイマジン、
 送電線を破壊し
 大規模停電を引き起こし
 都会に無理矢理、星空を作り出す。

 こいつは凄いぜ!

 このイマジン史に燦然と輝く力業には、正直、感動しました(笑)
 相手をベッドから動かすのが面倒ならばベッドから動かさずに星空を見せてしまえばいい――逆転の発想で契約を完了したスパイダーは、 2001年11月18日、真由の6歳の誕生日へと跳ぶ。ぼろぼろの良太郎の姿にイマジンを任せるべきか躊躇する侑斗だったが、 良太郎は過去へのチケットを自らその手にする。
 「言ったでしょ、僕がやる」
 良太郎はイマジンを追って過去へと跳び、病院を出る侑斗の前に姿を見せる、もう一人の侑斗――。
 「おい良太郎、機嫌なおったんなら、俺にやらせろよ」
 「うん、ごめん」
 「ねえ! たまには僕もやりたい!」
 「なに?!」
 リュウタロスの横入りにより、Mさん、敢えなく変身できず(涙)
 「おまえ倒すけどいい? 答えは聞いてないけど」
 蜘蛛がどこへ行ったかはともかく、意外やガン電王と拮抗する射撃戦を演じるスパイダーイマジン。だが、 物陰に潜んでいたゼロノスが背後からボウガンでスナイプ。ゼロノスの存在こそ確認できなかったものの、 その展開に「もう面白くなくなっちゃった」とやる気を無くしたガン電王は、ソード電王にフォームチェンジ。
 Mさん、おこぼれを頂戴する。
 …………あー、あー、スタッフによるモモタロスへのイジメは、そろそろ文科省に報告を上げないといけないレベルだと思います。
 「もっと早く替われこの馬鹿! 俺・参上!」
 有り難くも出番を譲っていただいたMさん、弱ったスパイダーを滅多切り。しかしまあ、 Mさんのチンピラバトルは徹底していて素晴らしい。カウンターでヤクザキックを炸裂させて地面を転がる相手に向けて 「へへへへっ」と笑いながら襲いかかる、とかなかなか出来ません(笑)
 「必殺――俺の必殺技、パート5!」

 祝・18話以来、8話ぶりのクライマックス!!

