■『正義のシンボル コンドールマン』感想まとめ4■


“正義を助けるコンドールマン
正義のシンボル コンドールマン”


 ブログ「ものかきの繰り言」の方に連載していた『正義のシンボル コンドールマン』 感想の、まとめ4(19話〜最終話)です。文体の統一や、誤字脱字の修正など、若干の改稿をしています。

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〔まとめ1〕 ・ 〔まとめ2〕 ・ 〔まとめ3〕

◆第19話「死のモンスター工場」◆ (監督:まつしまみのる 脚本:伊東恒久)
 薄汚れた男が捨てた鼻紙が巨大化すると頭から人間を喰らい、そのまま爆発!  という冒頭から凄まじい展開。
 「人間を食べて太るアメーバゴミだ。すぐに焼いて下さい」
 「はい」
 ……て、えーーーーーーー(笑)
 画面手前に弾け飛んだゴミ(間接的に人間の爆死体)が大写しなのも凄いですが、それをさらっと燃やそうとするのも凄いです。 あまりの事態に感情が麻痺しているのでしょうが、落ち着いてから物凄いトラウマになりそう。
 「あんなおもちゃでも、コンドールマンはきりきり舞いするじゃろうて。その間にこっちは……。ふふへへへへ」
 (ゴミゴンが動き出した。こうしてはいられない)
 コンドールマンは各地でゴミ退治に駆け回るも、これはゴミゴンにとっては目くらましの玩具に過ぎない、という構図もなかなか凶悪。 間にゴミに飲み込まれた石松が助けを求めてジュニアの元に転がってくるシーンがギャグっぽく描かれていたりするのですが、 たまたまコンドールマンが通りがからなければ、ジュニアを巻き込んで塵になる寸前でした。
 (ゴミボールは次々に片付けているのに、この胸に湧いてくる不安はなんだ。モンスターどもの……ゴミゴンの本当の企みはなんだ!)
 コンドールマンを攪乱するゴミゴンの真の目的……それは、モンスター製造機による大量のゴミモンスターの製造にあった。だが、 予想よりも遙かに早く、アメーバゴミがコンドールマンに片付けられてしまい、怒りを燃やすゴミゴン。 ……上司が感情にまかせてコンソールを破壊したのをちらっと見た後、無言で作業に戻る構成員が変におかしい(笑)
 ゴミゴンは最初にゴミ球を見つけた、コンドールジュニアの一員である正夫少年をさらうとモンスター製造機の実験台にしてしまい、 正夫は顔が魔神コンバット部隊の覆面というミニモンスターにされてしまう。
 床をのたうち回りながら「助けてくれー」と叫ぶ少年が、ガスを浴びせられてゴミに埋もれていく姿が執拗に描かれ、 コンドールマンも間に合わないと、これまた強烈な映像と展開で、今回は頭からアクセル踏みっ放し。
 「ハールマゲドン」
 モンスターと化して家に戻った正夫コンバットは、家中のゴミを散らかすと、 それを止めようとした母親の首に手をかけて絞め殺そうとし、顔がコンバットに。母の涙が少年に心の一部を取り戻させるのも、 モンスター化した肉体は邪魔な人間を排除しようと勝手に動いてしまう。
 「誰か僕の手を切って!」
 帰宅してこの光景を目撃し、猟銃を取り出す父。
 ……70年代作品にはしばしば、ガンギマリ気味の父親キャラが登場しますが、この後の会話も凄まじく、 ブレーキが行方不明なのですが今回。
 「お父さん、僕、お母さんを殺したくない! 早く僕を撃って!」
 「駄目撃っちゃ駄目!」
 「僕の中のモンスターを撃って!」
 「撃たないで……」
 「僕を撃って!」
 「……おまえだけを、殺しはしない……三人で、天国へゆこうな」
 銃殺を願う息子と、それを止める妻、どちらかを取れずに一家心中を覚悟する父は引き金に指をかけるが、発砲寸前、 駆けつけるコンドールマン。コンドールアイショックで気絶させ、コンドールファンでゴミを取り除くと、人間の姿を取り戻す正夫少年。
 「正夫くん、お母さんとの愛が、君を心の芯までモンスターにさせなかったんだよ」
 細胞を分解した上でモンスター生命を注入、とか言っていたので、このまま元に戻れないのではと危惧されましたが、 コンドールマンがなんとか浄化し、ゴミの山に埋もれていたブレーキも無事発見。その上で、 人間は誰しもモンスターになる可能性を持っているが、では人間と欲望だけのモンスターを分けるものはなにか、 というのが示されているのが今作らしい所です。
