■駆け足『仮面ライダーフォーゼ』感想まとめ2■


“限界なんて ぶっ壊してやれ 自分の手で
(Wow wow wow スイッチON)
昨日より ステップアップ”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『仮面ライダーフォーゼ』感想の、 まとめ2(15話〜26話)です。配信の関係で週12話ずつの視聴だった為、駆け足気味。 文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

戻る

〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ3〕 ・ 〔まとめ4〕



◆第15話「聖・夜・合・唱」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:三条陸)
「やり方が良くないのですよ、子犬ちゃん」 (速水公平)
 見所は、ギターはやっぱり打撃武器。
 前回いきなりで謎だった大宇宙キックは、2段階リミットブレイクによる物との事で、 その代償にロケットスイッチとドリルスイッチがしばらく使用不能に。そんな中、 合唱部の幼稚園訪問に付き合って欲しいと助っ人としてスカウトされたユウキは、はやぶさくんの歌を強要。 その歌声にストレスを溜める美術部長・元山は、絵を描く為の集中力を阻害する者は何もかも許すまじと、 ペルセウスゾディアーツに変身する……!
 屋上で絵を描いている生徒に絡み、邪魔をしないでくれと迷惑がられたら、「屋上はみんなのものだ」と論点をずらした正論で反発し、 だが俺は感じ悪いお前とダチになってやる、と自分ルールを勝手に進める弦太朗も、十分以上に感じ悪い。 ……この辺りは大人視聴者の方が引っかかってしまう部分かもしれませんが、 今作の人を選ぶ癖の強さを示す象徴的なシーンという気がします(^^;
 ユウキを守るフォーゼの前でラストワンを発動するも、爆熱シュートで四散したかに思えたペルセウスゾディアーツだが、 なんとスイッチから再生。
 「ラストワンを越えた……」
 ラストワンを越えたゾディアーツは、12使徒の一員になる可能性を秘めており、現在その数は、リブラ、レオ、バルゴ、 スコーピオンの4人。残り8人の使徒を覚醒させる事が校長の使命であり、園田先生は、かつて速水の導きにより、 こいぬ座のゾディアーツから12使徒へと覚醒した天ノ川学園の卒業生であった。
 生徒に黒いアストロスイッチをばらまくゾディアーツの当面の目的と、 少なくとも園田先生の在学時代にはその暗躍がなされていた事が判明。 学校作るぐらいなのでだいぶ長期的な視野で活動しているらしいゾディアーツですが、次回、新たなる仮面ライダー、登場?!

◆第16話「正・邪・葛・藤」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:三条陸)
「ぼくのなまえは はやぶさくーん」 (城島ユウキ)
 こんな繰り返し使われる事になろうとは……(笑) 女優さんの奮闘もあり、バカネタとしては嫌いではない部類。
 石化ハンドが進化して石化ビームが出せるようになったペルセウスゾディアーツは、フォーゼの左腕を石化させると、 人間としての肉体を放置して姿を消す。とりあえず預かることにしたらしい合唱部の床に転がる、元山(笑)
 弦太朗はそんなペルセウスに絵描き勝負を申し込むが、リブラに敗北。 リブラの指示で幼稚園に向かったペルセウスははやぶさくんが園児に大受けしている光景に大ショック。 子供達の絵と弦太朗の絵に共通する、相手へ向けた真っ直ぐな想いに気付いたペルセウスは、完璧さよりも重要な事をがあるのを知る……。
 「人間に戻れ元山。応援するぜ、ダチとして」
 友情タッチをかわす弦太朗とペルセウスだが、そこへ再びリブラが乱入。ペルセウスを凶暴化させて2対1の戦いに苦戦するフォーゼだが、 その時、戦いに割って入る青い光球。
 いきなりのテーマソングと共に姿を見せたのは、全身キラキラの火の玉頭――仮面ライダーメテオ!
 赤心少林拳……じゃなかった、怪鳥音と共に舞う拳法(ジークンドー?)使いのメテオは、 必殺木星パンチでリブラを引き下がらせ、ペルセウスは、フォーゼが25番:筆モジュールの、 書いた文字が物質化(というか、空気に触れた墨が硬化)する機能で石化ビームを使用不能にして撃破。
 尾を引いて落下してくる隕石の意匠という事か、大胆に頭部が左右非対称なデザインのメテオは妙に琴線に触れるなぁと思ったのですが、 メテオ、仮面ライダーというより、一周回って異形として格好いい。
 どうやら惑星のパワーを扱えるようなメテオですが、右腕に木星がくっついて思いっきり殴る、 という必殺技の馬鹿馬鹿しさも好み(笑) 発動ギミックが静脈認証、と微妙に生活感漂うのもその後の技とのギャップが楽しい、 と全体的に好印象。
 一方、リブラ校長は早くも新ライダーの踏み台にされてへたれ気味になってしまいましたが、これは、時空を越える裏目エネルギーの呪いなのか。
 次回、新たな転校生、来る。

