■『仮面ライダー電王』感想まとめ1■


“いーじゃん! いーじゃん! スゲーじゃん?!”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『仮面ライダー電王』 感想の、まとめ1(1〜6話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。 そこはかとなくプラットフォーム風味。

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◆第1話「俺、参上!」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 フルCGによる変な電車の疾走シーンから始まって、いったいこれはどうなるんだという不安と、 新しい事を見せてくれそうな期待が入り交じる冒頭。そこから、よろけて、 看板でジャンプして自転車のまま木の上に引っかかってしまった主人公、という不幸体質のインパクト見せ。
 不幸なアクシデントが連鎖的に発生してヤンキーにからまれる主人公・野上良太郎、 劇中モテヒエラルキーの頂点に君臨するとおぼしきその少々過保護な姉・愛理、そして謎の電車の乗客である少女・ハナ……と、 メインキャラを見せていき、黒いパスケースを拾った良太郎は、不思議な電車の走る線路を見る……。
 リアルヤンキーの主人公への暴行シーンは少々やりすぎかと思うのですが、今度は、鉄パイプで迫る主人公。
 イマジンと呼ばれる謎の存在に憑依された良太郎は、性格と戦闘力が激変し、声が関俊彦に。
 「俺、参上」
 「いいか……俺に前振りはねぇ。最初から最後まで、徹底的にクライマックスだ。覚悟決めとけよ」
 「逃げんなよ……今考えた俺の必殺技を見せてやる。必殺……俺の必殺技」
 だが、ヤンキー達に振り下ろされようとした鉄パイプを止める、良太郎の中の良太郎。主導権を取り戻した良太郎はその場を逃走し、 そんな良太郎を追いかけるハナ。
 「あのとき気付くべきだったんだよね。君が特別な存在……特異点だって」
 黒いパスケースの本来の持ち主であったハナは、良太郎に告げる。
 「見つけた……君なら、電王になれる」
 そこへ姿を現す、バットイマジン。
 ハナは良太郎に変身して戦う事を要求。
 「へ…………へ……」
 「はやく!」
 「変身!」
 状況についていけないというより、いい歳して「変身!」と叫ぶ 羞恥プレイに抵抗したように見えます(笑)
 こうして無理矢理、変身させられた良太郎であるものの、その姿はモノトーンの白黒でどこかへにょっとしており、実に弱そう(笑)
 クウガで言う所のグローイングフォーム、龍騎だったらブランクフォームといったところでしょうか。
 (※名称は「プラットフォーム」との事)
 ここで良太郎の腰に現れたベルトを、ハナが後ろから締めるのが、甲斐甲斐しくてちょっと可愛い。
 というか、ヒロインの可愛いアピールはここだけで、後は終始フリーダム。
 そもそも、良太郎が追われる原因(キーホルダー拾得)作ったのが、ハナ。
 再びイマジンを憑依させた良太郎、ベルトの赤いボタンを押して、電王ソードフォームに。
 「俺、再び参上!」
 「貴様……何を考えている! 我々の使命を忘れたか?!」
 「そんなもん最初っから覚えてねぇ。さっきはへこんだが、こっちの方が面白そうだぜ。ていうか、 俺はこういうのがやりたくて来たんだよ! 相手は関係ねぇ!」
 「はぁ……バカか」
 「言っとくが俺は、最初からクライマックスだぜぃ!」
 声優フル活用の時点で決め打ちでしょうが、この辺りはひたすら、台詞回しの面白さで見せ、印象づけていきます。
 もともと特撮の怪人は担当声優の演技で個性をつけてもらう場合もありますが、 相手役(バットイマジンの声)もベテランの梁田清之さんを配し、「はぁ……バカか」の辺りは実に絶妙。
 「俺の必殺技――パート2」
 戦闘はかなり一方的となり、ソード電王の連続斬りが炸裂し、バットイマジンを撃退。
 「今のが電王……ずっとなれる人、探してたんだよね。一緒に戦おう。未来から侵略者が来てる。時の運行を、守らなきゃ」
 わけのわからないまま、良太郎は再び現れた謎の電車・デンライナーに、無理矢理乗せられるのであった……。
 気弱で不幸な主人公が流されがちな中で、拾ったパスケースは中身が無くても警察に届ける、憑依したイマジンの乱暴を止める、 と意志を見せる一線、をきちんと描いており、嫌な感じのしない展開。そして細かい説明の不足はなんとなく“ハナが悪い” という所に集約(笑)
 良太郎に憑依するイマジンの台詞回しを特徴付けたのに対応させるためか、ハナも台詞回しを独特にしているのですが、 これが効くかどうかは、今後、役者さんの慣れ次第か。今のところ、ちょっと変、という方が先立ちます(^^;
 とにかくインパクト重視で説明は全て2話以降で、というのはスタンダードな構成ですが、1話にしては車も爆発しないし、 ビルも吹き飛ばないし、地味め。……いやこれを地味めと呼ぶ感性も微妙かもしれませんが、だいたい1話では、車を何台か破壊してみる、 と相場が決まっている筈なんですが(笑)