 モンスター製造工場には次々とジュニア達が運び込まれており、コンドールサークルを使用するも鉛で出来た密室では発動しないと、 今更ながら便利すぎるという事かサークルが弱体化。ジュニア達は正ヒロインのまこと含めて情け容赦なくガスを浴びてゴミまみれになっていくが、 完全にモンスター化する前にコンドールマンが駆けつけ、ガス室を開放するとコンドールファン。
 「おまえの汚い企みもこれまでだ!」
 コンドールマンの攻撃を受けてあっさり大爆死……かと思われたゴミゴンは、すぐに再生。ショックパンチにより火が弱点と判明するが、 水に飛び込んで逃亡してしまうのであった。
 ……えー、このシーン、ゴミゴンの着ぐるみの背中が普通に燃えているように見えるのですが(^^;
 「しぶといやつ……だが必ず灰にしてやる!」
 コンドールマンは時折、悪に対する発言が臨界点を突破気味。
 ゴミゴンは逃がすもモンスター製造機の破壊には成功するコンドールマンだったが、 街へ戻るとそこではもうもうとデーモンスモッグが立ちこめていた! で続く。
 前半のクリフハンガー方式は、怪人を倒したと思ったら次のピンチが! という形でしたが、基本は同じ事をやりつつも、 一つの作戦を阻止したと思ったら別の幹部の作戦が! という構成が3幹部の同時攻撃という展開にぴったりマッチ。途中で、 ジュニア達を製造機に押し込めている所にスモッグトンとヘドロンガーがやってきて「楽しそうな事をやっているけど、 俺らは俺らの作戦を進めるぞ!」と顔を見せるのも効果的。モンスター一族の二重三重の猛攻に追い詰められていく日本とコンドールマン、 の雰囲気が良く出ており3幹部編は今のところ盛り上がる展開なので、このままラストまで走り抜けてくれる事を期待したいです。

◆第20話「悪の空デーモンスモッグ」◆ (監督:まつしまみのる 脚本:伊東恒久)
 東京に広がっていくデーモンスモッグの影響により、空気の汚れに苦しむ子供達。まことの友達がスモッグの影響で重体……と思ったら、 そのまま、死亡。
 「お願いです、この子の顔を見ないで下さい! このままそっとしておいて下さい!」
 見舞いに来ていたまこと達が医者の言葉を聞いて病室に飛び込むと、毒にやられた娘の顔を咄嗟に布団で隠す母親、 反射的にシャッターを切るカメラ助手、と、ただ殺すだけではなく、そこから広がる波紋の描き方が強烈。
 「エツコちゃんも、私たちの仲間に入りたいって、一緒に、正しい事の為に働くって……」
 まことは友人の亡骸にコンドールバッジを身につけさせ、少女が他の子にハンカチを貸した上で死亡しているというのが、 正義や良心と自分の命を天秤にかけた時、人はどうするべきなのかと、非常に重くのしかかります。
 怒りの一心はゴールデンコンドルに化身すると、空から毒性スモッグの素であるマッドXをばらまくスモッグトンの飛行船を強襲し、 ゴールデンビームで一撃粉砕(笑)
 流れとしては笑う所ではないのですが、毎度の事ながらゴールデンコンドルは、雑なミニチュアと特撮で、実に雑に敵を蹂躙するので、 どうしても口の端に笑いが浮かんできてしまいます(^^;
 書き割りで落下するも何とか着地を決めて立ち去ろうとしたスモッグトンだが、その背中に躊躇無く炸裂する、正義のコンドールキック。
 「スモッグトン! 罪もない子供達を苦しめ、その上尊い命を奪うとは、断じて許せん。覚悟!」
 怒れるコンドールマンは、周囲を囲んだコンバット部隊に至近距離からコンドルショック大回転を浴びせるなど若干キレ気味に大暴れするが、 スモッグトンは煙になって逃亡。それを追ったコンドールマンは3幹部のアジトでマッドXを入手すると、爆発するアジトから脱出し、 それを公害研究所の北水博士に分析してもらう事で、マスコミを通じて猛毒スモッグについての警告が広がる事に。
 一度はコンドールマンを社会的抹殺寸前まで追い詰めたモンスター一族が、 コンドールマンがマスメディアに流した情報により立て続けに作戦を妨害される、というのは、メディアの二面性というものも含めて、 皮肉めいた展開。
 「ぬー、コンドールマンめ、やっぱり生きてたのか。しかし煙が出るのは煙突ばかりでないわい! 今に見ておれ」
 スモッグトンは車の排気ガスやタバコの煙を利用し、「車の排気ガスも、大人達が何気なくふかすタバコの煙も、今や、 恐るべきデーモンスモッグと化していた」と、環境問題を片っ端から抉りに行く『コンドールマン』スタイル!