◆第17話「流・星・登・場」◆ (監督:諸田敏 脚本:中島かずき)
(こんな奴等と付き合ってかなきゃいけないのか……) (朔田流星)
 年明け、弦太朗のクラスに他校からの交換編入生・朔田流星がやってくる。メテオの正体である流星は、 軌道上の衛星内部に居る反ゾディアーツ同盟の謎の鉄仮面・タチバナからの指示を受け、 自分の正体を隠したままフォーゼと接触する為に学園にやってきたのであった……。
 タチバナ……橘!? と激しく動揺する名前が出てきましたが、今作の方向性からすると立花(藤兵衛)でしょうか。 恐らく第1話冒頭で地球と月の間に映ったとおぼしき衛星の中でぷかぷか浮かんでおり、どうしてそこに居るのか、 どうして仮面を被っているのか、どうして声が檜山修之(ナレーション)なのかと、何から何まで謎だらけ。
 吊りなどを駆使しているのでしょうが、衛星の中の無重力状態で浮かぶタチバナの絵は、なかなか面白く出来ています。
 新キャラクターの流星は、表向きはにこやかながら内心は弦太朗らを冷笑しており、その裏表は心の声を連発して描写。
 (いきなり呼び捨てかよ……妙に慣れ慣れしい男だな)
 舌打ちを繰り返す園田先生とか、弦太朗のそれはそれでイラッとする所に劇中人物から手厳しい反応が入り、妙な共感が発生(笑)
 その一方で、弦太朗が色々な生徒達と仲良くなっている姿が描かれ、物語の中でしっかりと、 如月弦太朗という存在が認め受け入れられている事が示されました。この描写が有ると無いでは大違いで、これはとても重要な部分。
 そして視聴者からの疑問の声にでも耐えかねたのか、学園の校則には、制服の既定が無い事に。
 今作の基本構造が「アウトサイダーが共同体を変革する物語」である以上、 弦太朗の服装は本質的に共同体に所属しないアウトサイダーの象徴として貫かれなくてはならない部分なのですが、今回−次回と、 新キャラクター投入に合わせて、今作諸々の要素のフォローと立て直しが目立ちます。
 (仮面ライダー部……部活なのか?)
 そして流星は、メタなツッコミ部分に、劇中の常識人視点から次々とツッコんでいくというのが、ズルいけど面白い(笑)
 成績優秀者を次々と襲う猫ゾディアーツが現れ、ジェイクを人質に取られたフォーゼが変身解除したのを物陰から覗いていた流星は、 メテオに変身。衛星からエネルギーが送り込まれて変身した後、青い球体になって飛んでくるのが格好いい。
 「仮面ライダーメテオ。おまえの定めは、俺が決める」
 勢いで「仮面ライダー」を名乗った人質無用の拳法家メテオはあっという間に猫を追い詰め、流星乱舞でリミットブレイク。 そして猫がラストワンを越えると何故か見逃がし、追撃しようとしていたフォーゼを妨害する。
 「俺は、俺の為に動いているだけだ」
 メテオの目的、それは、ラストワンを越えたゾディアーツが、12使徒アリエスゾディアーツに進化するかを見定める事。 友を救う為にアリエスゾディアーツを求めるメテオはフォーゼの前に立ちはだかり……以下次回。
 ところで、冬モードに入り、異常に派手な赤いコートが目立つ制服姿ですが、 裏地が満天の星空だった(笑) ただでさえ真っ青な制服が濃いのに、どこまで派手な色彩なのだ天ノ川学園。

◆第18話「弦・流・対・決」◆ (監督:諸田敏 脚本:中島かずき)
「メテオか……私の宇宙に墜ちてきた、招かれざる隕石だ」 (我望光明)
 「俺はお前達の味方じゃない。敵だ」
 メテオは喧嘩殺法のフォーゼを赤心ジークンドーで叩きのめすと、流星として仮面ライダー部に正面から接触。 一連の出来事を覗いてしまったと自ら入部を申し込むが、意外な事に弦太朗がそれに反対する。
 「俺は反対だ」
 「なぜ?」
 「おまえ……なんで笑わねぇの」
 友達ストーカーの直感で、流星の虚飾の仮面を感じ取る弦太朗。
 「最初に会った時からずっと感じてた。おまえ愛想はいいけど、一度も笑ってねえよな」
 と今回は、今ひとつ線引きのわからないまま、自分ルールを押し通してきた弦太朗にとっての“「ダチ」とは何か”というエピソード。
 「怒れば殴れ。その分、おまえのげんこも痛いから。おあいこだ」
 「何を、言ってるの?」
 「なんだっていいんだよ。おまえの本気が見れたから、俺は嬉しいんだ。本気が見えればダチになれる!」
 弦太朗に流星の心性を見抜かせると共に、弦太朗にとっての友達とは互いに本気でぶつかり合える存在の事であり(故に弦太朗は、 本気で嫌がられるとむしろダチになろうとする)、だからこそ信じられると定義。 目的の為に裏表を使い分ける流星を弦太朗の対比に置く事で、弦太朗の真っ直ぐさ、 そして真っ直ぐだからこそ弦太朗は相手が本気かどうかを感じ取れる、とし、弦太朗の信条を全体的にフォローしつつ、 新ライダーを上手い位置づけに落とし込んできました。
 本当は説明したくなかった事を説明する羽目になった気配も若干ありますが、ここはメインライターと、 諸田監督がいい仕事。
 流星の正体を知らぬまま、物凄く嫌な奴(メテオ)に一方的に叩きのめされた出来事を語る弦太朗。
 「でもな、そいつのパンチは本気だった。俺殴られながら……ああ、こいつとならきっとダチになれる、って、そう思えたんだ」
 (あの時、こいつはそんな事を思ってたのか)

 (……Mなのか?)