◆第2話「ライド・オン・タイム」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子)
 デンライナーに拉致された良太郎、押しの強い女達に囲まれるの巻。
 「イマジンは、取り憑いた人間の望みを、一つ、かなえる」
 未来から砂の粒子のような形で2007年にやってきたイマジンについて、ハナによる解説。
 イマジンは憑依した人間のイメージによって実体化。その人間と契約を交わし、あるものを手に入れる。それは……
 「その人の、過去の時間。それがイマジンと、取り憑いた人間の、契約」
 良太郎に取り憑いた赤いイマジンも、デンライナーの中で実体化。そのイメージ元は、良太郎によると、「桃太郎ではないか」との事。 良太郎にとって子供の頃のヒーローだったそうですが、どうして自転車で走っている時に桃太郎を思い浮かべていたのかは謎。 ……まあそれを言うと、バットイマジンの方も謎なので、そこは深く考えない方が吉か。
 良太郎に望みを言うように迫る赤いイマジンを、張り飛ばすハナ。
 着ぐるみとセメントで掴み合うヒロイン(笑)
 一方その頃、街では生きていたバットイマジンが、キーホルダーを求めて、人を襲っていた。よく考えると1話では無かった、 怪人による直接被害の描写。ハナが拾っていたキーホルダーを受け取った良太郎はそれをヤンキー1に返そうとするが、 結果的にヤンキー1の望みを叶え、バットイマジンの契約を完遂させる事になってしまう!
 「母さん……」
 「契約完了だ」
 ヤンキー1の強く思い浮かべる過去――それは、2004年12月24日。
 その日、病気で入院していた彼の母親が死亡。しかし、外で遊びほうけていた彼は母の死に目にあえず、 キーホルダーは死んだ母親からの最後のクリスマスプレゼントだったのだ。
 過去のヤンキー1の時間を手に入れたバットイマジンは、ヤンキー1の体に乗り移り、タンクローリーを奪って激走。 イマジンが過去で暴れると、その被害が現代に及び、破壊されていくビルや橋脚!
 と、1話で無かった派手なクラッシュ展開。
 そして、「契約によって過去の時間を手に入れ、人の強い記憶をたどって過去へ飛ぶ」イマジンの行動目的とその結果―― 「過去を変えて、今も未来も変える事」が、明確に表現されました。
 まあそれでも割とわかりにくく、かなりわかりにくい話を、できる限りわかりやすくしようと監督頑張りましたが、 これはパイロット版(1,2話)は大変だっただろうなぁという感じ。
 文章で書くとそうでもないのですけど、映像表現で年少者にわかってもらう為に、相当苦労したかと思われます。
 「私たちも行くよ……イマジンを止めないと、大変な事になる。街の人も……この子も……死ぬ」
 「なんだかよくわからないけど……やらなきゃいけない事だけは、わかった気がする」
 良太郎、自分の手でベルトを締めて、変身。
 ここは、流され気味の良太郎が自分の意志にするプロセスが少々早すぎた気はしますが、 今後もうちょっと踏み込んでいく事に期待したい。
 ソードフォームに変身し、デンライナーに乗り込む電王。

 先頭車両にバイク(笑)

 電車の運転席に当たる部分に、置いてあるバイク。バイク型運転席、ではなく、文字通りにバイクがあって、 それに乗ってデンライナーを動かす、という驚愕のギミック。
 これは凄い(笑)
 まさかこんな形で、バイクと電車を融合してくるとは。
 デンライナーは過去へと飛び、暴走するタンクローリーを停車させる。車両からバイクが飛び出して逃げ遅れた子供を救う、 というバイク単品の見せ場も盛り込み、鮮やか。
 そして意味ありげな謎の男が、1シーン登場。
 やたらに強いソード電王はバットイマジンを撃破するが、倒れたバットイマジンが、暴走モードで巨大化。
 「でかいもんには、でかいもんに決まってるだろぉ!」
 とソード電王はデンライナーに乗り込み、各車両の火器を解放。火力全開、集中砲火により、暴走イマジンを撃破……と、 戦隊で言う所の巨大戦と認識すればいいのか、デンライナー見せ場。
 ……正直な所、平成ライダーの幾つかのシリーズで行っているこの二段構えは、どうもテンポが微妙になる気がして、 あまり好きではないのですが。とはいえまあ、こちらが“慣れていない”だけで、 見続けている内にこのテンポで納得できるようになるのかとも思えますが。
 電車火器は、中途半端な事をせずに、とにかく全車両から色々出てきて撃ちまくる、と派手にいったのは良かった。
 「あー……面白かったぁ」
 と満足した赤いイマジンは良太郎から離れ、良太郎は運転席で気を失ったヤンキー1に近づく。
 「ちょっとなにする気?! 私たちだって、過去を変えたら!」
 「ちょっとだけ……ほんの、ちょっとだけだから」
 良太郎はヤンキー1をデンライナーに乗せ、病院へ。ヤンキー1は、母親の今際の際に間に合うのであった……と、 タイムパラドックス的な何かをどういう設定でどう処理するのかわかりませんが、 良太郎の強さと優しさを見せつつ最後はいい話にして綺麗に落着。
 これぐらいでは、ヤンキー1の性格もその後の人生も変化しない、というドライな世界観なのかどうかは、今後次第。
 事件が解決して、改めて赤いイマジンに望みを言えと迫られる良太郎っだったが……
 「僕の望みは……もう少し考える事」
 と実質的な放置プレイでやり過ごし、ドタバタコンビ誕生の予感……? という所で、次回へ続く。
 ライダーは桃、主人公は気弱で不幸、メインギミックはタイムトラベル、ヒロインはハードパンチャー、着ぐるみ芸+声優の徹底活用、 と色々と大胆な事をやっている一方で、これまで戦隊やライダーであまり積極的に触れずに来た子供向け鉄板ネタの一つである 「電車」を取り込んでいるというのは、なかなかバランスが面白い。
 勿論、電車を取り込む事自体が大胆ではあるわけですが、一方でライダーはフォームチェンジ型という平成ライダーとしては 先祖返りをしていたりで、企画段階での試行錯誤が窺えます。
 赤いイマジンに関しては、関俊彦をキャスティングした時点で勝利。
 出来れば早めに「良太郎の覚悟」を描く展開が見たいですが、どう転がしていくか楽しみ。