 東京にはデーモンスモッグの影響で新たな公害ぜんそくが広まり、北水博士による治療薬の開発も遅々として進まない。 台風でも来てまとめて吹き飛ばせれば……という言葉にヒントを得た一心は、「風を吹かしてみせる。たとえこの身がどうなろうとも」と、 太陽エネルギーを浴びながらザゼーンを開始。
 それを妨害しようとするコンバット戦闘員を、首をはねたり真っ二つにしたりと怒りの残酷ファイトで蹴散らすと、 しつこくマッドXを吹きかけてくるスモッグトンも、コンドールサンダーで滅殺。
 スモッグトン、殴られる度に頭から煙が飛び出したり、巨大パイプによるマッドX攻撃に合わせてバグパイプの音が響いたりと、 仕掛けの色々凝った面白怪人だったのですが、相変わらず雑にトドメを刺されてしまいました(^^;
 クライマックスは、第8話(化身の為のザゼーン修行)+第10話(一心不乱に題目を唱えるコンドールマンがモンスターから執拗な責めを受ける) という構図なのですが、結局ザゼーン中断して普通に戦ってしまうので、もっとスッキリさせるか、 敵はゴールデンコンドール化身時にまとめて蹴散らす、とかでも良かったような。
 邪魔者を蹴散らして精神集中を終えたコンドールマンは再びゴールデンコンドルに化身するとゴールデンタイフーンを発動し、 東京上空から猛毒スモッグはかき消えるのであった――。
 「まだまだ科学の力では、どうにもならない事がある。……しかし、良かった」
 いい人そうではあるのですが、それでいいのか北水博士(笑)
 だが、平穏も束の間、突然飛んできたヘドロを顔面に浴びた北水博士は、死亡(?)。ヘドロンガーは北水博士に成り代わると、 ゴミゴンも屑山博士として公害研究所に入り込み、遂に来日したマッドサイエンダーの下、 コンドールマン打倒の為の作戦が練られるのであった……。
 今回限りだと北水博士が絶命したのか明確ではありませんが、描写の雰囲気からは殺されてしまったように見え、 モンスター一族には殺害した相手の体を奪い取る能力があると考えて良さそう。これまでの黒井大臣なども、 計画の為に取って代わられたのだと思われ、人間体で地道に成り上がったよりは納得のいく形で説明がつきそうです。 既に面識のある人物がモンスターになってしまう、というのは初の展開なので、面白く盛り上がってほしい。
 「ドラゴンコンドル……そうだ、私にはもう一つ強力な化身がある。負けるもんか、モンスターども!」
 最後にコンドールマンが唐突にドラゴンコンドルを思い出すのですが、この“もう一つ”がゴールデンコンドルの事なのか、 更なる新たな力の事なのかは、台詞回しと演出からは何とも言えず。タイミング的には最終決戦の布石のような感じはしますが、 ドラゴンコンドルの着ぐるみに化身されても困る。
 次回――いよいよ直接出馬したモンスター一族の頭脳、マッドサイエンダーの謀略が日本とコンドールマンに迫る!

◆第21話「悪魔の超一流塾」◆ (監督:まつしまみのる 脚本:山崎晴哉)
 ……あ、「北水」博士って「きた(ない)水」博士って事か! と1週間経ってから急に気付く。
 「君にも手伝ってもらったんだが、やっとこれが完成したんでね」
 「え? マッドヘドロが。では気が変になるという欠点が取り除かれたんですか」
 待て。
 「それを君に実験してもらおうと思って呼んだんだ」
 「は? ご、ご冗談を」
 「私は冗談は嫌いなたちでね」
 「……あなたはいったい……?」
 ようやく怯える所員ですが、「マッドヘドロ」という名称と、「気が変になる副作用」の時点で、 自分が何かヤバい事に手を貸している事に気付け(笑)
 公害研究所の通常業務に不穏な疑念が渦巻く中、正体を見せたヘドロンガーとゴミゴンによってマッドヘドロを無理矢理飲まされた所員は、 頭脳が凄まじく活性化するが、やがて白骨と化して溶けて死んでしまい、今回も冒頭からフルスロットル。
 悪の天才マッドサイエンダーの計画は、このマッドヘドロの希釈液を用いて、成績向上を餌に子供達の精神を汚染しようという、 卑劣きわまりないものであった! と、安定と信頼の天才塾もの。
 「今度の超一流塾作戦、色々と好都合ですな。へへへへへへへ」
 「ん、しかしま、何よりの収穫は、多くの子供達から、正義を取り上げる事。子供は人間の宝だそうですからの。ぬふふふふふふ」
 「その宝が腐れば大人達に伝染して、人間どもなど、あっという間に征服できますなぁ」
 下品に笑うモンスター一族の幹部達の姿が実にいやらしいと同時に、 子供達から正義を伝播させていったコンドールマンの活躍と対になっているのが面白いところ。
 日本各地で、急に勉強が出来るようになった子供が、学校で暴れたり万引きを行う事件が続発。 情報を集める一心はコンバット部隊に絡まれ、珍しく生アクションを見せてからコンドールマンに化身。