 スパイダーイマジンを倒して現在へ帰還した良太郎は真由の病室に向かうが、何故か侑斗も向かう。二人はともに、 真由に星空を見せる為、希望ヶ丘へ連れていこうとしていた。
 星空に歓声をあげる兄妹を見守りながら、星についての詳細な知識を披露する侑斗。
 普段無愛想なのに、自分の好きな分野はやたら饒舌とか、ちょっとオタク気質なのか侑斗。
 (桜井、侑斗……同じ名前……)
 やはり、侑斗は桜井侑斗なのか?
 「野上、正直おまえがあの状態で戦いに行くとは思わなかった」
 「え?」
 「それだけだ」
 そして、口だけでも理想だけでもない良太郎の覚悟と行動に、良太郎を少しだけ認める侑斗。
 ――だが、クライマックスはまだこれからだった。
 良太郎の前に突如ゼロライナーが姿を現し、中から出てきたデネブが良太郎をさらっていく。
 「野上、頑張ってこいよ」
 「なんのことぉぉぉ」
 ゼロライナーから侑斗に手を振る、もう一人の侑斗。それは、
 「俺は少し先の未来から来た。……かなりまずい事が起きてるからさ」
 「まずい事って?」
 「デンライナーがハイジャックされた」
 良太郎をあちこちで拉致していたのは、“少し先の未来からやってきた侑斗とデネブ”であった。 二人は時の列車専門の強盗・牙王の野望を打ち砕く為に行動していたのだ。
 「奴の狙いは、時間を支配できる神の列車だ」
 「神の列車?」
 「このままじゃ、全ての時間が消されるかもしれない」
 「そんな」
 「だから牙王を倒す。その為に、いろんな時間からおまえを集めていたんだ」
 ゼロライナーが辿り着いた時間で、良太郎に憑依するリュウタロス。そして合流する、U、K、R、3人の良太郎。 ゼロライナーは神の列車を手に入れた牙王を追い、1988年へと向かう――!
 「けっこう面白い事になりそうだな」
 果たして侑斗と良太郎達は、牙王の野望を砕けるのか?!
 ……と、映画版の内容と裏話を織り交ぜながらTVの1エピソードも展開するという、 滅茶苦茶な話。
 誉めてます。
 物凄いハードルのアクロバットを華麗にこなしていて、このシナリオは、脚本家・小林靖子史上でも最高傑作候補かもしれない。
 凄まじい出来。
 もっとも私は、長石多可男監督が好きでTV本編見ずに劇場版見てしまった駄目な人なので、 映画の内容がわかっていた上で非常に楽しめたというのはあり、そこがまっさらだとどのぐらい楽しめるのかは、ちょっと何ともですが。
 なお劇場公開とのタイミングは、25話(7/22)−26話(7/29)−劇場版(8/4)−27話(8/5)。
 完全にこれを前振りに劇場版へという流れで、非常に大胆な事をやっています。TVシリーズとしての評価となると、 この後、映画を見に行かなかった人でも違和感なく楽しめる繋ぎになっているのか、という所がポイントになりますが。
 なお来週、出来れば劇場版をレンタルしてきて、ライブ感覚でもう一度見るつもりです(笑)
 劇場版、単独でも楽しめるレベルの傑作でしたし(レンタル期間中に3回見た)。
 TVシリーズを見た上で見ると、また色々と見えてきそうですし。
 というかこの流れなら、東映Youtubeで劇場版を流さないと駄目ではないか、という気もするのですが(笑)
 で、脚本が凄かったですが、映像としてこのテンポでまとめた監督も非常に良い仕事。
 予告からもっとギャグっぽい回かと思いきや(予告はむしろ、映画との絡みのシーンを見せないようにした結果、 ああいう感じになったのか)、やりすぎない範囲でコメディ要素を挟みつつ、忙しく、 かつ人物の入り交じる面倒な構成を一定のテンポで巧くまとめました。
 25話冒頭の怪奇調演出とか、追跡シーンで長石階段が出てきたりとか、病室の廊下の望遠のカットとか、 幾つか長石テイストな演出が入っているのは、映画のシーンが挿入される事なども踏まえて、意識的に演出ラインを寄せた感じか。
 それほど好きでは無かったのですが、舞原賢三監督の株は凄く上昇。