◆第3話「アウトロー・モモタロー」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子)
 2007年2月11日――前回の戦いの後遺症で、筋肉痛に苦しむ良太郎は、借金取りに追われる男・山越とぶつかって気絶してしまう。 チャンスとばかりに良太郎の体に乗り移った赤いイマジンは、山越が借金取りに囲まれているのを見て、大ハッスル。
 「俺、参上」
 「なんだおめえは」
 「こういうの好きなんだよ、首突っ込ませろよ」
 うむ、見事に最低(笑)
 赤良太郎は圧倒的な力で借金取り達を蹴散らすが、そこに騒ぎを聞きつけた警官が現れ、山越に引っ張られて逃げ出す事に。
 「なんだよ……逃げただけかよ。全然やりたりないじゃねえかよ。余計なことすんじゃねえよ!」
 「相手警官なのに……もしかして、すげえ大物?」
 前回は憑依状態では完全に関俊彦声になっていましたが、今回ここまでは、良太郎の声をベースにちょっとイマジン声がミックスされている感じ?
 赤良太郎を「先輩」と呼び出した山越に連れられて、ファッションコーディネートを受けた赤良太郎は、山越に力を貸す事になり、 「一緒にもっとやりましょうよ」と何事かを持ちかけられる……と預かり知らぬ所で超特急でトラブルに巻き込まれる良太郎、 デンライナーのハナが赤いイマジンの頭をはたき、暴力事件を追う警官に遭遇した所で、憑依が解けてしまう(笑)
 「あの……僕、何しちゃったんでしょうか?」
 「良太郎、とにかく逃げて、あと一分で到着時間になるから、どこかのドアに飛び込んで」
 警官達から逃げる良太郎、どうやら、パスを持っている人間は、デンライナーがその時間に到着した際に、 “扉をくぐる事”で時の線路にアクセス出来る模様……と第1話の展開を補完。
 なんとか良太郎はデンライナーに逃げ込み、警察の追っ手を撒く……まあ現場に自転車残っている筈なので、 そこから身元を突き止められそうな気もしますが、すねに傷のある借金取り達が被害届を出さないので大丈夫とか、そういった所か。
 ハナ「最悪ね、この桃太郎男!」
 赤イマジン「その呼び方はやめろ! 折角こっちに来たんだ、格好いい名前考えろ。例えば…………あー……そうだなぁ……」
 良太郎「桃……桃太郎。ももたろ……す?」
 赤イマジンの名前、モモタロス(仮)に。
 ここでデンライナーのオーナーが良太郎の前に登場し、ハナはオーナーと契約してイマジンを追っている事を説明。 なんとも怪しげなオーナーは、質問に対しては良太郎を煙に巻く。
 「ただ、これだけは知っておいてください。チケットまたはパスがないものは、なんぴとたりとも時を超えてはならない。絶対に」
 大ネタ(デンライナーとは何か? 要するにハナは何者か?)は霧の中に隠しつつ、2話までで説明されなかった、 時間関係のルールなどを、細かく補足していく形。
 一方、自宅に戻った山越はカメレオンイマジンと契約してしまう。「死ぬほどの金」を望んだ山越の為に、 現金を強奪するカメレオンイマジン。ミルクディッパーでは筋肉痛に苦しむ良太郎の為に、姉の愛理が自家製うどん粉湿布を作成。 湿布を貼られた良太郎は
 「うどんこが……気持ち悪い」
 と言いながらもすぐに眠ってしまい、その隙に良太郎に憑依したモモタロス(仮)は山越との約束の場所へ向かう…… それはモモ良太郎の腕っ節を利用し、借金取り達の闇金会社から現金を奪おうという恐ろしく大雑把な計画であった。
 「あのな、分け前もらえるか……9350円」
 昼間、良太郎の金で服を買ってしまった事を少し反省したのか、可愛げを見せるモモタロス(仮)(笑) 安いものだと請け負って、 山越は会社へ忍び込んでいく。
 「おもしれぇ……やっぱ良太郎に憑いて正解だったぜ」
 「この、馬鹿モモ!」
 「あ……はなくそ女」
 ハナさん、本日3回目のストレート炸裂。
 「これ、体は良太郎だった、ごめん!」
 「最悪のやつだな、おまえ」
 これが本当の、目くそ鼻くそを語る。
 泥棒の手伝いをしている事をなじられ、これは「用心棒」だと抗弁するモモタロス(仮)だが、 そこに山越に金を渡そうとしてカメレオンイマジンが姿を見せ、モモタロス(仮)は標的変更。
 「そうか、特異点に取り込まれた間抜けは、おまえか」
 「その言い方は気に食わねねぇな。むしろこういうのこそ、俺がやりたかった事だからな」
 “特異点”という用語と情報は、イマジンに共有されている模様。
 指先でくいくいっとブルース・リー的なあれをやるソード電王に対し、カメレオンイマジンがやり返すのがお洒落。
 「終わらせてやる。特異点ともども、消えろ」
 「おー、少しは自信あるってか。だが気をつけろよ、俺は最初から最後までクライマックスだぜっ」
 モモタロス(仮)が強いのか、電王が強いのか、戦闘は終始一方的に進み、カメレオンイマジンは撤退。その頃、 金を奪って逃げてきた山越は……モモ良太郎が居なくて困っていた。
 「やべぇ、あいつ忘れてた」
 山越を探すモモ良太郎、その時、目を覚ました良太郎が「これは僕の体なんだから、出てってよ」と主導権を取り戻し、 モモタロス(仮)を強引に体から追い出す……そんなタイミングで、借金取りに追われる山越と合流(笑)
 「なんでこうなるわけ……?」
 わけのわからないまま、またも大ピンチに追い込まれた良太郎の運命や如何に?!
 ……いや、面白い。
 2話までで基本説明を終えて、切れ味を増す脚本、それを受けるテンポのいい長石演出。細かい要素を補足していきながら、 登場人物それぞれの肉付けを増しつつ、コメディを成立させる。
 憑依→覚醒→大ピンチ、の天丼の間に、好き放題やりながらもモモタロス(仮)なりに良太郎へ気を遣う所を挟み、 しかしそもそもそれが明後日の方向で……という構成も秀逸。1,2話は見せ方の難しい設定であるし、立ち上がりはこんなものか…… という感じでしたが、俄然、面白くなってきました。