 口封じの為にアメーバゴミが戦闘員を呑み込み、頭が吹っ飛ぶというのが強烈な映像(^^;
 ジュニアの常連メンバー、幸太も急な成績向上にともなって様子がおかしくなり、ジュニア脱退を宣言。 簡単に足を洗えると思うなよと幸太を取り囲むジュニアと一心だが、急に頭を抱えて苦しみだした幸太は、「一心お兄ちゃんなんて、 だいっきらいだぁ!」と叫ぶとバッジを投げ捨てて走り去ってしまう。
 幸太の母に事情を聞いた一心は、幸太が通うようになった塾、超一流塾に、眼鏡+学ランという、ここに来て変なコスプレ姿で潜入。 身内しか入れない授業参観に「幸太の兄」を偽って潜り込む為なのですが、これまでのコンドールマンからかけ離れすぎた手法と、 コスプレそのものがいまいち面白くない為、妙な違和感だけが強くなってしまいました(^^;
 にしても、超一流塾の塾長、東大卒(あずま・だいそつ)って凄い名前のセンス(笑)
 「皆さんのご心配はよくわかります。しかし、天才と狂人は紙一重。妙な行動をすればするほど、子供さん達は天才に近づくでんす。 それに、モンスターの出るような厳しい世の中だからこそ、他の子より成績を上げ、超一流の学校を出て、 超一流の会社に入る必要があるのです。ですから皆さんは、大いに宣伝をしていただいて、他の生徒さんを、どんどん、 この超一流塾に入るようにすすめて下さい」
 マッチポンプで世相を持ち出して不安を煽るのは面白いのですが、他の子も成績が上がったら自分の子供の優位性が失われてしまうので、 保護者に宣伝を求めても駄目なのでは(笑)
 またも変なコスプレで教壇に近づいた一心は、大卒の変装を見破ってその正体が北水博士であると曝し、続けざまにコンドールアイ。 ヘドロンガーが姿を見せて塾は大混乱に陥り、狂騒状態で煙突から落ちた少年を身を挺して救う一心だが、 その間に幸太ら何人かの子供がモンスターに連れ去られてしまう。
 中央公害科学研究所へ乗り込むコンドールマンだったが、より精神汚染を強化され、 モンスターの操り人形と化した子供達に周囲を囲まれ、子供達ごとヘドロコンクリートによって固められて行動不能に。
 「卑怯な! 子供達の心と体を餌食にするその悪、断じて許せん!」
 「なんとでもほざけ。喰らえ!」
 そして迫り来る、コンドールマン専用電子回転ノコギリ! は、縦分割なのがエグい。
 (なんとしても子供達だけは救わなければ……)
 絶体絶命の危機に呪文を唱えたコンドールマンは、コンドルサンダーでコンクリートを内側から粉砕して脱出&子供達を浄化。
 基本サンダーは出鱈目技ではあるのですが、あまり物語の流れが乗らずに、力技オンリーの突破になってしまったのは残念。 ちなみにコンクリートの破壊は氷を砕く映像で表現されるのですが、とある作品で、 砂状の肉体を持つ打撃無効の怪人に高圧電流を浴びせる事で肉体をガラス化させて倒す、というのがありましたが、 もしかしてそういうイメージ……?(コンクリートに雷を落とすとガラス質になるのかどうかは知りませんが……というかなったら困る気がするので多分ならなそうですが)
 逃げ出したヘドロを追ったコンドールマンは水中戦を挑むが案の定苦戦。水質汚染攻撃で追い詰められるが、 ゴールデンコンドルへと化身すると、
 ビームで瞬殺(笑)
 ゴールデンビームの映像がホント雑なので、必要以上に無慈悲すぎます……。
 北水博士に関しては一心から特にリアクションが無いまま、ヘドロンガーリタイアとなりましたが、下半身が普通に人間だったのが、 幹部のデザインとしては残念だった点(^^; いよいよ頭数の少なくなってきたモンスター一族は、次回果たしてどんな反撃に出るのか!
 ラスト、子供達は元に戻って大団円も、
 ナレーション「コンドールマンは子供達を救い、モンスターのアジトを叩いた。だが、一時的にもせよ子供達の心が傷つけられた事に、 さすがのコンドールマンも愕然となった。モンスター一族は、想像以上に強大だったのである」
 と、子供達の心を気にするのは、コンドールマンというヒーローらしい所。 ……今更それでモンスター一族の強大さに気付くのはどうかと思いますが(笑)

◆第22話「生か死か?! 4段化身」◆ (監督:伊賀山正光 脚本:山崎晴哉)
 まさかの草津温泉プール回。
 商店街で福引きでも当たったのか、まこと母を保護者にコンドールジュニア達は草津でバカンス中。 後から車で草津に向かっていた石松だが、コンバット部隊に追われてお地蔵様の後ろに身を隠してやり過ごし、 お礼に手を合わせていると……
 「礼を言うのはまだ早いぞ」
 なんと地蔵は、コンドールサンダーで消し飛んだ筈のスモッグトンが化けた姿だった!