 M、それは、ヒーローが持っていると便利な性癖(効果:変身ゲージの上昇率50%↑、必殺ゲージの上昇率25%↑)。
 「流星、さっきのパンチはそれと同じぐらい本気だったぜ」
 そこに、復帰したサソリとリブラが揃ってフォーゼを襲撃。
 「殴られたらダチだと……本当に大馬鹿野郎だな。……仕方が無い」
 今回も逃げたフリから、フォーゼにリタイアされては困るらしい流星がメテオ変身で参戦し、 火星ナックルからのメテオ乱舞でサソリをさくっと撃破。
 「ありがとな。助かったぜ、これで俺達、ダチかな」
 「ふざけるな。そんなつもりはない」
 「なに?!」
 「おまえの 性癖 友情と俺の 性癖 友情が同じとは限らない」
 流星は、意識不明の友人・二郎(ほぼベッドで寝ているだけなのですが、演じるのは後のトッキュウ4号・横浜流星) の為に戦っている事がハッキリとし、メテオベルトは病院に届けられたものと判明。届き方が賢吾宛てのアストロスイッチと似ているなど、 謎が深まります。
 メテオに完敗した園田先生は理事長に見限られ、姿を見せた12使徒バルゴゾディアーツによってダークネビュラ送りにされ、 今度こそリタイア……? 結局、ゾディアーツサイドの目的を見せる為だけの数話延命という形でちょっと残念でしたが、 さすがにキャストが多すぎて苦しくなってきたか(^^;
 園田先生が宇宙のシベリア送りにされる光景を、びっくり仰天、の表情で見ている役立たず校長の先行きが、だいぶ、心配です!  頑張れ裏目エネルギー、宇宙パワーに負けるな!
 そして流星は本性を未だ隠しつつ、見習い部員として認められ、悪い笑顔を浮かべてつづく。
 新ライダー本格参入に絡めて、弦太朗を補強工事。メテオはかなり気に入ったし、流星は割と好みの顔なので、今後の動きが楽しみです。

◆第19話「鋼・竜・無・双」◆ (監督:石田秀範 脚本:三条陸)
「地面もぶち抜くぐらいの、一世一代の土下座を見せてやるー!」 (如月弦太朗)
 OPに流星とメテオ追加。
 気がつくと増殖していくミニメカは、ユウキがデザインしていると、1クール目に曖昧だった部分に次々とフォロー。 ユウキのスケッチを元に賢吾が一生懸命メカを作っているようなのですが、その気持ちは多分どこにも届いていなくて、ちょっと塩味。
 ラビットハッチにやってきた賢吾は、流星と弦太朗が勝手に新スイッチを試している事におかんむり。
 歌星さんデリケートなんだから、居場所を奪ってプライドを傷つけるような事はやめてあげて下さい!(涙)
 それでなくても、アストロスイッチが賢吾にとって父親の大事な形見だと知っている弦太朗が、 入部仕立ての流星に軽い感じで触らせているのは、ちょっとどうか。
 「子供の世話は気が滅入るよ、タチバナさん」
 2人の仲違いにため息をつく流星は、端々の言動から実は20歳だけど任務の為に高校生に偽装しているような雰囲気さえありますが、 本当にそうだったら、それはそれで面白い(笑)
 「君とは、もう友達じゃないと言ったんだ。君とは、絶交だ」
 (あーらら)
 30番と31番、二つで1セットの強力なマグネットスイッチの扱いを巡り、こじれにこじれる弦太朗と賢吾。そんな時、 リブラの指示により仮面ライダー打倒を目的とするドラゴンゾディアーツが現れ、その鋼鉄の皮膚にはエレキの電気もファイアの炎も無効。 勝手に戦闘指示まで出す流星に「ああーん?」となった歌星さんの前で、止められていたマグネットスイッチを使うフォーゼだが、 制御できずに磁力が大暴走してしまい、怒り心頭の賢吾は遂に退部宣言。
 1年の時のクラスメイト(賢吾にアドバイスを求めるだけあり、ちょっと青春の香り) にアドバイスを頼まれた縁で陸上部に仮入部する賢吾だが、メテオの正体を探るドラゴンに狙われ、駆けつけるフォーゼ。 メテオも参戦するが赤心ジークンドーも効かず、「おい、今日はなんか新作ないのか?!」というのは、流星として煽っているのでしょうが、 メテオとしては間抜けな台詞(笑)
 フォーゼは賢吾の設計を元に流星が完成させた、補助デバイス付きのマグネットスイッチを起動しようとするが、 そもそも機能せずにどこかへ飛んでいってしまう大ピンチ(特に友情的に)。
 「朔田なんか信じるからだ。如月、自業自得だ。君は、大馬鹿だー!」
 “父の形見のスイッチ”という要素が無ければ、友情にランク付けを要求してきて嫉妬に燃える面倒くさい奴状態の歌星さんですが、 その辺りの権利関係は尊重してあげていいと思います! 果たして2人の間の亀裂は修復可能なのか。次回、なんか、凄いの来た。