◆第4話「鬼は外!僕はマジ」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子)
 警察がやってきた隙に良太郎と山越は借金取り達から巧く逃げ出し、良太郎はそこで、自分の意識が無い間にモモタロス(仮) が何をしていたかを知る。山越を自首させようとする良太郎だが、そこへ現れたカメレオンイマジンが山越をさらっていき、 変身しようとした良太郎はその場に倒れてしまう……一方、良太郎を探すハナはミルクディッパーを訪れ、 愛理のペースに巻き込まれてコーヒーをご馳走になる事に。
 「いつも呑んでいるのと、全然違う……!」
 その頃、いつもの人はデンライナーで怪しげなブレンドを作っていた。
 ミルクディッパーのコーヒーは、愛理さんのフェロモンにやられていなくてもおいしい、という事が判明。まあ、 ハナがいつも飲んでいるコーヒーが危険すぎる、という可能性もありますが。
 ミルクディッパーの店内に、星に関する本が多い事に気付くハナ。愛理は、良太郎を心配しつつ、星への思いを語る。
 「きっとまだ地球に届いてない光もあるだろうし。多分それが、良太郎の幸運の星かな」
 センターに置かず目線でのアップにもせずに、見下ろすカットで愛理を撮って台詞を印象づける、この辺りの絵作りの上手さは、 やはり長石多可男。
 この後、ハナと良太郎はいつの間にやら合流してデンライナーに(尺の都合でカットされたっぽい)。
 流れは納得できるので、大穴、というわけではありませんが、完成度の高いエピソードだけに、抜けが露骨になってしまい、 勿体なかったところ。
 「イマジンの契約者が、馬鹿モモの泥棒仲間とはね!」
 金を欲しがったのは使ってしまった良太郎の金を返す為だと言い訳するモモタロス(仮)だったが……
 「そんなお金はいらない」
 静かに怒る良太郎。
 この時点で、声音だけで怒っているのを表現できるのだから、その後の大活躍も納得というか、今作が佐藤健を引き当てたのは、 実に素晴らしい仕事でありました。
 イマジンを止める為、良太郎とハナはモモタロス(仮)が聞いていた山越の住所へ向かう事にし、空気と立場の悪さに、 存在意義をアピールしてみせるモモタロス(仮)。
 「戦いになったらよ、俺を呼ぶしかねえんだからな」
 「呼ばない。呼ばないよ……一緒に戦いたくないんだ」
 「怒ってんのかよ? 警察の事なら……」
 「僕の事はどうでもいいよ。慣れてるし。でも、泥棒とか、人にお金を要求したり、取り上げたり、好きじゃない。 大切なものとか……お金とか無くすのって、辛いよ」
 「そんなにマジになることねえじゃねぇか、なぁ」
 「あのさ……まだ決めてなかった願い、モモタロスが僕から離れる事っていうのは駄目?」
 車両を出る前に振り返った良太郎は、訣別を告げる。さすがにそれは“望み”としては不許可とされるが、 モモタロス(仮)に頼らないという良太郎の決意は固く、二人の間には大きな溝が出来てしまう。
 その頃、カメレオンイマジンが次々と持ち込む札束で、山越は首まで埋まっていた。契約は完遂され、2006年3月15日へと飛ぶ、 カメレオンイマジン。
 2006年3月15日……それは山越にとって、人生で一番間抜けな日。売れないバンドが最後のチャレンジと選んだオーディションの日、 迷子の少女を警察に届けている内にオーディションに遅刻してしまい、バンドは流れ解散。バンド仲間達はそれぞれ田舎へと帰ったが、 やりきれなかったもやもやの残った山越はひとり東京に残り、ストリートで歌う内にいつしか、「金さえあればCDを出せるのでは……」 と借金まみれになって夢を歪めてしまっていたのだった。
 山越の過去の時間を手に入れたカメレオンイマジンは、火を噴き大暴れ。
 材木運んでいるトラックを壊すと、建築した筈の家が無くなるのか(笑)
 カメレオンイマジンを止める為、良太郎は変身、過去へと向かう。
 暴れ回る山越@カメレオンイマジンの前に到着したデンライナーが走りすぎると、そこにプラットフォームが立っている、 というのは実に格好いいカット。良太郎@プラットフォームは、カメレオンイマジンを人気の無い所へと引き離し、 その間にハナは山越を起こしてオーディションへ向かわせると、迷子の少女を救出。良太郎@プラットフォームは 必死にカメレオンイマジンに立ち向かうが、全く相手にならずに叩きのめされる。
 なんらかのシンクロがあるようで、その光景にじれるモモタロス(仮)。
 叩かれても叩かれても、立ち上がり、食い下がる良太郎@プラットフォーム。
 「良太郎! 無理だよ、モモタロス呼んで!」
 駆けつけたハナの叫びにも、良太郎はプラットフォームのままで戦い続ける。
 「馬鹿野郎! 死んじまうぞ! 俺を呼べよ!」
 しかし良太郎は応えない、そして、諦めない。
 ここでプラットフォームが何度かカメレオンの攻撃をかわすのだけど、結局は食らってしまう、というのも巧い所。
 「わぁかった! もう二度と泥棒の味方したり、金の要求とかしねぇ! だから俺を呼べ! 良太郎!!」
 絶叫するモモタロス(仮)。
 遂に地面に大の字に倒れた良太郎@プラットフォームだが……
 「……ごめんなさいは……?」
 「え……?」
 「ごめんなさいは?」
 「ぬあぁ……むぉぅ…………ごめんなさぁぁい!!」
 デンライナーから転移するモモタロス(仮)。
 立ち上がる良太郎@プラットフォーム。
 ここで入る挿入歌、「Double-Action」。
 こぼれ落ちる砂のように 誰も時間止められない……
 モモタロス(仮)と一つになった良太郎、電王ソードフォームに。