 展開としては面白いのですが、なぜ地蔵に化けていたのか(笑)
 「スモッグトンの幽霊ー!」
 「幽霊に二本足があるか、ばかもん!」
 いつの間にか石松の名前を把握していたり、甦ったら妙に気さくに。
 駆けつけたコンドールマンが石松の窮地を救ってスモッグは一時撤退するが、 今度はジュニア達がこれも甦ったヘドロンガーに襲われてしまう。コンドールマンの助けによりヘドロンガーは逃げ出すが、 ヘドロ攻撃を浴びて子供達はホテルに担ぎ込まれて寝込んでしまう事に。
 3大モンスターの逆襲により大きな被害が出てしまった事に怒りを燃やす一心は、コンドールマン即ゴールデンコンドルに化身、 したと思ったらゴールデンビームでスモッグトン瞬殺(笑) 更にゴールデンタイフーンでゴミゴンを滅殺し、 鷲掴みから墜落させてヘドロンガーを潰殺するが、いずれもすぐに復活してしまう。
 (街の灯りも消えたか。正義のシンボルと言われながら、人々の平和も守れないなんて。それどころか、多くの犠牲者を出し……)
 悩める一心はおもむろに巨大な岩石にチョップを繰り返し、それが割れた先にドラゴンコンドルという希望を見出す。
 「ドラゴンコンドル……そうだ……俺には4段目の化身、ドラゴンコンドルがある」
 それは、思い出さないで欲しかった。
 「コンドールマン。覚悟はいいかの」
 もはやツッコむ気も起きない老師が顔を出し、ゴールデンコンドルの10倍の力を持つ、ドラゴンコンドルへの道を説く。 ドラゴンコンドルに至る修行……それはまさしく、生か死か。自らの命を懸けた化身の為に、コンドールマンは白根山を目指す……前に、 ちょっとホテルに立ち寄ってコンドールジュニア達に心で別れを告げるが、そこへ走ってくるまこと。
 「コンドールマン、あたし達を置いていかないで!」
 岩にチョップし続ける一心をロングで撮ったり、まことが暗闇の中で走り去るコンドールマンを夢に見たり、 暗闇の中でコンドールマンを引き留めるまことの姿を随分と空間の余白のある映像で見せたり、と今回ちょっと珍しい映像が続くのですが、 監督は既に何本も参加している伊賀山正光で、最終盤という事で少し雰囲気を変えたかったのか。
 コンドールマンは引き留めるまことに別れを告げて決死の修行へと赴き、まこと、圧倒的正ヒロインの貫禄。
 個人的にさゆりに関しては、墓参りのシーンで色々な整理をつけたのだろうと思っているので、このまま出番が無くても納得はできます。
 ここから後は、ひたすら白根山中の洞穴へ向けてひた走るコンドールマン、その情報を手に入れて妨害をはかるマッドサイエンダー、 コンドールマンが(修行の条件として)山道を外れない事に気付いたマッド博士がチャンスとばかり波状攻撃を仕掛けてくる、 となり……皆、超寒そう。
 山岳ロケの映像をふんだんに盛り込みつつのハンデキャップ戦というシチュエーションなのですが、 多少のハンデとはいえ相手がコンバット部隊では敵になるわけもなく、特にそれ以上の趣向はないので、 しつこいだけであまり面白くならず。
 滑落しそうになっているまことに手を伸ばすが、それはなんとマッドサイエンダーが化けていた! というのも、 コンドールマンを精神的に揺さぶるのかと思ったら、即物的に火山湖へ落とそうとしてすぐにバレてしまい、 小学生女子に化けるマッドサイエンダー以上の面白みは生まれませんでした。
 洞穴に辿り着いたコンドールマンは精神集中している隙に背後から襲撃を受けるも、 これも毎度のように軽々とかわしてコンバット部隊を溶岩の中に放り込んで倒し、自らは稲妻に導かれて溶岩へとダイブ! した所でつづく。
 次回――コンドールマンはあの着ぐるみになってしまうのか?!
 不死身の3大モンスターを倒す為、更なる化身を目覚めさせようとする事で人間から離れていくコンドールマンの、 ジュニア達との別れを予期させる布石などあるものの、エピソードとしては最終決戦前の繋ぎの為の繋ぎ回。ここでたわめた分、 クライマックスで大きなジャンプを期待したいです。
 ……ドラゴンコンドル本当に不安(笑)

◆第23話「大暴れ! ドラゴンコンドル」◆ (監督:伊賀山正光 脚本:伊東恒久)
 不死身のモンスター3大幹部を倒す為、秘めたるドラゴンコンドルの力を引き出そうとするコンドールマンは、老師の教えに従い、 勇躍、溶岩の中へとその身を翻す。
 ナレーション「この世の愛と平和を守り、正義を貫く使命を全うする道は他にはない。果たして、コンドールマンは、生か死か」
 ジュニア達はコンドールマンの無事を天に祈り、太陽の神に向けて呪文を捧げる老師。
 「永遠なる太陽の神よ〜。この世にまことの正義をおこのうコンドールマンを、今一度、甦らせたまえ〜」
 雷鳴轟く中、白根山の火口で爆発が起こり、今――コンドールマンの愛と覚悟、子供達の無垢なる祈り、老師の呪文による助力、 その3つが重なり、コンドールマンは4段階目の化身に成功する!
 太陽、雷、溶岩、山岳、と、不死鳥ドラゴンコンドルの誕生は、自然界における神の象徴的なものを幾つも重ねたハイブリッド。
 「ゆけ! 悪魔に苦しめられている人々の為に。そしていつかこの世が、まことの愛と、平和の楽土となる事を信じて」
 老師は修行の完成を告げ、陸海空、阻むものなき力を手に入れたコンドールマンは、コンドールフライによりその姿のまま飛翔する!