◆第20話「超・絶・磁・力」◆ (監督:石田秀範 脚本:三条陸)
「喰らえ! これが俺達の、青春の磁力だ!」 (如月弦太朗)
 メテオ彗星脚とライダー100万ボルトの合わせ技でドラゴンを何とか退けるWライダーだが、歌星さん大激怒。
 「君には、心底愛想が尽きた」
 そんな2人を醒めた目で見つめる流星。
 「何もかもが裏目に出やがる……最悪のコンビだなあいつら」
 それは恐らく、次元を越えて校長先生に供給され、この学園全体に広がる、負のエネルギーの影響が、 貴方の出目を悪くしているのだと思います(笑)
 仮面ライダー部は飛んでいったマグフォン捜索班と賢吾説得班に分かれ、水中を探すフォーゼが水中用プロペラスイッチを披露。 流星は「友達なら俺の話を聞いてくれる筈でしょ?! むきー!」と真心が空回りする賢吾の言葉に過去の自分を重ねて思わず詰め寄ってしまい、 わかりやすい弱点が好感度ポイントと繋がっているというのは、巧い設定。
 「駄目だよ歌星くん。どうなってもいいなんて。その一言だけ言っちゃいけない。その言葉は君を絶対に不幸にする」
 マグネットスイッチは強力だからこそ細心の注意を払って弦太朗に渡したかったという賢吾の本心を聞いた流星は、 弦太朗と賢吾の関係は磁石のようなもので、互いに同じ想いを抱いている時こそ反発する、だからここは賢吾が謝るべきだ、と諭し、 そもそも弦太朗が、賢吾の体力的負担を減らそうと気遣って流星にスイッチを分析させていたのだと説明。
 つまり賢吾は弦太朗の気遣いに対して、
 「おほほほほっ、この薄汚くてドブネズミくさいリーゼント野郎! おまえのような能なしのあんぽんたんは、 アストロスイッチの実験台ぐらいしか使い道が無いのだから、私の為にラビットハッチの床を磨き続けていればいいのよ! ほーら、 雑巾なんて贅沢な、その学ランで十分よ!」
 みたいな態度で接すればいいわけですね。
 これすなわち、SとMの磁力(色々間違ってる)
 部員への賢吾のアドバイスを快く思わない傲岸で自己中心的な陸上部部長がドラゴンゾディアーツにラストワンし、 それと戦うフォーゼとメテオ。メテオはエレキスイッチをレンタルして電撃拳法で時間稼ぎをし、その間に、 弦太朗と熱い想いをぶつけあって友情を再確認した賢吾が、マグフォンを再調整。今度こそ起動に成功したスイッチにより、 フォーゼはマグネットステイツへと姿を変える!
 二つで一つのサポートアイテムを兼用、という変わり種のマグネットスイッチによる新フォームはシルエットから姿を変え、 フォーゼに更に宇宙服を着せたようなデザインなのですが…………正直、格好悪い(^^;
 背中に背負った磁力砲でドラゴンを押し込んだマグネットフォーゼは、ライダー超電磁ボンバーで空間を歪曲させて、ドラゴンを撃破。 これで核(熱)に電気に磁力が揃い、ひとりジャッカーコバック発動にまた一歩近づきました。残りは重力だ!
 かくして難敵を打ち破った仮面ライダー部は再び一つになるが、 今後はスイッチの研究も皆でしようという賢吾に弦太朗がいやいやそれはお前の仕事だと気を遣って2人は再び取っ組み合いになり……
 「青春の磁力がまた反発……」
 (頼むからもう俺で揉めるのは勘弁してくれ……)
 何故か、ヒロインを気取る、流星であった。
 これまで弦太朗ルールで強行突破していた部分に、流星/メテオという要素が絡む事でバランスが取られ、 個人的にはかなり見やすくなってきました。またそこで小刻みに、流星の過去の事情を挟むという構造も効果的。
 ところで今回、陸上部部長は病院送りになったそうなのですが、以前のペルセウスはすぐに学園に復帰している様子が描かれ、結局、 その辺りはあまりツッコまない方がいいのか(^^; それともマグネットでぐしゃーんしたのがいけなかったのか。
 宇宙シベリア強制収容所送りになった園田先生は長期の病欠扱いとされ、学園に訪れた刑事は、 理事長が赤い瞳から放つ力で催眠状態にてお引き取り、と時々外にも飛び出しますが、箱庭の中で進められる闇、を強調。
 次回――進路指導の困った先生登場? そういえば着々と季節が普通に進行してしますが、 クイーンとキングは2クールでリストラされてしまうのか?!