 「俺、ようやく参上!」

 「今更出てきた所で遅い!」
 「今更もくそもねえ! 言った筈だぜ……俺は最初から最後までクライマックスだってな!」
 気合い全開のソード電王はカメレオンイマジンを圧倒。
 「今日の必殺技はひと味違うぜ……俺の必殺技、パート2だぁっしゅ!」
 ……違う?
 と思ったら
 (同じじゃん)
 と、良太郎からもツッコミが(笑)
 「へへっ」
 今のところ、基本的な話の組み立てのわかりにくさを考慮してか、戦闘シーンは爽快感優先。1〜4話まで、ソード電王、圧倒的。 同時に、プラットフォームのひ弱さも目立つ形になっており、それでも戦う意志を持った良太郎の“強さ”が逆説的に見える、 という構造にもなっており、お見事な重ね技。
 こうしてイマジンによる時の改変は避けられた、が……
 「感心しませんねぇ……。確かに、男一人が、オーディションに行ったぐらいで時の運行に変化は起こりませんが」
 オーナーは、過去に手を加えた良太郎とハナに、ぐさり。
 良太郎が行ったちょっとした手伝い程度では、大きな時の運行に変化は無い。オーディションに間に合ったものの、山越は結局、 売れないミュージシャンのまま……
 「ただ、もう一度夢を追う決意をしました。お金ではなく、自分の力で」
 金の力でメジャーデビューする、などという考えを捨て、自分の力で夢に向かう為、歌い続ける山越。
 「でも、それだけです。それだけ。変える意味は無い」
 果たして、良太郎達のした事は無意味だったのか……?
 「ま、いいですけどね」
 ランチに立てた旗が倒れ、食堂車から立ち去るオーナー。
 「間違ってるのかな……」
 「わかんないけど、でも、それでも変えたい時間は、やっぱりあると思う」
 1・2話の時点では明確にされなかった、ちょっとした過去改変の影響、ですが、大きな時の運行には変化を及ぼさないものの、 それをきっかけにした個人の変化は確かに残る、というもの。2話では過去に手を加える事を止めたハナですが、 結局は拒否しませんでしたし、こちらの台詞が本音に近い、という事か。
 まあ今回の場合、手を加えた影響が現在に出ないと良太郎が警察に追われたままになってしまいますし、その辺りを含めて、 シナリオの自由度を上げつつ、物語/ヒーローが戦う理由に意味を与える設定であります。
 そして、良太郎の事を認めるモモタロス(仮)。
 「おい良太郎、おまえへなちょこかと思っていたが、けっこう頑固で根性あるじゃねえか、え!」
 「そうかな」
 「何がそうかなだ、この野郎。まあモモタロスってのはセンスねぇけど……センスねえよな。センスねぇけど……呼びたきゃ勝手に呼べよ」
 「……そうするよ、モモタロス」
 ここに仮免が取れて、正式に「モモタロス」決定。
 まあ、OPクレジットだと、最初から「モモタロス」なのですが(笑)
 こうして、何となくまとまりだした、良太郎、ハナ、モモタロス、の3人。――だが、現在へ向けて走るデンライナーを見つめる、 謎のイマジンの影があった……。
 いやーーーーー、良かった!
 4話目にしてしっかりと、傑作回を入れてきました。
 良太郎が“自分の戦い”を見せ、モモタロス(仮)が、自らの意志で、良太郎と戦う事を選ぶ。炸裂するカタルシス、 見事に格好良く見える電王。そして貰った名前を認める事で、良太郎を相棒と認めるモモタロス、良太郎もまた、 色々と困った所もある相手だけれども、必殺技にツッコミを入れるなど、モモタロスと距離を縮めていく。
 また、マイペースな周囲(ハナ、モモタロス、姉)に振り回され流されがちな主人公が、モモタロスが憑いているから戦うのではなく、 自分の意志で戦う姿をはっきり見せる。まだ、そこまでの覚悟を持つに至っている動機や背景は表現されていないのですが、 “大切なもの”に対する思いを匂わせる。
 そしてそれを、“良太郎の戦う意志を見せるだけの話”として描くのではなく、モモタロスとの関係性―― その変化と繋げて描いているのが巧み。
 小林靖子の内容の詰まった脚本を、重鎮・長石多可男がテンポ良くまとめ、巧くコメディ部分を挟みながら、 それ以上にヒーローとしての格好良さを見せつける、見事な出来。
 私が生理的に長石演出のテンポが合うというのもありますが、素晴らしい3−4話でした。
 ……そういえば久々に平成ライダー見るけど、アバンタイトルからエンディングまで存分に尺を使えて、 ロボ戦無しで二話完結形式とか、実に贅沢だなぁ。