 物語の流れとしては、最強の姿ドラゴンコンドルへの化身が目玉なのですが、 マントを広げて空を舞うコンドールフライの方が圧倒的にヒロイックで、本編この後の見せ方もそんな感じに(笑)
 草津高原ホテルヴィレッジの看板を映さないといけない都合で一度ホテルへ戻るコンドールマンだが、 そこではジュニア達が3大モンスターによってさらわれていた。クラスチェンジしたばかりでテンションの高いコンドールマンは、 空からいきなりサンダーでモンスターのアジトを強襲すると、勢いをつけてドラゴンコンドルへと化身。
 遂に披露されたその姿はやはりあの着ぐるみでしたが、さすがにあの姿のまま立ち回りはせず、 ゴールデンコンドルと同様に造形物を飛ばす形となり、算を乱して逃げる3幹部を追撃すると、 ドラゴンファイヤーによりゴミゴンをあっさり焼却。
 逃げおおせたスモッグトンは、マッドサイエンダーの指示によりいよいよ日本人皆殺し作戦を発動し、 水道管にヘドロスモッグをセット。これにより、蛇口をひねると猛毒スモッグが吹き出して犠牲者を溶かしてしまうという、 阿鼻叫喚のバイオテロが決行される……!
 てっきり設置前に阻止されるのかと思ったら、最終作戦としてインパクトを出したかったのか、 白骨化した犠牲者が描写されるのがショッキング。これまで、餓死作戦、オイルショック作戦など、 日本が諸外国からの輸入に頼っている資源などを狙っていたモンスター一族ですが、最終作戦で利用するのが、 日本において豊富な水資源である、というのは、特に言及は無いのですが、国状を巧みに作戦に取り込むモンスター一族らしいものとなりました。
 その頃、草津高原ホテルヴィレッジの看板を映さないといけない都合でホテルへやってきた堅介は、 娘がモンスター一族に襲われて負傷した状況で正義のジャーナリスト魂はどこへやら、奥さんと客室ですっかりくつろいでいた。
 ……これが、正義も悪も等しく堕落させる、酒と温泉の魔力……!
 ところが猛毒スモッグの情報が臨時ニュースで流され、慌ててホテル内を駆けずり回り「水道を使ってはいけない」と叫ぶ堅介。 アルコールで溶けそうになっていたジャーナリスト魂に火がついたのでしょうが、 どう考えてもフロントに電話して館内放送をしてもらうべき案件であり、善意の筈がパニックを煽っているみたいな姿に(笑)
 協賛の都合で仕方なかったのでしょうが、合間にまことが温泉プールで遊ぶ姿が挿入されたり、最終回直前にして、 酷くテンポの悪いシーンを挟まざるをえなくなってしまったのは残念(^^;
 モンスター一族の狙いに気付き、次々と地下に設置されたスモッグ発生装置を取り除いていくコンドールマンだが、 それを察知されて罠を仕掛けられ、粘着スモッグとマグネット手枷により動きを封じられてしまう。
 「この暗い地下道がおまえの墓場だ! ドブネズミのように死ぬんだなぁ!」
 絶好調コンドールマンはドラゴンコンドルへの化身で雑にピンチを脱出しようとするが、MP不足でまさかの失敗(笑)  隔壁によって暗闇の中に閉じ込められ、至近距離から毒スモッグを浴びせられる絶体絶命のピンチの中、 天井から垂れる水滴に気がついたコンドールマンは、珍しく高笑いでスモッグトンを煽るとパイプの火を落下する水滴で消してしまう事に成功。 慌てたスモッグトンがライターで火をつけると、その光熱エネルギーを利用して、コンドールフライにより脱出する!