◆第21話「進・路・誤・導」◆ (監督:坂本浩一 脚本:中島かずき)
「いいから職員室に来い。そして俺の話し相手になれ」 (大杉忠太)
 歌星賢吾、出席足りなくて進級が危ないという恐るべき危機。
 ……そうか!
 「仮面ライダー部、みんな揃って留年きたーーーっ!」
 こ・れ・だ。
 病欠扱いされていた園田は退職となり、新たに弦太朗のクラスの担任になったのは、なんだかやる気の無い女教師・宇津木遙。 演じるのは自らアクションもこなす長澤奈央という事で、劇中で見せるキックは吹き替え無しでしょうか。坂本監督が劇場版から復帰し、 次々と格闘家に襲いかかって腕試しをするペガサスゾディアーツを中心に全編アクション盛り目でスピーディに展開。
 「君は誰だ? どこでそのスイッチ手に入れた?」
 何かと幻覚変身大好きな校長先生ですが、どうして、2回に1回、女性なのか、12使徒査問委員会で糾弾したい。
 (この笑顔……なんか胡散臭いな)
 流星はそんな校長に仲間の波長を感じ、リブラとペガサスの戦いに乱入。 赤心ジークンドーvsキックボクシングの異種格闘技戦が繰り広げられるが、更にそこへ飛び込んでくるフォーゼ。
 33番クロースイッチを振り回すフォーゼに、一瞬、盛り上がった所で水を差すな、といった雰囲気になるメテオだが、 それは置いておいて2対1で容赦なく仕掛けるので、これといって美学はありません!
 更に「(流星は)戦闘になると逃げ出しますよね?」という外野の声を耳に挟んで、そそくさと退却(笑) まあ正直、 そろそろ仮面ライダー部の誰もメテオの正体を推測すら出来ないのは、若干バカっぽくなっていますが(^^; 折角人数多いのだから、 誰か1人が気付いた上で色々あって秘密にして流星との距離感を縮めるような、 弦太朗も賢吾も絡まない所でのドラマがあっても良いと思うのですが、さて。
 ペガサスも引き下がるがその蹴りに既視感を覚えた弦太朗は、宇津木先生が通うキックボクシングのジムを訪れる。
 「ここがあたしの本当の場所。あんた達に土足で入られたくない」
 一方その頃、校長先生が、スイッチを落とした事がバレていた。
 もう、ダークネビュラに、送っても良いのではないでしょうか、理事長(真顔)。
 果たしてペガサスの正体は、教師という職業に愛着が無く、出来る事ならプロのキックボクサーになりたいと望む宇津木なのか?  クイーンの作戦で囮になったキングに襲いかかるペガサスと交戦するフォーゼは、 格闘家(推定)にマグネットで射撃攻撃。……それだと、友情、生まれない気がするよ弦太朗?!
 逃げるペガサスを追ってメテオバイクが本格的に登場し、フォーゼはボードスイッチで地上を滑走。 そこに現れたバルゴが忍者軍団を放ち、それを蹴散らすバイクアクションとCGによるボードアクションの組み合わせはなかなかの迫力。 ペガサスを追い詰めるWライダーだったが、隙を突かれたフォーゼがハイキックを食らった所で、つづく。
 今回、弦太朗が、気になる事があるとリーゼントの先にびびびっと来るという特殊能力(ライダーリーゼントセンサー) を主張するのですが、それはやはり、ストロンガー/城茂オマージュなのか(笑) ※ストロンガー/城茂には、 悪の活動の大体の方角を嗅ぎつける特殊能力あり。
 「城茂は奴の独特の能力で、もうこの方角を嗅ぎつけたぞ」
 と敵の幹部が言っているので、本当です!

◆第22話「馬・脚・一・蹴」◆ (監督:坂本浩一 脚本:中島かずき)
「ペガサスだけに、そうウマくはいかない」 (鬼島夏児)
 ライダーリーゼントセンサーにより、ペガサスの正体を宇津木先生と考えた弦太朗はスイッチを手放すよう説得を試みるが、 弦太朗の波状攻撃に折れた宇津木が鞄の中から取りだしたのは、むしゃくしゃして壊してしまった“火災報知器のスイッチ”であった。 ペガサスの正体は宇津木ではなく、宇津木が怪しいという情報をもたらした、落語研究会の部長・鬼島だったのだ!
 この後編から一気に怪しく描かれるのですが、校長先生がスイッチ落としたーーーというイレギュラーな事態から、 如何にもなゲストキャラである宇津木先生がゾディアーツ? という誤誘導にはまんまと引っかかりました。後、そろそろ、 このぐらいのキャストが12使徒に進化してセミレギュラーになってほしいという願望も突かれました(笑)
 仮面ライダー部は正体を突き止めた鬼島ペガサスと戦いになり、ジェイク、OPで見せているブレイクダンス回避を披露。 弦太朗の馬鹿一直線に感化された宇津木が教師とキックボクシング、どちらの道も進む事を告げに現れ、 怪人そっちのけで友情タッチをすると、フォーゼは主題歌をバックに、先生伝授のスパイクハイキック。 クライマックスバトルでの主題歌使用で盛り上げてくるのですが、スタッフが、長澤奈央を好きすぎます。
 それにしても宇津木先生を陥れる為に体を鍛えてハイキックを再現してみせた鬼島は、世界を目指せる逸材ではないのか。
 フォーゼは更に、スピーカー、水道、車輪、ステルス、クロー、シールド、ピコピコハンマーとモジュール大盤振る舞いし、 トドメは超電磁ボンバー。これにて一件落着、お後がよろしいようで、となるかと思いきや、 ペガサスはラストワンを越えると横丁のご隠居も腰を抜かす勢いで一気に12使徒――キャンサーゾディアーツへと進化する!
 戦力バランス的に12使徒が増えるには良い頃合いだったのですが、単発ゲストにしてはやたらごついネーミングだと思ったら、 夏児=カニ、という事なのか(笑)
 口先で世界を思うがままにしたい、という所に共感したのか、ジェイクが妙に鬼島に懐いていたのは、今後の布石になるのかなぁ。
 しかし、どうせ、12使徒増えるなら、校長先生の手柄にしてあげてほしかったです!! いや、そもそも、 校長先生がスイッチを落とさなければカニは生まれなかったわけで、つまりこれは、 役立たず校長の裏目パワーが一周回って呼んだ奇跡という事でいいのか?! そういう事にしてあげて下さい理事長。
 ところで今回、弦太朗が宇津木を探して乗り込んだキックボクシングのジムでジム生のごつい男に絡まれるというシーンがあるのですが、 止めに入った宇津木先生の格好良さを見せる意図と思われ、絡む男の方が乱暴に描かれているにしても、 挨拶1つせずに自分の目的だけを優先し、ジムのトレーナーを突き飛ばすなど、最低限の礼儀も守らない弦太朗の印象が悪すぎて、 絡まれても仕方がないというのが今作の引き続き困った所(^^;
 何も主人公が四角四面に品行方正たれとは思いませんが、いみじくも前回台詞にされているように、 他人の場所に入り込む時は靴ぐらい脱いでほしいというのは正直。