◆第5話「僕に釣られてみる?」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子)
 デンライナーで、新たなイマジンの匂いを感じ取るモモタロス。一方、仕事中の良太郎はトラックの荷台から荷物が落ちる事故に、 サッカー少年・大輝と共に巻き込まれていた。良太郎と少年は病院へと運ばれるが、気絶した良太郎の体に謎のイマジンが憑依する……。
 「大丈夫ですよ。今の感じは……検査入院で一泊です。一年に2,3回はあるんです」
 良太郎入院の電話を受け、泰然自若、凄いぞ愛理さん(笑)
 そんな愛理さんに近づく羽虫Aこと尾形(雑誌記者)、同じく羽虫Bこと三浦(オカルトマニア?)は、 点数稼ぎをしようと病院へと向かう。
 この二人の駄目な感じ度は実に徹底していますが、いつかフォローされる日は来るのでしょうか…… 無くても全然構わないけど。
 三浦を上手く撒いて病室に辿り着いた尾形が目にしたのは……
 「欲しいもの……愛、かな?」
 病室でモテモテの良太郎であった!
 姉譲りのフェロモンに覚醒した?!
 看護師や入院患者に囲まれ、それを散らしに来たお堅い婦長も巧みな演技と流れるような嘘であっさり攻略する、 青い目の良太郎(声:遊佐浩二)。
 「気をつけた方がいいよ……言葉の裏には針千本、千の偽り、万の嘘。それでもいいなら……僕に釣られてみる?」
 その体には、新たなイマジンが取り憑いていた。
 永井大も『未来戦隊タイムレンジャー』で、1話から二役やらされていましたが、5話にして3つ目の人格とか、 基本の顔の造作がいいので言葉遣いと態度が変わるとモテても特に違和感がないとか、いちいち凄い。
 青良太郎は巧みに尾形から財布を巻き上げると、病院を堂々と脱出。外で三浦と出会った所で、 良太郎の体を取り戻そうとするモモタロスとの主導権争いが勃発し、三浦からは何らかの憑依体質?ではないかと誤解(でもない)を受ける。
 ?「この体いいよね……僕にも使わせてもらおうと思って」
 M「ふざけんな! いいか、この体はな、最初っから俺の」
 「僕のだよ」
 気絶から回復し、双方を追い出す良太郎。そこにハナが駆けつけるが、二人は病院から現れるクラストイマジン(カニらしい)を発見。 良太郎と一緒に病院に運ばれた大輝少年が、ある望みでイマジンと契約してしまったのだ。一方、 良太郎からはじき出されたモモタロスと新たなイマジンは、デンライナーで向かい合っていた。
 ナオミ「良太郎ちゃんの事だから、桃太郎の次は、浦島太郎かも!」
 ?「浦島太郎?」
 M「こりゃいいや、おまえはウラタロスだ」
 めでたく、新しい青いイマジンは、ウラタロスに決定。
 ……良太郎は要するに、『桃太郎伝説』が大好きだったのでしょうか(笑)
 クラストイマジンを追う良太郎とハナは、イマジンが少年に襲いかかるのを見て、変身。戦うつもりはない、と逃げ腰のイマジンを、
 「カニが飛ぶな!」
 と石柱で蹴落とすソード電王(笑) 落ちたところに必殺技を放とうとするが、入院騒ぎ→連続憑依、で良太郎の肉体が限界を迎え、 その隙に逃げられてしまう。座り込む良太郎、そしてデンライナーに戻ったモモタロスは……ウラタロスと食堂車で取っ組み合いの喧嘩スタート。
 チンピラ属性とスカシ属性で、どうにもそりの合わない二人のイマジン……勝つのはどっちだ?!

◆第6話「サギ師の品格」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子)