 もうこの辺り、凄く投げやりな感じですが、脱出成功すると何故か、高速で飛行するスモッグトンを追いかけるシーンになっており、 ここから最終回まで、前後の繋ぎが加速度的に崩壊していきます(^^;
 ドラゴンファイアーを浴びせると煙になって逃亡するスモッグトンだが、 コンドールマンはドラゴンアイによってフラスコの中に隠されたその核に気付くと、サンダーによりこれを爆破。 かくしてモンスター一族のスモッグバイオテロを失敗に追い込むコンドールマンであったが、 ヘドロンガーとマッドサイエンダーは未だ健在。果たして、キングモンスターはどのぐらいの出番を確保できるのか! 次回、最終回。

◆第24話「日本全滅?! キングモンスター」◆ (監督:伊賀山正光 脚本:伊東恒久)
 ヘドロンガーのヘドロ作戦を支援するべく都心のビルに巨大な鬼火を映すという、 マッドサイエンダーのファントム作戦を見破るコンドールマンだったが、マッドサイエンダーを追う内に、ヘドロ作戦が発動してしまう。
 「オヤジさん、落ち着いて聞いて下さい」
 押し寄せる猛毒ヘドロ津波に関する情報を源太郎に伝え、避難の支援を頼むコンドールマン。
 「おいどうだお民、聞いたか。俺のこと、オヤジさんだってよ」
 「聞いたともさ。あたし達も命がけでやらなきゃ!」
 「石松! お前の命、貰ったぞ!」
 セミレギュラーキャラの出番を作りつつ、源太郎が亡き一心の誕生日プレゼントを買うなど、 一心/コンドールマン問題も拾いに行く姿勢は見せるのですが、結局このプレゼントは出番無しと、掘り下げきれず。 素体の姿だけを写して記憶も感情も受け継いでいないC一心と、一心の周りで遺された人々との関係性というのは面白い要素だったのですが、 複雑化しすぎて内部崩壊を起こした末に、場外へ投げ飛ばす形になってしまったのは非常に残念。
 「一心だけど一心ではない」という主人公を、ロボットなどではなく文字通りの超人であるけれど表向き人間、とした事で、 周囲の人々の感情にさざ波が起こるという構造には色々な可能性があったと思うのですが、 明らかに怪しいC一心に対する周囲の人々のリアクションが不安定になってしまい、ストーリー上の一貫性を保つ事が出来ませんでした。
 C一心はC一心で、一心として振る舞う事で三矢家の人々の心の傷が癒やせるならそれで良い、以上の情動を持つに至らず、 それ故に“正義のシンボル”として存在し続けられるのかもしれませんが、 2クールの中でばっさりとしたヒーローからの変化が描かれなかったのは勿体なく感じた所です。
 まあこれは例えば、主人公の内面的変化により焦点を置いていた『ロボット刑事』でも上手くやれなかった要素なので、 70年代東映ヒーローの作劇では、なかなか難しいと思うほか無いのかもしれません。
 マッド博士とコンバット部隊による砲撃と銃撃を受けたコンドールマンは、またもマッハコンドル空蝉の術を用いると、 コンバット部隊を蹴散らして博士を追い、なんだか博士がラスボスのような展開に(笑)
 博士を追い詰めるコンドールマンだがまたも罠にはまってしまい、迫り来る弾丸の雨。 9−10話(魔界島)の使い回し映像などやたらに切り貼りが目立つのですが、草津に行って予算を使い果たしてしまったのか(^^;
 パッチワークの都合でいまひとつシーンとシーンが繋がらない中、爆発した火山からヘドロ溶岩が噴出し、 博士はコンドールサンダーで雑に撃破。ヘドロ溶岩はドラゴンタイフーンでも止まらず麓の家々を押し流してしまい、 コンドールマンはやむなくドラゴンファイヤーを放つと、溶岩そのものと同化していたヘドロンガーが浄化され、 被害を何とか最小限に抑える事に成功する。
 だがその時、遂にモンスター一族の首領、キングモンスターが日本上空に姿を見せる!
 「この日本など、俺様の力だけで木っ端微塵にしてくれるわ。ぬははははははは、それ!」
 キングモンスターは虚空に静止して微動だにしないし、映像は第7話の使い回しだしで、どうにも盛り上がらないラスボス降臨。 とにかく、カットとカットが明らかに繋がっていない為、見ていて冷めてしまいます。
 ゴールデンコンドルに化身してビームを繰り出すコンドールマンだったが、通用せずに墜落。
 「大丈夫、コンドールマンが死ぬもんですか。私達が正義を信じる限りは。ね?」
 出番のあったさゆりはまことを励まし、改めてドラゴンコンドルがファイヤーを放つも、反射されてまたも墜落。
 ……大丈夫、墜落には慣れているのでダメージは最小限です。
 「コンドールマン、よくも我がモンスター一族を討ち滅ぼしてくれたな。今こそ全ての恨みを込めて、おまえと、 おまえ達平和を愛する人間どもを、地獄に送り届けてやる。それぃ!」
 マントを一振りすると市街各所で次々と爆発が起こり、広範囲の破壊能力でラスボスとしての貫禄を見せつけるキングモンスター。
 「ふふははははははは……! くたばれコンドールマン。貴様がやった事は、無駄な事だ。なぜならば、 人間どもから欲望というヤツは永遠になくならん。とすれば、我らモンスター一族も、永遠に滅びる事はないのだ。もはや、 どんな超能力を持つおまえでも、このキングモンスターにかかってはお終いなのだ」
 キングは改めて、モンスターとは何か、を語って正義の前に立ちはだかり、 その長口舌の間に飛び上がったコンドールマンが放つ肉弾ダイブで大逆転?! ……と思ったら、 衝撃のからぶり(笑)
 いや絶対、傲慢から油断を見せた悪に、決死の一撃が炸裂して起死回生だと思っていたので、ショッキングSEで攻撃ミス、 というのは驚きでした。
 街では総理大臣から避難命令が出て大パニックが起きており、何とかそれをコントロールしようとする、正義の魂を持った人々。 そして一心母は、一心の遺影に祈り続けていた。
 「いいんだよ、いいんだよあんたは早くお逃げ。あたしは一心と一緒にここに居るんだから」
 「私も、一心さんの側に居させて下さい」
 まことを先に避難させたというさゆりもやってきて、ここでコンドールマンの起点となる、 亡き三矢一心の存在に触れてくれたのは良かったのですが、ここも、それ以上には深まらず惜しい。
 コンドールマンに声援を送るジュニア達がサークルを作り、その光を受けるコンドールマン。
 (そうだ……タバ老人は言った。全ての修行は終わった。後は思いのままだと)
 魂や志で奇跡を起こすのは世界観としてはおかしくないのですが、どうしてそこで後押しするのが、 老師のアドバイスになったのか(^^; コンドールサークルも特に顧みられずまことちゃんが正ヒロインの座から転がり落ち、 最初から最後まで謎だらけの問題児として完全燃焼した老師の言葉を胸に、コンドールフライで天高く飛翔したコンドールマンは、 キングモンスターへ向けて空を切り裂くと、額の羽飾りを外してその手に握りしめる!