◆第23話「白・鳥・同・盟」◆ (監督:山口恭平 脚本:長谷川圭一)
「ありもしないものにすがっても、自分が強くなれるわけじゃないのに」 (野座間友子)
 長谷川圭一が参戦。山口恭平は、これが本編監督デビュー……?
 「小さな親切、大きなお世話。それでも、必ずやってくる。愛と正義の名の下に。我が名はキッグナス! ――白鳥の勇者」
 『白鳥の湖』をバックにひったくりをしばきたおす白い怪人キッグナス(見ていないけど、名前は『キック・アス』から?)。 学園で話題のこの謎のヒーローに興味を持った弦太朗達は、キッグナスを応援する、醜いアヒルの子の会の活動を見学しに行く事に。 背後で歌星さんが「俺とスイッチ実験するより変態白鳥仮面の方が大事なのね、きーーーっ!」となっているので、 弦太朗は後で雑巾を投げつけられる覚悟をしておくように。
 不良に絡まれている所を助けられて以来、白鳥仮面の大ファンだというコスプレイヤー江口と共に集会所へ向かう弦太朗達だが、 道中に現れるカニゾディアーツ。ハンマーもドリルも効かず、マグネットですら有効打を与えられないカニに苦戦するフォーゼだが、 そこに降臨する、白鳥の勇者。
 (正義のゾディアーツ、そんな者が居るのか?)
 首をひねる流星だが、力試しが目的だったカニは逃走。改めて集会所へ向かった一行は、 華麗にクラシックバレエを舞う醜いアヒルの会長から、それぞれ駄目出し。
 「不良、アホ、ゴス、イケメン。全員駄目だ。会の品格が落ちるからね。帰んな」
 イケメンも駄目なんですかーーー?!
 これは是非、歌星さんをこちらに連れてきて評価が聞きたかった!(おぃ)
 だが弦太朗のノリが面白がられて4人は見学を認められる事になり、なんだか宗教サークルぽいノリで、 善行にポイントを与えられる会員達の姿を目にする。
 「みんな、私らはなんだ?」
 「「「醜いアヒルの子」」」
 「でもいずれ美しい白鳥になる」
 「「「白鳥になる」」」
 「たたえよう! 私たちの、英雄を。キッグナス!」
 「「「キッグナス!!」」」
 「キッグナス!」
 「「「キッグナス!!」」」
 今作ここまで、個人の怨恨や執念が中心になっていたので、カリスマの作り出した集団の気持ち悪さというのは、 (魔女パーティーの発展系ともいえますが)面白いアプローチ。そしてそのノリに順応し、踊り狂い始める弦太朗とユウキ(笑)  一方で当然このノリが合わない流星は、雰囲気に気分が悪くなった友子を連れて途中退席するイケメンパワーを発揮するが、 2人の前に白鳥仮面が姿を見せる。キッグナスには善意のヒーローという表の顔に加えて、 キッグナスを認めない者に私的制裁を加えるという裏の顔があったのだ!
 友子の前で思わず本気を見せて反撃してしまった流星は、慌てて情けなく逃走してからメテオ変身し、ヒーロー活動も何かと大変です。
 「生憎だが、俺はフォーゼのように甘くはない。人質など取っても無駄だ!」
 火星ナックルを放とうとするメテオだが、友子を眼前に突きつけられて寸止め。自分の中の甘さを認めるメテオですが、それ以前に、 どうして、人質要員の居る方向へ居る方向へと怪人を殴り飛ばすのか(笑) その戦い方に−100ポイント。
 攻撃も防御も封じられ、右腕をぐりぐりされるメテオの元へ、ソフトクリームメカで呼ばれたフォーゼが到着。 今回初登場?の煙幕ソフトクリームは、クリーム部分が3方にぱかっと開くのが、怪獣の口感あってちょっと怖い。
 「友など必要ない。ヒーローは一人居れば十分だ!」
 白鳥はフォーゼに翼攻撃を仕掛け、ラビットハッチから駆けつけた賢吾から受け取ったスイッチで、フォーゼは新モジュール:ビッグフットを発動。 コズミックエナジーによる局所的な重力攻撃で空から足が降ってくるように見えるのは光の屈折だからほーら俺の存在を認めたまえ如月!  と早口解説から心の声がダダ漏れの賢吾ですが、あれ、重力はここで使うのか。
 「フォーゼ、今まで私はおまえの分身だった。だがこれからは! 私がおまえだ」
 ところが、調子に乗ったフォーゼは乱発した大足ふみふみで起きた土煙に紛れたキッグナスに回り込まれてしまい、 背後から攻撃を受けた所で、つづく。
 なにはなくとも、流星と友子が弦太朗の居ない所で個別に絡んでくれたのが、嬉しい展開。 流星自身が今作における孫の手的存在なのですが、流星周辺も今のところ巧く回っています。
 以前に友子が「あなた、仮面ライダーって言ったよね!? それがどうして戦い合うの?! 仮面ライダーは、 人知れず悪と戦う正義のヒーローなんだから! おかしいよそんなの!」と、仮面ライダーとしてのメテオを非難したのも活き、 次回、流星(メテオ)と友子の距離感の変化には期待。
 ところで最近、マグフォン探索の回を除くとクイーンがラビットハッチの中にしか出てこない気がするのですが、 単純に使い分けに限界が来ているのか、それとも役者さんのスケジュール的問題でも生じていたのか(^^;
 なお今回、カニさんお披露目会で、レオゾディアーツが本編初登場(立っているだけで台詞は無し)。 落語家参入で校長先生の立場はますます悪くなりましたが、ギャレン色のジャケットなのでシカタナイ。 ……あまり見ている側が昔のネタにこだわりすぎるのも良くないとは思うのですが、しかしこのジャケットは、どう考えてもわざとだ。