 チャンプ降臨

 取っ組み合うモモタロスとウラタロス、まとめてキング・ハナにしばき倒される。
 電王・フラワーフォームとかあったら、最強疑惑。どんなイマジンも、素手ごろで一撃です。
 ウラタロスは良太郎が「特異点」だと知って取り憑いた事を認め、流れで特異点について聞こうとする良太郎だが、 ハナに後回しにされる(笑) 果たして、特異点の持つメリットとはなんなのか?
 ハナはそれとなくはぐらかしているのか、単純に「自由」なだけなのかわからないのが、キャラ造形の上手いところ(笑)  基本的にひどい。
 良太郎をデンライナーで休ませ、ハナは一人イマジンを追うが、クラストイマジンは次々と大輝のチームメイト達を襲い、 少年達は大輝の病室に運ばれてくる。病院に辿り着いたハナの前から走り去る大輝は、かたくなにイマジンとの関係を否定。
 そして……ウラタロスはデンライナーで身の上話を始めていた。
 「僕はね、あの時の砂の中にいたんだ……。ひとりぼっちで、何年も何年も……」
 あっさりと、ほだされる良太郎、モモタロス、ナオミの3人(笑)
 良太郎の善意につけ込んだウラタロスはU良太郎となって街に繰り出し、お楽しみ。デンライナーに連絡を取ったハナは、 それを聞いて大激怒。
 「馬鹿! 馬鹿モモ! あんた達イマジンが2007年に来たのはついこないだでしょ! どうして何年もさまよえるのよ!」
 「……あ」
 騙された事に気付くモモタロスとナオミ。この間、がしっっっと大輝少年の腕を掴みっぱなしなのが、なんか怖いよチャンプ。
 ミルクディッパーに立ち寄り、尾崎と三浦を翻弄したU良太郎は、ハナと合流。(契約者なら知ってるけど) と嘘をついてハナを遊園地デートに引っ張っていこうとするが、あっさりと看破される。
 良太郎とモモタロスが引っかかりやすいのはともかく、ハナが最初からウラタロス耐性が高いのは、単純に人格の問題なのでしょうか?  イマジン嫌いで信用していないから?
 「人生を面白くするのは、千の真実より一つの嘘だよ」
 「真実から逃げるのを嘘っていうの。私そういうの、大っ嫌い。卑怯でしかないもの」
 「卑怯って楽しいよ」
 「最っ低」
 チャンプとU良太郎の口論に我が身を重ねた大輝は、イマジンと契約した事を告白。
 「ごめんなさい……俺なんだ。俺が怪物に、願い事したんだ」
 去年の少年サッカー地区予選決勝、決定的なPKを外してから控えに落ちた大輝は「レギュラーに戻りたい」と望んでしまった。 その望みを聞いたイマジンは、大輝と同じチームのレギュラー選手達を襲っていたのだ。
 「怖かったんだ……怪物も、お姉さんの事も」
 直球で言われ、ちょっと傷ついた顔をするハナ(笑)
 ヒロインと少年との関わりという事で、通常なら綺麗なお姉さんへの甘酸っぱいときめきとか発動しても良さそうなところですが (愛理さんなら多分、発動していた)、そんな気配は微塵も生じない、さすがチャンプの貫禄。
 戦わなければ生き残れない!
 「ごめん……あたし、こういう喋り方しか。怒ってるんじゃないんだけど、ごめんね」
 「俺も、ごめんなさい」
 大輝の案内で残りのレギュラーの元へ急ぐ良太郎達だが、既にその少年もクラストイマジンの襲撃を受けていた。契約は完遂し、 クラストイマジンは2006年10月15日へ。良太郎達はデンライナーで過去へと向かうが、ここでウラタロスの処遇をどうするか、 という問題が発生する。
 「問題は、パスがあるかないか、です」
 チケット或いはパスを持っているのなら、デンライナーを利用して構わない。しかしそうでないのなら…… ウラタロスは時間の中を永遠に彷徨う事になる。
 良太郎の体で好き放題、嘘だらけのウラタロスをどうするのか? 決断を迫られる良太郎。
 「わかりました。ウラタロスは……このままで」