 「正義の光を受けてみろ!」
 まさかのコンドルフェザーアタックがキングモンスターの額の目に直撃して大爆発……と思ったら、 何故か途中で停止する爆発の映像。
 「ははははははは! コンドールマン、まだまだその程度の力では、このキングモンスターを倒すことは出来ぬ! よいか!  改めてモンスター一族を引き連れ、貴様を叩き潰してやるわ! それまで、首を洗って待ってるが良い。はーっはははははははは……」
 そして高い所から引きでコンドールマンを映したカットに強引に切り替わり、 そこに台詞を被せてそのまま姿を消してしまうキングモンスター。
 せめて派手な爆発ぐらいしても良かったと思うのですが、非常に中途半端な演出で、カタルシス皆無のままラスボス撤退。 善と悪の戦いは終わらないにしても、もう少し見せ方があったのでは。
 「来るなら来てみろ。しかし決して負けはしない! 私には超能力だけではない……たくさんの正義の人々が居る」
 コンドールマンは空を見上げ……まさかの未・完。
 テーマを考えれば、モンスターを根絶して世界は愛と平和と正義で満たされました、 という“嘘はつかない”のは今作の誠意ではありましょうが、コンドールマンがキングモンスターに面と向かって言い返すシーンがあるわけでなく、 キングに完全に言い逃げされてしまっており、一時的勝利という雰囲気も感じにくい決着になってしまいました。
 明らかに撃破条件を満たさないままラスボスに辿り着いてしまったのですが(満たしていたら多分、 途中の肉弾ダイブがクリティカルヒットしていた)、いったいどこで必須クエストを達成し損ねたのか。
 −−−
 「空を飛ぶ事なんか出来はしない! タバ老師の嘘つき!」
 「儂は嘘はつかぬ」
 →無言で帰る
 −−−
 が正解のルートだったのでは。
 最後は、佇むコンドールマンに声援を送りながら、どういうわけか、白根山火口湖(想定)に集う人々。 構図自体は最終回でままあるシーンなのですが、どうして草津の山の上。草津ロケ編は、 打ち上げ慰労旅行を兼ねていたのか。

 ナレーション「人間の、醜い欲望から生まれたモンスターは、ことごとくその野望とともに砕け散り、街には平和が甦った。 それは、コンドールマンと、正義を信じる人々の不屈の勇気がもたらした勝利であった。――そして、またいつの日か、 人々が欲望に負け、愛と正義の心を見失った時、正義のシンボル・コンドールマンは、光の中から現れるのだ。人の愛と、平和を守り、 正義を貫く為に」

 集合場所の脈絡はもはや完全に吹っ飛んだままナレーションが力技でまとめ、太陽へ向かって飛んでいくコンドールマンを皆が見送ってエンド。
 最終的に、C一心の存在は全く顧みられませんでした(^^;
 そして最後の最後も、みんなでコンドールマンの歌を唄って、美しい日本を守ろう!
 途中で強引にフェードアウトしましたが(^^;
 最終回、ストーリーどうこうというより、パッチワークの繋ぎが雑すぎて、1エピソードとして映像が崩壊気味だったのは残念。 収束は出来なかったものの、拾える要素を出来る限り拾ってくれたのは嬉しかったのですが、 掘り下げられなかった要素の勿体なさも募る形となりました。
 結末は、悪の首領の典型的な捨て台詞ではあるけれど、最期が明確に描かれないのでスッキリしないという中途半端なものになってしまいましたが、 どうしてあんな半端な爆発シーンになったのか。最終決戦そのものの雑さも惜しまれる所です。
 コンドールマンの真の勝利は、全ての人々が正義を宿した時にこそ達成される、という物語のテーマが貫かれてはいるのですが、 テーマを守りつつのカタルシスの見せ方には最後だけにサービスが欲しかった部分。
 全体としては、明確な作品構造とテーマ、それを表現する為の徹底した描写、世相と視聴者の心の裡を抉ってくる物語、 今見ると新鮮な連続活劇スタイル、予想外に切れ味のいいアクションシーン、など刺激的で随所に見応えのある作品でした。
 今作を先に見ていたら、『仮面ライダーオーズ』と『コンクリート・レボルティオ』の感想に影響があったかも、と思うそんな一作。
 コンドーーールアイ!

(2017年9月2日)

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