◆第27話「ダイヤを乱す牙」◆ (監督:石田秀範 脚本:小林靖子)
 「クライマックスの時間が近づいています。しかし、目に見える時間が全てでは、ない。表があれば、裏も、ある。時間も、 例外ではありません。」
 そしてオーナーがその手に見せるのは、2007年8月4日のカード……。
 2007年8月2日――ミルクディッパーに忍び込む、怪しい影。間抜けな二人組の泥棒がなにやら床の羽目板をごそごそやっている所に現れたのは、 寝ぼけた良太郎。そこに取り憑いたモモタロス、バールのようなものを振りかざす二人組を、軽く蹴散らす。
 ……て、もしかして:初めて日常生活で役に立った!
 愛理さんが起きてきた事で二人組には逃げられてしまうが、そんな二人を、二体のイマジンが見つめていた……。
 泥棒二人組、加藤と池は、7年前に一緒に宝石強盗をした仲。池は警察の追跡から逃げおおせるが、加藤は逃走中に捕まってしまい、 最近出所したばかり。そして加藤が探していたのは、7年前の逃走中、当時空き家だったミルクディッパーの床に隠した宝石であった。 加藤に憑依したモレクイマジンと、池に憑依したブラッドサッカーイマジンは、二人を利用して、「牙王」という男の為に策を巡らせる……。
 泥棒二人組(特に池)は、終始コメディ気味の演出で、泥棒騒動も含め、全体の雰囲気は軽め。 完全に劇場版の前振りなのであまり重くしてもという判断だったのでしょうが、尻出し演出はどうなのか(^^;
 なおモレクイマジンの声は、映画スペシャルで友情出演の地獄兄弟(兄)、 ブラッドサッカーイマジンは声だけでとりあえずキャラ立ちできるようにか、飛田展男という大物枠。
 ――翌8月3日。
 誰が泥棒を退治するかで盛り上がるイマジン達だったが、騒ぎを切り裂く黄金の右ストレートがモモタロス(不幸)に炸裂。
 「あんた達は寝てていいわよ……愛理さんのお店を荒らすなんて、私がぜっっったい、許さない」
 チャンプから、犯人滅殺宣言出ました(合掌)
 「じゃあ、みんなで行けばいいじゃないですかぁ、こないだの、あれで!」
 ナオミの提案でまたも着ぐるみを装着したイマジントリオ、ハナと共にミルクディッパーに。 ミルクディッパーは泥棒退治に泊まり込もうとする尾崎と三浦、デネブから話を聞いてやってきた侑斗まで加わって、大騒動。
 「何やってんだよ!」
 「僕にも、なにがなんだか」
 寝不足だと声が頭に響くという表現だったのか、良太郎、尾崎に対して、ストレートに嫌な顔。
 更にハナに馴れ馴れしく声をかけ、「うちの姐さんに何さらすんじゃあ」状態で、着ぐるみイマジントリオにからまれる尾崎。一方で、 ヒロイン度を上げたいチャンプは、やたら必死に、尾崎の提案したゲームの誘いに乗ってみる(笑)
 女の子ポイントを、上昇させたい!
 てんやわんやで夜は更け――運命の8月4日。結局、全員眠り込んだ明け方のミルクディッパーに忍び込んでくる、泥棒・池。 しかし唯一起きていたウラ(着ぐるみ)がその足を取り、逃亡した所を目覚めたハナと侑斗が追跡。ウラは良太郎に憑依し、 非常に珍しい生身良太郎のバイクで、犯人の前に回り込む。
 これまでバイクは基本ライダー状態のみでしたが、こういう回という事で目先を変えてみたという所でしょうか。 M良太郎とK良太郎は今ひとつバイク似合わないですし(というか走って追いかけそう)、 R良太郎だとバイクで轢きにいきそうなので、まあ、乗せるならUが妥当か(笑)
 チャンプによる侑斗へのラリアット誤爆などあったものの、遂に池を御用にした3人は事情を聞き出すが、 相棒の加藤はなんだか様子がおかしくなって、別の宝石店を襲撃しにいってしまったという……その場所は、池を追い詰めたちょうど、 真裏。鳴り響く非常ベル、イマジンの関与に、宝石店へと急ぐU良太郎とハナ。池を任される侑斗だったが、 意外にはしっこく(そういえば、警察から逃げおおせた嗅覚と脚力の持ち主でした)またも逃げ出した池を追い、 ブラッドサッカーイマジンと接触する。
 ブラッドサッカーイマジンの目的は、電王とゼロノスを引き離し、時間稼ぎをする事。 その間にモレクイマジンを追い詰める良太郎だったが過去へと跳ばれてしまい、任務完了とまんまと逃げ去るブラッドサッカー。 侑斗の指示で良太郎の元へ向かったデネブが持ってきたカードの日付は――2000年5月8日。
 「2000年。なるほど、こっから繋がるわけだ」
 警官隊に取り囲まれる加藤の体を使い、7年前で実体化したモレクイマジンと戦うS電王、その戦いを見つめる謎の男とイマジン達。 S電王はモレクイマジンを撃破するが、現在へ戻ろうとした良太郎を置いて、なんとデンライナーが走り出してしまう。
 「デンライナーは、もらったぜ」
 「君、だれ?」
 「俺は、牙王だ」
 ――以下、劇場版『俺、誕生!』へ続く。

→〔劇場版『俺、誕生!』感想へ続く〕

(2013年8月30日)
(2017年5月28日 改訂)
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