◆第24話「英・雄・願・望」◆ (監督:山口恭平 脚本:長谷川圭一)
「あいつのヒーローへの道は、始まった所だ」 (如月弦太朗)
 ライダーリーゼントセンサーにより醜いアヒル会長の元へ直接乗り込む弦太朗だが、またも空振り。 キッグナスの気配を追っていた友子と流星が目にした光景により、その正体は、 ヒーローに強く憧れながらも自ら行動に踏み出す勇気を持てずにいた江口の精神が、 ゾディアーツスイッチの影響により分裂した別人格だと判明する。
 弦太朗達の励ましもあり(クイーン、久々に外に)スイッチの誘惑を乗り越える江口だったが、カニに拉致られ、 キッグナスを求める醜いアヒルの子の会に囲まれる事に。
 「江口、私たちにはキッグナスが必要なんだ。正しく導いてくれるヒーローが! さあ、スイッチを押すんだ」
 別人格は種明かしとしてがっかりだったのですが、ここで、 ヒーロー願望が自らを支持する人々との依存関係に飲み込まれて自由意志を離れていく姿を、暴走していくキッグナスの正義と重ねたのは、 正体判明後の一ひねりとしては面白い展開。
 「何が自由だキッグナス! いや……キグナスゾディアーツ。おまえを倒してダチを、江口を取り戻す!」
 強制ラストワンにより生まれた真・白鳥仮面は江口人格を離れて独立した意識を持つが、フォーゼは36番エアロ (よくわからない何かを噴霧)と、かれこれ20話ぐらいぶりになるマジックハンドで人質を救出。そこにカニが乱入するも、 キグナスの前には前回ぐりぐりされた恨みに燃える怒りのメテオが落下。
 「悪はおまえだ……おまえの定めは俺が決める」
 攻撃力3倍のメテオはいきなりの彗星脚でキグナスを瞬殺し、フォーゼはウインチでカニのハサミを封じる頭脳戦から火あぶりで、 カニ撤退。醜いアヒルの子の会は解散するが、江口は今度はフォーゼコスプレで、ヒーローになる為に自分に出来る身近な親切を、 一歩ずつ始めるのであった……。
 流星(メテオ)と友子から焦点外れて、超ガックリ。
 一応、「私がメテオの仇を取ります」と宣言した友子の探索に流星が付き合い、多少の関係変化はしているのですが、 前回の進行度に比べると、劇的な前進は無いも同然。何も正体バレまでは求めていませんでしたが、もう一歩二歩、 距離の短縮が欲しかった所です。前回、執拗にぐりぐりされたメテオの右手も、何にも繋がりませんでしたし(^^;
 次回、キングとクイーンは無事に卒業できるのか?! 後、流星以外の仮面ライダー部員は進級できるのか。

◆第25話「卒・業・後・髪」◆ (監督:諸田敏 脚本:三条陸)
「俺はな、弦太朗。仮面ライダー部に入れて良かったと思ってる。高校生活の最後に、宝物が出来た」 (大文字隼)
 見所は、屋上でスピーチの練習をしている校長先生(笑)
 卒業式が迫り、キングは天高伝統の卒業式後のダンスパーティ・プロムに熱心にクイーンを誘うが、敢えなく玉砕。 元ゾディアーツの3年生達が新聞部部長に問い詰められているのを目にした弦太朗は割って入るが、 アルターゾディアーツの写真を見せられて反射的に律子を疑ってしまい、株が大暴落。
 キングからのしつこいアプローチと弦太朗の鈍さに美羽がイライラを募らせる一方、弦太朗に協力を頼むキング。 フォーゼがスコップで中庭に大きく「LOVE」と描くイメージシーンがあるのですが、えー……スコップ、 初めて見る気がするのですが、未使用スイッチなのか、キングの妄想なのか(^^;
 弦太朗とキングの男同士の会話、というのは珍しくて良かったのですが、全体的に、諸田監督のCG過剰演出がやりすぎ感。
 プロムの準備を妨害するように暴れるカメレオンとドラゴンは、髪の毛座のゾディアーツが作り出した分身ゾディアーツであると判明するが、 友子に腕を掴まれて現場に来た流星は、隠れて変身できずに苦い顔。
 「逃げちゃ駄目……」
 髪の毛と分身アルター、更に落語カニの参戦で追い詰められるフォーゼだが、新シフトとして強制的に台座ロボに乗せられたジェイクが意外と健闘。
 ここで声援を送る一同、流星が友子に手を掴まれているのがおいしいですね!
 いいぞ、そこをもっと押すんだ。
 クイーンへのアプローチの新ネタで、ピエロの扮装をして遅れてやってきたキングはジェイクの奮闘を喜ぶが、それに激怒するクイーン。
 「何が嬉しいのよ? あたし達の居ない仮面ライダー部の何が!」
 そしてプロムの事で頭がいっぱいのキングに、クイーンは遂に戦力外通告を突きつける。
 「あたしがプロムで踊りたかったのはね、その弦太朗よ!」
 クイーン説得の協力を頼んだ弦太朗こそクイーンの本命だった、という道化の扮装をしたキングがまさに道化という酷すぎるネタで、 3年生卒業寸前に色々こじれる仮面ライダー部は、無事に新年度を迎える事が出来るのか?!