 ウラタロスが大輝の前で嘘をつき、ハナと口論してみたのせは、大輝から真実を引き出すための嘘だったに違いない。 そう信じる良太郎は、「確かに嘘は悪いけど……人の為に嘘をつけるなら、悪いイマジンじゃないかなって、だから」 とウラタロスを受けいれ、列車は2006年に到着。
 クラストイマジンは大輝の過去を手に入れ、ハサミを投げてスタジアムを破壊しようとするが、 投擲されたハサミを到着したデンライナーが跳ね返す。
 「モモタロス、いくよ」
 (ああ。おまえって本当に妙な奴だぜ)
 「そうかなぁ……」
 デンライナーを背景にサイドから「俺、参上!」。
 目的意識が高いのか、戦闘に自信が無いのか、今回も逃げ腰のクラストイマジンに問答無用で襲いかかるソード電王(チンピラ)。 一方、チャンプは良太郎のウラタロス弁護を「無理ありすぎ」と一刀両断していた。
 ハナ「どうしてそんなふうに思えるかな……あれで本気だし」
 ナオミ「良太郎ちゃんって、なんか凄いですよね」
 聞くとはなしに聞きながら、若干落ち込むウラタロス。
 「釣った魚に助けられて……格好ワル」
 戦闘は今回もソード電王の圧倒的優位に進んでいたが、クラストイマジンは海に逃げ込んだと見せかけて、 ソード電王を海中へと引きずり込む。
 「やべぇ! 俺、泳げねぇ!」
 思わぬピンチに追い込まれ、意識を失うモモタロス。追い詰められた海中の電王@良太郎に、ウラタロスは呼びかける。
 「僕の嘘は、嘘のための嘘なんだから。でも、僕が泳げるのは嘘じゃない」
 フォームチェンジを促され、ベルトの青いボタンを押す良太郎――電王の装甲が可変し、電王・ロッドフォーム誕生!
 つまりこれは、亀の恩返しなのか。
 「おまえ……僕に釣られてみる?」
 顔としてはむしろ、ソードより仮面ライダーのフォーマットに忠実なロッド電王。武器は杖……というか、槍?  釣り竿のイメージも混ぜているのでしょうが、突き攻撃がメインで、ジャベリンぽい。
 「貴様、卑怯だぞ!」
 「よく言われるよ」
 ヒーロー、卑怯を肯定する(笑)
 ロッド電王の投げロッド攻撃はクラストイマジンの体を貫くが、イマジンは暴走して巨大化。
 「釣った魚はでかく見える……だけじゃないか」
 ロッド電王用の青い電車がデンライナーに連結し、一斉攻撃。
 今更気付いたけど、デンライナーの攻撃は、犬・猿・雉か。で、浦島だから亀と。
 電車火力地獄は巨大クラストイマジンをあっさり撃破し、過去の改変は防がれる。わずかに変化した現在では、 ベンチから元気よく声を出す大輝少年の姿があった。
 そして……
 「てめぇ、カメ鍋にするぞ」
 「モモ缶にしてあげようか?」
 どこまでも、相性の悪いモモとウラ。
 だが、そんな二人も……
 「「うまい」」
 何故かナオミのコーヒーがお気に入りなのであった。
 と、良太郎とモモタロスの関係がまとまった所で、新キャラ&フォーム登場。この辺りは、作品の特色を出す為に、まず見せていく、 という形か。
 3−4話の出来が良すぎたので少々物足りない所はありましたが、これは前が傑作回だったので、仕方ない。良太郎の二段憑依という、 新しい要素もありましたし。あと、私がどうも、坂本監督の演出とテンポが合わない、というのも有るかとは思います。
 5話冒頭で提示された「良太郎の仕事」については、謎のまま。
 映像を見る限り、行っていたのは「本を複数冊購入して、自転車でどこかへ移動」(この最中に事故に巻き込まれた)なのですが…… ここから想定されうるお仕事は……運び屋?

→〔その2へ続く〕

(2013年7月18日)
(2017年5月28日 改訂)
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