◆第26話「有・終・輪・舞」◆ (監督:諸田敏 脚本:三条陸)
「嘘!? ジェイク、奇跡の大勝利」 (野座間友子)
 見所は、せっかく練習したスピーチが披露できなかった(出番がなかった)校長先生(涙)
 台座ロボ@ジェイクが分身アルターを撃破するも、落語カニの装甲はマグネット超電磁ボンバーすら防ぎ、髪の毛とカニは逃走。 更に律子達とゾディアーツを関連づける校内新聞が貼り出されるが、理事長の方針により卒業式もプロムも予定通りの日程で行われる事に。 学校を愛するあまり、なんとしても卒業式を妨害しようとする新聞部部長は、 髪の毛座の正体を現してメテオに零距離リミットブレイクを決められるも、即座にスイッチを押して逃亡。 3年生のダチ達に笑顔で卒業してほしいと、弦太朗を中心にした仮面ライダー部はプロムに迫る髪の毛座の前に立ちはだかる!
 「新生仮面ライダー部は未完成です。……僕の見るところ、ユウキさんは閃きは凄いがパニックに弱く、ジェイクは、瞬発力に勝るが、 持久力がありません。今のは僕の独り言です」
 強制的に律子のパートナーにさせられた流星は、弦太朗のはからいでパートナーとなったキングとクイーンを会場で煽り、ダンス中、 食べ物メカがそれとなく会場内部に配備されている事に気付いたキングは、弦太朗達の戦いを知る。
 「……俺のプロムはここまでだ」
 「え?」
 「弦太朗達は今戦ってるんだよ、ゾディアーツと。俺達のプロムを守る為に。俺も行ってくる」
 「でも! 引退した私たちの居場所なんて、もう……」
 「無いならこじ開けるさ。俺はまだ天高を平和にしてない。あいつらにだけ任せておけるか」
 こじ開ける、というのが何となくアメフト風味でいい台詞。
 「……格好いいわよ、隼」
 男を見せたキングは会場を飛び出していき、それを追いかけるクイーン。
 「もう駄目だー!」
 「こんな程度で諦めない! 黙って私たちを守るなんて生意気な事をしたんでしょう。しっかりやり遂げなさい、仮面ライダー部!」
 クイーンの一喝で仮面ライダー部は生気を取り戻し、キングは台座ロボに搭乗。それにしても台座ロボは、 そもそもどんなパイロットを乗せるつもりで設計されていたのか(^^; どうにも根本的な設計ミス感が漂うというか、 やはり実験兵器なのか。
 フォーゼと台座ロボは友情の合体攻撃・ライダー超電磁タックルを放ち、カニには逃げられるが、髪の毛を撃破。
 「弦太朗、頼みがあるんだ。今ここで……俺達だけのプロムをやりたいんだ」
 台座ロボから降りたキングは、自らのジャケットを弦太朗に着せる。
 「美羽と踊ってやってくれないか」
 前回は道化にまで落ちぶれ、今回は今回でクイーンのお情けをいただいていた裸のキングが、 ここで逆転のキング格好いい祭。最近すっかり三枚目と化していた上に、 事情を耳にしていたのにズルズル美羽とプロムに参加してしまう、という幾ら何でもプライドなくしすぎて再浮上不可能な舞台袖に転落する寸前で、 ギリギリ踏みとどまって芯のある所を見せました。
 「クイーンの私が、トラッシュとこんなプロムをやるなんて」
 「なんだよ」
 「最高の夜だわ」
 かくして美羽と隼は天高を去り、年度変わってラビットハッチへ集まった部員達が目にしたのは……
 「高校は卒業してもライダー部は卒業しない事にしたわ」
 うんまあ、そんな事だとは思っていたのですが、かくして、仮面ライダー部に面倒くさいOBとOGが誕生するのであった。
 3年生部員の処理としては最も妥当かつ最も面白くない方策で、正直、特にそこで面白くする気がないのだったら、 卒業絡みで前後編のエピソードを展開する必要が無かったような(^^;
 特に良くなかったのが、「卒業する事で仮面ライダー部員で無くなる喪失感」と「プロムにまつわる淡い恋模様」 を同時展開した事でクイーンの感情描写が中途半端になってしまった事と(幾つかの想いが複雑に組み合わさっているのは構わないのですが、 その組み合わせを巧く描けなかった)、恐らく予算の都合で映像的に卒業式のシーンが難しいため焦点をプロムに合わせた事で、 学園物としての重要イベントである「卒業」そのものの印象が薄くなってしまった事。
 結果的に、「キングとクイーンが卒業する事」そのものが、ほぼ弦太朗・キング・クイーンの3人の中だけで進行してしまい、 後輩達のリアクションもほとんど無し(特に賢吾は無関心にしか見えない)で、オチがますます活きない、という形になってしまいました。 ユウキの焦点も、二人の卒業よりも、自分が部長になる事がメインですし、一番そこでちゃんと二人に接しているのが流星というのはどうなのか。
 卒業・進級というわかりきったターニングポイントなのに前振りが一切無かった点も含め、冷蔵庫の残り物を全て鍋に詰め込んだら、 真っ二つに割れて机の上に散乱したような感じに。
 あと私どうも、三条さんは恋愛要素をうまく描けない、というイメージがあるのですが、今回ますます強く(^^;
 次回――なんか嬉しくないルートに正体がバレた。

→〔その3へ続く〕

(2016年10月16日)

戻る